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八幡「小町がナンバーワンだ」【俺ガイルss/アニメss】

 

幼女「びええ」 

 

八幡(いつものように高校までの道を歩いていると、泣いている幼女に出くわした) 

 

八幡(人気のない道で、数少ない通行人も朝の忙しさにかまけ、幼女を視界に入れないように歩いていた) 

 

八幡(俺は、平塚先生に遅刻する旨のメールを送った) 

 

八幡「・・・ちょいとそこのお嬢ちゃんや。お母さんお父さんはどうした?」 

 

幼女「びええ」

 

 

幼女「・・・お兄ちゃん、まだー・・・?」キュッ 

 

八幡「もうすぐだよ、もうすぐ。すぐにお母さんは見つかるから。だからもうちょっと待っててくれ」 

 

幼女「うんー・・・」スタスタ 

 

八幡(中々見つからねぇなぁ・・・昼休みまでに登校できるか怪しいぞ) 

 

八幡(警察に預けちまうのが手っ取り早いんだろうけど・・・何か放っておけないというか) 

 

幼女「・・・あ!」 

 

八幡(幼女が振り向いた方向から、鬼のような形相で女性が走ってきた) 

 

八幡「お前のお母さんか?」 

 

幼女「うん!おかあさ・・・」 

 

母「知らない人に付いて行っちゃ駄目って言ったでしょ!」ガバッ 

 

八幡「え」 

 

母「大丈夫?何か変な所触られなかった?」 

 

幼女「んーん」 

 

八幡(その女性は俊敏な動きで幼女を抱きかかえると、何かおぞましい物を見るような目で俺を睨みつけた) 

 

母「・・・っ!」 

 

八幡(そして、勢い良く踵を返し、俺の目の前から早歩きで去っていった・・・) 

 

八幡「・・・」 

 

八幡(そりゃ、まぁ、こんなご時世。そんな反応が普通なのかもしれないが) 

 

八幡「はぁー・・・」

 

八幡(昼休み半ばの喧噪。それに紛れるように、俺は席に着いた) 

 

沙希「・・・遅かったね。何かあった?」 

 

八幡「あぁ、そんな感じだ」ボスン 

 

八幡(俺は不貞腐れて、机に突っ伏した) 

 

沙希「・・・嫌な事?」 

 

八幡「・・・別に」 

 

沙希「・・・」 

 

八幡「・・・」 

 

沙希「・・・」ナデナデ 

 

八幡「!?」

 

沙希「何があったか知らないけどさ、男の子なんだから。その、頑張んな」ナデナデ 

 

八幡「・・・川崎さん。頭のこれは一体・・・?」 

 

沙希「え・・・あっ・・・ごめっ、つい、大志にやるみたいに、自然と・・・」 

 

八幡(・・・よもや、俺が弟扱いされる日が来ようとは) 

 

沙希「すぐやめるから・・・」 

 

八幡「いや」ガシッ 

 

沙希「!?」 

 

八幡「・・・もうちょい」 

 

沙希「わ、わかった」ナデナデ 

 

八幡「あぁー・・・」 

 

沙希「・・・どう?」ナデナデ 

 

八幡「さーちゃん好きー・・・」 

 

沙希「ふふっ、何それ」ナデナデ 

 

八幡(川崎の家庭的な暖かさが、指から頭へじんわり浸透していくようだった)

 

結衣「・・・遅刻なんて珍しいなって思ってたら・・・何させてんのヒッキー」 

 

八幡「おう、おはよう由比ヶ浜」 

 

結衣「さ、サキサキに何させてんのって言ってんの!」 

 

沙希「何か嫌な事あったみたいだから」 

 

八幡「撫でてもらってる」 

 

結衣「な、何それ・・・」 

 

八幡「別に強制してる訳じゃないぞ。何かお姉ちゃんセンサーが反応しちゃったみたいでな。こいつから撫でて来たんだ」 

 

沙希「べっ、別に、そんな・・・」 

 

結衣「じゃあ私がやる!」 

 

八幡「!?」 

 

沙希「!?」 

 

結衣「サキサキ!交代!」 

 

沙希「い、いやいいよ。あたしがやるから」 

 

結衣「わ、私がやるってば!」 

 

八幡「いや、もう十分・・・」 

 

結希「あんた(ヒッキー)は黙ってて!」 

 

八幡「はい」 

 

 

 

結衣「じゃんけん」チョキ 

 

沙希「ほい!」パー 

 

結衣「やたっ!」 

 

沙希「・・・ちっ」 

 

結衣「それじゃあ早速・・・」 

 

 

キーンコーンカーンコーン 

 

 

八幡「・・・」 

 

結衣「放課後に絶対やるからね!忘れないでね!」 

 

八幡「へいへい」

 

結衣「何先に帰ろうとしてるのっ!」グイッ 

 

八幡「いや、別に逃げるつもりじゃ・・・教室だとまずいし。部室で」 

 

結衣「う、うん。じゃあ、わかった・・・」 

 

八幡「おう」スタスタ 

 

結衣「・・・」スタスタ 

 

八幡「・・・」 

 

結衣「ね、もう誰もいないし、ここの廊下でよくない?」 

 

八幡(どんだけだよ)

 

結衣「それじゃ、お邪魔しまーす・・・」スッ 

 

八幡「おう」 

 

結衣「・・・」ナデナデ 

 

八幡「んん・・・」 

 

結衣「・・・えへへ」ナデナデ 

 

八幡(なんでお前が嬉しそうな顔してるんだよ) 

 

結衣「どう?」ナデナデ 

 

八幡「どう・・・って」 

 

結衣「どう?」ナデナデナデナデ 

 

八幡「・・・柔らかくて、気持ちいい」 

 

結衣「・・・えへへへへ」ナデナデ 

 

八幡(・・・だからなんでお前が嬉しそうな顔を)

 

めぐり「あ、比企谷くんと、結衣ちゃん。おはよー」 

 

結衣「あ、めぐり会長。おはようございまーす」スッ 

 

めぐり「もう会長じゃないけどねー。何してたの?結衣ちゃんが比企谷くんの頭を撫でていたように見えたけど」 

 

結衣「なんか嫌な事あったみたいで・・・慰めてたんです」 

 

めぐり「・・・そうなの?」 

 

八幡「ええ、まぁ、でももう十分と」 

 

めぐり「そっか・・・」ナデナデ 

 

八幡「!?」 

 

結衣「!?」 

 

めぐり「あんまり、軽い事言えないけど・・・元気出して行こう!」ナデナデ 

 

八幡「・・・癒されるぅ」 

 

めぐり「本当?嬉しいな」ナデナデ 

 

結衣「ちょっ、せ、先輩!」 

 

八幡「マイナスイオンに殺される」 

 

結衣「ふんっ」グイッ 

 

八幡「ふおっ」 

 

めぐり「じゃあね、結衣ちゃん比企谷くん!」タタッ

 

八幡「ああー・・・」スタスタ 

 

結衣「・・・どうだった?」スタスタ 

 

八幡「え?何が」 

 

結衣「めぐり先輩の、なでなで」 

 

八幡「え、そりゃあ、癒された」 

 

結衣「私のと、どっちが良かった?」 

 

八幡「どっちの、って・・・」 

 

結衣「どっちが良かった!?」 

 

八幡「いや、その、比べるような物じゃないというか、金子みすゞというか」

 

雪乃「・・・部室前で何を騒いでいるのかしら」 

 

結衣「あっ、聞いてよゆきのん!ヒッキー今日嫌な事あったみたいでさ!」 

 

雪乃「・・・そう」 

 

結衣「それでサキサキがなでなでして慰めてて!」 

 

雪乃「」ピクッ 

 

結衣「次は私が撫でてあげて!」 

 

雪乃「」ピクピクッ 

 

八幡「おい、由比ヶ浜」 

 

結衣「それからめぐり先輩にもなでなでしてもらって!」 

 

雪乃「」ピクピクピクッ 

 

結衣「で!?誰が一番良かったの!?」 

 

八幡「いや、だから・・・」

 

雪乃「・・・比企谷くん。由比ヶ浜さん達の優しさにかまけて、自分の欲望の捌け口にするというのは頂けないわね。もっと彼女らの気持ちを考えなさい」 

 

八幡「いや、そういう訳じゃあ・・・」 

 

雪乃「けれど、貴方にも、その、落ち込んで慰めて欲しい時があるというのも、分かるわ」 

 

八幡「ん?」 

 

雪乃「だから、これからは私が慰めてあげる」ナデ 

 

八幡「!?」 

 

雪乃「その・・・どうかしら。こういうのは初めてで・・・」ナデナデ 

 

八幡(雪ノ下の細い指がおずおずと俺の頭を上下する) 

 

八幡「・・・大変よろしいと思います」 

 

雪乃「そう・・・それは、良かったわ」ナデナデ

 

結衣「・・・誰が一番良かった?」 

 

八幡「えっ」 

 

雪乃「誰が一番良かったのかしら?」 

 

八幡「えっ」 

 

いろは「せんぱーい。生徒会のお仕事・・・何してんですか?」 

 

結衣「なでなで決定戦」 

 

いろは「なるほど。私も参加します」ナデナデ 

 

八幡「!?」 

 

いろは「元気になーれ。元気になーれ」ナデナデ 

 

八幡「おお・・・」 

 

いろは「どうですかー?せんぱーい」ナデナデ 

 

八幡「可愛い」 

 

いろは「へっ」

 

八幡「愛を感じる」 

 

いろは「は、はぁー?なんですかいきなり、べ、別に愛込めたりとかしてませんけど!?」 

 

八幡「そうなのか・・・」 

 

いろは「あ、いや、ちょっとは込めたかも・・・です」 

 

結衣「・・・」ナデナデナデ 

 

雪乃「・・・」ナデナデナデ 

 

八幡「うわっ、ちょっ何だお前らいきなり」 

 

いろは「・・・!」ナデナデナデ 

 

八幡「う、埋もれる!埋もれる!」

 

 

八幡「ただいまー」 

 

小町「おかえりー」トテトテ 

 

八幡(なんだ?わざわざ出迎えてくれるなんて珍しいな) 

 

小町「お疲れー」ナデナデ 

 

八幡「!?」 

 

小町「結衣さんからメール来てさー。今日はお兄ちゃんを撫でる日なんでしょ?」 

 

八幡(なんだそれは) 

 

小町「えへへ、どう?気持ちいい?」 

 

八幡「ああー・・・気持ちいいー・・・」ボフッ 

 

小町「わっ、重い!お兄ちゃん重いから!」 

 

八幡「小町がナンバーワンだ」 

 

小町「もー、今日のお兄ちゃんは甘えん坊だなー。ま、今日ぐらいは小町がお姉ちゃんになってあげよっかなっ!」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「弟になった日」【俺ガイル】

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