アニメssリーディングパーク

おすすめSSを当ブログで再編集して読みやすく紹介! 引用・リンクフリーです

八幡「雪乃…俺はお前のことが…好きだ…」 雪乃「…なかなかよく録れてるわね」1/3【俺ガイルss/アニメss】

 

比企谷「女子達の人格が入れ替わる…だと?」

 

比企谷「つまり四人の体が入れ替わってるってことだよな?」 

 

川崎(雪ノ下)「そういうことよ」 

 

比企谷「(お、おぉ。川崎がおしとやかだ)」 

 

雪ノ下(戸塚)「どうしよお八幡…」 

 

比企谷「!」ビクッ 

 

「(と、戸塚が雪ノ下の体に。これは破壊力が半端ない。まじぱない。)」 

 

「(雪ノ下の顔で上目づかいで涙目とか…ん?良く考えれば今戸塚は女子なんだよな)」 

 

「(つまりだ。もしこの状況が続けば俺は何の躊躇もなく戸塚ルートを選択することができる!)」 

 

「(雪ノ下は中身は醜いが見た目は美少女だ。そんな美少女と戸塚の天使のような人格をかけあわせれば…)」 

 

「(か、完璧すぎる。完璧すぎて怖い。とうとう神様も俺のことが可哀そうになってきたんだろう)」 

 

「(こんな僥倖…逃してたまるか!これで俺の青春は…ぐふっ)」 

 

戸塚(由比ヶ浜)「ちょっとヒッキー顔がきもいんだけど」 

 

比企谷「…」ジッ 

 

戸塚(由比ヶ浜)「な、なによ」 

 

比企谷「戸塚の体はお前にはもったいない!もしも戻った時の為に戸塚の体を汚すなよ、ビ*チめ」 

 

戸塚(由比ヶ浜)「なんだしそれ!失礼だし!」 

 

川崎(雪ノ下)「いまの『もしも』というのが気になるのだけど…どういうことかしら?」 

 

比企谷「いや、別に深い意味は」 

 

由比ヶ浜(川崎)「で?どうすればいいわけ?」 

 

比企谷「(…おぅ。由比ヶ浜にあのハスキー声だと)」 

 

「正真正銘のギャルビ*チだな。こえぇ」 

 

戸塚(由比ヶ浜)「ビ*チいうなし!…ってかなんでヒッキーは入れ替わってないわけ?」 

 

比企谷「ご都合主義だろ。…強いて言うなら俺は男子だから、とか」 

 

川崎(雪ノ下)「そうね。もし比企谷君が誰か女子の体を手に入れたなら…想像するだけで恐ろしいわ」 

 

比企谷「おい。そりゃ女子の体にはいったらとか妄想することはないことも…」 

 

戸塚(由比ヶ浜)「…」ギロッ 

 

比企谷「なくはないともいいきれなくはないとは思いますが。大体お前の体に魅力なんてねーよ」 

 

「(まないただし)」 

 

川崎(雪ノ下)「どうしてかしら、急にあなたをどこかの海峡に沈めたくなったわ」 

 

比企谷「おぞましいなおい」 

 

「(川崎のちょっと怖い外見と雪ノ下のとてつもなく怖い性格が合わさると…おぉ神よ。なんで貴方はこんなにも恐ろしい生き物を…)」 

 

由比ヶ浜(川崎)「…奇遇だな雪ノ下。私も何故か同じようなことを今おもった」 

 

比企谷「おいおい、見回せば敵だらけじゃねぇか」

 

雪ノ下(戸塚)「八幡…戻れないのかなぁ」ウルッ

 

比企谷「戻らない方が…いいわけないよな」

 

「(神様は残酷だな)」

 

「(にしてもやっぱり…)」ドキドキ

 

「(やはり破壊力が凄い。俺の理性は崩壊寸前だ)」

 

「(もぅいいんじゃないか?襲っちゃっても?)」

 

「(こんなSFのテンプレな状況が何時まで続くかもわからないし…)」

 

「(今ならば襲っても…間違ってはいないよな)」

 

川崎(雪ノ下)「戸塚君、私の体を死守して頂戴。」

 

「単なる私の予想だけど、腐ったゾンビのような存在が貴方を狙っている気がするわ」ギロッ

 

比企谷「ゾンビは言いすぎだろ。一応まだ生きてんだよ。ってか一応でもねぇし」

 

川崎(雪ノ下)「あら、誰も貴方のことだなんていってないわよ。とおとお正体を現したのね」

 

比企谷「(どんだけコピペな展開だよ。ってか俺犯人役かよ)」

 

比企谷「(しっかし俺も誰かの体にはいってみたかったなぁ)」

 

「(いやマジで。別に下心があるわけではなくて、純粋に科学者として。文系志望だけど)」

 

「(出来るならば…由比ヶ浜か川崎だな。うん)」

 

「(あ、これもバスツがどうとかじゃなくて女性ホルモンとのなんだ、関連性とかそういうのを調べるために)」

 

「(でももし雪ノ下の体を使えたら…恥ずかしいポーズとかとって写真に収めれば…)」

 

「(弱味を握れるじゃないか!『俺に逆らったらこの写真をばらまくぞぉ?』なんて感じで)」

 

「(『後に主人公にカッコ悪くやられる不良』フラグな感じもするが、でも雪ノ下を脅せる)」

 

「(そうすればもぅ俺が雪ノ下の暇つぶしとして精神がつぶされることもなくなるだろう)」

 

「(となると…)」

 

「雪n…じゃない、戸塚。今日俺と遊ばないか?」キリッ

 

雪ノ下(戸塚)「…え、うん。いいよ。でもこの体じゃ」

 

比企谷「見た目なんて関係ねぇ。見た目で人を判断する奴なんてただの屑だ!」

 

「(どうよ、今俺超カッコいいことを言っている気がする。)」

 

「(ちなみに今の台詞は『言ってみたい台詞ランキング』第五位である。わーもーひきがやくんしびれるー)」

 

川崎(雪ノ下)「分かるわ。自分の目が腐っているなんて現実、認めたくないものね。そぅ、大事なのは内面よ」

 

「いくら目が腐敗していようが気にすることはないわ。だってどうしようもないもの」

 

「だから頑張って性格をあと数京倍だけ改善すればいいだけなのよ」

 

比企谷「おいおい、突っ込みどころろ多すぎだろ」

 

「第一に俺は目が腐ってようが気にしてない」

 

「(あまりに言われ過ぎて腐っていること自体は認めちゃったよ俺。すんげー素直)」

 

「それに内面だって全否定じゃねぇかよ。『京』なんて数字会話の中で聞いたの初めてだわ」

 

戸塚(由比ヶ浜)「えっ、『京』って数字なの!…えっと、億の百倍くらい?」

 

比企谷「おいおい、アホにもほどがあるだろ。中学校からやり直せよ」

 

「(戸塚の驚く顔は可愛いなぁ)」

 

戸塚(由比ヶ浜)「なっ!また失礼だし!」

 

川崎(雪ノ下)「そうよ比企谷君。今時小学生でも『京』くらい知ってるわ。全国の小学生に失礼だわ」

 

戸塚(由比ヶ浜)「ゆきのんはもっとだし!」

 

比企谷「(腕を振り回す戸塚は可愛いなぁ)」

 

由比ヶ浜(川崎)「あのさ、あんたさっきから目が気持ち悪いんだけど」

 

比企谷「すまん。腐ってるもんでな」

 

川崎(雪ノ下)「あら、いつになく素直ね。ついでに自分の欠点をあと百八つほど認めてしまったら?」

 

比企谷「多すぎるだろ。煩悩かよ」

 

戸塚(由比ヶ浜)「ねぇねぇ。思い出したんだけどさ、さっきヒッキーが入れ替わらなかった理由言った時男子だからって言ったけど…」

 

「さいちゃんだって男子じゃん」

 

比企谷「…は?ごめん、良く聞こえなかった」

 

戸塚(由比ヶ浜)「だから、さいちゃんだって男子じゃん」

 

比企谷「おかしいな、お前の声が全く聞こえない。電波の受信状況が悪いな、アンテナが一本しかたってねぇ。やっぱ地下だと受信できねェな」

 

戸塚(由比ヶ浜)「はぁ?アンテナとか意味分かんないし。ってかここ地下じゃないし。馬鹿じゃないの?」

 

比企谷「おい、由比ヶ浜。あのな、世界にはいっちゃいけないことと悪いことがあるんだ」

 

「だからいくら今お前が証拠を持っていようと人の夢を潰すようなことはするな!」

 

戸塚(由比ヶ浜)「ごめん…ってなんであたし怒られてんの?!」

 

川崎(雪ノ下)「由比ヶ浜さん、許してあげて。彼は今妄想という彼が生きるための最後の手段を使っているの」

 

「それを否定してしまったら現実がつら過ぎて彼はしんでしまうわ」

 

比企谷「さっきから俺のこと傷つけすぎだろ。そろそろ売り物にならないくらいの傷ものになるぞ?」

 

川崎(雪ノ下)「あなたもしかして自分に少しでも価値があると思っているのかしら…」

 

「あ、ごめんなさい。貴方の妄想を否定するつもりはないの。だからここで死なないでちょうだい。色々と面倒だし」

 

比企谷「お前本当に俺を*すつもりだろ。精神的に」

 

「(にしてもそろそろちょっとエッチなトラブルが起きてもいいんじゃないか?)」

 

「(体が入れ替わるなんて…ヱロくならないわけがないだろう!普通のちょっとHな少年漫画なら)」

 

「(しかしなぁ。俺自身入れ替わってないわけだからなぁ)」

 

比企谷「なんだ!急に眩い光が!うわーーー」

 

由比ヶ浜(比企谷)「はっ!いつの間にか俺の体が由比ヶ浜の体に!流石は御都合主義!」

 

比企谷(川崎)「ん…今度は比企谷の体に…」

 

由比ヶ浜(比企谷)「(こ、この胸についているメロン、いや、スイカ二つは!)」

 

「(この肩に疲労感を与える南国果実は!)」

 

戸塚(由比ヶ浜)「ひ、ヒッキーあたしの体ぜったい触んないでよ!マジで!指一本も!」

 

由比ヶ浜(比企谷)「落ち着け、触る気はない。こんな人前では」

 

戸塚(由比ヶ浜)「そ、そっかー…って触る気満々じゃん!キモい!マジでキモい!っつーか変態!」

 

由比ヶ浜(比企谷)「なんとでも言うがいい。…あっ、俺急用思い出した!今日はばぁちゃんの結婚式だった!」

 

戸塚(由比ヶ浜)「嘘ばればれだし!絶対帰さないから」

 

由比ヶ浜(比企谷)「(今の台詞、後半だけを切り取ってみれば少しヱロい。もっと大人っぽく言ってほしかった)」

 

比企谷(川崎)「(そ、そうか。あたしは今比企谷の体の中に…)」

 

「(…)」

 

「(べ、別に動揺するようなことじゃないな)」

 

「(なんだ、その。興味とか全然ないし)」

 

「(…)」カァッ

 

由比ヶ浜(比企谷)「(それにしてもやはりこんな好機を逃すわけにはいかないな)」

 

「(ちょっと触る位ならばれないような気もするが…ちょっとだけなら)」ゴクリ

 

「(ラブコメの神様からのプレゼントだ。日ごろの行いがよかったおかげかなぁ)」

 

川崎(雪ノ下)「比企谷君。平塚先生でも呼んで煩悩を吹き飛ばしてもらったらどうかしら。頭ごと」

 

由比ヶ浜(比企谷)「…リアルにありえそうなところが怖ェ」

 

「(比企谷八幡。与えられた任務はただ一つ。この胸にぶら下がる脂肪のマッサージを誰にも見られずに行う事だ)」

 

「(しかし部室では流石に監視の目が厳しい)」

 

「(だが場所を移したとしても必ず彼らは付いてくるだろう)」

 

「(男子の体ではなくなって今俺だけがいける場所、というのは思い浮かばない)」

 

「(これはもぅ転んだふりとかするしかないな)」

 

「(ちょっとHな漫画の主人公が転べば目の前にはおっぱいがあるはずだ!)」

 

川崎(雪ノ下)「(比企谷君はさっきから何を気味悪くほくそ笑んでいるのかしら)」

 

「(やましい事を企んでいるに違いないわ。やましいことが何なのかは大体想像がつくし)」

 

「(でももし彼が急に動き出した場合、私は由比ヶ浜さんの体を守ることができるかしら)」

 

「(状況は圧倒的に不利よ。なんせ体の主導権は彼にあるのだもの)」

 

「比企谷君、由比ヶ浜さんの体から早く離れたら?さもないと彼女の目が腐り始めてしまうわ。貴方の精神に浸食されて」

 

由比ヶ浜(比企谷)「おいおい。どんだけ俺の精神力は強いんだよ。体を腐らすとか呪いのレベルだだろ」

 

「何、俺陰陽師とかに退治される系の生き物なわけ?」

 

「それに出たくてもでてねぇっつーの」

 

川崎(雪ノ下)「(くっ。どうすれば比企谷君の凶行を止めることができるのかしら)」

 

「(彼は嫌われることを恐れてはいないわ、いざとなればTPO構わず鷲掴みにするでしょう…)」

 

「(それにしても何を食べればあそこまで大きくなるのかしら…)」

 

由比ヶ浜(比企谷)「(実行あるのみ!)」テクテク

 

「あ、つまづいたぁー。あーれー」

 

川崎(雪ノ下)「(はっ。どさくさに紛れるつもりね!阻止しなきゃ)」タタタッ

 

「(余計なことを考えていて反応が遅れてしまったわ…間に合うかしら)」

 

雪ノ下(戸塚)「由比ヶ浜さん…じゃなくて八幡、危ない!」ダッ

 

由比ヶ浜(比企谷)「(と、止めないでくれ戸塚!もう少しで転べるんだ!)」

 

ドンッ!

 

由比ヶ浜(比企谷)「(ん…なんだこの触感は…由比ヶ浜の胸って案外ボリュームが…)」ムニッ

 

雪ノ下(戸塚)「八幡…くすぐったいよぅ」

 

由比ヶ浜(比企谷)「こ、これは!思ったほど掌から溢れないと思ったら!」ムニッ

 

「(普段からバカにしていた胸だが…やっぱり女子…一応あるんだな)」

 

「(柔ら…かい)」

 

川崎(雪ノ下)「比企谷君?貴方ノ体が由比ヶ浜さんじゃなかったら破壊してるところよ」ゴゴゴッ

 

「体が戻った時には裁判になるだろうから、気休めかもしれないけど弁護士でも探しておいたら?」

 

由比ヶ浜(比企谷)「(はっ、そうか。今の俺は由比ヶ浜。いくら雪ノ下といえども、平塚先生にしても俺に暴力をふるう事は出来ない!)」

 

「(まぁ雪ノ下なんかは精神的な暴力の方が得意らしいけど)」

 

由比ヶ浜(比企谷)「(となると…もう少し揉んでおくべきか?)」

 

「(もぅ一回揉んだんだし、あと一回で処遇が変わるってこともないだろうし)」

 

雪ノ下(戸塚)「八幡…くすぐったいってばぁ」ウルッ

 

由比ヶ浜(比企谷)「(な、なんだこの胸の高鳴りは!)」ドキドキ

 

「(ふ、不性動脈か!雪ノ下なんかに…いや、もぅ雪ノ下は雪ノ下じゃない!)」

 

「(戸塚ってことでいいよな。もぅ戸塚だろ)」

 

「(だから友達としてハグしたってらぶらぶちゅっちゅしたって何の問題もないよな)」

 

「(実際由比ヶ浜だってしょっちゅう雪ノ下に抱きついてるし)」

 

「(男×男ルートが女×女ルートに変わるだけだ!)」

 

川崎(雪ノ下)「比企谷君?社会的に抹殺されたくなかったらさっさと立ち上がることね」

 

「はっ。もしかして既に社会から認められていないからもぅ怖くないのかしら」

 

由比ヶ浜(比企谷)「(…そろそろ立ち上がるか。何時までも堪能してたらやっぱし色々とヤバい気がするし)」

 

由比ヶ浜(比企谷)「な、なんだ。またも閃光がーーーー」

 

ピカーン

 

比企谷(雪ノ下)「…そんな。まさかこんな男の体に。誰も私の目を見ない方が良いわ、腐るもの」

 

戸塚(比企谷)「おいっ。何俺ゴーゴンなの?」

 

比企谷(雪ノ下)「こんな恥ずかしい姿誰にも見せられないわ。屈辱よ…」

 

戸塚(比企谷)「お前俺のこと一方的に攻めすぎだろう」

 

川崎(由比ヶ浜)「ゆきのーん、今度は私川崎さんになっちゃったー」ダキッ

 

戸塚(比企谷)「(うっわ川崎(の体が)俺(の体)に抱きついてる。すごいシュール)」

 

「(背中の感覚だけでも…俺の体、しっかりと記憶しておけよ!)」

 

雪ノ下(川崎)「お、おい!あたしの体で比企谷なんかに抱きつくな!」カァ

 

戸塚(比企谷)「(わお、凄い拒絶のされよう。本当に俺の体って菌もってたりしちゃってるんじゃないの?)」

 

比企谷(雪ノ下)「そうよ由比ヶ浜さん。川崎さんに失礼よ。今だって彼女は精神的に多大なるショックを受けているのかもしれないわ」

 

「早急に私から離れないと貴方まで隔離病棟に入れられてしまうわ」

 

戸塚(比企谷)「だから俺は病原菌の媒体かっつーの」

 

川崎(由比ヶ浜)「そーいえばさいちゃんの体でヒッキーの口調だとちぐはぐだね」

 

比企谷(雪ノ下)「そうね。戸塚君自身はとても愛らしいのにもぅ浸食が始まっているようね、可哀そうな戸塚君。」

 

戸塚(比企谷)「浸食スピード早すぎるだろ。どんだけ強力なの比企谷菌。ってかもぅ菌で遊ぶのやめろよ」

 

「そろそろ本格的に傷ついて泣いちゃうよ?乙女の涙だよ」

 

由比ヶ浜(戸塚)「べ、別に僕はダイジョブだよ。八幡が体に入ってても」

 

戸塚(比企谷)「(うっわ凄い優しい。本当に泣きそう。ウォシュレットどころかナイアガラの滝レベルで)」

 

由比ヶ浜(戸塚)「でも僕の涙は男の涙だよ?」

 

戸塚(比企谷)「あっれー?やっぱり受信状況が悪いなこの部屋。ずうぇんずうぇん聞こえない」 

 

戸塚(比企谷)「(…そういえばよくよく考えてみると今俺は三秒で戸塚の性別が確認できる状況にいる)」

 

「(ちょっとポケットに手を突っ込んでまさぐってみればいいだけだ)」

 

「(勿論制服は男子用の制服だがそんなキャラはあっちこっちにいる)」

 

「(…し、しかし。確かめてしまっていいのか?)」

 

「(大体性別不明キャラの性別がばれるときって風呂とかに入ってるところを覗いちゃったりして)」

 

「(んまぁ全裸のサービスシーンってとこだよな)」

 

「(それに比べるとずいぶんと地味な確かめ方なわけだが…)」

 

「(駄目だ、決心がつかない。もしついていたら、もしついていたら!)」

 

「(もしラノベの性別不明キャラについてたらもぅ皆がっかりだろ!期待してたのに!だろ)」

 

「(俺も寝込むよきっと。三ヶ月くらい)」

 

「(どうする?どうするよ俺!)」

 

戸塚(比企谷)「(やるか。やってしまうのか!)」

 

「(一体いつやれというのだ!)」

 

三浦「あんさー結衣いるー?」

 

川崎(由比ヶ浜)「あ、優美子」

 

三浦「…は?」

 

「(えっと、川崎だっけ。ってか馴れ馴れしくね?)」

 

川崎(由比ヶ浜)「(やばっ、今は川崎さんの体の中だった)」

 

「い、いやぁ。なんでもない」

 

三浦「…。まいいや。で、結衣さー、今からカラオケ行かない?行くっしょ?」

 

由比ヶ浜(戸塚)「いや、で、でも…」

 

三浦「何?なんか他によーでもあるわけ?」

 

由比ヶ浜(戸塚)「そういうことでもないけど…」

 

三浦「じゃぁいいじゃん。」テクテク・・・グキッ

 

戸塚(比企谷)「(こ、これはラッキースケベフラグ!)」

 

「(まさか三浦がありふれたラッキースケベを発動させるとは)」

 

「(やはり素質があるのかな、俺には。転ばなくても向こうからおっぱいがやってくる)」

 

「(カモン!れっつぱーりー!)」

 

ドスンッ

 

三浦「いった…ってか何もないところでこけるとかあーしなんかきょーちょーし悪いわー」

 

比企谷(雪ノ下)「あの、早くどいてくれるかしら」ムニッ

 

三浦「ハッ」

 

「ちょっ、どこ触ってんだし!早く離れろし!マジキモイし!」カァ

 

戸塚(比企谷)「(あっれー…こういうときって俺じゃないの?下敷きになるの)」

 

「(いや、そりゃ体的には俺だけどさ)」

 

「(画だけ見ればうれしいはずなのに全然嬉しくない。だってなんの感触もないわけだし)」

 

「(おかしいだろ、神様よ)」

 

「(さっきから川崎だったり三浦だったり…俺は大きいおっぱいには恵まれてないのか?)」

 

「(俺の体!頑張って記憶するんだ!細胞の…なんか記憶のなんかに刻み込め!)」

 

三浦「あんたマジ犯罪者だし。乙女の純情汚したわけだし。マジ訴えるから!」

 

戸塚(比企谷)「(あれ?よくよく考えてみたら俺ダメージ大きくない?)」

 

「(そりゃラッキースケベの後に女子に怒られるのはしょうがないですけど)」

 

「(それはそのおっ◯いの代償というか)」

 

「(今俺何にも感じてないのに罵られてんじゃん)」

 

「(何この理不尽な感じ。俺ものすごい不遇。)」

 

「(やはり雪ノ下は俺に災いしかもたらさない。だって俺今日だけで二人に訴えられちゃってるから)」

 

三浦「マジもー帰るし!」スタスタ

 

戸塚(比企谷)「(俺の体の悲しい努力によって問題は一つ回避されたが)」

 

「(…そろそろ大きな展開がなきゃやばいんじゃないか?)」

 

「(戻るための薬の調合を始めるとか、戻るための道具を入手するためにドラゴンを倒すとか)」

 

「(それくらいファンタジックな展開がないとぐだぐだだぞこれ?)」

 

キーンコーンカーンコーン

 

戸塚(比企谷)「おいおい学校終わちゃったよ。どうすんの?」

 

比企谷(雪ノ下)「どうするもなにも、戻り方が分からないのではどうしようもないじゃない」

 

戸塚(比企谷)「そうですけど」

 

比企谷(雪ノ下)「私だって出来る限り早くこんな異臭漂うからだなんて抜けだしたいのよ?」

 

戸塚(比企谷)「異臭って…物理的に腐ってんじゃねーかよ」

 

比企谷(雪ノ下)「皆で一緒に下校しましょうか。少々不自然かもしれないけど、それが一番安全だわ」

 

ゾロゾロ

 

戸塚(比企谷)「(にしてもこんな大人数で廊下歩くなんて初めてだな)」

 

女子A「あっ」パサッ

 

戸塚(比企谷)「(ん、目の前で女子が幾枚かの書類を落とした。どうする?)」

 

「(A紳士的に拾うのを手伝ってあげる)」

 

「(B無視する)」

 

「(C拾うのを邪魔する)」

 

「(さて、どれにしようか)」

 

比企谷(雪ノ下)「大丈夫?」

 

女子A「あ…はい」ドキッ

 

戸塚(比企谷)「(おぉ、俺が凄い紳士的。…俺じゃないけど)」

 

比企谷(雪ノ下)「(反射的に手伝っているのだけれど、そういえば私の体は今比企谷君だったわ)」

 

「(そうすると手伝うのは不自然だったかしら)」

 

「(でも途中でやめるわけにもいかないし)」

 

女子A「あ、あの。ありがとうございます」カァッ

 

比企谷(雪ノ下)「(…どうしたのかしらこの子)」

 

「(さっきからどもることが多いし、私と視線を合わせるのを避けているわ)」

 

「(それに顔も火照っているようだし…)」

 

「(!)」

 

「(も、もしかして。彼女は私、つまりは比企谷君に好意を抱き始めたのかしら)」

 

「(勿論普段の比企谷君ならそれはあり得ない話だけど…)」

 

「(今の比企谷君は目は残念だけど能力的にはほぼ完璧。好意を抱くのも仕方がないと言えるわ)」

 

「(でも今の比企谷君は本当の比企谷君ではないわ)」

 

「(こんなのを慕い始めるなんてこの子の為にも良くないわ)」

 

「(だって後に果てしなく後悔することになるもの)」

 

「(別に私個人としては誰が比企谷君をどう思おうとあまり関心はないのだけれど)」

 

「(やはり今の状態では女子の好意は振り払っておくべきよね)」

 

戸塚(比企谷)「(雪ノ下のやつ、さっきから何考えてんだ?手が止まってるけど)」

 

比企谷(雪ノ下)「(そうとなれば一刻も早く行動に移さないと…)」バサァッ

 

川崎(由比ヶ浜)「ゆきn…じゃなくてヒッキー!何やってんの!急に集めた書類ばらまいて!」

 

比企谷(雪ノ下)「ふはははははー。この俺様が手伝うわけないだろー(棒」

 

女子A「へっ?…ひ、ひどいです!」ウルッ

 

「うわーん」ダッ

 

戸塚(比企谷)「おいおい雪ノ下!お前俺の体で何してんだよ!走って逃げちゃったじゃん」

 

「一日に三回も告訴されることになりかねない…俺極悪人じゃん」

 

比企谷(雪ノ下)「だってあれが普段の貴方じゃない?女子に優しく接するなんてあり得ないもの」

 

「人との接し方を知らないのだから」

 

戸塚(比企谷)「にしてもあれはないだろ!手伝い始めたなら最後までやれよ」

 

「あんなのただの嫌な奴じゃねーか。もぅ俺の評価ゼロどころかマイナスだろ」

 

「折角俺の体でラブコメが始まりそうだったのに」

 

比企谷(雪ノ下)「それジョーク?にしてはすごくつまらないわね。貴方が女子から好意を寄せられるなんて有るわけないじゃない」

 

「寝言は寝てから言いなさい…こんなありふれた台詞を本当に使わなければいけないなんて思わなかったわ」

 

戸塚(比企谷)「いやいや、いるかもしれないだろ。ほら、平塚先生も言ってただろ?だて食う虫も好き好きだって」

 

「一人もいない場合専業主夫希望の俺は一体どうすればいいんだ!」

 

比企谷(雪ノ下)「カブトムシとでも結婚したらどう?」

 

戸塚(比企谷)「…三日で死んじゃうよ。俺じゃなくてカブトムシが」

 

「大人しくしてれば『びびびっ!彼が運命の人だ!』なんてゲゲゲな女性がいるかもしれないだろ?」

 

「今の彼女だってそうだったかもしれないしよ。それをこっちから追っ払ってどうする」

 

「自分で言うのも悲しいが来るものは拒まないでさらに閉じ込めないとヤバいだろ、俺の将来設計」

 

比企谷(雪ノ下)「そんな目玉がお父さんな女性なんているわけないでしょ」

 

「それに少しうぬぼれすぎじゃないかしら?」

 

「現実には貴方を養ってあげようと思う女性なんて皆無よ」

 

「先程の女性だって貴方の本性を見れば必死で貴方との交流を避けるわよ。」

 

「女子にメールが届かなくなったこととかあるでしょ?」

 

戸塚(比企谷)「ぐっ」

 

「(そりゃあるけどさ。でも一回だけだぞ?)」

 

「(それにその一回だっておそらく彼女がメアドを変えた際に俺に『メアド変えたよメール』を送るのを忘れてただけだろう)」

 

川崎(由比ヶ浜)「ひ、ヒッキーは女の子にモテたいなーとか思うの?」

 

戸塚(比企谷)「何を今更。もてたくない男子なんていないはずがないだろう。性別がどっちであれ」

 

「『いやー俺女に興味ないし』なんて言ってる奴らが一番興味が会ったりするんだよ」

 

「(ちなみに俺はその台詞を中学生のころにもしこの台詞が流行語大賞とったら受賞者俺でしょ、ってほどに多用していた)」

 

「(といっても言う相手はほぼほぼ妹なわけだが)」

 

川崎(由比ヶ浜)「ち、ちなみに。マジでちなみにだけどヒッキーでどんな女の子が好きなの?」

 

雪ノ下(川崎)「」ピクッ

 

比企谷(雪ノ下)「」ピクッ

 

戸塚(比企谷)「おいおい、こんな廊下でガールズトークかよ。」

 

「こういうのはあれじゃないか?修学旅行までとっておくべきじゃないか?」

 

比企谷(雪ノ下)「どうせ貴方と由比ヶ浜さんが同じ部屋になることなんてあり得ないんだからいいじゃない」

 

「それに同室の男子達とも話が会わなくておそらくあなたは押入れにこもることになるでしょうし」

 

戸塚(比企谷)「…俺ネコ型ロボットなの?なら猫好きのお前は俺にもっと優しくしろよ」

 

比企谷(雪ノ下)「あんなのはただの青い達磨でしょ?あの造形で猫を名乗るなんて…許し難いわ」

 

戸塚(比企谷)「オリンピック招致も頑張っちゃうような国民的キャラクターにお前そんなこと思ってたのかよ」

 

川崎(由比ヶ浜)「ねぇ、で?どんな子が好きなのっ?」

 

戸塚(比企谷)「(…川崎の顔で迫られると逆らえない…)」

 

「んっとだな…」

 

「まず第一に俺を養うだけの経済力がなければならない」

 

川崎(由比ヶ浜)「高校生でそんなお金持ってる子いるわけないじゃん」

 

戸塚(比企谷)「将来的にだよ。つまりある程度頭が良くなければならない」

 

「公務員志望の子は尚いい」

 

川崎(由比ヶ浜)「…あのさ、もっと普通のないの?見た目とか、せーかくとか」

 

戸塚(比企谷)「あ?性格?」

 

「そうだな…俺に優しい…とかか」

 

比企谷(雪ノ下)「可哀そうに、今まで誰一人として貴方に優しい女子なんていなかったのね、理解出来るわ」

 

戸塚(比企谷)「勝手に同情すんな」

 

川崎(由比ヶ浜)「見た目とかは?」

 

川崎(由比ヶ浜)「ねぇ、で?どんな子が好きなのっ?」

 

戸塚(比企谷)「(…川崎の顔で迫られると逆らえない…)」

 

「んっとだな…」

 

「まず第一に俺を養うだけの経済力がなければならない」

 

川崎(由比ヶ浜)「高校生でそんなお金持ってる子いるわけないじゃん」

 

戸塚(比企谷)「将来的にだよ。つまりある程度頭が良くなければならない」

 

「公務員志望の子は尚いい」

 

川崎(由比ヶ浜)「…あのさ、もっと普通のないの?見た目とか、せーかくとか」

 

戸塚(比企谷)「あ?性格?」

 

「そうだな…俺に優しい…とかか」

 

比企谷(雪ノ下)「可哀そうに、今まで誰一人として貴方に優しい女子なんていなかったのね、理解出来るわ」

 

戸塚(比企谷)「勝手に同情すんな」

 

川崎(由比ヶ浜)「見た目とかは?」

 

戸塚(比企谷)「(随分とくいつて来るな…)」

 

「(もしかしてこいつ俺のこと好きなんじゃないの!…なんつって)」

 

「(…でも一応イニシャルとか聞いてみる?)」

 

「(…いや、H・HはH・Hでも葉山隼人のH・Hだったっていうオチは丸見えだからやめておこう)」

 

「(ったく、葉山のせいで女子の半数の好きな男子のイニシャルはH・Hだろ)」

 

「(勘違いする可能性が増えるっつーの)」

 

「見た目か…」

 

「そうだな。背は俺よりも低くて…」

 

川崎(由比ヶ浜)「(よしっ)」

 

戸塚(比企谷)「短髪で…」

 

川崎(由比ヶ浜)「(よしっ)」

 

比企谷(雪ノ下)「(…)」

 

戸塚(比企谷)「(…はっ!無意識のうちに戸塚の特徴をあげていた!)」

 

「(それほどにも愛は深いということか…俺も一途だな)」

 

「(しかしどうにかしてごまかさないと。好きな人がばれちゃうー、まじこまるー)」

 

「そして巨乳だ。うん」

 

川崎(由比ヶ浜)「(あたし…巨乳かなぁ?)」

 

比企谷(雪ノ下)「…」ゴゴゴッ

 

戸塚(比企谷)「ゆ、雪ノ下さん?背後から負のオーラが漏れてますよ」

 

比企谷(雪ノ下)「あら、貴方の体なんだから当然じゃない」

 

戸塚(比企谷)「き、機嫌とか悪くなってます?」

 

比企谷(雪ノ下)「そんなわけないじゃない。人間になりきれていない体に入れられて私は何時になく幸せよ?それから先程から思っていたのだけど貴方なんかに女子を選別する権利があるわけないじゃない。正直言って気持ち悪いわ。そろそろ現実を認めたらどうなの?貴方は蓼なのよ?昆虫しかよってこないわ。それもごく一部の。人間と呼べるかどうかも分からない存在に女子が靡くわけがないじゃない。辛すぎるのは百も承知だけど、つらさを乗り越えてこそ人は強くなれるのよ。そうすれば巨乳などといった脂肪の塊に母性を求めることもなくなるわ」

 

 

戸塚(比企谷)「(捲し立て過ぎて半分位しか何言ってんのか分かんなかった…)」

 

「(ってか最終的に巨乳を批判してなかったか?)」

 

「(んまぁ巨乳に嫉妬するのも仕方がないか)」

 

「しかし安心しろ雪ノ下、DNA的にはまだチャンスがある」

 

比企谷(雪ノ下)「何のことを言っているのかしら?」ギロッ

 

戸塚(比企谷)「す、すみません」

 

「(ふぅ、危うく高速土下座を披露するところだった)」

 

「(そうすると自分で自分に土下座をすることになるな…)」

 

「(なんにせよ今の俺の体は戸塚だ。何に変えても守らなくてはならない。土下座なんてもってのほかだ)」

 

平塚「おいお前ら」

 

戸塚(比企谷)「ん、平塚先生」

 

平塚「言いにくいんだが、実はお前らの部室に『精神を入れ替える』効果がある七人の魔女のような転校生のような…まぁ漫画ちっくな装置を置き忘れてしまったんだが…大丈夫だったか?」

 

戸塚(比企谷)「(七人の魔女に転校生とか…例えの幅広すぎるだろ。にしてもこの人が諸悪の根源だったのか)」

 

比企谷(雪ノ下)「はぁ、先生だったんですか。残念ですけど、大丈夫じゃありませんでした」

 

平塚「その感じは…雪ノ下か!アッハッハ、これは傑作だなぁ。どうだ雪ノ下?比企谷の体にはいった感想は」

 

比企谷(雪ノ下)「とてつもなく不愉快です」

 

平塚「にしても見事に入れ替わったものだ」

 

雪ノ下(川崎)「これどうしたら戻るんですか?」

 

平塚「ん?勿論時k…いや、熱い決闘だ」

 

戸塚(比企谷)「(そこで出てくるのが熱い決闘とか…もうちょっとドキドキわくわくらぶちゅっちゅな漫画読んだらどうですか先生…)」

 

比企谷(雪ノ下)「分かりました。時間制限ですね」

 

平塚「あぁ。おそらくあと一時間ほどだろう」

 

「…こんな経験は滅多に出来ないことだし、残りの一時間は自由時間という事にしてみたらどうだ?」

 

「幸い比企谷は男子の体にいるわけだし、問題はないじゃないか」

 

比企谷(雪ノ下)「…あと一時間もこの体に束縛されていなければならないなんて…」

 

戸塚(比企谷)「あのなぁ。俺だって好きでお前に俺の体提供してんじゃねぇんだからいい加減蔑むのはやめろ」

 

平塚「それぞれ好きに遊んでみればいいじゃないか。解散!」

 

比企谷(雪ノ下)「…」

 

戸塚(比企谷)「…」

 

川崎(由比ヶ浜)「…」

 

雪ノ下(川崎)「…」

 

由比ヶ浜(戸塚)「えっと…」

 

平塚「どうした?急に黙ると腕を突き上げている私が恥ずかしくなってくるじゃないか」

 

「おーとかわーとか言えないのか?もっと熱くなったらどうだ」

 

比企谷(雪ノ下)「先生はもう少し落ち着いて下さい。年齢的には一応大人なんですから」

 

平塚「なんか色々余計だぞ?年齢的とか一応とか…私だってちゃんとした大人だ」

 

戸塚(比企谷)「のわりにはノリが時どきさぶいっていうか…」

 

平塚「衝撃のっ!…と行きたいところだがその体ではなぁ」

 

戸塚(比企谷)「(やはり今の俺は誰にも殴られない!)」

 

「(となると俺は最強じゃないか?)」

 

「(ものはためし…)」

 

戸塚(比企谷)「ゆ、雪ノ下。普段から思っていたんだが…」

 

比企谷(雪ノ下)「…急にあらたまって何かしら」

 

戸塚(比企谷)「お前の胸って…清々しいほどに絶壁だよな」

 

比企谷(雪ノ下)「…」ピシッ

 

「やっぱり平塚先生の提案を受け入れて自由時間としましょぅ。私はちょっと刺青でもいれてくるわ」

 

戸塚(比企谷)「ちょ、ちょっと待て!早まるな!い、今のはあれだ!小さくても小さいなりに良いところはあるというか、な!」

 

「なんだ、ほら。巨乳ばっかだと興奮しっぱなしだろ?だからお前の胸は箸休めに最適なんだ」

 

比企谷(雪ノ下)「ついでといってはなんだけど、見つけた女子生徒全員に告白することにしたわ。物好きな女子が一人くらいはいるかもしれないし」

 

戸塚(比企谷)「お、落ち着け。あと一時間だけ落ち着け」

 

平塚「ま、いいじゃないか。自由時間は既に始まってるしな」

 

比企谷(雪ノ下)「では私は失礼するわ。安心して頂戴、一時間後にはきちんとここに帰ってくるから」スタスタ

 

戸塚(比企谷)「終わった…全て終わった。俺の体の主導権があいつにあることを忘れてた…」

 

「帰ってきたころには俺は全身に刺青をほどこし、目についた女子に次々と告白する鬼畜になっているに違いない」

 

由比ヶ浜(戸塚)「八幡…大丈夫?」

 

――――…

 

比企谷(雪ノ下)「(…もぅ大丈夫かしら)」

 

「(それにしてもあんな離れ方は少々不自然だったかしら)」

 

「(変に思われていなければいいけど)」

 

「…」ガラッ

 

「(やっぱり教室にはもぅ誰もいないわね)」

 

「(家の方が安心だけど…一時間しかないようだし)」

 

「(…べ、別に比企谷君の体に特別な興味があるわけではないのだけれど…)」

 

「…」ゴクッ

 

「(携帯でカメラっでどうやるのかしら…)」

 

「(ちょ、ちょっと試してみるだけよ。実験よ実験。人間は実験を重ねて文明を進化させてきたのよ)」

 

「(携帯机の上において…これで全身カメラの中に入ってるのかしら…)」

 

「(落ち着いて私。これはあくまでも精神が入れ替わるという不可思議な現象への純粋な知的好奇心であってもし私の体が戸塚君や由比ヶ浜さんのもので在ったとしても私は同じことをするわけで。別にこんな出来そこないの体に特別な興味はないわ。ほんと、出来るならば他の体がよかったわ。私って不遇ね。…ふぅ。これはただの精神と声帯とのリンクを確認するためのテストであって私の私情なんて一切はさまれていないわ…)」

 

 

比企谷(雪ノ下)「…あ、あぁー」

 

「(…ちゃんととれていたかしら)」

 

「(再生は…このボタンよね。…今度由比ヶ浜さんに色々と教えてもらった方が便利かもしれないわね)」

 

あ、あぁー

 

「(…まるで比企谷君が自分の意思で言っているようね。)」

 

「(…)」

 

「(つ、次の段階に移りましょう。短い感嘆詞では充分ではないわ。た、試しに文章を言ってみましょう。…これは先程と同じように私情は全く挟まっていない一般的な意見だけど、やはり普段言わないことを言わせた方がいいわね。その方がより一層私が比企谷君の体を乗っ取っているという事がわかるし。そう、私は支配欲に浸っているだけなのよ。それはそれでくだらないことだけど、日々比企谷君という醜い存在を視界に入れていたからストレスがたまったのかしら。ストレッサーが比企谷君ならばストレス解消も比企谷君で行うべきよね。ハンムラビ法典にも明記されているように、やはり比企谷君には責任があるもの。日本にだって因果応報、自業自得、身から出たさびなんて言う言葉があるわけだし…(ry)」

 

 

比企谷(雪ノ下)「(…本当に誰もいないわよね)」チラチラ

 

「(よくあるのよ、実は誰かがいたなんておち)」

 

「(それで幾人の犯人が捕まったことか…)」

 

「(念には念を入れないといけないわ…いいえ、別に誰かに見られたらいけないということではないのだけれども、やはり比企谷君がカメラに向かってしゃべっているところを目撃されてしまうと変な噂が立ちかねないわ。無論文化祭以降すでに彼の悪い噂がちらりほらりとあるけれど、だからと言って私がそのようなくだらないおしゃべりの種をまくことはないわ。結論からいうと、今ものすごく彼に優しくなっているのよ。彼の噂のことまで考えるなんて、今日の私はお人よしすぎるわね…)」

 

「(で、では…)」

 

「ゆ…雪乃」

 

比企谷(雪ノ下)「(さ、再生)」

 

ゆ…雪乃

 

「…」カァ

 

「(い、一体何をやっているのか私ったら。文章っていったじゃない。単語じゃぁ短すぎるわ。で、でも一応録音したのだから念のためもう一度だけ再生してみようかしら。確認作業というのは大事なことよ…)」

 

ゆ…雪乃

 

「…」カァ

 

「(きちんと録音出来ているようね)」

 

「(では次のステップに移ることにしましょう。やはり文章よ文章)」

 

「…ふぅ」

 

「雪乃…わたs…俺はお前のことが…」カァッ

 

「(自分で自分に告白するということは存外恥ずかしいものね)」

 

「(でもやはり最後までやり遂げなくては意味がないわ。)」

 

「(私がためらっているのは自分に自分で告白するという行為が恥ずかしいだけであって、別に比企谷君の体だからという事は全くないわ。先刻も思ったように、もし戸塚君や由比ヶ浜さんの体であっても私は同じように緊張するし、恥じらうわけだから…)」

 

 

比企谷(雪ノ下)「(私はただその…恥ずかしい台詞を録音して比企谷君へ対する恐喝材料として使用しようとおもっているだけなのよ。そうよ、日ごろから比企谷君は私に対する無礼な発言が多いから、この録音をもってして彼のそういった不必要な言動を抑えようと言うわけ。他意はないわ。だって他にどんな理由があるのかしら?私が比企谷君にこんなことを言わせるなんてそれくらいしかないじゃない。私だって録音を聞けば恐ろしくて鳥肌が立つだろうけど、そこは我慢しなくてはならないわ。これは部室での平穏な時間を取り戻すためなの…)」

 

「(…という事で続けようかしら)」

 

「雪乃…俺はお前のことが…好きだ…」カァッ

 

「…」ピッ

 

雪乃…俺はお前のことが…好きだ…

 

「…」ボンッ

 

「…」ピッ

 

雪乃…俺はお前のことが…好きだ…

 

「(な、中々よくとれてるじゃないの。録音状況は良好だわ)」

 

「(これで比企谷君は私には逆らえなくなるということよね…)」

 

「(で、でももしかしたら比企谷君はこの程度のことでは動じないかもしれないわ。普段から全人類に忌み嫌われているような人だし、『好き』なんてポップでライトな単語を使った告白文なんてばらまかれても彼は傷つかないかも。だって既にそれ以上のことをされ続けている人だから。逆に大衆から注目されるという彼にとっては異常事態に興奮を覚えるかもしれないわ。そうするとこのビデオは私の思惑とは真逆の効果を発揮することになる。と、となるとここはもっと恥ずかしい。ヘビーな単語を使用する他ないわね。これは私が個人的にどうしたいかとかそういう問題ではないのだから私もたかがテストで学年三位であることを自慢するよりも恥ずかしいことだけれどもしょうがないわ…)」

 

 

比企谷(雪ノ下)「(『好き』よりもヘビーな言葉と言ったらやはり…)」

 

「(そ、それはさすがに行き過ぎかしら)」

 

「(口にするのも恥ずかしいし…)」

 

「(でも機会はいまだけなのだし…)」

 

「(ちょ、ちょっともう一度だけ先程の一文がどれだけ恥ずかしいかを確認してみようかしら)」

 

雪乃…俺はお前のことが…好きだ…

 

「…」カァッ

 

「(こ、これでも十分に恥ずかしいのに…これに耐性があるとなると比企谷君は相当のものね一種の尊敬に値するわ)」

 

「(でも一応、もしもの為にこのビデオも勿論とっておきましょう。私の携帯の容量を少しといえども比企谷君が占領するなんて大変不名誉なことだけど、しょうがないもの。このビデオがなければそのうち彼が女子二人しかいない部室で暴走を開始する可能性もあるわけだし。これは危機回避にあたって当然のことと言えるわ。そう、私はいたって当然のことをしているだけなの。防衛本能といってもいいかしら。平塚先生のような腕力があればこんなことをする必要もないのかもしれないけど、生憎私には一人の男子生徒を取り押さえることができるほどの力はないし…少々汚いと思われるかもしれないけどこんな方法にたよるしかないのよ…)」

 

 

比企谷(雪ノ下)「(は、早くしないと。時間は無限ではないわ。)」

 

「(それに由比ヶ浜さんあたりが私を探していてもおかしくないもの)」

 

「(ふ…ふぅ。)」

 

「雪乃…愛s…」ドキドキ

 

「…はぁ」

 

「(…心の準備が必要ね。身の毛もよだつようなことだけど、やるしかないわ。何を躊躇しているの雪乃。言葉にしてみれば簡単なことじゃない。たった一つの文章を言うだけでいいのよ。英語ならたった三つの単語、スペイン語なら二つ…それくらい簡単なことなのよ。無論日本人の美徳として本心を露わにしないというところがあるけど、昨今は『気持ちを素直に伝えてほしい』なんて傾向もあるようだし、これくらいの台詞はあちこちで呟かれている、それといって有難味のないものなのよ。だから肩の力を抜いて行えばいいの。それは比企谷君の口からそんな単語が呟かれるなんて想像しただけで背筋が凍るようだけども、その苦難を乗り越えてこそ私は絶対的有利を手に入れることができるの。手に入れるものが大きければ大きいほど代償も大きいのよ。今は耐えなければならないわ)」

 

 

比企谷(雪ノ下)「(落ち着いて…)」スーハー

 

「雪乃…愛してるぜ」

 

「…」

 

「…」ピッ

 

雪乃…愛してるぜ

 

「…」ボフンッ

 

「(な、中々の破壊力よね。だってもぅ気持ち悪いもの。えぇ。私のような強靭な精神の持ち主でなかったらトラウマを抱えることになっていたかもしれないわ。誰にも見せてはいけないビデオを撮ってしまったようね。見せてはいけないのは勿論その人の心的ショックを与えたくないからで、恥ずかしいとかそういった感情はないわ。だって今私がしていることは自己防衛なのであって、人として、生物として当然のことだもの。誰だってあのような人として著しく劣っているような男子と同じ部屋にいたら危機感を感じるに違いないわ。だって人かどうかも怪しいのだから何をしでかすかわからないもの…)」

 

「…」

 

「…」ピッ

 

雪乃…愛してるぜ

 

「…」ボフンッ

 

比企谷(雪ノ下)「(…)」

 

「(これだけやれば比企谷君が私に逆らう可能性はほぼないわね。だってここまで恥ずかしいビデオが私の手中にあるのだもの。この高校でも私は高翌嶺の花なのだから、もしこのようなビデオが流出しらたこの高校で彼の居場所はなくなるでしょうね。空気どころか有毒ガス扱いされるようになるわきっと。いくら彼だってそのような状状況は避けたいでしょう。)」

 

「(…)」

 

「(もっと色々撮っておくべきかしら。勿論比企谷君抑制のために。本当はとても煩わしいのだけど、比企谷君が狂気の鬼と化して私達に決して癒えることのない心の傷を負わせるかもしれないし。私の為だけではなくて、由比ヶ浜さんのためにも私はやらなくてはいけないのよ。特に由比ヶ浜さんなんて…その、胸部に付着している脂肪分が多いわけだし…)」

 

「(…脂肪。)」

 

「(…)」ペタン

 

「(そういえば揉めば大きくなるなんて聞いたけど…)」

 

比企谷(雪ノ下)「(ば、馬鹿馬鹿しい。これではまるで私が大きくなることを望んでいるかのようじゃない。大体揉めば大きくなるなんて科学的証拠もないわけだし、少しでも信じてしまった自分が恥ずかしいわ。大体大きいから得することがあるかというとそれは下卑な男共を誘惑するのに便利なだけであって、本来の目的は分娩後、乳児に栄養を与えるためなのだから。それに私の場合は顔立ちも整っているし、全体的に均整のとれた体つきをしているから無駄に脂肪を蓄えなくても言いよってくる男は大勢いるわけだから、どの道必要ないのよ)」

 

「…」

 

「(一応…)」ピッ         

 

「…俺は大きい乳などに興味はない」

 

「(こ、この録音は由比ヶ浜さんを守るための言質であって、それ以外のなにものでもないわ。)」

 

「(普段から彼は時折由比ヶ浜さんの胸をふしだらな目つきで見つめていることがあるから…ただそれだけよ)」

 

「…」

 

「…」ピッ

 

「ちなみに俺の好みは長髪で胸は控えめで成績優秀で運動神経は良いけどスタミナはあんましない奴だ」

 

「…」

 

「(これも単なる言質よ。できるだけ由比ヶ浜さんとはずれたイメージを言っただけで。今言った条件が私の容姿、能力と合致しているのは偶然の産物であってこいではないわ。偶然って怖いわね)」

 

比企谷(雪ノ下)「(まだ時間的には余裕があるけど…)」

 

「(おそらくこれで十分よね。)」

 

「(これで私の携帯は比企谷君にとってはパンドラの箱となったわ。勿論希望なんてものはこの箱には入ってないわけだけど。それに私もこれからは携帯の管理に気をつけなくてはならないわね。もし誰かが私の携帯を覗き見してこのビデオを発見してしまったら…別段私は特に何とも感じないのだけれど、比企谷君の醜態が詰まったビデオだから、見た本人にも申し訳ないし、無暗に比企谷君を辱めるのもよくないものね)」

 

「(やっぱりあともう少しだけこの苦行を続けようかしら。今一時耐えれば今後の平穏な生活が約束されるのだから)」

 

――――…

 

戸塚(比企谷)「(自由時間ということで結局一人になってしまった)」

 

「(もし今俺が女子の体だったのならばちょっとHな漫画の展開になったのだろうが…)」

 

「(いやはや残念だ。今の俺に揉む胸はない)」

 

「(…いや、女子だったら平塚先生に拘束されてるか)」

 

「(つまるところどの道俺にドキドキムニムニモミモミな展開は待っていなかったという事だ)」

 

「(恵まれてないなぁ俺。『これが女子の体かぁー』とか言ってみたかったのに)」

 

「(やはり由比ヶ浜の体にいた時に疾走して逃げればよかった)」

 

女子B「あ、戸塚君」

 

戸塚(比企谷)「あぁ?」

 

「(おぅ?まさか俺が女子に、これこそラブコメ展k…あ、戸塚だった俺)」

 

女子B「(…なんか何時もの戸塚君と違うなぁ。目の感じとか。疲れてるのかなぁ)」

 

「戸塚君今から帰るの?」

 

戸塚(比企谷)「あ、あぁ」

 

「(うわーなに、戸塚って普段こんな風に女子話しかけられてんの)」

 

「(そりゃ戸塚は『王子』て呼ばれちゃったりしてるわけだし驚くことでもないか)」

 

「(しかし俺が対応に慣れてないから…さてはてどうしたものか)」

 

女子B「(なんか何時もの戸塚君と目の感じとかが違うような…)」

 

「(で、でも今戸塚君との距離を縮めるチャンスだよね!)」

 

「あのさ、一緒に帰らない?」

 

戸塚(比企谷)「(…こ、こいつ。戸塚にアプローチをしているだと!)」

 

「(許さん!俺の戸塚をお前のようなビ*チに渡すものか!)」

 

「(ここはきっぱりと、そしてこいつが二度と誘ってなど来ないように多少の攻撃翌力もこめて断らなければならないな)」

 

戸塚(比企谷)「あのなぁ…お前なんk…」

 

「(…っと。待つんだ俺。もし今俺の言葉のせいでこの子が泣いてわめいてウイルス顔負けの速度で戸塚の悪い噂なんかを流したら!)」

 

「(今の状態では俺の暴言は戸塚の暴言だ)」

 

「(俺がどんな誹謗中傷にあおうが問題ないが、戸塚を俺と同じ目に会わせるわけにはいかない!)」

 

「(戸塚は純粋無垢な天使だ…是が非でも守らなくては…)」

 

「(もし戸塚が傷つき、教室に居場所がなくなってしまったら…俺だけが心のよりどころに…)」

 

「(そ、それは…それで…良い展開な気がしないでもないな)」

 

女子B「(戸塚君の笑い方が今日はちょっと変…)」

 

戸塚(比企谷)「(いやいやいや、何を血迷ってるんだ俺。戸塚のことは俺が守ると明言したじゃないか)」

 

「(ここは戸塚らしく断らなければいけない)」

 

「(しかしイメージを全く崩さないように、というのは少し難しい気もするな)」

 

「(戸塚と言えばやっぱり可愛いイメージだよな。そしてあだ名は王子様…)」

 

「(よし、この二つの要素を踏まえて断れば…)」

 

「ご、ごめん。今日はじいやと白タイツを買いに行かなくちゃならないんだ…だから折角のお誘いだけど…ごめんね?許してニャン」キャピーン

 

女子B「…」

 

戸塚(比企谷)「(…あれ?駄目だったか?や、やはり少々やりすぎた感があったか)」

 

「(自分でやってても恥ずかしかったし…)」

 

「(はっ!もしかして今俺は戸塚を辱めてしまったのか!)」

 

「(なんたる失態!これで戸塚に『なんか変なノリの人』なんてレッテルがはりつけられたらどうする!)」

 

「(くそっ…許してくれ戸塚)」

 

女子B「…いい」

 

戸塚(比企谷)「…あぁ?」

 

女子B「チョー可愛いい…」

 

「チョー可愛いですぅぅぅぅッ」ダダダダダッ

 

戸塚(比企谷)「えっと?」ポカーン

 

「(ま、まさか今の痛い言動が受け入れられてしまったのか!)」

 

「(ま、マジか。)」

 

「(俺がやってたら終わらないうちにゴミを見つめるような視線で睨みつけられるだけだぞ?)」

 

「(あとそれまで以上に女子達が俺と距離を置くようになる)」

 

「(流石はリア充…というか戸塚。もぅ何をやっても許される領域に達していたのか)」

 

「(あれか、女子更衣室覗いても許されちゃうタイプなのか。戸塚は)」

 

「(羨ましい…)」

 

「(…ま、なんにせよ戸塚の貞操は俺が死守した!)」

 

「(あんな軽薄が戸塚に手を出すなんざ百年はやいわ!ふはははは……なんか材木座になりかけてた気がする…こえぇ)」

 

――――…

 

比企谷(雪ノ下)「(…最後に決定的なものでも録音しておこうかしら…)」

 

「(勿論比企谷君の精神の歪みが想像以上だった場合のためであって、私は本当はこんな苦虫を口に詰められるよりも辛いことなんてしたくないのだけれど、しょうがないもの。野放しにしておいたら何時本性を現すか…今のうちに鎖と首輪をつけておく必要があるわ。わがままを言えるのならば檻も用意したいところね。まぁ放っておいてもどちらにしろ裁判にかけられて檻に入ることになるのだけれど…。それを未然に防いであげているのだから感謝をされてもいいくらいだわ。いつの間にか由比ヶ浜さんの優しさがうつったのかしら)」

 

「(ふぅ…)」

 

「(好き、愛してるは既に言ったのだから…残りはあと一つよね…)」

 

「…」ピッ

 

比企谷(雪ノ下)「雪乃…俺と…けkk…」カァァッ

 

「(や、やっぱりこれは少しやりすぎかしら。大体比企谷君はまだ出来る年齢じゃないのよ。それなのにこんな台詞…ちょっと頭がおかしいようにしか見えないわ。…いえ、それが目的なのだからいいのかしら。私はこんな冷凍庫の中に監禁されているんじゃないけと錯覚するほどに寒気のする台詞言いたいわけがないのだけれど、もし比企谷君が『好き』や『愛してる』では全く動じないような変態だった場合の為にさらに強力な切り札を用意しておかなくてはならないものね。さすがに比企谷君といえどもこのビデオには逆らえなくなるでしょう。言葉の重みが前者二つとは全くちがうもの…。本当は、本当に…最近の言葉で言うならマジでがちでやりたくはないのだけれど…私って不幸ね)」

 

 

比企谷(雪ノ下)「(や、やるしかないわ)」

 

「…」

 

「雪乃…俺と…け、け、けけ、結婚してくれ!」

 

「(ど、どう?やって見せたわ。や、やってみれば案外簡単だったわね。何をあんなに足踏みしていたのかしら。別に心がこもっているわけでもないのだから、事務作業を行う気持ちで行えばよかっただけなのよ。つ、疲れたのかしら。動悸がすこし不規則ね。気のせいか息も少々荒いようだし…自分でも気づいていない内に相当なショックを受けたのかもしれないわ。比企谷君は精神への間接的な攻撃もできるのかしら…どこまでも腐ってるわね)」

 

「(撮ったのだから…聞いてみなくちゃ…)」

 

「…」ピッ

 

雪乃…俺と…け、け、けけけ、結婚してくれ!

 

「…」

 

「…」プシューッ

 

比企谷(雪ノ下)「(お、思ったほどの威力はないわね。全然…えぇ…全く。すこしどもっているところから真剣さがうかがえるけど…私は無意識のうちに演技まで付け足してしまったのかしら。そこまでに私の自己防衛本能は強く危機案を感じていたということね。…大体比企谷君は堂々と恥ずかしげもなく自分の将来の職業を専業主夫の断言するような最低の人間なのだから、結婚する女性は全くと言っていいほどにメリットがないのよ。そんな人間のプロポーズなんて…前言を撤回するわ。威力がないわけないじゃない。だって果てしなく気持ち悪いもの。目を腐らせながら主夫にならせて下さいなんて。一種の恐怖感を覚えるわ。お化け屋敷にすら置いておけないほどの異物ね、彼は。私も頑張ったわね。しかし部長として当然のことなのよ。台詞の中に私の名前を挿入して…自分を傷つけてまで守りたいものだったの。…顔がほてって来たような気がするわ…熱でも出たのかしら?それとも比企谷君の台詞が私の体に異常をきたしたのかしら?全く恐ろしいわね、比企谷菌は。生物としての本能が私を動かしていたのにもうなずけるわ…)」

 

 

「(…本当に恥ずかしい台詞だったわね…)」

 

「(思い出しただけで…)」

 

「…」

 

「…」プシューッ

 

比企谷(雪ノ下)「(…ちなみに今まで撮ったビデオは無事かしら…)」

 

「…」ピッ

 

…雪乃

 

「…」ドキドキ

 

「…」ピッ

 

雪乃…俺はお前のことが…好きだ…

 

「…」カァァ

 

「…」ピッ

 

雪乃…愛してるぜ

 

「…」ボフンッ

 

「…」ピッ

 

雪乃…俺と…け、け、けけけ、結婚してくれ!

 

「…」プシューッ

 

「(ぶ、無事みたいね。少々頭がくらくらするようだけども…やはり熱でも出ているのかしら。顔も熱いし…)」

 

比企谷(雪ノ下)「(…これらのビデオは大切に撮っておかなくてはならないわね。い、言うまでもないけど別に私にとってはまっさきに削除して存在そのものを忘却してしまいたいのだけれど、いつか役に立つかもしれないのだし。携帯に入れておけば何時でも見れるでしょうし…勿論これは何時比企谷君が理性を失うか分からないから常時携えておきたいだけで、私がそれ以外の状況でこのビデオを見ることなんてあり得ないわ。それよりも私の携帯でウイルスに感染されないかのほうが心配だわ。聞いた話によれば相当強力なようだし。)」

 

「…」

 

「(まだ誰もいないわよね…)」

 

「…」ピッ

 

雪乃…俺と…け、け、けけけ、結婚してくれ!

 

「…」バクバク

 

「(お、音質は良好ね。あまりの気持ち悪さに心臓が震えがってしまったみたい。恐怖に心臓が激しく鼓動しているわ…)」

 

比企谷(雪ノ下)「(も目的は達成されたわけだし、そろそろ皆の元へ戻ろうかしら)」

 

「(…)」ドキドキ

 

「(もう少し落ち着いてからにしましょうか…あらぬ疑いをかけられては困るし…)」

 

――――…

 

平塚「ん、もうそろそろで時間切れだな…」

 

――――…

 

比企谷(雪ノ下)「(…中々心臓が落ち着かないわね…)」

 

「(それにしても本当に大変だったわ。この数十分は比企谷君の弱み作成のみならず私自身の精神修行にもなっていたのかもしれないわ。動悸が速まっているのも、顔がほてっているのもあまりのハードな修行に私がつかれてしまっているのでしょう…それ以外に理由が見当たらないわ。だってこれこそが心理なのだから他に理由があるわけないじゃない。む、無論比企谷君の台詞の威力が想像以上だったという事もあるのは分かっているわ。もぅこれは軍事レベルよね、このビデオを見たらどんな屈強な戦士でも恐れおののいて戦意喪失するでしょうし。大体比企谷君…(ry)」

 

 

――――…

 

戸塚(比企谷)「…ん。なんか体が発光しはじめ…」

 

ピカーンッ

 

比企谷「…ん?」

 

「おぉ!俺の体が元に戻っている!」

 

「(なんなら一度川崎とか由比ヶ浜の体を経由してくれてもよかったのだが…無念)」

 

「(にしても…どこだここ)」

 

「(俺の体は雪ノ下が入ってたんだから…あいつ一体ここで俺の体にどんなめを合わせようとしてたんだよ)」

 

「(…想像するとこえぇ)」

 

「(そ、そういえば刺青!…学校の敷地から出てないだろうから、こんな短時間でやられてはいないだろうけど…)」

 

「(い、一応確認しておくか)」ヌギッ

 

「(…ふぅ)」

 

「(どうやら上半身は無事みたいだ…下半身は…家に帰ったら一応確認するか)」

 

比企谷「(そういえば挨拶代わりに告白するともいっていたが…)」

 

「(これは今は確かめようがないな。明日、朝の教室の雰囲気でわかるだろうけど)」

 

「(おそらく俺の周りだけ気温が二度くらい低いに違いない)」

 

「(あーまじ雪乃さんを怒らせるべきではなかった)」

 

「(いままでは空気のポジションを保っていたのに…牛のげっぷ位嫌われるんじゃないか?明日から)」

 

「…ん?」

 

「(携帯が置いてある。誰のだこれ?)」

 

比企谷「(…なんかカメラが起動してるっぽいな)」

 

ダダダダダダッ

 

「(な、なんだこの足音は…ヌーの大群か!)」

 

バンッ!

 

比企谷「ゆ、ゆきのしt」

 

バンッ!

 

比企谷「(…すごい勢いで扉が開閉した)」

 

「(…雪ノ下…だったよな?あまりの速さに確認できなかった)」

 

雪ノ下「比企谷君?何故貴方は教室の中で服を脱いでいるのかしら?」

 

「変態なの?露出狂なの?さっさと網走にでも言っていたらどお?」

 

比企谷「(あ、そうだった)」

 

ガラッ

 

「ほれ、着たぞ」

 

雪ノ下「全くどのような快感に目覚めてしまったのかは想像し難いけど、緑色の皮膚を校内であらわにするのはやめて頂戴」ドキドキ

 

比企谷「何俺宇宙人か何かなの?」

 

「それにお前…走ってきたのか?なんか顔赤いし」

 

雪ノ下「え、えぇ。そうよ」

 

雪ノ下「ところで…私の携帯がこの部屋にあるはずなのだけれど」

 

比企谷「あぁ、これか?なんかカメラが起動してたけど…」

 

ガバッ

 

比企谷「…おいおい。何もそんな勢いで取り返さなくても。別に俺は人の携帯とか勝手にみたりしねーし」

 

「連絡先の数の違いに愕然とするだけだろーしな。…んまぁお前の携帯ならその心配はなさそうだけど」

 

雪ノ下「ごめんなさい。貴方が手にしているとウイルスに感染するかと思って」

 

比企谷「お前なぁ、比企谷菌気に入りすぎだろ。小学生じゃあるまいし」

 

雪ノ下「そんなことはどうでもいいの。貴方私の携帯…勝手に見たなんてことはないでしょうね?」

 

比企谷「だからねぇって。第一興味ねぇし」

 

雪ノ下「あら、貴方って人の携帯に触れて興奮するような人じゃなかったかしら?」

 

比企谷「どっからそんな情報仕入れてくんだよ。あり得ないだろ、どんな変態さんだよ俺」

 

雪ノ下「(態度からみるに…本当にみてはいないようね…)」

 

雪ノ下「(ひとまず安心ね)」

 

「…」

 

「(べ、別にみられても私としては問題はないのだけれど、ほら、比企谷君が自らの醜態を目の当たりにした時、甚大なショックをうけて立ち上がれなくなってしまう可能性があるじゃない。いくら彼が校内で突如服を脱ぎ始めるような変人だとしても私だって必要以上の攻撃はしたくないの。彼が引きこもると、平塚先生が奉仕部を使ってどうにかしようとするかもしれないし、それはそれで面倒だわ。これらのビデオはもしもの時の為、伝家の宝刀なのだからそうやすやすと見せてしまっては効力も減ってしまうし。でもそれは杞憂かしらね、だってあんな目も当てられないようなビデオ、威力が減ってもなお人一人の精神を破壊するくらいの効力はあるわ。思い出しただけで…)」

 

 

比企谷「(…なんかぶつぶつ言っている)」

 

「(それにしても雪ノ下はこの部屋で何してたんだ?)」

 

「(…)」

 

「(はっ、もしや!)」

 

「雪ノ下!」

 

雪ノ下「ひゃいっ」

 

比企谷「…」

 

「(こいつ今『ひゃい』ッて言った?)」

 

雪ノ下「…どうしたのかしら?」

 

比企谷「今お前ひゃいって…」

 

雪ノ下「あら、とうとう耳まで腐り始めてしまったの?五感すべてが機能しなくなるのも時間の問題のようね」

 

比企谷「(これ以上追及すると俺多分危ないな。あまりのつらさに泣き始めちゃうかも)」

 

「(あ、でも泣けば許してくれるんだっけ)」

 

「(っと、本題を忘れるところだった)」

 

比企谷「お前…カメラで何撮ったんだ」

 

雪ノ下「…」ビクッ

 

「と、特になにも」

 

比企谷「絶対なんか撮っただろ。見せろ、あれだ、著作権とか肖像権とかなんかそんなだ」

 

雪ノ下「あら、貴方に人並の権利があると思ったら大間違いよ。うぬぼれるのも大概にしなさい」

 

「それに貴方のビデオなんて何故私がとらなくてはならないの?ちょっと被害妄想が過ぎるんじゃないかしら。安心して貴方にそんな魅力なんてかけらもないもの。自意識過剰なだけよ、もう少し自分をきちんと見直した方が良いわ。そして社会の隅で一生を終えればいいじゃない」

 

比企谷「俺が可哀そうすぎるだろ。せめて少しくらいうぬぼれさせてやれよ」

 

雪ノ下「…」

 

「分かったわ。教えてあげる」

 

比企谷「おう」

 

雪ノ下「貴方のとても恥ずかしい姿をとったのよ」

 

比企谷「恥ずかしい姿…だと?」

 

雪ノ下「えぇ。ものすごく、果てしなく恥ずかしい姿よ。鑑賞したら腹筋が鍛えられること間違いなしだわ。よく通販で大袈裟に紹介している商品等よりも数倍効力があるわ」

 

比企谷「そんなに爆笑できんのかよ。っつーか俺の体で何してんだよ!」

 

雪ノ下「これは一種の牽制よ。」

 

「貴方のようなケダモノが部室にいて私達の心は何時も怯えているの。そんな部活動嫌じゃない?」

 

「だから自分達の身を守るために貴方に首輪をはめさせてもらったの」

 

「おそらくこのビデオが流出したらこの高校の全生徒から、いいえ、社会から嘲笑されることになるわ」

 

比企谷「ようつべにでもアップするつもりかよ、手段がえげつないだろ」

 

「(にしてもビデオの中の俺何やっちゃってんだよ。全米に笑われるようなこと俺できたっけ?)」

 

「(なんにせよ俺が雪ノ下に逆らえなくなってしまったことには変わりはない…)」

 

雪ノ下「状況が飲み込めたかしら?今度から自分の言動には深い注意をはらうことをお勧めするわ。貴方の身の為よ」

 

比企谷「…ぐっ」

 

「(あーもぅマジ地獄。刺青なんかよりもずっと悪い)」

 

「(こんなたちの悪い女に弱味を握られるなんて…一生の不覚!)」

 

「(はぁ…どうしたんだよ俺のラブコメ。)」

 

「(女子との会話ってもっといちゃいちゃきゃっきゃでラブ注入っ…みたいな感じじゃないのかよ)」

 

「(…そういえば楽しいしんごさんは最近どうひたのだろうか…)」

 

「(まぁそれはどうでもいいか)」

 

「(重要なのは俺は部員は俺と女子二人のみという状況に置かれておきながらも)」

 

「(ちょっとHな展開は勿論、心が踊りまくってサンバなんか始めちゃう展開が全くないことである)」

 

「(いわゆる青春ラブコメとは全く違う。清々しいほどに違う)」

 

「(畢竟)」

 

「(やはり俺の青春ラブコメは間違っている。)」

 

続く

 

八幡「雪乃…俺はお前のことが…好きだ…」 雪乃「…なかなかよく録れてるわね」2/3【俺ガイルss/アニメss】 - アニメssリーディングパーク

 

 

 

 

比企谷「女子達の人格が入れ替わる…だと?」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1372782298/