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雪乃「ひ、ヒッキーあたしのパ……見たでしょ!最低!」1/2 【俺ガイルss/アニメss】

 

ある日の奉仕部。 

 

そこにはいつもの光景が広がっている。 

 

姿勢正しく静かに本のページをめくる雪ノ下。お菓子をつまみながらぐでーっと机に突っ伏して携帯とにらめっこする由比ヶ浜。そして目だけを動かして本を読む俺。  

 

一色は生徒会で用があるのかマネージャー業に勤しんでいるのか今日は来ていない。 

 

なんてことはない、奉仕部の日常だ。 

 

その日常に飽きたのか、暇を持て余したのか、由比ヶ浜が突然突拍子もないことを口にする。 

 

「ねーゆきのん、ポッキーゲームしない?」

 

由比ヶ浜的には唐突でもないのかもしれないが、言われた雪ノ下と同じ場にいる俺は何言ってるのこの子と思わざるを得ない。 

 

「嫌よ」 

 

「即答!?いいじゃんゆきのん、やろうよー暇だよー」 

 

何言ってんのとは思ったものの、美少女同士でくんずほぐれつ的な展開は見たくないわけではない。少し言い換えると露骨に見たい。 

 

百合ヶ浜さん、もうちょっと頑張って! 

 

心の中で熱いエールと期待の目線をバレないように慎重に送る。 

 

「別にキスしようってんじゃないんだからさー。ほらほらゆきのん、チョコの方あげるからー」 

 

由比ヶ浜は持ち手であるチョコのついていない方をくわえて、口で上下にポッキーを動かしている。

 

「そもそも何故そんなことをしなければならないの」 

 

「えー?練習?」 

 

「そんなことをする機会、私には一生ないわ」 

 

「じゃあ一生に一回ぐらい体験しとこうよ。何事も経験だって!」 

 

なんでそんなにやりたいのかはわからないが、由比ヶ浜は引く気はないらしい。 

 

俺が見ているからやらない、という結果に終わると癪なので、部室にいないものとして扱われるよう気を消す。 

 

サイヤ人の末裔が出る本を読んだことのある俺には造作もないことだ。サイヤ人と俺なにも関係なかった。 

 

由比ヶ浜は椅子から腰をあげて前屈みになり、座ったままの雪ノ下へ顔を近付けている。

 

あの、由比ヶ浜さん、あまり前屈みになるとスカートが…… 

 

「ほらーゆきのん、食べて食べて」 

 

「はぁ…… 

 

雪ノ下は溜め息をついてからポッキーの先をくわえると、まるでリスやハムスターのように小さくガジガジし始めた。 

 

……。これはこれで可愛いな…… 

 

世界に対して優しくなれそうな穏やかな気持ちになっていると、雪ノ下の体がだんだん後ろに反っていく。 

 

雪ノ下はほとんど進んでいないが、もう一方から由比ヶ浜が迫ってきているようだ。 

 

「んー…… 

 

由比ヶ浜は呻きながら順調にポッキーをかじり、体を目いっぱい伸ばすように雪ノ下に迫っていく。

 

雪ノ下はなおもそれを避けるように体を反らす。 

 

おいおい、椅子も後ろに傾いてきてるじゃねぇか、危ねぇぞ。 

 

そう思った瞬間、雪ノ下の椅子はバランスを崩し、同じく支えをなくした由比ヶ浜もろとも部室の床にすっ転ぶ。 

 

大丈夫かよ……と思いながら床に転がる二人に目を向けると、由比ヶ浜のスカートが完全に捲れ上がりパンツが丸見えになっていた。 

 

パンツ!薄い青!意外!いやそうでもねぇな。 

 

雪ノ下のは由比ヶ浜に乗っかられているので見えない。クソッ!クソッ! 

 

「なにをやってんだ……。大丈夫か」 

 

顔を背けながら声をかける。だが貴重な由比ヶ浜のパンツは視界の端に入れたままである。心と脳と目といろいろなところに焼き付けておかねばならない。

 

「あいたた……ゆきのんごめんー…… 

 

「はぁ……由比ヶ浜さん……。まったく、酷い目にあったわ」 

 

よかった、二人に怪我はないみたいだ。 

 

…………あん? 

 

「ひ、ヒッキーあたしのぱ……見たでしょ!最低!」 

 

そう言って雪ノ下は怒りながらスカートを直そうと手を下に伸ばす。ん? 

 

「ちょっと、いつまで上に乗って……ない、わね。え?」 

 

これは由比ヶ浜。いやお前雪ノ下の上でパンツ丸出しだけど。隠さないみたいだからもうちょいじっくり見とこう。 

 

………………いや、なんかおかしいぞ。

 

「ゆきのん重いー、早くどい……ん?なんであたし、え?」 

 

…………一体、どういうことなの、これは…… 

 

「ええええーーーー!?」 

 

雪ノ下が由比ヶ浜のような驚きの叫び声をあげる。 

 

こうして奉仕部のささやかな日常は終わりを迎えた。 

 

一一一

 

この状況は一体なんなのか……。とても理解が追い付かない。 

 

当人達の慌てようは俺以上で、何を言っているのか全然わからない。いやわかる。わかるけどわからん。 

 

雪乃「え、え、なんであたしがいるの!?あたしは?ゆきのん!?えー!?」 

 

雪ノ下が雪ノ下らしからぬ慌てようで、自分の体と目の前の人物を見比べている。 

 

結衣「何故目の前に私がいるのかしら……。私は……誰?ここはどこ?」 

 

由比ヶ浜は落ち着きながら慌てて記憶喪失みたいになっている。 

 

八幡「おい、俺にはお前らがコントやってるようにしか見えねぇんだけど。何を言ってるんだ?」

 

結衣「私にも何がなんだかわからないわ…… 

 

雪乃「あ、あのね!あたしがゆきのんで、ゆきのんがあたしなの!」 

 

八幡「すまん、わかんねぇ。というかお前雪ノ下だろうが。なんで由比ヶ浜みたいな喋り方してんだ?」 

 

雪乃「いやだからあたしが由比ヶ浜なんだってば!ゆいゆい!ガハマさん!」 

 

どう見ても雪ノ下である。なんというか、違和感がとてつもないことになっている。 

 

いつもの落ち着き払った雪ノ下の声ではなく、それより一オクターブ高い声で由比ヶ浜だと騒ぎ立てる姿を見ていると非常に落ち着かない。 

 

可愛くないわけではないが……なんだ。雪ノ下の姿をした別の何かに見えてくる。

 

人って思ったよりも見た目だけに頼ってなくて、その立ち居振舞いでも人を認識してるもんなんだな。 

 

そんな新発見をしたところで不自然な状況はなにも変わっていない。二人はお互いに目をきょろきょろさせながら騒いでいる。なんなんだこれは…… 

 

八幡「ちょっと落ち着けお前ら、話すの一旦止めろ。確認させてくれ。雪ノ下」 

 

結衣「なにかしら」 

 

俺から見たらどう考えても由比ヶ浜の人物が返事をする。 

 

八幡「由比ヶ浜 

 

雪乃「なに?ヒッキー」 

 

雪ノ下が答える。というか雪ノ下にヒッキーと呼ばれて超ビビる。 

 

八幡「…………一応。俺をからかってんじゃねぇよな」

 

雪乃「そんなわけないじゃん!」 

 

結衣「あなた、私がそんなことを出来ると思っているの?」 

 

由比ヶ浜の声で言われたのが癪だが、まさにその通りだ。 

 

由比ヶ浜に雪ノ下の真似がかろうじてできたとしても、雪ノ下に由比ヶ浜の真似ができるとは思えない。雪ノ下が羞恥や遺憾の意を示さずヒッキーと呼ぶなんて考えられない。 

 

ということは、だ。 

 

八幡「……入れ替わってるとか言うつもりか?お前ら」 

 

結衣「そうみたいね。体がというか、性格がというか……。とにかく私は雪ノ下雪乃で、彼女が由比ヶ浜さんよ」 

 

雪乃「どどど、どうしよ、ヒッキー……

 

また雪ノ下風の女の子にヒッキーと呼ばれて心臓が跳ねる。いや違う、こいつは由比ヶ浜らしい。俺も落ち着け。 

 

八幡「どうしようと言われてもだな、俺が知るわけねぇだろ。つーかそんなの簡単に信じられるかよ…… 

 

二人でスッ転んだら性格が入れ替わるとか、そんなファンタジーあってたまるか。それなら俺だって舞空術使えたっておかしくねぇだろうが。 

 

……もしかして、いつの間にかそういうのが使える世界に迷い込んでしまったのか? 

 

よし、少し試してみるか……。漫画のキャラを自分の意識とシンクロさせる。 

 

オッス!オラ八幡! 

 

オラ、絶対働きたくねぇ。 

 

仕事とか世界から消滅しねぇかなぁ。

 

朝起きたらベッドが札束になってねぇかなぁ。 

 

カメハメ波ーッ! 

 

出ねえな。 

 

筋斗雲ーッ! 

 

来ねぇ。 

 

駄目じゃねぇかやっぱり。なんでもできるファンタジー世界に迷い込んだのかと思ったがそうでもないらしい。 

 

結衣「信じられないなら、何か試してみたらどう?」 

 

八幡「試すってどうすんだよ」 

 

結衣「私……雪ノ下雪乃と比企谷君だけが知っていることを私に聞けばわかるでしょう。由比ヶ浜さんと比企谷君だけが知っていることを彼女に聞いてもいいわよ」 

 

八幡「なるほど。でも、そんなこと何があんだ……

 

雪乃「あたしとヒッキーだけが知ってること……。あ」 

 

八幡「ん?」 

 

雪乃「ヒッキー、ちょっと耳貸して」 

 

言うと、雪ノ下もどきが背伸びして俺の耳に顔を寄せる。 

 

うぉぉ!近い、こそばゆい、いい匂いがする!雪ノ下とこんな距離になったことねぇんだけど! 

 

そして空気を吐き出すような囁き声が耳に届く。 

 

雪乃「……あのね、ヒッキーが今度ディスティニィーシーに行こうって言ってくれた場所、覚えてる?」 

 

…………俺は由比ヶ浜に言ったんだけどな。というかあれはそれほど明確な誘いではなかったというか、いやはっきり言ってないだけでそう言ってるも同然か……

 

え、えーと。とりあえず雪ノ下がそれ知ってるとは思えねぇな。由比ヶ浜もさすがにそこまでは言わんだろうし。 

 

八幡「お、覚えてる」 

 

雪乃「パンさんのグッズ売り場、だったよね」 

 

その情景を思い出したのか、雪ノ下、いやもう由比ヶ浜だなこれ……。その雪ノ下風由比ヶ浜は照れ臭そうな顔をして離れていった。 

 

八幡「…………マジか」 

 

雪乃「マジなんだよねー……。どうしたらいいんだろう」 

 

結衣「一応、念のため私も証拠を聞かせておくわ」 

 

今度は由比ヶ浜風雪ノ下が恥ずかしそうに俺の肩に手を乗せて背伸びをする。

 

あー、言われるとあれだな、照れ方が由比ヶ浜と雪ノ下って違うんだな。 

 

結衣「……あの、比企谷君と二人で、その、買い物に行ったときにあなたからもらったもの、覚えているかしら」 

 

八幡「あー、あれか。小町が途中で消えた時か…… 

 

結衣「ええ。あなたに……、あなたにと言ってもいいのかしら?まぁとにかく、パンさんのぬいぐるみ、貰ったわよね」 

 

…………間違いない。雪ノ下だ。パンさん好きをあんなに隠そうとしていたのだから、いくら由比ヶ浜相手でも伝えてはいないだろう。 

 

今でこそパンさん好きを隠そうとしてはいないが、負けず嫌いのあいつが俺から施しを受けたことを話すとは想像し難い。 

 

八幡「……参ったな。疑って悪かった」

 

信じたくはないが間違いなさそうだ。この二人は人格?自我?のようなものが入れ替わっているらしい。 

 

結衣「……いえ、こんな常識外のこと根拠もなしに信じられるならそっちのほうがどうかしてるわ」 

 

雪乃「だねー、あたしも自分じゃなかったら絶対あたしを騙そうとしてるんだって思うよね」 

 

結衣「ふぅ、どうしたものかし………………?」 

 

もう断定するが、由比ヶ浜の見た目をした雪ノ下が椅子に座りかけて途中で止め、驚愕の表情に瞳を見開く。 

 

数秒、だろうか。目線を下ろし何かを確認していたかと思うと、自分(由比ヶ浜)の胸をまじまじと眺め、唐突に寄せたり上げたりし始めた。 

 

八幡「えっ」

 

雪乃「ちょっ、なにやってんの!?ゆきのん!?」 

 

結衣「な、何よ、これは……。足下が見にくいじゃない」 

 

雪ノ下はおもむろに胸元のボタンをもう一つ開けると、両手で。胸を。おっぱいを。ぽよんぽよんと。楽しそう……ではないな、忌々しそうに、揉みしだく。というか、弾けさせる。 

 

揺れる由比ヶ浜のおっぱい。おっぱいがいっぱい 

 

結衣「えいっ、えいっ」 

 

雪乃「ちょあー!ゆきのんやめー!もげる!」 

 

結衣「もいでるのよ」 

 

雪乃「えぇー!?」 

 

結衣「邪魔でしょうこんなもの」

 

雪乃「べ、別に邪魔だなんてことは……もう慣れたし。…………あ、そういえば今、なんか肩が軽いかも」 

 

結衣「…………せいっ!とりゃっ!」 

 

雪乃「ぎゃー!」 

 

結衣「くっ、なかなかしぶと……ちょっとあなた、なんでニーソックスを脱いでるの!?」 

 

雪乃「え、暑くて……蒸れるし。ゆきのんよくこんなの平気だねー」 

 

揺れる魅惑のお椀型脂肪に目を奪われていると、雪ノ下の白く細くそれでいて適度に肉のついた艶かしい輝きを放つ生足が露になっていた。 

 

蒸れるという理由で由比ヶ浜はニーソックスを足首までずり下げており、なんか黒いルーズソックスみたいになっている。 

 

その黒と生足のコントラストが眩しすぎておもわず目を細めてしまう。蒸れる……

 

やべぇ。この部屋やべぇ。傍から見たらこの二人の行動はどう考えても痴女がいいところだ。 

 

目の前で繰り広げられる光景は刺激が強すぎ、なんか身体中の血液が下半身の一部位に集まりつつあるのを感じる。 

 

結衣「はしたないからきちんと履いてもらえるかしら、由比ヶ浜さん」 

 

雪乃「ゆきのんこそ人の胸わしゃわしゃするのやめてよ!」 

 

由比ヶ浜はがるるーっという威嚇の声を発しているが、雪ノ下の声なので今まで聞いたことがなくて超可愛いなにこれもっとやれ。 

 

あ、いやまずい。とりあえずこの二人にも落ち着いてもらわねば……。こんなことで関係に亀裂が入るのは御免被りたい。若干もとい割と露骨に前屈みになりながら口を開く。 

 

八幡「で、どうすんの?」

 

結衣「どうするって……戻るに決まっているでしょう」 

 

八幡「どうやって?」 

 

結衣「知らないわよ。これはあなたの担当案件でしょう。常識外はあなたの担当よ、あなた自身常識外みたいな存在なのだし」 

 

呆れて言葉が出なくなった。由比ヶ浜の顔ってこんな冷たい表情にもなるのか。ビックリするほど雪ノ下である。なんかえらい語呂いいな、ビックリするほど雪ノ下。 

 

八幡「案件て、依頼された覚えがねぇよ」 

 

結衣「なら今からするわ。私たちをなんとかしなさい」 

 

雪乃「あたしからもお願い、ヒッキー。このままじゃなんかいろいろ……困る」

 

なんとかしろと言われてもだな、知らんよこんな現象……。あとそれは依頼じゃなくて命令じゃないですかねと言いたくなったがそこはスルーしておいた。 

 

漫画なんかではよくあるけど、これも同じに考えていいのかしらん。王子様のキス……は違うか、あれは眠りからの目覚めだな。 

 

関係ないけどそういえば、二人と一色がなんとか姫とかいうとこのバイトでなんとか姫だとか呼ばれて持て囃された挙げ句、王子だ王子様だ言わされてるらしいという噂を聞いたことがある。 

 

……なんだそれけしからんどこのイメクラだ。王子って誰だよ俺のことか?いや絶対ちげぇな。 

 

いかん、現実味がなさすぎて真剣に考えられていない気がする。正直ちょっとだけこの事態は楽しいが、当人同士はそうもいくまい。

 

といっても正解などわかるわけもないので、思い付いたことをいろいろやってもらうか。 

 

八幡「んじゃ二人でもっかいスッ転んだら?見る限り原因あれなんだし」 

 

雪乃「えー、ヒッキー適当に言ってない?」 

 

八幡「適当っちゃ適当だけどよ、俺だってどうすりゃいいのかわかんねぇよ。常識外の事態だけど常識で考えるなら病院行きだな」 

 

結衣「そんなことをしても私たちの頭がおかしくなったと思われるのがオチね……。神経外科や脳外科じゃなくて行き先は精神科だわ」 

 

八幡「……違いねぇな。で、どうする?スッ転ぶ?」 

 

雪乃「うーん……。痛いけどやってみる?ゆきのん」

 

結衣「いえ、由比ヶ浜さんわかっていないの?おそらく原因はそれでは…… 

 

雪ノ下が話している途中で部室の扉が勢いよく開き、がぁん!という大きな音を響かせる。 

 

なんだこの大変な時にと三人が入り口に目を向けると、狼狽しきった海老名さんが壁に手を突きながら叫んだ。 

 

姫菜「結衣ぃ!た、大変!助けて!」 

 

珍しい。海老名さんがこんなに慌てる用事っていったいなんなのだろうか。だがこちらも異常事態発生中なのでなんとかお引き取り願いたいところだが……と、そこでようやく気付いた。 

 

海老名さんが助けを求めるや否や由比ヶ浜目掛けてすがり付いているが、そいつの中身は雪ノ下なのだ。 

 

おかしなことになっていることを迂闊に喋って事態が好転するとはあまり思えない。

 

雪ノ下はどう対応するのだろうか。そう考えていたのに、今の状況を忘れたのか由比ヶ浜が普通に返事をする。 

 

雪乃「ひ、姫菜?そんなに慌ててどうしたの?」 

 

姫菜「は?あーし結衣に言ってるんだけど。ってか、なんで雪ノ下さんが姫菜呼ばわり?」 

 

雪乃「え、あ、そうだった。ごめ……ごめんなさい、ひ……海老名さん。……あれ?」 

 

ふぅ。どうやら事なきを得たようだ。入れ替わっていることには気がついて………………え? 

 

結衣「え?あ、えーと、えび……姫菜?ど、どうしたの?」 

 

雪ノ下もしどろもどろながら、由比ヶ浜のように喋るよう務めている。でもたぶん、もうあんま意味なさそうだな……。頭がおかしくなりそうだ。

 

優美子「こんにちはー、優美子早いよー。私そんなに速く走れるんだねー。結衣にはもう話した?」 

 

雪乃「え?優美子?姫菜?」 

 

姫菜「だからさ、さっきからなんで雪ノ下さんが名前呼び捨てにしてるわけ?」 

 

うわぁ。眼鏡っ娘でもその顔こわぁ。 

 

結衣「ちょっと、あなたたち……。もしかして三浦さんと海老名さんも……?」 

 

姫菜「は?結衣?って、まさか…… 

 

結衣「…………そのまさかよ、三浦さん」 

 

雪ノ下が海老名さん風三浦に告げると、彼女はすがっていたその手を離し、へなへなとその場に力無くへたり込んだ。 

 

優美子「…………ほほー。何やらおもしろいことになってるみたいですなー」

 

三浦風海老名さんはこの状況を楽しんでいるような節さえある。 

 

そのゴージャスな見た目でそんな言葉遣いをする人物がそこにいることに例えようもない違和感を覚える。異界に迷い込んでしまったような感覚だ。 

 

八幡「マジかよ…… 

 

俺もう帰っていいかな。 

 

もし何もないところに三浦と海老名さんがやってきて入れ替わったとか話したなら、先ほどの雪ノ下と由比ヶ浜の時のように疑って信じようとはしなかっただろう。だが前例があるだけで人は簡単に重ねて信じることができるのだ。 

 

信じたくないけど。 

 

雪乃「え、えぇー!?優美子と姫菜も!?」 

 

結衣「…………いったい何が起こっているの。こんなの夢よ……

 

優美子「そーだねー、いったい何が何やら」 

 

姫菜「…………ダメじゃん。結衣も、とか……。あーし、どうしたらいいのよ…… 

 

まさかの事態にまさかの事態が重なって、なんかもうこれ普通に起こり得ることなんじゃないの?俺が知らないだけで日常的に発生してるとか。 

 

そんなわけないですね。 

 

奉仕部の日常が光の速度で遠のいてゆく。 

 

そして事態はさらに混迷を極めていくのだった。 

 

一一一

 

雪ノ下が由比ヶ浜で、由比ヶ浜が雪ノ下で、海老名さんが三浦で、三浦が海老名さん。 

 

現状を整理するととりあえずこうなる。自分でも何を言っているのかよくわからない。 

 

雪乃「ね、ねぇ優美子。なんで、いつそうなっちゃったの?」 

 

姫菜「えーと…… 

 

さらに面倒なことになったのも事実だが、同症例のケースが一つ増えたことには意味がある。共通点や類似性から現象について何かが見えてくるかもしれないからだ。 

 

こんなふざけた現実に何故、どうしてという理由の解明にあまり意味はない。理由はわからなくとも、理解できなくとも、それに対応する術を見つけ出せばよい。 

 

見つかる気がしないけど。

 

優美子「いやー、別に変なことはしてないんだけどねー」 

 

姫菜「そーそー。あーしが階段でバランス崩しちゃってさ、下にいた姫菜の上に乗っかるみたいにして転んだら、なんでかこんなことに…… 

 

雪乃「あー、あたしたちと同じ、なのかなぁ…… 

 

結衣「え?本当にそうなの?海老名さん」 

 

姫菜「あーし今は三浦なんだけど」 

 

結衣「え、ああ、そうね。ややこしいわね…… 

 

優美子「うん、それだけだよ、雪ノ下さん」 

 

おお、海老名さんはもうこの状態に慣れたようだ。俺は全然慣れる気配がない。

 

結衣「おかしいわね…… 

 

雪ノ下は顎に手をやり、思案する素振りを見せた。 

 

おお、雪ノ下っぽ…………くねぇな。どう見ても由比ヶ浜だ。ただ、由比ヶ浜だと見られないポーズではある。 

 

八幡「なぁ、雪ノ下。何が引っ掛かってんだ?」 

 

結衣「そうよね、比企谷君にはわからないわよね。……由比ヶ浜さん」 

 

雪乃「ほえ?」 

 

その姿でほえ?とか言うのやめろ。可愛いけど笑えてくるだろ。実際三浦が海老名さんの顔でにやにやしてるし。 

 

結衣「……こほん。倒れた時のことをよく思い出してみて。あなたが私の上にのし掛かるように倒れた後、そのときには入れ換わっていたわけだけれど、その前。傾いたその瞬間、あなたは床を見ていたの?天井じゃなかった?」 

 

ん?どういうことだ?と思うが口は挟まずにおく。

 

雪乃「…………あ。あたし天井が見えてたかも!」 

 

結衣「そうよね、私は床が見えたから。つまり、倒れる前にはもう入れ換わっていたということになるわ」 

 

雪乃「え、じゃあ、だとすると……なに?」 

 

結衣「覚えていないの?倒れるほど傾く前に、その、あなたの唇と…… 

 

雪乃「あっ!そうだ!あたし、ゆきのんと……キスしちゃったんだ…… 

 

八幡「えっ」 

 

姫菜「えっ」 

 

優美子「やーだー。結衣ー、やらしいー」 

 

なんだと……ポッキーゲームの末にそんな百合百合しいことになってたとは……

 

そしてなんだその恥じらいようは。こいつまさか、本当に百合っ気があるのでは…… 

 

結衣「……一応弁解しておくけれど、事故よ、事故。唇がぶつかっただけ。あんなものファーストキスにカウントされないわ」 

 

雪乃「いやゆきのん、女の子同士は別にカウントしなくてもいいと思うよ……。てか、あたしはカウントしない!まだ初めて!」 

 

結衣「……忘れましょう、お互いに。まぁそういうわけだから、私たちが入れ換わったのはそれが原因だと推測しているわけだけれど……。三浦さんと海老名さんはしていないの?」 

 

姫菜「はぁ?してるわけ…… 

 

葉山「ヒキタニくーん!やべーヤベーよマジやっべーって!」 

 

戸部「おい、戸部……。あんまり大きい声で喋るなよ……

 

八幡・結衣「うわぁ…… 

 

おもわず溜め息と共に、もういい来るなという思いが声となって漏れた。言わなくてもわかる。ある意味変化の度合いがこの中で一番酷い。 

 

雪ノ下さんが俺よりも誰よりも一番ドン引きしていらっしゃったのが印象的だった。 

 

姫菜「は、隼人ぉ!?まさか、戸部と…… 

 

戸部「ん?姫菜?…………まさか」 

 

八幡「……さすがに勘がいいな。そのまさかだ」 

 

葉山は隼人と呼び捨てにして慌てる海老名さんを見て気がついたようだ。自分がそうなることがあるなら、他にいてもおかしくないとすぐに切り換えられるあたり、なかなかに優秀な奴だ。 

 

ただ、その気付きは何ももたらしはしないのが悲しいところである。

葉山「なになに?どういうこと?海老名さん、なんか雰囲気違わね?」 

 

戸部「……君は、大丈夫なのか?」 

 

八幡「ああ、こん中じゃ無事なのは俺だけだな」 

 

戸部「ということは、雪ノ下さんも……?」 

 

結衣「そういうことよ。もう逃げ出したいわ…… 

 

葉山「あんれぇー?なんか結衣も変じゃね?」 

 

姫菜「戸部ぇ……あんたいい加減気づきなよ。みんなあんたと同じようになってんの」 

 

葉山「え、海老名さん?優美子?…………えぇー!?マジ!?」 

 

たぶん戸部は、戸部ぇ……で気がついたのだろう。ドス効いてたし。

 

いやー。なんなんだろうなこれ。葉山と戸部も追加されて三組になった。華やかだなー。 

 

現実逃避したい。早急に。 

 

八幡「なぁ、俺帰っていい?」 

 

結衣「駄目よ」 

 

雪乃「絶対ダメ」 

 

優美子「だめー」 

 

姫菜「はぁ?帰れるとか思ってんの?」 

 

戸部「帰すわけないだろ」 

 

葉山「ヒキタニくんハクジョーすぎね?」 

 

総勢6名からの駄目だしをくらう。 

 

八幡「なんでだよ……。俺関係ねぇだろが。俺健常者だし、後は当人達でなんとかしてくれよ……

 

結衣「こんな状態でまともに考えられるわけがないでしょう。戻るまで帰さないわよ。そのつもりでいなさい」 

 

雪乃「そうそう。毒を食わば毒までだよ」 

 

なんかもういろいろ違う。毒しか食ってねぇよそれ死ぬ気か。 

 

姫菜「ぷっ、くくっ…… 

 

戸部「くくっ…… 

 

雪ノ下の姿であまりにアホなことを言うものだから、三浦と葉山が普段とのギャップに耐えきれなかったのだろう。口を押さえながら笑みを溢した。 

 

酷いやつらだな、俺は頑張って耐えてるのに。まぁ、あとから絶対酷い目にあうのわかってるからだけど。 

 

結衣「…………由比ヶ浜さん。喋らないでもらえるかしら。名誉毀損で訴えるわよ」 

 

雪乃「喋っただけで名誉毀損!?」

 

八幡「で、戸部。と葉山。お前らはなんでそうなったんだ?」 

 

結衣「……まさか、キスしたんじゃないでしょうね」 

 

優美子「!?マジで!?キマシタワーコレ!」 

 

戸部「姫菜、来てないから。何も」 

 

葉山「なんかよくわかんねーんだけどさー、練習してて隼人くんとハイボール競り合って頭ぶつけて、地面に落ちたらこうなってたんよ」 

 

そういえば二人とも練習着のままここに来ている。なんでここに助けを求めにくるんだと聞きたくなるが今はやめておこう。 

 

戸部「そうだな。二人でヘディングしようとしてぶつけたらこうなった。まったく意味がわからないが……。結衣たちと、優美子たちはどうしてなんだ?」

 

雪ノ下と由比ヶ浜はおそらくキスが原因であること、三浦と海老名さんは階段から転げ落ちたことが原因であることをそれぞれが話す。 

 

由比ヶ浜は唇を真一文字に引き結んで喋るのを我慢していた。…………健気だな。 

 

戸部「……イマイチ共通点がないな」 

 

八幡「だな……。雪ノ下と由比ヶ浜も転げ落ちたのが原因ならわかりやすいんだが。もっかいスッ転んでみたらいいし」 

 

結衣「サンプルがもう少し欲しいわね…… 

 

八幡「いや勘弁しろよ。これ以上増えても面倒になるだけだろ」 

 

そこで、またも部室の扉が勢いよく開き、新たな人物が飛び込んできた。 

 

沙希「あーいたっ!せんぱぁい、ヤバいですヤバいですほんとにマジでヤバイんですー」

 

うおお、川崎が俺のことを上目遣いで先輩と甘えてくるだとぉ!?可愛いじゃねぇか!けどあざとい。 

 

八幡「…………一色か」 

 

沙希「え?なんでまだ言ってないのにわかったんです?」 

 

わからいでか。なんで同級生に先輩って呼ばれねばならん。一瞬俺留年してたのかと思ったじゃねぇか。 

 

八幡「お仲間がいっぱいだからな。喜べ」 

 

沙希「は?何言って……って、おぉ。なんですかこの大所帯は…… 

 

一色は俺しか見えていなかったらしく、そこで始めていつもの二人に加えて珍しい人物に驚きの声をあげる。俺はそんなことより敬語を話す川崎の姿が不穏で仕方ない。 

 

戸部「いろはもか……

 

結衣「一色さんまで……。それで、もう一人は?」 

 

雪ノ下ももういい加減慣れてきたのか、川崎の見た目をした人物を一色と断定して話を進める。 

 

沙希「はい?戸部先輩?結衣先輩も……?」 

 

いろは「ちょっと、はー、あんた……。はー、この体すっごいトロいし疲れるんだけど…… 

 

沙希「し、しっけーなっ。わたしの体はそんなに運動音痴じゃありませんよっ」 

 

はぁ……。やっぱこうなってんのか。 

 

優美子「おー、サキサキ。ちんまくなっちゃったねー」 

 

いろは「ん?三浦?」 

 

優美子「うんにゃ、海老名だよ」

 

いろは「は?え?」 

 

沙希「……先輩、何がどうなってるんです?」 

 

八幡「……こっちが聞きてぇよ」 

 

これで四組目だ。どこまで拡大するんだ?何が起こっている?これもなんちゃらズゲートの選択なのか? 

 

姫菜「なんかさ、これ……ヤバくない?」 

 

雪乃「……ヤバいよね。ほんとに戻れるのか不安になってきた…… 

 

一同の顔に不安の色が広がる。ここで思ったのは、当事者じゃなくてよかったー、ということ。やだ、俺割とクズっぽい。 

 

結衣「ではそろそろ落ち着いて話し合い…… 

 

雪ノ下が騒がしく状況確認する皆をなだめ、仕切り直そうとしたその時、またも扉が開く。あ、俺知ってる。これまた誰か来るパターンだ。

 

そう思っていると、めぐり先輩がちらと顔だけを覗かせる。 

 

めぐり「む、なんだこの人数は……まあいい。……えーと、比企谷くーん」 

 

八幡「は、はい?めぐり先輩?ですか?」 

 

てっきりまた誰かと入れ換わっているのかと思いきや、いつものめぐり先輩のほんわかとした口調で拍子抜けしてしまう。 

 

めぐり「そーだよー☆えーとねー、ちょっと比企谷くんに用があるんだけど、いいかな……?」 

 

八幡「え?あ、あの、今ちょっと忙しいというか立て込んでまして…… 

 

めぐり「えー、ちょっとだからさー、お願い」 

 

そう言ってめぐり先輩は俺の腕を掴み引っ張る。いつになく強引で違和感はあるが、そのあどけない笑顔に抵抗できない。いや、なんか力強くね……

 

雪乃「あ、あの、めぐり先輩。ヒッキーもあたしたちも今はちょっと…… 

 

めぐり「……ヒッキー?雪ノ下……なのか?」 

 

八幡「あんた、めぐり先輩じゃないな。誰だ」 

 

雪ノ下の様子が普段と違うことに驚いたのか、素が出てしまったようだ。その素の言葉遣いはめぐり先輩とは似ても似つかないものだった。 

 

めぐり「ちっ。失敗か」 

 

平塚「もー、先生。なんで逃げるんですかー」 

 

八幡「…………マジ?平塚先生、あんた何やってるんすか」 

 

めぐり「おや、随分と理解が早いな」 

 

異常な事態をすんなりと受け入れる俺を見て、平塚先生は腕を組んで思案し始める。

 

うーん、眉間に皺が寄るほど悩むめぐり先輩も可愛い。けど中身はあれなんだよなぁ。 

 

めぐり「…………つまり、この連中も、ということなのか」 

 

八幡「ま、そういうことです。つかなんでここに来るんですかみんな…… 

 

平塚「ちょっと先生ー。わたしの体返してくださいー」 

 

全員「……………… 

 

めぐり「いやすまん、ちょっと若返った気がして女子高生を満喫したくなってな……ん?どうした君たち」 

 

めぐり先輩と平塚先生を除く全員が衝撃的な光景を目の当たりにして、一様に黙り込む。目を覆いたくなった。 

 

沙希「いや、どうしたもこうしたも…… 

 

結衣「その、平塚先生の姿でその話し方はちょっと……

 

八幡「……なんていうんですかねこれ。キツいっす」 

 

葉山「いやいや、マジヤバいっしょ……。その年でそれは…… 

 

めぐり「葉山、死ねぇっ!」 

 

葉山「ぇぐおっ!?」 

 

戸部「あー!俺の体が…… 

 

内情を理解しているなら、平塚先生が戸部にボディブローを炸裂させただけだ。 

 

だが絵面で見ると、平塚先生の年齢に触れた葉山がめぐり先輩にボディブローをされ、戸部が葉山の体を心配する、というものだ。 

 

あたまがおかしくなりそうです。 

 

八幡「なぁ、もう締め切ろうぜ。これ以上は無理。由比ヶ浜、鍵掛けてきてくれ」

 

雪乃「うん、わかった」 

 

由比ヶ浜は頷くと、施錠のためそそくさと扉に向かう。 

 

いろは「……もうわけがわからない」 

 

姫菜「あーしもう泣きそう」 

 

葉山「えほっ、っあー。内臓飛び出るかと思った。平塚先生、俺っす、戸部っす」 

 

めぐり「ああ、そう予想してはいたんだが……その見た目だから、ついな」 

 

戸部「つい、で葉山死ねと言われるのはちょっと…… 

 

そこで、由比ヶ浜の持ち物である携帯電話が着信音を鳴らした。雪ノ下は由比ヶ浜と目配せしてから、控え目に通話を始める。ああややこしい。 

 

由比ヶ浜が出ても雪ノ下の声だから、そうしたほうがいいだろう。…………いや、わざわざ出るなよこの面倒臭い状況で。真面目か。

 

結衣「もしもし。ゆきの…………ゆ、結衣だよー」 

 

雪乃「あたし、そんな出方しないし…… 

 

結衣「……え?大岡君が?大和君と?ええ、ええ」 

 

これだけで事情を把握できる。やべぇ俺エスパーになっちゃったのかも。 

 

八幡「……雪ノ下、ここには来るなって言ってくれ。もう閉店ガラガラだ」 

 

大岡と大和が入れ換わろうと、俺にはおそらく区別がつかないから割と本気でどうでもいい。 

 

雪ノ下は頷くと通話を再開する。 

 

結衣「そう言われても私にも何がなんだか……。奉仕部は今日は休みだから、みんなのこともわからないわ。ごめんなさい、また、明日!」 

 

雪ノ下は通話を強引に打ち切り、ふぅと溜め息をついた。

 

雪乃「んー、戻ったら説明しとかなきゃ…… 

 

八幡「心配すんな。あいつらも大事みたいだからそんな些細なこと気にしちゃいねぇよ。忘れてる、どうせ」 

 

雪乃「そ、それもそうだね」 

 

沙希「せんぱーい……。まともな人先輩だけじゃないですか…… 

 

八幡「……みてぇだな。とりあえず状況を整理するか…… 

 

電話に注意している間に、これまで直接会話のなかった面子で情報交換のような会話が行われていた。その度に皆が驚きの声をあげる。 

 

これだけ事例が集まればなんらかの方向性や共通点は見えてくるだろう。大変なのはここからだ。 

 

まずは聞き込みだな。

 

八幡「あー。ちょっとみんな、聞いてくれ」 

 

騒がしい会話が徐々におさまり、総勢10名となった視線が一斉に俺に集まる。やだ、こんなに注目集めることなんてそうないから緊張しちゃう。 

 

八幡「何を期待してここに来たのかは知らんが、とりあえず戻る方法を模索するって方向で異論はないな?」 

 

結衣「ないわ」 

 

沙希「ですね」 

 

姫菜「さっさと戻らないと、あーし…… 

 

戸部「これだけモデルケースがあれば類似性も見つかるんじゃないかな」 

 

めぐり「わ、私はもうちょっとこのままでもいいぞ?」 

 

いろは「平塚先生……

 

めぐり「な、なんだ……。いいじゃないか別に……。なぁめぐり、もう少しならこのま」 

 

平塚「嫌です」 

 

即答。ていうか割り込んだ。 

 

めぐり「めぐり?」 

 

平塚「絶対に嫌です」 

 

めぐり先輩は笑ってないけど笑顔である。平塚先生にこんな顔されたら、俺なら死を覚悟するな。 

 

めぐり「わ、私の体は力も強」 

 

平塚「死んでも嫌です」 

 

めぐり「む、胸だって…… 

 

平塚「無理」 

 

めぐり「……そんなにか。そうか……。うっ……えぐっ……

 

雪乃「マジ泣き!?」 

 

めぐり先輩の目から血の涙を啜り流す平塚先生は置いておいて、話を再開することにした。 

 

八幡「と、とりあえずだ。情報の共有はしておきたい。俺が指名していくから順次説明してくれ、包み隠さず。まずは全員の状況を把握したいから、あんまり途中で口を挟まないようにしてくれると助かる」 

 

雪乃「オッケー。わかったよヒッキー」 

 

結衣「わかったわ。……司会進行役も様になっているじゃない」 

 

八幡「お前が戻すまで帰さないつったからだろ。こんなの早く終わらせて帰りたいんだよ俺は。利害が一致した時ぐらいまともにやるよ」 

 

マジ早く帰らせろ。俺は平穏を求めてるんだ。異常事態はお呼びじゃねぇんだよ。

 

並んだ顔を見渡すと、俺の発言に頷きをもって返してくれた。一人だけまだ泣いてた。 

 

八幡「うし。じゃあ、雪ノ下と由比ヶ浜。自分達で考えられる原因を話してくれ」 

 

結衣「ええ、私と由比ヶ浜さんは……おそらくだけれど、唇が触れ合ったのが原因、と考えているわ」 

 

沙希「え?雪ノ下先輩?結衣先輩?」 

 

めぐり「……何をしているんだ君たちは」 

 

雪乃「んーとね、ゆきのんとキス、しちゃった…… 

 

……なぜ恥じらう。モジモジする。ドキドキしちゃうだろ。 

 

平塚「え?二人って付き合ってたの?」

 

結衣「そ、そんなわけないです!由比ヶ浜さん……誤解を招く表現はやめてもらえるかしら。あれは事故というか偶然…… 

 

八幡「あー、雪ノ下、ストップ。次行くぞ」 

 

拗れそうな会話を無理矢理遮ると、三浦と海老名さんに話を振る。 

 

姫菜「あーしと姫菜はー、あーしが階段から落ちて姫菜の上に落ちたのが原因だと思う。つか、それしかないし」 

 

優美子「だねー。一緒に階段から落ちた、って感じかな」 

 

沙希「わたしたちとそんなに変わんないですね」 

 

いろは「……みたいだね」 

 

先にいた奉仕部組は知っていたことだが、まだ聞いていなかった連中がふんふんと頷く。

 

八幡「んじゃ次、葉山と戸部」 

 

戸部「俺たちは部活中だった。ヘディングで戸部と競り合って、おもいっきり頭をぶつけたらこうなってたな」 

 

葉山「だべ。すんげぇ痛かったわ」 

 

沙希「…………戸部先輩、あんま喋らないでください……葉山先輩に幻滅しそうなので」 

 

戸部「俺に!?」 

 

結衣「理知的な振る舞いすらなくした葉山君に価値は見出だせない、ということよ」 

 

戸部「……酷い言われようだな。戸部、黙れ」 

 

葉山「隼人くん!?」 

 

八幡「あーもう終わり終わり。次行くぞ、一色と川崎」 

 

 

続く

 

雪乃「ひ、ヒッキーあたしのぱ……見たでしょ!最低!」2/2 【俺ガイルss/アニメss】 - アニメssリーディングパーク

 

 

 

比企谷八幡材木座義輝は愛

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