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陽乃「ちょっとだけ肩、貸してて・・・」 八幡「・・・はい」1/2【俺ガイルss/アニメss】

 

【序 章】

 

~放課後~

奉仕部へ向かう途中にて

 

八幡(最近、雪ノ下さんが奉仕部に顔を出す回数が増えてきた。

あの人の事だから、雪ノ下をからかって遊んでいるだけなんだろう。

実際に毎回、雪ノ下は何も言えなくなって、その姿を見てから満足したように帰っていくのだから。)

 

トテトテッ・・・

 

八幡(しかしながら、雪ノ下をからかう為とは言え、俺に密着するのはやめてほしい。いくら理性の塊であり、英国紳士も真っ青になるくらいのジェントルマンである俺でも、あんな美人に抱き付かれたら少しばかりと言わずに欲情する。なんなら、俺の小八幡が大八幡に変身するまである)

 

???「比企谷くん、何か悩み事かな?」ギュ

 

八幡「うぇ?!」

 

???「せっかくこんなに美人なお姉さんが心配してあげたのに、そんな嫌そうな反応しちゃうんだ?」

 

八幡「ゆ、雪ノ下しゃん、ちょ、歩きづらいんで離れてくれませんか?」

 

陽乃「良いじゃん良いじゃん♪ 比企谷くんだってホントは嬉しいクセにぃ~!」スリスリ

 

八幡(うわ、なんだコレ? 甘くて良い匂い

。 しかも、背中に押し付けられてる柔らかくて温かい物体はアレですか?! 男ならいつかその頂を拝みたいアレですか?!)

 

八幡「いや、他の人にこんな所見られたら学校での立場とか無くなっちゃうんで。これ以上無くなったら、本当にヒッキーするしか無くなっちゃうまであるんで」

 

陽乃「えー? 元々、比企谷くんに大切にするほどの立場なんてあるとは思えないし、もしホントに引きこもりになるなら、お姉さんが養ってあげるから大丈夫だよ♪」

 

八幡(くそ、この人なら本当に養えそうだから冗談に聞こえない)

 

陽乃「冗談じゃないから安心して引きこもりになってね♪」

 

八幡「ナチュラルに心を読まないでほしいです」

 

陽乃「あははっ♪ 比企谷くんの考えてる事なんてお姉さんにはお見通しなんだよ? だから、私には逆らわず、嫌がらず、愛情を持って接するように♪」ギュ-

 

八幡「・・・俺は小町以外に注ぐ愛情なんて持ち合わせていないの・・・。 いや、戸塚! 戸塚になら愛情を注げる!」クワッ

 

陽乃「・・・そこで妹と男の子の名前が出てくる事に、お姉さんは不安を隠しきれないよ」パッ

 

陽乃「さ、雪乃ちゃんに怒られる前に奉仕部に行こっか」ギュ

 

八幡「部室に行くのは構いません。 ですが、この手はなんですか?」

 

陽乃「気にしない、気にしない♪ ・・・それとも、お姉さんと手を繋ぐのはイヤ?」ウワメヅカイ

 

八幡「ッ! ・・・仕方ないですね、部室の前までですからね?」

 

陽乃「わーい! 比企谷くん、大好き♪」

 

八幡(やはり雪ノ下さんには敵わなかったよ・・・)

 

 

~奉仕部 部室前~

 

八幡「じゃあ、手を離してください」

 

陽乃「えー? このままでも良いじゃない」

 

八幡「いやいや、そんなことしたら雪ノ下にまた罵倒されるんですけど?」

 

八幡(なんなら、雪ノ下との会話の8割が罵倒されるだけなまである。 あれ? それ、会話って言わなくない?)

 

陽乃「じゃあ、お姉さんが守ってあげるから平気だね~」ガラガラ-

 

陽乃「ひゃっはろー!」グイッ

 

八幡「え!? ちょっと!」

 

雪乃「姉さん、何をしに・・・」チラッ

 

陽乃「今日も比企谷くんに会いに来たの♪」

 

雪乃「会いに来た、というのならその手は何かしら?」キッ

 

陽乃「うん♪ 途中で比企谷くんを見つけてね、同じ場所に向かうんだから一緒に行こうと思って」

 

雪乃「同じ場所に行くだけなら、手を繋ぐ必要はないと思うのだけれど?」イラッ

 

陽乃「いや、必要だよ? 雪乃ちゃんも知ってるでしょ? 比企谷くんの性格なら隙を見て適当な言い訳をして離れちゃうだろうし。 そうしたら“一緒に行く”って目的が果たせないでしょ?」

 

八幡(いや、あんたが俺の何を知ってるんだよ? まぁ、そうしただろうけどさ)

 

雪乃「確かに、そうする可能性は高いでしょうね。 だからといって無理矢理、その、手を繋ぐ、のはどうかと思うわ」

 

八幡(あ、これはヤバい)

 

八幡「雪ノ下さん、ちょっとトイレに行きたいんで手を離してもらっても良いですか?」

 

陽乃「えー? もうちょっと我慢して」

 

八幡「いや、実はさっきから我慢してて本当にヤバいんですよ」

 

八幡(何がヤバいって、このあとの雪ノ下さんの発言がヤバい。 言質を取られているのがマズイ)

 

八幡《部室の前までですからね》カラネ・・・カラネ・・・

 

八幡(あのときの俺に言ってやりたい。 優しさは時として笑顔を与えることだけでなく、爆弾としても使われるんだと。 微笑みの爆弾かよ。 指先から霊力でも打ち出しちゃうの?)

 

陽乃「大丈夫大丈夫。 もし、比企谷くんがお漏らししちゃってもお姉さんがちゃんと後処理してあげるからね♪」

 

八幡「いや、そんなことされたら何もかもボロボロになっちゃいますからね!?」

 

八幡(え、それなんてエロゲー?)

 

雪乃「姉さん、いい加減にして」ギロッ

 

陽乃「あれれ? 何で雪乃ちゃんが怒ってるのかな? かな?」ニヨニヨ

 

八幡(雪ノ下さん、そのキャラ間違ってます)

 

陽乃(嘘だッ!!)

 

八幡(コイツ、脳内に直接・・・ッ!?)

 

雪乃「私は姉さんと違って、神聖な学舎で男子高校生がお漏らしをするなんて特殊な状況に興奮する性癖は持ち合わせていないの。 それに、姉さん。 まだ私の質問に答えてくていないのだけど?」キッ

 

陽乃「いや、私もそんな性癖はないけど・・・。 あ、私が無理矢理手を繋いだって話だっけ? 実は比企谷くんの許可をちゃんと貰ってるんだよ♪」ニヨニヨ ギュ

 

八幡(・・・オワタ)

 

雪乃「・・・・・・」ギギギギ ニコッ

 

八幡「雪ノ下、落ち着いて聞いてくれ。 俺は折衷案として部室の前まで手を繋ぐ事には同意した。だから、雪ノ下さんは契約違反な訳だ。つまりだな、 俺は悪くねぇ!」

 

八幡(あ、これフルボッコのフラグだ。 こういう時のために普段から髪の毛赤く染めとけばよかった。 なんで髪の毛赤い奴は謝罪の気持ちを表す時に髪の毛切るんだろうな。 花道もルークも。そこからカッコ良くなったし、俺も髪の毛切ればニュー八幡になれるかな、無理か、無理だな。 なんだよニュー八幡て。 ホテルか!だいたい・・・)

 

なんて現実逃避している最中も現実も戻ってきてからも、雪ノ下にいつもより多く罵られたのは言うまでもないと思う。

その姿を隣で笑いながら見てるだけの魔王はるのん、許すまじ!!

 

序章 終わり

 

 

【一章】

 

~月曜日 朝~

 

小町「お兄ちゃん、朝だよ?」

 

八幡「んー? あれ、今何時だ?!」ガバッ

 

小町「8時40分くらいかな?」キョトン

 

八幡「はぁ?! ヤベェ! 完璧遅刻コースじゃねーか! 小町、とりあえずお前だけでも送っていってやる! 今から飛ばせば中学には間に合っ」バタバタ

 

小町「ストップ!」ビシィ!

 

八幡「うだろ・・・。 ど、どうした小町?」オロオロ

 

小町「お兄ちゃん、今日は祝日だよ? 自分の心配より小町を心配してくれるお兄ちゃんはポイント高いけど」ハァ・・・

 

八幡「・・・祝日? あ、そうか」

 

小町「で、朝ごはん出来てるけど、いつもみたいにお昼に食べる?」

 

八幡「いや、完璧に目覚めたから今から下降りるわ」

 

小町「ほーい。 じゃあ、準備しとくね」トテトテ

 

八幡「せっかく二度寝出来る日だったのに、今日はツイてないな」ハァ・・・

 

・・・・・・・・

 

八幡「ごっそさん」

 

小町「お粗末さまでした~」

 

小町「今日は何か予定ないの?」

 

八幡「さっきまで学校だと思ってた位だからな。 遊びに行く予定なんてあるわけがない」ドヤァ

 

小町「うわぁ・・・。 さすがにそのドヤ顔は小町でもイラッとするよ、ごみぃちゃん」

 

八幡「って言っても、何して過ごそうか」

 

小町「雪乃さんや、結衣さんと遊んできたら?」

 

八幡「いやいや、由比ヶ浜はまだしも雪ノ下はない。 休日まで罵られたいとは思わない」

 

小町「あ、あはは・・・」

 

ユーガッターメール!ユーガッターメール!

 

小町「珍しいね、お兄ちゃんの携帯が鳴ってるよ?」チョンチョン

 

八幡「どうせスパムメールだろ?」ピッ

 

haruno-y-80000-love-ykn-cute・・・

件名: ひゃっはろー!

本文

比企谷くん、ひゃっはろー!

起きてるかな? かな?

せっかくの祝日だし、

お姉さんとお出かけしよ("⌒∇⌒")

 

ちゃんとおめかししておいてね?

 

10時位に迎えに行くから

ちゃんと準備しておくように♪

 

じゃ、また後でね(* ̄∇ ̄)ノ

 

 

小町「これって陽乃さん?」キョトン

 

八幡「・・・・・・スパムメールだろ? 雪ノ下さんと連絡先交換した覚えないし、もし交換してても、わざわざ休日に俺を呼び出したりしないだろ、あの人が」ガタガタ・・・

 

小町「うーん、でもホントに陽乃さんだったら準備しておかなきゃお兄ちゃん、何されるか分かったもんじゃないよね?」

 

八幡「それは・・・」

 

アザレアヲサカセテ-

 

八幡「!?」ビクゥ!

 

アタタカイニワマデ-

 

小町「お兄ちゃん、出ないの?」キョトン

 

ツレダシテ-

 

八幡「・・・知らない番号だしな」ガタガタ

 

ツレダシテ-

 

小町「出た方が良いよ、絶対!」ユサユサ

 

八幡「・・・分かった」

 

ナンテネェ- ピッ

 

八幡「も、もしもし?」

 

陽乃「あ、やっと出た! もー、お姉さんを待たせちゃダメでしょ?」

 

八幡「あー、色々聞きたいことがあるんですけど、何か用ですか?」

 

陽乃「比企谷くん、つめたーい!」

 

八幡(いやいや、なんで俺の電話番号知ってるんだよ? ストーカー? 怖えよ、つうか、怖い)

 

陽乃「で、さっきメール送ったんだけど、ちゃんと届いたか確認しておこうと思ってね♪」

 

八幡「は? メール?」

 

陽乃「そ! 休日デートのお誘いメール♪」

 

八幡「あー、ちょっと今日は家族で出かけ・・・」

 

陽乃「はい、ダウト~。 比企谷くん、嘘はいけないな~」

 

八幡「・・・なんで嘘だと思うんですかね?」ギクッ

 

陽乃「お姉さんの勘だよ」

 

八幡「いやいや、そんな勘が当たるわけないじゃないですか」

 

陽乃「じゃあ、比企谷くんが嘘をついていた場合、しっかり償ってもらうからね?」

 

八幡「は、え? いや、ちょっと・・・」タラリ

 

陽乃「だって、家族で出かけるんだよね? 嘘じゃないんなら小町ちゃんに代われるよね?」

 

八幡「分かりました、ちょっと待ってください」

 

八幡「小町、雪ノ下さんに家族で出かける用事があるって言ってくれ!」

 

小町「はぁ、これだからごみぃちゃんは。 とりあえず代わって? 話してみるよ」

 

八幡「助かる」

 

小町「もしもし、お電話代わりました~。 陽乃さんですか?」

 

八幡(よし、これで小町とDVDでも借りに行けばミッションコンプリート。 小町は家族で、家から出るわけだし、嘘ではなくなる)

 

小町「あー実は今日・・・え? はい、はい・・・」ウンウン

 

八幡(ん? 雲行きが怪しくなってないか?)

 

小町「え?! それは本気ですか?! ・・・いや、小町は別に反対とかしないですけど」チラッチラッ

 

八幡(え? なになに? お兄ちゃん、内容が気になって気になって仕方ないよ小町)

 

小町「なるほどなるほど~♪ そういう事なら仕方ないですね♪ 今日はお兄ちゃんと出かける予定でしたが、お兄ちゃんの為に陽乃さんにお譲りしちゃいましょう! 兄を想って身を引く小町とか小町的にポイント高い!」キラッ

 

八幡「ポイント高い! じゃねーよ!?」

 

八幡「何なの、ねえ? 何の話をした結果、そういう結果になったの?! 小町にまで見捨てられたら俺、どうやって生きていけば良いんだよ・・・」ヨヨヨ

 

小町「これも全てはお兄ちゃんの将来を思っての事なんだよ? 今は許せないかもしれない。 けど、近い未来、絶対に小町に感謝する結果になるから!」ナデナデ

 

八幡「未来とか良いんだよ。 今さえあれば、小町さえいてくれれば問題ないんだよ! ・・・今の八幡的にポイント高いな」

 

小町「そのシスコン具合はどうかと思うけど? はい、陽乃さんとちゃんと話してみて?」スッ

 

八幡「こうなったら仕方ないか」ハァ・・・

 

八幡「もしもし?」

 

陽乃「あ、比企谷くん? ゴメンね、妹ちゃんとお出かけする予定だったんでしょ?」

 

八幡(この人、嘘だって気付いてるんだろうな)

 

八幡「悪いと思うなら遠慮してほしかったですけどね」

 

陽乃「あはは。 でも、今日は妹ちゃんに譲って貰っちゃったからね。 だから、ちゃんと準備しておいてね♪」

 

八幡「はいはい」

 

陽乃「じゃあ、また後でね♪」ツーツー

 

八幡「はぁ・・・」ガックリ

 

小町「お兄ちゃん、頑張ってね♪」ニコッ

 

八幡「もう、今日は1日引きこもりたい」

 

小町「そんなこと言ってないで、ほらほら準備するよ~♪」グイグイ

 

八幡(俺の妹の張りきり具合は間違っている)

 

一章 終わり

 

 

【二章】

 

~比企谷家 リビングにて~

 

八幡「どうしてこうなった・・・」

 

小町「いやー、小町のコーディネート能力の凄さが発揮されちゃったね♪ スーパーコーディネーターだね♪」

 

八幡「え、何? お前、コーディネーターなの? そのうち、ガン○ムとか乗っちゃうの?」

 

小町「女の子にそういう分かりにくいネタ振るお兄ちゃん、ポイント低いよ?」

 

八幡「いや、今のは明らかにお前から・・・」

 

ピーン・・・ポーン・・・

 

小町「はーい! 今いきます!」

 

八幡(あれぇ? うちのチャイムってあんなに死刑宣告みたいな音だったかなぁ? ホラー映画なら、小町が真っ先にころ・・・)

 

陽乃「比企谷くん、ひゃっはろー!」ギュ

 

八幡「ひっ?!」ビクゥ!

 

陽乃「うんうん。 ちゃんと準備出来てそうだね♪ 惚れ直しちゃうな~」ジーッ

 

八幡「・・・全く、いきなり抱き付かな」クルリ

 

陽乃「ん? どうしたの?」ニヨニヨ

 

八幡(目の前にいる雪ノ下さんは、落ち着いた雰囲気のドレスを身にまとい、普段とは違うメイクをしていた。 美しすぎる姿を見て家に女神が降りてきたのかと思った)

 

八幡「・・・家に女神が降りてきたのかと思った」ポーッ

 

陽乃「ちょ! 比企谷、誉めすぎっ///」テレテレ

 

八幡「はっ! い、今のは聞かなかったことに・・・」アワアワ!

 

陽乃「せっかく比企谷くんに誉めてもらえたんだもん。 しっかり記憶に焼き付けておくよ♪」ニコッ

 

八幡「くそ、反則すぎる・・・」プイッ

 

八幡(この雪ノ下さんが笑顔を向けたら、大抵の男はまず落ちるだろう。 だが、俺は違う。 エリートぼっちは勘違いをしない。 これは強化外骨格の一つ。 俺にだけ見せる特別な顔なんかではない。 大丈夫、落ち着けば何の問題もない)

 

陽乃「さ、行こっか♪」ギュ

 

八幡「え? どこに行くんですか?」

 

陽乃「車の中で説明するからさ♪」テクテク

 

陽乃「じゃ、小町ちゃん比企谷くん借りてくね~」

 

小町「はーい! 好きなだけ使っちゃってください! 頑張ってね、お兄ちゃん♪」

 

八幡(え、使うって何を? お兄ちゃん、何されちゃうの?)

 

小町「いってらっしゃい」バタン ガチャ

 

陽乃「さ、比企谷くん乗って乗って!」

 

八幡(あ、俺が引かれた車と違う・・・。 気を遣ってくれたのか?)

 

陽乃「出して」ブロロロロッ

 

陽乃「比企谷くん、今日は無理言っちゃってゴメンね? 今朝まで比企谷くんを呼ぶかどうか悩んでたからさ」ペコリ

 

八幡「いや、もう気にしてないんで大丈夫ですよ」

 

八幡(なんか、調子狂うな・・・)

 

陽乃「今日は昔お世話になった人の結婚式なんだよね。 それで、私が行く事になっていたんだけど」シュン

 

陽乃「結婚式ってさ、祝いの場であると同時に出会いの場でもあるの。 それはなんとなく分かるかな?」

 

八幡「・・・同じ業界の人で別の会社の人同士が結婚すると、お偉いさん同士に面識が生まれる。 そうすると、商談なんかの時に『あの時は~』みたいなきっかけになる、とか聞いたことあります」

 

陽乃「確かに企業からしたらそういう面もあるかな。 でも、それだけじゃないの」

 

陽乃「男女の出会いの場にもなる。 だって、美味しい料理にお酒、幸せそうな新婚夫婦。 『次は私も』なんて誰でも考えるでしょ?」ニコッ

 

八幡「確かにそうなるかもしれませんね」

 

陽乃「そういう所に一人で行ったら私なんてすぐ声掛けられちゃって面倒なんだよね」

 

八幡「確かに雪ノ下さんはルックス良いですからね///」テレッ

 

陽乃「それだけじゃないんだよね。 外見だけじゃなく、家柄も良しなんだよ。 つまり、一粒で二度美味しい女なんだ」ニコリ

 

八幡(企業からしてみたら、名士の雪ノ下とは付き合いが欲しいし、独身男性からしたら、こんだけ美人の奥さんなんて憧れるものだろう。 だから、今回俺に白羽の矢が立ったのか)

 

八幡「・・・男避けの為なら最初から言ってくれれば良かったじゃないですか」

 

陽乃「君の場合、素直に言っても協力してくれたとは限らなくない?」

 

八幡「日頃お世話になってるんで、それくらいなら協力しますよ」

 

陽乃「お世話なんかしてないよ? お、それとも美人のお姉さんに頭の中でお世話されちゃってるのかな? このこの~♪」グリグリ

 

八幡「痛い痛い! 脇腹を拳でぐりぐりしないでください! それに下ネタとか引きます」

 

八幡(比企谷だけに)ドヤァ

 

陽乃「おやおや~? 比企谷くんはどんな想像しちゃったのかなぁ? 私はただお姉さんにお世話されちゃってるのかなって言っただけだよね?」ニヨニヨ

 

八幡(やっちまったぜ!)

 

八幡「いや、あの、決してそういう妄想をしていたわけではなくてですね、なんと言うか、そう! 深読みし過ぎてしまったと言うか・・・」ビクビク

 

陽乃「ふーん。 お姉さん、傷付いたなぁ~。 普通に会話してただけなのになぁ~」ニヨニヨ

 

八幡「すいませんでした!」ガバッ

 

八幡(傷付いたなら、その笑顔やめてくれませんかね)

 

陽乃「比企谷くんが私のお願い聞いてくれるなら許してあげるよ?」ニコッ

 

八幡「どうせ拒否権はないんですよね? ・・・何をすれば良いんですか?」ゲッソリ

 

陽乃「これからずっと、私のことを陽乃って呼ぶように♪」ニッコリ

 

八幡「いや、それはいくらなんでも・・・」

 

陽乃「お姉さん、ショックすぎてさっきの事、雪乃ちゃんとかに話しちゃうかもなぁ~」

 

八幡「は、陽乃・・・さん」

 

陽乃「は・る・の、だよ?」チョン

 

八幡(鼻先を指でちょん! ってされた! 何これ? あざとすぎるだろ、スゴくドキドキします!)

 

八幡「は・・・るの///」ドキドキ

 

陽乃「なぁに、八幡♪」ニコッ

 

八幡「やっぱり、違和感あるので陽乃さんじゃだめですか?」

 

陽乃「仕方ないなぁ~。 じゃあ、特別だぞ、八幡♪」

 

八幡「・・・魔王」ボソッ

 

陽乃「な・あ・に? 八幡?」ニ コ リ

 

八幡「ナンデモナイデスヨ、陽乃サン」

 

陽乃「最初から素直に従ってくれれば良かったのに~」ツンツン

 

八幡「あはは・・・」ハァ・・・

 

運転手「そろそろ式場に着きます」

 

陽乃「しっかりやってね? 八幡♪」

 

八幡「わかってます、陽乃さん」ゲッソリ

 

八幡(早く終わってくれないかなぁ・・・)

 

運転手「どうぞ。 式が終わるまでこちらにいますので何かありましたらお呼び下さい」

 

陽乃「分かったわ。 じゃ、行こっか八幡♪」ギュ

 

八幡(めちゃくちゃ良い匂い。 後、腕に柔らかいものが二つ当たってるんですけど・・・)

 

八幡「・・・陽乃さん、もう少し離れてもらっても」

 

陽乃「それじゃ、男避けにならないでしょ、八幡ったら恥ずかしがり屋なんだから♪」ニヨニヨ

 

八幡(こうして、人生で一番疲れるであろう間違った1日が始まったのであった)

 

陽乃(八幡、何いってるの?)

 

八幡(脳内モノローグに割り込むヒロインは間違っている!)

 

二章 終わり

 

 

【三章】

 

~結婚式 会場~

 

八幡「すげぇ・・・」キョロキョロ

 

陽乃「八幡、あまりキョロキョロしない」メッ

 

八幡「すいません」

 

陽乃「さ、中に入るよ♪」ギュ

 

八幡(やっぱり腕は組むんですね・・・)

 

八幡「そういえば、急に参加することになって大丈夫なんですか?」

 

陽乃「もともとうちからは二人参加する予定だったから平気だよ♪」

 

八幡「そうなんですか。 あ、あとどなたが結婚されるんですか?」

 

陽乃「今日は私が昔、音楽を教えてもらってた先生が結婚するんだ」ニッコリ

 

八幡「へぇ」

 

陽乃「八幡。 つまんないかも知れないけど、とりあえずこれから3時間位は頑張ってね」

 

八幡「・・・うす」

 

八幡(式が始まると新郎新婦の馴れ初めやら、人物紹介やらが始まった。 まったく知らない人間だが、幸せそうな二人を見るとこちらにも暖かな感情が広がる)

 

陽乃「ねえ、八幡。 八幡は結婚式とか挙げたいの?」キョトン

 

八幡「・・・特にそういう願望は無いですね。 ただ、小町には『ちゃんと結婚式挙げてあげなきゃダメだよ! ウェディングドレスは女性の憧れなんだから!』って言われた事ありますね」

 

八幡(結婚式どころか、結婚できないまである)

 

陽乃「そうなんだ」ウンウン

 

陽乃「私はね、結婚式とかどうでもいいの。 籍を入れて、そばに居てくれればそれだけで満足。 あ、そばに居るだけじゃなくてね、心から寄り添ってほしいの。一心同体になるって感覚があればそれだけで良いの」

 

八幡「・・・」

 

陽乃「だから、結婚式じゃなくて結魂式だね♪」ニッコリ

 

八幡(あんた、それが言いたかっただけじゃねーの?! ひゃっはろーとか言ってるからもしかしたらと思ってたけど、北斗の拳好きすぎだろ! 南斗最後の将なの? ケーン!)

 

ストン

 

八幡「陽乃さん?」

 

陽乃「ちょっとだけ肩、貸してて・・・」

 

八幡「・・・はい」

 

八幡(そんな事をやっているうちに式は進み、最後のブーケトスとライスシャワー?を残すのみとなった)

 

八幡「陽乃さん、ブーケ取るために前に出なくて大丈夫ですか?」

 

陽乃「大丈夫♪ 私、ああいうのあまり信じてないから」ニコニコ

 

八幡「そうっすか」

 

八幡(花嫁がよっぽど勢い良く投げなきゃここまでは来ないか)

 

八幡「・・・え?」

 

陽乃「あらま」

 

八幡(高々と投げられたブーケは待っていた女性達の頭を越えて少し離れた所に立っていた陽乃さんを狙ったように飛んできた)

 

花嫁「はるのー! 隣の彼氏と結婚するときは連絡くらいしてよね」

 

八幡「彼氏って・・・//////」ボンッ

 

陽乃「あ、あはは・・・。 さすがにこれは予想外だったなぁ・・・///」テレテレ

 

陽乃「はいはーい! 分かりました! だから先生、お幸せに!」ニッコリ

 

八幡(ちょっとちょっと!)

 

八幡「陽乃さん!」

 

陽乃「八幡ゴメン、もう少し話し合わせてね?」

 

八幡(あの花嫁、許すまじ!)

 

陽乃「なんだか良くわかんない方向に向かって行っちゃったなぁ」タハハ・・・

 

 

~結婚式 閉式後~

 

車内にて

 

八幡「ぷっはぁ~。 疲れたぁ」ゲッソリ

 

陽乃「ありがとね、八幡」ニコリ

 

八幡「あの式場にいた陽乃さん狙いの男たちの視線、怖かった・・・」

 

陽乃「ま、八幡が視線を独り占めしてくれたお陰で、私はずいぶん気楽だったけどね~」ニコニコ

 

八幡(最後、挨拶した時に花嫁に『陽乃のタイプ、こういう子なんだね。 陽乃が甘えてきたらちゃんと癒してあげてね』と言われてしまった)

 

八幡「陽乃さんが甘えてくる、か・・・」ボソッ

 

陽乃「八幡?」キョトン

 

八幡「いや、なんでもないですよ」

 

八幡(この人の強化外骨格を剥がして、素のままで居て良いよと言ってあげられる男とは、どんな人物なのだろう・・・)

 

陽乃「八幡、本当にありがとう。 お疲れ様」ギュ

 

八幡(温かくて、良い匂い・・・)ウトウト

 

陽乃「おやすみ、八幡♪」ナデナデ

 

・・・・・・

 

陽乃「八幡、起きて」ユサユサ

 

八幡「んぁ?」ボケー

 

陽乃「八幡、家着いたよ?」

 

八幡「あー、ありがとうございます・・・」ボー

 

陽乃「そのありがとうは、膝枕のお礼かな? 私の膝枕はどうだった?」ニコニコ

 

八幡「スゴく気持ち良かったです・・・」ボー

 

陽乃「あははは♪ 寝起きの八幡は素直だなぁ~」ナデナデ

 

八幡「陽乃さん」ボー

 

陽乃「ん? どうかした?」ニッコリ

 

八幡「陽乃さんは頑張り屋さんです。 だけど、頑張り過ぎはダメです。 そのままでも陽乃さんは素敵です・・・」ボー

 

陽乃「は、八幡?! 急に何を言い出すのかな! かな!」ズババババッ

 

八幡「いってぇ! あれ、うちに着いてる。

てか、めちゃ痛い。 陽乃さん送ってくれてありがとうございました」ペコリ

 

陽乃「う、うん。 は、八幡! またね!///」

 

ブロロロッ

 

八幡「たでーま」ガチャ

 

小町「お帰りぃ~」ニヨニヨ

 

八幡「小町、悪いが今のお兄ちゃんに小町の質問攻めに耐えられるほどの体力はない」ゲッソリ

 

小町「ん? 何かあったの?」キョトン

 

八幡「夕飯の時にでも話す。 ちょっと寝る」

 

ガチャ バタン

 

八幡(頭が冴えてくるにつれ、眠る前に考えていた事が甦ってくる。 まず、俺の中にある陽乃さんのイメージは頭が良く、外面も良く、外見も良く、自分が面白いと思ったものを壊してしまう位に滅茶苦茶に遊ぶ。 そんな人だ。)

 

八幡「癒してあげてね、か・・・」フゥ・・・

 

八幡(よくよく考えてみれば、人間、生まれた時から何でも出来るヤツなんかいない。 陽乃さんだって何でも出来る訳じゃ・・・。 いや、あの人なら何でも出来るかもな。 でも、その分努力をしてきただろうし、辛いこともあったはずだ)ウーン

 

八幡(・・・あれ? なんでこんなに陽乃さんの事を考えてるんだ?)キョトン

 

八幡「・・・着替えて、寝よう」ガサゴソ

 

八幡(俺が考えなきゃいけない事じゃない。 俺は陽乃さんの本物の彼氏ではないんだから)ゴロン

 

・・・・・・

 

小町「お兄ちゃん?」コンコン ガチャ

 

八幡「ん?」ノソリ

 

小町「夕飯、できましたよ~♪」ニヨニヨ

 

八幡「ん、じゃ行くか」

 

八幡 小町「「いただきます」」

 

小町「で? で? で? 何があったの?」ウキウキ

 

八幡「お前は大王かなんかなの? ・・・特に何かあった訳じゃねぇよ」パクパク

 

小町「お兄ちゃん的には何もなくても、小町的には何かあるかも♪ さ、全部話した話した!」ワクワク

 

八幡「陽乃さんがお世話になった人の結婚式に行った」モグモグ

 

小町「ほうほう」キラキラ

 

八幡「以上」

 

小町「・・・ごみぃちゃん?」ジトー

 

八幡「特に何かあった訳じゃねぇって言ったろ?」パクパク

 

小町「じゃあ、陽乃さんと何か話したり何かあったりしなかったの?」

 

八幡「特に」ヒョイ パク

 

小町「例えば・・・結婚するならこういう風にしたい、とか? ブーケトスでブーケ取ったりとか?」

 

八幡「ねぇ、何なの? 俺の周りには千里眼の持ち主ばっかなの?」

 

小町「やっぱり何かあったじゃん!」

 

八幡「はぁ・・・」

 

八幡(それから簡単に今日あったことを説明して夕食は終わりとなった。 腕を組んだり肩を貸したり彼氏に間違われた事は言わなかったが)

 

小町「陽乃さんらしからぬ結婚観だね」ハイ オチャ

 

八幡「そうか?」サンキュー

 

小町「だって、陽乃さんって派手な事とか好きそうじゃない?」ズズズッ

 

八幡「まぁ、文化祭でも指揮者とかやってたしな」フーフー

 

小町「いやぁ今日は意外な事ばっか起きちゃったね~♪」ニコニコ

 

八幡「まぁ、そういう日も一生に何度かあるだろ」ズズッ アチ

 

小町「お兄ちゃん、頑張ってね」ニコリ

 

八幡「は? なにをだよ?」

 

小町「さあね~♪ じゃ、小町はお風呂に行ってくるから」スタスタ

 

八幡(小町は何を頑張れと言ったんだ?)ウーン

 

【三章 終わり】

 

 

 

【四章】

 

~翌日 放課後~

奉仕部 部室にて

 

八幡「・・・うす」ガラガラ

 

雪乃「こんにちは、比企谷君」

 

八幡「・・・由比ヶ浜は?」

 

雪乃「貴方、由比ヶ浜さんと同じクラスでしょ? クラスメイトなのに会話もしないのかしら? ごめんなさい、引きこもり君には会話なんて出来るはずも無かったわね」

 

八幡(あっれ~? なんか、いつもより罵声増し増しなんですけど?)

 

雪乃「ちなみに、由比ヶ浜さんは少し遅れてくるそうよ。 貴方と二人きりなんて虫酸が走るわ」

 

八幡「そうかよ」ガサゴソ

 

雪乃「・・・」ペラッペラッ

 

八幡「・・・」ペラッペラッ

 

雪乃「・・・」ペラッペラッ

 

八幡「・・・プッ」ペラッペラッ

 

雪乃「・・・」ペラ

 

結衣「やっはろー!」

 

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」ニコリ

 

結衣「ゆきのん、やっはろー♪ ヒッキーも挨拶くらい返してよ!」プンプン

 

八幡「・・・よ」ペラッペラッ

 

結衣「そんなの挨拶って言わないし!」ガルルルルッ

 

八幡「はいはい」ペラッペラッ

 

結衣「ヒッキーサイテーマジでキモい!」プイ

 

雪乃「由比ヶ浜さんも来た事だし、紅茶を入れようと思うのだけど」ガタッ

 

結衣「わーい! ゆきのんありがと♪」ダキッ

 

雪乃「そこの挨拶もまともにできないグズが谷君に紅茶は必要かしら?」

 

八幡「・・・頼むわ」ペラッペラッ

 

雪乃「それと比企谷君。 後で話があるから少し残ってくれないかしら」コポコポ

 

八幡「は?」

 

結衣「ん?」

 

雪乃「貴方、眼だけではなく耳まで腐ってしまったの?」ジト

 

八幡「いや、雪ノ下が俺に何の話があるのか全く予想が出来ないから、不思議に思っただけだ」

 

結衣「え、え?」

 

雪乃「・・・そう」ハイ

 

八幡「おう」サンキュー

 

結衣「え、あ、ゆきのん!」

 

雪乃「何かしら、由比ヶ浜さん」ハイ アツイカラ キヲツケテ

 

結衣「ヒッキーと何の話するのかなって・・・」アリガト

 

雪乃「ちょっと確認したいことがあるだけよ? 特に深い意味はないわ」

 

結衣「・・・あたしがいると話せないこと?」シュン

 

雪乃「あ、そういう事じゃないの。 でも、そうね。 由比ヶ浜さんにも一緒に聞いてもらった方が良いかもしれないわ」コホン

 

結衣「ありがとーゆきのん!」ダキッ

 

雪乃「由比ヶ浜さん、暑苦しいから抱き付かないで欲しいのだけど」

 

結衣「あはは、ゴメンね」

 

雪乃「比企谷君、貴方に限ってそんな事はないと思うのだけれど・・・」モジモジ

 

八幡「なんだ、聞きにくいことか?」キョトン

 

雪乃「その、姉さんとつ、付き合っている、というのは事実なのかしら?」

 

八幡「・・・は?」

 

結衣「え、えぇ?!」ガタン

 

雪乃「私は大して興味はないのだけれど、身内の人間が貴方のような腐った人間とつ、き合っているなんて私には許容できないの。 だから、当事者である貴方に確認しているだけであって貴方個人に興味関心があるわけではないから。 そこは勘違いしないで欲しいのだけど」

 

 

八幡「お、おう」ビクビク

 

結衣「ヒッキー!」

 

八幡「な、なんだよ?」

 

結衣「陽乃さんと付き合っているってどういう事?! ホントなの?! ねぇ!」ガシ ブンブン

 

八幡「ゆい、が、はまっ! 揺すら、ないで、くれ!」グワングワン!

 

結衣「あ、ゴメン・・・」パッ

 

雪乃「で、実際問題、どうなのかしら?」

 

八幡「まずそんな事実はない」

 

結衣「良かった~」

 

八幡「は?」

 

結衣「あ、なんでもない! なんでもないから!」ブンブン

 

八幡「・・・。 で、雪ノ下はどうして陽乃さんと俺が付き合っていると思ったんだ?」

 

雪乃「陽乃・・・?」

 

結衣「さん・・・?」

 

八幡(あ、やっちまった)

 

雪乃「比企谷君。 この間まで姉さんのことを『雪ノ下さん』と呼んでいなかったかしら?」ピクピク

 

結衣「あたしもそうだったと思うな」ユラーリ

 

八幡「これは、その・・・」

 

八幡(誰か助けて・・・マジで)

 

ガラガラ

 

陽乃「ひゃっはろー!」

 

雪乃「・・・」ギロ

 

結衣「やっはろー、です」ジー

 

陽乃「あれ、私なんかしたかな?」ニコニコ

 

スタスタ ガタガダ スッ

 

八幡「・・・なんで俺の隣に座るんですかね」

 

陽乃「良いでしょ、別に♪」ニコニコ

 

雪乃「姉さん、やめて。 今、私達は比企谷君と話をしているの」ギロッ

 

陽乃「へー。 気になるな~。 八幡と何の話をしてたのかな?」ニコリ

 

雪乃 結衣「「八幡?!」」

 

八幡(これ以上はやめて! 八幡のライフはもうゼロよ!)

 

雪乃「比企谷君、さっきは私達に嘘をついたのかしら?」クワッ

 

八幡「・・・イイエ」

 

雪乃「では何故姉さんと親しげにお互いを名前で呼び合っているの?」

 

八幡「それは・・・」

 

陽乃「それは私がそうしてってお願いしたの♪」ニコニコ

 

雪乃「何故比企谷君に名前で呼ぶようにお願いしたのかしら?」ピクピク

 

陽乃「今日はそれを説明するためにわざわざ来たんだよ♪」ギュ

 

八幡(腕に抱きつくのやめてくれませんかね、良い匂いだから)

 

陽乃「雪乃ちゃん、ガハマちゃん。 私、八幡の事、本気で好きになっちゃった♪」

 

八 雪 結「「「え?」」」

 

陽乃「最初は雪乃ちゃんを焚き付けるためにちょっかい出してただけなの。 でも、そうしてるうちに、こっちが本気になっちゃった♪」ギュ-

 

陽乃「だから、八幡を本気で落としにかかるね♪」ニコニコ

 

雪乃「」

結衣「」

 

八幡(やめて! 二人のライフはもうゼロよ!)

 

陽乃「だから、これは宣戦布告♪」チュ

 

雪乃「!!?」

 

結衣「え!?」

 

八幡(頬っぺたに、柔らかいものが当たったなー)トオイメ

 

陽乃「八幡、私は本気だから。 これからもよろしくね♪」

 

八幡(由比ヶ浜と雪ノ下の視線が痛い。 ナニコレ、死亡フラグ?)ハァ・・・

 

八幡(やはり俺の青春ラブコメは間違って・・・)

 

陽乃(こんな所で終わらせないよ?)ニコリ

 

八幡(やはりこんなヒロインは間違っている!)

 

【四章 終わり】

 

 

【五章】

 

~数日後~

八幡(どうしてこうなった・・・)

 

奉仕部 部室にて

 

雪乃「八幡、紅茶のおかわりはいる?」ニコ

 

八幡「いや、まだ大丈夫だ」

 

雪乃「欲しくなったら遠慮なく言ってね? 私、意外と尽くすタイプなのよ」テレテレ

 

八幡「お、おう」

 

結衣「は、はちまんっ! お腹すいてないかな? クッキー焼いてきたんだけど食べる?///」

 

八幡「いや、今お腹すいてないから・・・」

 

結衣「そっかぁ・・・」シュン

 

八幡(もう一度言おう。)

 

八幡(どうしてこうなった・・・)

 

 

○回想○

~宣戦布告の後~

 

雪乃「姉さん! 悪ふざけもいい加減にして!」ギロ

 

結衣「そ、そうですよ! ヒッキーだって嫌がってます!」ガルルルルッ

 

陽乃「ふーん。 八幡は嫌がってなんかないよね?」ウワメヅカイ

 

八幡「え、あ、まあ世の中の男で陽乃さんみたいな美人に抱きつかれたりして嫌がるヤツは男じゃないと思いますよ?///」プイ

 

結衣「ヒッキーィィィ!?!?」ガルルルルッ

 

雪乃「ゲスが谷君。 これ以上姉さんに何かしてみなさい。 警察を呼ぶわ」ギロ

 

八幡「おい、冗談に聞こえないんだが?」ヒビクビク

 

雪乃「冗談なんかじゃないわ。 私、虚言は吐かないもの」

 

八幡「マジかよ・・・」

 

陽乃「はいはい! 注目!」パンパン

 

陽乃「雪乃ちゃんとガハマちゃんは、なんでそんなに怒ってるの? 別に八幡は二人の彼氏でもなければ婚約者でもないでしょ?」

 

雪乃「それは・・・」グッ

 

結衣「そうですけど・・・」ウルウル

 

陽乃「私は八幡の事が好き。 二人は全く無関係じゃない! これは私と八幡の話なの。 貴女たちは人の色恋に口出せるほど偉いの?」キッ

 

結衣「ぐぬぬ・・・」

 

雪乃「・・・関係ならあるわ」

 

陽乃「・・・へぇ、どんな関係なのかな?」ニヤリ

 

 

雪乃「私もひきが・・・いえ。 八幡の事を異性として好きなのだから///」キッ

 

八幡「ファッ?!///」

 

結衣「ゆきのーん?!」ギョッ

 

雪乃「由比ヶ浜さん、ごめんなさい。 こうなってしまった以上、私は自分の気持ちを隠せない。 いえ、隠したくないの」

 

結衣「ゆきのん・・・」

 

雪乃「由比ヶ浜さん。 ここで強がってしまったら、八幡を姉さんや私に取られても何も言えなくなるわ」ギュ

 

雪乃「本当に八幡の事が好きなら・・・」

 

結衣「・・・大丈夫だよ、ゆきのん」ギュ

 

 

結衣「陽乃さん、私もヒッキーの事が大好き! だから、ヒッキーを渡したくありません!」

 

八幡「えぇ?!///」

 

陽乃「・・・良かった~」ニコニコ

 

八 雪 結「「「・・・え?」」」

 

陽乃「だって、想いを伝えられないまま終わる恋は辛いじゃない?」ニコリ

 

陽乃「私は正々堂々と八幡の彼女になりたいからね♪ 禍根を残さず二人と勝負したかったの」ニコニコ

 

雪乃「姉さん・・・」

 

結衣「陽乃さん・・・」

 

陽乃「だから、これからが本当の勝負だからね? 私、負けないから」ニヤリ

 

雪乃「勝負となったら、負けるわけにはいかないわね。 この勝負だけは特に」キッ

 

結衣「私も! ヒッキーと付き合いたいもん! ゆきのんにも陽乃さんにも負けないんだから!」ガルルルルッ

 

 

陽 雪 結「「「勝負だよ!(よ!)(だし!)」」」

 

 

八幡「・・・あれ? 俺の意見は聞かないスタイル?」オロオロ

 

八幡(話が見えない俺ガイル・・・)

 

回想 終了

 

 

八幡(どうすればいいんだ、これ・・・。 同じ部活の女子《どちらも美少女》とそのお姉さん《かなりの美人》が男を取り合うとか、それなんてエロゲー?)ハァ・・・

 

八幡(由比ヶ浜も雪ノ下もあれ以降、積極的に話しかけてくるし、陽乃さんに至っては・・・)

 

ユーガッターメール ユーガッターメール ピッ

 

 

雪ノ下 陽乃

 

件名:デートしよ♪

本文

ひゃっはろー("⌒∇⌒")

 

八幡、暇な日ある?

答えは聞いてないけど(ノ´∀`*)

無くてもお姉さんの為に空けてほしいな♪

 

買い物に付き合って欲しいんだ。

ちょっと買う量もあるし、

1人じゃ無理そうなんだよね。

 

だから、今週の日曜日

10時に迎えにいくね♪

 

 

八幡(了解です。 っと)

 

雪乃「・・・八幡?」キョトン

 

八幡「あ、どした?」

 

雪乃「今日はもう終わりにしようと思うのだけれど?」

 

八幡「そうか」ガタッ

 

結衣「はちまん! 一緒に帰ろうよ!///」

 

雪乃「八幡、私と一緒に帰って貰えないかしら?///」

 

八幡(またか・・・)ゲッソリ

 

八幡「今日は1人で帰るわ。 寄りたい所もあるし」スタスタ

 

雪乃「なら私も付いていくわ」ギュ

 

結衣「あ、あたしも!」

 

八幡「結局、こうなるんだな・・・」

 

八幡(・・・)

 

 

~比企谷家~

 

八幡「たでーま」ガチャ

 

小町「おかえりお兄ちゃん♪」

 

八幡「なぁ、小町」

 

小町「あ、ちょっと待ってね~」ガサゴソ ピ

 

小町「なぁに、お兄ちゃん?」キョトン

 

八幡「雪ノ下と由比ヶ浜の事なんだけどよ」

 

小町「ん? 二人がどうかしたの?」

 

八幡(小町には今の状況を教えてある。 今までもそうだったが、小町は人間関係に対してのアドバイスが上手い。 ※八幡調べ)

 

八幡(今、俺が不安に思っている事を小町に相談すれば多分何かしら助言を貰えるだろう。 決断するのは俺自身だが、色々な意見は欲しい。 だから、小町に相談することにしてみた)

 

八幡「もし、俺が誰かを選んで・・・」

 

小町「雪乃さんか、結衣さん、陽乃さんを選んで?」

 

八幡「前のような関係を続れられるんだろうか?」

 

小町「ははーん」ニヨニヨ

 

小町「つまり、お兄ちゃんは不安なんだね? 1人を選んだ事で残り二人に見捨てられちゃうのが」ニコニコ

 

八幡「そうじゃな・・・それもあるかもしれんが、例えば雪ノ下と由比ヶ浜は友達としてまた仲良く出来るんだろうか?」

 

小町「それは無理だね」キッパリ

 

八幡「!?」

 

小町「でも、二人ともお兄ちゃんが好きなんだし、お兄ちゃんがしっかり考えて出した答えなら二人とも受け入れてくれると思うよ? 煮え切らない態度の方が小町は嫌かな」ニコリ

 

八幡「そうか・・・」

 

小町「お兄ちゃん」

 

八幡「ん?」

 

小町「お兄ちゃんはまず、自分が選んだ人をお兄ちゃんごと全力で幸せにすることを考えなきゃダメだよ?」

 

小町「それから周りの人の事を考えるの」

 

小町「今、お兄ちゃんがしなきゃいけない事は、答えを出した後どうなるかを考えるんじゃなく、お兄ちゃんは誰を一番幸せにしたいのか、だよ♪」ニコニコ

 

八幡「小町・・・」

 

小町「小町はいつでもお兄ちゃんの幸せを願ってるんだよ? ・・・今の小町的にポイント高い!」キャピキャピ

 

八幡「あぁ、本当にポイント高いよ」ニコリ

 

小町「お兄ちゃんが答えを出した後、雪乃さんと結衣さんの仲が悪くなったら、小町が何とかしてあげるよ♪」

 

八幡「そう言ってもらえるだけで、ありがたいよ」ナデナデ

 

小町「と、言うことで! 今日はお兄ちゃんが夕食作ってね♪」

 

八幡「そうだな。 相談に乗ってもらったし、それくらいはやるよ」

 

小町「じゃあ、夕食出来たら呼んでね♪ 小町、自分の部屋で勉強してくるから!」タタタツ ピッ

 

~小町の部屋~

 

小町「メールを送ってっと・・・」カタカタ

 

小町「お兄ちゃん、頑張ってね♪」

 

【五章 終了】

 

 

【六章】

 

~日曜日~

 

陽乃「八幡、ひゃっはろー!」フリフリ

 

八幡「おはようございます、陽乃さん」ペコ

 

陽乃「八幡、今日は荷物持ちよろしくね♪」

 

八幡「お手柔らかにお願いします・・・」

 

ららぽーと

 

陽乃「今日は買い物の後、行かなきゃいけない所があるんだ~・・・」ギュ

 

八幡(周りの人の視線が痛い・・・。 特に男の視線で心に穴開きそう)

 

陽乃「・・・だから、ちょっと大変かも知れないけど頑張ってね♪」

 

八幡「え、あ、はい・・・」

 

八幡(陽乃さんの買い物は案外すぐに終わり、量も少なかった)

 

八幡(これなら俺、必要なかっただろ!)

 

八幡(なんて、少し前なら思ってただろうな。 だが、今は違う。 これは陽乃さんが俺と出掛ける口実として買う物があると言った事を知っている)

 

 

サイゼリア 店内~

 

陽乃「八幡?」キョトン

 

八幡「・・・なんか、夢みたいだと思いまして」シミジミ

 

陽乃「え、なにが?」ニコリ

 

八幡「今の状況がですよ。 部活が同じ美少女二人と陽乃さんみたいな美人に好かれてる。 まるでアニメかラノベの世界観じゃないですか」

 

陽乃「ほうほう・・・」ニコニコ

 

八幡「リアルが充実する、って、こういう事なんだろうなって」テレテレ

 

陽乃「うんうん」ニヤニヤ

 

八幡「でも、不安にもなるんです」シュン

 

陽乃「と、言われますと?」ニコニコ

 

八幡「俺の決断一つで誰かが不幸になる。 そう思ったら、この状況から逃げたいって思うんですよ」

 

 

陽乃「それで?」ニコニコ

 

八幡「え?」キョトン

 

陽乃「確かにフラれたら悲しいよ? でも、私たちはその覚悟をして八幡に告白したの。 だから、あまり気にしないで八幡の好きな人を選んで欲しい」ニコリ

 

八幡「・・・はい」

 

陽乃「でも、優しい八幡の事だから気になっちゃうんだよね? 自分を犠牲にしてまで他人を救えちゃう君だもの。 ま、そういう所が好きなんだけれどね♪」ウフフ

 

八幡「俺は優しくなんて・・・」

 

陽乃「君は優しいよ。 だから、決断できないの」ナデナデ

 

陽乃「でもね、八幡。 優しさは時として向けた相手を傷付けることもあるんだって知って欲しいな」ニコニコ

 

八幡「・・・はい」

 

陽乃「さ、お昼ご飯食べよ♪」

 

八幡(昼食を食べた後、少しウインドウショッピングを楽しみ、ららぽーとを後にした)

 

八幡「そこまでは良かったんだが・・・」

 

 

帰宅後

比企谷家 玄関

 

雪乃「八幡♪」ギュ

 

結衣「はちまん~♪」

 

八幡(どうしてこうな・・・)

 

陽乃(八幡、最近それ使うこと多いね?)

 

八幡(もうつっこまない・・・)

 

八幡(えっと・・・買い物を終えて、ららぽーとから陽乃さんと自宅まで帰ってきた。 自宅に入ると、雪ノ下と由比ヶ浜が泣きながら抱き付いてきた。 どういう状況?)

 

雪乃「ありがとう、八幡///」

 

結衣「はちまん~///」

 

八幡「・・・何があったんだ?」オドオド

 

小町「おかえりお兄ちゃん」ニヨニヨ

 

陽乃「上手くいったみたいだね♪」ニコニコ

 

小町「はい♪」ニコニコ

 

八幡「え? 小町、説明してくれ」

 

小町「小町がお兄ちゃんの不安を拭ってあげたんだよ♪」キャ///

 

八幡「どういうことだ?」キョトン

 

小町「ふふーん! ボイスレコーダー」テッテテーン!

 

八幡(あ、嫌な予感がする・・・)

 

小町「このスイッチを押すと・・・」ピッ

 

八幡『雪ノ下と由比ヶ浜の事なんだけどよ』

 

小町『ん? 二人がどうかしたの?』

 

八幡『もし、俺が誰かを選んで・・・』

 

小町『雪乃さんか、結衣さん、陽乃さんを選んで?』

 

八幡『前のような関係を続れられるんだろうか?』ピッ

 

小町「お兄ちゃんの相談内容が流れるんです!」エッヘン

 

八幡「・・・」パクパク

 

小町「そしてそれを二人に聞かせた結果がこれです!」

 

雪乃「八幡が私たちの事を真剣に考えてくれていたと分かって嬉しかったわ///」

 

結衣「それに、あたしたちも後のことを考えてたんだけどお互いに切り出せなくて・・・」

 

雪乃「八幡の相談内容を聞いて、二人で決めたの」ニコリ

 

結衣「誰がはちまんと付き合っても、仲良しでいようって。 三人で奉仕部だもんね!」ニコニコ

 

八幡「でも、それは・・・」

 

雪乃「それに、八幡が私以外の誰かと付き合っても、振り向かせれば良いのよ」ニヤリ

 

結衣「しこたんたん、に狙い続けるからね♪」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、虎視眈々よ・・・」

 

陽乃「雪乃ちゃんも言うようになったね♪」ニヨニヨ

 

雪乃「私は八幡以外と付き合う気はないもの。 誰かと付き合ったとしても、私は諦めないわ」ニコリ

 

陽乃「八幡、愛されてるね~♪」ウリウリ

 

八幡「・・・そうですね」

 

八幡(本当に勿体ないくらいの状況ですよ。 俺も、覚悟を決めるしかないな)キリッ

 

八幡「あのよ・・・」

 

陽乃「どうしたの?」ニコリ

 

雪乃「何かしら?」キョトン

 

結衣「なにかな?」ニコニコ

 

八幡「俺、しっかり考えるわ。 いや、今まで手を抜いてた訳じゃないんだが・・・。 時間掛かるかもしれない。 けど、もう逃げない。 だから、これからもよろしく頼む」ペコリ

 

陽乃「もちろん♪」ニパー

 

雪乃「はい」ニコリ

 

結衣「いつまでも待ってるよ」ニコニコ

 

小町「じゃあ、お兄ちゃんの写真を見ながらお兄ちゃん話に花を咲かせましょう!」

 

陽乃「さんせーい!」オジャマシマス!

 

雪乃「私も見せていただくわ」ドキドキ

 

結衣「あたしもー!」ワクワク

 

八幡「恥ずかしいからやめてくれ!」ドタドタ

 

 

【六章 終わり】

 

 

【七章】

 

~八幡の部屋~

 

八幡(やっと帰ったか・・・)

 

八幡(時間を掛けてもちゃんと答えを出すと宣言した以上、しっかりと三人と向き合わなければ)ムムムッ

 

八幡(とりあえず、三人の評価を見直してみよう)

 

八幡(由比ヶ浜は、巨にゅ・・・。 こほん。 優しいし、気も遣える。 料理は壊滅的だが、常に周りを気にかけ、笑顔を振り撒く。 そんな由比ヶ浜の優しさは嫌いじゃないし、ありがたいと感じる。 性格も外見も含めて大切にしたいと思う)

 

八幡(次に雪ノ下だな。 雪ノ下は貧にゅ・・・。 おっほん。 毒舌で常に俺を罵ってくる。 ただ、本当は誰よりも努力家で、常に正しくあろうとする。 そんな雪ノ下に俺は憧れている。 雪ノ下の魅力は普段無愛想な雪ノ下が見せる笑顔と好きなものを見つめるときの無垢な表情だと思う。 すべてを含めて考えてみても、俺は雪ノ下が好きかもしれない)

 

八幡(最後は陽乃さんだな。 陽乃さんは完璧超人で魔王だな。 結婚式に一緒に参加した後からだが、陽乃さんの事を良く考えるようになった。 そのなかで陽乃さんは誰よりも他人と距離を取っているんじゃないか、という考えに至った。 そんな陽乃さんが俺を選んでくれたと思うとすごく光栄な事だと感じる)

 

 

八幡(それぞれに良さがある。 しかも三人とも魅力的だ)

 

コンコン

小町「お兄ちゃん夕食出来たよ?」ガチャ

 

八幡「・・・おう、今から下降りるわ」

 

八幡 小町「「いただきます」」

 

八幡「・・・」ムムッ

 

小町「・・・」ジー

 

八幡「・・・」ウーン

 

小町「・・・お兄ちゃん、悩み事?」キョトン

 

八幡「あぁ。 だけど三人の事だから、小町に相談したら意味がないからな」

 

小町「ほほー」ニヨニヨ

 

八幡「・・・なんだよ?」ジトー

 

小町「ここは小町にお任せあれ!」ビシィ!

 

八幡「は?」

 

小町「お兄ちゃん、悩んでいるだけじゃ行動には移せないよ? だ・か・ら♪ これから一人ずつとデートしてもらいます!」

 

八幡「デートってもなぁ・・・」

 

小町「小町のプランはこう! 三人にそれぞれ、お兄ちゃんを落とす為にデートの内容を考えてもらって、そのデート中にお兄ちゃんが『この人となら、お付き合いしてもいい!』と思わせた人を選ぶ、というのはいかが?」

 

八幡「いや、でもな・・・」

 

小町「もし、それでも選べないってなっても、判断材料にはなるんじゃないかな?」ニコニコ

 

八幡「・・・かもな。 やるだけやってみるか。 ありがとな、小町」

 

小町「お兄ちゃんの幸せの為なら、たとえ火の中、水の中、なんなら、あの娘のスカートの中まで入れちゃうよ♪ あ、今の小町的にポイント高い!」ニコリ

 

八幡「はいはい、高い高い」シラー

 

小町「うわぁ・・・、適当だなぁ・・・」トオイメ

 

八幡「・・・」

 

小町「・・・」

 

八幡「・・・ぷっ」ククッ

 

小町「・・・っふ」プルプル

 

八幡 小町「「あははっ」」ゲラゲラ

 

八幡「本当、ありがとな。 なんか、一人で悩んでたのがバカみたいだわ」ゲラゲラ

 

小町「だって、お兄ちゃんはバカでしょ?」ケラケラ

 

八幡「なにをっ?! これでも国語学年さん・・・」

 

小町「あーはいはい」パクパク

 

八幡「・・・ったく」パクパク

 

八幡(小町にはホントに感謝してばかりだ。 こんなに出来た妹をもってお兄ちゃんは幸せだよ・・・。)パクパク

 

八幡(まあ、出来た妹になれたのはある意味、俺のお陰でもあるわけで・・・。 つまり、小町に助けられた場合、遠回しに俺自身のお陰でもあるわけだな)ニヤニヤ

 

小町(・・・お兄ちゃん、その考え方も表情も小町的にポイント低いよ)ジトー

 

八幡(俺の脳内コメントがだだ漏れなのは間違っている!)シクシク

 

【七章 終わり】

 

 

【八章】

 

 

八幡(こうして、それぞれとのデートが始まった)

 

八幡(ルールとして、毎週土曜日にローテーションで一人一度ずつデートをする。 その際、俺と肉体関係を持たないように注意する、なので、誘惑する等は禁止行為とした)

 

八幡(デートする順番は女性3人で相談して決めてもらい、雪ノ下→由比ヶ浜→陽乃さんになった)

 

八幡(で、今日は雪ノ下とのデートの日だ)

 

~昨日 奉仕部にて~

 

雪乃「八幡。 明日のデートの事なのだけれど、10時頃に私の家に来てもらえないかしら?」ニコリ

 

八幡「おう。 10時に雪ノ下のマンションだな」

 

雪乃「・・・ええ。 待ってるわ」ニコニコ

 

 

~雪ノ下 雪乃 篇~

 

翌日(土曜日)

雪ノ下雪乃の住むマンション エントランス

 

ピンポーン

雪乃『・・・はい』

 

八幡「うす。 俺だけど・・・」

 

雪乃『新手のオレオレ詐欺かしら?』

 

八幡「おい、そんなに俺を犯罪者にしたいか?」

 

雪乃『面会には行ってあげるわ。 安心して獄中生活を送ってきなさい。 詐欺が谷君』

 

八幡「面会には来てくれるのな・・・。 雪ノ下、とりあえず開けてくれないか?」

 

雪乃『雪乃』

 

八幡「は?」

 

雪乃『姉さんだけ、名前呼びをするのは不公平ではないかしら? 私の事を名前で呼んでくれたなら開けてあげる』

 

八幡「いや、別に呼び方くらい・・・」

 

雪乃『私の事を名前で呼ばないのであれば、私が呼ぶわ。 ・・・警察を』

 

八幡「いや、ちょっと待て、それはおかしいだろ!?」ビクッ

 

雪乃『あら? 何かおかしい所があったかしら?』

 

八幡「今日、俺はお前に呼ばれて家を尋ねただけだろ?」

 

雪乃『あら、では私に呼ばれたという証拠は?』

 

八幡「証拠って言っても、昨日部活中に口頭で言われただけだし、うんなもんはねーな」

 

雪乃『では、ここで警察を呼び、ストーカーが家の前まで来てます。 と伝えたらどうなるかしら?』

 

八幡「・・・確実に捕まるわな」

 

雪乃『でしょう? さ、早く私の名前を呼んだ方が良いのではないかしら?』

 

八幡(さっきから、やられっぱなしだしな・・・。 少しばかり、反撃してみるか)ニヤリ

 

八幡「そうか、じゃあ今日はもう帰るわー」シラー

 

雪乃『えっ?!』

 

八幡「じゃあまた学校でな」

 

雪乃『ま、待ちなさい八幡!』

 

八幡「・・・」

 

雪乃『・・・え? 八幡?』

 

八幡「・・・」

 

雪乃『・・・どうせそこにいるのでしょ? カメラの死角に入った所で貴方の腐った目の気配は隠せないのだけれど?』

 

八幡「・・・」

 

雪乃『・・・八幡?』

 

八幡(かなり焦ってるな)プークク

 

雪乃『・・・っ!』ガチャ

 

八幡「・・・あれ? 切られちまったか?」

 

ウィーン

 

雪乃「八幡!」ダキッ

 

八幡「うぉっ?!」

 

雪乃「ホントに帰ってしまったかと思ったじゃない・・・」ウルウル

 

八幡「お、おう・・・すまん」

 

雪乃「許さないわ・・・」グスン

 

八幡「ちょっとした仕返しのつもりだったんだが・・・」オロオロ

 

管理人「あの・・・」

 

八幡「・・・っ?!」ビクッ

 

管理人「すいません。 エントランスは公共の場所になりますので・・・」

 

八幡「あ、すいません・・・」

 

雪乃「い、行きましょう! 八幡!///」ギュ

 

~雪乃の住んでいる部屋~

 

八幡(で、雪ノ下の家に入ってソファーに座ったのは良いが・・・)チラ

 

八幡「・・・」

 

雪乃「・・・」

 

八幡(空気が重たい! さっきのが恥ずかしくて、お互いに少し混乱してるようだ)

 

八幡「・・・あー、で、今日はどうするんだ?」

 

雪乃「・・・いろいろ考えてみたのだけれど、今日は私の家でゆっくりしてくれれば良いわ」ニコリ

 

八幡「そうか」

 

雪乃「別に八幡とどこかに出掛けても良いのだけれど、日曜日はどこも人で溢れているでしょう?」ニコニコ

 

雪乃「だから、今日は二人きりでのんびり過ごしてくれれば良い」ギュ

 

八幡「・・・そうか」

 

雪乃「こうして、貴方がそばにいてくれるだけで私は幸せよ///」ギュ-

 

八幡「・・・・・・そうか///」プイ

 

雪乃「八幡」

 

八幡「なんだ?」キョトン

 

雪乃「結局、私の事は名前で呼んではくれないのかしら?」ウルウル

 

八幡「・・・雪乃」

 

雪乃「・・・!///」キラキラ

 

八幡「まぁ、雪乃も俺のこと八幡って呼んでるからな///」プイ

 

雪乃「ふふっ・・・。 そうだわ、今、紅茶とお菓子を用意するから、少し待っていてもらえるかしら?」ニコニコ

 

八幡「おう」

 

・・・・・・

 

雪乃「おまたせ」カチャ

 

八幡「わざわざありがとな」

 

雪乃「貴方はお客様だもの。 お茶くらい出すのが当たり前だと思うのだけど? それに奉仕部でもやっている事だから」ニコニコ

 

八幡「でもな・・・」

 

雪乃「それより八幡、このクッキー、私が焼いたものなのだけど良かったら味の感想を聞かせてもらえないかしら?///」ウワメヅカイ

 

八幡「雪ノし・・・。 雪乃が作ったものなら、まず間違いなく旨いと思うぞ?」キョトン

 

雪乃「・・・八幡の為に焼いたものだから、食べてほしいの」ウルウル

 

八幡「あ、そういう事か。 じゃあ・・・」スッ

 

雪乃「待って!」ガシ

 

八幡「え、なに?」オロオロ

 

雪乃「・・・はい、あ、あーん///」テレテレ

 

八幡「んな?!///」

 

雪乃「・・・八幡///」ウルウル

 

八幡「・・・あーん///」パク

 

雪乃「!///」キラキラ

 

八幡「雪乃、これすげぇ旨い・・・。 これ、金取れるレベルだな」シミジミ

 

雪乃「ありがとう。 でもお金をとりたい訳じゃないわ。 出来ることなら、貴方からの愛情が欲しいわね///」ニコニコ

 

八幡「あ、その、なんだ・・・」

 

雪乃「・・・ごめんなさい。 困らせるつもりはなかったの。 でも、私の本心だから」ニコリ

 

八幡「・・・おう」

 

雪乃「さ、紅茶が冷めてしまうわ。 いただきましょう?」ギュ-

 

八幡(その後は雪乃と少し話をした。 俺が思っている以上に雪乃は俺のことを大切に思ってくれているんだと分かった)

 

八幡(『私には至らない点がまだまだあるけれど、これ以上、八幡が傷付いてしまうことがないようにしたい。私に貴方を支えさせて欲しい。』)

 

八幡(雪乃が話の中で言ってくれた言葉だ。 すごく嬉しかった。 貴方はもう一人じゃないんだよ。 そう言ってもらえたようで涙が出そうになった)

 

八幡(こんなに俺のことを好きでいてくれる女の子を悲しませるような事はしたくないな)

 

雪乃「・・・八幡、そろそろ昼食にしようと思うの」

 

八幡「おう、そうだな」

 

雪乃「だから、その、私も名残惜しいのだけれど、手を放してもらえないかしら?///」テレテレ

 

八幡「あ、わりぃ!」パッ

 

雪乃「あ・・・」シュン

 

八幡「あー、雪乃。 一緒に作っても良いか?」

 

雪乃「別に私は構わないけれど、八幡はお客・・・」

 

八幡「俺がやりたいんだ。 手伝わせてくれ」

 

雪乃「そう。 じゃあ、お願いするわ」ニコ

 

タンタンタンタン グツグツ

タベルー (ツクルー) ツクルー (タベルー) タベルー (ツクルー) フタリ ドゥビドゥバ!

 

八幡 雪乃「「いただきます」」

 

八幡「雪乃の作った和風ハンバーグ、旨いな。 手際も物凄く良かったし、俺、邪魔だったかもな」

 

雪乃「そんなことないわ。 八幡が一緒に作ってくれて、私は嬉しかったもの」ニコニコ

 

八幡「そうか。 なら良いんだが」

 

八幡(その幸せそうな笑顔、やめてくれませんかね。 惚れ直しちゃうから)

 

雪乃「八幡は今日、何時頃に帰るのかしら?」シュン

 

八幡「特に決めてないな」モグモグ

 

雪乃「・・・そう」

 

八幡「・・・どうかしたか?」

 

雪乃「・・・八幡、もう一度ルールの確認がしたいのだけれど構わないかしら?」

 

八幡「おう。 構わないぞ?」

 

雪乃「まず、私達がそれぞれ八幡とデートする内容を考え、毎週土曜日に実行する。 そのデートの際に、八幡を誘惑するような行動は禁止。 もちろん、その・・・不埒な関係を持つことも禁止。 で合っていたかしら?」キョトン

 

八幡「おう。 間違ってないぞ」

 

雪乃「一つ質問なのだけれど、誘惑する行動や、ふ、不埒な関係とはどの程度からルールに抵触するのかしら?」

 

八幡「あー。 その辺は俺のさじ加減っつーか。 雪乃が大丈夫だと思う所はどの辺までだ?」

 

雪乃「そうね。 ・・・ハグや手を握る、そういった“下劣な感情のない身体的接触”はしても平気だと思うわ」

 

八幡「その認識で良いんじゃないか?」

 

雪乃「そう。 それともう一つ確認しておきたいのだけれど?」

 

八幡「・・・なんだ?」キョトン

 

雪乃「デートは土曜日に実行する。 このルールを決めたのは八幡? それとも小町さん?」ジー

 

八幡「小町だが?」

 

雪乃「理由は何か言っていたかしら?」

 

八幡「例えば遠出して帰ってくる時に電車がトラブルで動かなくなる、なんてあるかもしれないだろ? そういう時に日曜日だと学校に行けなくなる可能性がでるから。 だとさ」

 

雪乃「つまり、始まりは土曜日に決められているけれど、終わりの指定は事実上、月曜日の学校に参加できる時間までという事ね?」ウーム

 

八幡「・・・まあ、屁理屈だけどな」

 

雪乃「・・・八幡、なら夕食も一緒にどうかしら?」ニコニコ

 

八幡「は?」キョトン

 

雪乃「いえ、素直に言うと夕食も貴方と一緒に摂りたいの///」テレテレ

 

八幡「お、おう。 俺は別に構わないぞ?///」

 

雪乃「ありがとう、八幡♪」ニコリ

 

八幡「・・・///」プイ

 

雪乃「さ、少し冷めてしまったけれどお昼を食べてしまいましょ?」ニコニコ

 

・・・・・

 

雪乃「ねぇ八幡」ギュ

 

八幡「・・・どした?」

 

雪乃「夕食は何か食べたいものあるかしら?」ニコニコ

 

八幡「あー、そうだな・・・。 なんでもいいぞ?」

 

雪乃「なんでもいいは、困るわ」プクー

 

八幡「特に好き嫌いないからな。 雪乃の得意料理とかでいいぞ」

 

雪乃「得意料理・・・ね。 それなら、買い物に出てもいいかしら?」キョトン

 

八幡「一緒に行くぞ? 荷物くらいは持つ」

 

雪乃「ありがとう、八幡♪ じゃあ、行きましょう」ニコニコ

 

 

~近くのスーパーにて~

 

八幡「で、何を買うんだ?」

 

雪乃「野菜を少しと、魚、牛肉ね」ニコニコ ギュ-

 

雪乃「あと・・・ね」ニヤリ

 

八幡「あ、なんか言ったか?」

 

雪乃「いいえ、なんでもないわ」ニコリ

 

八幡「じゃあ、一緒に回るか?」

 

雪乃「そうしたいのは山々なのだけれど、この時間になると肉類のタイムサービスが始まる事があるの・・・」シュン

 

八幡「そうか・・・。 じゃあ、牛肉は見てくる。 牛コマで大丈夫か?」

 

雪乃「ええ、お願いするわ・・・。 私は野菜を選んでおくから」ニコリ パッ

 

八幡「おう、見てくるわ」タタタッ

 

雪乃「・・・」スタスタ

 

・・・・・

 

八幡「・・・マジかよ」ドンビキ

 

ギャーギャー ワーワー

 

八幡「ベン・トーじゃねーんだからよ・・・」

 

八幡(なんなの、この主婦たちの圧力・・・)

 

八幡「・・・はぁ、とりあえず牛コマだけは取らなければ」

 

八幡(ステルスヒッキー、発動!)

 

・・・・・

 

八幡「・・・酷い目にあった」ゲッソリ

 

雪乃「・・・あら、早かったわね」ハァハァ

 

八幡「おう。 雪乃、息上がってるがなんかあったのか?」キョトン

 

雪乃「・・・気のせいよ」ニコリ

 

八幡「そうか、ならいいが・・・」

 

雪乃「では、会計をしに行きましょう」ギュ-

 

八幡「おう」

 

八幡「で、雪乃。 さっきまでなかったと思うんだが。 そのビニール袋はなんだ?」

 

雪乃「・・・っ」ギクッ

 

八幡「なんか、聞かれたら都合が悪かったか?」キョトン

 

雪乃「・・・その、生理用品よ///」プイ

 

八幡「・・・悪かった///」ポリポリ

 

雪乃「いえ、私も最初から他に買うものがあると言っておけば良かったと反省しているわ」ギュ-

 

~雪乃の住んでいる部屋~

 

八幡「まだ夕食には早いな・・・」

 

雪乃「そうね、もう少しゆっくりしていましょう?」ニコニコ ギュ-

 

八幡「そうだな」

 

雪乃「・・・八幡は今日、私といて楽しかったかしら?」ウルウル

 

八幡「なかなかに楽しかったよ」

 

八幡「いつも見ることが出来ない雪乃の姿や雪乃の手料理を食べたり出来て、役得だった///」テレテレ

 

雪乃「そう。 なら良かったわ」ニコリ

 

八幡「雪乃はどうだった?」

 

雪乃「楽しかったわ。 それ以上に幸せだった」ニコリ

 

雪乃「今日という日が終わらなければいいと思うほどに、貴方と過ごした時間は充実したものだったわ」ニコニコ ギュ-

 

八幡「・・・そうか///」プイ

 

雪乃「ウフフ・・・。 照れている八幡も可愛いと思うわ」ニコニコ

 

八幡(そんな風に会話を楽しみながら夕食までの時間を楽しんだ)

 

八幡(夕食も二人で作ったの〔ほぼ立っているだけに等しかった〕だが、かなり美味しかった。 和食で統一されていたのだが、すべてが料亭で出てくるようなレベルだった)

 

八幡「あ、小町に連絡するのを忘れてた・・・」

 

雪乃「私の方から連絡をしておいたわ」ニコリ

 

八幡「あ、サンキュー」

 

雪乃「それから、今日は泊まっていって」ニコリ

 

 

 

八幡「・・・は?」キョトン

 

雪乃「小町さんの許可は頂いているの」スッ

 

八幡「・・・え?」

 

 

比企谷 小町

 

件名:了解しました♪ヽ(´▽`)/

 

本文

夕飯の件、了解です(*´∇`*)

 

お泊まりの件は、構いませんが

ルールに違反しないように!o(`^´*)

 

いやぁ~まさか雪乃さんが

こんなに大胆な行動に出るなんて・・・

 

でわでわ、ごゆっくり~(*´ω`*)

 

 

八幡「マジかよ・・・」

 

雪乃「もちろん、強制ではないわ」シュン

 

雪乃「貴方に内緒で小町さんの許可を貰っていたことを含めて謝罪させてもらうわ。 ごめんなさい」ペコリ

 

八幡「まぁ、それはいいんだけどよ・・・」

 

八幡「雪乃は、俺が泊まることに抵抗はないのか?」

 

雪乃「抵抗がないわけではないわ。 でも、貴方と一緒にいたいの」ダキッ

 

八幡「雪乃・・・」

 

雪乃「八幡、今夜は一緒にいて・・・」ウルウル ギュ-

 

八幡「・・・あぁ。 雪乃がそう望むなら」ギュ

 

・・・・・

 

八幡「でも、考えてみたら着替えがねえんだけど?」

 

雪乃「今着ている服は今のうちに洗濯してしまいましょう。 それと着替えなのだけれど、さっき、スーパーでパジャマと下着は買っておいたわ」ニコニコ

 

八幡「・・・いつの間に?」

 

雪乃「私の生理用品が入った袋に一緒に入っていたのよ」フフン

 

八幡「・・・マジかよ」

 

雪乃「さ、お風呂の用意は出来ているから入ってもらえるかしら?」ニコリ

 

八幡「・・・雪乃が先の方が良くないか?」

 

雪乃「私には食器を洗ったり、やることがあるし。 それに八幡はお客様だもの。 先に入って」ニコリ

 

八幡「・・・雪乃は嫌じゃないか? 俺が入った後の湯船に浸かるんだぞ?」

 

八幡(・・・小町ですら嫌がるからな。 なんなら、俺の入った後、新しく湯を張り直すまである)

 

雪乃「別に気にしないわ。 それとも、八幡には女の子の入った後のお湯に興奮する性癖でもあるのかしら?」ニコニコ

 

八幡「ば、おまえな!///」

 

雪乃「それなら、私からお風呂に入ってあげるのも吝かではないわ」ニヤリ

 

八幡「・・・わかった。 先にいただくよ」

 

カポーン

チャプチャプ

 

八幡「ふぅ・・・」

 

八幡(流され流され、こんなことになっちまったが・・・。この状況は雪乃が風呂に突撃してくるパターンだよな?)ドキドキ

 

八幡(ま、雪乃に限ってルールを破るとは思えないが)

 

雪乃『八幡?』

 

八幡「うおっ?!」ビクッ

 

雪乃『パジャマと下着、タオルはここに置いておくわね?』

 

八幡「おう。 サンキューな」

 

雪乃『さっきまで着ていた洋服は洗濯して、乾燥機にかけておくわね』

 

八幡「わざわざ悪いな」

 

雪乃『構わないわ。 私の我が儘で泊まってもらうのだもの』フフ

 

 

ちょびっと番外編~雪乃side~

 

・・・・・

 

洗濯機前にて。

 

雪乃「八幡が着ていたシャツ・・・///」

 

雪乃「・・・」キョロキョロ

 

雪乃「・・・」ジー

 

雪乃「・・・///」プルプル

 

雪乃「・・・やっぱりダメね///」

 

ポイッ ピッ ウィーン ウィーン

 

・・・・・

 

ちょびっと番外編~雪乃side~ 終了

 

八幡「あがったぞ」フキフキ

 

雪乃「・・・そう。 それじゃ、私も入ってくるわ。 覗いてはダメよ?」フフ

 

八幡「・・・覗かねえよ///」プイ

 

雪乃「信用してるわ」クスクス

 

・・・・・

 

シャー・・・ キュ

チャプン・・・

 

・・・・・

 

雪乃「ホントに覗かなかったのね」ウフフ

 

八幡「当たり前だろ///」

 

雪乃「少しだけ期待していたのだけれど?」ニヤリ

 

八幡「・・・知るかよ///」プイ

 

雪乃「ふふ・・・。 八幡はアイス、いる?」

 

八幡「あー、貰おうかな」

 

雪乃「バニラとチョコ、ストロベリーがあるのだけれど何がいいかしら?」キョトン

 

八幡「じゃあバニラで」

 

雪乃「はい、どうぞ」ニコリ

 

八幡「おう」

 

雪乃「八幡、バニラを一口貰えるかしら?」ニコニコ

 

八幡「ああ、いいぞ? ほら・・・」スッ

 

雪乃「あーん・・・」

 

八幡「え?」

 

雪乃「・・・早くしてほしいのだけれど」プクー

 

雪乃「あーん・・・///」

 

八幡「あ、あーん・・・」

 

雪乃「・・・ありがとう。 とっても美味しかったわ、八幡のバニラ」ニコニコ

 

八幡「・・・おう///」プイ

 

八幡(なんなの、八幡のバニラって! 恥ずかしいからやめてくれます?)

 

雪乃「八幡、はい。 あーん」スッ

 

八幡「え?」

 

雪乃「お返しよ♪」ニコニコ

 

八幡「いや、別に俺は・・・」

 

雪乃「八幡・・・」シュン

 

八幡「・・・あーん///」

 

八幡(くそ、反則過ぎるだろ)

 

雪乃「・・・!」パァー

 

雪乃「あーん♪」

 

八幡「ん」パク

 

雪乃「どうかしら、私のストロベリーは?」ニヨニヨ

 

八幡(なんだよ、雪乃のストロベリーって?! さっきから雪乃のセリフが意味深な気がするんだが? 気のせいか、気のせいだな、気のせいだと言ってくださいお願いします)

 

八幡「・・・ああ、旨かったぞ」

 

雪乃「そう、良かったわ///」ニコニコ

 

八幡(そんなこんなでアイスを食べながら雪乃と就寝前の会話を楽しんだ)

 

雪乃「八幡・・・」ギュ

 

八幡「どした?」

 

雪乃「呼んでみただけよ」ウフフ

 

八幡「そうか///」プイ

 

雪乃「私、とても幸せよ」ニコリ

 

八幡「そりゃ、良かった」

 

雪乃「八幡、そろそろ寝ましょうか」ニコニコ

 

八幡「そうだな、それじゃ俺はこのソファで寝るから・・・」

 

雪乃「何を言っているのかしら?」キョトン

 

八幡「ん? 布団でも用意してくれんの?」キョトン

 

雪乃「私と一緒にベッドで寝れば良いじゃない///」

 

八幡(キマシタワー! ・・・じゃなくて)

 

八幡「おま! なに言って・・・!」アワアワ

 

雪乃「別にいいじゃない、同じベッドで寝たって」

 

八幡「いや、一応俺も男だぞ? お前を襲うかも知れないんだぞ?」オロオロ

 

雪乃「貴方にそんな度胸があるとは思えないのだけれど?」

 

八幡「確かに度胸はないが・・・。 じゃなくてだな、我慢出来なくなることもあるかもしれないだろ?」

 

雪乃「私は貴方になら、襲われても構わないわ」ニコリ

 

八幡「・・・っ! そうだ! ルールに抵触するぞ?」

 

雪乃「どのルールに抵触するのかしら?」ニヤリ

 

八幡「誘惑の禁止だろ、そりゃ」

 

雪乃「いつ、誰が、誰を誘惑したのかしら?」キョトン

 

八幡「今、雪乃が、俺を誘惑してるじゃねーか!」

 

雪乃「八幡、私は貴方を誘惑したつもりはないのだけれど?」

 

八幡「は?」

 

雪乃「明日の朝、目が覚めた時。 貴方が隣に居てくれたら私は嬉しいと思っただけよ」ニコニコ

 

八幡「・・・っ!」

 

雪乃「それに、八幡の温もりを感じながら眠れる機会なんて、滅多にないじゃない。 今後、そういう機会に恵まれるかも分からないのだから、今日くらいは・・・」シュン

 

雪乃「いえ、今日だけは・・・お願い」キュ

 

八幡「・・・同じベッドで寝るだけだからな」

 

雪乃「ありがとう、八幡!」パァー

 

 

~寝室~

 

八幡(寝れる気がしない・・・)

 

雪乃「・・・八幡」ギュ

 

八幡「どした?」プイ

 

雪乃「こっちを向いてほしいのだけれど///」

 

八幡「いや、恥ずかしいから・・・///」

 

雪乃「八幡・・・」プクー ギュ

 

八幡「・・・わかったから少し離れてくれ」クルッ

 

雪乃「八幡・・・///」テレテレ

 

八幡(近い近い近い近い! 良い匂い・・・)カァ・・・

 

雪乃「今日はありがとう///」

 

八幡「おう///」

 

雪乃「八幡、おやすみなさい」ニコニコ

 

八幡「おやすみ」

 

八幡(寝れねぇ・・・)

 

雪乃「zzz・・・」スースー

 

八幡(雪乃の寝顔・・・。 長く艶やかな髪、整った顔立ち、規則正しい寝息・・・)ジー

 

雪乃「zzz・・・ん・・・」スースー モゾモゾ ギュ

 

八幡(っ!!? ちょっと待てぇ!)ドキドキ

 

八幡(あ、雪乃ってまつ毛長いんだな・・・。 ん? 髪に糸屑付いてるな)スッ

 

雪乃「・・・ん、はちまん・・・?」ウトウト

 

八幡「わりぃ、起こしたか?」

 

雪乃「いいえ・・・。 もっと撫でていて」ギュ-

 

八幡(糸屑、取っただけなんですけど・・・)

 

雪乃「はちまん・・・?」ウルウル

 

八幡「・・・おやすみな、雪乃」ナデナデ

 

雪乃「ん、おやすみなさい///」ギュ-

 

・・・・・

 

チュンチュン・・・

 

八幡「ん・・・」パチ

 

八幡(温かい、と思ったら雪乃か)ギュ-

 

八幡(しっかり抱き合ってるな)カァ・・・モゾッ

 

雪乃「・・・」パチ・・・

 

八幡「・・・起きたか?」

 

雪乃「・・・」コクン ボー

 

八幡「まだ寝ててもいいぞ?」ナデナデ

 

雪乃「ふふっ・・・」キュ

 

八幡(胸に顔をうずめられてしまった。 息が当たってくすぐったいな・・・)ニコニコ

 

雪乃「はちまん・・・」

 

八幡「ん?」

 

雪乃「お早う。 朝からとても幸せよ」ニパー

 

八幡「お、おう・・・///」ドキドキ

 

雪乃「・・・ドキドキしてるわね///」

 

八幡「・・・///」プイ

 

雪乃「照れなくても良いじゃない? 同じベッドで朝を迎えた仲なのだから」ニヨニヨ

 

八幡「・・・起きたのなら、離れてくれ」ジトー

 

雪乃「zzz・・・」スー ギュ-

 

八幡「おい・・・」

 

雪乃「・・・もう少し、このままでいたいの///」

 

八幡「・・・そうか///」

 

・・・・・

 

雪乃「・・・そろそろ朝食にしましょうか」ニコニコ

 

八幡「そうだな」

 

雪乃「トーストでも構わないかしら?」

 

八幡「おう」

 

雪乃「すぐ用意するわね」ニコリ

 

八幡「手伝うぞ?」

 

雪乃「そんなにやることはないの。 待っていてくれれば大丈夫よ♪」ニコニコ

 

ジジジジジッ カチャカチャ チーン!

 

雪乃「お待たせ。 飲み物はコーヒーと紅茶、どちらが良いかしら?」キョトン

 

八幡「コーヒーにするかな」

 

雪乃「そう」ニコニコ

 

カチャ コポコポ

 

雪乃「はい、どうぞ」スッ

 

八幡「あれ、練乳?」

 

雪乃「確か、八幡の好きなコーヒーは練乳が入っていたと思ったのだけれど?」

 

八幡「あぁ、わざわざスマンな」チュー・・・

 

雪乃「あ、あまり入れすぎると糖尿になるわよ?」オロオロ

 

八幡「甘いのが好きだからな」チュー・・・

 

雪乃「・・・ちょっと入れすぎではないかしら?」アワアワ

 

八幡「そうか? じゃあ、こんなもんにしとくわ」

 

雪乃「さ、冷める前にいただきましょう?」

 

八幡「だな」

 

八幡 雪乃「「いただきます」」

 

・・・・・

 

八幡「ごっそさん」

 

雪乃「・・・今日は帰ってしまうのよね」シュン

 

八幡「さすがに明日は学校あるからな」

 

雪乃「そうよね・・・」

 

八幡「雪乃?」キョトン

 

雪乃「八幡、昨日からありがとう」ペコリ

 

八幡「急にどうした?」

 

雪乃「我が儘をたくさん聞いてもらったもの」ニコリ

 

八幡「そんなことないぞ? 俺も楽しかったしな」

 

雪乃「それでも、ありがとう」

 

八幡「こちらこそ、サンキューな」

 

八幡(その後は雪乃と談笑をして過ごした)

 

八幡「じゃ、そろそろ帰るわ」

 

雪乃「・・・そう」

 

八幡「じゃあ、また明日だな」

 

雪乃「・・・八幡!」ギュ ポロポロ

 

八幡「・・・帰れなくなるだろ、雪乃」オロオロ

 

雪乃「寂しくなるわ」ポロポロ

 

八幡「そのうち機会があれば、また呼んでくれ」

 

雪乃「では、来週も待っているわ」ニコリ

 

八幡「お前、分かってて言ってるだろ」

 

雪乃「ふふ・・・。 他の人のデートを妨害してはいけない、なんてルールはないもの」ニヨニヨ

 

八幡「おい・・・」ジトー

 

雪乃「冗談よ」

 

八幡「じゃ、今度こそ帰るわ」

 

雪乃「・・・八幡、渡したいものがあるから、少しこっちを向いてほしいのだけれど?」

 

八幡「ん、なんだ?」クルッ

 

チュッ

 

八幡「っ?!」

 

雪乃「・・・///」ガッシリ チュー

 

八幡「っぷは! おま、おま!///」カァ・・・

 

雪乃「私のファーストキスよ///」

 

八幡「・・・っ///」プイ

 

雪乃「・・・これでもう寂しくないわ」ニコリ

 

八幡「雪乃・・・」

 

雪乃「さ、小町さんにもよろしくね」

 

八幡「・・・おう。 雪乃」

 

雪乃「なにかしら?」キョトン

 

八幡「あー、その、なんだ・・・///」

 

雪乃「?」キョトン

 

八幡「プレゼント、ありがとな///」プイ

 

雪乃「そう・・・///」カァ・・・

 

八幡「雪乃の本気さはわかった。 俺も真剣に考えてるから」シンケン

 

雪乃「えぇ、期待して待っているわ」ニコリ

 

八幡「おう、じゃ・・・」

 

雪乃「また、あしたね」フリフリ

 

ガチャ・・・パタン

 

・・・・・

 

八幡「たでーま」

 

小町「あれ? お兄ちゃん?」キョトン

 

八幡「おう、お兄ちゃんだぞ?」

 

小町「早かったね~。まだ、10時過ぎだよ? 今日も夕食、要らないんだと思った」ニヨニヨ

 

八幡「あんまり長居するのも悪いからな」

 

小町「まぁまだ結衣さんと陽乃さんも残ってるからね~」

 

八幡「そうだな・・・」

 

小町「お兄ちゃん・・・?」

 

八幡「ん、どした?」

 

小町「なんか、あったの?」

 

八幡「・・・どうして、そう思ったんだ?」

 

小町「だって、帰ってきてからずっと玄関で立ったままだし」ジー

 

八幡「・・・・・・なんでも、ねぇよ」

 

八幡(雪乃・・・大丈夫かな?)

 

こうして雪ノ下雪乃とのデートは幕を降ろした。

 

【八章 終了】

 

 

【九章】

 

由比ヶ浜 結衣 篇~

 

八幡(雪乃とのデートから一週間。 今日は由比ヶ浜との約束の日。 しかし、由比ヶ浜は体調を崩してしまったようで、昨日は学校も休んでいた)

 

八幡(今日は予定を変更して、由比ヶ浜の看病に向かうことにしたのだ。 ・・・まぁ、小町に言われたからなんだが)

 

ピンポーン

 

結衣「・・・はい?」ゴホゴホ

 

八幡「・・・うす」

 

結衣「は、はちまん!?」

 

八幡「見舞いに来たんだが、今、平気か?」

 

結衣「いや、うつしちゃったら悪いよぉ・・・」ゴホゴホ

 

八幡「てか、親どした?」

 

結衣「どっちもお仕事で・・・」タハハ・・・

 

八幡「なんなら、看病もするぞ?」

 

結衣「あ、ちょっと待って! 着替えてくるから!///」バタン

 

八幡「お、おう・・・」

 

・・・・・

 

結衣「はちまん、いいよ」カチャ

 

八幡「お邪魔します」

 

結衣「いま、お茶とか出すね・・・」

 

八幡「病人なんだから寝てろ。 飲み物とか必要そうな物は買ってきてあるから・・・。 よし、部屋行くぞ」ガサゴソ

 

結衣「え?! はちまん、あたしの部屋入るの?!///」カァ

 

八幡「じゃなきゃ看病できないだろ?」

 

結衣「ちょっと部屋汚いっていうか、見られちゃ恥ずかしい物があるっていうか・・・」エヘヘ・・・

 

八幡「・・・都合悪いなら、仕方ないから帰るが?」

 

結衣「・・・大丈夫。 はちまん、せっかく来てくれたし」

 

結衣「でも、うつらないように気をつけてね? あと、部屋の中見ても引かないでね?」ウルウル

 

 

由比ヶ浜 結衣の部屋~

 

八幡「別に散らかってる訳じゃないな?」

 

結衣「・・・なんか、ハズイからジロジロ見ないでね?///」

 

八幡「あ、スマン///」

 

結衣「あ・・・」ペタン

 

八幡「・・・由比ヶ浜、熱測れ。 体温計は・・・」キョロキョロ

 

結衣「枕元にあるはず・・・」

 

八幡「ちょうど良いな。 寝ながら測れる」

 

結衣「あはは・・・。 ちょっと立てないや」

 

八幡「ほら、持ち上げるぞ?」ダキッ

 

結衣「ふぇ?!///」

 

八幡「暴れないでくれよ? バランス崩すと危ないからな」ヨイショ

 

結衣「・・・重くない?」

 

八幡「平気だから、不安がることないぞ」

 

結衣「・・・うん///」

 

八幡「おろすぞ?」ウンショ

 

結衣「ありがとう///」

 

八幡「礼は良いから、熱測ってくれ」スッ

 

ピピピッ

 

八幡「39度4分かよ・・・」

 

結衣「・・・はちまん?」ボー

 

八幡「薬は飲んだのか?」

 

結衣「うん・・・朝飲んだから次は夜飲むよ」

 

八幡「なら、ちょっと様子見るか・・・。 冷えピタ買ってきたから使うぞ?」ピトッ

 

結衣「冷たくて気持ちいい・・・」

 

八幡「なんか、ほしいものあるか?」

 

結衣「ううん・・・だいじょうぶ」ニコ

 

八幡「そっか、なんかあったらすぐ言えよ?」

 

結衣「えへへ・・・ヒッキーが優しい・・・///」

 

八幡「バカ、俺はいつでも優しいだろうが。 俺ほど優しい人間はいないまである」

 

結衣「そうだね・・・ヒッキーは、色んな人を助けてるもんね・・・」ウトウト

 

八幡「・・・急に誉めるな///」プイ

 

結衣「ヒッキーはさ、相手が誰でも気にせず助けるんだよね。 あたしの時もそう。 いつでも自分を犠牲にしてまで助けちゃう・・・」ウトウト

 

結衣「そんな、ヒッキーが好きだし、助けてもらってありがたいって思ってるよ」ニコリ

 

結衣「でもね、全部一人でやっちゃうのは、なんかイヤ。 もっとあたしをあたしたちを頼って?」ウルウル

 

結衣「あたし、バカだからヒッキーみたくひねくれた解決方法も思い付かないかも知れないけど・・・。 寂しいよ・・・」ポロポロ

 

結衣「ヒッキーが遠くに行っちゃうみたいでイヤだよぉ・・・」ポロポロ

 

八幡「・・・そうか」ナデナデ

 

結衣「ヒッキー・・・! ヒッキー・・・!」ポロポロ

 

・・・・・

 

結衣「zzz・・・」スースー

 

八幡「泣き疲れたのか?」ナデナデ

 

八幡(由比ヶ浜は、こんなにも俺の事をよく見てくれていたのか)

 

八幡「ありがとな」ポンポン

 

結衣「zzz・・・」ウ・・・ン

 

八幡「さて、由比ヶ浜が寝てる間に昼食の材料でも買ってくるか」

 

八幡(親がいるならすぐ帰ろうと思ったんだが・・・。 意外と重症だしな、もう少し看病した方が良いよな?)

 

結衣「あ、ヒッキー?」

 

八幡「・・・起こしちまったか?」

 

結衣「・・・帰っちゃうの?」ウルウル

 

八幡「いや、その様子じゃ昼御飯も作れそうにないだろ? 材料買ってこようと思ったんだが・・・」

 

結衣「冷蔵庫にいろいろあるから、使っていいよ・・・。 だから、どこにもいかないでよ、ヒッキー・・・」ポロポロ

 

八幡「わかったよ」ポンポン

 

結衣「ありがとう・・・」ポロポロ

 

八幡「そういえば、呼び方戻ってるな」ナデナデ

 

結衣「あ・・・」

 

八幡「そっちの方が由比ヶ浜っぽくて、いいな・・・」ナデナデ

 

結衣「・・・そっかな?」

 

八幡「おう。 由比ヶ浜しかヒッキーって呼ばないからな。 ある意味、特別な呼び方だと言えるだろ?」スッ

 

結衣「特別・・・。 そっか///」

 

八幡「しばらくここにいるから、もう少し寝とけ」

 

結衣「うん・・・。 ヒッキー、ゴメンね?」ポロポロ

 

八幡「なんでお前が謝るんだよ?」

 

結衣「デート出来なくなっちゃったし、看病までしてもらっちゃうし・・・。 もう、ダメだなぁ、って・・・」ポロポロ

 

八幡「デートなら、またやり直せばいいだろ?」ナデナデ

 

結衣「でも・・・」ポロポロ

 

八幡「それに、看病なんて特殊なイベントを発生させる辺りさすがだと思うぞ?」

 

八幡(さすゆい、さすゆい。 流行らないか、流行らないな)

 

結衣「ヒッキーがなにいってるかわかんないや」タハハ

 

八幡「つまりだな、看病する事なんて家族以外だとまずやらないからな。 だから印象深いし、なにより、病人の特権を使えるだろ?」

 

結衣「病人の特権・・・?」キョトン

 

八幡「甘える事ができる」

 

結衣「・・・じゃあ、あたしもヒッキーに甘えていいの?」

 

八幡「聞くだけ聞いてやる。 行動に移すかは内容次第だな」

 

結衣「あたしのこと、今だけでもいいから名前で呼んで欲しいかな・・・なんて」チラッチラッ

 

八幡「・・・わかったよ、結衣///」

 

結衣「ヒッキー・・・///」

 

八幡「まだ、11時か・・・。 やることもないし、どうするかな?」

 

結衣「ねぇ、ヒッキー・・・」

 

八幡「どした?」

 

結衣「看病ってさ、デートになるかなぁ?」

 

八幡「・・・普通はならないんじゃないか?」

 

結衣「そっか・・・」ニコニコ

 

八幡「・・・なんだ?」キョトン

 

結衣「ヒッキー、マスクある?」

 

八幡「一応買ってきたけど?」

 

結衣「じゃあ、ヒッキーが着けて」ニコニコ

 

八幡「・・・着けたぞ?」

 

結衣「じゃあ、一緒に寝よう?///」テレテレ

 

八幡「・・・熱上がったんじゃね? 大丈夫か?」

 

結衣「大丈夫。 だから、ヒッキー・・・お願い。 側に来てよ・・・」ウルウル

 

八幡「う・・・」

 

結衣「ヒッキー・・・」ポロポロ

 

八幡「はぁ・・・」スッ ゴロン

 

結衣「ありがとう・・・///」ギュ

 

八幡(背中に結衣のアレが・・・!///)

 

八幡(なんという、存在感・・・。 結衣、恐ろしい子・・・!!)

 

結衣「ヒッキー、大好き・・・///」テレテレ

 

八幡「・・・おう///」

 

結衣「ヒッキー、スゴくドキドキしてるね///」

 

八幡「・・・おう///」

 

結衣「ヒッキー、こっち向いて欲しいな・・・///」

 

八幡「・・・」クルッ

 

八幡(近い近い! ・・・結衣って、こんなに儚げだったか? 潤んだ瞳、火照った頬、少し汗ばんだ肌・・・。 くっ、静まれ! 静まるんだ、小八幡! 大八幡になったらこの世の終わりだぞ!)

 

八幡(こういう時は萎えるものを思い出せ・・・!なにか、なにか無いのか・・・?!)

 

結衣「・・・ヒッキー?」キョトン

 

八幡(思い・・・出した! 材木座ァ!!)

 

材木座《おう! 材木座・・・クラッシャー!! うっふーん》

 

小八幡《・・・》チーン

 

結衣「ヒッキー、どうしたの?」

 

八幡「・・・いや、なんでもないぞ」

 

結衣「ヒッキー、腕枕して欲しいな・・・」

 

八幡「ほら・・・」スッ

 

結衣「ありがとう///」ポスッ

 

八幡「・・・氷枕の方が良くないか?」

 

結衣「こっちの方が、いい」ギュ

 

結衣「ヒッキー・・・おやすみ」

 

八幡「おやすみ・・・」

 

八幡(結衣の体温が直に伝わってくる。 かなり温かい。 熱があるのだから当然だが)

 

八幡(・・・腕枕してるし、動けないからな。 寝るか。 寝れるかわからないが)

 

・・・・・

 

ピカッ・・・

 

八幡「ん・・・?」モゾ

 

ピシャーン!!

 

八幡「うおっ?!」

 

結衣「・・・ヒッキー?」ボー

 

八幡「あ、結衣起きたか?」

 

結衣「スゴく幸せな夢、見てた気がする・・・」

 

八幡「そうか」ナデナデ

 

ザァー・・・ゴロゴロ・・・

 

結衣「うわ、すごい雨・・・」

 

八幡「俺も雷で起きたくらいだからな」

 

結衣「すぐやめばいいけど・・・」

 

八幡「結衣、昼御飯食べた方が良いぞ」

 

八幡(結構な時間、寝てしまったようだ。 時間を確認してみると13時20分と表示されていた)

 

結衣「食欲、ないんだけどなぁ・・・」

 

八幡「食べれるなら、少しでも食べた方が・・・」

 

結衣「うん・・・。 じゃあ、食べる」

 

八幡「台所、借りる」

 

結衣「あるものは勝手に使っちゃって良いから」

 

 

由比ヶ浜家 台所~

 

キャンキャン!

 

八幡(材料はあらかた揃ってるな・・・。 ん? 炊飯器にお米が残ってるし・・・雑炊とかにするか)

 

キャンキャン!

 

八幡「・・・」カチャカチャ

 

八幡「・・・」タンタンタンッ

 

結衣「・・・///」ジー

 

八幡「・・・」グツグツ

 

結衣「・・・///」ジー

 

八幡「・・・」チラッ

 

結衣「・・・!///」

 

八幡「・・・」クルッ

 

八幡「・・・!?」バッ

 

結衣「・・・えへへ///」

 

八幡「・・・まだ寝てろよ」

 

結衣「薬、きいてきたみたいで熱下がってきたの///」

 

八幡「何度だったんだ?」

 

結衣「はい!」スッ

 

38度7分

 

八幡「こんなん誤差だろ! 今すぐベッドに戻れ!」

 

クゥーンクゥーン・・・

 

・・・・・

 

八幡「ほらよ、雑炊だ」

 

結衣「わー! ありがと、ヒッキー!」

 

八幡「食べられそうか?」

 

結衣「がんばるっ! あーん」

 

八幡「おい。 頑張るんじゃなかったのかよ」ジトー

 

結衣「え? 普通、ふーふーして食べさせてくれるんじゃないの?」

 

八幡「元気なんだろ? 自分で食えよ」

 

結衣「え・・・。 あー、なんか身体だるいかもー!」

 

八幡「・・・」ジトー

 

結衣「う・・・。 わかったよぉ・・・」ウルウル

 

八幡「はぁ・・・、ふーふー。 ほらよ」スッ

 

結衣「あ。 あーん///」パク

 

結衣「美味しいよ、ヒッキー!」パァ!

 

八幡「なら良かった」ホレ アーン

 

結衣「ありがと♪」アーン

 

・・・・・

 

結衣「ごちそうさま♪」

 

八幡「おう。 食器、片してくる」

 

キャンキャン!

 

八幡「お、サブローいたのか」ナデナデ

 

ヘッヘッヘッヘッ!

 

八幡「サブローは元気だなぁ・・・」

 

結衣「サブローじゃないし! サブレだしっ!」プクー

 

八幡「・・・お前は寝てろよ」ハァ

 

 

午後6時40分

 

八幡「で、どうしてこうなった・・・」

 

ピカッ! ゴロゴロッ! ザァー!

 

八幡「帰れない・・・」

 

prrrr・・・

 

八幡「結衣、電話だぞ?」

 

結衣「ほっといていいよ~」

 

タダイマ ルスニシテイマス ピートイウオトノアトニ メッセージヲ ドウゾ ピー

 

結衣母「あ、結衣? パパとママ、駅で偶然会ったんだけど、電車が止まっちゃって帰れそうにないの。 一人じゃ寂しいだろうけど、ごめんなさいね? サブレがいるから大丈夫よね? 何かあったら連絡してちょうだい」

 

結衣「ヒッキー!」ガバッ

 

八幡「いきなりどうした?」

 

結衣「今日、泊まっていきなよ!」ニコニコ

 

八幡「いや、いいよ・・・」

 

結衣「ヒッキー・・・」ウルウル

 

八幡「う・・・ダメだ」キッパリ

 

結衣「病人の特権・・・」

 

八幡「は?」

 

結衣「甘えていいってヒッキー言ったもん!」

 

八幡「確かに言ったがな・・・」

 

結衣「夜中に急に悪化してもいいんだ? 一人寂しく過ごせばいいんだ?」ウルウル

 

八幡「・・・わかったよ」

 

結衣「やった!」ニコニコ

 

八幡「その前に小町に確認してみるから」

 

結衣「うん!」

 

prrrr・・・ガチャ

 

小町『もしもし、お兄ちゃん?』

 

八幡「おう、小町か?」

 

小町『そだよー。 どうしたの?』

 

八幡「結衣・・・ヶ浜の熱が予想より高くてな。 両親もいないみたいなんだ。 で、泊まって看病してくれないか、と提案されたんだが、構わないか?」

 

小町『別にいいんじゃない? むしろ、この悪天候の中、帰ってくるなんて言われる方が心配だよ? 今の小町的にポイント高い!』

 

八幡「あーはいはい、高い高い。 じゃ、今日は由比ヶ浜のところにお世話になるから」

 

小町『ほーい。 じゃーね』ガチャ

 

小町「お兄ちゃん、毎週お泊まりですな♪」ニヨニヨ

 

八幡「じゃ、結衣はベッドに戻れ」

 

結衣「うん、でもお風呂入りたいかも」

 

八幡「風邪、悪化するかもしれないから控えた方が良いな」

 

結衣「でも、汗で気持ち悪い・・・///」

 

八幡「・・・タオルで拭く位なら」

 

結衣「じゃあ、お願いできる?///」

 

八幡「・・・それも、病人の特権か?」ジトー

 

結衣「いや・・・ううん。 ヒッキーに看病してほしいんだもん! お願い///」テレテレ

 

八幡「じゃあ、準備してくるから部屋に戻っててくれ」

 

結衣「うん、わかった///」

 

・・・・・

 

八幡「ほら、持ってきたから終わったら呼んでくれ」

 

結衣「ヒッキー、拭いてくれないの?」ウルウル

 

八幡「さすがにそれは断る」

 

八幡(また大八幡になりそうになっちゃうだろうが!)

 

結衣「背中だけで良いから・・・///」

 

八幡(こうなったら、さっさと拭いて終わらせる!)キリッ

 

八幡「・・・背中だけだからな?」

 

結衣「ヒッキーありがと♪」クルッ ヌギ

 

八幡(・・・綺麗だ)

 

八幡「・・・綺麗だ」

 

結衣「ヒッキーのえっち!///」

 

八幡「・・・ユッイーのビッチ!///」

 

結衣「ビッチじゃないしっ!」

 

八幡「はいはい。 ・・・拭くぞ」サワッ

 

結衣「ひゃ・・・」ビクン

 

八幡(そういうのやめてくれませんかね、可愛いから)

 

結衣「・・・優しくしてね?///」

 

八幡(やめてくれってば!)

 

八幡「おう」

 

八幡(綺麗な肌、柔らかそうな曲線を描くうなじ、肩、しっかりとくびれた腰・・・)

 

八幡(ヤバい!ヤバい! この状況はマズイ!)

 

フキフキ・・・

 

結衣「ん・・・、あっ・・・///」

 

八幡(このビッチは理性《コクピット》を狙うのか・・・。 スルー能力ならこちらにもあるぞぉ! ・・・むしろ、俺がスルーされるまである)

 

八幡「終わったぞ。 サブレの所行ってくるから、終わったら呼んでくれ」

 

結衣「あ・・・もう、終わりなの?///」ポー

 

八幡「背中は拭き終わったからな」

 

結衣「そうだよね・・・」

 

八幡「おう、じゃあ出てるから」ガチャ バタン

 

八幡「・・・・・・サブレぇ!!」ピューン

 

キャンキャン!

 

八幡「サブレ! 俺、頑張ったよ!」コチョコチョ

 

クーン ペロペロ

 

八幡「反則だよな!? あんなの、反則だよな!?」ナデナデ

 

キャン!

 

八幡「・・・なあ、サブレ」

 

キョトン

 

八幡「俺、間違ってないよな? ちゃんと、正しい行動をとれてるよな?」

 

キャン! ペロペロ

 

八幡「・・・そうだよな、間違ってないよな!」

 

ダキッ

 

結衣「ヒッキー、一人でなにいってるの?///」ギュ

 

八幡「びっくりするから、いきなり抱きつかないでくれ・・・。 それに一人じゃない。 サブレがいる」

 

キャンキャン!

 

結衣「そっか///」

 

八幡「・・・部屋戻るか。 拭き終わったんだろ?」

 

結衣「・・・まだ、終わってない///」

 

八幡「・・・は?」

 

結衣「・・・ヒッキー言ったよね。 『看病はデートにならない』って///」

 

八幡(なに、この状況?!)

 

結衣「・・・だから、ルールもなにもないでしょ? こっち向いて欲しいな///」スッ

 

八幡「お前、なにいって・・・?!」クルッ バッ!

 

八幡「上着ろ! 熱上がるぞ!」シッシッ

 

結衣「ヒッキー・・・、好き」ギュ

 

八幡「おま!?」

 

結衣「ヒッキー、大好き・・・。 ヒッキーの近くにいたいの。 側に置いてよ・・・」ポロポロ

 

結衣「ヒッキーの為ならお料理もがんばる。 いっぱい勉強する。 ヒッキーの理想の彼女になるから・・・。 だから・・・」ポロポロ

 

結衣「あたしを、ヒッキー色に染めてよ・・・。 ヒッキー色に染まりたいよ・・・」ポロポロ

 

八幡「・・・ゆ、結衣?」オロオロ

 

結衣「ヒッキー・・・」スー・・・

 

八幡(え、なんで顔近付けて来るんですかね? マスクつけてるから、大丈夫だが。 ・・・大丈夫じゃねえな)

 

結衣「・・・」ガクッ

 

八幡「おい、大丈夫か?!」ピタッ

 

八幡「熱いな・・・。 明らかに熱上がっただろ」

 

八幡(緊急事態だ。 冷静になれ。 弱ってる女の子に欲情とか、外道だ。 紳士として、それは許されない)ヨイショ

 

八幡「ベッドまで運べたけど・・・、上着どこやったんだ?」キョロキョロ

 

八幡「ねえな・・・。 仕方ない、俺の着てる上着を着せとこう」ジー ヌギヌギ ファサ・・・

 

八幡「許せよ、結衣・・・」

 

キセキセ プルンッ

 

八幡(おぅふ・・・///)

 

キセキセ タユンッ

 

八幡(これが乳トン先生が・・・なんてやってる場合じゃねえな)

 

ジー

 

八幡(上着は着せたし、熱測らせよう)

 

八幡「結衣・・・?」ユサユサ

 

結衣「・・・」ハァハァ

 

八幡「熱、測るからな?」スッ

 

39度8分

 

八幡「とりあえず、氷枕と冷えピタ替えて・・・」テキパキ

 

八幡「服の上からでいいや、脇の下と股に氷嚢挟んで・・・」サッサッ

 

八幡「薬は夕食後だって言ってたな。 飯食わせなきゃか・・・。 とりあえず作ってこなきゃ」ダッ

 

グツグツ

 

八幡「よし、これでいいだろ」

 

八幡「結衣、起きれるか?」ユサユサ

 

結衣「ん・・・」ノソッ・・・

 

八幡「うどん、茹でてきたから食べてくれ」

 

結衣「あり、がとヒッキー」ニコ

 

八幡「ふーふー・・・あーん」スッ

 

結衣「あーん・・・」モグモグ

 

八幡「ほれ」アーン

 

結衣「ん」アーン

 

八幡「喉渇いてないか?」

 

結衣「少し・・・」

 

八幡「たしか・・・」ガサゴソ

 

八幡「ほい、ポカリ」スッ

 

結衣「ヒッキー、開けてくれる?」ウルウル

 

八幡「あ、悪い」カチカチッ

 

結衣「んく・・・んく・・・」プハ

 

八幡「まだ、食べれそうか?」

 

結衣「無理そうかも」

 

八幡「じゃあ、薬飲め」

 

結衣「うん」コクン

 

八幡「少し寝てろ。 食器片し終わったら戻ってくるから」ナデナデ

 

結衣「・・・うん」ポロポロ ニコリ

 

八幡(その後、朝5時まで看病を続けた甲斐あってか、熱も37度6分まで下がり、顔色も良くなった)

 

結衣「zzz・・・」

 

八幡「じゃあ、結衣。 結衣の親が帰ってくる前に帰るよ」ナデナデ

 

キャンキャン!

 

八幡「サブレ、しー!」

 

クーン・・・

 

結衣「・・・ヒッキー?」ゴシゴシ

 

八幡「・・・サブレー?」

 

プイ

 

八幡「おい」

 

結衣「ヒッキー、帰っちゃうの?」

 

八幡「・・・おう。 もう少ししたら結衣の親が帰ってくるだろうからな」

 

結衣「そうだよね・・・」

 

八幡「じゃあ、玄関の鍵だけお願いできるか?」

 

結衣「うん・・・」ノソッ

 

八幡「じゃ、また学校でな」

 

結衣「待ってヒッキー!」

 

八幡「ん?」クルッ

 

ダキッ

 

結衣「ヒッキー、ありがとね? 寝ないで看病してくれたんでしょ?」

 

八幡「ある意味、ものすごく印象に残る1日だったよ」

 

結衣「ホントなら、チューしたいけど・・・。 うつしちゃ悪いから・・・」

 

ちゅ・・・

 

結衣「おでこで我慢するね」ニコリ

 

八幡「・・・///」

 

結衣「また、明日ね」フリフリ

 

八幡「・・・おう」

 

・・・・・

 

八幡「たでーま」ソローリ

 

ナァー

 

八幡「お出迎えか?」ナデナデ

 

フンス スタスタ

 

八幡「冷たいやつ・・・」ハァ

 

八幡(風呂入ってから寝るか・・・)

 

シャー キュ

 

八幡(・・・おでこに、まだ結衣の体温が残ってる気がする///)フキフキ

 

八幡(結衣、明日は学校これるといいな・・・)ゴロン

 

八幡(いつもの天真爛漫な結衣とデートしてやりたいし・・・。 また、機会をつくってやらなきゃ・・・)zzz

 

ガチャ・・・

 

小町「お疲れ様、お兄ちゃん」ニコニコ ナデナデ

 

 

【九章 終了】

 

 

【十章】

~雪ノ下 陽乃 篇~

 

朝6時半

 

八幡(結衣の看病から一週間。 今回は陽乃さんとのデートをする日だ)ガサゴソ

 

八幡(陽乃さんは、ちょっと遠出になるからと、事前に一泊する為の準備をするように連絡をしてきた。 今は荷物の確認中だ)ガサゴソ

 

八幡「忘れ物、ないな」

 

八幡(陽乃さんが迎えに来るのが7時。 もうそろそろ来てもおかしくない)

 

ブー! ブー! ピッ

 

八幡「もしもし?」

 

陽乃『八幡、ひゃっはろー』

 

八幡「陽乃さん、おはようございます」

 

陽乃『もう着くから出てきてもらえるかな?』

 

八幡「わかりました」

 

陽乃『じゃ、またあとでね♪』ピッ

 

八幡「よし、行くか」

 

小町「・・・お兄ちゃん、もう行くの?」ゴシゴシ

 

八幡「おう」ヨイショ

 

小町「気を付けてね? お兄ちゃんが無事に帰ってきてくれればお土産は要らないから。 ・・・今の小町的にポイント高い!」キラッ

 

八幡「はいはい、高い高い。 じゃ、行ってくるわ」ガチャ

 

小町「てきとーだなぁ・・・。 いってらっしゃい」

 

ブロロロロ キキッ

 

陽乃「八幡、ひゃっはろー」

 

八幡「うす」

 

陽乃「それじゃ、今日はヨロシクね♪」ニコ

 

八幡「こちらこそ、よろしくお願いします」ペコリ

 

陽乃「とりあえず乗ってくれるかな?」

 

八幡「あ、はい」ガチャ バタン

 

陽乃「さ、出して。 八幡、今日はこれから電車の旅になるからね♪」ニコニコ

 

八幡「え? このまま車じゃないんですか?」

 

陽乃「せっかくのデートだからね♪ 運転手がいたら二人きりになれないでしょ?」ニコリ ギュ

 

八幡「・・・そうですね///」プイ

 

八幡(近い近い! 陽乃さんって、いつもいい匂いだな・・・)

 

陽乃「お? 照れたか? 照れちゃったのか? 可愛いなぁ、八幡は♪」ナデナデ

 

八幡(・・・少しくらい反撃してみるか)

 

八幡「いや、陽乃さんのほうが可愛いです。 てか、綺麗です///」プイ

 

陽乃「へぇー、ありがと♪ でも、お姉さん、そんな社交辞令みたいな言葉はあまり嬉しくないなぁ~」ニヨニヨ

 

八幡(よし、かかった! ・・・一世一代の大勝負! 勝てば官軍、負けてもトラウマが一つ増えるだけだ)

 

陽乃「・・・八幡?」キョトン

 

八幡「陽乃さん・・・」スッ

 

陽乃「は、八幡? ・・・ずいぶん積極的に近付くね?///」オロオロ

 

八幡「は、陽乃さんの魅力は俺の言葉じゃ言い表せないので、今から行動で示そうと思います」テヲギュ

 

陽乃「は、ちまん・・・?///」ウルウル

 

(手の甲に)ちゅ・・・

 

八幡(どうだ!?)

 

陽乃「八幡・・・///」

 

(陽乃、八幡がキスした所を)ちゅ♪

 

八幡「んな?!///」

 

陽乃「これで、間接キスだね♪」ニコニコ

 

八幡「・・・///」プイ

 

八幡(陽乃さんには、勝てなかったよ・・・)

 

陽乃(お姉さんに勝とうなんて、百年早いんだから♪)

 

八幡(脳内にまで侵食! ペインブロック不能!)トオイメ

 

運転手「もうすぐ駅に着きます」

 

陽乃「わかったわ。 八幡、行くよ♪」ニコリ

 

 

~電車内~

 

陽乃「今日は温泉入りに行くよ♪」

 

八幡「温泉ですか・・・」

 

陽乃「八幡と温泉入りたかったからね♪」ニコ

 

八幡「なんか、陽乃さんらしくないチョイスですね?」

 

陽乃「そう? 私、結構温泉とか好きだよ?」ニコニコ

 

八幡「そうすか・・・」

 

陽乃「せっかく八幡がデートしてくれるんだし良いでしょ?」ニコニコ

 

八幡「まぁ、別にいいですけど・・・」

 

 

~某 温泉地~

 

八幡「・・・やっと着いた」

 

陽乃「さ、ホテルにチェックインしちゃお♪」ニコニコ

 

八幡「そうっすね、そうしましょう」

 

陽乃「部屋についたら、早速温泉に入るからね♪」ニヤリ

 

 

続く

陽乃「ちょっとだけ肩、貸してて・・・」 八幡「・・・はい」2/2【俺ガイルss/アニメss】 - アニメssリーディングパーク

 

 

 

 

 

 

八幡×陽乃

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