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陽乃「ちょっとだけ肩、貸してて・・・」 八幡「・・・はい」2/2【俺ガイルss/アニメss】

 

~ホテル 受付~

 

テルマン「予約された雪ノ下様ですね。 ご案内致します」

 

八幡(・・・なんか、豪勢なホテルだな)キョロキョロ

 

陽乃「八幡、行くよ?」ニコニコ

 

テルマン「こちらになります」

 

八幡「すげぇ・・・」

 

陽乃「だねー」ニコニコ

 

テルマン「それでは、失礼致します。 何かありましたらフロントまでご連絡ください」

 

陽乃「はーい」

 

八幡「・・・」ボー

 

陽乃「八幡、大丈夫?」

 

八幡「・・・うす」

 

陽乃「じゃあ、温泉行こっか」ニコニコ

 

八幡「あ、はい。温泉はどこにあるんですかね?」

 

陽乃「ふふふ。 実は・・・ここです!」ガラガラ

 

八幡「・・・部屋に露天風呂が付いてるとか、どんだけだよ」

 

陽乃「だから、八幡。 一緒に入るよ♪」ニコリ

 

八幡「・・・は?」

 

陽乃「一緒に入るよ♪」ニコニコ

 

八幡「・・・いや、それはダメでしょ?」

 

陽乃「なんでかな?」ニヤニヤ

 

八幡「ルールに抵触します」

 

陽乃「誘惑禁止ってやつ?」ニヤニヤ

 

八幡「わかってるなら、自重してくださいよ・・・」

 

陽乃「私は誘惑してるつもりはないよ?」ニヤニヤ

 

八幡「陽乃さんにはなくても、俺から見たらあるんです」キッパリ

 

陽乃「それは、八幡にやましい気持ちがあるからじゃない?」ニヤニヤ

 

八幡「な?!///」カァ

 

陽乃「私は構わないよ?///」ニコリ

 

八幡「えぇ?!///」

 

陽乃「ふふっ。 さ、一緒に入るよ♪」ニコリ

 

八幡「いや、でも・・・///」オロオロ

 

陽乃「八幡・・・」ギュ

 

八幡(・・・近い近い近い! 相変わらずいい匂い)

 

八幡「・・・陽乃さん?」

 

陽乃「八幡、私だって緊張してるのわかる?///」バクバク

 

八幡「・・・はい///」ドキドキ

 

陽乃「なら、逃げないでほしいな///」ギュ

 

八幡「・・・わかり、ました///」

 

陽乃「じゃあ、八幡。 先に入っててくれるかな?///」ニコリ

 

 

~露天風呂~

 

カポーン

 

八幡(・・・陽乃さんでも、緊張するんだな)

 

八幡(それもそうか。 緊張しない人間なんていないだろ)

 

ガラガラ

 

八幡(・・・それにしても温泉っていいもんだな。 すごく温まる)

 

チャプ・・・

 

八幡(こりゃ、陽乃さんに感謝だな・・・♪)

 

キュ・・・

 

八幡「ふぇ?!」

 

陽乃「ふふふ、お待たせ///」ニコニコ

 

八幡(タオル一枚しか身に付けていない陽乃さんは、とても扇情的でありつつも美しく。 ものすごく印象的ながら、触れてしまったら壊れてしまいそうなほど儚げで。 本当にキレイだ・・・)

 

八幡「・・・本当にキレイだ」

 

陽乃「・・・そんなに見つめられたら恥ずかしいな///」

 

八幡「! すいません!」クルッ

 

陽乃「八幡・・・」ギュ

 

八幡(陽乃さん、鼓動が凄い・・・)

 

陽乃「・・・こっちむいてよ///」

 

八幡「・・・はい///」

 

陽乃「ふふっ、やっぱり恥ずかしいね///」ニコリ

 

八幡「・・・そうですね///」プイ

 

陽乃「・・・八幡、そっぽ向かないでよ」プクー

 

八幡「目のやり場に困るんですよ・・・///」

 

八幡(陽乃さんがキレイすぎて、大八幡がいつ現れてもおかしくないんですから)

 

陽乃「八幡。 私を見て・・・」

 

八幡「は、るのさん・・・?」

 

陽乃「・・・」ギュ・・・

 

陽乃「私をこんな気持ちにするなんて、八幡はホントに悪い子だよね・・・」

 

八幡「陽乃さん?」

 

陽乃「私ね、今まで、欲しい物は全部私の物にしてきたの。 でもね、八幡は違う」

 

八幡「・・・」

 

陽乃「私を八幡の物にしてほしい。 八幡の側に置いて欲しい。 八幡に選んで欲しい。 八幡に愛されたい」

 

陽乃「八幡の側なら、私は私に戻れるの」ニコリ

 

陽乃「今まで忘れていた、どうやっても戻れなかった自分自身に戻れるの。 最初は嫌だった。 強い自分を弱くする八幡を認めたくなかった」ウルウル

 

八幡「・・・はい」

 

陽乃「でもね、そのうちに八幡に惹かれる雪乃ちゃんとガハマちゃんを見て、『どうして気楽に、自然な気持ちで八幡と繋がれるんだろう』って考えてる私がいることに気付いたんだ」ポロポロ

 

陽乃「それでね、そんな自分に気付いたら・・・。 もう、自分を止められなかった・・・!」グスン

 

陽乃「八幡は、弱い私でも受け止めてくれるって気付いたから・・・。私は・・・」ヒック

 

陽乃「私は、八幡に私を選んで欲しいって。 雪乃ちゃん達じゃなく、雪ノ下陽乃を愛して欲しいって気持ちを抑えられなかった」ポロポロ

 

陽乃「八幡さえいれば、どんなことでも頑張れるって思うの。 だから・・・っ」ポロポロ

 

ナデナデ

 

陽乃「・・・はち、まん?」グスン

 

八幡「とりあえず、泣き止んでください。 陽乃さんは、どんな表情も魅力的ですけど、俺は陽乃さんの笑顔が大好きですから///」プイ

 

陽乃「・・・うんっ!///」ニコッ

 

・・・・・

 

陽乃「はー、久しぶりに泣いた泣いた!」アハハ

 

八幡「泣いてる陽乃さんも可愛かったですよ?」ニヤニヤ

 

陽乃「もー! あんまりお姉さんをいじめないでほしいなー」プクー

 

八幡「くくっ・・・。 はい、気を付けます」ニコニコ

 

陽乃「八幡。 私はいつまでも待ってるから♪」ニコッ

 

八幡「なるべく早めに結論出しますよ」

 

陽乃「・・・ん。 期待してる///」

 

八幡「・・・はい///」

 

陽乃「・・・私、先にあがるね?」バシャ・・・ ガラガラ

 

八幡「・・・ふぅ」

 

八幡(俺の中で、答えは出た・・・。 後は伝えるだけだ。 今回はみんな、真正面からぶつかって来てくれたんだ。 だから、俺も正々堂々と答えを伝える)キリッ

 

八幡「・・・出るか」パシャ・・・ ガラガラ

 

バサァ キュ

 

八幡(浴衣とかテンションあがるよな♪)ニコニコ

 

陽乃「おかえり♪」

 

八幡(ヤバい。 浴衣姿の陽乃さん、可愛い・・・。 いつもの凛とした雰囲気が丸くなって、少し幼さが出たのかな? 可愛い・・・)

 

八幡「可愛い・・・」ポー

 

陽乃「ふふっ、ありがと♪」

 

八幡「・・・っす///」プイ

 

陽乃「八幡、飲み物ほしくない? 夕食までまだまだあるし、お菓子とかも買いにいこうよ?」ニコニコ

 

八幡「そうですね、行きましょう」ニコニコ

 

 

売店

 

陽乃「あ、お土産も買っちゃおっか。 明日は朝一で帰る予定だし」

 

八幡「朝一ですか・・・」

 

陽乃「うん。 私は月曜日の講義が午後からだからゆっくりしても平気だけど。 八幡は普通に学校でしょ?」ニコッ

 

八幡「・・・ですね」

 

陽乃「だから、帰れなきゃ大変だから朝一で帰ろうと思って♪」ニコニコ

 

八幡(もっと陽乃さんとゆっくりしたかったな・・・)

 

陽乃「・・・どうしたの?」

 

八幡「・・・陽乃さん、また来ましょうね///」プイ

 

陽乃「・・・え? え、八幡、それって・・・///」

 

八幡「・・・あ、この饅頭、小町に買ってくか」

 

陽乃「・・・八幡の意地悪」プクー

 

八幡「え、なんだって?」キョトン

 

八幡(秘技・難聴! これをされたら『・・・っ! 何でもない!』と言わざるを得ないという・・・。 小鷹、使わせてもらう)

 

陽乃「・・・何でもない。 って言って欲しいのかな? でも、だめ」ニコニコ ギュ・・・

 

陽乃「意地悪するなら、こうしちゃうんだから♪」ペロッ

 

八幡「ひっ?!」ビクン

 

八幡(耳、舐められた・・・。 くすぐったい)

 

陽乃「・・・さ、早く買って、部屋に戻ろ?」ニコッ

 

八幡「はい・・・」

 

・・・・・

 

陽乃「じゃあ、順番が逆になっちゃったけど・・・このデートに乾杯!」

 

八幡「・・・乾杯」

 

陽乃「いやぁ、やっと私の番になったんだね♪」ニコニコ

 

八幡「そうですね」

 

陽乃「待ち遠しかったよ、ホントに」

 

八幡「そうですか?」

 

陽乃「八幡は、毎週デートしてたから、そんなことないかもねー。 でも、私は今か今かと首を長くして待ってたよ♪」ニコッ

 

八幡「・・・っ///」プイ

 

陽乃「八幡、こっちむいて」プクー

 

八幡「・・・なんか、恥ずかしいんで///」

 

陽乃「ふーん・・・。 お願い聞いてくれないなら、こうするもんね♪」ニヤリ

 

スッ カタン

 

八幡「・・・飲み物取られるくらい、平気ですけどね」

 

陽乃「・・・」

 

スッ ギュ バタン

 

八幡「・・・陽乃さん、押し倒さないでくださいよ。 ・・・ビックリしたじゃないですか」ドキドキ

 

陽乃「・・・さっきの続き、しちゃおうかなって♪」ニヤニヤ

 

八幡(あ、コレ、マズイ・・・。 あ、手も足も動かねえ!)ジタバタ

 

陽乃「ふふっ・・・いただきます♪」

 

ペロッ

 

八幡「・・・くふっ」

 

カプ

 

八幡「あ・・・」

 

ツー

八幡「はる・・・くっ、の、さん///」

 

陽乃「なぁに、八幡?」ニヤニヤ

 

八幡「もう、やめてください・・・///」

 

陽乃「えー、八幡が意地悪してきたから仕返ししてるだけだもん♪」ニヨニヨ

 

八幡「意地悪なんて・・・」

 

陽乃「したでしょ? 私のこと、見てくれないし。 売店でもいじめてきたし」

 

八幡「あれは、様式美と言いますか・・・」

 

陽乃「ふふっ、まあ冗談は終わりにして・・・」

 

ギュ

 

陽乃「少し、このままで良いかな?」

 

八幡「・・・はい///」

 

・・・・・

 

八幡(夕食を食べて少しゆっくりした後、陽乃さんは疲れていたのか、そのまま寝てしまった)

 

カポーン

 

八幡(俺はというと、温泉に浸かってのんびりしている)

 

八幡(やっぱり温泉はいいな・・・)

 

八幡「温かい・・・」チャプ・・・

 

八幡(陽乃さんには、本当に感謝だな・・・)

 

八幡「陽乃さん、か・・・」

 

八幡(俺は陽乃さんを大切にしたい。 ただ、贅沢な事を言うなら雪乃も結衣も失いたくない)

 

八幡(結衣も不安だが、雪乃と友達にはなれないだろうか・・・)

 

八幡(彼女には、友達になろうとして2回提案し、2回とも断られている。 結衣も自分をふった相手と友達として付き合えるんだろうか?)ハァ・・・

 

八幡「・・・まぁ、自分で決断した結果だもんな」

 

陽乃「・・・八幡?」ガラガラ

 

八幡「あ、起きたんですね。 陽乃さん、温泉入ります? なら、上がりますけど」

 

陽乃「・・・さっきも入ったんだし、一緒に入ろうよ///」パサ・・・ チャプン

 

八幡「・・・///」プイ

 

八幡(やっぱり、陽乃さんってキレイだな・・・)チラ

 

陽乃「やっぱり、温泉っていいね♪」

 

八幡「そうですね・・・」

 

陽乃「でも、今回は八幡と一緒に来れたから。 心から温かいよ///」ニコッ

 

八幡「・・・俺もです///」

 

八幡(その後、長めに温泉に入ってから陽乃さんと同じ布団で寝ることになった。 ・・・陽乃さんに押し切られたからだから! 俺からじゃないから!)

 

陽乃「八幡。 私、幸せ・・・」ウトウト

 

八幡「・・・はい///」

 

陽乃「この幸せが一生続けばいいのに・・・」ギュ

 

八幡「陽乃さん・・・」

 

陽乃「おやすみ、八幡・・・」ニコッ

 

八幡(翌朝、陽乃さんに起こされ、最後に二人で朝風呂に入り、電車を乗り継ぎ、昼過ぎに千葉に帰ってきた)

 

~車内~

 

ブロロロッ

 

陽乃「デート、お疲れ様♪」

 

八幡「そんなことないです。 楽しかったですよ。 ありがとうございました」ペコリ

 

陽乃「八幡が楽しんでくれたなら良かった♪」

 

八幡「・・・陽乃さん。 来週の土曜日、時間ありますか?」

 

陽乃「大丈夫だと思うけど?」キョトン

 

八幡「雪乃と結衣も呼んで、俺の出した結論を聞いてもらおうかと思うんです」

 

陽乃「・・・もう、結論出しちゃったんだ?」

 

八幡「はい」

 

陽乃「・・・わかった。 じゃあ、正式に決まったら連絡して」ニコッ

 

八幡「はい。 また、連絡します」

 

キキッ

 

陽乃「じゃあ、またね♪」

 

八幡「ありがとうございました。 また・・・」

 

・・・・・

 

八幡「たでーま」

 

小町「おかえり、お兄ちゃん♪」

 

八幡「おう」

 

小町「どうだったの?」ニヨニヨ

 

八幡「楽しかったよ。 はい、お土産」スッ

 

ガタン・・・

 

小町「たのし・・・かった?」

 

八幡「おい、お土産落とすなよ・・・」

 

小町「・・・もう、結果出たの?」

 

八幡「ああ」

 

小町「そっか、頑張ってね♪」ニコリ

 

八幡「ありがとう、小町。 ホントに助けられちまったな」ナデナデ

 

小町「ううん。 ホントに感謝してるなら、早くお義姉ちゃん連れてきてね♪」ニヨニヨ

 

八幡「おう」

 

八幡(曖昧な関係を、終わりにする。 そして、本物の関係を築こう・・・)

 

八幡(そう、決心したのだった)

 

【十章 終了】

 

 

 

【最終章】

 

~比企谷家 八幡の部屋~

 

八幡(陽乃さんとの温泉デートから、一週間)

 

雪乃「・・・」

 

結衣「・・・」

 

陽乃「・・・」

 

小町「それでは! 小町も気になるお兄ちゃんの彼女は誰だ!? 大発表会を始めたいと思います!」ニヤニヤ

 

八幡「・・・おい」ジトー

 

小町「ん? どうしたの、お兄ちゃん?」

 

八幡「小町は出てなさい」

 

小町「えー?」

 

八幡「とにかく出てくれ・・・」ペコリ

 

小町「・・・わかったよ」

 

ガチャ バタン

 

八幡「・・・今日は来てくれてありがとう。 今まで待たせてゴメン。 皆と一回ずつデート・・・結衣は看病だったけど、行動を共にして、俺が誰と一緒にいたいかを考えたんだ」

 

八幡「雪乃」

 

雪乃「・・・はい」

 

八幡「雪乃には、手作りの料理をご馳走になったりして嬉しかった。 今までの雪乃とは違って、常に俺を大切にしてくれてる事がわかって幸せだと思った」

 

八幡「結衣」

 

結衣「・・・うん」

 

八幡「結衣はデートじゃなく、看病になったけど・・・。 普段とは違う結衣が見れて新鮮だった。 それに、俺の行動が結衣に寂しい思いをさせてたって分かった。 ゴメンな」

 

八幡「陽乃さん」

 

陽乃「・・・」ニコリ

 

八幡「陽乃さんとは温泉に行ってきたけど、陽乃さんの本心・・・てか、ストレートな気持ちを知れた。 驚いたけど、嬉しかった」

 

八幡「みんな、凄く魅力的で・・・。なんで俺なんかに惹かれてるのか分からないくらい凄い人達で・・・。 それでも、俺と一緒にいたいって言ってくれたから・・・。 真正面から気持ちを伝えてくれたから・・・」

 

八幡「俺も正々堂々と、自分の気持ちを伝えようと思う」

 

雪乃「・・・はい」

 

結衣「・・・そっか」

 

陽乃「・・・うん」

 

八幡「雪乃。 結衣。 ・・・ごめん。 二人の気持ちには応えられない」

 

雪乃「・・・そう」ポロポロ

 

結衣「・・・っ」ポロポロ

 

八幡「二人の気持ちは本当に嬉しかったし、感謝もしてる。 好きだけど、それ以上に好きな人がいるって気付いたんだ。 だから、ゴメン」

 

雪乃「・・・っ」ポロポロ

 

結衣「・・・ヒッキー」ポロポロ

 

八幡「陽乃さん。 こんな俺でよければ・・・これからも側にいてください」ペコリ

 

陽乃「・・・私で良かったの?」ポロポロ

 

八幡「はい」

 

陽乃「私、二人よりも八幡を知らないよ?」ポロポロ

 

八幡「これから、知ってください。 俺にも陽乃さんの事、教えてください」

 

陽乃「私、我が儘だよ?」ポロポロ

 

八幡「そんなところも、受け止めてみせます」

 

陽乃「私、結構嫉妬深いよ?」グスン

 

八幡「嫉妬なんてさせないくらい愛情を注ぎます」

 

陽乃「私、わた・・・」

 

ギュ

 

八幡「今の陽乃さんも、過去の陽乃さんも、未来の陽乃さんも・・・。 すべて愛してみせますから。 だから、僕には本当の笑顔を見せてください」ニコッ

 

陽乃「はち、まん・・・っ!」ギュ

 

雪乃「私達の事を忘れないで欲しいのだけれど?」グスン

 

結衣「・・・ヒッキー」ウルウル

 

八幡「あ、悪い・・・///」

 

結衣「うぅ・・・。 あたしもヒッキーにアレ言って貰いたかったな・・・」ジトー

 

雪乃「奇遇ね、由比ヶ浜さん。 私も心を込めて愛を囁いて欲しいわ」ニコリ

 

陽乃「・・・八幡は私の彼氏だから、ダメ」ギュ

 

八幡「陽乃さん・・・」

 

雪乃「ねぇ八幡。 ソロレート婚って知ってる?」ニコッ

 

陽乃「雪乃ちゃん?!」

 

雪乃「八幡、言ったでしょ? 私はあなたを諦めない。 誰か別の人を選んでも、振り向かせればいい。 だから、今はダメでもいい。 義兄でもいい。 最後に私を選んでくれれば構わないわ」ニコリ

 

結衣「・・・あたしも! 今はヒッキーしか考えられない! 別のいい人が見つかるまではヒッキーを好きでいるからね?」ニコッ

 

陽乃「・・・八幡。 私、浮気は許さないよ?」プクー

 

八幡「・・・え? 俺が悪いの?」

 

 

~ドア越し~

 

小町「やっぱり、お兄ちゃんの青春ラブコメは間違っている、だね♪」

 

ハチマン! ヒッキー! ハチマン!

 

【最終章 終了】

 

 

~番外篇~

あの子は太陽のkomachi angel !!

 

八幡「あっちぃ・・・」デローン

 

ミーンミン・・・

 

八幡(梅雨が終わってから、急に暑くなったな・・・)

 

ガチャ

 

八幡「たでーま・・・」

 

小町「あ、おかえりお兄ちゃん!」

 

八幡「なんか、元気だな?」

 

小町「お兄ちゃんにお願いがあります!」

 

八幡「・・・なんだ?」

 

小町「小町と一緒にプールに行きましょう!」ビシィ!

 

八幡(プールか・・・。 移動は嫌だが、泳げば涼しくなるだろうし、何より、小町ほど可愛い女の子なら、ナンパも怖い・・・)

 

八幡「・・・おう、良いぞ?」

 

小町「じゃあ、今週の日曜日ね♪」ニコニコ

 

 

~日曜日~

 

プールサイド 更衣室前

 

八幡「やっぱ、人多いな・・・」

 

小町「お兄ちゃん、お待たせ~♪」

 

八幡(小町はこの日の為に買ったおニューの水着を着ていた。 フリフリの付いた黄色いビキニは、小町にとても良く似合っていて・・・。 直視することが憚られた)

 

小町「どうかな、お兄ちゃん?」ニコニコ

 

八幡「あー、世界一可愛いよ」

 

小町「・・・適当だなぁ」ジトー

 

八幡(素っ気なく返さなきゃ、本心を隠さなきゃ、気持ち悪いお兄ちゃんになっちまうからな。 許せ小町。 また今度だ)

 

八幡「じゃ、行くか。 どっから行く?」

 

小町「小町、二人乗りのウォータースライダー行きたい!」

 

~ウォータースライダー~

 

係員「彼女さんが前の方が良いですよ」ニコッ

 

小町「! だってさ、は・ち・ま・んっ」ニヤニヤ

 

八幡「・・・おい小町。 言いたいことはあるが、とりあえず滑るぞ」ジトー

 

シャー

 

八幡(これ、意外と早いぞ?!)

 

小町「キャー! 早い早い!」アハハ

 

バッシャーン・・・

 

小町「いやぁ、楽しかった!」ニコニコ

 

八幡「・・・そだな」

 

小町「じゃ、次行こっか八幡♪」

 

八幡「小町・・・」ジトー

 

小町「今日はお兄ちゃんではなく、小町の彼氏として行動してもらいます!」ニヨニヨ

 

八幡「はぁ・・・。 とりあえず、遊ぶぞ」

 

小町「おー!」ニコニコ

 

八幡(たくさん遊んだせいか、お昼前にお腹がすいた俺達はプールサイドに用意されているフードコートで食事をすることにした)

 

八幡「お、この席あいてるな・・・」

 

小町「ラッキー♪」

 

八幡「小町は何が良い? 買ってくるぞ?」

 

小町「あ、じゃあカレーとメロンソーダ!」ニコニコ

 

八幡「あいよ」

 

・・・・・

 

店員「いらっしゃいませ」ニコッ

 

八幡「カレーと焼きそば、メロンソーダにコーラください」

 

店員「かしこまりました。 すぐお出ししますね」

 

店員「お待たせいたしました」スッ

 

八幡「・・・っす」ヒョイ

 

店員「ありがとうございました」

 

・・・・・

 

八幡(あれ? 小町、誰かと話してるな)

 

チャラ男1「ねー、イーじゃんよ? 俺達と一緒に回ろうぜぇ?」ニヤニヤ

 

チャラ男2「そうだよ、暇だろ?」ニヤニヤ

 

小町「いや、彼氏と来てるので・・・」

 

チャラ男1「じゃあ、彼氏なんてほっとこうよ」ギュ

 

小町「嫌!」

 

八幡「小町!」

 

チャラ男2「あ? なに、コイツが彼氏?」プッ

 

チャラ男1「こんなやつより俺達の方が良くね?」ギャハハ

 

八幡「・・・女の子が嫌がってるのに、無理矢理連れていこうとする奴らよりはまともだよ」キッ

 

チャラ男1「は、なめてんの?」イラッ

 

八幡「そっちこそ、さっさと離せよ?」

 

チャラ男2「生意気じゃね?」

 

八幡「小町、コイツら話通じないから行こう」ギュ

 

小町「う、うん!」ダッ

 

チャラ男1「おい、待てよ」

 

八幡「はぁ・・・小町、これ持っててくれ」スッ

 

小町「八幡・・・」

 

八幡「しつこい男は嫌われるぞ?」

 

チャラ男2「てめえ!」ガン!

 

八幡「っ!」

 

小町「八幡っ!」

 

キャー! ケンカダ! カカリインヲ!

 

チャラ男1「口だけ野郎かよ!」ゲシッ!

 

八幡「ぐっ・・・」

 

チャラ男1「は! ダセエ野郎だぜ! 口だけ達者でも何も出来ねえクズだ!」ギャハハ

 

警備員「おい! お前たち、こっちに来い!」ガシッ

 

チャラ男1「おい! 離せよジジイ!」ジタバタ

 

チャラ男2「ふざけてんじゃねえよ!」ジタバタ

 

警備員「大丈夫ですか?」

 

小町「八幡、大丈夫?!」

 

八幡「平気・・・」ヨロッ

 

警備員「とりあえず、医務室行きましょう?」

 

~医務室~

 

八幡「ご迷惑おかけしました」ペコリ

 

警備員「いえ、貴方は悪くないですよ。 まぁ、彼女さんを守るためでしたから。 でも、煽ってしまうのは危険ですから」キッパリ

 

八幡「・・・すいません」

 

ガガッ ハイ ワカリマシタ

 

警備員「すいません、今警察の方が来たようなので、一緒に来ていただけますか?」

 

八幡「・・・はい」

 

コチラデス ガチャ

 

警官「やぁ、大丈夫だったかい?」ニコリ

 

八幡「はい」

 

警官「なんでも、彼女をナンパから守るために殴られたそうだね」

 

小町「あの・・・」

 

八幡「はい、すいません」

 

警官「いや、手を出してしまった方が悪い。 傷害罪で連れてくから君の連絡先を教えて貰っても?」

 

八幡「・・・どうぞ」スッ

 

警官「ありがとう。 特にないとは思うが、何かあったら連絡させてもらうよ」

 

ガチャ・・・バタン

 

小町「・・・ゴメンね、お兄ちゃん」

 

八幡「謝らなくていい。 ・・・カレー、

冷めちまったな」

 

小町「うん・・・」

 

八幡「小町」ギュ

 

小町「お、お兄ちゃん?!///」

 

八幡「良かった・・・」ギュー

 

小町「・・・うん///」ダキッ

 

八幡「今日は、帰ろう」

 

小町「うん///」

 

~比企谷家~

八幡の部屋

 

カチャ・・・

 

小町「お兄ちゃん?」

 

八幡「zzz」クー

 

小町「お兄ちゃん、今日はほんとにありがとう・・・」ニコッ

 

小町「これは、お礼だよ・・・」

 

ちゅ・・・

 

小町「・・・おやすみ///」

 

カチャ・・・

 

八幡「・・・」パチッ

 

八幡「・・・怪我の分を差し引いても、お釣りが出るな///」

 

八幡(俺の妹は世界一可愛い・・・)

 

八幡「あの子は太陽の小町、angel・・・♪」

 

~番外編~ 終了

 

 

~IF篇~

雪ノ下 雪乃の場合 スノースマイル

 

~雪乃の部屋~

 

ガチャ

 

雪乃(行ってしまったのね・・・)

 

雪乃「・・・」スッ

 

雪乃(彼の唇の感触が、私の唇にまだはっきりと残っている・・・)ポー

 

雪乃(私を選んで・・・。 八幡)ポロポロ

 

八幡(雪乃の唇、優しくて甘い香りがしたな・・・)

 

八幡(雪乃とデートしてみて、俺達は似ていると感じてしまった。 一人は好きだが独りは嫌いで・・・。 それでいて偽物の、上辺だけの付き合いは、独りでいることよりも、もっと嫌い)

 

八幡(雪乃と二人なら、寂しくない。 お互いに支えあって生きていける。 そんな気がする)

 

八幡「雪乃・・・」

 

 

~翌日(月曜日)~

奉仕部 部室

 

ガラガラッ

 

八幡「・・・うす」

 

雪乃「こんにちは、八幡」ニコッ

 

八幡「・・・由比ヶ浜はいないのか?」

 

雪乃「今日は来ないそうよ?」ペラッ

 

八幡「そうか。 ・・・雪乃」

 

雪乃「なにかしら?」ペラッ

 

八幡「俺、お前の家に一緒に住んでも良いか?」

 

バサッ・・・

 

八幡「・・・雪乃?」キョトン

 

雪乃「それは、つまり・・・同棲させてほしいということかしら?」ヒョイ

 

八幡「ああ」

 

雪乃「・・・それは、告白の答えとして受け取って構わないのかしら?」キョトン

 

八幡「ああ、そうだ」

 

雪乃「私は構わないわ。 けれど、貴方は由比ヶ浜さんと、姉さん、二人とデートに行く予定があるはずよ?」

 

雪乃「その予定を遂行する前に、結論を出す事は、約束を破ることになるわ」

 

八幡「・・・」

 

雪乃「だから、八幡。 ちゃんと、二人とデートしなさい。 それから結論を出して。 ・・・その時、また私を選んでくれるのであれば私と一緒に暮らしましょう?」ニコッ

 

八幡「そうだな・・・。 スマン。 ありがとな」ペコリ

 

雪乃「ふふっ。 私も、貴方に選んでもらえる可能性が高いと分かって、少し安心したことも事実だから、お互い様かしら」ニコニコ

 

八幡「・・・///」プイ

 

雪乃「八幡がうちで暮らす日を楽しみに待っているわ」ニコニコ

 

八幡「・・・おう///」プイ

 

 

~2週間後~

 

八幡「・・・俺は雪乃と付き合いたい」

 

陽乃「あは・・・フラれちゃった」ポロポロ

 

結衣「・・・おめでとう、ゆきのん」グスン

 

八幡「陽乃さん。 結衣。 二人の事が嫌いな訳じゃないんだ。 ただ、俺が雪乃と一緒にいたくて・・・。 だから、これからも俺と雪乃を支えてほしい」ペコリ

 

雪乃「私からもお願いするわ」ペコリ

 

陽乃「・・・うん。 雪乃ちゃんと八幡の為だもの。」ニコッ

 

陽乃「・・・・・・それに、八幡を取っちゃえば良いんだし」ボソッ

 

八幡「・・・陽乃さん、聞こえてますからね?」ジトー

 

結衣「もちろんだよ! ゆきのんは、あたしの親友だもん!」ニコッ

 

雪乃「ありがとう、由比ヶ浜さん・・・」ウルウル

 

 

~雪乃の部屋~

 

八幡(それから数日後、俺は雪乃と一緒に生活を始めることになった・・・)

 

八幡「おはよう、雪乃」ナデナデ

 

雪乃「おはよう・・・」ボー

 

八幡「トースト焼いてあるから食べてくれ。 二度寝して学校サボるわけにはいかないだろ?」

 

雪乃「・・・」コクン

 

雪乃「あ、八幡・・・。 お目覚めの・・・」

 

ちゅ・・・

 

八幡「・・・?! 急にやるなよ、びっくりするだろ?///」プイ

 

雪乃「ふふっ、朝食食べてくるわ」

 

八幡(今は、毎日が充実してる。 雪乃と一緒に暮らして、心からそう思える)

 

八幡「・・・今日は、どの本を勧めてみるかな?」

 

八幡(最近始めた放課後デートでは、書店に行き、自分の読んだ作品の中でも面白かったものや、好きな作者を互いに紹介しあう、なんてものをやっている)

 

雪乃「・・・そういえば八幡。 この間勧めてもらった作品・・・確か、Anotherだったかしら?」

 

八幡「おう」

 

雪乃「少し怖かったけれど、面白かったわ」ニコッ

 

八幡「・・・そうか///」

 

八幡(こうやって、雪乃と共有できる話題が少しずつ増えて・・・)

 

八幡「あれな、実はアニメもあるんだぜ?」

 

八幡(今まで知らなかったお互いを知って・・・)

 

雪乃「・・・アニメだと、かなり衝撃的な映像にならないかしら?」

 

八幡(話をすることが少なかった俺達が、楽しく会話する・・・)

 

八幡「気になるなら観てみるか?」

 

八幡(すごく幸せな時間・・・)

 

雪乃「・・・八幡が隣にいてくれるのなら、観てあげても良いわ///」キュ・・・

 

八幡「・・・おう///」プイ

 

八幡(会話する時間も、何も話さずに二人で本を読む時間も、料理する時も、寝るときも・・・)

 

雪乃「八幡、行きましょう?」ニコリ

 

八幡(俺は雪乃と過ごせれば幸せだ)

 

八幡「おう」

 

八幡(だから、この幸せが終わらないように、大切にしよう・・・)

 

雪乃「八幡は、何か読みたいジャンルがあるかしら?」キョトン

 

八幡「いや、特にはないな」

 

八幡(雪乃の幸せそうな笑顔を、守っていこう・・・)

 

雪乃「そう。 では、純文学にしましょう」

 

八幡「・・・別に構わないけどよ」ジトー

 

八幡(この、触れたら溶けてしまいそうな雪乃の笑顔が無くならないように・・・)

 

雪乃「ふふっ、ちゃんとオススメを放課後までに考えておくわ」ニコッ

 

八幡「サンキューな、雪乃」

 

八幡(雪乃篇、終わ・・・)

 

雪乃(こんな所で終わらせるつもりはないのだけれど?)プクー

 

~IF篇~

雪ノ下 雪乃の場合 終了?

 

 

~IF篇~

由比ヶ浜 結衣の場合

結衣の部屋 朝7時頃

 

八幡(失敗した・・・!)

 

コンコン

 

結衣 父『結衣、大丈夫か?』

 

結衣「大丈夫だよ、パパ」

 

八幡(看病してたら寝落ちしてた・・・。 鍵の開く音で起きたわけだが、こりゃ、帰れないな)

 

結衣 父『熱は下がったのか?』

 

結衣「今は7度5分くらい」

 

結衣 父『何かあったらすぐ言いなさい? パパもママも下にいるからな?』

 

結衣「はーい」

 

八幡「・・・行ったか?」スッ

 

結衣「パパ、あたしの部屋には入ってこないから平気だよ」ニコニコ

 

八幡「それはラッキーだったが・・・」

 

コンコン

 

八幡「!」

 

結衣「ヒッキー! ここに入って!」

 

八幡「おう!」バサッ

 

結衣 母「結衣、平気?」ガチャ

 

結衣「平気平気!」アハハ モゾ

 

結衣 母「・・・? ずいぶんと布団が膨らんでない?」

 

結衣「あー、寒くて毛布引っ張り出したんだー」ダラダラ

 

八幡(ヤバい! こんなところ見られたら、社会的に抹殺される・・・)

 

結衣 母「そう・・・。 あ、それより結衣! あなた料理の腕、上がったの?」

 

結衣「え? なんで?」キョトン

 

結衣 母「だって、冷蔵庫の中身が減ってると思ったら鍋の中に雑炊の残りが入ってて・・・」

 

八幡(やっちまった! ちゃんと全部片付けたと思ったんだが・・・!)ダラダラ

 

結衣 母「食べてみたら、時間が経っちゃっててお米がふやけてたけど、味付けは美味しかったのよ」ニコニコ

 

結衣「あー、ぼーっとしてたから普通にレシピ通り作ったの・・・かな?」ダラダラ

 

結衣 母「ふーん・・・」

 

結衣「な、なに?」ダラダラ

 

結衣 母「ねぇ結衣。 パパもママも、結衣が高校に入ってから髪の毛を染めたり、派手なお友達と遊び始めたりしても怒らなかったでしょ?」

 

結衣「・・・うん」

 

結衣 母「それはね、結衣を信用してるからなのよ?」

 

結衣「・・・」

 

結衣 母「でも、親に・・・私達に嘘をつく必要があるような関係は、私は本物の友人関係だと思わないわ」

 

結衣「・・・はい」

 

結衣 母「今度、雑炊を作ってくれた子を連れてきなさい。 ・・・なんなら、今すぐでも構わないのよ?」ニコニコ チラッ

 

結衣「・・・うん。 今度学校で会ったら伝えとくね」

 

ガチャ バタン

 

八幡「・・・悪い、結衣」バサッ

 

結衣「い、いいよいいよ! ヒッキーは看病してくれてただけじゃん!」アワアワ

 

八幡「いや、俺がしっかり後片付けしてれば、怒られる必要なかっただろ?」

 

結衣「あぅ・・・」

 

八幡「それに、結果として母娘の会話を盗み聞きしちまった・・・。 スマン」ペコリ

 

結衣「・・・別に、いいよ。 気にしないで」アハハ

 

バンッ!

 

結衣 母「やっぱり!」

 

八幡「うぇ?!」ビクッ

 

結衣「ママ?!」ビクッ

 

結衣 母「やっぱり隠れてたのね♪ ・・・男の子かぁ」ニヨニヨ

 

八幡「あ、あの・・・」オロオロ

 

結衣 母「おはよう♪ 娘がお世話になってます。 結衣の母です」ペコリ

 

八幡「あ、比企谷です。 こちらこそ結衣さんにはお世話になりっぱなしで・・・」ペコリ

 

結衣 母「・・・で、比企谷くんは、結衣の彼氏なの?」ニヨニヨ

 

八幡「ぶっ?!」

 

結衣「ママ!」プクー

 

結衣 母「別に隠すような事じゃないでしょ?」ニコリ

 

八幡「・・・あの、俺と結衣さんはそういう関係ではなくて、部活が同じ・・・友人です」

 

結衣 母「あら? じゃあ、あなたがヒッキー?」キョトン

 

グルン

 

八幡「・・・おい」ジトー

 

結衣「・・・」プイ

 

結衣 母「この子がヒッキーか・・・。 結衣から君の話は良く聞いてるわ♪」

 

八幡「はぁ・・・」

 

結衣 母「結衣ったら、ボランティア部? に入ってからあなたの話しかしないのよ?」ニヨニヨ

 

キャンキャン!

 

結衣 母「あら、サブレ。 どうしたの?」キョトン

 

キャンキャン! ピューン ドン

 

八幡「おぶっ!」

 

ペロペロペロペロペロペロペロペロ!

 

八幡「やめろ、サブレ!」

 

結衣 母「・・・もしかして、入学式の日にサブレを助けてくれた総武高生って、ヒッキーくん?」

 

結衣「・・・うん、そうだよ」コクン

 

結衣 母「あらあら!」ニコニコ

 

結衣「・・・ママぁ?」

 

結衣 母「あら、そろそろヒッキーくんも帰らないとね。 パパにバレないように静かにね?」ニコッ

 

結衣「じゃあ、私も・・・」

 

結衣 母「結衣は寝てなさい」

 

結衣「でも・・・」

 

結衣 母「結衣まで見送りに来たらパパが気付いちゃうわ」

 

結衣「・・・はい」

 

・・・・・

 

結衣 母「ありがとね、ヒッキーくん」ニコニコ

 

八幡「いえ、ご迷惑おかけしました」ペコリ

 

結衣 母「結衣ね、部活を始めてから良く笑うようになったわ」ニコニコ

 

結衣 母「それまでは、なんとなくだけれど疲れてるような感じだったの。 でも、今はそんな感じもなくて・・・」ニコリ

 

結衣 母「あなたのお陰なんでしょうね♪」

 

八幡「・・・そんなこと、ないです」

 

結衣 母「ふふっ。 結衣って、意外と寂しがりだから、ヒッキーくんさえ良ければ末永く結衣の側にいてほしいわ」ニヨニヨ

 

八幡「え?!」

 

結衣 母「だって、結衣はヒッキーくんが大好きなんですもの。 私も気に入ったし、是非息子に・・・」ニコニコ

 

八幡「あ、あはは・・・」

 

結衣 母「じゃ、気をつけて帰ってね♪」

 

八幡「はい、ありがとうございました」

 

ガチャ

 

結衣 父「おはよう」ニコリ

 

八幡(ヲワタ・・・)

 

結衣 母「あら、パパ?」

 

結衣 父「結衣が惚れた男の子が気になってね」ニコッ

 

結衣 父「ヒッキーくん、だったかな?」

 

八幡「比企谷八幡です」ペコリ

 

結衣 父「ヒッキーくん、これからも結衣を頼む」ペコリ

 

八幡「は?! え?! ちょっ!」アワアワ

 

結衣 父「あの娘は周りに流されやすい。 でも、最近になって流されずに自分を持って行動出来るようになった。 理由を聞けば部活を始めたからだ、と言うんだが・・・」

 

結衣 父「結衣は、より女の子らしくなったような気がしていてね。 恋でもしたかなと思っていたんだよ」ニコッ

 

結衣 父「恋が実るか実らないかは、私にはわからない。 でも、これからも結衣をよろしく頼む」ニコリ

 

八幡「・・・はい」

 

結衣 父「今度は交際報告の時に来なさい」ニヤニヤ

 

八幡「・・・あはは、じゃあ、そろそろ失礼しますね」ソソクサ・・・

 

 

~比企谷家~

八幡の部屋

 

八幡(結衣の両親、すごく優しい人たちだったな。 あれだけ温かい人に育てられたら、結衣も優しく育つよな)

 

八幡(結衣の優しさには、いつも助けられてきたし、俺が結衣の事を好きな理由の一つだしな・・・)

 

八幡(そろそろ、結衣に貰った優しさを返してやりたい。 結衣を幸せにしてやりたい)

 

八幡(あ、これが愛しいって事なんだな・・・)

 

・・・・・

 

八幡「結衣、俺と付き合ってほしい」

 

結衣「うそ・・・?」ポロポロ

 

八幡「お前に貰った優しさを、俺なりの愛情で返させてくれ///」

 

結衣「うん!」ギュ

 

八幡(これは幸せなメビウスの輪。 結衣の優しさを俺が愛情で返して、また結衣に優しさを貰って・・・。 そんな、終わりのない関係)

 

八幡(これからも結衣を愛し続けていこう・・・)

 

結衣「ヒッキー!」

 

八幡「・・・どした?」

 

結衣「あたし、幸せだよ♪」

 

ちゅ♪

 

八幡(俺も幸せだよ・・・)

 

結衣(・・・あれ? これで終わり?)

 

結衣(こんな中途半端に終わらせるとか、マジでキモい! まだ、終わらせないんだからっ!)

 

~IF篇~

由比ヶ浜 結衣の場合 終了?

 

 

八幡×戸塚

 

~放課後~

教室にて

 

戸塚「はちまーん♪」

 

八幡「お、どうした?」ニコッ

 

戸塚「今日、部活お休みになったんだけど・・・、相談したいこともあるから良かったら遊びに行かない?」ウルウル

 

八幡「行こう! 今すぐ行こう!」

 

八幡(あとで由比ヶ浜にメール入れとくか)

 

 

~ゲームセンター~

 

戸塚「うわー! ねぇ、はちまんっ! これ可愛いよね!」キャピキャピ

 

八幡「おう、戸塚の方が可愛いぞ」ニコッ

 

戸塚「あ・・・。 も、もう! からかわないでよっ」プクー

 

八幡(膨れっ面も、とつかわいいまである)

 

八幡「スマンスマン」ナデナデ

 

戸塚「もう・・・。 次はもっと怒っちゃうからね?」プクー

 

八幡「・・・おう///」

 

戸塚(落ち着け。 このままだと海老名さん辺りがキマシタワー! ってなるパターンだ。 戸塚とは健全に・・・)

 

戸塚「・・・はちまん?」キュ・・・

 

八幡(袖口、そっと摘まむとかあざとい。 でも、戸塚だから許す)

 

八幡「あ、悪い。 ちょっと考え事しちまった」

 

戸塚「そっか。 体調悪いのかなって心配しちゃったよ」ニコリ

 

八幡「・・・彩加、結婚しよう」キリッ

 

戸塚「えぇ?! ・・・はーちーまーん?」

 

八幡「・・・悪い。 からかった訳じゃないんだ」ポリポリ

 

戸塚「あれ? それって、本気ってこと?」キョトン

 

8幡「あぁ! 戸塚となら俺は一線どころか世界線まで越えられるぞ!」

 

と塚「・・・ぼくも。 はちまんとなら、いいよ?」

 

8幡(エンダァァァァァァ!)

 

8幡「戸塚・・・」ギュ

 

と塚「・・・はちまん、彩加って呼んでほしいな///」

 

8幡「・・・彩加」

 

と塚「嬉しいよ、はちまん!」ギュ

 

チュンチュン ジリリリリ・・・

 

八幡「・・・朝か」ムクッ

 

八幡(まさか、あんな夢を見てしまうとは・・・。 俺の戸塚に対する愛ゆえに成せる技だな)

 

八幡「いやぁ、今日は良い一日になりそうだなぁ・・・」ウーン チラッ

 

戸塚「zzz・・・」スピー

 

八幡「・・・」ヒキッ

 

八幡(え? ・・・これが朝チュンってやつか。 朝チュン・・・)

 

八幡「・・・思い、出したっ!」

 

八幡(いや、思い出せねえよ。 なに? 前世の記憶とか思い出して最強になっちゃうの? 戸塚とのイチャラブルート綴っちゃうの?)

 

戸塚「うん・・・、はちまん・・・?」ゴシゴシ

 

八幡「おう、おはよう戸塚」

 

戸塚「おはよう、はちまんっ」ニコッ

 

八幡(この笑顔、守りたい!)

 

戸塚「はちまんが隣に居たから、スゴく良く眠れたよ♪」ギュ

 

八幡(・・・あ、思い出した。 スマン、take2お願いします)

 

八幡(思い・・・出したぁぁ!!)

 

 

~回想~

 

戸塚「あれ? それって、本気ってこと?」キョトン

 

八幡「いや、可愛いなって思ったら、つい口から出てしまったというか・・・///」プイ

 

戸塚「はちまーん!」ポコポコ

 

八幡「スマンスマン! お詫びに後で何か奢るから・・・」

 

戸塚「もー! 許す!」ニコッ

 

八幡「とつかわいい・・・」

 

戸塚「はちまんっ!」

 

・・・・・

 

戸塚「んー! 久しぶりに遊んだー!」ノビー

 

八幡「楽しかったな、戸塚!」

 

戸塚「・・・あのね、はちまん。 相談なんだけど・・・」

 

八幡「なんだ? 俺に出来ることなら、やってやるぞ?」ニコッ

 

戸塚「ぼくと、寝てほしいんだ・・・///」

 

八幡「・・・・・・え?」

 

八幡(大天使戸塚が・・・堕天使になられた! まぁ、可愛いんだが。 とつかわいい。 さいかわいい)

 

戸塚「あのね、最近よく怖い夢を見ちゃってね・・・。 よく、寝れなくて」シュン

 

戸塚「いろいろ試してみたんだけど、あんまり効果なくて・・・。 インターネットでどうすればいいか調べたら・・・」

 

戸塚「誰かと一緒に寝ると、安心感でよく寝れるみたいなんだ・・・」ウルウル

 

八幡「俺でいいのか?」

 

戸塚「うん! はちまんとなら、安心出来そうなんだ!」ニコッ

 

八幡「なら、今からうちに来るか?」

 

戸塚「着替えとか必要だし、一回家に帰ってから行くよ♪」

 

八幡「そうか。 ・・・戸塚、ホントなら病院に行くべきだと思うぞ?」

 

戸塚「うん。 でも、お薬苦手で・・・」エヘヘ

 

八幡「っ!/// ・・・そうか」プイ

 

戸塚「だから、最後までダメだったら病院に行くから・・・、協力してほしいな」ウルウル

 

八幡「わかった。 戸塚の為だしな。 じゃあ、荷物まとまったら連絡くれ。 それまで、部屋の中片しとくから」

 

戸塚「うん! また後でね♪」フリフリ

 

~回想 終了~

 

 

八幡(で、10時頃に連絡があって、うちに連れてきてから小町と少し話して、二人で寝たんだったな)

 

戸塚「はちまんのお陰でよく眠れたよ♪」ギュ

 

八幡「・・・そうか///」

 

戸塚「ありがとう、はちまんっ!」ニコニコ

 

 

~学校~

 

結衣「ヒッキー!」プンスカ

 

八幡「うす。 どした?」

 

結衣「昨日、なんで部活来なかったの?!」ガルル

 

八幡「あ、連絡忘れてた。 戸塚の相談にのってたんだ」

 

結衣「え? さいちゃん、どうしたの?」

 

八幡「あー、男同士の話だ。 あまり聞かないでくれ」

 

結衣「うー・・・。 そっかぁ。 じゃあ、もう聞かないでおくね?」

 

八幡「助かる」

 

姫菜「♂同士の話? とつ×はち?! それとも、はち×とつ?!」ヌッ

 

八幡「うぉ?!」ビクッ

 

姫菜「私はヒキタニくんは、ヘタレ受けだと思うからとつ×はちだと思うな♪」

 

姫菜「今まで隠してきたヒキタニくんへの想いを、顔に似合わない欲望の化身に込めて、少し無理矢理に・・・襲うっ!」

 

 

~姫菜 妄想(ミニ)~

 

戸塚『はちまん、ぼくもう我慢出来ないよ・・・』ヌギ・・・

 

八幡『ひ・・・っ。 いや戸塚、やっぱり男同士はマズイだろ? よく考えてくれ、な?』

 

戸塚『はちまんは、ぼくのこと、嫌い?』ウルウル

 

八幡『そんなことはない・・・』

 

戸塚『なら、いいよね・・・』ジリジリ

 

八幡『え、ちょ・・・・・・・・・アーーーーッ!』

 

~姫菜 妄想(ミニ) 終了~

 

姫菜「ぶふぁー♪」ブッ

 

三浦「姫菜、擬態しろし・・・」フキフキ

 

結衣「あ、あはは・・・」

 

八幡(本人の目の前で、本人の妄想するのやめてくれ・・・)ゲッソリ

 

 

~放課後~

奉仕部 部室

 

ガラガラ

八幡「・・・うす」

 

雪乃「あら、部外者は立ち入り禁止よ?」

 

八幡「いや、一応、俺も部員だから」ガタッ

 

雪乃「・・・部活を欠席する連絡も寄越さない非常識な人間は部員にいないわ。 ・・・あ、ごめんなさい。 あなたは元々人間ではなかったわね、ゾンビが谷君」

 

八幡「いや、それについては悪いと思ってる。 ゾンビだって、元々は人間だろ? なら、俺も元々は人間って事になるだろ。 ・・・いや、ゾンビじゃないんだけどよ、今も、昔も」

 

雪乃「あら、誰が人間のゾンビだなんて言ったのかしら?」キョトン

 

八幡「おい、じゃあ俺は何のゾンビなんだよ? ・・・ゾンビじゃないけど」

 

雪乃「さあ? 自分が何だったのか位、自分で考えてみたら?」

 

八幡「もう、ゾンビなのは変わらないんだな・・・」ハァ

 

雪乃「ふふっ。 ・・・ところで、戸塚君の相談とは、奉仕部で解決出来るものなのかしら?」

 

八幡「あ? ・・・由比ヶ浜から聞いたのか。 いや、俺個人への依頼だから奉仕部では解決できないな」ガサゴソ

 

八幡(今日もうちに来るらしいしな)

 

雪乃「・・・そう。 まだ、戸塚君の悩みは解決出来ていないのね?」ペラッ

 

八幡「なに? お前エスパーなの? 相手の考えてる事、まるっとお見通しなの?」

 

雪乃「はぁ・・・。 あなたが言ったのよ? 『奉仕部では解決できない』と。 解決済みなら、『もう解決したから気にしなくていい』などと言うのではないかしら」

 

八幡「・・・なるほど」

 

雪乃「比企谷君。 一つ聞いてもいいかしら?」

 

八幡「なんだ?」ペラッ

 

雪乃「戸塚君の依頼とは、何だったのかしら?」

 

八幡「スマンが、クライアントの許可なく相談内容は明かせない」ペラッ

 

雪乃「そう・・・。 あなた、意外と口が堅いのね」クスッ

 

八幡「そうだな。 俺ほど口が堅いヤツは見たことないな」

 

八幡(なんなら、友達がいないから話す相手も、話してくれる相手もいないまである。 情報社会において個人情報が漏れないから、ぼっち最強)

 

雪乃「・・・情報社会と言うなら、情報が入ってこない比企谷君は最弱とも言えないかしら?」

 

八幡「・・・やっぱりエスパーだろ?」

 

ガラガラ

 

結衣「やっはろー!」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、こんにちは」ニコッ

 

結衣「ゆきのん、遅くなってごめんね?」

 

雪乃「いえ、構わないわ。 あなたには部活以外にも交友関係があるのだから、どちらも大切でしょう?」

 

八幡(今、あなたには、っていった! つまり雪ノ下もぼっ・・・)

 

雪乃「・・・」キッ

 

八幡(・・・)ペラッ

 

結衣「ゆきのんっ!」ダキッ

 

雪乃「由比ヶ浜さん、暑苦しいわ・・・」

 

八幡(ゆっりゆらららら、ゆるゆり♪ ・・・部室に男子もいるんだから、過度なスキンシップはやめてくれませんかね? 見ててきゅんきゅんしちゃうから!)

 

 

雪乃「今日はここまでにしましょう」パタン

 

結衣「今日も誰も来なかったね~」ノビー

 

コンコン ガラガラ

 

戸塚「失礼します」

 

結衣「あ、さいちゃん、やっはろー」

 

戸塚「由比ヶ浜さん、やっはろー」フリフリ

 

雪乃「戸塚君、奉仕部に依頼かしら?」キョトン

 

戸塚「ううん。 はちまんを呼びに来たんだ」ニコッ

 

八幡「・・・部活終わったなら、一旦帰っても良かったんだぞ?」

 

戸塚「・・・はちまんと一緒に帰りたくて///」

 

八幡「・・・そ、そうか///」

 

結衣「むー・・・」ムスッ

 

雪乃「・・・」イライラ

 

戸塚「奉仕部、終わってるなら一緒に帰ろ?」ニコッ

 

八幡「お、おう! じゃ、先帰るわ」ガタッ

 

雪乃「待ちなさい!」

結衣「ちょっと待った!」

 

八幡「・・・部活、終わりだろ?」キョトン

 

雪乃「戸塚君、昨日そこのゾンビに依頼をしたのは、本当かしら?」

 

戸塚「うん。 はちまんに依頼っていうか、お願いしたよ?」

 

結衣「ヒッキーになんてお願いしたの?」

 

八幡「・・・おい」

 

雪乃「あなたは黙ってなさい」キシャー

結衣「ヒッキーには聞いてない」ガルル

 

八幡「・・・はい」

 

戸塚「あのね・・・」

 

戸塚「一緒に寝てもらったの///」ニコッ

 

雪乃 結衣「「!!??」」

 

結衣「・・・ヒッキー?」ウ フ フ

 

雪乃「比企谷君、内容を話したがらなかった理由はそういうことだったのね?」ニ コ リ

 

八幡「いや、最近寝れないって言うから俺のベッドで一緒に睡眠取っただけだぞ?」

 

雪乃「そんなことはわかってるわ!」

結衣「え?! そうだったの?!」

 

全員「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 

結衣「あ、あはは・・・。 あたし、先帰るっ!」バビューン!

 

雪乃「・・・こほん。 比企谷君、そこは専門の医療機関を勧めるべきではないかしら? その方が確実でしょう?」

 

戸塚「あ、ぼくがはちまんにお願いしたの。 はちまんにも病院に行くべきって言われたんだけど・・・」

 

雪乃「・・・そう。 なら、もう何も言わないわ。 ・・・ちなみに戸塚君」

 

戸塚「なにかな?」キョトン

 

雪乃「比企谷君の抱き心地は、どうだったのかしら?///」コショコショ

 

戸塚「うん! よく眠れたよっ!」 ニコッ コショコショ

 

雪乃「そ、そう・・・///」チラッ

 

八幡「・・・?」

 

雪乃「・・・!! 引き留めてしまって悪かったわ。 鍵を閉めるから、もう帰宅してもらって結構よ///」

 

八幡「お、おう。 また明日な」

 

戸塚「またね、雪ノ下さん」フリフリ

 

雪乃「・・・比企谷君の抱き心地///」ポー

 

雪乃「・・・はっ! 私も帰りましょう///」

 

 

~比企谷家~

 

八幡「たでーま」

 

戸塚「お邪魔します」

 

小町「あ、戸塚さんいらっしゃい♪」

 

戸塚「小町ちゃん、やっはろー。 今日もお邪魔しちゃってゴメンね?」

 

小町「大丈夫ですよ! お兄ちゃんも嬉しそうですし」ニヨニヨ

 

戸塚「えへへ。 ありがとう」

 

・・・・・

 

戸塚「ご馳走さまでした! はちまんって料理上手なんだね!」ニパー

 

八幡「そんなことないぞ? 戸塚だって、レシピ通り作ればこれくらいは出来るさ」

 

小町「・・・お兄ちゃん、戸塚さんが食べるからって、いつも作る時より気合い入れてたくせに」ニヨニヨ

 

戸塚「そうなの?! ありがとう、はちまんっ!」

 

八幡「・・・おう///」プイ

 

八幡(戸塚マジとつかわいい)

 

小町(はぁ・・・小町はお兄ちゃんが心配になるよ)ジトー

 

戸塚「はちまんも今度うちに泊まりに来てね♪ 小町も良かったら一緒にね」ニコニコ

 

八幡「機会があればな」

 

戸塚「うんっ! 待ってるね♪」ニコッ

 

ピピー ピピー

 

小町「あ、お兄ちゃん。 お風呂先に貰っちゃうよ?」

 

八幡「おう、行ってこい」

 

戸塚「いってらっしゃい」フリフリ

 

八幡「戸塚、次いっていいからな」ニコリ

 

戸塚「え、はちまんこそ先どうぞ?」ニコッ

 

八幡「いや、やっぱり客人より先に入るのはどうかなって。 小町が風呂に向かってから思ったんだけどよ・・・」

 

戸塚「ぼく、気にしないよ?」キョトン

 

八幡「それでもやっぱり、な」

 

戸塚「じゃあ、一緒に入る・・・?///」チラッ

 

八幡「・・・え?」

 

戸塚「ぼくもはちまんに先に入って欲しいし、はちまんもぼくに先にいってほしい。 なら、一緒に入ったら解決だよね!///」

 

八幡「あ、おう。 まぁ、そうだな・・・///」

 

戸塚「じゃあ、一緒に入っちゃお?///」

 

 

カポーン

 

八幡「・・・」チラッ

 

戸塚「~♪」ゴシゴシ

 

八幡(男同士のハズなのに・・・直視出来ねぇ!)

 

戸塚「はちまん、隣入るね♪」チャプン

 

八幡「お、おう・・・///」

 

戸塚「温かいね~」ニコニコ

 

八幡「そうだな・・・///」

 

戸塚「はちまんと一緒にお風呂とか、すごく嬉しいなぁ」ニコッ

 

八幡「そうか・・・///」チラッ

 

戸塚「ん? どうしたの、はちまん?」キョトン

 

八幡(とつかわいい・・・)

 

八幡「いや、普段あんまり長風呂しないからな。 少しのぼせたのかもしれん///」

 

戸塚「そうなんだ? 無理しちゃダメだよ?」

 

八幡「おう」

 

八幡(その後、戸塚と少し話をしてから風呂を出た)

 

八幡「戸塚、なんか飲むか?」

 

戸塚「あ、じゃあお水がいいな♪」ニコッ

 

八幡「・・・ほい」コトン

 

戸塚「ありがとう、はちまん」ゴクゴク

 

八幡(火照った肌を、唇の端から少し零れた水が伝っていく・・・。 顎から喉へ、喉から鎖骨を通り、胸元へ・・・)

 

戸塚「・・・///」モジモジ

 

八幡「あ、ど、どうした戸塚?」

 

戸塚「はちまん、そんなに見られたら恥ずかしいよ・・・///」

 

八幡「スマン!」

 

戸塚「もー・・・///」プクー

 

八幡「ホントにスマン!」ペコリ

 

戸塚「次は気を付けてね? ホントに恥ずかしかったんだよ・・・?」

 

八幡「以後、気を付けます・・・」

 

戸塚「そろそろ寝よっか・・・」

 

八幡「そだな。 明日も学校あるしな」

 

戸塚「じゃあ、はちまん、おやすみ♪」

 

八幡「おやすみ」

 

クークー ギュ

 

戸塚「はちまん・・・」ギュ

 

八幡(今日も寝れたみたいだな・・・)ナデナデ

 

戸塚「zzz・・・」

 

八幡「俺も寝るか・・・zzz」クルッ

 

スピー スピー

 

モゾモゾ・・・ ギュ

 

八幡(・・・ん? ・・・戸塚?)パチ・・・

 

戸塚「ん・・・」ギュ

 

ちゅー

 

ガバッ

 

八幡「?!?!///」

 

戸塚「zzz」

 

八幡「・・・・・・マジか///」

 

コン・・・コン・・・

 

八幡(ん? 今度はなんだ?)クルッ

 

姫菜『キーマーシーターワー!!』ダラダラ ポタポタ

 

八幡「ギャー!! 窓に! 窓に!」ガクッ

 

八幡「うわぁ!?」ガバッ

 

クルッ・・・ シャー

 

八幡「・・・いない」

 

八幡(なんだ、夢か・・・)

 

戸塚「・・・ん。 はちまん?」ウトウト

 

八幡「悪い、起こしちまったか。 まだ時間あるから寝とけ」

 

戸塚「うん・・・」スピー

 

八幡(・・・戸塚とキス、しちまったのか? それとも、夢だったのか?)

 

八幡(なんとなく、柔らかくて温かいものが当たったような気はする。 だが、ホントにキスしたんだろうか・・・)ジー

 

戸塚「・・・ん」

 

八幡(あの、唇が俺の唇に・・・///)

 

八幡「・・・意識したら負けだな///」ゴロン

 

八幡(戸塚だって寝てたんだ。 もし、キスしたんだとしても事故なんだからノーカウントだろ)ウトウト

 

八幡「zzz」スピー

 

八幡「zzz・・・」ムニャムニャ

 

戸塚「・・・」ムク・・・

 

戸塚「・・・」ジー

 

戸塚「はちまんの唇、温かくてミント味だったよ・・・///」ドキドキ

 

 

八幡×川崎

 

~教室~

帰りのホームルーム

 

平塚「・・・連絡事項は以上だ。 あ、あと最近インフルエンザが流行っているようでな。 気を付けるように。 比企谷は後で職員室に来ること。 解散!」

 

キリーツ レイ ガヤガヤ

 

コンコン

 

八幡「・・・失礼します 」

 

平塚「お、素直に来たか。 どれ、奥に行くとしよう」ガッチリ

 

プハー

 

平塚「比企谷、君に頼みたいことがある。 クラスメイトの川崎の事なんだが・・・」スー

 

八幡「川崎がどうかしましたか?」

 

平塚「もう学校に一週間以上来ていない。 一応、弟さんがインフルエンザらしいのだが・・・。 これ以上休まれたら、こちらも便宜を図りにくくなる」プハー

 

八幡(・・・あれ? そうだったか? 土日の予備校では見掛けてるんだけど?)

 

八幡「・・・様子を見に行くだけなら、先生が行った方が確実ですよ」

 

平塚「それもわかっているが、生憎これから職員室会議でな。 どれくらいになるか読めないのだよ。 君が行って明日から学校に来るように説得してきてもらえないだろうか?」ニコッ

 

八幡「・・・伝えるだけ、伝えてきます///」プイ

 

平塚「助かるよ。 ・・・ほら、川崎の分のプリントとマスクだ」スッ

 

八幡「・・・じゃ、行ってきます。 けど、期待はしないでくださいね?」

 

平塚「期待はしていないよ」ニコニコ

 

平塚「だが、君のことは信用している」ニカッ

 

八幡「・・・失礼しました」

 

 

~川崎家~

 

ピンポーン

 

沙希「・・・はい」

 

八幡「うす」

 

沙希「・・・誰?」

 

八幡「俺だ。 比企谷だ」スッ

 

沙希「! ・・・マスク付けてたから不審者かと思ったよ。 今開ける」

 

ガチャ

 

沙希「どうしたの?」

 

八幡(あ、髪を下ろしてる・・・。 ポニテも良いが、こっちも可愛いな・・・)

 

八幡「ポニテも良いが、こっちも可愛いな・・・」ボソッ

 

沙希「あ、アンタ何言ってんの?!///」カァ

 

八幡「え、あ、スマン!///」

 

沙希「・・・で、何しに来たの?」

 

八幡「あー、平塚先生がな。 様子を見てこいと。 あと、明日からは登校してくれって」ハイ プリント

 

沙希「明日から・・・」アリガト

 

沙希「ゴメン、無理」

 

八幡「なんかあるのか? 弟がインフルらしいって聞いたけど・・・」

 

沙希「・・・あんたには関係ないよ」

 

八幡(確かに。 でも、川崎が来なかったら先生に殴られるかもしれん)

 

八幡「なんか、手伝えるかもしれないだろ?」

 

沙希「いや、でも・・・」

 

トテトテ・・・

 

京華「・・・さーちゃん? あ、はーちゃん、やっはろー」フリフリ

 

八幡「おう」フリフリ

 

沙希「けーちゃん、寝てなきゃダメでしょ?」

 

八幡「そういうことか・・・」

 

沙希「・・・うん。 だから、比企谷には何も出来な・・・」

 

八幡「じゃあ、俺が看病に来れば良いわけだ」

 

沙希「あんた、なにいってるの?」ジトー

 

八幡「まぁ、聞け。 川崎はこれ以上休めない。 俺はお前が学校に行かなきゃ殴られる。 しかし、お前は看病で家を離れられない」

 

八幡「なら、俺が明日からインフルエンザってことで休む。 川崎はちゃんと登校する。 俺は殴られないし、川崎は学校に行ける。 ギブアンドテイクだろ?」

 

沙希「そうかもしれないけど・・・」

 

八幡「なら、構わないだろ? 俺だって専業主夫希望だしな。 看病も炊事洗濯掃除くらい出来るさ」

 

京華「はーちゃんのごはん?」キラキラ

 

八幡「おう、何が食べたい?」ニコッ

 

京華「はんばーぐ!」

 

八幡「そっかそっか」ナデナデ

 

八幡「・・・川崎、とりあえず今日の夕飯は俺に作らせてみてくれ。 川崎が安心出来ないなら、さっきの案はなしでいい」キリッ

 

沙希「・・・わかったよ///」プイ

 

八幡「じゃ、買い物行ってくるわ」

 

沙希「あ、あたしも・・・」

 

八幡「川崎は待ってろ。 ・・・少しくらい休んだ方が良い」

 

沙希「・・・わかった。 ありがと///」

 

ガチャ

 

八幡「よいしょっと」

 

沙希「おかえりなさい」

 

八幡「たでーま」ガサゴソ

 

沙希「あ、荷物持つよ?」スッ

 

八幡「いや、川崎だって疲れてるだろ? 今くらい俺に任せろよ」

 

沙希「いや、悪いって・・・」

 

八幡「今お前にまで倒れられたらと思うと、俺は心配で仕方ないんだ(先生に殴られるから)」テヲ ギュ

 

沙希「・・・!?/// わ、わかった・・・///」

 

ジーーーィ

 

京華「さーちゃんとはーちゃん、パパとママみたいだね♪」ニコニコ

 

沙希「け、けーちゃん!?///」

 

八幡「たでーま。 今からごはん作るからな。 もう少し待っててな」ナデナデ

 

京華「うんっ!」

 

八幡「あ、川崎。 けーちゃんとか、アレルギーないよな?」

 

沙希「あ、うん・・・平気だよ///」プイ

 

グツグツ タンタン カチャカチャ

 

八幡「ほい、出来たぞ」スッ

 

京華「わー! はんばーぐ!」

 

沙希「・・・重くない?」

 

八幡「このハンバーグは豆腐だから、口当たりも胃の負担も軽い・・・はず。 それに、大根おろしとポン酢で和風の味付けだから、あっさりしてるから、食べやすいだろ」

 

沙希「ちゃんと考えてるんだね」

 

大志「・・・あれ? お兄さん?」ポー

 

八幡「おう。 俺はお前のお兄さんじゃねーぞ? とりあえず、食ってみてくれ」

 

京華「いただきます!」アーン

 

沙希「・・・いただきます」モグッ

 

大志「いただきます」パクッ

 

京華「おーいしーい♪」

 

大志「あ、すごく食べやすい」

 

沙希「美味しい・・・」

 

八幡「口にあったみたいで佳かったよ。 川崎、これでも不安あるか?」

 

沙希「・・・いや。でも迷惑になるし・・・」

 

八幡「じゃあ、換わりにノート取っといてくれ。 それで手を打とう」

 

沙希「そんなことで良いの?」

 

八幡「いや、ぼっちの俺からしたら休んでノート取れないとかかなり危ないから」

 

八幡(誰もノートを見せてくれないどころか、てか君誰? って、なるまである)

 

沙希「わかったよ・・・。 じゃあ、明日からよろしく」

 

八幡「じゃあ、明日7時に来るわ」

 

沙希「うん・・・待ってる」

 

八幡「おう」

 

ガチャ パタン

 

八幡「平塚先生に話をしとかなきゃな・・・」

 

pr ガチャ

 

平塚『私だ。 どうした、比企谷?』

 

八幡(出るの早ぇよ、怖いわ!)

 

八幡「あー、川崎の件でお願いが・・・」

 

平塚『・・・つまり、君を出席停止にすれば良いのか?』

 

八幡「はい、頼めますか?」

 

平塚『川崎もインフルエンザ扱いだしな。 なんとかしておこう』

 

八幡「ありがとうございます」

 

平塚『川崎が学校に来るよう、説得を頼んだのは私だ。 ・・・まぁ、斜め下の解決方法だが、それくらいはしてやるさ』

 

八幡「じゃあ、また何かあれば連絡します」

 

平塚『ああ、よろしく頼む』

 

ガチャ ツーツー

 

 

~比企谷家~

 

八幡「たでーま」

 

小町「お帰りお兄ちゃん。 遅かったね?」

 

八幡「ああ、実はな・・・」

 

小町「へぇー・・・」

 

八幡「・・・なんだよ?」

 

小町「ごみいちゃん、いくら学校に行きたくないからって、看病を理由にサボるなんてポイント低いよ?」ジトー

 

八幡「今回は仕方なかったんだよ。 それに川崎のやつ、結構疲れてるっぽいしな」

 

小町「人助けの為とはいえ、自己犠牲は嫌だな」ジトー

 

八幡「・・・以後、気を付けます」

 

小町「ま、そんな優しいお兄ちゃんが好きなんだけどね♪ 今の小町的にポイント高い!」キャピキャピ

 

八幡「はいはい・・・」

 

 

~翌日~

 

八幡「じゃ、行ってくるわ」

 

小町「マスクした? ・・・うわ、不審者がいる」ビクッ

 

八幡「おい。 ・・・え、大丈夫だよね?」オロオロ

 

小町「あーうん。 気を付けてね? お巡りさんに捕まらないように」

 

八幡「・・・おう」ショボーン

 

・・・・・

 

ピンポーン ガチャ

 

沙希「おはよう」

 

八幡「うす。 じゃ、看病は任せて学校行ってこい」ヒラヒラ

 

沙希「待って。 なんかあった時に連絡つくように連絡先交換してよ」ムスッ

 

八幡「・・・ほらよ」ヒョイ

 

カチカチ

 

沙希「・・・オッケー。 じゃ、行ってきます」

 

八幡「いってらっしゃい。 車に気を付けろよ、さきさき」

 

沙希「さきさき、言うな! ・・・ありがと///」

 

バタン

 

八幡「・・・よし、やるか」

 

八幡「・・・けーちゃん、大志、起きてるか?」

 

京華「zzz」

 

大志「・・・お兄さん? おはようございます」

 

八幡「おはよう。 あと、俺はお前のお兄さんじゃない。 朝飯食ったか?」

 

大志「あ、姉ちゃんが作って置いていきました」

 

八幡「そうか。 じゃ、ちょっと部屋の空気入れ換えるから窓開けるぞ? 寒かったら言ってくれ」

 

大志「はい、わかりました」

 

八幡「お前、熱はどんくらいなんだ?」

 

大志「さっき測ったら7度8分でした」

 

八幡「まだ高いか・・・。 とりあえず、飯食って、薬飲んだら楽にしてろ。 なんかあったら、やってやるから」

 

大志「・・・ありがとうございます?」

 

八幡「おい、なんで疑問系?」

 

大志「いや、お兄さんが優しいって違和感のせいっすかね?」

 

八幡「いや、俺に聞かれても・・・」

 

京華「・・・ふぁ。 あ、はーちゃん!」ニパッ

 

八幡「よ。 起きたなら、熱測ってごはん食べるぞ」

 

京華「うんっ!」

 

・・・・・

 

八幡「とりあえず、やらなきゃいけないことはやったな」

 

大志「zzz」

 

京華「zzz」

 

八幡(薬の副作用からか、二人は朝食を食べてからすぐに寝てしまった)

 

八幡「・・・暇だし、川崎に許可取ってから寝室以外の掃除でもしてるか」

 

 

件名:無題

 

本文

京華達、寝ちまったから

適当に掃除とかしといていいか?

なんかやっとくことあればやるぞ?

 

 

八幡「・・・あ、今授業中じゃねーか」

 

八幡(こりゃ、あと30分は暇してなきゃダメか?)

 

ブーブー!

 

 

川崎 沙希

 

件名:無題

 

本文

暇なら寝室と私の部屋以外の

掃除はしても良い。助かる。

出来たら洗濯もお願い。

昨日まで大志が戻してたから

その汚れ物は漂白してある。

 

 

八幡(授業中じゃねぇのかよ? ま、なんかあったときに、すぐに帰って来れるようにって事なんだろうが・・・)

 

八幡「了解、っと・・・」

 

テキパキ

 

八幡「・・・あとは、洗濯だけだな。 その前に、昼飯の準備しなきゃ」

 

八幡「けーちゃん、大志。 なんか食べたいものあるか?」

 

京華「グラタン!」パァ

 

大志「食べやすいものが良いっす」

 

八幡「・・・わかった。 ちょっと待ってろ」

 

八幡(冷蔵庫には、材料あるな・・・)

 

八幡「けーちゃん、お待たせ。 熱いから気を付けてな?」

 

京華「わーい! いただきますっ」フーフー パクッ

 

八幡「大志。 お前にはこれだ」スッ

 

大志「おかゆ?」キョトン

 

八幡「違う、おじやだ」

 

大志「へぇ・・・」パクッ

 

京華「おいしー♪」フーフー パクッ

 

大志「お兄さん、これ旨いっす!」

 

八幡「すき焼き風の味付けだから、甘くて食べやすいだろ?」ニコッ

 

大志「はい!」

 

京華「はーちゃん、おかわり!」

 

八幡「けーちゃん、食べ過ぎたら気持ち悪くなるぞ?」

 

京華「おかわり食べるの!」プクー

 

八幡「・・・じゃあ残ったおじや、少し食べるか?」スッ

 

京華「あーん・・・。 これ、おいしーね♪」

 

八幡「これ食べたら薬飲んで、また寝とけよ」

 

京華「はーい!」

 

大志「・・・ムムム。 お兄さんがこんなに料理が出来るとなると比企谷さんも料理が上手な男の子の方がすきなんっすかね?」ボソッ

 

八幡「おい大志コラ」

 

大志「いやぁ! このおじや、美味しいなぁ!」ダラダラ

 

八幡「・・・とりあえず食べ終わったら呼んでくれ。 洗濯しなきゃならんから、いってくる」

 

八幡「さて、これはネットに入れて・・・」

 

ヒョイ ヒョイ

 

八幡「ん? なんだ、こ・・・」

 

ブラジャー・・・ン

 

八幡「ぶっ?!///」

 

八幡(これ、川崎のか・・・?! こんなの、普段から付けてんのかよ!?)

 

八幡「とりあえず、これは保留だよな・・・?///」ヒョイ

 

八幡(そうだよ、男物と皆が使う物だけ洗っておこう)

 

ピッ タタタタタッ

 

京華「はーちゃん、ごちそーさま!」ニコニコ

 

八幡「おう。 薬飲んだか?」

 

京華「うん、ちゃんと飲んだ!」ニコニコ

 

八幡「よし、じゃあお昼寝の時間だな」ポンポン

 

八幡(そんなこんなで川崎が帰ってくる時間になった)

 

ガチャ

 

沙希「ただいま・・・」

 

八幡「おう。 おかえり」

 

沙希「・・・///」プイ

 

八幡「じゃあ、俺は帰るわ。 一応、二人とも熱下がったけど明日も休ませるだろ? だから、また明日の朝来るわ」

 

沙希「・・・待ちな」キュ

 

八幡「どした?」

 

沙希「今日は、私の作った夕飯食べてきなよ・・・」ギロ

 

八幡(・・・セリフと眼力があってないんですけど! 怖ぇよ、つうか、怖い)

 

八幡「あー、妹に聞いてみるわ。 夕飯作ってるかも知れないからな」

 

Prrrr

 

小町『もしー? お兄ちゃん、どうしたの?』

 

八幡「おう、夕飯作ってあるか?」

 

小町『もうすぐできるけど?』

 

八幡「そうか、わかった」

 

小町『? とりあえず、早く帰ってきてね♪』ガチャ

 

八幡「てな訳だから、今日は帰るわ」

 

沙希「そっか・・・」シュン

 

八幡「ゴメンな?」ナデナデ

 

沙希「・・・///」プイ

 

八幡「じゃ、また明日」

 

・・・・・

 

八幡(翌日もそんな感じで看病を終え、大志と京華の体調も快復。 川崎家での看病は終わりとなった)

 

八幡(俺はしっかり、一週間休んでから出席停止が開けてから登校を再開。 普段通りの生活に戻った。 だが・・・)

 

 

~昼休みの屋上~

 

沙希「アンタに、恩返ししたいんだけど」

 

八幡(と、川崎が言い始めたのだ)

 

八幡「恩なんてないだろ? 俺は二日間看病をして、お前は俺が休んでた一週間のノートを取った。 それでチャラだ」

 

沙希「じゃあ、別の理由なら構わない訳?」

 

八幡「・・・俺が納得いくような内容ならな」

 

沙希「・・・アンタ、文化祭の時に私になんて言ったか覚えてる?」

 

八幡「・・・は? 文化祭?」

 

八幡(あ、相模を探してるときか・・・。 なんか言ったか?)

 

沙希「・・・私、アンタに愛してるって言われたんだけど?///」

 

八幡「はぁ?! ・・・あ、確かに///」

 

沙希「あの時はアンタも急いでたみたいだし、そのあと相模の件で悪い話が出てなかなか話せなかったんだけど・・・///」モジモジ

 

沙希「・・・アンタに愛してるって言われてから、よくアンタを、比企谷八幡を観察するようになって、段々と好きになってった」

 

沙希「だから、とりあえず一回くらいデートしろ///」

 

八幡「え、あ、お、おう・・・?///」

 

八幡(あれ? 俺、告白されたの?)

 

沙希「じゃあ、今週の日曜、十時に駅前で。 ・・・忘れたり、遅刻したら承知しないよ?」

 

 

~日曜 駅前~

 

八幡「とりあえず、早めに来たんだが・・・」

 

沙希「早かったね」

 

八幡(目の前に、メチャメチャ美人が立ってらっしゃるんですが・・・/// スタイル良し、ルックス良し、挙げ句に香水なのか良い匂い・・・)ボー

 

沙希「・・・なんか、変?」オロオロ

 

八幡「美人過ぎてなんも言えない・・・」ホレボレ

 

沙希「バカじゃないの?!///」プイ

 

八幡「・・・はっ! あ、ゴメン。 えっと、その服、すごくよく似合ってるぞ。 可愛いってか・・・、その、綺麗だ///」プイ

 

沙希「あ、ありがと・・・///」

 

八幡「じゃあ、行くか・・・?///」

 

沙希「そ、そうだね。 じゃあ、手」スッ

 

八幡「は?」

 

沙希「私、アンタが私の事を好きになるように、積極的になるって決めたから」ギュ

 

沙希「だから私の事、ちゃんと見てて///」ニコッ

 

八幡(可愛い・・・)

 

八幡「可愛い・・・」

 

沙希「・・・ばかじゃないの?///」カァ

 

八幡(そんな感じで俺たちの、デートが始まった・・・)

 

 

ららぽーと

 

沙希「今日は洋服を見に行くから」

 

八幡「おう。 あ、俺、センスないから当てにならんからな?」

 

沙希「・・・そう」キュ

 

八幡(川崎の手、柔らかくて温かい・・・)

 

沙希「アンタの趣味を私に教えてくれれば、それでいいから」ニコッ

 

八幡「そうか・・・///」

 

・・・・・

 

沙希「これとこれなら、どっち?」スッ

 

八幡(どっちも大人っぽいカジュアルな服だな。 この二種類だったら・・・)

 

八幡「・・・こっちだな。 でも、その二つより川崎にはこっちの方が似合うと思うけどな」スッ

 

八幡(白いワンピースに黒いカーディガンを合わせたものだが、ワンピースの裾の所に水色の花が小さく刺繍されていて可愛らしい雰囲気を醸し出していた)

 

沙希「え?! ・・・これ、ちょっと可愛過ぎない?///」

 

八幡「そうか? まあ、センスないヤツが選んだもんだしな。 忘れてくれ」

 

沙希「・・・こういう服、好きなの?」

 

八幡「あまり派手なヤツよりは、シンプルなものが良いな。 もちろん、似合ってればなんも言わないけど」

 

沙希「・・・そう。 あ、そろそろお昼にしない?」

 

八幡「ん、早くねえか? まだ11時位だけど・・・」

 

沙希「フードコートが混んだら、ゆっくり食べられないから、早めにさ」

 

八幡「そういうことなら、構わないけど」

 

・・・・・

 

八幡「じゃあ、何食いたい?」

 

沙希「・・・オムライス///」カァ

 

八幡(オムライスって言いながら照れるなよ、可愛いから!)

 

八幡「・・・んじゃ、行くか」

 

店員「いらっしゃいませ」

 

八幡「普通のオムライス一つと、ビーフシチューオムライス一つ」

 

店員「二点で1,380円になります」

 

沙希「あ、これ・・・」

 

八幡「はい、2,000円で」スッ

 

店員「620円のお釣りになります。 出来ましたら番号札でお呼び致しますので少々お待ちください」

 

沙希「・・・私の分、払うよ」

 

八幡「いや、元々昼飯は出すつもりだったんだ。 気にすんな」

 

沙希「いや、でも・・・」

 

八幡「川崎」ジー

 

沙希「な、何?」ドキッ

 

八幡「今日はで、デート、なんだろ? なら、飯くらい奢らせてくれ」プイ

 

沙希「・・・ん、わかった///」

 

バンゴウフダ サンバン ノオキャクサマ

 

八幡「出来たみたいだな」

 

沙希「うん、じゃあ取りに行こ」

 

八幡「おう」

 

八幡「いただきます」

 

沙希「・・・」チラッ

 

八幡「やっぱり、少し早めにしたから人少なめだな」パクパク

 

沙希「そうだね。 ・・・ねぇ」

 

八幡「ん? どした?」

 

沙希「それ、一口くれない?」

 

八幡「お、良いぞ?」スッ

 

沙希「・・・」ギロ

 

八幡(えー? なんで睨まれてるんですかね?)

 

沙希「ねぇ、わざとやってるの?」ジトー

 

八幡「は? よくわからないんだが?」

 

沙希「・・・はぁ。 もういいよ」パクッ

 

八幡「そうか」

 

沙希「はい、お返し」スッ アーン

 

八幡「え? いや、大丈夫だから・・・」

 

沙希「ほら、早く!」アーン!

 

八幡「だから、だいじ・・・」

 

沙希「・・・」ギロ

 

八幡「イタダキマス・・・」

 

八幡「あ、あーん・・・」パクッ

 

沙希「ん。 最初から素直にそうしとけば良かったんだよ」ニコッ

 

八幡(普段の凛とした姿も悪くないが、今みたいに笑った顔もギャップもあって可愛いな・・・)

 

沙希「・・・どうしたの?」

 

八幡「いや、なんでも」パクッ

 

八幡(そのあともウィンドウショッピングを楽しんで回った)

 

・・・・・

 

沙希「家まで送ってもらって悪いね」

 

八幡「気にすんな。 俺がしたいからそうしただけだ」

 

沙希「・・・そう///」

 

ガチャ

 

沙希「少しあがっていく?」

 

八幡「いや、さすがに悪いだろ」

 

沙希「私は気にしないけど」

 

八幡「でもな・・・」

 

大志「あ、姉ちゃんおかえり」ニヤニヤ

 

京華「おかえりさーちゃん!」ニコニコ

 

沙希「ただいま」

 

大志「お兄さん、あがっていきます?」

 

八幡「いや、いいよ。 それと俺はお前の兄貴じゃねえから。 川崎に迷惑かけたくねえから、帰るわ」

 

大志「俺、迷惑だなんて思いませんよ?」ニコニコ

 

八幡「いや、お前じゃねえよ?」

 

大志「あー! ここには川崎が3人もいるなー! 誰のことだか分からないやー!」

 

八幡「は? なぁ川崎・・・」

 

沙希「なに?」

 

大志「はい!」

 

京華「はーちゃん、なに?」ニコニコ

 

八幡「・・・大志、お前の差し金か。 けーちゃんまで巻き込みやがって」

 

大志「いやいや、なんのことだか・・・」ニヤニヤ

 

八幡「だが、お前の目論みは外れた!」

 

大志「な、何を根拠に?!」

 

八幡「忘れたか? 今、俺はお前の事を大志、と呼んだ。 けーちゃんはけーちゃん、なら、この場で川崎と呼ばれるのは、お前の姉、さきさきしかいない!」

 

大志「な、なんだってぇ?!」

 

沙希「・・・で、茶番劇は終わった?」

 

大志「終わったよ」

 

八幡「で、何がしたかったのお前?」

 

大志「いや、姉ちゃんのことを名前でよんでほしいって思ったんですよ」

 

沙希「なっ?!///」

 

大志「お兄さん、姉ちゃんは本気なんです。 だから・・・」

 

八幡「・・・わかってるよ」

 

大志「お願いします」ペコリ

 

八幡「頭あげろ大志」

 

八幡「・・・沙希、また明日学校でな?」

 

沙希「?! ・・・うん、また明日///」

 

 

~比企谷家~

 

八幡「たでーま」

 

小町「おかえり、デートどうだった?」ニヤニヤ

 

八幡「別に」

 

小町「えー? 教えてよ」ニヨニヨ

 

八幡「特になんもなかったよ」

 

小町「ふーん・・・」

 

八幡「・・・んだよ?」

 

小町「・・・じゃあ、なんでお兄ちゃん泣きそうなの?」

 

八幡「は? ・・・え?」ポロポロ

 

小町「・・・お兄ちゃん」ギュ

 

小町「今度は大丈夫だから。 沙希さんは本当にお兄ちゃんを大切に想ってくれてるよ」ナデナデ

 

八幡「・・・っ!」ポロポロ

 

八幡(俺は怖いんだな。誰かを好きになることが。 付き合えなかったり、付き合った後に別れることになったり。 そういう事が怖いんだ)

 

八幡「こ、まちっ・・・」ギュ

 

小町「もし、お兄ちゃんがまた傷付いちゃったら。 その時は、小町がいるから」

 

八幡「え?」

 

小町「だから、沙希さんに正直に話してみてよ。 人を好きになることが、誰かを自分の心の中に入れる事が怖いんだって」

 

八幡「でも・・・」

 

小町「それでダメになったら、所詮その程度だったんだ。 そう思えばいいじゃん?」

 

小町「そしたら、小町がお兄ちゃんに一生寄り添って生きてくよ♪ 妹としても、家族としてもね」ニコッ

 

小町「だから、沙希さんには正面からぶつかってみて」

 

八幡「・・・分かった。 ありがとな、小町」

 

小町「お兄ちゃんの為なら、なんでも出来るよ♪ あ、いまの小町的にポイント高い!」

 

八幡「ああ、そうだな」ギュ

 

 

~翌日 放課後の屋上~

 

八幡「悪いな、呼び出しちまって」

 

沙希「いや、別に構わないけど?」

 

八幡「沙希。 今から、俺が言うことはかなりみっともない事なんだが、聞いてくれるか?」

 

沙希「・・・うん」

 

八幡「俺は、トラウマから自分の心の中に他人を入れる事が怖い。 誰かを好きになることが怖い。 好きになったやつと離れる事が怖いんだよ」

 

沙希「・・・」

 

八幡「誰かを好きになって告白して、受け入れられなかったら? 受け入れられても、続かなかったら? ・・・そう考えたら、俺はもう一歩が踏み出せない」

 

八幡「だから、本気で考えれば考えるほどに、俺はお前の気持ちが分からない。 分からなくなる。 本気だとして、どこまでの覚悟があるのか、不安になる」

 

沙希「覚悟、ね・・・」

 

八幡「だから、もし軽い気持ちが少しでもあるなら。 俺は沙希の気持ちに答えられない」

 

沙希「覚悟を見せれば、答えてくれんの?」

 

八幡「・・・ああ」

 

沙希「・・・わかった。 明日、放課後またここに来て。 私の気持ちが本気だってことを証明してみせるから」

 

八幡「・・・わかった」

 

????「・・・」ニヤリ

 

 

~さらに翌日 放課後の屋上~

 

八幡「待たせたな」

 

沙希「いや、いいよ」

 

八幡「じゃあ、沙希の覚悟を・・・」

 

バンッ

 

相模「うわー何々? 告白でもしちゃうの?」ニヤニヤ

 

ガヤガヤ エーコクハク? スゲーナ!

 

八幡「え? これ、なんだよ?」

 

沙希「・・・さあ?」

 

相模「ねぇ! 早くしてよ、待ってんだけど?」ニタニタ

 

八幡「・・・今日はやめておこう。 こんな状況じゃ、後々面倒な事になりかねん」

 

沙希「別に、私は気にしないし。 ちょうど良いから、やる。 私の覚悟、みせてあげるよ」

 

ガサゴソ スッ

 

八幡「・・・マジか」

 

沙希「八幡、私はマジだよ。 ・・・アンタとなら、結婚したい」

 

エーケッコン?! ヤバー! ウケルンデスケド!

 

沙希「アンタらうっさい! 外野は黙ってみてるか、帰りな!」ギロ

 

シーン

 

沙希「これ、渡しておくよ。 判子も名前もちゃんと書いてある。 アンタが18になってからすぐにでも出して構わない」

 

八幡「・・・わかった。 これからもよろしくな、沙希」

 

ヒューヒュー!

 

相模「・・・で、川崎さん? いつドッキリだって教えるの?」ニタニタ

 

八幡「?!」ビクッ

 

沙希「ドッキリでもなんでもないから。 私は本気で比企谷八幡に告白して、受け入れてもらった。 それだけの話」

 

相模「うわー、川崎さんってセンス悪いねー。 つまんないから帰ろっと」ニヤニヤ

 

ガチャ バタン シーン

 

八幡「・・・ゴメン」

 

沙希「アンタのせいじゃない。 バカには言わせとけば良い」

 

八幡「そうだな・・・」

 

八幡(・・・バカだったのはその時の俺。 この後、沙希に降りかかる災難を予見出来なかったのだから)

 

 

~翌日~

教室にて

 

ガヤガヤ ガラッ シーン

 

八幡(・・・なんか、教室の様子がおかしいな?)チラッ

 

スタスタ

 

沙希「・・・ちょっといい?」

 

八幡「・・・おう」

 

・・・・・

 

沙希「昨日のアレを面白がってるヤツがいる。 もしかしたら、冷やかされたりするかも。 気をつけて」

 

八幡「俺は平気だけど、沙希は大丈夫か?」

 

沙希「・・・私は平気」

 

八幡「無理すんなよ? なんかあったら、言ってくれ」ギュ

 

沙希「・・・ありがと///」

 

 

~数日後~

 

八幡(沙希が学校を突然休んだ。 理由は分からなかったが、とりあえず放課後に見舞いに来た)

 

ピンポーン ガチャ

 

沙希「・・・あ。 来てくれたんだ?」

 

八幡「そりゃ、彼氏だからな///」

 

沙希「とりあえず、あがってよ」

 

・・・・・

 

八幡「急に休むなんてどうしたんだ?」

 

沙希「・・・ちょっとね」

 

八幡「・・・やっぱり、あのときの事でなんかあったか?」

 

沙希「・・・」

 

八幡「・・・そうか」ダキッ

 

沙希「・・・八幡?!///」

 

八幡「話す気はないんだな。 なら、聞かない。 でも、辛かったら辛いって言ってくれ」ギュ

 

沙希「・・・うん」ポロポロ

 

八幡「・・・沙希。 俺はお前に守られてなきゃ生きていけない訳じゃないぞ? 対等な関係なんだ。 ・・・もっと頼ってくれ」ナデナデ

 

沙希「うん・・・!」ポロポロ

 

八幡「沙希、顔あげてくれ」

 

沙希「ん・・・なに?」

 

ちゅ・・・

 

沙希「?!///」ビクッ

 

八幡「あ、離れんなよ・・・」ギュ

 

沙希「ちょ! どうしたっての?!///」

 

八幡「しおらしいさきさきが可愛くてつい」テヘペロ

 

沙希「さきさき言うな!」

 

八幡「・・・元気出たな」ニコッ

 

沙希「・・・そうだね」ニコッ

 

八幡「じゃあ、続きしようか」ニヨニヨ

 

沙希「・・・ばかじゃないの?///」プイ

 

八幡「顔真っ赤だな。 可愛い可愛い」ニヨニヨ

 

沙希「・・・いい加減、怒るよ?」プクー

 

八幡「悪い悪い」ポリポリ

 

ギュ

 

沙希「ん、許す」ニコニコ

 

八幡「ありがとな」

 

沙希「・・・私、八幡と話したり、触れ合ってる時間がすごく幸せだよ」

 

八幡「・・・そうか」テレテレ

 

沙希「好きだよ」チュ

 

八幡「・・・おう///」

 

沙希「八幡、照れちゃって可愛い」ニヤニヤ

 

八幡「・・・///」プイ

 

沙希「八幡と一緒に暮らせたら、毎日幸せなのにね・・・」

 

八幡「高校生じゃ同棲は無理だな。 でも、大学生ならできるだろ。 ・・・沙希さえ良ければ」

 

沙希「私、アンタに婚姻届出したくらいだよ? 嫌なわけないでしょ?」

 

八幡「じゃあ、お互いにちゃんと進学しなきゃだな」

 

沙希「それと、今回みたいな問題も乗り越えなきゃだよ」

 

八幡「・・・二人でな///」

 

沙希「・・・二人でね///」

 

八幡「じゃ、まずは目の前の問題から片付けるか。 で、どうする?」

 

沙希「シカトする」

 

八幡「それじゃ今までと変わんないだろ?」

 

沙希「違うよ。 明日からはアンタと二人だから」

 

沙希「逆に見せ付けてやればいい」ニヤニヤ

 

八幡「・・・それは、かなり恥ずかしいのでは?」

 

沙希「言ったでしょ? 私は、気にしないよって」ニヨニヨ

 

八幡「・・・マジか」

 

沙希「それに、反撃する事もできる」ニヤリ

 

八幡「・・・?」

 

 

~翌日~

 

沙希「お昼一緒に食べよう」ニコッ

 

八幡「お、おう」

 

沙希「今日は早く起きれたから、ちょっと手の込んだ物にしたよ」ギュ

 

八幡「そうか///」

 

沙希「じゃ、行こ」

 

~ベストプレイス~

 

ガヤガヤ

 

八幡「・・・///」

 

八幡(落ち着かない・・・///)

 

沙希「どう?」

 

八幡「おう、旨いぞ?」ニコッ

 

沙希「あ、ちょっと・・・」ヒョイ パクッ

 

八幡「?!?!」

 

キャー! ヒッキー・・・ ラブラブダネ!

 

沙希「ごはんつぶ、ついてた」ニコッ

 

八幡「さ、サンキューな///」

 

沙希「気にしないでいいよ」ニコッ

 

八幡「ふぁー・・・っ」

 

沙希「眠くなったの?」

 

八幡「あぁ、旨いもん食ったからな」

 

沙希「そっか。 じゃ、はい」ポンポン

 

八幡「え?」

 

マサカ?! エ?!

 

沙希「枕にしていいよ」ポンポン

 

八幡「いや、悪いだろ?」

 

沙希「いいから」ガシッ ポスン

 

八幡(あ、温かくて良い匂い・・・)

 

沙希「・・・髪の毛、サラサラだね」ナデナデ

 

八幡「沙希程じゃない///」

 

沙希「私はちゃんと手入れしてるからね」

 

八幡「だろうな。 良い匂いするし、サラサラだし、綺麗だよな」

 

沙希「褒められて悪い気はしないね///」ニコニコ

 

スゴイシアワセソウ・・・ ジャマシチャワルイネ オウエンシテアゲヨウヨ

 

相模「!?」

 

ヒキタニクンハトモカク、カワサキサンハ、イイヒトダモンネ!

 

相模「・・・ちょっと!」

 

沙希「・・・なに?」ギロ

 

相模「学校でイチャつかないでくれない?」

 

沙希「別に、アンタには関係ないでしょ」

 

相模「不愉快なんだけど」

 

沙希「じゃ、後ろでコソコソ見てないで、さっさと教室帰れば?」

 

相模「・・・ふーん、そういう事言うんだ?」

 

沙希「なに? またメールでも回すの?」

 

相模「・・・なんのことかな?」ビクッ

 

沙希「私が八幡に告白した次の日、クラスでチェーンメールが回ったんでしょ? 知ってるよ」スクッ

 

相模「・・・」

 

沙希「で、それはアンタがやったんだよね」

 

相模「証拠あんの?」

 

沙希「気付いてなかったの? チェーンメールに、アンタ、自分の友達の名前入れてたんだよ?」スッ

 

 

あのね、今日友達のゆっこが見たらしいんだけど、

屋上で川崎さんが比企谷に告白さたらしいんだ。

 

しかも、婚姻届とかまで渡してて、マジ受けた!ww

 

川崎さんってメチャクチャ重いねww

 

みんなに教えてあげてね!

 

 

相模「ウソ・・・?!」カチャカチャ

 

沙希「・・・何を確認すんの?」

 

相模「・・・あ」

 

沙希「やっぱりアンタだったんだ?」

 

相模「ちが・・・」

 

沙希「人の恋愛にチャチャ入れて楽しい?」ジリジリ

 

相模「待って・・・」オロオロ

 

沙希「人の悪口、陰口たたいて面白い?」ジリジリ

 

相模「だ、だから・・・」

 

沙希「アンタのせいで私の幸せな時間が無くなったら、どう責任取ってくれんの?」ジリジリ

 

相模「だって・・・比企谷に仕返ししたくて」ウルウル

 

沙希「仕返し? ・・・アンタ、ホントにバカなんだね」

 

相模「・・・」

 

沙希「八幡のお陰でクラスから浮かず、最後まで文化祭の委員長でいられたのに仕返し? 甘ったれてんじゃないよ!!」ギロ

 

相模「ひっ・・・」

 

沙希「アンタが仕事やらずに雪ノ下に任せきりで、挙げ句、誰かさんの口車に乗せられて委員よりクラス優先して。 他の委員達も流されて、残った奴が仕事増やされて!」

 

相模「・・・」ポロポロ

 

沙希「で、最後の仕事からも逃げ出そうとして! ・・・八幡に泥被ってもらってやり遂げたんでしょうが!」

 

エ・・・ ナニソレ? ウワサトチガウネ?

 

沙希「アンタが八幡にしなきゃいけないのは感謝のハズでしょ!」

 

相模「・・・っ」ポロポロ

 

八幡「沙希、もう良い」ギュ

 

沙希「でも!」

 

八幡「もう、良いんだ。 ・・・相模」

 

相模「!」ビクッ

 

八幡「ありがとう」

 

相模「・・・え?」

 

八幡「お前のお陰で、沙希と一歩を踏み出せた。 文化祭の時に切っ掛けをくれた。 今回は障害を用意してくれた。 ありがとう」ペコリ

 

沙希「・・・はぁ。 八幡らしいか」ニコ

 

八幡「・・・んだよ?」

 

沙希「なんでもないよ」

 

相模「あ、あの・・・」

 

沙希「・・・なに?」

 

相模「ひっ・・・」ビクッ

 

八幡「・・・沙希?」ジトー

 

沙希「ふん」

 

相模「・・・ごめんなさい」

 

八幡「・・・今回の事も、文化祭の事もお互い水に流そう。 俺もあの時は言い過ぎた。 今回も前回もお前は無駄なことをし過ぎた。 そんだけだ」

 

相模「・・・」コクン

 

沙希「・・・次、邪魔したら許さないよ?」ギロ

 

相模「はい・・・」

 

トボトボ・・・

 

八幡「・・・終わったな」

 

沙希「なんだかんだ、上手くいったね」

 

八幡「お疲れ様」

 

沙希「アンタもね」

 

八幡「・・・そう言えば、沙希。 アレは言い過ぎだろ?」

 

沙希「・・・なんの事?」

 

八幡「文化祭の時の事だ」

 

沙希「・・・」プイ

 

八幡「あれじゃ、相模の立場がなくなる」

 

沙希「・・・」ジトー

 

八幡「・・・なんだよ?」

 

沙希「誰にでも優しいのはどうなの? って思っただけ」

 

八幡「優しいのが取り柄だからな」

 

沙希「ま、他の人にも優しい分、私は愛してもらえると期待してるよ」ニコニコ

 

八幡「・・・おう///」

 

沙希「じゃ、教室戻るよ」ギュ

 

八幡「・・・だな」

 

沙希「その前に・・・」

 

れろっ

 

八幡「?!」

 

沙希「・・・ずっとケチャップついてたよ」ニヤニヤ

 

八幡「え、マジかよ・・・」

 

沙希「ウソ」

 

ちゅ

沙希「今日、アンタん家行くから」

 

八幡「・・・はいはい」

 

八幡(これからも不器用ながら、二人で支え合って生きていきたい。 沙希と二人でなら、これからも幸せな時間を築ける。 そう信じてる)

 

沙希「・・・私、色々強いから覚悟しといてね」スッ

 

沙希「今夜は寝かさないから」ニコリ

 

八幡(キマシタワー! じゃなくて・・・)

 

八幡「・・・沙希を幸せに出来るよう頑張るよ」

 

沙希「頑張ってね」ニコリ

 

 

八幡(どうかこの幸せが続きますように)

 

 

沙希篇 終了

 

 

 

 

 

 

 

八幡×陽乃

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