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三浦「あーしの依頼まだ終わってないし」【俺ガイルss/アニメss】

 

葉山「すまない、優美子」

 

三浦「やっぱり、ダメなんだ…」

 

葉山「本当にすまない…」

 

三浦「あのさ参考までに聞きたいんだけど…やっぱり雪ノ下さん狙い?」

 

 

葉山「それは…」

 

三浦「あ、やっぱりいいや。ゴメン、あーしもう行くね」タタ

 

葉山「優美子……」

 

………

 

教室

 

三浦「は~~~」

 

結衣「どうしたの、優美子?凄い溜息ついてさ」

 

 

三浦「ん~なんでも」

 

結衣「でもさ、もう1週間くらいそんな調子じゃん」

 

三浦「結衣あんた…よく数えてるね。丁度ピッタリだし」

 

結衣「なにが?」

 

三浦「ううん、なんでもないって」

 

結衣「そう?ならいいんだけどさ」

 

 

三浦「ちょっとあーし、外の空気吸ってくるし」スタスタ

 

結衣「うん、わかった」

 

三浦「あれから一週間経ってるんだ…なんか全然実感ないけど」

 

 

三浦「一週間ね、隼人は普通に過ごしてる…あーしはまだこんな感じ」

 

三浦「隼人にとっては、あーしはそんなに大きな存在じゃなかったのかな?」

 

 

三浦「はあ…」スタスタ

 

 

三浦「あれって…なんだ、ヒキオか」

 

八幡「…」

 

三浦「なんか言えっての」

 

八幡「ぼっちの聖域おかして何の用ですか?三浦さん」

 

三浦「は?ここ学校の敷地内だし。そこに自分の聖域作るなっての、バカ?」

 

八幡「俺はお前よりも成績いい気がするんだが、最近は特に」

 

三浦「そういう返しすんなっての、キモイ」

 

八幡「その眼光で威嚇しないでくれませんか?怖すぎます」

 

三浦「適当に言うなっての、全然脅えてないし」

 

八幡「なんだかんだで、お前らのグループとも長い付き合いだしな」

 

 

三浦「…悔しいけど、そうかもね」

 

八幡「つっても、まだ一年くらいだけどな」

 

三浦「そういやそんなになるっけ、高校生の一年だったら長いし」

 

八幡「それもそうか」

 

三浦「…」

 

八幡「…」

 

三浦「ま、この際だから言っとくけど」

 

八幡「なんだよ?急に」

 

三浦「この一年くらい?お世話になりました」

 

 

八幡「……へ?」

 

三浦「ヒキオにっていうか、奉仕部全体に対してだけどさ」

 

 

八幡「…はあ」

 

三浦「素っ頓狂な顔すんな」

 

八幡「いや、そりゃそんな顔にもなるって。なんだよ一体」

 

三浦「あんたらに世話になってたから、お礼言っただけ」

 

三浦「結衣にはもう言ってあるけどさ」

 

八幡「律儀ですね、あーしさん」

 

三浦「うるさい」

 

三浦「で、あんたはなんでこんな所いんの?」

 

八幡「話聞いてなかったのか?孤独に飯食べてるんだよ」

 

三浦「一人で?」

 

八幡「材木座の阿呆呼ぶ気にはなれんし、戸塚は部活のなんちゃらで忙しいしな」

 

三浦「なんでそこで男だし、結衣とか雪ノ下さんとかいるじゃん」

 

八幡「呼んでも来ないだろ」

 

三浦「いや、普通に来てくれるでしょ」

 

八幡「それに…変な噂になったらあいつらにも悪いしな」

 

三浦「うっわ、アホな発想…」

 

 

八幡「なんとでも言え。俺は去年の文化祭から嫌われ者のレッテル貼られてんだよ」

 

三浦「あ~そういえば、そんなアホなこともあったっけ」

 

八幡「というわけで、変な噂になるからお前もどっか行け」

 

三浦「あーしに対してそんなことになったら、噂自体なくすし」

 

八幡「うわ…本当に実行しそうだよ…この人」

 

 

三浦「だから気にする必要ないし」

 

八幡「…なんか最近様子が違うと思ってたけど、なんかあったか?」

 

三浦「はあ?なんでそんなことわかんの?」

 

八幡「いや、見てたらわかるだろ」

 

三浦「は、はあ?見てた?あーしをっ?」

 

八幡「嫌でも目立つからな」

 

三浦(ビックリした…そういうことか…まあ、結衣も近くにいるしねそっち見てたか、うわヒキオの奴エ口い)

 

三浦(いやヒキオなんかにドキドキするとか…今のあーし絶対変だ)

 

三浦(いやそもそもドキドキとかなに?意味わかんない)

 

 

八幡「葉山に振られたか?」

 

三浦「!!…なんで知ってんの?」

 

八幡「ビンゴかよ」

 

三浦「誰かに聞いたの?」

 

八幡「いや、ただお前が落ち込む内容って言ったら、それが一番確率高いと思っただけだ」

 

三浦「なんか…あーしの心のなか見透かされたような気がするんだけど」

 

八幡「気にすんなよ」

 

三浦「ヒキオに当てられたことが気になるし」

 

八幡「そこかよ…」

 

三浦「もう一週間になるけどさ…バッサリ振られたし」

 

八幡「マジか…まあ、あいつ一色の奴も振ったしな」

 

 

三浦「ああ、そういえばそんなことあったね去年の年末だっけ」

 

三浦「あの子泣いてたし」

 

八幡「まあ、かなり泣いてた」

 

三浦「で、あの後泣いてる後輩をヒキオが慰めたと」

 

八幡「なにその意味深な言い方…なにもしてませんよ?」

 

三浦「ま、いいやこの際だし。依頼でもしとこうかな」

 

八幡「は?依頼?」

 

三浦「あーしを元気づけてよ」

 

八幡「……」

 

 

奉仕部

 

 

三浦「というわけで、私三浦優美子は奉仕部のみなさんに依頼させていただきます」

 

結衣「優美子…え?え?」

 

八幡「…」

 

雪乃「それはいいのだけれど、どうしてそんな話し方なの?」

 

 

三浦「いや、依頼する立場だし?なんか個人的っていうかそんな頼みだし?」

 

雪乃「もう戻ったわね」

 

八幡「元気づけろっていう依頼がそもそもよくわからんけどな」

 

三浦「なんでもいいって、無理なら断ってくれてもいいし」

 

結衣「いやそんなことはしないけどさ」

 

三浦「さっすが結衣、親友だし~」

 

結衣「うん、そうだよっ」

 

三浦「それに…」

 

八幡「ん?」

 

三浦「ヒキオに言えば、なんとかしてくれるっていう安心感みたいなの?」

 

三浦「そういうのがあるなって思ったし」

 

 

八幡「三浦さん、なにか変な物でも食べました?おかしいですよ、今日のあなた…」

 

結衣「ヒッキー、顔がにやけてるよ」

 

八幡「に、にやけてねぇし…」

 

結衣「にやけてるよ、ば~かっ」

 

三浦「それでさ、依頼受けてくれるの?」

 

 

雪乃「そうね、受けましょう。二人もいいかしら?」

 

結衣「あたしはもちろんいいよっ」

 

八幡「まあ、しょうがないか」

 

三浦「よかった、それじゃよろしくねっ」

 

 

ガラガラ

 

 

雪乃「さて、どうしようかしら、具体的には」

 

結衣「う~んそうだねっ」

 

八幡「というか簡単だろ?」

 

雪乃「なにか考えがあるの?」

 

八幡「由比ヶ浜が遊びに連れて行けばそれでよくないか?」

 

 

結衣「う~ん、どうなんだろう」

 

雪乃「そうね」

 

八幡「なにか問題があるか?」

 

結衣「ほら隼人くんが近くにいる場合もあるしさ」

 

八幡「なるほど、同じグループだしな」

 

結衣「優美子と姫菜と3人で遊びに行くっていうのは有りあんだけどさ」

 

結衣「それだといつもと全然変わらないから」

 

八幡「あいつは一週間落ち込んでたんだな…それだと気分晴れないか」

 

 

結衣「うん、時間かかると思うよ。やっぱり同じグループのこと思い出すし」

 

雪乃「なら今までにない奇抜なことが必要ね」

 

 

八幡「雪ノ下と出かければいいんじゃないか?」

 

結衣「あ、それいいかも」

 

雪乃「バカなことを言わないで」

 

結衣「やっぱり?無理かな~」

 

雪乃「私は彼女が嫌いだわ、三浦さんも好きではないでしょうし」

 

八幡「はっきり言うなこいつ」

 

結衣「バッサリだね」

 

雪乃「そんな二人が出かけたりなんかしたら…どうなるかわかってるでしょ?」

 

結衣「えっと…考えないようにしよっか」

 

八幡「阿鼻叫喚だな」

 

 

結衣「じゃあ…どうするの?」

 

雪乃「そうね…比企谷くんと出かけるというのは?」

 

八幡「はあ?待て、難易度高すぎるだろそれは」

 

結衣「そ、そうだよ…!ヒッキーには無理だよ、優美子とデートなんてっ」

 

雪乃「あら?そんなことないでしょ?この前、一色さんとデートしてたんだから」

 

 

八幡「な…なんでそれを…」

 

結衣「ええっ!?ヒッキー、本当に?」

 

八幡「ま、まて由比ヶ浜…あれはあいつの誕生日プレゼントを買わされただけだっ」

 

結衣「それって、思いっきりデートじゃんっ!」

 

八幡「だから違うっての…」

 

雪乃「とにかく一色さんとデートを楽しめるプレイボーイなら三浦さんを元気づけてあげられるでしょ?」

 

 

八幡「誰がプレイボーイだ、誰が…対極じゃねぇか」

 

雪乃「それに、そのくらい刺激のある組み合わせの方が気分が変わっていいと思うわ」

 

 

八幡「…ま、それはそうかもな」

 

結衣「ええっ?なんで二人で納得してるの?」

 

結衣「ヒッキーと優美子だよ…?ええ~?」

 

雪乃「とりあえずその案で行きましょう」

 

八幡「もう決定かよ」

 

雪乃「構わないでしょう?」

 

八幡「…わかったよ」

 

結衣「うう~」

 

 

後日

 

 

雪乃「というわけなの、なにか文句はある?」

 

三浦「いや、話はわかったんだけどさ、なんで喧嘩腰?」

 

雪乃「あらそんなことないわ」

 

 

結衣「優美子さ、その…いいの?」

 

三浦「ヒキオとデートか…そりゃ考えもしなかったし」

 

三浦「ダサい男連れて歩くのはちょっとね」

 

結衣「だよねだよねっ」

 

八幡「なんか言われたい放題なんですけど」

 

三浦「でも依頼したのはあーしだし、それに従うよ」

 

結衣「あ、そ、そうなんだ…」

 

雪乃「それじゃあ決まりね。比企谷くん、ちゃんとエスコートするのよ」

 

八幡「なあ、これって俺だけが働かないか?」

 

雪乃「細かいことを気にする男はモテないわよ」

 

八幡「なんだそりゃ」

 

雪乃「とにかく出発して」

 

八幡「へいへい」

 

三浦「ヒキオとって…想像してなかったし」

 

八幡「俺だってこんな案がくるとは思わなかったんだよ」

 

結衣「行っちゃったね」

 

雪乃「そうね、この後どうしましょうか?」

 

結衣「帰ってもいいのかもしれないけど、喫茶店でも入る?」

 

雪乃「ええそれがいいわね」

 

---------------

 

八幡「…」

 

三浦「キョドってない?あんたさ」

 

八幡「あーしさんの隣は緊張するんだよ」

 

三浦「はあ?意味わかんない」

 

八幡(多分こいつは無意識に他人を威嚇してたな、間違いない)

 

三浦「ていうか、あんたのその服なんとかなんないの?」

 

八幡「この服か?」

 

三浦「地味すぎ」

 

八幡「そんなこと言われてもな、一応家から引っ張ってきたやつだ」

 

三浦「あーしの隣にはふさわしくない」

 

八幡「なんですかその女王様発言は」

 

三浦「それは冗談として、とにかく服屋行くし」

 

八幡「服屋かよ」

 

三浦「とにかくヒキオの服買うから」

 

八幡「おいおい、あんま金ないぞ、俺」

 

三浦「そんな高くなくてもマシなんはあるって」

 

 

茶店

 

結衣「…」

 

雪乃「上の空ね、由比ヶ浜さん」

 

結衣「え?そんなことないけど」

 

雪乃「比企谷くんのことが気になるのかしら?」

 

結衣「そ、そんなこと…!」

 

雪乃「隠すようなことでもないと思うけど」

 

結衣「うう…ゆきのんは平気なの?」

 

雪乃「どういう意味かしら?…というのも無粋ね」

 

結衣「うん」

 

雪乃「私は自分の気持ちが今はわからないわ」

 

結衣「そうなんだ」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、あなたは?」

 

 

結衣「あ、あたし?あたしは…その、あははははっ」

 

雪乃「この前に色々あったばかりだけど、自分の気持ちに正直になった方がいいわ」

 

雪乃「私たちの絆はそんなに安っぽいものじゃないでしょ?」

 

結衣「ゆきのん…」

 

----------------

 

八幡「おい三浦…このシャツは」

 

三浦「あんたワイルドさが足りないし、偶には柄物とかいいんじゃない?」

 

八幡「なんだよそれ」

 

三浦「つーか、あんた着せ替え人形みたい」

 

八幡「なんか遊ばれてるような気がするんですが」

 

三浦「気のせいだって」

 

三浦「ま、その上下なら少しはマシかもね」

 

八幡「結構な出費だ、受験生だし金もねぇのに」

 

三浦「グダグダ言うなっての、みっともない」

 

 

八幡「ジーパンの方が特に高かったじゃねぇか」

 

三浦「まあ確かに高かったし、昼はあーしが奢ってあげるし」

 

八幡「あーしさんに奢ってもらうのも新鮮でいいんだが…」

 

三浦「なに?」

 

八幡「実は弁当作ってきてあってだな」

 

三浦「は?だれが?」

 

八幡「俺だよ、こう見えてもそんくらいはできるぞ」

 

三浦「へえ、器用なことしてんじゃん」

 

八幡「ま、せっかく作ってきてあるから食ってくれ」

 

三浦「味は大丈夫なんでしょうね?」

 

 

八幡「まあおそらく」

 

三浦「なにそれ頼りない」

 

 

ベンチ

 

八幡「どうだ?」

 

三浦「悔しいけど…うまいし」

 

八幡「専業主夫志望だしな、今年に入ってからもレパートリー増やしてるんだぞ」

 

三浦「花嫁修業じゃないんだから、なにやってんの?」

 

八幡「ちゃんと受験に支障ないようにしてるっての」

 

三浦「でもマジでおいしいね、ビックリしたし」

 

八幡「まあ普段は絶対見せないからな」

 

三浦「ちょっと見直した」

 

八幡「なんだよ突然…」

 

三浦「作ってくれたことに感謝してるだけだし?勘違いすんなよ」

 

 

八幡「誰がするか」

 

------------------

 

三浦「ごちそうさま」

 

八幡「お粗末さまでした、お茶いるか?」

 

三浦「そんなのまで用意してんの?ピクニックじゃないんだから」

 

八幡「お前元気づけるっていう名目だからな。今までと違う感じの方がいいだろ」

 

三浦「そういうことね」

 

ゴクゴク

 

三浦「お茶がまたうまいし」

 

八幡「そうだろそうだろ、これは妹がどこからか買ってきたのだ」

 

三浦「そういや妹いるんだっけ」

 

八幡「まあな、俺に似てなくてかわいい妹なわけだ」

 

三浦「シスコン発言はいいから」

 

八幡「誰がシスコンだ、妹大好きなだけだ」

 

三浦「それをシスコンって言うんでしょ、キモイ」

 

八幡「うるせーよっ」

 

 

八幡「そういや、今日のこと伝えたら三浦によろしくだってよ」

 

三浦「え?そうなん?」

 

八幡「お前って1年の間でも有名みたいだな」

 

三浦「ま、あーしの美貌ならそれくらいいくっしょ」

 

八幡「あーしさん、キャラおかしくないですか?」

 

三浦「…それでも隼人には振られちゃったけどさ」

 

八幡「顔だけで選ぶ男ってのもどうかと思うけどな」

 

三浦「隼人はそんなことしないし」

 

八幡「あいつは、まだ誰とも付き合わないんだろ」

 

 

三浦「そうかもね」

 

八幡「…」

 

三浦「次どこ行くの?あんたがエスコートしなよ」

 

八幡「エスコートかよ…そうだな…う~ん」

 

三浦「遅いヒキオっ、とりあえず映画館行くし」

 

八幡「お前が決めてどうするんだよ…」

 

 

映画館

 

三浦「ここはあーしが出すから」

 

八幡「おいおい、割り勘でいいぞ?」

 

 

三浦「さっきのお弁当のお礼も兼ねてるから」

 

八幡「いやお礼って」

 

三浦「あーしだって、あんなのもらって何もしないと気持ちわるいし」

 

八幡「んじゃ、お言葉に甘えます」

 

三浦「ん、そうしな」

 

 

八幡「なに見るんだよ?」

 

三浦「なんでもいいでしょ?適当に飽きないアクションでも」

 

八幡「おう」

 

三浦「この3D対応の映画でいいでしょ」

 

八幡「ちょっと割高になるぞ?いいのか?」

 

三浦「それくらいいいって」

 

 

八幡「3Dメガネって弱冠かけにくいよな」

 

三浦「なんか安っぽいつくりだしね」

 

八幡「経費削減か」

 

三浦「いや、それはわからないけど」

 

八幡「この作品ももう5作品目なんだよな~」

 

三浦「俳優が結構歳いってるし、さすがにスパイとかは無理が出て来てない?」

 

八幡「まあ無難な作りにはなってるだろうから、心配はしてないが」

 

三浦「ドバイを舞台にした前作も良かったしね」

 

八幡「なんで俺は三浦と映画談議してんだよ」

 

三浦「あーしに聞くな、聞きたいのはこっちだしっ」

 

八幡(これだと、なんかカップルで映画見に来てるみたいじゃねぇか)

 

八幡(これは依頼だからね?依頼)

 

 

それから 喫茶店

 

 

三浦「映画どうだった?」

 

八幡「まあまあだったんじゃね?迫力あったし」

 

三浦「確かに面白かったけど…」

 

 

八幡「なんだ?どうした?」

 

三浦「あんた暗いのをいいことに、あーしにセクハラしようとしてなかった?」

 

八幡「は、はあ…?なに言ってんだよ…!?」

 

三浦「なんか挙動おかしかったし、太ももに触れられた気が」

 

八幡「おい…濡れ衣だ」

 

三浦「あっそ」

 

八幡(予想以上にあーしさんとの距離が近くて焦りはしたけどな)

 

八幡「別に何もしてないからな?」

 

三浦「ふ~ん、まあヒキオだしね」

 

八幡「どういう意味だ?」

 

三浦「なんでも」

 

八幡「それはともかく」

 

三浦「なに?話変えたし」

 

八幡「おい…なんで喫茶店に二人きりなんだ?」

 

 

三浦「なんでって…映画帰りに寄っただけでしょ」

 

八幡「それはわかってるが、まさか三浦と」

 

三浦「こっちのセリフだっての本当に」

 

八幡「そろそろ由比ヶ浜とかにバトンタッチでもいいんじゃないか?」

 

 

三浦「あれ?もしかして結衣たちいんの?」

 

八幡「多分近くにはいると思うぞ、一応今日は依頼って名目だから」

 

三浦「……」

 

八幡「というわけで早速連絡するぞ」

 

三浦「ちょい待って、まだいいでしょそんな焦んなっての」

 

八幡「なんでだよ…」

 

三浦「別にヒキオでも問題ないっていうか」

 

八幡(なんかあーしさんの言葉とは思えない…)

 

 

茶店の外

 

 

雪乃「なんだかいい雰囲気ね」

 

結衣「優美子…ヒッキー…」

 

 

雪乃「一色さんのことといい、比企谷くんはなんなのかしら?女の敵?」

 

結衣「し、信じられないよ…あのヒッキーだよ?自分でボッチとか言っちゃう…」

 

雪乃「そうね奉仕部の備品だし」

 

結衣「……」

 

 

雪乃「心配してるのかしら?」

 

結衣「そ、そんなことないよ、だって唯の依頼だしさ」

 

雪乃「そうね唯の依頼ね。決してデートなんかじゃないわね」

 

雪乃「でも普通に楽しそうね、もしこのままこういうのが続いたら…」

 

結衣「えっ、ゆきのん?」

 

雪乃「いいえ、なんでもないわ」

 

 

夕方

 

三浦「あ~、けっこう時間経ったし~」

 

八幡「もうこんな時間か、そろそろ帰るか?」

 

三浦「ん~そうしよっかな」

 

 

八幡(あれから喫茶店でかなり長く居座ったな…)

 

八幡(好きな映画談議とかして、なぜか小町の話にもなったし)

 

八幡(そしてまたシスコン呼ばわり…だからシスコンじゃねぇって)

 

 

八幡「由比ヶ浜たち呼んでくるぞ?」

 

三浦「あ、それなんだけどさ。あんたの方から言っておいてくんない?」

 

八幡「なんて?」

 

三浦「ありがとうってさ」

 

八幡「別にいいけどよ…」

 

三浦「それから、まだ晴れてないしこういうの頼むかも」

 

八幡「俺がやんの?」

 

三浦「なに?駄目なん?」

 

八幡「いや…別にいいけど」

 

三浦「じゃあよろしく、あ~あ…愛しの隼人…シクシク」

 

八幡「なんかもう色々とどこから突っ込めばいいのか…」

 

三浦「…今日はさ、案外楽しかったし」

 

八幡「…そ、そうか」

 

三浦「隼人のことは本当に残念だけどさ、あーしも気分変えて行くし」

 

八幡「それがいいんじゃね?俺達も協力するからな」

 

三浦「ヒキオに慰められるとか」

 

八幡「依頼だからな」

 

三浦「言うと思った」

 

八幡「じゃあここで解散でいいか?」

 

三浦「うん、それじゃ」

 

八幡「おう」

 

-------------------------------

 

雪乃「どうだったの?」

 

八幡「お前ら、時間つぶしとかできたのか?」

 

結衣「大丈夫だよ、ゆきのんと色々回ってたから」

 

雪乃「それでどうなの?」

 

八幡「まあ…気分は晴れるんじゃねぇか?このままいけば」

 

雪乃「比企谷くんと行動する方がやはりよさそうね」

 

結衣「つ、次はあたしが優美子と行動しようかな~なんて」

 

八幡「由比ヶ浜は新鮮味無さ過ぎるだろ、雪ノ下は?」

 

雪乃「ごめんなさい。無理ね」

 

八幡「だよな…じゃあ、俺か…」

 

結衣「ええ~…」

 

 

次の日

 

 

三浦「…」ガラガラ

 

 

海老名「やっほー、優美子」

 

三浦「おはよ」

 

海老名「ねえねえ聞いてほしいんだけど」

 

三浦「なにを?」

 

 

海老名「今度ね、葉山くん受けの話を…材木座くんと」

 

パコ

 

三浦「擬態しろしっ!」

 

海老名「いたたた…厳しい突っ込み」

 

三浦「海老名あんたは相変わらずだし」

 

海老名「優美子もこの突っ込み…前の優美子の物…」

 

三浦「え?」

 

海老名「なんかいいことでもあった?」

 

三浦「いいことって…別に」

 

海老名「ふ~ん本当に?」

 

葉山「あ、おはよう優美子」

 

三浦「隼人…おはよ」

 

 

葉山「優美子、実は今度の休みに遊びに行くという予定があるんだけど」

 

三浦「うんそうなんだ…それで?」

 

葉山「よかったら優美子も行かないかい?」

 

三浦「…」

 

葉山「優美子?」

 

三浦「ごめん隼人、遠慮しとく」

 

葉山「そ、そうか…残念だよ」

 

 

昼休み

 

 

三浦「またこんなところにいるし」

 

八幡「三浦かよ、なんか用か?」

 

三浦「別にヒキオに用なんかないけど」

 

八幡「教室に居ずらいのか?」

 

三浦「なんでわかんの?あんたさ」

 

八幡「なんとなく葉山と離れたそうだと思っただけだよ」

 

三浦「隼人に今度の休み誘われた」

 

八幡「行けばいいだろ?」

 

 

三浦「無理…少なくとも今は楽しめそうにないし」

 

八幡「葉山は仲直りしようとしてるんだろ」

 

三浦「やっぱそうかな?」

 

八幡「やっぱそうかなって、わからないのか?」

 

三浦「うん…隼人とは長い付き合いに思うけど…」

 

三浦「正直、隼人がどういうこと考えてるのかわかってないし」

 

八幡「あいつ自分を取り繕ってるからな」

 

三浦「仮面被ってるように感じたことはあるし」

 

八幡「やっぱ薄いか?関係性は」

 

三浦「隼人とか戸部達とは…やっぱり薄いかもね」

 

三浦「あーしはあのグループ好きだけどさ」

 

 

三浦「でも、あんたら奉仕部が羨ましいって思ったこともあったし」

 

八幡「なんだそりゃ…俺たちのところも薄いだろ」

 

三浦「少なくとも薄い関係とは思わないし」

 

八幡「そうか?よくわからんけど」

 

 

三浦「ところでさ、あーしの依頼だけど」

 

八幡「おう」

 

三浦「今度の休みとかまた実行してくれる?」

 

八幡「まあ、いいけど」

 

三浦「じゃあよろしく」

 

八幡(おい…なんかデートの約束のような…いや、違うか)

 

 

次の日曜日

 

レストラン

 

三浦「あ、来た来た。いただきますっと」

 

八幡「なあ」

 

三浦「なによ?」

 

 

八幡「なんかいい感じのレストランだな…」

 

三浦「まあね、あんたには縁がないかもね」

 

八幡「高い…」

 

三浦「割り勘でいいって言ってんでしょ」

 

八幡「それならいいが」

 

八幡(俺の懐事情的には決して良くはないが…)

 

八幡(依頼とはいえ辛い。平塚先生に教えてもらったラーメンとかのがいいな)

 

八幡「なあ三浦」

 

三浦「ん?」

 

八幡「今度から、ラーメンとかそういうのにしてくれないか?」

 

三浦「はあ?ラーメン?なんで?」

 

八幡「いや…安いし」

 

三浦「あんたそれ、本気で言ってないよね?」

 

八幡「あ~やっぱりマズイか」

 

三浦「あたりまえでしょ。まあヒキオだとそんなもんか」

 

八幡「そういやこの前一色と出かけた時、牛丼屋嫌がってたしな」

 

三浦「あたりまえ…て、あんた二人で?」

 

八幡「あ、いや、誕生日プレゼント無理やり買わされただけだ」

 

三浦「へえ…意外、あの子がヒキオとね~」

 

八幡「おい…変な勘違いすんなよ」

 

三浦「まあなんだっていいけど…でも牛丼屋はないでしょ」

 

八幡「サイゼもか?」

 

三浦「そっちの方がいいんじゃない?」

 

八幡(ほほう、サイゼは三浦的にはまだマシということか)

 

三浦「そもそも牛丼屋とかラーメンとかは男の店って感じだし?」

 

三浦「デートとかで連れて行くような所じゃないでしょ」

 

八幡「で、デートって…」

 

三浦「これは依頼だから、勘違いすんなし」

 

八幡「しねぇよ」

 

三浦「ま、ヒキオだしね」

 

八幡「うるせぇ…」

 

三浦「で、この後だけどさ」

 

八幡「おう、どっか行くか?」

 

三浦「ボウリングでも行こうよ」

 

八幡「ボウリングか…そんなにしないんだけど」

 

三浦「あーしもだっての」

 

 

その頃

 

雪乃「由比ヶ浜さん?この服はどうかしら?」

 

結衣「…」

 

雪乃「由比ヶ浜さん?」

 

結衣「え?あ、なにゆきのん?」

 

雪乃「大丈夫?さっきから様子が変だけど」

 

結衣「だ、大丈夫だよっ」

 

雪乃「二人のことがまだ気になるの?」

 

結衣「だってその、今日も出かけてるんだよね?」

 

雪乃「そうだと思うけど」

 

結衣「しかも優美子から言ってきたらしいし…」

 

雪乃「そうみたいね」

 

結衣「…ヒッキー」

 

雪乃「由比ヶ浜さん…どうするの?」

 

結衣「えっと…あははは、まだ考え中かな」

 

雪乃「そうなの…難しい問題だものね」

 

結衣「そうかもねっ、優美子の力には絶対なってあげたいしさ…」

 

雪乃「由比ヶ浜さん」

 

結衣「あ、ごめんねゆきのん。買い物続けよ」

 

雪乃「ええ」

 

 

ボウリング場

 

ガコーーーン

 

三浦「やった!ストライクだしっ!」

 

八幡「元気なあーしさんでしたとさ」

 

三浦「なに?なんか文句あんの?」

 

八幡「いやいやなんでもないです」

 

八幡(なんだよ…結構元気だな)

 

八幡(この調子なら案外早く持ち直すかもな、さしがあーしさん)

 

 

三浦「次ヒキオの番だし」

 

八幡「おう、そうだっけ」

 

三浦「ヒキオやる気ないっしょ?」

 

八幡「いや…なんか点差が」

 

三浦「あ~やる気あるあーしと、やる気ないヒキオの差が出たか」

 

八幡「ボウリングにもやる気の差出るんですね…」

 

八幡「というか100点差くらいあるんだが…」

 

三浦「負けたほう罰ゲームね」

 

八幡「おい」

 

 

三浦「冗談だけど」

 

八幡「冗談言えるなら大丈夫そうだな」

 

三浦「は?なんのこと?」

 

八幡「なんでもねぇよ」

 

三浦「とにかくあんた投げなっての」

 

八幡「わかってる」

 

ガコオオオオオン

 

八幡「ガーターかよ、よりによって…」

 

 

その後

 

 

三浦「あ~~~っ!楽しっ!ボウリングってのも案外いいかもね~」

 

八幡「まあ、あんだけストライク連発してたら楽しいでしょうよ」

 

三浦「あーしって意外と才能あるかも?プロボウラーとか」

 

八幡「狙ってみたらどうだ?」

 

 

三浦「儲かんのかな?」

 

八幡「ピンキリじゃね?それで食ってる人もいるだろうけど」

 

三浦「プロか~」

 

八幡「なんかマジに考えてるあーしさん」

 

三浦「なに?」

 

八幡「いえ、なんでもないです」

 

三浦「そういやさ、携帯番号教えてよ」

 

八幡「へ?」

 

三浦「番号、交換してないでしょ?」

 

八幡「マジですか?」

 

三浦「なんでそんなキョドるわけ?」

 

八幡(自覚ないのかな、あーしさんは。普通驚くもんだが)

 

八幡「えっと、俺の番号は」

 

三浦「最近のやつって赤外線とか外されてるから面倒になったし」

 

八幡「赤外線便利だったな、俺の今のやつにもついてない」

 

 

三浦「…はい、登録完了と」

 

八幡「昔の由比ヶ浜といい、早いな」

 

三浦「こんくらい普通だって、あんたももう少し携帯のスピード上げな」

 

八幡「あんまり必要ないからな」

 

三浦「なるほど、交友関係狭いからか」

 

八幡「おい…人の心抉るなよ」

 

 

三浦「じゃあ、今度は携帯から連絡するし」

 

八幡「あ、依頼の件か」

 

三浦「そう、また出かけるポイント考えといてよ」

 

八幡「平塚先生直伝のラーメン屋はどうだ?詳しいぞ」

 

三浦「先生の直伝ってあんた…そういや、仲いいよね」

 

八幡「誤解招くような発言すんな、本当の意味で問題になりかねん」

 

三浦「不純異性交遊だし」

 

八幡「おい…明らかに違うだろ」

 

三浦「色気とか何もないけど…そこでもいいよ」

 

八幡「マジか?」

 

三浦「うん、付き合ってもらってるのこっちだし」

 

八幡「律儀なあーしさんは格好いいと思う」

 

三浦「はあ?な、なに言ってんの…?」

 

八幡「いや、別に…」

 

三浦「…」

 

八幡(無言になんなよ…変な雰囲気流れるだろ)

 

八幡「とにかく、今日はもう帰るか」

 

三浦「うん、そうしよ」

 

 

数日後 教室

 

 

戸塚「八幡、その手に持ってるのってさ」

 

八幡「コーヒーだけど、どうした?」

 

結衣「コーヒーはコーヒーでもさ」

 

八幡「まあ、偶にはな。ブラックでも」

 

 

結衣「本当にめずらしいし、どうしたの?」

 

八幡「いや、なんにもねぇけど、偶には苦さを楽しむのもいいかもな」

 

八幡「人生苦いことばかりでもないし」

 

結衣「ヒッキー…なんか変だよ」

 

戸塚「哲学的だね」

 

八幡「そんな賢いもんでもないっての、たまたまだ、たまたま」

 

結衣「優美子といいことでもあったの?」

 

八幡「ぶふう…!…なに言い出すんだよ、いきなり…!」

 

結衣「あ、動揺してるしっ!やっぱりなにかあるんだっ!?」

 

八幡「ば、ばか…なんもねぇよ…!」

 

結衣「怪しい…」

 

八幡「おい…俺が三浦とそんなことあるわけないだろ」

 

結衣「どうかな…優美子、ヒッキーのこと話すこと多くなったし」

 

 

八幡「マジか?」

 

結衣「うん、なんか心当たりあるんだ?」

 

八幡「な、ない…」

 

結衣「へ~、ふ~ん、そう?」

 

八幡「信じてませんよね、由比ヶ浜さん」

 

戸塚「ええ?本当なの八幡?三浦さんと?」

 

八幡「戸塚…お前まで由比ヶ浜を信じるのか…俺は悲しい」

 

戸塚「いや、そうじゃないけどさ」

 

結衣「彩ちゃんはあたしの味方だもんね~?」

 

 

戸塚「あはは、でも三浦さんと最近一緒にお昼してるよね?」

 

八幡「あれは…色々あるんだよ」

 

結衣「…依頼のことあるにしても、ちょっと仲良すぎるよ」

 

八幡(番号交換したしな…いや、それだけだしね…うん)

 

八幡「…」

 

結衣「黙っちゃうし」

 

戸塚「このままだと噂になるかもしれないよ?」

 

八幡「三浦とか?」

 

結衣「え?ええ~~?」

 

戸塚「うん、三浦さんも有名だしさ」

 

八幡「まあ、あいつに聞いたこともあるし、別に大丈夫って言ってたしな」

 

 

結衣「そ、そうなんだ…優美子…」

 

八幡「どうした?由比ヶ浜?」

 

結衣「な、なんでもないよ?」

 

 

戸塚「そうなると、あっちの噂はどうなんだろう?」

 

八幡「あっちってなんだ?」

 

戸塚「ほら、最近出たみたいなんだけどさ」

 

結衣「ああ…うん、あれだよね」

 

 

八幡「?」

 

結衣「ゆきのんと隼人くんが付き合ってるっていう噂」

 

八幡「…あの二人が?」

 

結衣「うん」

 

八幡「なんか前にもそんなことあったよな」

 

 

戸塚「そういえばあったね、冬頃に」

 

八幡「どこかで二人を見たとかだろ?」

 

結衣「そうみたいなんだけど…」

 

八幡「なら、いつも通り勘違いなんじゃないか?」

 

戸塚「あの二人は、家柄の問題で一緒にいることもあるみたいだしね」

 

結衣「でも、今回はゆきのんも否定してないんだ、さっき聞いたんだけどさ」

 

八幡「マジか?」

 

結衣「うん、ちょっと言葉濁してて、「やれやれ」みたいな感じだったけど」

 

八幡「……」

 

戸塚「ええっ、ていうことはさ…もしかして」

 

結衣「う、う~ん、どうなんだろう?あたしやヒッキーはさ」

 

結衣「ゆきのんが隼人くん避けてるの知ってるから、不思議なんだよね」

 

 

結衣「ねえヒッキー?」

 

八幡「…」

 

結衣「ヒッキー?」

 

八幡「聞いてるっての。そうだな、あの二人がまさかって思うわな」

 

結衣「だよね」

 

八幡「ただ、二人は昔は親密だったんだろ?」

 

結衣「幼なじみだもんね」

 

八幡「葉山がうっかり「雪乃ちゃん」って呼んだのも聞いてるしな、以前に」

 

結衣「あ~そんなこともあったっけ」

 

戸塚「八幡、よく覚えてるねそんなこと」

 

八幡「え、な…俺は記憶力いいんだよ」

 

 

結衣「む…!ヒッキーってゆきのんのことそんなに意識してたんだ、ちょっとキモい」

 

八幡「まてまて由比ヶ浜…変な想像すんな。あとキモイって言葉は想像以上に破壊力あるからね?」

 

 

戸塚「ちょっと気になるところだね」

 

八幡「そうだな、もしかしたらなんか進展があったのかもな」

 

結衣「進展…ヒッキーも優美子と…」

 

八幡「なんだ?」

 

結衣「ううん、なんでもないよ?あはは」

 

海老名「優美子~」

 

三浦「ん~?なんなん海老名?楽しげな顔して」

 

海老名「ほらほらあるじゃん?噂」

 

 

三浦「噂?」

 

海老名「優美子には酷かもしれないけど、隼人くん関連で~」

 

三浦「雪ノ下さんと付き合ってるっていうあの噂?」

 

海老名「そうそう、てあんまり動揺しないね?」

 

三浦「あ~それは」

 

三浦(そういえば、海老名には告白して振られたこと言ってなかったっけ)

 

 

三浦「ま、色々あってさ~ここ最近。なんか新鮮でやたら濃い事柄が」

 

海老名「へ~そうなんだ?でもよかった、ちょっと元気になってる?」

 

三浦「心配かけてた?」

 

海老名「ま、ちょっとね」

 

三浦「ありがと海老名。さっすが親友、擬態してれば可愛いし完璧。」

 

海老名「でもさ、噂では隼人君と一緒に歩いてたらしいよ。結構仲良さげに話してたって」

 

三浦「ふ、ふ~ん、そ、そうなんだ…」

 

海老名「ごめん、やっぱりちょっとキツイ?」

 

三浦「だ、大丈夫だって、それで?」

 

海老名「あとさ、手をつないだって噂があって…」

 

三浦「…」

 

三浦(あ…やばい…きついかも…)

 

三浦(吹っ切ったつもりではいたけど…まだ時間経ってないし)

 

三浦(でも、こんなんじゃ奉仕部とかヒキオにも悪いよね…)

 

 

三浦(隼人、やっぱり雪ノ下さん狙いか…うまくいったんだ)

 

三浦「まあ、おめでとうって感じかな?」

 

海老名「優美子さ、いいの?」

 

三浦「ま、あーしは大丈夫だから」

 

海老名「優美子…」

 

三浦「その為の依頼だし?」

 

海老名「ん?依頼って…」

 

 

三浦「あーし絶対変になってるし…こんなに信頼してるとか」

 

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お昼

 

三浦「今日もここにいるし」

 

八幡「おう、弁当作って来ておいてよかったぜ」

 

 

三浦「また作ってきたん?」

 

八幡「なんだよ、食わないのか?」

 

三浦「いや…頂くけど…勿体ないし」

 

八幡「ほれ」

 

三浦「ありがと」

 

三浦「なんで学校にまで弁当作って来るわけ?」

 

八幡「依頼のうちだからな」

 

 

三浦「いや、出かける時ならまだわかるんだけど…」

 

八幡「てっとり早いだろこっちの方が、嫌だったか?」

 

三浦「別にそんなことはないけど」

 

八幡「ならいいだろ」

 

三浦「うん」

 

 

八幡「……ところで」

 

三浦「なに?」

 

八幡「噂のことだけど」

 

三浦「雪ノ下さんのあれ?」

 

八幡「ああ」

 

 

三浦「それがなに?」

 

八幡「大丈夫なのかよ?気分とか」

 

三浦「正直に言ったらちょっとあれだけど…あんたに悪いし」

 

三浦「せっかく休みの日に手伝ってくれてんのに」

 

八幡「まああのくらいで、葉山の気持ち忘れられるなんてあるわけねぇよな」

 

三浦「うん…まあね」

 

八幡「ま、依頼された以上、ちゃんと元気づけるから心配すんなよ」

 

三浦「…ヒキオ」

 

三浦「あの噂ってさ、実際どうなん?」

 

八幡「俺に聞くか?」

 

三浦「あんたもまだわかんないの?」

 

 

八幡「わかんねぇよ」

 

三浦「ふ~ん、なんか手つないでたっぽいんだけど」

 

八幡「あの二人がか?」

 

三浦「うん」

 

 

八幡「おいおい、それって…」

 

三浦「…あんた動揺してる?」

 

八幡「してねぇし…」

 

三浦「もしかして雪ノ下さん狙いだった?結衣狙いと思ってたけど」

 

八幡「だからそういうんじゃねぇっての」

 

三浦「じゃあ、なに?動揺してんじゃん」

 

 

八幡「…わかんねぇけど、ちょっとは気になる。それだけだ」

 

三浦「それが雪ノ下さん狙いってことだと思うんだけど」

 

八幡「別に恋愛じゃねぇよ」

 

三浦「へえ、なんか勿体ないっていうか」

 

八幡「別に必ずしも、恋愛じゃなくたっていいんだよ。俺が求めるのは」

 

三浦「ん?どういう意味?」

 

 

八幡「なんでもねぇって」

 

三浦「しょうがない」

 

八幡「は?なにがだ?」

 

 

三浦「弁当のお礼とかもあるし?あーしが慰めてやるし」

 

八幡「まてまて、慰めるってなにをだ?」

 

三浦「雪ノ下さんに振られて落ち込んでるあんたを」

 

八幡「待て、誰が振られたんだ誰が」

 

三浦「細かいことはいいっての、あーしも元気づけられてばかりじゃあれだし」

 

八幡「いや、依頼してきたのお前じゃねぇか」

 

三浦「んじゃお互いを慰めるってことで」

 

八幡「もうややこしくて意味わからん」

 

三浦「今度の休み空けといてよ」

 

八幡「…わかった」

 

八幡(なんか変な方向に話が進みそうだな…)

 

 

八幡(しかも雪ノ下…)

 

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奉仕部

 

 

雪乃「…」

 

八幡「…」

 

結衣「あははは」

 

雪乃「どうしたの?由比ヶ浜さん?」

 

結衣「ううん、なんでもないよ~」

 

雪乃「そう?」

 

結衣(なんか気まずい雰囲気…もう一回聞くのも勇気いるし)

 

八幡(由比ヶ浜も気づいてるだろうが、聞きにくい雰囲気だな)

 

八幡(それ以前に聞く必要ないっていう…)

 

雪乃「そういえば、比企谷くん」

 

八幡「ん?」

 

雪乃「三浦さんの様子はどうかしら?」

 

 

八幡「まあ、ぼちぼちかね」

 

雪乃「まだ時間はかかりそうかしら?」

 

八幡「それは正直わからん。あいつ次第だしな」

 

雪乃「なんだか悪いわね、あなたに頼ってしまって」

 

八幡「別に、俺も納得したことだしそれはいいっての」

 

雪乃「助かるわ、私も少し考えることがあって」

 

八幡「……」

 

結衣「あ、あははははっ」

 

八幡「簡単なことなのにな」

 

雪乃「?なにが簡単なことなの?」

 

八幡「なんでも」

 

 

八幡(聞くだけで終わりそうなもんなのに…なんか聞き辛い)

 

八幡(答えを聞きたくない自分がいるな)

 

 

結衣「…な、なんだか今日って暑いよね~~っ」

 

雪乃「そうね、なんだか暑いわ。この後、用事があるのに」

 

八幡「用事か」

 

雪乃「ええ、なのでごめんなさい。少し早めに帰らせてもらってもいいかしら?」

 

八幡「用事があるんなら仕方ないだろ」

 

雪乃「ありがとう」

 

結衣「ヒッキー…」

 

 

それから、次の日

 

 

結衣「おはよう…ヒッキー」

 

八幡「おう、なんか眠そうだな」

 

結衣「ヒッキーだって、なんか眠そうだよ…」

 

 

八幡「たまたま寝れなかっただけだ」

 

結衣「…ゆきのんが気になってたの?」

 

八幡「……違う」

 

結衣「ちょっと間が空いたよね?」

 

 

八幡「うるせ、昨日微妙な空気だったじゃねぇか、これからもあんな空気なのか奉仕部は?」

 

結衣「わかんないけど、ヒッキーが暗いオーラ出してるからだよ」

 

八幡「俺のせいかよ…」

 

結衣「うん…多分、ゆきのんも気を遣ってたんじゃないかな?」

 

八幡「そうなのか?」

 

結衣「優美子のこと任せっきりだから、ヒッキーが暗いって思ってると思うけど」

 

八幡「だから、昨日は謝ってたのか」

 

結衣「だと思うよ」

 

八幡「マジで気にしなくていいんだがな」

 

結衣「ぶっちゃけさ、ヒッキー、優美子と一緒にいるの楽しんでるよね?」

 

八幡「……まあ、少しは」

 

結衣「やっぱり」

 

八幡「なにかまずいか?依頼もこなしやすいだろ?」

 

結衣「そうだけどさ…うん」

 

八幡「…?」

 

 

教室

 

戸塚「八幡~おはよ」

 

八幡「戸塚か、おはよう」

 

 

戸塚「なんだか眠そうだね?」

 

八幡「まあ、少し寝不足だ」

 

戸塚「徹夜したの?」

 

八幡「いや、そういうわけじゃねぇよ。ちょっと寝付けなかっただけだ」

 

戸塚「そっか、気を付けなきゃ駄目だよ?」

 

八幡(戸塚に心配してもらえるなら、毎日でも徹夜しちゃいそうだ)

 

 

戸塚「ところでさ、知ってるかな?」

 

八幡「なにが?」

 

戸塚「葉山くんと雪ノ下さんがさ…昨日一緒に帰ってたってさ」

 

八幡「…マジか」

 

戸塚「えっ?八幡?声低いよ?」

 

八幡「そんなことねぇだろ…」

 

戸塚「う、うん…?そうかな?」

 

 

八幡(おいおい、マジか?マジなのか?)

 

八幡(いや…別にあの二人が付き合うことになっても…普通というか)

 

八幡(俺がどうこう言うことではないんだが)

 

 

戸塚「八幡?顔色すぐれないけど、大丈夫?」

 

八幡「用事っていうのは葉山だったか」

 

戸塚「レストランで食事してたみたいだよ」

 

八幡「手つないでか?」

 

戸塚「さあ…それはわからないけど」

 

 

奉仕部

 

雪乃「…比企谷くん、お茶いるかしら?」

 

八幡「…いらね」

 

雪乃「そう…」

 

 

結衣「あはは…最近は図書館みたいだね、ここ」

 

雪乃「そうね、もう3年生なのだし」

 

八幡「来年は受験だしな」

 

雪乃「気を引き締めないといけないわね」

 

八幡「あんまりうつつ抜かすなよ」

 

雪乃「あなたに言われたくないわ」

 

八幡「どうだかね」

 

雪乃「……」

 

結衣「二人とも…」

 

雪乃「なにが言いたいのかしら?」

 

八幡「別に…なんでもない」

 

雪乃「そう…そういえば」

 

結衣「なに?ゆきのん?」

 

雪乃「今日も少し早く失礼していいかしら?」

 

結衣「え?…あ、うん」

 

雪乃「ごめんなさいね」

 

八幡「…」

 

 

ガラガラ

 

結衣「…」

 

八幡「…」

 

結衣「ね、ねえ、ヒッキー」

 

八幡「ん?」

 

結衣「やっぱり隼人君のところに行ったのかな?」

 

八幡「なんか、昨日も帰ったとか聞いたけど」

 

結衣「意外と情報通だね、ヒッキー」

 

八幡「そんなことねぇけど…」

 

結衣「奉仕部とも疎遠になっちゃうのかな…ゆきのん」

 

 

八幡「…どうだろうな」

 

八幡(葉山とか…信じらんねぇけど…それよりも)

 

八幡(俺は知りたいんだろうな…雪ノ下と葉山のことを知っておきたいんだ)

 

八幡(知らないと不安だから…俺が求めてるのはそれだ)

 

 

八幡「できれば、雪ノ下の口から聞きたい」

 

結衣「えっ?ヒッキー?」

 

八幡「なんでも」

 

---------------------------------

 

次の休日

 

 

三浦「ヒキオ、こっちこっち」

 

八幡「おう、遅れた」

 

三浦「報告する前に謝れっての」

 

 

八幡「ごめん」

 

三浦「ま、いいけど。どこ行く?」

 

八幡「俺の家」

 

三浦「は、はあ!?ちょ、あんた何言って…!」

 

八幡「家でごろごろしたい」

 

三浦「そ、そういうこと…!」

 

三浦(一瞬あせったし…ヒキオごときに…)

 

 

茶店

 

三浦「あ~その噂?あれね~」

 

八幡「なんだよ…」

 

三浦「あんたもみみっちいって言うか…しょうがないじゃん。付き合ってるなら一緒に帰るっての」

 

 

八幡「まだ付き合ってるとは聞いてねぇよ」

 

三浦「あ~まだ聞いてないんだ?」

 

八幡「まあな」

 

三浦「さっさと聞いたらいいのに、それでおわりでしょ」

 

八幡「…」

 

三浦「雪ノ下さんが奉仕部離れるのが嫌なん?」

 

八幡「それは…」

 

三浦「彼氏できたら、時間は両方に割くから仕方ないと思うんだけど」

 

八幡「それは、葉山もお前らのグループから疎遠になるってことだぞ?」

 

三浦「それも仕方ないし、最初はあの二人が付き合ってるかもって聞いてあせったけど」

 

八幡「…」

 

 

三浦「あーしはその前に振られたわけだから…もう関係ないわけで」

 

三浦「というか、やることはやったわけで」

 

八幡「…俺はまだ、やることやってないって言いたいのか?」

 

三浦「雪ノ下さんに聞くだけでしょ?それが済んだら、あーしら口出せないじゃん」

 

八幡「…そうだな」

 

三浦「それとも寝取るわけ?」

 

八幡「アホか、俺にそんなことできるわけないだろ」

 

三浦「ま、ヒキオだしね」

 

三浦「ところで、あんたさ」

 

八幡「なんだよ?」

 

 

三浦「結衣のことどう思ってんの?」

 

八幡「は、はあ?なんだよ、突然…由比ヶ浜のこと?」

 

 

三浦「そう、結衣のこと」

 

八幡「由比ヶ浜ね…どういう意味だよ?」

 

三浦「こんだけ言って気づかない程、鈍感でもないでしょ」

 

八幡「俺は敏感な方だ…三浦がそう言うってことは、俺の勘違いじゃないのか?」

 

 

三浦「あーしも聞いたわけじゃないけどさ…」

 

三浦「結衣の態度とかあんたのこと話す結衣とか見てたら…好きなんだろうなって」

 

八幡「由比ヶ浜…」

 

三浦「あーしとしては微妙なんだけどさ…」

 

八幡「言うと思いました」

 

三浦「あんた、いざという時は普通に頼れるし、料理できるし」

 

三浦「勉強もできるし、行動力もまずまず…」

 

八幡「意外と評価高くないっすか」

 

三浦「結衣って経験ないと思うし、顔だけの男に捕まらないかなって怖い時あってさ」

 

八幡「いや、あいつけっこうガード固いだろ?」

 

三浦「いや、このまま高校卒業して、大学行った時にさ」

 

八幡「まあ、確かに…流される傾向あるしな」

 

三浦「結衣って可愛いし、周りがほっとかないだろうし」

 

三浦「そう思うと、ヒキオって適任じゃん?って思うときもあったり」

 

八幡「…適任かよ」

 

三浦「あんただったら、結衣を大切にしそうだし」

 

八幡「最近あーしさんが変です…」

 

 

三浦「でもさ、そうなったら…2重の意味で微妙って言うか…」

 

八幡「もう一つ微妙なことあんの?」

 

三浦「……」

 

八幡「黙るなよ」

 

 

三浦「それでどうなん?ヒキオは結衣と付き合う気とかあるの?」

 

八幡「おい…話をすっ飛ばすなよ」

 

三浦「いいから答えて」

 

八幡「……」

 

八幡「俺は……」

 

 

三浦「…あれ?雪ノ下さん…?隼人も」

 

八幡「えっ?」

 

三浦「二人で来てるし…」

 

八幡「…悪い三浦…」ガタ

 

 

三浦「あ…ちょっと、ヒキオっ」

 

-------------------------------------

 

葉山「雪ノ下さん、なんにする?」

 

雪乃「そうね、どれにしようかしら」

 

 

八幡「…」スタスタ

 

葉山「じゃあ、とりあえず、コーヒーでも…ん?」

 

 

雪乃「え…比企谷くん?」

 

八幡「おう、偶然だな」

 

三浦「ちょっとヒキオ…!」スタスタ

 

葉山「優美子…」

 

三浦「あ…隼人…ごめん、別に邪魔するつもりとかないからさ」

 

雪乃「邪魔?なんのことを言ってるのかしら?」

 

葉山「優美子…?どういうことだい?」

 

 

三浦「どうって学校で少し噂になってるじゃん」

 

葉山「ああ…そういうことか」

 

雪乃「前に、由比ヶ浜さんが聞いてきたあの噂ね」

 

八幡「…」

 

雪乃「それで、この朴念仁さんは自分のことを棚に上げて」

 

雪乃「私のことを問いただしに来たということかしら?」

 

八幡「別に問いただしに来たわけじゃねぇよ、たまたまだ」

 

雪乃「そんな言い訳が通用すると思うの?」

 

葉山「それで…二人はデートなのかい?」

 

 

三浦「ちょっ、デートじゃないしっ!」

 

雪乃「似たようなものでしょう?」

 

三浦「ちょっ、雪ノ下さん?依頼のこと忘れたん?若年性痴呆ってやつ?」

 

雪乃「私には、比企谷くんと一緒にいることがまんざらでもないように思うけど」

 

三浦「それとデートとどう結びつけられるわけ?」

 

 

雪乃「あら、まんざらでもないのは否定しないのね」

 

三浦「……そっちだってデートしてんじゃん」

 

雪乃「ふう…やはりそういう風に見られてしまうのね」

 

雪乃「由比ヶ浜さんが効いた時にきっぱりと否定するべきだったかしら」

 

葉山「それは手厳しいな、雪ノ下さん」

 

 

八幡(この感じからして…付き合ってないのか、こいつら)

 

八幡「どういうことだ?あの噂は誤解か?」

 

 

雪乃「そうね…どう話せばいいかしら」

 

葉山「ええっと、俺が雪ノ下さんに、これから仲良くできないかお願いしたんだよ」

 

雪乃「無理…と即答したかったけれど…」

 

葉山「だから手厳しいよ…」

 

雪乃「私たちも来年は大学生だし、大人になって行くわけだけれど」

 

雪乃「いつまでも、意見を変えないというのは大人げない気がしたのよ」

 

葉山「俺たちが、ある程度話せるようになっていれば、双方の家系にとってもいいことだしね」

 

八幡「そういや、正月とか絶対会うんだっけか」

 

雪乃「そうね、その時に意味のない気まずい思いをしてもね…疲れるだけだし」

 

 

葉山「そういうことで、最近一緒に出掛けてるのは親睦の意味合いが強いよ、別にデートってわけじゃない」

 

八幡「そういうことかよ…」

 

葉山「安心したかい、比企谷?」

 

八幡「おい」

 

雪乃「安心したみたいね」

 

八幡「だから、安心もくそもねぇし…」

 

三浦「ヒキオ…」

 

八幡「声低いですからね?三浦さん?怖いですからね?」

 

-------------------

 

葉山「そ、そんな依頼を…ゆ、優美子…本当にすまない…」

 

 

三浦「別に隼人が謝ることじゃないって」

 

雪乃「葉山君といい、比企谷君といい…本当に朴念仁ね」

 

八幡「なんで俺が一緒にされてるんだよ…」

 

雪乃「この前一色さんと番号交換したでしょう?」

 

八幡「そ、それがなんだよ…?」

 

雪乃「あれからそんなに経ってないのに、まさか三浦さんとまでするなんて」

 

八幡「な、なんでそれ…!」

 

三浦「…!」

 

 

雪乃「その反応で十分よ」

 

八幡「お前…試したな…!」

 

葉山「ははは、楽しそうだな」

 

三浦「じゃあさ、隼人はやっぱ雪ノ下さん狙いってわけじゃ」

 

葉山「俺は誰とも付き合えないさ、少なくとも今はね」

 

三浦「そっか、そうなんだ」

 

 

雪乃「…比企谷くん」

 

八幡「なんだよ?」

 

雪乃「もしも、私と葉山くんが付き合っていたら…」

 

八幡「…?」

 

雪乃「あなたは妬いてくれたのかしら?」

 

八幡「その過程は無意味だな、事実じゃないんだから」

 

雪乃「そうだったわね、私らしくなかったわ」

 

八幡「由比ヶ浜が心配してたぞ」

 

雪乃「そうなの?悪い事したわね」

 

八幡「お前が、奉仕部から離れるんじゃないかってな」

 

 

雪乃「そんなことあるわけないでしょ?」

 

八幡「彼氏話が事実ならあり得ただろ?」

 

雪乃「それもありえないわね。今の私の居場所はあそこなのよ?」

 

八幡「まあ、今日辺り電話してくれ」

 

雪乃「わかったわ」

 

三浦「そういや、ヒキオさ」

 

八幡「ん?」

 

三浦「さっきの答えをまだ聞いてないんだけど」

 

八幡「さっきの答え?」

 

三浦「そう答え」

 

八幡(あれだよな…由比ヶ浜の)

 

雪乃「答え…?なんのことかしら?」

 

葉山「なんか意味深だね」

 

八幡(三浦の奴…わざと意味深に言いやがって…)

 

八幡「ほ、保留で…」

 

三浦「あっそ、わかった」

 

雪乃「保留?どういうことかしらヒキガエル君?三浦さんに何かしたの?」

 

八幡「いや何も…」

 

三浦「ま、あーしとヒキオの二人の秘密ってことで」

 

八幡「おいおい、三浦…」

 

葉山「これは…本当に意味深だな…気になるところだ」

 

 

雪乃「比企谷くん?なんのことか話してもらえるかしら?」

 

三浦「気になんの?」

 

雪乃「そういうわけでは…」

 

三浦「へえ~、雪ノ下さんがね」

 

雪乃「……」

 

八幡(そもそも、ここで言えるようなことでもないしな…由比ヶ浜のこと考えると)

 

三浦「ヒキオ」

 

八幡「なんだ?」

 

三浦「ちゃんと、考えて答えだしなよ、後悔しないように」

 

八幡「わかってるっての…」

 

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次の日

 

結衣「ヒッキー、やっはろー!」

 

八幡「おう」

 

結衣「実はさ、昨日だけど、ゆきのんから真相聞いてさ」

 

八幡「あいつちゃんと電話したんだな」

 

 

結衣「おかしいとは思ってたんだけどさ、ほら隼人くんていうのが信じられないし」

 

八幡「まあ、そうだな」

 

結衣「それと、手つないだっていう噂も。これからよろしくっていう意味の握手なんだって」

 

八幡「ああ…そういうことね。葉山ファンには手を握り合ってるように見えたんだな」

 

結衣「でもさ、奉仕部が変わったりしなさそうで安心だよ」

 

八幡「やっぱり変わるのは嫌なのか?」

 

結衣「どうなんだろ…ちょっとだけ、心配かも…」

 

 

八幡「俺たちが卒業するころには、もう関係ないものだぞ」

 

結衣「それでもさ…その間だけでも」

 

八幡「その間だけでも…か」

 

結衣「実はあたしもさ…ゆきのんに言われて、変えようとしてたんだけど」

 

八幡「なに?彼氏か?彼氏なのか?告白か」

 

 

結衣「う~ん、似てるけど違うっていうか…その…」

 

八幡(おいおい、この反応は…あーしさん、あなたの眼は本当におかんですね…的を射てます)

 

結衣「やっぱり、そういうこと考えるのは大学行ってからでもいいよねっ」

 

八幡「そこに落ち着いたのかよ」

 

結衣「あたし達の関係がさ…大学に行っても続いてたらだけど」

 

 

八幡「そんなに薄い関係でもないだろ」

 

結衣「うん…そうだよね」

 

 

八幡「しかし…あーしさんの依頼がうやむやになってるな…」

 

結衣「ヒッキー、そういえば保留ってなんのこと?」

 

八幡「うげ…雪ノ下に聞いたのか?」

 

結衣「うん、なんのことかな?優美子となんかあったの?」

 

八幡「なにもねぇよ…」スタスタ

 

結衣「あ、逃げたっ!ずるいっ!」タタタタ

 

三浦「隼人の噂が誤解ってわかったのはいいけど…」

 

三浦「なんか奉仕部の関係って思った以上にややこしいっていうか」

 

 

海老名「あ~そうだよね~。あの子達、めんどくさい恋してるっぽいもんね」

 

三浦「誰だよあんたは…」

 

海老名「優美子、最近奉仕部と仲いいじゃん~」

 

三浦「まあ、そうなんだけどさ」

 

三浦「そういや、昨日の依頼はうやむやだっけ」

 

海老名「ん?」

 

三浦「ごめん、海老名あーしちょっと行ってくるし」

 

海老名「どこに?」

 

三浦「奉仕部」

 

 

奉仕部

 

 

結衣「いや~、なんかわだかまり溶けたって感じでよかったよ~」

 

雪乃「心配かけたみたいね」

 

結衣「あはははは」

 

八幡「ま、よく考えたら大したことでもなかったけどな」

 

雪乃「そのたいしたことないことで、あなたは右往左往してたのね」

 

八幡「……」

 

 

ガラガラ

 

三浦「こんちは」

 

結衣「あれ?優美子じゃん、やっはろ~」

 

雪乃「どうしたのかしら?」

 

三浦「どうって、あーしの依頼まだ終わってないし」

 

 

八幡「そうだな、これからどうするか」

 

三浦「んじゃさ、提案があるんだけど」

 

八幡「提案?」

 

三浦「今度は全員で遊びに行かない?隼人たちも誘って」

 

結衣「あ、それいいかもっ!」

 

雪乃「本気で言ってるの?」

 

三浦「大真面目、あーしだって結構踏ん切りついてきたし、あんたらに感謝も込めたいしさ」

 

三浦「だから、あーしは平気だっていうの見せたいし」

 

八幡「まあ、お前がそれでいいっていうんなら」

 

雪乃「比企谷くんまで…まあ、いいけれど」

 

 

結衣「じゃあ、決まりだねっ」

 

三浦「ありがと、こっちのメンバーはあーしで誘っとくから」

 

八幡「わかった」

 

 

三浦「あとさ、ヒキオ」

 

八幡「なんだ?」

 

三浦「その…ありがとね」

 

八幡「…おう」

 

三浦「あとさ…答えは決まった?」

 

八幡「保留だな…少なくとも卒業するまで」

 

結衣「…えっ?卒業するまで?」

 

雪乃「………」

 

三浦「なるほどね、それが答えか」

 

八幡「これでも色々と配慮したんだからな」

 

三浦「なんとなく予想はしてたけど…今はそれが一番かもね」

 

八幡「ああ」

 

結衣「…」

 

雪乃「…」

 

 

三浦(ひょうんなことからヒキオと親しくなったけど…)

 

三浦(垣間見えたのは奉仕部の関係…ほんの少しだけど)

 

三浦(一年間は、関係を進展させる気はないか…なるほどね)

 

三浦(まあ、それでいいんじゃない?受験期だし、ゆっくりで)

 

三浦(でもさ、その時ってあーしが狙ってもいいわけだよね?なんて…)

 

 

三浦「…はあ」

 

八幡「なんだよ?溜息なんかついて…」

 

三浦「完全否定できないところが、ちょっと怖い。あーしの心変わりでした」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

三浦「ヒキオに近づいてみた」

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