アニメssリーディングパーク

おすすめSSを当ブログで再編集して読みやすく紹介! 引用・リンクフリーです

雪乃「だって私、かわいいもの」【俺ガイルss/アニメss】

 

神様に愛された人間が、もしこの世にいるとしたら。

 

そんな人間が存在するのだとしたら。

 

きっとこんな風に笑うんだろうな

 

 

俺には眩しすぎる――――――

 

 

「あら、私に見惚れているのかしら?」

 

俺の正面でない胸を精一杯に張りながら、彼女は得意満面、といった調子だ。

 

「んなわけねえだろ」

 

どうでもいい風を俺は装う。怪しまれないように、ゆっくりと彼女から目を逸らす。

 

「本当かしら?」

 

「本当だ」

 

彼女は俺の目をのぞき込んでくる。身長差のためか、それがやや上目遣い気味になる。透明な瞳の中に、俺がかすかに映り込んでいるのが見える。

 

「私には、見とれていたように見えたけれど」

 

「他人が自分に見惚れていたのか、なんてよく他人に聞けるなお前。傲慢にもほどがあるぞ」

 

「あら、別におかしいことではないでしょう?だって私、かわいいもの」

 

彼女は自分の髪をそっとなで付ける。ふわり、とシャンプーなのか何なのか、わからない香りがする。もしかしたら、女の子特有の香りなのかもしれない。あまり嗅いだことのない匂いだ。甘酸っぱくて、吸い寄せられそうな、蠱惑的な香り。夕焼けが差し込んでいてよかったと思う。

 

 

「ほら、また見惚れてた」

 

そっと頬に手を添えられる。白い指が優しく包んでくる。かすかに感じるぬくもりが痛い。顔が近い。甘ったるい香りが強くなり、睫毛の一本一本が見えるようになり、桜色の唇が迫ってきて、そして――――――

 

 

そっと、唇が触れ合った

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「君に」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1509463693/