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小町「小町のことも….もっと大事にして欲しいな」【俺ガイルss/アニメss】

 

~ゲーム~

 

八幡「...」ペラ

 

小町「...」ピコピコ

 

八幡「...」ペラ

 

小町(やっぱ一人でやってもつまんないな~)

 

小町「ね~お兄ちゃ~ん、一緒にゲームしようよ~」

 

八幡「んー、ちょっと待て、もう少しで終わる」

 

小町「それさっきも言ってたよ~」

 

八幡「いや、ホントに。あと1ページだから」ペラ

 

小町「ぶ~...」

 

八幡「...」

 

小町「...」ピコピコ

 

小町(ちぇ...お兄ちゃん、実は小町と遊ぶより、本読んでた方がいいんでしょ)

 

八幡「...っし、オーケー。小町、一緒にやろ---」

 

小町「もういいもん」

 

八幡「え...」

 

小町「小町、一人でやるから」

 

八幡「そ...そっか。じゃあ俺、部屋に戻ってるから...」

 

小町「...」

 

八幡「...」ガチャ バタン

 

小町「...はあ、やっぱつまんない」

 

小町「あれ、お兄ちゃん本忘れてるじゃん」

 

小町(ブックカバーがしてあって何か分からない。文庫本でもないし...何だろ? ちょっと見てみよ...)ペラ

 

小町「! ...これ、このゲームの攻略本じゃん」

 

小町「...」

 

小町(お兄ちゃん...)ダッ

 

ドタバタ ガチャ

 

小町「お兄ちゃん!」

 

八幡「小町!? え、どうしたんだ?」

 

小町「さっきはごめんなさい!」ペコッ

 

八幡「あ、いや...いいよ、俺が悪かったんだし」

 

小町「ううん、小町の方こそ...。あの、お兄ちゃんがよかったら...一緒にゲームしたい」

 

八幡「! おう、やろうぜ」

 

小町「うん!」

 

~着替え~

 

八幡「小町~。風呂、お先にもらったぞ~」

 

小町「あ、りょうか~い。よいしょ」ヌギッ

 

八幡「!」プイッ

 

小町「...」ヌギヌギ

 

八幡(コイツは兄の前で着替えて何も思わないのか...?)

 

小町「じゃ、風呂行ってきま~す」トテテ

 

八幡「お~...」

 

八幡(...妹で反応するなんて、情けない)

 

小町「小町も出たよ~ん」

 

八幡「...おお」

 

八幡(そしていつもの様に、風呂上がりは俺のダボダボのシャツを着るという...)

 

八幡「...いつも言ってるけど、湯冷めするぞ」

 

小町「大丈夫だよ~。暖房効いてるし」

 

八幡(問題はそこじゃねえんだよなあ...)

 

小町「あ、もしかして、小町の格好に興奮しちゃった?」

 

八幡「...なわけねーだろ」

 

小町「ふ~ん、じゃあ大丈夫だね」

 

八幡「何がだよ?」

 

小町「よいしょ」ピトッ

 

八幡「ちょ、おま...」

 

小町「湯冷め防止のためにお兄ちゃんにくっついても」

 

八幡「...勝手にしろ」

 

小町「えへへ...」

 

~女の子~

 

小町「...」ムッスー

 

八幡「...」

 

八幡(なんか機嫌悪いな...)

 

八幡「...今日の飯の当番俺だけど、リクエストとかあるか」

 

小町「何でもいい」

 

八幡「お、おう...」

 

八幡(何でもいいが一番困る、なんて言おうもんならぶっ飛ばされそうだから黙っとこ...)

 

八幡「...ちょっと早いけど、晩飯の買い出し言ってくるわ」

 

小町「...」

 

八幡「ただいま」

 

小町「おかえり」

 

八幡(まだ変わってねえか。ま、時期的にもそうだろうな...)

 

八幡「小町」

 

小町「何?」

 

八幡「ちょっと横になれ。いつものマッサージやってやるよ」

 

小町「...」

 

八幡「楽になるんだろ?」

 

小町「...」ゴロン

 

八幡「よっ、と...」グッ グッ

 

小町「お兄ちゃん」

 

八幡「何、だ?」グッ グッ

 

小町「...ごめんね」

 

八幡「いいよ。しゃーない」

 

~勉強~

 

小町「お兄ちゃん、勉強教えて」

 

八幡「いいけど、理系科目は聞くなよ」

 

小町「え~、中学生の範囲だし、大丈夫でしょ~」

 

八幡「...ってことは、理系科目なのか」

 

小町「数学」

 

八幡「おおう...まあ、見るだけ見てみるわ」

 

小町「じゃあ...ここ! この問題、なんでこうなるの?」

 

八幡「え...この因数分解の問題か?」

 

小町「うん、そこ」

 

八幡「これは、たすき掛けしたら簡単だろ」

 

小町「たすき掛け?」

 

八幡(...あ、そっか。たすき掛けって高校の範囲か)

 

八幡「えっと、じゃあ...うーん」

 

八幡(くっそ~...苦手な科目でもドヤ顔できるチャンスだったのに)

 

小町「お兄ちゃん...分かる?」

 

八幡「ん~...ちょっと考えてみる」

 

小町「う~...ごめんね?」

 

八幡「いいよ、気にすんな」

 

八幡(中学生の範囲って、公式少ない代わりに考え方が複雑だったんだな...)

 

八幡「...ん?」

 

八幡(もしかして...うん、こうだな)

 

小町「もしかして分かった?」

 

八幡「たぶん...うん、合ってるはず」

 

小町「え、教えて教えて!」

 

八幡「えっとな、まずここの式が---」ズイッ

 

小町「あうっ...」///

 

八幡「ん? どうした?」

 

小町「う、ううん...」

 

小町(狙い通りだけど...近すぎるよ、お兄ちゃん)///

 

~一休み~

 

小町「ふぁ~...」ガチャ

 

八幡「お疲れ」

 

小町「うん~、疲れた~」パタン

 

八幡「コーヒー飲むか?」

 

小町「ん~、眠れなくなったらマズイから、いいや」

 

八幡「了解。あ、ココアもあるぞ」

 

小町「あ、ココアなら欲しい」

 

八幡「ん...」

 

コポポポポ

 

小町「ふわぁ...」ムニャムニャ

 

八幡「ほい」

 

小町「ありがと~。あったかい~...」

 

八幡「入れたばっかだから、飲んだら熱いぞ」

 

小町「だね。ふ~、ふ~...」

 

八幡「...」ズズズ

 

小町「...ねえ、お兄ちゃん」

 

八幡「ん? どうした?」

 

小町「...ううん、何でもない」

 

八幡「? そうか...」

 

小町「...」ズズズ

 

八幡「...」ズズズ

 

小町「...いつもありがと」ボソッ

 

八幡「...」ズズズ

 

小町「...」ズズズ

 

八幡「...こちらこそ」ボソッ

 

 

~停電~

 

バツン

 

八幡「げっ...」

 

小町「うわ、電気消えた...。ブレーカー落ちたかな?」

 

八幡「かもな...。あ、でも家の外の電気も消えてんな」

 

小町「じゃあ停電かあ...」

 

八幡「どうしようもないな...」

 

小町「...」ギュッ

 

八幡「小町...?」

 

小町「あはは...ちょっと怖い、かも」

 

八幡「...なら、そのままでいいよ」

 

小町「うん」

 

小町「お兄ちゃんに抱きつくなんて、何年ぶりだろ?」

 

八幡「小町が小四になるまでは、一緒に風呂に入ってたりもしたし、その頃ぐらいか?」

 

小町「うわ...思い出したら恥ずかしくなってきた」

 

八幡「あの頃は可愛かったなあ...。もちろん、今も可愛いけど。今の、八幡的にポイント高い」

 

小町「はいはい、そうですね~」

 

八幡「うわ、テキトーだな...」

 

小町「そう? でも小町だって、こういう時のお兄ちゃんは頼りがいがあってカッコイイと思うよ。あ、今の小町的にポイントたっかい~」

 

八幡「はいはい」

 

~大晦日

 

小町「はい、お兄ちゃん。年越し蕎麦」

 

八幡「サンキュー」

 

小町「テレビどうする? カキ使? 赤白?」

 

八幡「小町はどっちがいい?」

 

小町「う~ん...じゃあ、カキ使」

 

八幡「了解」ピッ

 

小町「じゃ、いただきます」

 

八幡「いただきます」

 

小町「...」ズルルー

 

八幡「...」ズルルー

 

八幡「...美味い」

 

小町「えへ...」

 

八幡「ご馳走様でした」

 

小町「お粗末さまでした」

 

八幡「...なんつーか、いつも通り過ぎて、年末って感じがしないなあ」

 

小町「そだねえ...」

 

テーレー ハマダ アウトー

 

小町「ぷふっ...特別なのは、カキ使があることくらいだね」

 

八幡「ぷっ...なんで今ので他の四人は笑わないんだよ」

 

小町(ま、そんな年末も悪くないけどね)

 

~正月~

 

小町「お兄ちゃん、あけましておめでとう」

 

八幡「おめでとう」

 

小町「せっかくのお正月なのに、お父さんもお母さんも仕事とは...」

 

八幡「まあしゃーないよ。お節作ってくれてるだけでも感謝しなきゃな」

 

小町「お母さんにはね」

 

八幡「お、おお...」

 

八幡(小町の親父への当たり方が、年々厳しくなっていく...)

 

小町「でも、家族みんなで居られないのは寂しいよね...」

 

八幡「...だな」

 

八幡(...なんだかんだ言いつつ、家族想いの良い妹だよ。ホント)

 

小町「ま...お兄ちゃんと二人っきりになれて、悪くないけどね」ボソッ

 

~餅~

 

小町「やっぱり、お正月といえば餅だよね」

 

八幡「そりゃそうだろ。お汁粉に入っていようもんなら、もう...」

 

小町「...」

 

八幡「...あれ、小町?」

 

小町「...お餅といえば、砂糖醤油でしょ」

 

八幡「な、に...?」

 

小町「お汁粉はただただ甘いだけだよ! 味に深みが無いよ!」

 

八幡「いやいや、甘さの中に深みがあるんだろ! デンプンだって甘いだろ!」

 

小町「そんなことない!」

 

八幡「そんなことある!」

 

八幡「はあ、はあ...」

 

小町「はあ、はあ...」

 

八幡「...とりあえず、食うか」

 

小町「そだね...」

 

八幡「...」モチモチ

 

小町「...」モチモチ

 

八幡「...結局、どうやって食っても美味いよな」

 

小町「うん。...お兄ちゃんと一緒なら、ね」

 

~雪~

 

小町「あ、雪...」

 

八幡「ホントだな」

 

小町「積もるかな?」

 

八幡「どうだろな。雪が水っぽいか否かにもよる」

 

小町「ま、そだね」

 

八幡「にしても、雪か...」

 

小町「雪、嫌なの?」

 

八幡「冷えるじゃん」

 

小町「なんかそれだと、雪のせいで寒くなる、みたいな言い方だけど、寒いせいで雪が降るんじゃないの?」

 

八幡「雪と寒さに相関があることに変わりないから、どっちでもいい」

 

小町「...なんだかなあ」

 

小町「ねえ、お兄ちゃん」

 

八幡「何だ?」

 

小町「お題『雪』」

 

八幡「は...?」

 

小町「ボケて」

 

八幡「...」

 

八幡(むっちゃ唐突に振られてしまった...)

 

八幡「...えっと、じゃあ」

 

小町「はい」

 

八幡「...粉ぁぁ雪ぃぃねえ! こ~こ---」

 

小町「もういいよ」

 

八幡「」

 

小町「ま、お兄ちゃんにしてはよく頑張ったね」

 

八幡(恥ずかしさを押し殺してやったのに...なんだこれ)

 

~初詣~

 

小町「...」ペコペコ パンパン フカブカー

 

八幡「...」ペコペコ パンパン フカブカー

 

小町「よし、今年もお参り完了!」

 

八幡「だな。よし、早く帰って炬燵に入ろう」

 

小町「も~...まだだよ、お兄ちゃん。とりあえず、甘酒飲も、甘酒」

 

八幡「え、炬燵...」

 

小町「ダメです。さ、お兄ちゃん買って買って~」

 

八幡「げ、俺の奢りかよ...。しゃーない」

 

小町「わ~い、お兄ちゃん大好き~!」

 

八幡「ゲンキンな奴だな...」

 

小町「あつあつ...うん、美味しい。やっぱり初詣と言ったらこれだよ」

 

八幡「偏りまくった意見だな...」

 

小町「お兄ちゃん、おみくじも引こう」

 

八幡「ん、いいぞ」

 

小町「大吉引くぞ~...」ガサゴソ

 

八幡「...」ガサゴソ

 

小町「よし...お兄ちゃん、いっせ~の~で、で開くよ」

 

八幡「オッケー」

 

小町「行くよ...いっせ~の~で!」パッ

 

八幡「...」パッ

 

小町「...」

 

八幡「中吉か...可もなく不可もなく。小町はどうだった?」

 

小町「...う」

 

八幡「え?」

 

小町「大凶...。うぅぅ...」

 

八幡「...ちょっとそれ貸せ」

 

小町「え?...はい」

 

八幡「...」クルクル キュッ

 

小町「? なんで2つ重ねて結んでるの...?」

 

八幡「おみくじって、結果見たら木に結びつけるだろ?」

 

小町「知ってるよ。だから、なんで重ねてるの?」

 

八幡「...これで足して2で割ったら、二人とも小吉か末吉だ」

 

小町「! ...まったく、そんなんじゃ変わらないよ~」

 

小町(でも...ありがと、お兄ちゃん)

 

ラノベ

 

小町「お兄ちゃん」

 

八幡「何だ?」

 

小町「おすすめのラノベ教えて」

 

八幡「え...突然どうした」

 

小町「え、読んでみようかな~、と思ったり...」

 

小町(それを口実にお兄ちゃんと話せるかな~、と思ったり...)

 

八幡「はあ...いや、うん。分かった」

 

小町「やった」

 

八幡「そうだな...。とりあえず、読み始めにはこれかこれだな」

 

小町(どっちも可愛い女の子が表紙だ...)

 

八幡「こっちは短いからチャチャっと読める。ただ、その分、完成度は低いな」

 

小町(しかも、おっぱいも結構大きい...)

 

八幡「こっちは文章が読みやすいし面白いけど、話が長い。30巻以上ある。まだ連載中だし」

 

小町(うう...やっぱり、小町くらいの大きさじゃあダメなのかな...?)

 

八幡「? おーい、小町?」

 

小町「へっ、あ、ああ、何?」

 

八幡「...もしかして、なんか俺、変なこと言ったか?」

 

小町「え...なんで?」

 

八幡「いや、今のお前の顔...なんつーか、悲しそうだ」

 

小町「...」

 

小町(お兄ちゃん、そんなに小町のこと見てくれてるんだ...)

 

小町「...ううん、何でも無いよ!」ニコッ

 

八幡「? お、おお...」

 

小町「じゃ、お兄ちゃん。この二冊、両方借りてもいい?」

 

八幡「ああ、いいぞ」

 

小町「ありがと!」

 

~炬燵~

 

小町「ほにゃぁ...」ヌクヌク

 

八幡「極楽だ...」ヌクヌク

 

小町「だねえ...。ああ、ホントあったかい...」

 

八幡「冬と炬燵の最強コンボ、回避不可能です...」

 

小町「小町も回避不可能です~...」

 

小町(...あ、そう言えば)スクッ

 

八幡「ん、どうした?」

 

小町「ムフフ...ちょっと秘密兵器を取ってくるね」テッテケテー

 

八幡「...秘密兵器?」

 

小町「じゃじゃーん!」

 

八幡「ざ、座イス...だと?」

 

小町「そう! これで炬燵に入りつつ、背筋を伸ばす必要もなく、一層極楽ライフを味わうことができるのです!」

 

八幡「ど、どこでそれを手に入れたんだ...?」

 

小町「お小遣いを貯めて、アマゾソで買ったんだよ...」

 

八幡「クソッ...こんなことなら、俺ももう少し貯金しておけば...!」

 

小町「ニヒヒ~、お兄ちゃんも使いたい?」

 

八幡「あ、ああ!」

 

小町「じゃあ、とりあえず座イスの上に座って」

 

八幡「おう」ストッ

 

小町「よっと」ストッ

 

八幡「...お膝ですか」

 

小町「嫌?」

 

八幡「...嫌じゃねーよ」

 

小町「えへへ...」

 

~カマクラ~

 

八幡「カマクラ~」

 

鎌倉「...」ノソノソ

 

八幡(おお、珍しく呼びかけに応えてくれた...!)

 

八幡「うりうり~」ワシャワシャ

 

鎌倉「♪~」

 

小町「あれ、今日はカーくんおりこうさんでちゅね~」ヒョコ

 

八幡「うおっ...突然背中に乗っかるな」

 

小町「まあまあ。カーく~ん」ナデナデ

 

鎌倉「ブニャァ」

 

八幡「...今日のコイツ、怖いくらいに機嫌良いな」

 

小町「だねだね~」

 

小町(やっとカーくんにもお兄ちゃんの良さが分かったかな?)

 

八幡(よし、後で後悔しないように、たっぷりモフっとこう)

 

八幡「...」モフモフ

 

鎌倉「ニャー」ゴロゴロ

 

小町「カーくんが珍しく気持ちよさそうに撫でられてる...」

 

八幡「...にへ」

 

小町「ちょ、お兄ちゃん...笑い方気持ち悪いよ」

 

八幡「そう言うな。せっかくの機会なんだから...」モフモフ

 

鎌倉「ニャゴー」

 

小町「...」

 

小町(...なんか寂しくなってきた)

 

小町「...ねえ、お兄ちゃん」

 

八幡「なんだ?」

 

小町「撫でるの、カーくんだけじゃ飽きるでしょ」

 

八幡「? お前、何言って---」クルッ

 

八幡(...そんな寂しげな表情するんじゃねえよ)

 

小町「何って...だから、おに---」

 

八幡「隣来い」

 

小町「へ?」

 

八幡「カマクラ撫でるだけじゃ飽きてきたから、可愛い可愛い妹でもモフろうと思ったんだよ」

 

小町「...まったく、お兄ちゃんはとんだシスコンだなあ。仕方ない、モフらせてあげよう」ニコッ

 

~風呂~

 

小町「あったまったし、そろそろ出ようかな」ザバッ

 

小町「うぅ~、やっぱり湯船の外は寒い...」ガチャ

 

小町(早く炬燵に入りたい...)フキフキ

 

八幡「っつ~、寒いな~」ガララ

 

小町「へ...?」

 

八幡「は...?」

 

小町「づわぁぁぁ!? おにい、へ!?」///

 

八幡「なっ、こまっ!?」///

 

ツルッ

 

小町「ひゃ!?」

 

八幡「危なっ!」ガシッ ギュッ

 

小町「あ、お兄ちゃ---って、み、見ないでよ~!」

 

八幡「わ、悪い!」ガララ ピシャッ

 

小町「うぅ...」

 

八幡(服脱ぐとこ見られるのは恥ずかしくなくても、流石に裸は恥ずかしいのか...)

 

八幡「...って、(服が)濡れちまった」

 

小町「...濡れてきちゃった」

 

 

~お散歩~

 

八幡「うぅ...寒。なんで突然散歩行こうなんて...」

 

小町「いいの! 行きたかったんだもん!」

 

八幡(会話が噛み合ってねえ...)

 

小町「っくしゅん!」

 

八幡「お前も寒いんじゃねえか...」

 

小町「えへへ、まあ、大丈夫だよ」

 

八幡「...」ゴソゴソ

 

八幡「ほれ。これ着ろ」

 

小町「え、いやいいよ。お兄ちゃんも寒いんでしょ?」

 

八幡「多少はな。それより、受験生に風邪引かれたら堪らん」

 

小町「...ううん、やっぱり大丈夫。代わりに、そのマフラー貸して」

 

八幡「え...ほい」

 

小町「よいしょ~」グルグル

 

八幡「ちょ、これは...」

 

小町「流石に二人一緒はちょっと短いか~。ま、距離も縮まったし、さっきよりあったかいでしょ?」

 

八幡「...まあな」

 

チピピ

 

小町「あ、あれ」

 

八幡「雀...か?」

 

小町「分かんない。何かしらの小鳥...可愛いな~」

 

チピピ

 

八幡「もう一匹来たな」

 

小町「ホントだ。親子かな?」

 

八幡「親子だったら三匹以上じゃねえの?」

 

小町「じゃあ...兄妹?」

 

八幡「...かもな」

 

小町「くっつき合って、体あっためてるね」

 

八幡「...いや、しないぞ?」

 

小町「え~、ケチ~」

 

~水族館~

 

八幡「お~、広いな。流石ついこの前完成しただけのことはある」

 

小町「だね~。よし、今日は受験への気分転換に、思いっきり楽しんじゃうよ!」

 

八幡「まずはそこのそこそこデカイ水槽に行くか」

 

小町「うえ、何これ!? デカッ!」

 

八幡「蟹...なのか!? スゲエな...」

 

小町「あ、この隣の水槽にいるのは可愛い。」

 

八幡「クマノミか。アレだな、ミモ」

 

小町「あ~、昔映画であったやつね」

 

八幡「そうそう」

 

小町「...ん」

 

小町(あっちの魚の説明書き...『大きくなると家族の元を離れ、自らが新しい群れ、家庭を作る』か...)

 

八幡「...あれ。小町、どうした?」

 

小町「あ...ううん、何でも無いよ」

 

八幡「そうか...? じゃあ、こっちの水槽見るか...」

 

八幡(あ...コイツ、これ読んで凹んでんのか)

 

小町「...かっこいい、ね。この魚」

 

八幡「...小町、知ってるか?」

 

小町「何を?」

 

八幡「この魚な、成長すると独り立ちして、自分で群れを作るんだ」

 

小町「...うん、知って---」

 

八幡「でもな、その群れってすぐ近くにあって、場合によっては一体化する場合もあるんだぞ」

 

小町「...ぷっ、何それ」

 

八幡「そいつらからしたら、遠くに行ってるつもりなんだろうけど...結局、家族ってすぐ近くにいるもんなんだよ」

 

小町「...うん。そうだよね」ニコ

 

~雪合戦~

 

小町「お~、雪積もったね~」

 

八幡「スゲエな、こんなに積もるなんて。今年は暖冬なんじゃなかったのか?」

 

小町「細かいことは気にしないんだよ、お兄ちゃん」ニギニギ

 

八幡「ん、何してんだ?」

 

小町「えいっ」ピュッ

 

八幡「」ボスッ

 

小町「わーい、ヒットー」

 

八幡「...」

 

小町「...」

 

八幡「小町...」ニギニギ

 

小町「...細かいことは気にしないんだよ、お兄ちゃん」

 

八幡「うっせ! 反撃だ!」ヒュッ

 

小町「うひゃ~、やったな~!」

 

小町「さ、寒いぃ...」

 

八幡「え、エキサイトし過ぎたぜ...」サスサス

 

小町「え...お兄ちゃん、手袋してないの?」

 

八幡「おお、こんなことになるとは思わず...」

 

小町「...はい、これ。片方貸してあげる」

 

八幡「え...いいのか?」

 

小町「いいの。この前のマフラーのお礼」

 

八幡「...そっか。じゃあ、ありがたく」

 

小町「そして、こっちの手は...」ギュッ

 

八幡「! い、いいよ。冷たいだろ?」

 

小町「ううん、冷たくないよ」

 

八幡「いや、しかしだな...」

 

八幡(小町の手の方が、俺の手よりあったかいのに...。優しいな、ホントに)

 

小町(ま、小町は心がポッカポカになってるだけなんですけどね~)

 

~デート~

 

小町「凄...。お父さん、こんなところ予約してたんだね」

 

八幡「結婚記念日にな。そして、その日に二人とも仕事が入り、あえなく断念...」

 

小町「でも、だからってこんな綺麗な夜景が見える...イタリアンレストランで夕食だなんて」

 

八幡「え、フレンチじゃね...?」

 

小町「あ、ホントだ。フランス国旗がメニューに書いてある」

 

八幡「だな。まあ、細かいことは置いといて、折角なんだし満喫しようぜ」

 

小町「そうだね。あ、これ美味しそう!」

 

八幡「おお、なんかスゲエな...。こっちも美味そうだ」

 

小町「ホントだ。 あ、お兄ちゃんお兄ちゃん---」

 

小町「ご馳走様でした~」

 

八幡「ご馳走様でした」

 

小町「凄く美味しかったよ~」

 

八幡「本当にな。来れて良かったよ」

 

小町「...なんだか、デートみたいだったね」

 

八幡「...みたいじゃなくて、デートだっただろ」

 

小町「...へへ、そっか」

 

八幡「ああ、そうだよ...」

 

小町「ねえ、お兄ちゃん」

 

八幡「なんだ?」

 

小町「夜景が...綺麗だね」

 

八幡「...お前の方が綺麗だよ」

 

小町「...」

 

八幡「...」

 

八・小「...ぷっ」

 

小町「ぷふ、ぷぷっ...おに、お兄ちゃんが、『お前の方が綺麗だよ』だって...ぷっ!」

 

八幡「く、くっそ...自分で言っときながら、キャラじゃ無さすぎて笑える」

 

小町(でも...小町は凄く嬉しかったよ。お兄ちゃん)

 

~旅館~

 

結衣「うお~! 綺麗なお部屋!」

 

雪乃「なかなかね」

 

小町「お二人とも、急なお誘いなのに来てくださってありがとうございます!」

 

結衣「ううん、こちらこそだよ! すっごく嬉しい!」

 

雪乃「それで小町さん、これ。ここのお部屋の代金なのだけれど」

 

小町「いえいえ、そんなのいいですよ! 両親が結婚記念旅行に予約したら、二人とも仕事が入って来れなくなって困ってたんですから」

 

雪乃「それはそうだけれど...」

 

小町「あ、それなら~、そのお金の一部で、皆で甘いものでも食べるっていうのはどうですか?」

 

結衣「甘いもの! いいね~。実は私も部屋代持ってきてるから、私も出すね!」

 

小町「やった! ありがとうございます!」

 

小町「...ところで、お兄ちゃん。なんでずっと黙ってるの?」

 

八幡「...これからのことが不安だからに決まってるだろうが」

 

雪乃「あら、不安なのは私と由比ヶ浜さんの方なのだけれど。夜這いなどしないでちょうだいね、エロ谷君」

 

小町「大丈夫ですよ、雪乃さん。襖を挟んで小町が見張っときますし、だいたいお兄ちゃんにそんな度胸ありません」

 

結衣「あはは、ヒッキーの言われよう...」

 

小町「とりあえず、温泉行っちゃいましょうか! あ、もちろんお兄ちゃんは一人ね」

 

八幡「当たり前だろ...」

 

八幡「いい湯だった...。けど、そのせいで長く湯に浸かりすぎた...」ガララ

 

結衣「あ、ヒッキーお帰り~」

 

雪乃「女の私たちよりも長風呂なんて、随分遅いわね。女風呂を覗こうと画策してたのかしら?」

 

八幡「そんなわけねーだろ」

 

結衣「ヒッキー、マジ変態!」

 

八幡「いや、だから違うから...」

 

小町(お兄ちゃん、普通に話してる...。本当に仲がいいんだな...)

 

結衣「そう言えば、ヒッキーは浴衣じゃないんだね」

 

八幡「おお。家からジャージ持ってきてるしな。...あれ、小町も部屋着持って来てなかったか?」

 

小町「持ってきてるけど、雪乃さんも結衣さんも浴衣だったし、小町も浴衣来たかったんだも~ん」

 

八幡「そういうもんか」

 

小町「そういうもんです」

 

雪乃「あら、先程更衣室で見かけたけれど、可愛らしかったと思うわよ」

 

小町「えへへ、ありがとうございます。でも、雪乃さんや結衣さん程じゃ無いですよ~」

 

結衣「え、ゆきのんはともかく、そんなこと無いよ! 小町ちゃん、すっごく可愛いし!」

 

小町「いえいえ、お二人には色々とかないませんよ」

 

八幡(まあ...確かに、雪ノ下はスタイル良いし、由比ヶ浜に至ってはどことは言わないが凄いしな。まあ、それでも小町の方が十二分に可愛いけど)

 

小町(...お兄ちゃん、雪乃さんと結衣さんのこと見てる)

 

結衣「お料理美味しかったね。もうお腹いっぱいだよ~」

 

雪乃「そうね。...ふわぁ」

 

小町「流石にもう眠いですね~...」

 

結衣「明日も遊べるし、寝ちゃおうか」

 

雪乃「そうね...。比企谷君」

 

八幡「いや、何もしねーから」

 

小町「雪乃さん、結衣さん。任せてください」

 

八幡「おい」

 

結衣「あはは。じゃあお願いするね、小町ちゃん」

 

小町「はい。それでは、おやすみなさ~い」

 

一同「おやすみ~」

 

ガラララ パタン

 

八幡「じゃ、寝るか」モゾモゾ

 

小町「...」モゾモゾ

 

八幡「...小町、なんでこっちの布団に入ってくるんだ?」

 

小町「...」カプ

 

八幡「え?」

 

小町「...」チュー

 

八幡「え、何してんだ? 微妙にチクチクするんだけど...」

 

小町「...何でも無いよ」

 

小町(...キスマーク付けちゃった)

 

八幡「そ、そうか...」

 

小町「あと、小町は今日はお兄ちゃんと一緒に寝るから」

 

八幡「は? ...一体どうしたんだ?」

 

小町「何でも無いよ~」

 

小町(だって、雪乃さんと結衣さんに嫉妬した、なんて言えないもんね)

 

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八幡(翌朝、小町と一緒に寝てて、しかも首筋にキスマークをつけられているのを雪ノ下と由比ヶ浜に目撃され、危うく通報されそうになることを、この時の俺は知らない)

 

小町(計画通りだね!)テヘペロ

 

~夜食~

 

小町「...」カリカリカリ

 

小町「...ふ~、疲れた」

 

コンコン

 

小町「は~い。どうぞ~」

 

八幡「入るぞ~」ガチャ

 

小町「え、お兄ちゃん? どうしたの?」

 

八幡「ほい、おにぎり」

 

小町「え...?」

 

八幡「あ、いらないか? それなら俺が---」

 

小町「そ、そうじゃなくて! お兄ちゃんが作ってくれたの?」

 

八幡「ああ。まあ、作るってほどのことでもないけどな」

 

小町「...ううん。嬉しいよ、お兄ちゃん。ありがと」

 

八幡「おう。置いとくから、ボチボチ食べながらやれよ」

 

小町「ううん」

 

八幡「あ?」

 

小町「一緒に食べよ」ニコッ

 

八幡「...」モグモグ

 

八幡(こういう時、なんて言えばいいんだろ? 頑張れとかは不味いしなあ...)

 

小町「...」モグモグ

 

小町(一緒に食べたかったけど、お兄ちゃんに変な気を使わせちゃってるなあ...)

 

八「なあ」 小「ねえ」

 

八幡「あ、何だ?」

 

小町「ああ、ううん。お兄ちゃんから」

 

八幡「そうか...。じゃあ、さ...」

 

小町「うん」

 

八幡「...来年、俺受験じゃん?」

 

小町「そだね」

 

八幡「小町が頑張ってる間は、俺がいつでも面倒見るからさ...来年はお願いしていいか?」

 

小町「...まったく、しょうがないな~」

 

八幡「サンキュ」

 

小町「でも、どうする~? 小町がもしも落ちちゃったら」

 

八幡「今のままのペースで勉強してりゃ、落ちたりしない。大丈夫だよ」

 

小町「え~、本当に?」

 

八幡「本当に」

 

小町「じゃあ、お兄ちゃんを信じて頑張りましょうかねえ」

 

~三年前~

 

小町(小六)「ただいま~」

 

八幡(中二)「小町、帰ったか! 敵からの妨害は無かったか!?」

 

小町(うわぁ、またやってるよ...)

 

八幡「小町! おい、どうした! 精神攻撃でも仕掛けられているのか!?」

 

小町(お兄ちゃんがね...)

 

小町「...なんでもないよ。ボーっとしてただけ」

 

八幡「そうか、よかった...。学校のみんなも、精神攻撃を受けていたからな...」

 

小町「え...お兄ちゃん、学校でもそんな感じなの?」

 

八幡「そんな感じって...どんな感じだ?」

 

小町(うわぁ...お兄ちゃん、将来的にはぼっちになってしまいそう)

 

小町「なんでもないよ...」

 

八幡「父さんも母さんも、また敵に狙われているのか...」

 

小町(残業で遅くなってるんだよ...)

 

八幡「仕方ない、一足先に頂くとするか」

 

小町「そだね...。いただきます」

 

八幡「いただき---なっ!? と、トマトだと!?」

 

小町「好き嫌いはダメだよ~」

 

八幡「好きとか嫌いとか、そういう問題ではない! これは悪魔の果実なんだ!」

 

小町「はいはい」モグモグ

 

八幡「くそう...こんなことなら、伝説の剣を持ってくればよかった...!」

 

小町(ただのプラスチックじゃん)

 

小町「お兄ちゃん、ホントあれ好きだよね」

 

八幡「当たり前だ」

 

小町「あ~あ~。小町のことももっと大事にして欲しいな~」

 

八幡「? 小町が一番大事に決まってるだろ」

 

小町「なっ...!」///

 

八幡「おい、どうした! 顔が赤いぞ! まさか、敵からの攻撃を---」

 

小町「お、お兄ちゃんのバカ~!!!」ガチャ バタン

 

八幡「こ、これは...敵からの精神攻撃の影響、なのか...!?」

 

~ラブレター~

 

ムー ムー

 

八幡「メールか。誰だ...? え、由比ヶ浜?」

 

小町「へ~、珍しい。結衣さん何だって~?」

 

八幡「...」

 

小町「...あれ、お兄ちゃん?」

 

八幡「...あっ、や、ああ。何でもねえよ。ただの業務連絡だ」

 

小町(...ただの業務連絡でそんなに慌てるわけ無いじゃん)

 

八幡「と、というわけで、俺はちょっと自室に---」

 

小町「」ダダッ パシッ

 

八幡「ちょ、小町、おま---」

 

小町「...『これから少し話せる? 大事な話があるの』って、これ...!?」

 

八幡「...」

 

小町「...ったく、もう! 良かったじゃん、お兄ちゃん!」

 

八幡「え、あ、おう...」

 

八幡(なんか、思ってた反応と違うな...)

 

小町「いや~、遂にお兄ちゃんにも春が来たね~」

 

八幡(...って、何考えてんだよ俺は)

 

八幡「じゃ、ちょっと電話して来るわ...」

 

小町「うん! 頑張って、お兄ちゃん!」

 

八幡「...」ガチャ バタン

 

小町「...マジか~」グッタリ

 

小町(え、もしかして本当に結衣さんと付き合っちゃうの? お兄ちゃんが? でもそしたらお兄ちゃんは小町だけのお兄ちゃんじゃなくなっちゃういや小町だけのお兄ちゃんなんだけどそういうことじゃなくて---)

 

ガチャ

 

八幡「冬休みの宿題教えてって、なんじゃそりゃ!」バタン

 

小町(でもお兄ちゃんの幸せは小町の幸せなんだから笑顔で祝ってあげないとでもでも小町はやっぱりお兄ちゃんを独り占めしたくてそれで---)ジワァ

 

八幡「!? こ、小町、なんで泣いてるんだ!?」

 

小町「あ...おにっ、ちゃん...おめ、で...」グスッ

 

八幡「おめでと、って...いや、だからな、由比ヶ浜は冬休みの宿題教えてくれって言ってきただけ!」

 

小町「グスッ...へ、宿題?」

 

八幡「ああ、そうだよ。それより、大丈夫か?」

 

小町「...」

 

八幡「...小町?」

 

小町「じゃあ、お兄ちゃんはまだ小町だけのお兄ちゃん?」

 

八幡「何言ってんだ。ずっとお前だけの兄ちゃんだよ」

 

小町「...まったく、ごみいちゃんは本当にごみいちゃんなんだから」

 

八幡「いや、今回の俺には全く非はないだろ...」

 

小町「...このままじゃ、小町が貰っちゃうよ」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「俺と小町の短編集」

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