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いろは「わたしでは……しなかったんですか?」【俺ガイルss/アニメss】

 

八幡「罪悪感が半端ない……」

 

一色率いる生徒会のボランティア活動を何とか成功に終わらせ、奉仕部に平穏が戻ってきた日も浅いうちに。

俺は雪ノ下と由比ヶ浜をオカズに抜いてしまった。

雪ノ下はレイプで、由比ヶ浜は何故かイチャラブという謎の補正まである。

 

八幡「賢者モードのせいにもできない……」

 

冷静になった、だから自己嫌悪してる一一とは言えない。

ただひたすらに彼女たちのあられもない姿を妄想して興奮したのである。

 

八幡「どうしよう、明日から部活行けない……」

サボる口実を作ろうと頭を回転させていると、小町が夕飯ができたと階下から声を掛けた。

グラタンだった、今は白濁したものを見たくなかった。

 

小町「あれ? お兄ちゃん、顔色悪い?」

 

八幡「ちょっと、な……」

 

小町「ちょっと汗臭いし、もしかして風邪かな?」

 

テーブルに着くと、気の利く小町の優しさが迷惑な方向に働いてくれた。

お兄ちゃん、妹の優秀さに悲しくなっちゃったよ。

取り敢えず白い物を食べたくない。

白濁液を吐き出した直後なんだもん。

八幡「あー、多分大丈夫だろ……」

 

小町「でもホント顔色悪いし、うどんにする?」

 

八幡「……白濁」

 

小町「うどんはどっちかってゆーと乳白色じゃない? まいいや。鍋うどん作ってあげるからちょっと待っててねお兄ちゃん」

 

台所へ向かう小町。

冷蔵庫から卵を取り出すところが見えたので、お月見鍋うどんにするらしい。

嗚呼、この異様なまでの白濁の連鎖は何なんだ。

小町「あっのこはっ太っ陽の小町っエンジェル!!」

 

うん、ホントに小町は天使だよ。

戸塚に並ぶお兄ちゃんの天使だと思うよ。

早くアイドルユニット化しろよ、こっちは準備万端だから。

 

小町「はいお兄ちゃん、召し上がれ」

 

八幡「おう、いつもすまないね」

 

八幡「体が熱い……これだから鍋うどんは」

冬の寒さに冷えきった身体を芯から温める鍋うどんのせいで内側がポカポカする。

カラカラと窓を開けて雪ノ下並みに冷たい風を取り込むと心地好かった。

 

八幡「あーもう、何であんな妄想をしたんだよ……」

 

***

 

シチュエーションは、由比ヶ浜がいない部室だった。

いつものように彼女の冷たい言葉を受け流すところまでは上手くいっていたハズだった。

 

限界集落も人手を寄越しそうなくらい過疎った奉仕部部室で、雪ノ下は静かに本を読んでいた。

けれども最近の一一特に海老名さんへの告白以降一一雪ノ下は俺に絡んでくることが多かった。

何をするにも口出しされていた気がする。

だから俺はこう言ったのだ。

八幡『お前は全て完璧にこなしてるのか?』

 

雪乃『そうとは言えないわ。けれど、そうね。完璧になるための努力は惜しまないつもりよ』

 

八幡『具体的には?』

 

雪乃『文武両道を志してみようかと思っているわね。体力には自信がないのだけれど』

 

そう、彼女は体力がないのだ。

いくら合気道の心得があろうと、持久戦に持ち込めばすぐにボロが出てしまう。

そもそも彼女がスポーツをしているところなんてテニス以降見ていない。

たかだか1セットマッチ一一しかも途中参加一一の試合で疲労困憊になるくらいだ。

その体力はこちら次第で簡単に尽きるだろう。

そう思うと、胸に黒い感情が根を張った。

 

八幡『体力で完璧になろうとしてないのか。へえ?』

 

雪乃『そうね。とはいえ一朝一夕では体力はつかないわね』

 

八幡『そうだな。だから後悔する前に鍛えときゃ良かったんだ……』

 

唖然とする雪ノ下に、俺は覆い被さった。

 

華奢な体で出せる力なんてたかが知れていた。

組み敷くのに10秒もいらなかった。

床に濡れ羽色の髪を散らし、蔑む目でこちらを見上げる雪ノ下。

雪乃『はなしな、さい……』

 

八幡『…………』

 

雪乃『比企谷くん、今なら誰にも言わないから……お願い』

 

それはお願いをする人間の目つきじゃないだろう。

より力を込め、力の差を思い知らせる。

すると雪ノ下の目はすぐに濁った。

雪乃『やめ、て……本気なの?』

 

八幡『……ちょっと黙ってろ』

 

雪乃『……っ』

 

肉付きの薄い太ももを撫でると、雪ノ下は息を飲んだ。

出来る限り体をちぢこませていく。

スカートの下に指を滑り込ませた直後、彼女は大きく抵抗した。

 

思いっ切り俺の腹を蹴り上げ、部室のドアへと一目散に駆け出したのだ。

突然の抵抗によろけた俺だったが、逃がしはしなかった。

逃走する雪ノ下を追いかけ、その華奢な背中に手を掛ける。

運よく手が触れたお陰で雪ノ下はバランスを崩して転倒した。

それでも尚、彼女はドアへと手を伸ばす。

雪乃『ッ……っ……』

 

八幡『大人しくしろよ』

 

後ろから覆い被さった。

これで雪ノ下がどんなに手を伸ばそうとドアには届かない。

 

雪乃『いや、いや……』

八幡『はあ……はあ……』

 

もはやただのケダモノだった。

俺はドアへと必死に向かおうとする雪ノ下のスカートを捲り上げ、荒々しく愛撫をした。

当然、感じている余裕のない雪ノ下の股間が濡れることはなかった。

それでも延々と愛撫を続けると、彼女に変化があった。

 

雪乃『ん……くっ……はあはあ……』

 

どうやら感じてきたらしい。

ときたま肩をびくつかせ、腰を左右に振るような動作が増えてきた。

 

雪乃『はっ……はっ……んん』

八幡『なんだ、お前でも感じるのか』

 

髪で顔が隠れたせいで表情は窺えない。

だが熱を帯びた吐息と赤く上気した頬は快感に耐える女のそれに見えた。

そろそろこちらの欲望も満たそうと、ズボンのチャックを下ろす。

 

八幡『雪ノ下、いいよな?』

 

雪乃『……いや』

 

抵抗されればされるだけ男は興奮するのを知らないのだろうか。

俺は拒絶した雪ノ下の下着をズラし、彼女の中に無遠慮に侵入していく。

 

雪乃『ふ……ああ”……ッ』

大して濡れていない膣に侵入し、処女膜さえも破った。

当然、雪ノ下が嬌声をあげることはない。

ただひたすら破瓜の痛みに耐えるだけだった。

俺はそんな健気な彼女に興奮を隠せなかった。

 

八幡『気持ちいぞ、雪ノ下』

 

雪乃『……抜いて』

 

言葉通りずるずると引き抜き……また奥深くへと侵入していった。

せっかく挿入したんだ、抜くワケがない。

 

それからも俺は雪ノ下をオナホールのように扱った。

愛もなく道具のようにオナニーをしたのである。

雪乃『ふっ……うっ……ああ”!』

 

俺の腰に揺さぶられる雪ノ下に興奮しないわけがなかった。

ひたすら膣を蹂躙した。

ひたすら彼女をいたぶった。

やがて絶頂を迎えるころ、彼女もまた快感を覚えていた自分に絶望していた。

 

雪乃『んっ……あっあっあっあっあっ……くう……~~~っ!!』

 

彼女がメスとして開花したのを確認し、種付けをした。

そして、ここで俺の妄想は一旦終わりを告げる。

 

***

 

八幡「死ねばいい! 死ねばいいのに! ハッチの馬鹿、死んじゃえ!!」

 

ベッドの上でもんどりうつ。

レイパーな俺なんて死ねばいいんだ!!

戸塚と小町に愛を(一方的に)誓ったくせに何をやっているんだ!

ぼっちでコミュ障でレイプ願望なんて救いようがない!

 

八幡「あああぁぁぁぁぁ……んあああああああ!!」

 

枕に顔を埋めて叫んだ。

声の限り叫んだ。

その晩寝不足になったのは俺にもまだ良心が残っていたからだろう。

 

翌朝、億劫になりながらもズル休みするワケにもいかず登校する俺ガイル。

そういえば何でガイルって名前なのに見た目ポルっちゃってるのん?

ポルナレフ不名誉すぎるのん。

「でさー」

「えーマジ?」

「キャッハハハ」

 

教室の雑音はいつもと変わらす健全な内容ばかりだった。

誰もエロスな話なんてしていない。

俺だけがエッチなのかと疑わしくなる。

 

その中には当然、葉山率いるリア充グループの楽しげな会話もあった。

海老名さんがホモり、あーしちゃんが女王だったり、戸部が賑やかしたり。

何だかんだで役割分担の出来たグループだと思う。

空気を整えるバランサーポジションで言えば、由比ヶ浜は男版の戸部か。

うん、そっくりそっくり。

馬鹿っぽいところとかホントそっくりだぜ。

三浦「っつーかマジ寒くないしー」

 

結衣「そ、そう? あたし冷え性だからそろそろジャージ履きたいなー、なんて」

 

いつかのように、あーしちゃんは冬でも大して寒くなんてないってアピっていた。

以前はこの発言のあとに『へくちっ』とくしゃみをして場を和ませていた。

あーしちゃん意外と可愛い。

八幡「…………」

 

とか思いつつ、昨日の自慰を思い返すと和もうにも和めない。

何せ由比ヶ浜ともイチャイチャセックスなんて妄想したのだから。

もうマジ俺キモい。

ちょっと同じ部活なだけでラブラブになれると思い込むとかマジヒクワー。

 

結衣「?」

 

八幡「!!」

 

なにげなく見ると目が合ってしまった。

いかん、また惚れてしまうところだった。

 

偶然だ、偶然。

こんなの普通に学生やってれば何度もある偶然だ。

テスト前に何故か鉛筆の芯全部折れちゃうくらいの頻度で起こる偶然だ。

姫菜「なに? やさぐれは受けか攻めか気になった感じ?」

 

結衣「何で!?」

 

肛門に戦慄が走る。

海老名さんマジ鬼畜だわー。

俺でホモの妄想すんのヤメて欲しいわー。

 

八幡「……人のこと言えなかった」

全くもって、俺が言ってはならないセリフだった。

 

***

 

由比ヶ浜とのシチュエーションは俺の部屋だった。

小町が気を利かせて外出したせいで二人っきりになった部屋で、俺たちは互いを求め合う。

 

結衣『ヒッキー、ちゅーしよ?』

 

八幡『おう、いいぞ』

 

子犬のように甘える由比ヶ浜に唇を突き出す。

どうして妄想の中での俺はコミュ障じゃなくなってるんだ……!?

 

お団子ヘアーの可愛らしい由比ヶ浜とそっと口付けを交わす。

最初はついばむように。

結衣『んっ……ふへへぇ』

 

可愛いリアクションだ。

キスするだけで喜んでくれるとか幸せすぎる。

頬を綻ばせた由比ヶ浜は俺の膝に乗り、俺の唇を人差し指で撫でた。

 

結衣『もっとえっちなの……したいなあ』

 

八幡『あぁ、わかってるよ』

 

由比ヶ浜の赤くぬめった舌が俺の口に入ってくる。

ぴちゃりという粘ついた音が何とも卑猥だった。

結衣『んっ……ちゅぱっ……ヒッキー、大好き』

 

色々と女性的な体が無遠慮に押し付けられた。

むにゅむにゅグニグニと華奢な体を覆う肉が何度も歪む。

俺は無意識のうちに彼女の太ももを撫で回していた。

それに呼応し、由比ヶ浜の腰が跳ねた。

 

結衣『……もう、ヒッキーのえっち』

 

結衣『でもしょーがないよね。男の子は女の子とえっちなことしたいんだし』

八幡『しても……いいか?』

 

結衣『うん、いいよ。ヒッキーとエッチするの好きだもん』

 

少しだけ恥じらったあと、由比ヶ浜は下着だけ残して服を脱いだ。

それから俺の前で四つん這いになる。

その格好に思わずのどを鳴らしてしまった。

 

結衣『……わっ、ヒッキーのおっきくなってる』

 

勃起した愚息に、由比ヶ浜は迷わず手を伸ばした。

ゆっくりとズボンのチャックを下ろし、亀さんとご対面。

 

結衣『舐めるね、ヒッキー』

 

膨らんだ愚息を両手で包むと、彼女はまず亀頭にキスした。

それから裏筋を舌先で舐めあげる。

結衣『ひっひー、きもひいい?』

 

八幡『あぁ、気持ちいい』

 

結衣『へっへーん』

 

誇らしげに目を細め、より気持ちよくしようと頬張った。

それから顔を上下させながら、目で気持ちいいかまた問い掛けてきた。

本当に犬のようだ。

 

結衣『ジュプッ、じゅぽ……じゅるっ……んっんっんっ』

 

快感が背中を這い登っていく。

いっそ絶頂してしまおうと思ったが、由比ヶ浜を気持ちよくさせたいという気持ちが勝った。

頭を撫でてもう充分だと告げ、ベッドに寝転がって貰う。

下着姿の由比ヶ浜に覆い被さると、彼女がにへらっと笑った。

結衣『えへへ……なんか幸せ』

 

八幡『そうか。俺も幸せだ』

 

結衣『あ、あたしの方が幸せだしっ』

 

八幡『へいへい。じゃ、脱がすぞ?』

 

結衣『うん……お願い』

 

由比ヶ浜の充分すぎるくらいに育った胸を覆い隠す下着を外し、下から持ち上げる。

たゆんと波打った。

 

結衣『んっ……きもちい』

 

むしゃぶりつくと由比ヶ浜が切なげに鳴いた。

豊満な胸の上にある鎖骨が浮き彫りになっているせいか妙に色っぽかった。

これが肥満によるモノではなく女性ホルモンの賜物だと思い知ったからだろう。

結衣『ひゃん……んぅ……ひっきー、ひっきー』

 

胸と同時にアソコを攻めるとより由比ヶ浜は喘いだ。

もうこれ以上ないくらいに乱れた。

やがて絶頂を迎えそうな頃、彼女が俺を優しく押しのけた。

 

八幡『……どうした?』

 

結衣『ヒッキーの……』

 

八幡『ん?』

 

結衣『ヒッキーので……イキたい』

 

口を手で隠しながら、官能で真っ赤に染まった顔で呟く。

俺の愚息に手を添えて股間に導いていた。

結衣『ヒッキーのおちんちん……挿れて?』

 

八幡『わかった。挿れるぞ』

 

体重をかけながら由比ヶ浜の秘裂へと押し入っていく。

すると彼女は一瞬だけ苦しそうに呻いた。

異物が入る感覚に慣れていないらしい。

たっぷり10秒かけて挿入すると、彼女がぴくんと跳ねた。

 

結衣『ぁぅ……イッちゃった』

 

八幡『スケベだな、お前』

 

結衣『す、すけべじゃないもんっ! ヒッキーのがいやらしいだけだもんっ!』

 

八幡『……その、動かしていいか?』

絶頂の直後の敏感さは男女も同じなので気遣ってみせたが、彼女は無邪気な笑顔で先を促した。

 

結衣『動いていいよ。ヒッキーも気持ちよくしてあげたい』

 

八幡『わかった』

 

結衣『あっ……んんんっ!』

 

ねっとりと濡れた膣の中で前後に動く。

その度に由比ヶ浜の胸が躍った。

 

結衣『はっ……んっ……あっあっあっあっ! やん……ぁぅ』

 

ずちゅっずちゅっと淫靡な音が腰から響いてくる。

由比ヶ浜もそれが恥ずかしいのか俺から顔を背ける。

だがそんな彼女が愛らしくて顔を近づけると、むしろ向こうから唇を貪ってきた。

結衣『あむっ……んじゅる……ヒッキー、大好き……~~~っ!!』

 

腕を首に絡めこれでもかってくらい密着する。

俺と彼女の間には紙1枚さえ入る隙間はなかった。

やがて何度目かの絶頂を彼女が迎えた頃、俺の限界もすぐそこに迫っていた。

 

八幡『由比ヶ浜、射すぞ……』

 

結衣『うん、きて……んっんっんっ……ヒッキーのせーし、ちょーだい』

 

八幡『う……くうっ!!』

 

パンっと、どろどろに濡れた腰を叩き付け、射精する。

びゅるびゅると音を立てて由比ヶ浜の膣を俺の精液が真っ白に汚していく。

 

八幡『はあ……はあ……』

結衣『ん……はあ……はあ……』

 

絶頂の余韻を楽しみつつ、由比ヶ浜の上にしなだれかかる。

そんな俺を聖母のように抱き締め、彼女は優しく微笑んだ。

 

結衣『気持ちよかったよ、ヒッキー。またしようね』

 

***

 

そう、こんな妄想でオナニーしました、ごめんなさい。

でも男の子はオカズがないと抜けないので大目に見て下さいお願いします。

思い出したせいで勃起したのを必死に隠しながら、俺はHRまでぼっちらしく寝たフリでやり過ごすのだった。

 

テストで悪い点取った子供のような気分になりながら一日を過ごし、遂に部活の時間がやって来る。

いいよもう、時間停まれよ。

ザ・ワールドを延々とやってくれよDIO様。

まあ願ったところでこっちは時間が停まったことにすら気づかないんだった。

八幡「……友達とかがカラオケに誘ってくれないかな」

 

戸塚、今日カラオケ行こうぜ。

ダメだ、あいつテニス部だった。

誘えないじゃんか。

戸塚以外に友達いないのにどうすんだよ。

材木座? 誰それ?

 

うじうじしていると、戸部が葉山と楽しそうにサッカー部として足早に教室から出ていくのが見えた。

流石はキャプテンと副キャプテン……だったっけ?

戸部もサッカー部じゃ結構いい席に就いてたよな。

結衣「ヒッキー、部活行こ?」

 

八幡「うっ……」

 

葉山達に気を取られたせいで由比ヶ浜の接近に気付き損ねた。

イチャイチャする妄想してごめんなさい。

 

言葉に詰まった俺は、ここでバブル時代によく使われたというあのジェスチャーを思い出す。

ちょっと前に月9でやってたから覚えてたんだ。

八幡「いや、これ(小指)がこれ(妊婦)でこれ(激おこぷんぷん丸)なもんで」

 

結衣「え”?」

 

結衣(小町ちゃんが太って牛になったの?)

 

何だろう、誤解された気がする。

 

八幡「あぁ、そうなんだ。だから急いで帰らないといけないんだ」

 

結衣「えー? そういうのは放っといてもいいんじゃない? 受験生が太っちゃうのはよくあるし」

 

八幡「は?」

 

え、なになに?

何で受験生が出てきたの?

話題がボソンジャンプしてない?

結衣「だから小町ちゃんが受験太りしちゃったんでしょ?」

 

八幡「え? あ、うん、おう……そっすね」

 

由比ヶ浜の中で俺の小指って小町が占領してたのか。

お兄ちゃんとして当たり前だけど脈なしって言われたみたいで複雑だよ。

いや、由比ヶ浜と反りが合うとは思えないけど。

とにかく俺は由比ヶ浜の勘違いに乗じて、小町がダイエットを始めたという設定でいくことにした。

小町、ごめんちゃい。

 

八幡「そうそう、だから今日から小町とジョギングするんだよ」

結衣「それ女の子としてあり得なくない!? 小町ちゃん自分で何とかすると思うんだけど」

 

八幡「小町はブラコンなんだよ」

 

結衣「理由になってないし! ヒッキー嘘ついてるでしょ?」

 

おい、いつものお馬鹿なお前はどこに行った。

アホアホ発言で場の空気を整えるKY女子の名を欲しいままにしていた由比ヶ浜はどこに行った。

小学生探偵が麻酔銃で眠らせて起きてるフリでもさせてんの?

 

結衣「むーっ」

 

八幡「……うっ」

 

どんぐりのような目で尋問される。

可愛い……じゃなくて近い近い良い匂い。

八幡「……ごめんなさい、嘘です」

 

結衣「よしっ! じゃ、部活行こ。ゆきのん待ってるよ」

 

両肩にバッグをかけて廊下に躍り出る由比ヶ浜

そんな彼女の迷惑にならないよう他人とも知り合いとも思える中途半端な間隔を空け、背中を追ったのだった。

 

***

 

いろは「あ、結衣せんぱーい!」

 

結衣「あ、いろはちゃん。やっはろー!」

 

いえーい、と快活な女子二人が可愛くハイタッチを交わす。

 

出たな、可愛くない小町且つ劣化版陽乃さん且つニセめぐり且つ超強化相模且つタイプ別折本め。

一色いろはは依然として年上に媚びる態度を変えず、由比ヶ浜先輩という有力な人材とのパイプを確保していた。

こういうコミュ力ってちょっと嫉妬しちゃう、ビクンビクン。

いろは「もー、聞いて下さいよー。また生徒会で面倒なことになっちゃってー」

 

結衣「そなの? こないだ終わったばっかなのに大変だね」

 

いろは「ってことで協力して下さい。比企谷先輩はヒマですよね?」

 

八幡「おいこら、俺がヒマって前提で協力求めんな。ゴロゴロするので忙しいぞ」

 

いろは「じゃ、比企谷先輩は確保っと」

 

俺のタイトなスケジュールを把握した上で仕事を挟み込むいろはすなんて大っ嫌い!

八幡「お前どんだけ俺に貸し作ってるかわかってる? 選挙んときとボランティアと、あと……」

 

いろは「あー、最後のは言わなくていいです。言ったら先輩の悪いウワサ流しちゃいます」

 

一色がちょっとだけ鋭い目をする。

最後に言おうとしたのは、葉山への告白での貸しについてだった。

この間引きずっていると言ってたので俺も口をつぐんだ。

色恋は簡単に口にすべきじゃあない。

 

……と認識を改めていると由比ヶ浜が何とも言えない目で俺を見ていた。

 

結衣「……ヒッキー、いろはちゃんに何かしたの?」

 

八幡「辺、別に何でもねーよ」

 

いろは「ほらほら、いいから部室行きましょう。ここじゃ寒いです」

結衣「うーん、そうだけど……そうなんだけど~……」

 

聞かれたくないことを聞き出してしまいそうな由比ヶ浜の手を引いて部室へ歩く一色。

女子が手を繋いでるのを見てるとふわふわした気持ちになってくる。

これが百合萌えなのか?

 

***

 

行きたくもない部室の前に立つと、先頭にいた一色が深呼吸した。

そうだ、そういえばコイツと雪ノ下はそんなに相性が良くないんだった。

甘えにくい相手は一色にとっては天敵そのものなのだから、気持ちの準備が必要なんだ。

 

いろは「しっつれーしまーす!」

 

結衣「ゆきのん、やっはろー!」

 

奉仕部の隅っこで静かに本を読んでいた雪ノ下が顔を上げ、一ミリだけ頬をこわばらせた。

一色に注がれる視線は『また来たの?』と告げていた。

うん、また来たよ。

彼女風に言うなら『来ちゃった(テヘペロ)』だな、うん。

いろは「助けて下さーい。また生徒会でめんどくさい奉仕活動が催されるって言われてー」

 

雪乃「そ、そう……。取り敢えずお茶を淹れるから座ってちょうだい」

 

いろは「はーい……」

 

結衣「はい、いろはちゃん。ここ座って」

 

いろは「ありがとうございますー!」

 

由比ヶ浜が一色に椅子を用意した。

甘え上手だとこんな小さな手間さえ省いて貰えるのか。

 

紙コップに淹れられた紅茶を飲み、ほうと息を吐く一色。

雪ノ下も紅茶を飲み、話を聞く姿勢を取った。

もうその落ち着きっぷり社会人レベルだよ、高校生らしくねーよ。

あとレイプする妄想してごめんなさい。

いろは「本題入っていいですか?」

 

雪乃「えぇ、お願い」

 

いろは「えっとー、もう今年って終わるじゃないですかー? あと1週間ちょっとで新年ですし」

 

ここから一色の話は蛇行するので総括する。

つまりはこういうことだった。

 

生徒会の地域密着っぷりをアピールするべく、続いては年末イベントをやることになったらしい。

だが予算も限られ、年末にすることも思い浮かばないので知恵を借りたいのだと。

 

まったく……間髪入れずに何でもかんでもすれば若者らしい青春だとでも思ってるのか、総武高校の生徒会は。

マグカップに入った紅茶を口に含みながら俺は考える。

これは好奇だ、と。

八幡「…………」

 

働くのは面倒だ。

だが前回と前々回の功績から一色は少なからず俺を頼る意思が芽生えている。

そして現在の俺はというと、この二人への罪悪感から距離を置きたがっている。

なら答えは簡単だ。

 

八幡「やる内容はともかく……一色の手伝いは俺だけで充分かもな」

 

雪乃「は?」

 

結衣「ヒッキー?」

 

いろは「え? ごめんなさい、傷心中だからチャンスだと思ったんなら諦めて下さい先輩とは付き合える気があんまりしませんハッキリ言ってお断りです」

 

八幡「まあ聞け。特に一色は罵倒すんな、泣いちゃうから」

いろは「はあ……」

 

八幡「まずもうじき冬休みに入るから友達の多い由比ヶ浜はそれらの付き合いで一色の手伝いに参加しづらい」

 

結衣「そ、そんなことないよ!」

 

八幡「いいや、そうでもないだろ。年末のイベントに不参加だと微妙に友達との付き合い方が変わるってのはよくあることだ」

 

雪乃「そういえばそうね。姉さんも大きなイベントでは必ず顔を出して挨拶をして回っていたわ」

 

八幡「その通りだ。お偉いさんでも友達付き合いでも、イベント不参加は尾を引く。つまり由比ヶ浜の今後を考えればこっちは手伝えない」

 

『うー、そうかも……』と弱弱しく肯定する由比ヶ浜

よし、簡単な方は片付いた。

しかしもう一方はかなり手強い。

慎重にやらなければ遠ざけられない。

八幡「次に雪ノ下だが……」

 

雪乃「私にはどんな理由があるのかしら?」

 

八幡「……言っても怒らないか?」

 

雪乃「言われないと対応を決められないわね」

 

言え、と重い空気を発しながら追求する奉仕部の部長。

ふえぇ、怖いよう……。

 

八幡「その、あれだ……由比ヶ浜がいない状態でコミュ障が増えるのは避けたい」

 

八幡「由比ヶ浜というバランサーがいない状態で俺やお前が周りの空気を悪くするのは文化祭で思い知っただろ?」

雪乃「そうだったかしら? 単にどこかの実行委員長さんが手を抜くことをみんなに求めたからなのだけれど」

 

八幡「厳しい人間がいれば楽しむ(と書いて楽をする)方に人間は流れる。これは心理的にも間違ってない」

 

いろは「? ……??」

 

雪乃「……そう。そうね、言われてみればそうだったかもしれないわ」

 

本の表紙を撫で、雪ノ下が切なげに言葉を洩らす。

ごめんなさい、レイプする妄想しただけで遠ざけようとしてるだけなんです。

今の説明も別に思い付きでしかないです。

 

雪乃「わかったわ。不服だけれど……今回は比企谷くんに一任するわ」

 

八幡「お、おう」

 

意外にも、あっさりと雪ノ下は引き下がってくれた。

ヤバい、傷付けてたらどうしよう。

 

ここでは話しづらくなっちゃいましたね、という一色の言葉で、その場はお開きとなった。

俺は俺で一色とか話し合わなければならないのでどこかに移動することになった。

その途中、思い詰めた顔で一色が俺に言う。

いろは「……あの、先輩」

 

八幡「なんだ?」

 

いろは「言っときますけど、失恋中とはいえわたしの攻略は難しいですよ?」

 

あれ?

変なフラグ立っちゃった!?

 

一色の歩調に合わせるべく自転車を手で押しながらファミレスへと歩く。

冷たい空気が肌を刺した。

いろは「先輩、お約束やります?」

 

八幡「何の?」

 

いろは「月刊少女野崎くん的なアレですよ。自転車の二人乗り」

 

八幡「しないしない」

 

俺の自転車の荷台は小町専用だもん。

乗せたとしても戸塚までだからお前は乗せてやらない。

 

いろは「いーんですよ? 先輩がわたしにアプローチしたくて結衣先輩たちを遠ざけたのはわかってますから」

わかってないじゃんか。

結果は同じだけどお前のためじゃない。

けど言ったら機嫌を損ねそうなので、小町が絡んできたときのように適当にあしらっておいた。

 

***

 

ホットコーヒーに砂糖をいくつか投入したところで一色との会議に入った。

砂糖を入れた途端妙な顔されたけどしょうがないじゃないか。

練乳を置いてないのがいけないんだから。

 

いろは「何やります?」

 

八幡「せめて案を出せ。……で、場所はどこなんだ?」

 

いろは「学校です。夜の8時から年越しイベントを学校のグラウンドでやることになりました」

 

八幡「ってことは4時間も持たせなきゃならんのか。前みたいに小学生や幼稚園児でも駆り出すか?」

いろは「絶対向こうの保護者さんたちに反対されますよぉ……」

 

なんてこった。

前回のような手抜きはもう使えないのか。

まあそれもそうか。

幼稚園も小学校もとっくに冬休みが始まってる頃だ。

今さら手伝って貰えるワケがない。

 

八幡「そうだな……おしるこを配るのはどうだ? 寒い中で年越しするとなると温かいのが欲しくなるんだし」

 

いろは「なるほど! やっぱり先輩は見た目以外は頼りになりますね!」

 

八幡「見た目以外……」

 

いろは「もうちょっとシャキッとしてればいいんですけどねー」

 

けらけらと笑う一色。

見た目はイマイチってよく言われるが、目つき以外は貶されたことないんだぞ(ドヤッ)。

あの雪ノ下さえ、俺の自己評価をそこまで否定しなかったのだから。

いろは「他に何かありませんか?」

 

八幡「全部おれに任せようとしてないか、お前」

 

いろは「いえいえ~」

 

4時間も間を持たせて、且つ限られた予算で地域密着をアピールする。

なかなかに難儀な課題を押し付けられたもんだ。

 

いろは「おなか空きましたねー。なにか甘いの食べません?」

 

八幡「いや、それよか年末イベントをだな……」

 

いろは「すいませーん、これ下さーい」

 

セーターからちょこんとはみ出した指でメニューを指差す一色は、食事を楽しむただの女子高生でしかなかった。

生徒会長らしさが全くない。

あぁ、そういうところでは城廻先輩と似ているのか。

いろは「んっふふ~」

 

八幡「なに頼んだんだ?」

 

いろは「スイーツですよー」

 

なるほど、一色もスイーツ(笑)ですもんね、わかります。

甘さで言えばめぐりん元会長だな。

めぐりんマジ天使、めぐりん可愛いよめぐりん。

あの声とかマジでトワイライトヒーリングだわー。

 

***

 

割り勘だった。

一色のスイーツ代を無視しようとしたら周りから白い目で見られた。

 

コーヒーしか頼んでないよね、という俺の抵抗は意味を成さず、周囲の重圧のせいもあって半分払わされた。

年末イベントもおしるこしか決まらないという有り様で、もう色々とボロボロだった。

この依頼を完遂できる自信がない。

いろは「じゃ、わたしはこれで」

 

八幡「おう……」

 

いろは「あんま決まらなかったんで明日生徒会室に来て下さい」

 

八幡「おう!」

 

いろは「なんでそこだけいい返事なんですか……」

 

だって雪ノ下と由比ヶ浜と同じ空間にいなくて済むんだもの……とは言えない。

一色を見送った俺は、清々しい気分でペダルを踏み込んだのだった。

 

その日の晩、俺はムラムラした。

八幡「…………」

 

おおう、文面にすると凄まじいセリフだ。

闇ちゃんにえっちぃのは嫌いですって言われるのもわかる気がする。

けど日々を過ごすだけで溜まるものがあるのが男という生き物だ。

 

が、ここで問題が発生した。

また身内をオカズにオナニーしたくなってしまったのだ。

ケダモノと言われても、そういう嗜好にハマっちゃう時期があるんだと思う。

普段は興味ない3Dエロ動画が妙にツボっちゃうこととか、まさにそれ。

 

けれどももうあの二人で抜くのはいけないと思う。

また明日も顔を合わせる一色で抜けばふりだしに戻るようなものだ。

 

そこで思い出したのはめぐりんだった。

よし、今日は城廻先輩で抜こう。

八幡「我ながら最低な宣言だな……」

 

***

 

場所は……そうだな、ラブホテルにしよう。

城廻先輩はドMっぽいから大人の玩具で何度も絶頂させてみたい。

 

めぐり『んっ……ほんとにそんなの使うの?』

 

八幡『嫌ですか?』

 

めぐり『嫌というか、ちょっと怖いなーって思って……』

 

あははー、と笑う城廻先輩。

今彼女は制服を着たまま両手を縛られ、ベッドに腰掛けている。

そんな状態の彼女がチラチラと見ていたのは太いバイブだった。

 

イボがないので刺激は少なそうだが、それでもそこそこの太さがある。

そんな狂暴なものが突き刺さればと思うと不安らしい。

八幡『大丈夫ですよ、ちゃんとほぐしますから』

 

めぐり『うん、わかった……あんっ』

 

そっと鎖骨に口付けした後、彼女の股に指を滑り込ませた。

まだ準備のできていないそこはただ柔らかいだけで、何もない。

布越しに数回撫でると、城廻先輩は腰を揺らしてきた。

 

めぐり『んっ、あっ……ひきがや、くぅん……』

 

さらにまさぐると彼女の頭が足が俺の手を挟み込んだ。

 

めぐり『うぅ~……』

捨てられた子犬のような目で俺を見上げる。

凄く、興奮しちゃいます。

 

八幡『何すか?』

 

めぐり『なんでもない、けど……ちょっともどかしいかなぁ』

 

八幡『物足りないんですか?』

 

めぐり『ぁぅ……』

 

顔を赤らませた後、先輩は控えめにこくりと頷いてみせた。

それを見届けると、俺は彼女からパンツだけを脱がした。

安易に脱がしはしない。

むしろスカートの中だけエロいことになってるという方がそそる。

 

めぐり『ね、ねえ比企谷くん?』

 

下着だけ脱いだ先輩が俺に唇を突き出す。

上下する肩と赤らんだ顔がいやらしい。

めぐり『ちゅーしてから……触って?』

 

八幡『めぐり先輩は甘えん坊ですね』

 

めぐり『そんなことないもん……ほら、んー!』

 

亀のように首を伸ばし、俺の鼻先まで近付いたが、そこで彼女の動きは止まる。

なにせ俺が足に手を伸ばしたままなのだ。

このまま顔を突き出せばそれにつられてアソコに手が触れてしまう。

触られる前にキスしたい先輩にとってはここまでが限界だったのだ。

 

八幡『ほら、どうしたんですか? キスしないんですか?』

 

めぐり『……いじわる~』

 

太ももで俺の手をガードしながらもう少しだけ進む。

が、俺も無抵抗ではないので内股を撫で上げた。

 

めぐり『ひゃうっ……~~~~~っ』

 

泣きそうな目で俺を見上げる彼女の股は既に湿っていた。

あーあ、なんていやらしいんだ。

八幡『へえ、脱がされただけでこんなに濡れたんですか』

 

めぐり『い、言わないでよぉ……っ』

 

肩を推してベッドに押し倒す。

そしてそのまま彼女の股に手を突っ込んだ。

 

めぐり『あんっ、やあ……あっあっあっ』

 

ぬちゃぬちゃと水音が自分の股間から聞こえてきたせいか、顔を背けた。

俺はそんな彼女に馬乗りになり、さらに攻めたてる。

腕を縛られて抵抗できないせいかこちらを見る目はかなり悔しそうだ。

 

めぐり『うっ……ああっ……ひきがやくんの、ばかぁ……~~~っ』

 

柔らかくねっとりとした先輩の膣を充分にほぐしたところで、バイブをその入り口にあてがう。

人肌と違って冷たかったのか『ひゃっ?』と小さな悲鳴が聞こえた。

八幡『じゃ、先輩のいやらしい穴に栓をしますね』

 

めぐり『や、やらしく……ないよぉ……っ』

 

ずぷずぷと大した抵抗もなくバイブが埋まっていく。

その度に先輩は異物感に耐えかねて切なげに鳴いていた。

ときおり吐き出される熱を帯びた吐息が淫靡だった。

やがてバイブを根元まで飲み込んだ先輩がくたっとベッドで脱力する。

 

めぐり『はあ……はあ……ちょ、ちょっとだけ待って?』

 

八幡『何でです?』

 

めぐり『だって、今のだけでもうイッちゃいそうだから……』

 

八幡『へえ、もういっぱいいっぱいなんですか?』

めぐり『うん、もう……あ、なしなし! 今のな……んひゃあああ!』

 

カチッとスイッチを入れる、それも最大モードでだ。

あまりに強すぎる刺激に普段のぽわぽわした姿はすっかり失せてしまった。

必死に腰をくねらせ快感に悶えるメスがそこにいるだけだった。

 

めぐり『ん、ああっ……やあああっ!』

 

ついでに前後に抽送してやる。

やるなら徹底的に、この愛らしい先輩を乱れさせたかった。

バイブで奥を突く度に彼女のメスの汁がスカートの裏側に滴り落ちていく。

 

めぐり『あっ、やん……うんんんっ、あああ~~~!!』

 

八幡『どうです? 気持ちいいでしょう?』

 

めぐり『はっ……うくっ……んん、あっあっあっ!』

 

返事はなかったところから察するに快感を受け止めるので精一杯なようだ。

まあ、余裕がない方がこの人らしいかもしれない。

 

スカートを腹側に裏返すも、やはり彼女は気付きもしない。

しっかり制服を着こんだ元生徒会長様が下半身だけさらけ出して喘いでいるなんて、いやらしいにも程がある。

ときたま上下に跳ねる腰が俺を誘っているようにも見えた。

めぐり『も、だめぇ……ひきがやくん、とめてぇ……っ』

 

びくびくと痙攣しながら、もうやめてと懇願する。

どーしよっかなー、やめてもいいけどこれはこれでそそるなー。

と、ここで俺はやめるための条件を思い付いた。

それはきっとこの人には残酷な先刻だっただろう。

 

八幡『やめてもいいですよ?』

 

めぐり『ほん、とう……? んっ』

 

八幡『えぇ、あんまりやると可哀想ですからね。ただし……』

 

めぐり『ふえ?』

 

八幡『今から3回絶頂したらやめてあげます。あとイッたらちゃんと報告して下さい。しなかったらノーカンです』

 

瞬間、先輩の顔が真っ赤に染まった。

それから見えない誰かを追うように視線を泳がせ、愕然とした。

めぐり『自己申告……?』

 

八幡『そっすよ』

 

めぐり『しかも、3回も……?』

 

八幡『増やしましょうか?』

 

めぐり『いい、いい、いいよぉ! ……けど、そんなの言えないよぉ……んうっ』

 

八幡『じゃあ永遠に俺が先輩のアソコで遊んでもいいんですね』

 

めぐり『うぅ~』

 

甘えるように俺を見上げ、見逃してくれないかと訴える先輩。

だが俺はそれを反抗的な行動と見なし、バイブを膣内でくるくると回転させた。

 

めぐり『んひいっ!? わ、わかったわかった……ちゃんと報告するからぁ……っ』

 

八幡『わかって貰えて何よりっす』

 

八幡『じゃあ始めますよ』

めぐり『やっ、待って待って……まだ心の準備が……んあああ!!』

 

ちょっとの間だけとめていた抽送を再開させる。

相変わらずスムーズに出入りするそれだったが、更に滑りが良くなっていた。

絶頂を申告することに対する羞恥心が愛液をまた分泌させたらしい。

 

めぐり『イッちゃうイッちゃ……あっあっあああああああああああ!!』

 

激しい痙攣だった。

めぐり先輩はあらん限りの声で絶頂を宣言しながらイッてしまった。

 

めぐり『ぁぅ~……恥ずかしいよぉ』

 

八幡『そんなことないっすよ。メチャクチャ可愛かったから』

 

めぐり『そうじゃないのにぃ……んあっ、あっ……またぁ』

 

やがて3回目の絶頂を迎えるころ、先輩は失禁していたのだった。

いかん、流石に虐めすぎたかもしれない。

 

***

 

八幡「……ヤバい、城廻先輩で5回も抜いてしまった」

 

抜き過ぎたせいで部屋がかなりイカ臭くなってしまった。

というか最近の俺ちょっとヤバくない?

知り合いで興奮するとかほたるんじゃあるまいし……。

 

八幡「っと、換気換気」

 

窓を開けてキレイな空気とよどんだ空気を取り換える。

このまま煩悩ごと流れ去ってしまえばいいのに、と思うのは賢者モードのときのお約束だった。

 

***

 

翌日、生徒会室に向かう。

 

めぐり「あ、またお手伝いに来てくれたの~?」

 

め ぐ り ん と 遭 遇 し た 。

 

えっ、何でここいるの?

受験勉強しろよ一一ってこの人もう推薦貰ってるんだっけ?

チクショウ、会わない人間をチョイスして抜いたのに!

これじゃ奉仕部に顔を出すのと何も変わらねえよ!

めぐり「いや~、みんなも年末イベントについてすっかり忘れてたらしくてね~」

 

八幡「おうちかえるぅぅぅうううううううううううううううううううう!!」

 

めぐり「え?」

 

八幡「もうぼくおうちかえるぅぅぅううううううううううううううううううううううう!!!」

 

めぐり「ど、どうしたの? おなかでも痛いの? 温かい物でも飲む?」

 

八幡「う、グスッ……もうなんなんだよぉぉぉ……なんでこうなるんだよぉぉぉ」

 

めぐり「そ、そんなに生徒会手伝うの嫌だったの? えっと、ごめんね? でもいろはちゃんのためにも手伝って貰えると嬉しいなぁ、なんて」

 

もう何でこの人こんなに優しいんだよ……。

昨日の俺が申し訳なさ過ぎてしんどいよ……。

5回も先輩で抜いてマジすいませんでした。

今夜は陽乃さんで抜くんで安心してください。

 

罪悪感とか絶望で泣いた俺が落ち着くまで、10分を要した。

もうこの人では抜かない、めぐりんは癒し系でエロ担当じゃない。

だからこれからはエンカウント率の低い陽乃さんで抜きます。

いろは「先輩、もういいですか? というかもういいですよね? 年上の男の人をあやすとかサイアクですから」

 

八幡「……うん、もう大丈夫。はちまん強い子だから泣かない」

 

いろは「そうしてくれるとわたしも助かります。泣くのはこれっきりにして下さいね?」

 

めぐり「さあっ、時間も押してるし年末イベントの内容を今日中に固めちゃおうね」

 

元生徒会長の城廻めぐり先輩が会議を取り仕切る。

どうやら一色が泣き付いたのは奉仕部の他にこの人もだったらしい。

確かに実績がある人材を頼るのは悪くない手法だった。

悪くはない、悪くはないのだが……事前に教えて欲しかった。

知ってたらこんな良い人でオナニーなんでしなかったのだから。

 

ぽわわ~んとした空気のままでも、周りの生徒会役員がそれに従っていた。

なるほど、リーダーの資質はあるらしい。

この人、学校が学校だったらリモコンで人を操作する術を覚えていたんじゃなかろうか?

ほらあのシイタケおばさんみたいに。

めぐり「じゃあ何か案はないかな?」

 

いろは「あ、先輩。去年は何やったんですか?」

 

めぐり「そっかー、いろはちゃんはまだこの学校の生徒じゃなかったから参加してなかったんだよね?」

 

俺も参加してなくて何をすればいいのかわかってないってころは黙っておこう。

先輩は去年やったことを指折り数えながら俺たちに引き継がせる。

 

めぐり「去年はねー、ステージ発表の出来そうな部活に参加して貰ったり、豚汁を振る舞ったり、みんなで短冊に来年の抱負を書いて飾ったりしたよー」

 

最期七夕混ざってません?

ねえ、七夕混ざってなかった?

 

しかし、やはり前年の責任者を招いただけの成果はあった。

一色にはあとでMAXコーヒーでも奢ってやろう。

いろは「じゃ、今からでもそれ系の部活に当たってみた方がいいですねー」

 

めぐり「うーん、今から間に合わせられるかなぁ? もう一週間くらいしかないし……」

 

いろは「太鼓部は年が明けてすぐに発表会あるから間に合います! 友達が追い込みかけてました!」

 

めぐり「おおっ、いろはちゃんナイス~! 体育館でそれやったらお客さんも楽しんでくれそうだね~」

 

意外なくらい一色が持ち前の友達ネットワークを駆使していた。

先日までの人任せでブレストに苦笑いしてた彼女は鳴りを潜めていたのだ。

一方、俺は目立ちたくない一一というか喋ると空気壊しちゃう一一ので簡単な議事録を作っておいた。

ほら、書記さんが書き洩らしちゃったら大変だから。

俺ってば言葉以外では空気読めちゃう男だから。

 

***

 

結衣「何かヒッキーおかしくなかった?」

 

雪乃「おかしい? 比企谷くんがおかしいということは……極めて普通ということかしら」

 

ところ変わって奉仕部部室。

人口が当社比33%ダウンしたそこで、いつも通り桜TRICKに勤しんでいた由比ヶ浜が口を開いた。

結衣「……ゆきのん、ヒッキーはおかしくなると普通になるの?」

 

雪乃「さあ?」

 

結衣「でね、ほら……こないだいろはちゃんが依頼に来たとき妙に優しかったでしょ?」

 

雪乃「そうね。確かに彼にしては優しすぎたというか、わたしたちに配慮していたように見えたわね」

 

結衣「うんうん! そりゃあたしも優美子たちとの付き合いあるけど、手伝わない理由にはならないってゆーか……」

 

雪乃「冷静に考えればわたしはともかく由比ヶ浜さんは会議にくらい参加できるものね。いえ、それどころかわたしも参加できるハズよね」

 

あ、これはイカン。

これはイカン流れだ……が、そこにいない俺に状況がわかるワケがなかった。

当然、俺が誤魔化すヒマもなく奉仕部の花はでっち上げられた『参加しない理由』を突き崩していく。

 

結衣「ってかね、ゆきのん。年末のイベントで学校のに参加すればふつーにヒッキーを手伝っても大丈夫だよね?」

雪乃「えぇ、全くもってそうだわ。そしてわたしも同じ轍は踏まない」

 

いやそもそも、と二人は示し合わせたように声を揃えた。

 

「「比企谷くん(ヒッキー)が仕事に対して乗り気なんておかしいにも程があるわね(よね!)」」

 

オワタ\(^o^)/

 

雪乃「今、彼はどこにいるのかしら?」

 

結衣「いろはちゃんと一緒にいるんじゃない? 待って、今メールして聞くから」

 

雪乃「えぇ、お願い。ぬかったわ、比企谷くんだけに数をこなされればわたしたちの貞操が危ない……」

 

結衣「え!? な、なんで!?」

 

雪乃「平塚先生が言っていたでしょう? 彼女の独断と偏見で、最も奉仕部に貢献した者に何でも命令する権限を与えると」

 

結衣「何でも? …………。わっ!? え、待って待って、えー、うそっ……ヒッキーそんなにあたしらにして欲しいことあるの!?」

雪乃「流石は卑怯ヶ谷くん……それらしいことを言ってわたしたちが命令される側になってもおかしくないよう細工したわね」

 

由比ヶ浜は真っ赤になりながら右往左往し、雪ノ下は悔しそうに爪を噛む。

え? ……うーん、あれ?

話が妙な方向にズレてってない?

 

結衣「ヒッキーにえっちなことされるの? わっ、やだ……恥ずかしいってば……」

 

雪乃「くっ、少しだけ見直してたのにこうなるだなんて。由比ヶ浜さん、早く彼に連絡して居場所を吐き出させてちょうだい」

 

結衣「ひっきーひっきーえっちーひっきーひっちー……」

 

雪乃「落ち着いて、由比ヶ浜さん落ち着いて」

 

***

 

いろは「何とか4時間を持たせられるだけの部活が集まりましたねー」

 

八幡「あぁ、そうだな。みんなあんま帰省しないもんなんだな」

 

放課後に残っていた部活動生に協力を申し出たところ、それなりの数の部が快諾してくれた。

中には今年の年末イベントに関して声を掛けられないことに首をひねっていたところまであったくらいだった。

ほんと、ホウレンソウって大事だよね。

八幡「あとは各部との打ち合わせとおしるこの材料の確保か」

 

いろは「地域の皆さんにチラシを作って配るのもありますよ」

 

凍てつく北風に耐え忍びながら帰路に就く俺と一色。

自転車を押す俺に、マフラーで顔の半分近くを覆った一色がビシッと指差した。

このマフラーで髪がイイ感じにボリューミーになるの可愛いんだけど何て呼べばいいの?

募集したら誰かが命名してくれないかな?

 

いろは「……あ、」

 

八幡「どした?」

 

いろは「先輩、いちおー連絡用にメアド交換しときません?」

 

八幡「一応……?」

 

いろは「はい、いちおーです。なので強制ではありません。先輩が断っても生意気だなんて思いません。ただ誰かさんの中で株価が急降下するだけです」

 

えぇ~、何でこんなプレッシャーかけてくんの?

ヒッキーってストレスに弱い生き物なんだよ?

下手に株価を下げられても困るのでメアドを教えようとするとメールが来てることに気付いた。

やっべ、普段からメールなんて来ないからマナーモードのまんまだったよ(てへぺろ)。

八幡「……え? 由比ヶ浜から?」

 

一色に待つよう言ってからメールを開く。

『今どこにいるの?』って、お前は俺の彼女か母ちゃんかよ。

下校中だと返すのも面倒なので家に居るということにするとすぐに返信が来た。

 

結衣『明日、部室に来ること!』

 

八幡「……うへえ」

 

いろは「どうしました? スパムでも来ました?」

 

八幡「いや、何でもない」

 

ってかスパム送ってくる友達もいねえよ。

俺は一色に携帯を投げ渡し、目で『お前が登録しろ』と訴えた。

 

***

 

去り際の一色のセリフは『女の子の手間は最大限省いてあげるのがマナーですよ』だった。

いや、俺は小町や戸塚のためなら色々としてやるんだ。

けど一色の場合は普段から甘え過ぎてるから自助努力をするよう促しただけだ。

決して……決して赤外通信が出来ないわけじゃない。

 

小町「お兄ちゃん、なんか不安なことでもあるの?」

 

八幡「んー、まあなー」

 

ソファでごろ寝していると、俺の顔色を心配した小町がソファの反対側に座った。

こらこら、足の上に座るんじゃありません。

あ、かまくらは俺の背中からどかなくていいぞ、やわっこいし軽いから。

 

八幡「小町よ、これは俺の友達の友達の話なんだが……」

 

小町「OK、お兄ちゃんの話なんだね」

 

八幡「さる事情でその人は同じ部活の人と顔を合わせづらくなった。これは謝ろうにも謝れない事情からで、取り敢えず『謝る』って選択肢は絶対に選べない」

 

だって絶対に言えないじゃん。

オナニーのオカズに使った罪悪感で会えませんでしたって。

女子相手にそれ言えたら勇者じゃん、魔王とだって友情芽生えるよ。

八幡「だが、明日には顔を出さないと行けなくなった。彼はどうすればいいと思う?」

 

小町「んー、話が曖昧だから答えになんないかもだけど、小町なら適当な理由作って行けないってことにするかなー」

 

八幡「どんな?」

 

小町「他の友達に……あー、先生に呼び出し食らっちゃったって言うかなー」

 

言い直さないで!

お兄ちゃんに配慮して言い直さないで!!

あとそれ一色に置き換えると今お兄ちゃんが使ってる手段だからムリだ。

せっかく考えてくれたのにごめんね!

 

小町「ま、いいや。今夜は牡蠣鍋でいい? 精が付くよ」

 

八幡「うん、頼む」

 

***

 

フ ル 勃 起 し た !

小町の愛情たっぷりの牡蠣鍋を食べると、色々と元気になった。

牡蠣鍋って凄い!

 

八幡「牡蠣鍋ってこんなにヤバかったのか」

 

グーグル先生に訊ねてみると、マムシの生き血並みに精力増強に効果があると判明した。

まったくもう、小町ったらなんてことしてくれたのかしら。

お兄ちゃん悶々としてまた知り合いの女の子で抜かなきゃならなくなったじゃないか。

俺はそんなつもりなかったんだけどなー、これは抜かないとダメだもんなー。

 

八幡「よし陽乃さんで抜くか」

 

でも大丈夫かなー?

あの人ってエロいことするときは基本的に攻めっぽいんだけど、俺も攻めたいなー。

主導権とか簡単に握られそうで怖い……あ、握られるのは息子の方か。

***

 

色々考えた結果、エロ漫画でよくやりそうなシチュエーションで妄想することにした。

お金持ちによくある、政略結婚させられそうなので思い出だけでも作りましょう的なアレである。

 

陽乃『お、お待たせ比企谷くん』

 

八幡『う、うす……』

 

千葉県内のとある高級ホテルで陽乃さんはシャワーを浴び、俺はベッドに正座しながら彼女を待っていた。

髪を乾かしながら戻ってきた陽乃さんが俺の隣に座り、くすりと笑う。

 

陽乃『そんな堅くならなくてもいいのに』

 

八幡『いや、その……』

 

陽乃『あ、でもここは硬くなってるね。湯上りのお姉さんに興奮しちゃったカンジ?』

いたずらっぽく俺の股間を撫でる。

その中途半端な快感に複雑な顔で返すと、彼女は力なく言った。

 

陽乃『そんな顔しないでよ。わたしだって今とっても複雑なんだから』

 

八幡『時代遅れっすよね。このご時世に親の決めた相手と結婚しなくちゃいけないなんて』

 

陽乃『あはは、そだね。……けど、わたしもそういうのを受け入れてたから親のメンツを潰さないよう色んなイベントでお偉いさんと会ってきたんだよね』

 

八幡『夏の花火大会みたいなのをですか?』

 

陽乃『うん。けど諦めきれなかったから、今こうして比企谷くんと思い出を作りたがってるんだと思う』

 

そう言って、陽乃さんは俺に覆い被さった。

まったくそんなことをする前兆がなかったため抵抗する暇もなくマウントを取られた。

俺の腹に跨った陽乃さんがこちらを見下ろし、頬を赤く染める。

 

陽乃『比企谷くん、忘れられない夜にしてね』

 

俺の頬を両手で包み込み、ねっとりと唇を合わせる。

触れた瞬間に、彼女の鼻先から「んっ……」と甘い声が漏れた。

陽乃『ん、ちゅぱっ……ひきがやくぅん、んんっ』

 

驚くくらい鼻息が荒かった。

なんだ、この人でもこういうときは余裕がなくなるのか。

そう思うと妙に彼女が人間らしく見えてホッとした反面、誰の婿にもやりたくなくなった。

 

陽乃『ん……お尻触るなんてやらしーい』

 

八幡『美味しそうだったんでね』

 

まろやかなお尻を撫でると、嬉しそうに彼女が笑った。

ちょっと冒険する気持ちでその中心部に指を伸ばすと愛液がからみついた。

 

陽乃『やんっ』

 

八幡『濡れてますね』

 

陽乃『えっちなことしてるんだから……当然だよ』

 

陽乃さんがバスローブを脱ぎ去り、俺にその裸体を見せ付けた。

大きな胸を下から仰ぎ見ると顔がちょっぴり隠れるなんて知らんかった。

陽乃『どうかな?』

 

八幡『綺麗ですよ』

 

陽乃『ふふっ、でしょ?』

 

この人の場合、謙遜すると嫌味になるせいか素直に自慢したことに好感が持てた。

事実、彼女のスタイルはほぼ完璧な雪ノ下に足りない胸さえも持ち合わせていたのだ。

俺の手を取って胸へと誘う陽乃さん。

 

陽乃『お姉さんのこと気持ちよくしてくれる?』

 

八幡『……も、もちろん』

 

AVで得た知識を披露するときが来た、って実際に思う人はどれくらいいるのだろうか?

少なくともこれが妄想でないなら俺はそう思って彼女の胸を愛撫しただろう。

 

下から持ち上げると、たゆんと揺れた。

それが面白くて手に載せたスライムを楽しむ子供の用にぷるぷる振動させると、デコピンされた。

見上げると陽乃さんが困った顔で息を弾ませていた。

陽乃『んっ……ちょお~っと乱暴かなぁ。比企谷くん、もっと優しくしてくれない?』

 

八幡『こうっすか?』

 

陽乃『あ、それ……きもちい……あっあっ』

 

陽乃さんの声に熱がこもった。

なるほどなるほど、こういう触り方の方がいいのかと得心する。

しばらくされるがままだった陽乃さんだったが、攻められてばかりでは納得いかないのか、俺の手を押しのけて股座に顔を埋めた。

ジーッとチャックを下ろし、陰茎をすぐさま引っ張り出す。

 

陽乃『はあ……はあ……今度は、こっちからね』

 

愚息を握る陽乃さんの手に力がこもる。

だがどのくらい強く握っていいのか知らないらしく、たどたどしい。

 

八幡『もうちょっと強く握っても大丈夫っすよ』

 

陽乃『あ、そーなんだ?』

 

陽乃『ってかこんなのホントに入るの……? 絶対痛いって』

八幡『陽乃さんはAV見たことない一一いだっ!!』

 

返答の代わりに、愚息を握り潰されかけた。

やめて、子孫を残せなくなっちゃう!

そっぽを向いてふくれっ面になった彼女の目は、「見たくても見れなかった」と言っていた。

 

陽乃『だって、友達が教えてくれたサイズと違うんだもん……』

 

八幡『それ、その友達の彼氏さんに教えちゃダメですからね? 男のプライドに関わるんで』

 

陽乃『りょーかいりょーかいっと。ねえ、これをしごけばいいんだよね?』

 

八幡『できます?』

 

陽乃『取り敢えずやるだけやってみるね。痛かったら我慢してくれる?』

 

八幡『それは難し一一んくっ』

 

答え終る間もなく、陽乃さんが俺の愚息にキスをした。

そのせいで一気に敏感になってしまった。

 

こうかな? と聞こえるか聞こえないかわからない小さな声で呟きながら俺のをしごく陽乃さん。

おっかなびっくりで、それでも割と適切に快感を与えてくれている。

なんだか今日は彼女の色んな顔を見せられている気がした。

八幡『上手ですね』

 

陽乃『ん、ほんと? 無理してない?』

 

八幡『お水のお仕事してたら1年で嬢王になれてそうなくらい光るモノがあります(キリッ』

 

陽乃『喜んでいいのかなぁ? エッチする身としちゃないよりマシなんだろうけど……』

 

八幡『少なくとも俺は大歓迎です』

 

陽乃『ふーん、そっか』

 

愚息に向き直った陽乃さんがほくそ笑む。

それから俺のを頬張り、ボールを拾ってきた犬のような目で見上げてきた。

 

陽乃『けほっ……どう? ひもひいい?』

 

八幡『最高です!』

 

むせた陽乃さんかわええ。

初めての性交渉の技術を褒められて気分が良くなったのか、勢いよく頭を上下させた。

陽乃『じゅぷっ……んぶっ……』

 

八幡『うお!?』

 

陽乃『ん、らひたくなったららひていーよ? じゅるっ……のんで、みたいし』

 

頭を上下させながら俺と視線を合わせ、初めてのフェラチオで歯さえ当てていない。

どんだけ器用なんだ、この人。

やがて込み上げてきた射精感を察したのか、陽乃さんが限界以上に俺のを奥深くまで頬張った。

俺もこれは引き剥がせないと諦め、彼女の頭を抱えてひと思いに吐精した。

びゅるびゅると音を立てて吐き出された精を口いっぱいに受け止める陽乃さん。

 

陽乃『ん、はあ……はあ……いっぱい出たね』

 

八幡『ちゃ、チャレンジャーっすね……はあ……はあ……』

 

陽乃『美味しくはない、かな? あ、比企谷くんも飲んでみる?』

 

八幡『……冗談』

 

口移しで精液を飲ませようとしたので、彼女の頭を押して離れる。

自分の排泄した物とか飲みたくもない。

陽乃さんは最初から返事がわかっていたのか大して追求せず、ベッドに寝転がった。

陽乃『……もう、言わなくてもわかるよね?』

 

八幡『ホントにいいんすか?』

 

陽乃『好きでもない人に処女やるなんて考えられないもん』

 

八幡『俺のことは?』

 

陽乃『お気に入り程度かな。比企谷くんは雪乃ちゃんを幸せにしてあげてね』

 

八幡『……うす』

 

エロ漫画よろしく、陽乃さんが、くぱあと秘裂を両手で割り開く。

足の付け根にあるそこは既に男を受け入れるに足る状態だった。

八幡『ゴムは?』

 

陽乃『しちゃ……やだ。どうせならキミの赤ちゃんが生まれて欲しいから』

 

八幡『訴えられたら慰謝料払える自信ないっす……』

 

陽乃『ふふっ、美人なお姉さんと子作りできることを喜んどくだけでいいのに』

 

八幡『んなこと言うとマジで妊娠させますよ?』

 

陽乃『おーおー、やってみなさい。お姉さんを孕ませたら性奴隷になってあげる』

 

性奴隷という言葉に、身体中の血液が股間に一気に集まった。

のどをごくりと鳴らし、秘所にあてがいながら訊ねる。

 

八幡『じゃ、じゃあ……俺が孕ませるまで結婚相手とこういうのしないってのはどうです?』

陽乃『エッチしないってこと?』

 

八幡『そうです』

 

我ながら馬鹿げたセリフだった。

夫婦が一一況してや新婚が一一性交渉をしないわけがないだろうに。

それでも聞くだけ聞いてみると、彼女は困ったように笑ってみせた。

 

陽乃『できるかわかんないけどやってみる。だから、相手に抱かれる前にお姉さんを奪ってみせてね』

 

八幡『……はい』

 

ナマの、剥き出しの肉棒を彼女の膣に埋めていく。

 

陽乃『んっ……くうっ』

 

いつも余裕綽々な陽乃さんの眉間にシワが寄る。

恐怖と苦痛に耐えかねて歯と歯の間から悲鳴を洩らした。

亀頭が埋まると、すぐにわずかな抵抗がある何かにぶつかった。

陽乃『ぅ……挿入ったの?』

 

八幡『いや、まだ5分の1くらい……』

 

陽乃『……こ、これでまだ2割?』

 

想像を絶する痛みに青ざめた陽乃さん。

そんな彼女と呼吸を合わせ、より深く押し入っていく。

半分ほど埋まった頃には額に玉の汗が浮かび、髪が肌に張り付いていた。

 

陽乃『ふーっ、ふーっ……』

 

八幡『頑張って下さい……あと少しですから』

 

陽乃『うー、もうどーにでもなれー!』

 

叫んだ直後、陽乃さんの脚が俺の背後で大きく動いた。

それは俺の腰を挟み込み、突然の衝撃によろけたせいで一気に彼女の膣を刺し貫いてしまったのだ。

 

八幡『な、なんつーことを……』

陽乃『ぐすっ……いだいぃ』

 

八幡『あぁもう、せっかくゆっくりやってたのに……』

 

ぽろぽろと涙が流れ落ちていく。

息も絶え絶えになりながら、陽乃さんは俺にこう言った。

 

陽乃『だって……うっ……じわじわと痛くされるのって怖いんだもん。それなら一気にされた方が良かったし……けひょっ』

 

八幡『ほら、変な負担かけたせいで咳までおかしくなってる』

 

陽乃『いいの……だってこれから子作りするんだもん。待ちきれないよ……』

 

八幡『ッ!!』

 

陽乃『一一って言ったお姉さんが言うのもアレだけどおなかの中でいきなり大きくならないで! 痛い痛い!』

 

荒っぽい方法で貫通させた膣内で俺のが最大まで膨らむ。

もうほんの少しでも動かせば子種を吐き出してしまいそうだった。

陽乃『も、もうちょっとだけ待って……腰とかおなかの中がすっごい痛い』

 

八幡『そりゃそうでしょ』

 

気を紛らせるべく鎖骨にキスすると、その真下の胸がぷるんと揺れた。

本当にデカいな。

いつまで一緒に暮らしてたかは知らないが、ある程度同じ環境で暮らせばこういうのの育ち方って似るんじゃないのか?

 

陽乃『んんっ……いきなりチューされたぁ』

 

八幡『慣れるまでこうしてた方が良さげだったんで。嫌でしたか?』

 

陽乃『恥ずかしい……けど、嬉しいからもっとして』

 

どこまでも年上のお姉さんというスタンスを崩したくないのか、彼女は俺の好きにさせてくれた。

 

どれだけ愛情いっぱいのキスを彼女にしただろうか。

やがてほんのわずかに腰を動かした陽乃さんが甘い声で鳴いた。

陽乃『……ぁぅ』

 

八幡『可愛いっすね』

 

陽乃『やっ、違うの! 今のはほら、キスの余韻っていうか……んにゃ!?』

 

1回だけ往復させると不意打ちに驚いた陽乃さんがまた甘い声を洩らした。

あぁ、これはもう大丈夫そうだ。

そう結論付け、断りも入れず腰を動かし始める。

 

陽乃『んっ……やっ……ひきが、や、くん……あっあっあっ!』

 

八幡『すいません、我慢出来ません』

 

陽乃『ひゃうっ……んんん……あああ~~~!!』

 

嬌声が恥ずかしいのか、陽乃さんは自分の手で口を押えた。

快感に耐えているのもそそるが、こういうときはもっと羞恥させた方が燃える。

なので耳元で卑猥なことを言うことにした。

八幡『陽乃さん、俺たち今子作りしてるんですよね』

 

陽乃『!? ~~~っ……』

 

八幡『ほら、陽乃さんの膣内を俺のが出入りしてます』

 

陽乃『ぅ……うぅー!』

 

八幡『そろそろ射精したいんですけど……ちゃんと孕んでくれますよね?』

 

陽乃『……っ、~~~~~ッ』

 

ほとんど涙目になりながら陽乃さんが頭を上下させた。

それは明らかに了解のサインだった。

 

だが、無言のままじゃ種付けするのがもったいなかった。

もっと羞恥で顔を真っ赤にしながら、性行為で乱れた陽乃さんに精子を呑ませたかった。

俺は彼女の両手首を掴み、口を塞げなくする。

八幡『言って下さい。俺にどうされたいのか……どこをどうされたいのか、ハッキリと』

 

陽乃『んっあっ……です』

 

八幡『もっと大きな声で』

 

陽乃『しき……を、……です』

 

八幡『まだ聞こえませんね』

 

陽乃『~~~!! わたしの子宮の中を比企谷くんの精子で満たして孕ませて欲しいです!!』

 

……勝った!

筆舌に尽くしがたい優越感に全身が粟立った。

その快感は股間へと集まり、遂に彼女の膣内で勢いよく爆発した。

 

びゅるびゅるびゅると解き放たれた熱いマグマが彼女の子宮に浴びせられる。

すると陽乃さんは快感に悶え、俺の背中に爪を立てた。

痛い痛い……いや、陽乃さんの破瓜に比べれば大したことないか。

陽乃『はあ……はあ……子作りってこんなに凄いんだね』

 

八幡『気持ちよかったですか?』

 

陽乃『ふへへ、妊娠しちゃいそう』

 

けど、といわゆるだいしゅきホールドの体勢を取る。

そのまま俺とより密着し、耳元で囁いた。

 

陽乃『こんなんじゃお姉さんを妊娠させられないよ? もっともっと精子を出さないと』

 

八幡『キツくないですか?』

 

陽乃『お姉さんを性奴隷にしたいんでしょ?』

 

一応処女喪失の直後なので気遣ったつもりだったが、流石は魔王というべきか。

陽乃さんは腰を密着させ、淫魔のように俺の情欲を誘った。

八幡『(……ゴクッ)』

 

陽乃『まだ結納まで時間はあるんだから、このまま本格的に子作りしちゃお?』

 

八幡『……っ』

 

ここから数日間かけ、俺と陽乃さんは高級ホテルに泊まり込んで延々と体液の交換を繰り返した。

 

***

 

すげぇ、7回も抜けた。

陽乃さんで自慰をするとテクノブレイクしかねないくらい抜けた。

 

八幡「…………」

 

あ、いや、これは俺が悪いんじゃない。

小町が牡蠣鍋なんてするからいけないんだ。

球磨川くんならわかってくれるよね?

 

いやしかし、陽乃さんはいいかもしれない。

雪ノ下や由比ヶ浜でムラムラしたときはあの人を脳内でイジメまくって抜こう。

八幡「……おぉ、何だかうまく言えんが二人への罪悪感が軽くなった気がする!」

 

そうか、俺は年上萌えだったのか。

陽乃さん然り、めぐり先輩然り、自分を引っ張ってくれる女性に惹かれるらしい。

そもそも専業主婦を希望するなら頼りがいのある女性でエロエロしておいた方がいいのかもしれない。

サンキュー、はるのん。

 

え? 平塚先生?

婚活失敗しまくってる時点で地雷だろう?

 

***

 

翌日、俺の心は晴れやかだった。

あーしちゃんの傲岸不遜な態度も見逃せた。

材木座のパクりだらけのラノベも楽しく読めた。

 

ただ一つ気がかりだったとすれば、三浦たちと喋る由比ヶ浜の顔が時おり複雑そうに見えたことだろうか?

もしかすると俺が奉仕部に来ない間に何か問題が起こったのかもしれない。

あぁ、だから部室に来いという旨のメールを送ったのか。

一色の面倒も見なきゃならんし、面倒なことにならなければいいのだが……。

 

***

 

妙な胸騒ぎを覚えながら奉仕部の前に立つ。

ガラス越しに雪ノ下と由比ヶ浜の姿を確認したあと、ドアを横に引いた。

 

八幡「……うっす」

 

結衣「あ、ヒッキー……」

 

椅子に座って固まっていた由比ヶ浜がぴくんと跳ねた。

なるほど、状況が良くないことだけわかった。

わかりやすくて助かる。

 

雪乃「こんにちは、比企谷くん」

 

八幡「おう。で、由比ヶ浜に部室に来るよう言われたんだけど何かあったか?」

 

雪ノ下がおもむろに口を開く。

だがその様はいつもの澄ました表情というよりは、面に出しづらい感情を隠す仮面のように見えた。

彼女の顔をノックすれば堅い音が鳴りそうだった。

雪乃「取り敢えず座ってくれるかしら?」

 

八幡「へいへい」

 

部室の入り口に最も近い自らの指定席に座った。

というかガハマさんや、俺が動く度に過敏に反応するのやめて貰えませんかね?

それ傷付くから、いやマジで。

 

雪乃「一色さんの件は、今どうなっているのか聞かせてくれる?」

 

八幡「いやお前らがわざわざ呼んだ理由から話せよ」

 

結衣「いーからっ! ヒッキー、いろはちゃんの依頼はどうなの!?」

 

八幡「お、怒るなよ。一色の方は城廻先輩の協力もあって企画段階から実行に移った。あとは雑務くらいしかねえよ」

 

結衣「うぅー……ゆきのん、これって……」

雪乃「えぇ、恐れていた事態になりつつあるわね」

 

由比ヶ浜が困り、雪ノ下が静かに怒る。

なあ、何が起こってるの?

 

結衣「あ、あのね、ヒッキー」

 

八幡「……なんだ?」

 

結衣「あたしたちね、ヒッキーがあたしたちを遠ざけた理由を考えたの」

 

八幡「っ」

 

由比ヶ浜の言葉に胃が反転するような錯覚を覚えた。

おい、まさか気付かれたとでもいうのか?

 

結衣「ひ、ヒッキーがそーゆーのに興味あるのは男の子だからしょうがないけど……うぅー」

 

雪乃「だから、その……比企谷くんがわたしたちを性的な目で見ていたということが我慢ならないのよ」

 

八幡「…………」

雪乃「…………」

 

結衣「…………」

 

あ、うん、終わった。

これはもう色々と終わっちゃった。

もう赤裸々に言うしかないっぽい。

 

結衣「ぅー……っ」

 

雪乃「比企谷くん? 何か言うことは?」

 

八幡「えっと……すいませんでした。男の子って日々溜まるものがあるのでしょうがないと言いますか雪ノ下に至っては慰謝料払わないといけないかもしれないレベルのこと考えました」

 

雪乃「……いっ、慰謝料!?」

 

雪乃(か、彼は命令する権利を用いてわたしに何をするつもりだというの!?)

 

八幡「い、いわゆる強姦を……はい」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、通報を。この男ヤバいわ」

 

雪ノ下の罵倒にキレてレイプする妄想しちゃいました。

もうマジすいません。

さて土下座でもするか、と思って床に正座すると、顔を赤くした由比ヶ浜にさらに追及された。

結衣「ヒッキー、あたしは?」

 

結衣(あたしにはどんな命令したいの?)

 

八幡「いやあの……イチャラブなエロスを……はい」

 

結衣「い、いちゃいちゃ……っ」

 

結衣(そそそ、そっか。ヒッキー、あたしとイチャイチャしたかったんだ? ぁぅ、ちょっと嬉しいかも……ううん、すっごい嬉しい!)

 

平に、平にご容赦を!

比企谷八幡は身近にいる女の子でオナニーする変態野郎だという噂を流さないで下さい!

それされると俺はともかく来年からここに通う小町が可哀想です!

 

滑るような動きで土下座すると、雪ノ下が俺に声を掛けた。

その声はやや平静さを欠いており、どこか上擦っていた。

 

雪乃「ひきゃ、比企谷くん……今回の件はわたしたちの胸に留めておくわ」

 

結衣「ゆきのん噛み方かわいい」

 

雪乃「由比ヶ浜さん?」

 

結衣「ご、ごめんごめん」

 

雪乃「ただ、アナタの行いを正確に把握しておきたいんだけれど……説明してくれるわよね?」

八幡「申せと!? つまびらかに申せと!?」

 

結衣「ヒッキー、あたしたちに関係あることなんだからちゃんと言おうよ」

 

八幡「いや、でもだな……」

 

雪乃「言いなさい」

 

八幡「はい」

 

それから俺は、雪ノ下を強姦する妄想と、由比ヶ浜とイチャラブなエッチをしたことを懇切丁寧に説明したのだった。

当然、雪ノ下は怒りを露わにし、由比ヶ浜は顔を真っ赤にして終始うつむいていた。

やがて全てを語り終える頃、二人が何やら思い詰めた顔をしていた。

 

結衣「ヒッキーはさ、そーゆーの実際にしてみたいの?」

 

八幡「……したいかしたくないかで言えばしたいです」

 

雪乃「わたしの方もまさか本当にしたかったのかしら?」

 

八幡「い、いや、そんな度胸はない……」

 

雪乃「そうしてくれると助かるわ」

 

数秒の沈黙のあと、二人が目配せする。

どうやら遂に判決が言い渡されるらしい。

そう思っていると、何故だか妙な質問をされてしまった。

結衣「えっと、色々言いたいんだけど、ヒッキーってお正月はヒマ?」

 

八幡「あぁ、今年は小町の受験があるから実家への帰省は見送りになったけど……それがどうかしたか?」

 

結衣「うん、それなんだけどね。ゆきのんと相談して決めたことがあるの」

 

顔を上げると、雪ノ下が顔を赤くしていた。

 

結衣「あ、あのね、ヒッキー」

 

八幡「……おう」

 

結衣「もしヒッキーがあたしたちにいやらしいことしたかったってわかったなら一一」

 

結衣「一一お正月に奉仕部の三人で色々と経験しようって決めたの」

 

八幡「   」

結衣「ひ、ヒッキー?」

 

雪乃「……何か言ったらどうかしら?」

 

八幡「いろいろ?」

 

結衣「うん」

 

八幡「えろえろ?」

 

雪乃「そうよ」

 

八幡「   」

 

雪ノ下と由比ヶ浜が、お正月の休みを利用して俺とエロエロ祭りを開催するだと!!??

いやちょっと待て、これは何かの罠か!?

ノコノコと誘いに応じた俺を遠くからみんなで観察して笑い者にするという算段か?

ヴァカめっ、そんなのは折本に告白してから何度もされた手段の一つだ、俺が警戒しないわけがないだろ。

このヴァカどもめ。

 

結衣「あ、ヒッキー信じてない?」

 

八幡「そんなことないぞ」

 

由比ヶ浜がぷくっと頬を膨らませる。

かっ、可愛く言ったって騙されんぞ!

結衣「とにかく! 年末イベント終わったらゆきのんの家に集合だからね!」

 

八幡「え? 年明けたらすぐ雪ノ下ん家に集まるのか?」

 

雪乃「えぇそうよ。言うなれば姫はじめね」

 

八幡「……冗談なら冗談って言えよ? 俺ピュアだから信じるぞ」

 

結衣「だから信じていいんだってば! なんなら今からちょっとえっちなことする?」

 

ブレザーを脱ぎ、ワイシャツのボタンを二つだけ外す由比ヶ浜

そのせいで大きなメロンを覆うピンクのブラがちらりと見えた。

おい、マジかよ……。

 

結衣「ほ、本番以外ならしてあげるから……」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、はやる気持ちはわかるけれど今は止しなさい。何の考えもなしに行為に及べば最後までされかねないのだから」

 

結衣「だってぇー……」

 

誘惑しようとする由比ヶ浜を雪ノ下が諌める。

マジでこの二人、俺とそういうことしたいの!?

 

雪乃「まあ、そういうことだから。比企谷くんも逃げずに来ること。いいわね?」

八幡「いいわねってお前ら……」

 

結衣「ヒッキーはあたしとしたくないの……?」

 

したいです!

その大きなおっぱいを揉んだり舐めたりしたいです!

 

雪乃「さっ、この話はこれで終わりにしましょう。比企谷くんは一色さんの手伝いに行きなさい」

 

結衣「いろはちゃんによろしくね」

 

二人に背中を押され、部室から追い出された。

彼女らがどこまで本気かはわからない。

ただ本気だとしたら、俺は……。

 

***

 

???「比企谷先輩が……結衣先輩たちと?」

 

二人に追い出されたので一色の手伝いに向かったものの、どういうワケか空気が重かった。

いつもは話し掛けなくても喋る一色が終始口を開かなかったのである。

いろは「…………」

 

八幡「なあ、これどうすれば一一」

 

いろは「ひゃい!?」

 

八幡「いや、やっぱいいや。なんかすまん」

 

いろは「い、いえ……」

 

もうやだよ、この空気。

雪ノ下といるときも話せない空気はあるけど、今ほど居づらくないもん。

あいつの場合は映画館で喋らないようにしましょう的な感じだもん。

話し掛けただけで飛び跳ねる一色とは違うんだもん!

 

めぐり「比企谷くん何かしたのー?」

八幡「いや、多分何も……」

 

各部のステージ発表の時間を表にして計算していると、マイナスイオンめぐりんが訊ねてきた。

何かしたかって、そんなん俺が知りてえよ。

こちとら雪ノ下と由比ヶ浜のあり得ない発言でいっぱいいっぱいなんだから。

 

めぐり「うーん、まあ予定より早くイベントの準備が進んでるからこのくらいの問題は何でもないんだけどねぇ~」

 

八幡「けど放っとくと支障が出そう、と? そうなりそうになったら俺がフォローしますけど」

 

めぐり「ふふっ、やっぱり比企谷くんは優しいなぁ。文化祭でも人一倍働いてくれたよね」

 

八幡「過去を語る男になるなって母ちゃんに言われてるんで」

 

めぐり「ふーん?」

 

自慢するようなことじゃあない。

もし当時の働きを自慢することになれば、俺だけが頑張った文化祭のようになる。

拡大解釈かもしれないが、つまりはそういうことだ。

 

めぐり「あ、そうだ! わたしはこれから忙しくなるから」

八幡「はい?」

 

めぐり「しばらく比企谷くんと雑談する暇もないくらい忙しくなるから」

 

八幡「は、はあ……」

 

めぐり「話し掛けられても無視しちゃうから」

 

八幡「……あ、そゆことっすか」

 

何度も念を押すように『比企谷くんの相談に乗れる状態じゃなくなる』と言われ、やっと得心した。

困ったことがあったとしても元生徒会長に頼らず現役の方に頼れるようにしておけ、と。

敢えて本当に伝えたいことを他人の自力で気付かせようとするところが陽乃さんに似ていた気がした。

もしかすると、怖いと感じさせない分、この人の方が手強い……?

 

めぐり「ついては比企谷くんにお願いがあるんだけど……」

 

八幡「何すか?」

 

めぐり「おしるこの材料を買ってきて貰えるかな?」

 

胸元一一意外と大きい一一で手を合わせ、しなを作る元生徒会長。

あぁんもう可愛いなあお小遣いあげちゃうぞう?

いや、買い出しだから俺が金を受け取る側なんで手を出すと、お手をされた。

めぐりんのお手々ちっこい柔らかい温かいドキドキする。

八幡「何でお手を?」

 

めぐり「ん?」

 

八幡「いや買い出しなんでお金をですね……」

 

めぐり「えー? でも比企谷くん着服しそうだなー」

 

ヒドい!

めぐりん超ヒドい!

ヒッキー自分でバイトして稼いでるからお金には困ってないのに!

 

めぐり「うーん、買い出しの荷物持ちに男の子が欲しいなー。でもお金は信頼できる人に預けたいなー」

 

八幡「(……めんどくせぇ)」

 

めぐり「そうだ! 生徒会長のいろはちゃんにお金を渡せばいいんだ! いろはちゃんちょっと来てー」

 

可愛くぴょんぴょん跳ねながら挙手した手で一色を手招きする。

あ^~、心がぴょんぴょんするんじゃあ^~。

ところでこの『^』ってタイプミスじゃなかったんだな。

めぐり「いろはちゃん、買い出しお願いね」

 

いろは「……は、はい」

 

めぐり「元気ないねー。荷物は比企谷くんに持たせていいからお金の管理だけしてくれるかな?」

 

いろは「え?」

 

めぐり「だってそんな状態じゃ危ないでしょ?」

 

いろは「だ、大丈夫ですっ! マネジ業でこーゆーのには慣れてますから!」

 

めぐり「ダメだよー。とにかく比企谷くんにはもうお願いしておいたから行ってきてね」

 

意識がはたとした顔で俺を見る。

だから何でそんな焦るんだよ。

 

観念した一色がメモとお金を手に生徒会室から出ていく。

ちらと城廻先輩を見ると、背中を追えと目で言われた。

 

***

 

誤解されない程度の距離を開けて一色の背中を追う。

最近は隣を歩く機会が多かったから気付かなかったが、一色の後ろ姿ってそこはかとなくエロい。

っと、いかんいかん、関わる機会の多い人間で抜くのはタブーだ。

 

いろは「……視線がやらしーので前を歩いて下さい」

 

八幡「は? やらしくねーし」

 

いろは「そんな水揚げされてしばらくにゃんこのおもちゃにされたっぽい魚みたいな目で何を言ってるんですか」

 

八幡「比喩が長げぇし無理にオリジナリティ出そうとすんな。失敗してるから」

 

いろは「とゆか、さっきからわたしのお尻とか見てません?」

 

八幡「み、見てねーし」

 

ホントは見たけど……。

 

だって最近妙に性欲あり余ってんだもん。

身内で抜くくらい青い衝動でいっぱいなんだからしょうがないじゃないか。

八幡「なぁ、何か怒らせるようなことしたか?」

 

いろは「怒ってません」

 

八幡「怒ってるだろ。ぷんぷん丸だろ」

 

いろは「……今のはキモいだけだったんでやめて貰えます?」

 

八幡「ごめんなさい、流行に乗ってみたかっただけなんです」

 

いろは「もうあんま流行ってませんよ? 先輩って遅れてますね」

 

八幡「これでもネットで流行の話題に逐一文句を書き込んでるんだがな」

 

いろは「陰湿ですね……」

 

そんなこと言うとどっかの議員みたいに泣き喚くぞコラ。

装甲を脱ぎ去ったエヴァ並みにウォォォォォォンって鳴くぞ。

 

いろは「取り敢えず隣に来てください……じろじろ見られるのは気分悪いです」

 

嘆息したのち、一色の隣まで小走りで駆け寄った。

駆け寄るとタックルされた。

あっるぇぇぇ?

八幡「何だよ」

 

いろは「責任の話はどこ行ったんですか……」

 

八幡「責任? ……あぁ、葉山んときのか」

 

色々とフォローして、焚きつけて、実際に告白させて、その挙げ句に一色は玉砕した。

その際に責任を取れと言われた。

正直、こうして生徒会長の仕事を手伝うことで責任を果たしてるつもりだったんだがな……。

 

いろは「なのに何なんですか……もう」

 

八幡「ったく、ならどうすりゃいいんだよ……」

 

いろは「責任なんて意味はひとつしかないじゃないですか」

 

八幡「……いきなりだな」

 

いろは「いきなりじゃないです。さっきの会話、聞いてましたから」

 

あー、なるほどね。

どうやら一色は一向に生徒会室に来ない俺を捜しに奉仕部まで来ていたらしい。

で、俺があの二人で卑猥な妄想をしたというカミングアウトやら正月の計画を聞いてしまったと。

……アカン! アカンアカンアカーン!!

八幡「……聞いてたのか」

 

いろは「かなり引きました……てゆか、結衣先輩の方を聞いて腹立ちました」

 

八幡「イチャラブ?」

 

いろは「イチャラブです。先輩、あの様子じゃ他の人でもやらしー妄想してますよね」

 

八幡「え? 何だって?」

 

いろは「他に誰で妄想したんですか?」

 

あ、無視された。

小鷹くんの十八番が効かないなんて!

というかこの場合の難聴スキルって一色の方が上手(うわて)だった!

 

八幡「お、教えない」

 

いろは「めぐり先輩は被害者の一人ですよね。手伝いの初日に泣いた理由も今ならわかります」

 

淡々と触れられたくない部分に触れる一色。

あ、イカン、城廻先輩で抜いたって確信持たれたらマズい。

な、何か上手い誤魔化し方はないか!?

いろは「…………。いやらしい!」

 

八幡「待って、お待ちになって! 違う、誤解だ!」

 

いろは「どこが誤解ですか。すぐ答えられなかったってことは図星だったんでしょう?」

 

『ごかいだ』はこの場合、抜いた回数に相当する。

って言えねぇぇぇ……。

一色は重い重い溜め息を吐き、髪をかき上げた。

 

いろは「めぐり先輩に言われたくなかったら、他に誰が被害者なのか教えて下さい」

 

八幡「お、お前と面識ないぞ?」

 

いろは「ちょっと待って下さい、今から先輩のことを呟きますんで」

 

八幡「雪ノ下のお姉さんでオナニーしました! 過去最高記録で抜きました! そして今夜もオカズにする予定です!」

 

いろは「……うわっ」

 

いろは「聞き出しといてアレですけど……脅迫されるネタがどんどん増えますね」

八幡「お願いします誰にも言わないで下さい来年には妹がこの高校に通うんです勘弁して下さい」

 

拝み倒すと、一色も哀れに思ったのか追及の手が少しだけ弛んだ。

よし、これからも困ったときは小町を引き合いに出そう。

 

いろは「……それで、わたしは」

 

八幡「ん?」

 

いろは「わたしでは……しなかったんですか?」

 

八幡「してないけど?」

 

いろは「~~~!! どうしてですか! わたしって結構可愛いですよね!?」

 

八幡「いやだってしばらく関わることになったじゃん。そんな相手で妄想したら気まずいだろ」

 

いろは「そんなの知りません! 興奮するのが礼儀だと言ってるんです!」

 

八幡「ンなことしたらキモいって言われるだろ!」

 

いろは「じゃあ興奮はするんですね!?」

 

八幡「しない……なんてことは、ない」

 

いや、だって一色って由比ヶ浜の次にビッチっぽいじゃん。

誰かの腰の上で跳ねてるところとか簡単に想像できるよ。

もし本当にビッチなら制服中途半端に脱いだ状態でセックスしてそうだよ。

って、想像したら勃ってきた。

いろは「ふ、ふーん? そーですかそーなんですか」

 

八幡「もうお婿に行けない……」

 

いろは「お嫁さん貰えばいいじゃないですか」

 

八幡「意味一緒じゃね?」

 

いろは「だってそれプロポーズされる側じゃないですか。女の子としてはちゃんと男の人からして欲しいですし」

 

八幡「俺は養われたいんだっつーの」

 

何故か元気を取り戻した一色が俺の前を軽快なステップで進んでいく。

スカートの中身見えそう。

 

いろは「先輩、わたしも結衣先輩たちの集まりに参加していいですよね」

 

八幡「いや、それは……って、は!?」

 

いろは「めぐり先輩にバラされたくなかったら参加させて下さいね」

 

***

 

予定がどえらいことになった。

もうこれ上条さん並みのハードスケジュールじゃね?

いや、あっちは一日単位で決められてるから俺の比じゃないか。

 

八幡「小町えもんに言えば何とかしてくれるか?」

 

少し考えたあと、お兄ちゃんとして断念する。

受験生の負担増やして来年から小町と同じ高校に通えなくなったら本末転倒だ。

シスコンの名折れじゃあないか!

 

小町「お兄ちゃん、どうかした?」

 

八幡「ん? あぁ、今年のお正月はお兄ちゃん家に居ないから」

 

小町「家出でもするの?」

 

八幡「いや友達の家にお泊りするんだ」

 

小町「あー、中二さんのトコ?」

 

八幡「あー、そんなとこかな」

 

兄妹そろって似たような感嘆詞を呟く。

材木座の家とか臭そう……。

 

小町「ってことは違うのかー。じゃあ戸塚さん? 戸塚さんかぁ。お兄ちゃん、間違い起こさないでね?」

八幡「……自信ない。ってかナチュラルに見破らないで」

 

小町「だってお兄ちゃんの妹だもん。ねー、かーくん」

 

かまくらに確認を取るな。

心なしか残念そうに嘆息してから、小町は俺の腕にかまくらを押し込んだ。

押し付けられたかまくらが不服そうに鼻を鳴らす。

 

小町「何泊くらいする予定なの?」

 

八幡「わからん」

 

小町「そ? んじゃいつでもいいから合格祈願のお菓子と甘いのとお守りお願いね」

 

八幡「お菓子と甘いのを分けたのは何で?」

 

小町「菓子パンはお菓子とは別でしょ?」

 

なるほど、流石は小町だ。

俺には思い至らなかったぜ!

 

小町「年越しは学校でするの?」

八幡「ま、手伝った者としての義務みたいなモンだしな。何か起こったときのために人員は必要だから」

 

まぁそれもほとんどはゴミ拾いや清掃で終わるのだろう。

W杯みたいにみんなで掃除してくれたら行かなくて済むのになー。

そしたら有耶無耶にできるのに。

 

***

 

そして、12月31日20時。

そのときはやって来た。

 

結衣「ヒッキー、やっはろー」

 

雪乃「こんばんは、比企谷くん」

 

八幡「……お、おう」

 

意外にも早くから雪ノ下と由比ヶ浜が年末イベントに顔を出しに来た。

あれか、逃がさないための見張りか。

 

八幡「お前ら、晩飯は?」

結衣「サイゼでゆきのんと食べてきたよ」

 

雪乃「年の締め括りにファミレスなんて新鮮だったわ」

 

八幡「だろうな」

 

警備員よろしく隅っこで待機していた俺の両隣を陣取る二人。

これで俺の頭身が低かったらUMAの写真みたいじゃないか。

ウマじゃないよ、ユーマだよ。

その辺間違ったらましろたんが怒っちゃうからね!

ネッシーの呪いとかかけちゃうんだからね!

 

雪乃「このあとのことは忘れてないでしょうね?」

 

結衣「あ、あたしら本気だからね!?」

 

八幡「うっ……」

 

壊れかけのステレオみたいに意味だけ同じ言葉が聞こえてくる。

もうやだよ、洗脳されちゃうよ。

紅緒さまもこうやって全校生徒を洗脳したの?

結衣「ゴム買うのとか……恥ずかしかったんだから」

 

八幡「   」

 

いいよもう、言うなよ!

それ以上言ったらおっぱい揉んじゃうぞ!

と、俺が返答に困っているとステージで挨拶をしていた一色に思いっ切り睨まれた。

 

八幡「あー、えっと……」

 

結衣「なに?」

 

雪乃「比企谷くん、言いたいことがあるならハッキリと言いなさい」

 

八幡「と、飛び入り参加する予定の人が出来たら……どうなるんだ?」

 

結衣「……ヒッキー?」

 

八幡「ごめんなさい、一色に聞かれてました。参加させないと今後の俺の高校生活を壊すそうです……」

 

早口で言いたいことだけ言う。

まぁもちろん予想外のことに二人は呆気に取られたようでしばらく口をあんぐりさせていた。

やがて普段から冷静な雪ノ下が先に機能回復を見せ、

雪乃「……ゴムの心配はないとして、やはり参加させた方が安全かしら」

 

結衣「ゆきのんまで何言ってるの!?」

 

雪乃「そうは言っても、このまま一色さんに隠れて行為に及べばどんな意趣返しをされるかわからないわよ?」

 

結衣「うぅ~……でもぉ」

 

雪乃「それにほら、比企谷くんは絶倫らしいからわたしたち全員の相手をするくらい訳ないハズ」

 

結衣「だ、だよね……5回も出来るんだからちゃんとしてくれるよねっ!」

 

えぇ~、納得するとこそこぉ?

もっと色々と考えるべきことあるんじゃねえの?

何で一色が俺とSEXしたがってるのかとか考えようぜ?

 

雪乃「比企谷くん、そういうことだからここはひとつお願いね」

 

八幡「何をー?」

 

雪乃「3人とも相手して貰うことになったわ。もちろん拒否権もないけれど」

 

八幡「いや無理一一」

ドンドドン!! と、鼓膜を破らんばかりの大音量が響き渡り、言葉がかき消された。

どうやら太鼓部の演奏が始まったらしい。

それでも負けじと抗議したが、ついぞ彼女らの耳には届かなかった。

もうやだ、この腹に響いてくる音とか超怖い。

けど見てる分には面白いしカッコいいから困る。

あの酒樽みたいな太鼓とか1度でいいから叩いてみたい。

 

八幡「…………」

 

雪乃「……ふふっ」

 

結衣「……えへへ」

 

圧巻の演奏に身を委ねていると、二人に両手を握られた。

声は届かないのに心だけ届くなんて卑怯だろ……。

 

***

 

23時過ぎを回っても尚、ステージでは様々な催し物が続いていた。

クイズ大会やら漫才やら、とにかく賑わう演目が続いた。

 

俺たち奉仕部は相変わらず隅っこに固まり、おしるこを啜っていた。

練乳かけたいけど周りの目が気になる。

結局一色については参加するという方向で決まった。

結衣「もうすぐ新年だね」

 

雪乃「えぇ、そうね」

 

八幡「…………」

 

結衣「ってゆか、こうして奉仕部で一緒にいるのって最高記録じゃない? いつも放課後の2時間くらいだし!」

 

雪乃「以前の林間学校のお手伝いは含まれないのかしら?」

 

結衣「やー、あれは子供たちのお手伝いで大変だったし」

 

雪乃「そうね、色々と疲れるイベントだったわ。……もっとも、疲れたのはそのあとの方だけれど」

 

結衣「あ、あははー……けどほら! 何だか将来の予行演習っぽくなかった?」

 

雪乃「なるほど。予行演習、ね」

 

結衣「あたしらもママになったらあんな風に子供のお世話するんだなーって思ったら、何か楽しくて」

 

結衣「そのためには、ね?」

八幡「……こ、こっち見んな」

 

由比ヶ浜が楽しそうに肩を寄せる……が、それが触れ合う直前にもっと別の存在が割り込んできた。

この柔らかい物体、さてはおっぱいか!?

 

陽乃「ひゃっはろー。なになに? こんなとこでイチャつくとか若いなー」

 

雪乃「姉さん……?」

 

結衣「むぅー」

 

八幡「ど、ども……」

 

我らが宿敵こと陽乃さんが降臨なさった。

あれ? セーブポイントも命の泉もなかったよね?

何でいきなりラスボスとの戦闘に入るの? クソゲーかよ。

あ、人生なんてクソゲーだったな。

 

雪乃「どうしてここに?」

 

陽乃「それはほら、可愛い雪乃ちゃんにお年玉を上げに来たのと、この年末イベントに参加しててお父さんと仲良くしてる人に挨拶しに来たんだよ」

 

その一言だけで妙に納得した。

雪ノ下家というのは総武高校の関係者ともコネクションがあるらしい。

ぼっちの雪ノ下からは想像出来ない交友関係の広さに、思わず舌を巻いた。

雪乃「ならわたしたちには関係ないわね。さようなら」

 

陽乃「やーん雪乃ちゃんつれないー! 年越してからじゃないとお年玉あげられないでしょ?」

 

雪乃「いらないわ」

 

陽乃「じゃ、比企谷くんにあげちゃおっかなー。これでも結構お気に入りだし」

 

八幡「いや人から恵んで貰うとかそういうのは……」

 

陽乃「(わたしの家の鍵も入ってるから夜這いしていいよ?)」

 

八幡「はあ!?」

 

こっそりと、けれどとんでもない爆弾発言をされてしまった。

ちょっ、ますます受け取れねえよ!

というか渡されても家の場所知らないんですけど!

 

陽乃「(本当は雪乃ちゃんと人目に付かない場所で話すために用意したんだけどねー。いらないんなら比企谷くんにあげちゃおう!)」

 

陽乃「んで? んで? 子供がどうとか言っておりましたなー。雪乃ちゃんともうそういう関係なの?」

いじるネタを見付けて嬉々としながら雪ノ下に迫る陽乃さん。

そんな彼女に珍しく物怖じせず、彼女は平然と言ってのけた。

というか若干勝ち誇ってた。

 

雪乃「ま、近いうちにそうなるわね」

 

陽乃「……あ、あれ?」

 

雪乃「これから姫はじめをするのよ」

 

陽乃「あれ、あれぇ? 雪乃ちゃんそんなキャラだった? 身持ち堅かったと思うんだけど」

 

雪乃「わたしもそう思っていたわ。けれどそこの性欲の塊が自制できなくなりつつあるようだから相手をするの」

 

陽乃「あ、えと……うぅ? 雪乃ちゃんが焦らない? 比企谷くんとえっちする? あれ、じゃあお姉ちゃんはどうなるの?」

 

雪乃「どうにもならないわよ。いつも通りでいればいいの」

 

朱くなった頬を両手で包みながら、雪ノ下に初めて言い負かされた陽乃さんが困り果てる。

それから俺一一主に股間一一を凝視し、ぽつぽつと呟いた。

 

陽乃「雪乃ちゃん、これを受け入れるんだ……? わっ、わー、どうしよ、顔が熱くなってきた!」

 

これとか言わないで、恥ずかしい。

男の子にとってはこれが最大限のステータスなんだから。

小さくても大きくてもOKな女の子と違って大きくないといけない武器なんだからな。

いろは『はーい、皆さん年越しですよー! じゅう、きゅう、はち』

 

そうこうしてる間に年を越そうとしていた。

相変わらず陽乃さんは顔を赤くしたままで、カウントダウンに気付いていない。

やがてカウントがゼロになった瞬間、驚きと機能回復が重なってぴょこんと飛び跳ねた。

 

いろは『ぜろ! ハッピーニューイヤー!』

 

陽乃「うひゃあ!?」

 

雪乃「年越しの瞬間、地上にいなかったわね」

 

八幡「あ、雪ノ下でもそういうの知ってるんだな」

 

結衣(……やろうと思ったけど陽乃さんに持ってかれちゃった)

 

陽乃「うぅー、何か納得いかない……比企谷くん、ホントに雪乃ちゃんとエッチするの?」

 

雪乃「姉さん、しつこいわ。もうゴムの用意も万全なのよ?」

 

雪乃「ゴムだけではないわ。部屋の方も色々とヤりやすいようにしておいたの」

陽乃「や、る……? お、お姉ちゃんそんなはしたないコになるよう『仕向け』たことないよ!?」

 

ヤるとか言うな。

仕向けるとか言うな。

どうしてこう、雪ノ下家には普通らしさが欠けているんだろうか。

 

結衣「ゆきのん、ヒッキー、あけおめー」

 

八幡「おう、おめでとさん」

 

陽乃「……えっとえっと、じゃあボラギノールでもいる?」

 

雪乃「そんなの最初に準備したわ。とにかく、これから比企谷くんはわたしたちとしっぽりするから。姉さんも良いお年を」

 

まだ顔が赤い陽乃さんをそのままに、雪ノ下は俺と由比ヶ浜の手を取って校門へと歩き出した。

それを目ざとく発見した一色もすぐさま合流する。

俺、これからこの三人とセックスするんだよな。

 

陽乃「……雪乃ちゃんが、雪乃ちゃんがはしたないコに!?」

 

***

 

パンポーンと、エレベーターが目的の階に着いたことを知らせ、ドアが開いた。

年が明けたとはいえ深夜なせいか、雪ノ下の住まうマンションの人とすれ違うことはなかった。

こんな時間に男を連れ込んでるところを見られるのは彼女のためにならないので助かる。

 

いろは「はー、凄いイイトコに住んでますね」

 

結衣「だよねー」

 

雪乃「さ、上がってちょうだい」

 

結衣「お邪魔しまーす」

 

いろは「お、お邪魔します……」

 

相変わらずモデルハウスのような生活感のないリビングに通される。

由比ヶ浜はほとんど躊躇うことなくソファに腰掛けたが、一色は座っていいものかと俺に目で訊ねていた。

家主じゃないんで俺に返答を求められても困る。

 

八幡「いきなり本番じゃないんだな」

 

いろは「そ、そんなにわたしとエッチしたいんですか? やらしいですね」

 

雪乃「思ったより長丁場になりそうだから、先に比企谷くんにはこれを飲んで貰うわ」

 

八幡「あん? ……うっ! なんだこの臭い」

 

テーブルに茶色いやら黒いやら、よくわからない色相の液体が入ったコップが置かれた。

雪ノ下って料理上手だったハズなんだが、下手になったのか?

 

八幡「中身、訊いていいか?」

雪乃「滋養強壮に効く食品と漢方を少々。漢方って混ぜても副作用が出にくいことで有名だから安心しなさい」

 

八幡「薬事法とかどうすんだよ」

 

結衣「あ、その辺は薬局でしょほーして貰ったから大丈夫だよ! 味以外」

 

由比ヶ浜、フォローのあとに更なる問題を提示するのは良くないぞ。

お前はプレゼントかしないようにしなさい、絶対に。

 

いろは「味以外って、誰か飲んだんですか?」

 

結衣「うん、ちょっとだけね。ヒッキーにだけ飲ませたくなかったから」

 

雪乃「比企谷くん、由比ヶ浜さんの犠牲を無駄にしてはダメよ。彼女のためにも飲みなさい」

 

八幡「お前は? お前は飲んでねーの?」

 

雪乃「わたしと一色さんはシャワーを浴びてくるから、比企谷くんはまず由比ヶ浜さんをオンナにしてあげてちょうだい」

 

いろは「えっ、結衣先輩からなんですか? いや割り込んだんで順番決められても文句言いませんけど……」

 

雪ノ下が一色を引っ張りながら風呂場に消えていく。

おい、逃げるな。

 

結衣「ちょ、ちょっと美味しくないけど……みんなのためだと思って、ね?」

 

八幡「くっ……」

 

味の方は言わずもがなってところだった、現代っ子にあの苦さはない。

しかし効き目の方は折り紙つきだったようで息子は既に性交渉する気満々になっていたのだった。

なんだよ、回想やるだけで急に覚醒する麻雀漫画かよ。

結衣「わっ……わっ……」

 

八幡「あ、あんま見んな」

 

結衣「だって、これが今からあたしの中に入るんだもん」

 

飲み干した俺の手を引き、寝室のベッドにいざなう由比ヶ浜

まさかアホの子由比ヶ浜とこんな関係になろうとは。

 

結衣「ぬ、脱がす? それとも、脱ごっか?」

 

八幡「脱がすとき変なトコ触っても怒らんなら……」

 

結衣「ぁ……うん、怒んない。だから……ヒッキーが脱がせていいよ」

 

八幡「……お、おう」

 

思わず生唾を飲み込んだ。

それから深呼吸し、由比ヶ浜の衣服に手を掛けた。

 

結衣「……恥ずかしい」

 

脱がす間、当然俺の手は由比ヶ浜の色んなトコに触れてしまった。

特に上着を脱がすときには大きすぎる胸を軽く押さえないと頭が通らないらしい。

は、初めて知ったぞ、そんな巨乳事情。

やがて下着姿となった由比ヶ浜が、顔を真っ赤にしながら俺の胸に顔を埋めた。

結衣「あう~……み、見ないでヒッキー」

 

八幡「い、いやこれは見るっつの!」

 

結衣「わかってるけど……わかってるけどぉ」

 

そりゃそうだろ、と思いつつ、それでも男の前で裸になる勇気を考えるとこれが普通なのか。

しばらく羞恥に悶えた由比ヶ浜だったが、観念したように顔を上げ、

 

結衣「キスしながら……脱がせて?」

 

八幡「いいのか?」

 

結衣「……うん! キスしながらなら、大丈夫だと思うから」

 

由比ヶ浜の小さな口がゆっくりと接近する。

近付くにつれてキレイに並んだ白い歯が見え、遂にそれが俺の唇に噛み付いた。

痛……くはなかった。

むしろむずがゆい感覚の中に粘膜接触の不思議な高揚感が込み上げてきた。

 

結衣「ん……ふっ……ヒッキー、らいふき」

 

花のような香りとともに口内を満たす食べ物ではない何か。

けれどもそれは胃袋を伝って腰の辺りに妙な活力を注ぎ込んできたように思える。

結衣「んん……ぢゅる……ちゅぱっ」

 

いつの間にか背中に腕を回され、離れられなくなっていた。

見た目ビッチで中身処女だった由比ヶ浜は、やはりビッチの素質があったらしい。

俺も負けじと由比ヶ浜を責め立てる。

 

結衣「んう!? ……ん、ヒッキー……の、おいひい」

 

八幡「ぢゅる……お前のだって」

 

結衣「んっんっ……ぷはぁ……はあ……はあ……」

 

ようやく解放してくれた頃、既に由比ヶ浜のブラのヒモはほとんどずり落ちていた。

直す素振りも見せなかったので、そのまま脱がす。

そして由比ヶ浜の大きな胸とその頂きに咲く赤い花が顔を出した。

 

八幡「触るぞ?」

 

結衣「や、やさしくね? ……んん!」

 

八幡「悪い、痛かったか?」

 

結衣「んーん、ちょっとびっくりしただけ」

 

流石に鷲掴みは良くなかったらしい。

今度は表面をなぞるように撫でる。

結衣「んっ、あは……これいいかも」

 

甘い吐息が俺の鼻にかかった。

どうやら最初はこのくらいがいいようだ。

そのまましばらく、俺は由比ヶ浜の大きな胸を撫で続けた。

 

結衣「んっ、あう……~~~~~ッ」

 

八幡「巨乳が感度が低いってのはガセだったのか」

 

結衣「し、知らな……んあああ! ふっ……んくっ」

 

徐々に刺激的に愛撫すると、順応したのか由比ヶ浜の感度もそれだけ高まっていった。

たゆんたゆんと波打つおっぱいが、母なる海を想起させる。

そうか、おっぱいが命の母というのはこういう意味もあるのか。

 

結衣「あんっ……やだぁ、ヒッキーのいぢわる……あっあっ……あああ~~~!!」

 

突然、由比ヶ浜が絶頂を迎えた。

ひくひくと全身を痙攣させた彼女が、とさっとベッドに倒れ込む。

 

結衣「うぅー……イッちゃった」

 

短い髪をベッドに散らした由比ヶ浜が懇願するような目で俺を見上げる。

由比ヶ浜が静かに足を開き、最も大事な場所を俺に委ねた。

ベッドの横に無造作に置かれていたゴムをAVの知識を総動員させて装着し、彼女の秘裂にあてがう。

結衣「ヒッキー、挿れて?」

 

八幡「あぁ、行くぞ」

 

結衣「はう……うぅ……」

 

由比ヶ浜の膣に侵入していく。

が、膣が狭いのと彼女の緊張が相まって上手く進んでいかない。

ダメだ、これ以上過激なことをすれば由比ヶ浜への負担が大きい。

 

八幡「ち、力抜け……」

 

結衣「むりむりむり! うぅ~……」

 

仕方がないので他の性感帯を愛撫しながら緊張をほぐし、やっと半分まで埋まった。

すると、破瓜の恐怖に涙ぐんでいた由比ヶ浜が、急に全身の力を抜いた。

それからスーハーと深呼吸し、

 

結衣「一気に来て、ヒッキー」

 

八幡「痛いぞ?」

 

結衣「ヒッキーとえっち出来るんなら我慢するっ」

 

結衣「ヒッキー、お願い」

彼女の力強い目に、俺も腹を括った。

出来る限りの優しさを込めながら、由比ヶ浜の処女膜という薄い肉を突き破った。

ぷつんぷつんという妙な感触がゴムの向こうから響いてくる。

あぁ、今夜はこの痛々しい感触をあと最低2回味わうのか。

 

結衣「っ、っっっ……~~~~~ッ!!」

 

背中に爪が食い込む。

その痛みで思わず動きそうになったが、由比ヶ浜を尊重して石像のように姿勢を維持した。

由比ヶ浜が泣きながら鼻声で笑ってみせた。

 

結衣「えへへ……やっとひとつになれたね」

 

八幡「……っ!!」

 

結衣「はあ……はあ……今年はすっごく良いスタートだね」

 

八幡「お前、こういうことしながらンなこと言ったら我慢出来なくなるだろ」

 

痛みに苦しみながら笑う由比ヶ浜が優しい言葉を紡ぐたびに、俺の怒張が彼女に子を産ませようと盛り上がる。

もちろんゴムをしているから避妊としては及第点だが、これ以上刺激されるとゴムを突き破って由比ヶ浜の子宮に精を浴びせかねない。

 

結衣「あ、待って……まだ痛いかも」

八幡「わかってるよ」

 

笑顔を絶やさない由比ヶ浜の笑顔が引きつってるのを見て『何でもない』と思えるワケがない。

俺は由比ヶ浜に覆い被さりながら、何とか初めて味わう膣の感触に暴走しないよう堪えた。

よくよく考えると、この体勢ってゴムさえなければ子作りのためだけの体勢なんだよな。

そう思うとまた自身の分身が射精しそうになった。

 

結衣「あ、あのねヒッキー……」

 

八幡「なんだ?」

 

結衣「動かないでくれるのは助かるんだけど……うぅ……中で……」

 

八幡「?」

 

結衣「な、中で膨らんでくの……どうにかなんない? ちょっと……怖いってゆーか」

 

八幡「わかる、か?」

 

結衣「い、痛いワケじゃないんだよ!? ただ、うぅ~……妊娠させられそうでやらしーし」

 

あの、ガハマさんや?

そういうこと言うとどんどん大きくなっていきますよ?

 

居心地悪そうに由比ヶ浜が子宮の辺り一一つまり俺のが突き刺さっている辺りをちらちらと見た。

本当に由比ヶ浜の膣に埋まっているんだと意識したせいか、彼女の顔がこれまでにないくらい赤くなった。

それから深呼吸して俺の首に腕を回すと、

結衣「動いていいよ、ヒッキー」

 

八幡「ゆっくりいくから痛いときは言えよ」

 

結衣「う、うん……んひ!?」

 

ゆっくりと肉竿を引き抜く。

膜を破られたばかりの膣はその刺激だけで悲鳴を上げ、不規則に蠕動(ぜんどう)した。

が、それさえも男にとっては快感でしかない。

俺は由比ヶ浜が無意識に与えてくる快感に耐えつつ、腰のストロークを繰り返した。

 

結衣「ん”っ……う”うぅ……」

 

5回ほど往復しても由比ヶ浜に変化は見られない。

 

結衣「はあ”……んくうっ……」

 

10回。

 

結衣「い”あ”……んんん……ひっきー」

 

20回。

 

八幡「…………」

依然として由比ヶ浜はツラそうなままだった。

いっそ攻め方を変えようかと思った30往復目の直後一一。

 

結衣「あっ……なんか、じんじんしてきたかも」

 

八幡「本当か? 無理しなくていいんだぞ?」

 

結衣「う、うそじゃないし! ヒッキーのが奥に来たとき、その……おなかがキュウってなったの」

 

八幡「う、わ……なんかエロいな」

 

結衣「えへへ、こーゆーときのそれって褒め言葉なんだよね? 雑誌で読んだ」

 

雑誌と聞いて、偏差値の低そうなファッション雑誌を思い浮かべる。

うん、あの手のは割といやらしい特集組まれてるんだよね。

普段からそんなの読んでるアピールしてるとかガハマさんエロいなあ。

 

結衣「ヒッキー、もっかい奥、突いて?」

 

八幡「お、おう」

 

結衣「んやっ……ふふっ、やった、きもちいい」

 

短いストロークで突くと、甘い声で鳴いた。

そして全体の一部分だけでも安全圏が出来たことに、由比ヶ浜が破顔する。

みずから腰を上げて俺のが奥に来るようにして、はふう、と息を吐いた。

結衣「ん……ここに、して?」

 

八幡「お前、今どんなお願いしてるかわかってるか?」

 

結衣「……い、いちおー。けど他のトコは痛いからここだけ突いてくれると嬉しいかも」

 

OK,要約しよう。

ガハマさんは子宮口の辺りが気持ちいいと。

それってつまり、男側からすれば孕ませるときの動きになるのでは!?

やだ、マジでこの娘エロい!

 

結衣「ヒッキー、動いて?」

 

八幡「あ、あぁ」

 

結衣「ん……ひっきーの、来た」

 

こつんと奥を攻め立てる。

快感を覚えた彼女はそれをひたすら受け止め、砂糖より甘い嬌声を上げた。

 

結衣「んっんっんっ……あはっ、きもちいい」

 

由比ヶ浜の膣が、きゅっきゅっと俺の愚息を絞り上げた。

その度に背筋に快感が駆け巡る。

結衣「んひゃ……もう、ヒッキーの元気なんだから……んう」

 

調子に乗って勢いよく叩き付けてしまった。

しかしもう由比ヶ浜に痛みを感じる様子はまったくなかった。

むしろ元からこういうことに慣れていたかのように、俺に合わせて腰を上下左右にくねらせていた。

 

結衣「ヒッキー、射精したい? あたしの膣できもちよくなって……射精したくなっちゃった?」

 

八幡「お、おま……やっぱビッチかよ」

 

結衣「ふへへぇ、か~もねぇ。んっあっあっ……~~~~~ッ」

 

八幡「もう、俺……」

 

ぬちゃぬちゃねちゃねちゃくちゅくちゅ、もう俺の股間由比ヶ浜の愛液でびしょ濡れになっていた。

これ以上は射精を堪えるのもしんどい。

 

結衣「はうっ……あっ……んやぁ……ひっきー、ひっきー」

 

八幡「由比ヶ浜……結衣、結衣……イくぞ」

 

俺は咄嗟に結衣をまんぐり返しにし、最奥まで突き貫いた。

彼女の奥深く一一まさに子宮に向かって精を浴びせようとした。

結衣「あっ、ぁぁ……あああ~~~!!」

 

八幡「くっ……」

 

ゴムが膣の中で勢いよく膨らむ。

その妙な感覚に由比ヶ浜も絶叫した。

これ、ゴムがなかったら本当に種付けになっていたかもしれない。

 

結衣「はあ……はあ……」

 

八幡「はあ……はあ……」

 

互いに呼吸を整えるので手一杯だった。

けれどいつまでも華奢な彼女の上にのしかかってもいられないので肉竿を引き抜こうとすると、ガシッと足でホールドされた。

射精のあとにだいしゅきホールドってあんまなくね?

 

結衣「抜いちゃ……やだ」

 

八幡「けど重いだろ?」

 

結衣「幸せだからいいもん……ん、ヒッキー大好き」

 

だいしゅきホールドされながら大好きって言われちゃった。

やだもう、恥ずかしい。

 

***

 

どれくらい結衣とつながっていただろうか。

いい加減、次の相手の準備のために膣から引き抜くと、シーツがどえらいことになっていることに気付いた。

ラブホの清掃員ってこういうのの片付けを何時間か置きにやってるのか……。

ふえぇ、AVじゃ事後処理なんて映らないから知らなかったよぉ。

 

結衣「わっ、すごい状況だね……」

 

八幡「そうだな。雪ノ下のコトだからどっかに予備のシーツが……っと、あったあった」

 

見回すとすぐにキレイなシーツが見付かった。

流石は雪ノ下、準備だけなら万全か。

 

結衣「あ、あたしも手伝う……いった」

 

八幡「座ってろ。まだ痛いんだろ?」

 

結衣「う、うん……お願い」

 

立ち上がった結衣の足取りはまるで幼稚園に入る子供のように危うかった。

川……なんとかさんの妹の京華(けいかみたいだった。)

 

雪乃「あら、殊勝な心掛けね」

いろは「うわ、イカ臭いです。もう空気からして『一発キメました』って感じですね」

 

シーツのシワを伸ばしていると、パジャマ姿の雪ノ下とバスローブだけの一色が風呂から上がってきた。

俺も汁まみれだから風呂入りたい。

 

八幡「長かったな」

 

結衣「や、やっはろー」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、比企谷くんはどうだった?」

 

おい、訊くな。

そういうのは訊くな。

ぼっちでもその辺は弁えられるだろ。

 

結衣「えへへ、なんてゆーか幸せだったかも」

 

八幡「……っ」

 

雪乃「……そう、乱暴にされなかったようね。由比ヶ浜さんはこっちにいらっしゃい。ケアだけでもしてあげるから」

 

結衣「けあ?」

 

雪乃「その、初めてならではの問題を片付けるという意味よ」

 

毛布で裸身を隠す結衣の背中を押しながら寝室から出ていく。

ということは今度は一色とか。

いろは「…………」

 

八幡「なんか言え、怖いから」

 

いろは「ムカつきます」

 

八幡「そうか」

 

一色が俺の鎖骨に出来たキスマークをじっとりとした目つきで見つめる。

まあ、確かに生々しいのかもしれない。

ましてや自分とする前に他の女を抱いていたとすれば……うん。

 

いろは「順番は無理言って先にして貰いました」

 

八幡「よくあの雪ノ下を言いくるめられたな」

 

いろは「……いえ、あのー……あの人とお風呂入ったら女子として自信失ったっていうか、これでも自信あったんですけどね」

 

八幡「はあ?」

 

いろは「だっからぁ、同性でもムラッとしたんです! あの人の裸超エロいです! 先にされたら先輩が抱く気になってくれなくなるくらい!」

 

ベッドの横に置かれたコンドームを拾っては俺に向かって投げる一色。

痛くはないけど精神的に追い込まれててどうしていいのかわからないってことだけ伝わってきた。

5回ほど投げたところで溜め息を吐きながら肩を落とし、

いろは「一応、色々と言わなきゃいけないことあるんですけど、葉山先輩の代わりだなんて思ってませんからね」

 

八幡「もう吹っ切れたのか?」

 

いろは「わかんないです。ただそれなりに自信があっただけに結果に満足してないです」

 

八幡「あの手の男はどう攻略すればいいのかなんて俺にもわからん」

 

いろは「知ってたらホモじゃないですか」

 

海老名さんの前でそれ言われたらヤバいな。

今度は怒気を含んだ溜め息を鼻から吐き出す一色。

青息吐息とか桃色吐息とか、他にも七色の溜め息を持ってそうだ。

 

いろは「ま、そういうことだから今夜のはヤケでやるワケじゃないですよ?」

 

八幡「そうしてくれると助かる」

 

いろは「あと初めてなんで優しくしてください」

 

八幡「初めてなのか? 見た目ビッチなのに」

 

いろは「怒りますよ?」

 

八幡「ごめんなさい」

 

俺の胸板を指でツンツンし、一色はいじけたようにそっぽを向く。

あざといけど男性経験ないってわかった瞬間可愛く見えてきた自分が情けない。

いろは「なんでわたしじゃ妄想しなかったんですかー?」

 

八幡「いや、それは……」

 

いろは「んー?」

 

八幡「元々、身近な相手で妄想した罪悪感からお前の手伝いを率先しただけだからであって……」

 

いろは「でもそれ言ったら結衣先輩たちとも一緒でしたよね? それなのに妄想したんですか?」

 

八幡「お、男ってたまに変な嗜好に目覚めちゃう生き物だから」

 

いろは「じゃあ、わたしが依頼に来なかったらわたしで妄想することもあったんですね?」

 

八幡「……そっ、そんなわけないだろ?」

 

いろは「あったんですか」

 

ごめんなさい、場合によっては一色で抜く未来もありました。

すると一色はニッコリと笑い、よしゃっと拳を握った。

おい、自分でエロい妄想されるって知って喜ぶ女の子がどこにいる。

あ、千葉にいた。

 

ふふーん? と得意げに笑い、俺を舐め回すように見る。

その不敵な態度にたじろぐと一瞬の隙を突き、猫のようなバネで俺をベッドに突き飛ばしてマウントを取った。

いやん、犯されちゃう一一って、マジで犯されちゃう!

八幡「お、お戯れを……っ」

 

いろは「知ったこっちゃないです。わたしを迂闊に褒めた先輩が悪いんですからね?」

 

八幡「マジか」

 

いろは「マジです」

 

こんな発言で自信を取り戻せるなら2chに行ってみろ、2chに。

あそこ女の子だとわかったら急にちやほやするから。

あ、けどおっぱい晒さないと信じて貰えないから準備しとけよ。

 

いろは「先輩はこーゆーの好きですか?」

 

八幡「どっちかっつーと屈辱的」

 

いろは「変態ですね」

 

八幡「悦んでないんですけど?」

 

いろは「じゃ、可愛い後輩に跨られてるって意味では一一んひゃ!? ちょ、そっちで答えないで下さい!」

 

答えるなって、そりゃ無茶な。

色っぽい湯上りで、しかも学年でもトップクラスに可愛い女子。

しかもちょっと手を伸ばすだけで素っ裸に出来るのだから、勃起しない方がおかしい。

ごめんなさい、息子はちょっと理性が弱いの。

いろは「こ、こっちは何も穿いてないんですよ? 何かの間違いで挿入ったら妊娠しちゃうじゃないですかぁ」

 

八幡「なら動くなオナるなスマタとかどこで覚えたお前!」

 

いろは「ん、はっ……うるさいです、ちょっと黙ってて下さ……んんっ」

 

腰の上で一色が鼻先で切なげに鳴く。

臨戦態勢の俺が言うのもアレかもしれないが一色も一色でヤる気満々だったらしい。

 

いろは「せんぱぁい、なんか……おなかが熱いです」

 

八幡「わかった、わかったから」

 

いろは「ちゅーしましょ? ちゅー」

 

八幡「んむ!?」

 

一瞬の間も置かず、一色の唇が一直線に飛び込んできた。

ねえ、弾道予測線が出なかったんだけどバグってない?

キリトくんちょっと管理者権限盗んでサーバー調べてきてくれる?

 

あ、違った、これリアルだった。

ナマの生々しい粘膜接触が俺を襲う。

いろは「ん……ぴちゃ……くちゅ……レロッ」

 

八幡「むぐぐ、むが……っ」

 

苦しい苦しい。

鼻ぶつかってて息できない!

一色の熱い吐息が物凄くて息できない!

 

いろは「んはっ……あむ……」

 

八幡「(ギブギブギブ!)」

 

一説には人間は酸欠状態になると苦痛を感じなくなってある種の快感を得るらしい。

けどそれってドーパミン的な何かが作用して痛みだけ消えてるだけなんじゃね?

しかし俺はその例外ではなかったらしく、酸欠になればなるほど一色との口付けが甘く忘れられないものになり始めていた。

 

いろは「んっんっ……ぷは、濃厚でした……」

 

八幡「……こ、殺されるかと思った」

 

いろは「しつれーですね! じゃ、さっきからわたしの中に挿入ろうとしてるこの狂暴なのは何なんです?」

 

八幡「知るか!」

 

いろは「脱がさないんですか? それとも脱いだ方がいいですか?」

 

無視ですかそうですか。

一色はバスローブの襟をくいっと引っ張り、胸元を見せ付けた。

結衣のおっぱいに比べればその程度鼻で笑われるんだが、と他の女と比較するのはタブーか。

 

八幡「……脱げ」

 

いろは「へ?」

 

八幡「出来るだけいやらしく脱げ」

 

いろは「やっ、ちょ!? ここはリードするためにも脱がす場面ですよ!?」

 

八幡「自信がなくなった裸なんて自分から見たがる男はいねぇよ」

 

いろは「じ、自信くらいあります!」

 

八幡「雪ノ下に負けたばっかで何を言ってんだ」

 

いろは「……あうっ」

 

しょぼんとし、恐る恐るバスローブの腰紐に手を掛けた。

シュルシュルという衣擦れが続いたあと、一色の裸が晒された。

大きすぎず小さすぎない標準的なバストはキレイな流線形を描き、腰はキュッとくびれている。

 

いろは「うー……ひ、貧相ですよね?」

 

八幡「…………」

 

ナイスエロスです。

 

これこれ、これだよ。

普段から生意気なくらい自信満々な一色の、自信をなくした顔が見たかったんだ。

いろは「な、なにか言って下さいよぉ……」

 

八幡「結衣のボリューム満点の胸を見たあとだと……うん」

 

いろは「ひうっ……ふう”うぅ~」

 

目にいっぱい涙を溜め、『今すぐフォローしないと泣いちゃいますよ』と訴えているが、そんなの知らん。

俺は一色の胸に手を伸ばし、無造作に触れる。

 

いろは「きゃああああああああああああ!!? な、なななにしてるんですか!」

 

八幡「あぁ、やっぱ恥ずかしいよな。結衣なら自信満々に触らせてくれたんだけどな(ちょっと嘘)」

 

いろは「だ、だって……だってだってぇ」

 

八幡「そうだな。結衣は恥ずかしくない身体してるからこっちも緊張したけど一色はそうでもないな」

 

いろは「ゆ、結衣先輩の身体しか知らないクセに何言ってるんですか!」

 

八幡「けど『貧相』なんだろ? 『自信がない』んだろ? なら他で何とかしないとな」

 

いろは「ほ、ほかぁ……?」

 

どうしようどうしよう、と右へ左へ視線を泳がせる一色。

花の女子高生がおっぱい丸出しでキョドってるのって変な光景だな。

いろは「……ど、どうすればいいんです?」

 

八幡「そりゃご奉仕をするのが普通だろ」

 

いろは「こ、こっちはこれから処女捧げるんですよ!? それなのにまだ欲しがるんですか!? わがままさんですかっ!」

 

八幡「いや意味わからん」

 

いろは「まさかお尻の穴舐めろとか言わないですよね? それはないです無理です不可能です」

 

俺だって一色に尻の穴とか晒したくない。

戸塚の尻の穴なら舐められるが。

 

いろは「えっと、じゃ、手でします」

 

八幡「おう、頑張れ」

 

授業中なら当てられるか当てられないかくらいの控えめな挙手をし、手コキ宣言をした。

口でされたかったのでちょっと拍子抜けしたがハードルは上げ過ぎないでおこう。

向こうだって初心者なのだし。

 

***

 

いろは「わー、熱いですね……」

 

熱く屹立したペニスを一色がおっかなびっくりな手つきで触れる。

意外にも一色は、世間一般で下品で汚いものとされるそれにあまり嫌な顔をしなかった。

むしろでんじろう先生の実験を始めてみる子供のような興味津々な顔で見入っている。

いろは「こう、ですか? あの、痛かったら言って下さいね?」

 

八幡「痛くはないな。けどもう少し強く握れないか?」

 

いろは「は、はい……」

 

一色の指に力がこもる。

するとペニスの脈拍がより強く感じられたのか不安そうな目で俺を見上げてきた。

いかに一色といえど血管が浮き出たものを手荒に扱うのは怖いらしい。

 

いろは「すごいです……なんか、熱くて、ドクドクいってて、たまにぴくんって動いて……」

 

ほう、と口から熱い吐息が洩れる。

柔らかく温かい手で握ると、一色はゆっくり上下にしごき始める。

やはりコイツもそういう知識を持っているらしい。

 

いろは「はあ……はあ……それに、すっごくやらしいです。えっちな形してます」

 

八幡「そうだろうな」

 

いろは「こんなの……どうやって挿れるんです? あそこが裂けちゃうじゃないですか」

 

八幡「そりゃまあ、ぬるぬるになれば」

いろは「わたしのがですか? ん、はあ……何を言わせてもいやらしいですね」

 

ガマン汁の方で言ったのだが、どうやら一色は自分の性器が濡れる方を先に思い浮かべたらしい。

やがて俺もそこそこの快感を得て竿の先端から件(くだん)のガマン汁が沁み出てきた。

それを一色は指で掬い取り、

 

いろは「ぬるぬるっていうより、ぬちゃぬちゃしてません? 糸引いてます」

 

八幡「アレじゃね? 男のはより長く女性器の中にいなきゃいけないから粘ついてんだろ」

 

いろは「中に?」

 

八幡「だから、その……精子がサラサラの液体だったら受精させにくいってことだ」

 

いろは「じゅせ!? さ、させるつもりですか!? けど今日のわたしはそこそこ安全なんで無駄ですよ!?」

 

八幡「だ、誰がお前を受精させるか! 説明しただけだろ」

 

いろは「どうせ今からするんだから『ナマで愛する一色とつながりたい』とか言うのも男の甲斐性ですよね!?」

 

男としてはナマでしたいけど比企谷八幡としてはゴム装着でお願いしたい。

それを伝えようとしたが、急に何かを指折り数え始めた一色の耳には届かなかった。

ナニヲカゾエテルンダロウナー。

ボクコドモダカラワカンナイヤー。

いろは「うん、うん……ごめんなさい、子供は諦めて下さい。日付的に無理ですんで」

 

八幡「ん、そうかそうか」

 

いろは「って言いながらゴムしないで下さい! うぅー、ムカつきます……」

 

八幡「ん、そうかそうか」

 

いろは「ナマでしないクセに生返事とかあり得ないです! なまじ覚悟してただけに腹立ちます!」

 

おぉ、一色が韻を踏んで喋った。

脳内で勝手にお馬鹿認定していたが、仮にも生徒会長なんだからそれなりに頭はあるのかもしれん。

 

八幡「あーほら、するぞ」

 

いろは「や、優しくして下さいよ? でないと言い付けますよ?」

 

八幡「誰にだよ」

 

俺の問いに答えず、一色はベッドに仰向けに寝転がり、股を恥ずかしそうに開いた。

 

いろは「……変じゃないですか?」

八幡「いや、キレイだ」

 

いろは「そう、ですか……」

 

お世辞抜きに一色の秘裂はキレイだった。

結衣に比べると毛が少なく、鮮やかなピンク色をしている。

そっと指で割り開くと、つーっと愛液が垂れてきた。

 

八幡「さっきので興奮してたのか?」

 

いろは「だって、おち……んちんを触ってましたし……ひゃう」

 

内側に指が触れただけで一色の腰が跳ねた。

俺は彼女の子宮からこぼれてくる愛液を指先に乗せ、丁寧に全体を濡らしていく。

 

いろは「ん……あうっ……んんん」

 

八幡「痛くないか?」

 

いろは「だ、だいじょぶ、です……ひゃん、あっ……~~~っ」

 

外気に触れている部分だけで一色はそれなりに感じている様子だった。

撫でる度に潤滑油が増していく。

 

いろは「ふぁ……っ……あうぅぅぅ」

 

一色が切なげに鳴く度に、彼女のそこはパクパクと開いたり閉じたりしていた。

反応を窺いながらその中へ指を滑り込ませる。

いろは「んあっ……き、きもひいい、です……」

 

八幡「じゃ、ここは?」

 

いろは「あ、さっきより……イイかも……んん」

 

膣壁を撫でると、悪くない反応が返ってきた。

むしろ外側より内側の方が良さそうにも見える。

こんなに具合がいいならもう挿れても問題ないかもしれない。

 

八幡「そろそろ大丈夫か?」

 

いろは「へ?」

 

八幡「挿れても大丈夫かってことなんだが……」

 

いろは「えっと、痛かったら右手を挙げるんでしたっけ?」

 

八幡「それは歯医者だな。あと痛みを訴えてもだいたいの歯医者は無視して強行する」

 

ソースは俺と中学のクラスメートたち。

友達じゃなかったけど話してるのを聞いて俺だけじゃなかったんだと安心したことがある。

 

いろは「せ、先輩は歯医者さんじゃないから……痛いって言ったら止めてくれますよね?」

八幡「当たり前だろ」

 

人生で一度きりの破瓜なんだ、俺の意志だけでするワケがない。

優しくすると約束すると、一色は改めて足を開き、俺を迎え入れるように両手を広げた。

 

いろは「ど、どうぞ……」

 

八幡「あぁ」

 

膣の入り口にモノを添えると、一色が大きく息を吸って止めた。

それを確認してから彼女の中に入っていく。

 

いろは「ん……」

 

存外、あっさりと亀頭が埋まる。

というより、一色から痛みを訴えるサインがないせいかもしれない。

更に押し進んでいくと、結衣のときのような小さな壁が俺のとぶつかった。

 

いろは「あ、なんかわかります……ここですよね?」

 

八幡「わかるのか?」

 

いろは「なんとなくですけど、ここにフィルター的なのが……」

 

腹部をさすり、ここですよね、と言ってみせる。

エロゲーみたいに断面図一一見えたらグロい一一が出ないから俺も答えにくいけど、相棒の長さ的にはまさにそこだった。

 

八幡「一色、痛みは?」

 

いろは「い、今のトコまったく……なので痛くないうちやっちゃって下さい」

 

八幡「わかった」

 

いろは「あと、そろそろわたしも名前で呼んで欲しいです」

 

八幡「えっと……いろは?」

 

いろは「合ってますけど疑問符が……」

 

八幡「い、いろは」

 

いろは「一一はい、先輩」

 

初めて一色の一一いろはの満点の笑顔を見た。

これまで生意気な顔しか見せなかった彼女の素直な笑顔に、俺のが否応なしに膨らんでいく。

 

八幡「じゃ、いくぞ、いろは」

 

いろは「ばっちこい、です!」

 

ずずず、と膜を突き破る。

そしてそれが、いろはの最初で最後の破瓜だった。

八幡「……えっと、全部埋まったわけだが……」

 

いろは「あんま痛くないんですね、初めてって。結衣先輩も言ってくれたらよかったのに」

 

八幡「いや、結衣はそれなりに痛がってたぞ」

 

30回くらい抽送を繰り返してやっと快感に変わるくらい痛がっていた。

それに対していろははあまり痛がる様子を見せない。

ただ腹部に異物が入って息苦しいくらいにしか感じてないだろう。

処女膜って複数あるらしいが、どうにもいろはの場合は最初のだけだったらしい。

 

いろは「あ、でもちょっとじんじんします」

 

八幡「それだけか? その、気分悪くないか?」

 

いろは「はい、大丈夫です。ちょっと動いてみて下さい」

 

促され、慎重に腰を前後させる。

 

いろは「あんっ……ヒリヒリしますけど、ふわふわします」

 

これは……凄いな。

結衣と同じくらい痛がると身構えていた分、その差の大きさに安心した。

この様子なら結衣のときより激しく動けるかもしれない。

いろは「あっ……んっあっ……はあぁぁぁ」

 

大して恥じらうことなく嬌声をあげるいろは。

俺もその声に触発されるように抽送を少しずつ早めていく。

 

いろは「あう……んあっ……はう……んひっ……」

 

八幡「キツくないか?」

 

いろは「はい、もっと激しくても大丈夫そうです……んんんっ!」

 

いろはの指が俺の指に絡んでくる。

いわゆる恋人つなぎになると、いろはの膣がきゅうっと締まった。

甘いことすると絡まるということか?

 

いろは「ん、あっ……~~~~~ッ」

 

結衣のときと違って余裕があるせいか、行為に乱れる相手の全体像を始めてまじまじと見た。

胸が規則的に上下に揺さぶられ、肉付きの薄いせいで肋骨が浮き出ている。

首を後ろに反らしているせいか鎖骨が扇情的になり、たまに胸の脂肪が鎖骨のラインを隠す。

 

いろは「はっはっ……あ……せんぱ、いぃ……もっと、もっとぉ」

 

ねっとりと絡み付くような膣を何度も掻き分け、俺の形を覚え込ませていく。

いろは「はうぅ……あっあっあああぁぁぁ! や、うそ……んううぅぅぅ」

 

八幡「イキそうなのか?」

 

いろは「だ、ダメですダメです! 初めてでイクとか淫乱……んっんっ……ああっ!!」

 

八幡「俺も、そろそろ……」

 

いろは「はい、いいですよ……っ……イッちゃって下さい」

 

ずっちゅずっちゅぱちゅぱちゅぱんぱん、といろはの膣で大暴れする。

その結果いろはも絶頂に達しそうになったらしく、くっと海老反り、

 

いろは「あ、あぁ……んやっ……あああ~~~!!」

 

八幡「くあっ……」

 

いろはの絶頂に合わせ、膣が激しくうねった。

男から遺伝子を受け取ろうとポンプのように捩じれた。

 

八幡「はあ……はあ……」

 

いろは「はあ……ぁぅ……初めてなのに、初めてなのに……」

 

腕の中でいろはが『悔しい……でも感じちゃう(ビクンビクン』をリアルにやっていた。

腰はひくつき、額には汗が浮かび、未だにつながっている性器はびしょ濡れだった。

いろは「うー……やらしいです」

 

八幡「結衣もビックリの適応能力だったな」

 

いろは「正直、痛みに期待してた自分もいたんですよ?」

 

八幡「それ、いわゆる一一」

 

いろは「そーゆー意味じゃないです! 恋空とかで幸せな痛みとか言ってたんです」

 

あぁ、あのスイーツ(笑)が好きそうな映画ね。

レイプと虐めと流産と、不幸の連続で共感のしようもありませんでしたね、カッコにっこりカッコ綴じ。

 

いろは「今、なんかムカつくこと考えました?」

 

八幡「いや?」

 

いろは「すっごく泣けたんですよ? ホントですからね?」

 

可愛い顔で熱弁されても、ひねくれボッチの俺にそれを面白いと言えるだけの優しさはない。

なので葉山のような爽やかな笑顔で流す。

澤穂希のような顔だと言われ、引かれた。

あれれぇ~?

 

八幡「そろそろ抜いていいか?」

いろは「も、もう一回ですか!? ダメじゃないですけど……次やったら感じすぎちゃっておかしくなっちゃいます」

 

八幡「そうじゃなくてだな……」

 

いろは「カワイイ後輩を組み敷いて興奮する気持ちはわかりますけど待って下さいまだ敏感なんです何度もイッちゃうのしんどいんですよ?」

 

だからそうじゃないんだってばよ。

ずっといろはを潰さないよう腕に体重を預けたままだからそろそろ限界なんだ。

腰も変な位置で静止してるせいで下半身に体重預けづらい。

 

いろは「そ、それに雪ノ下先輩の番もありますし」

 

八幡「腕がしんどい。そろそろ体勢を変えたい。……これで伝わるか?」

 

いろは「   」

 

八幡「い、いろは?」

 

表情を失ったいろはの顔にじわじわと表情が戻ってくる。

それは中学の頃の修学旅行で(一人で)見た仁王像のように恐ろしい顔だった。

 

いろは「ピロートークを何だと思ってるんですか……」

 

八幡「ごめんなさい」

 

***

 

いろはの膣から息子を引き抜き、一息つく。

腰にバスタオルを巻いてまたシーツを取り換えていると、背中に妙な温もりが当たった。

 

いろは「こーゆーのエッチっぽくないですか?」

 

八幡「この背中に当たる僅かにしこりのある感触、これはまさか乳頭こと乳首か!」

 

いろは「……ひたすらキモいです」

 

あ、背中の温もりが消えた。

どうやらいろはは俺の背中に裸で抱き付いたらしい。

もしかしてさっきのじゃ満足しなかったということだろうか?

だとしたらちょっと傷付く……。

 

いろは「男の人の背中に裸で抱き付くのって憧れるじゃないですか」

 

八幡「マジ?」

 

いろは「女子なら誰でもそう思います。ってか裸確認するならチラ見しないで下さい。後ろめたいんですか?」

 

八幡「て、照れるし……」

 

いろは「それ、わたしのセリフです。先輩は女の子の裸見たときには素直にその気持ちい棒を硬くしてればいいんです」

 

腰に巻いたバスタオルの下でしっかりと臨戦態勢にしてますが何か?

さっきは虐めるために言ったが、いろはの身体は充分興奮させてくれる。

今だって、雪ノ下を待たなくていいなら有無を言わさずベッドに引きずり戻して交尾を楽しんでいただろう。

雪乃「もういいかしら?」

 

八幡「あー、まぁな」

 

いろは「むぅー……」

 

いつの間にか、雪ノ下が寝室の入り口に背中を預けて佇んでいた。

クールなキャラっていつも壁に寄り掛かってるけど、もしかして貧血気味なの? 大丈夫?

俺とか背中丸めて生活してるぜ?

 

雪乃「さ、一色さんは席を外してちょうだい」

 

いろは「えー? 見てちゃダメですか?」

 

雪乃「最初に由比ヶ浜さんとさせたときにアナタをお風呂に入れ、アナタの番に由比ヶ浜さんのケアをしたのはどうしてかわかる?」

 

いろは「……あ。あー、なんか納得しました! 二人っきりにしてくれてたんですね?」

 

雪乃「理解が早くて助かるわ」

 

態度には出さないが、雪ノ下の説明に俺も納得していた。

コイツはコイツで初めてを邪魔されたり茶化されないよう最大限の配慮をしていたようだ。

 

雪ノ下の厚意を踏みにじってはならないと悟ったいろはが名残惜しそうに寝室から出ていった。

すぐに結衣と合流したらしく、やっはろーが2回聞こえてきた。

だからそれ何なんだよ。

八幡「……えーっと」

 

雪乃「少し待ってくれるかしら」

 

八幡「構わねぇけど」

 

パンさんのアップリケが縫い付けられた、性格の割に可愛らしいパジャマ姿の雪ノ下がドアへと向かう。

すると彼女はガチャガチャと何かを操作し、鍵を内側から南京錠なので施錠したのである。

それからふぅ~じこちゃ~んみたいに鍵を胸元に挟んだ。

 

雪乃「…………」

 

八幡「…………」

 

雪乃「……ぐすっ」

 

八幡「なんでやれると思ったんだよ……」

 

もちろん、その鍵はほぼ垂直に落下し、雪ノ下のパジャマの中を縦に素通りしたのであった。

雪ノ下のパジャマの中を縦に素通りしたのであった。

雪ノ下のパジャマの中を縦に素通りしたのであった。

雪ノ下のパジャマの中を縦に素通りしたのであった。

 

雪ノ下のッ! パジャマの中をッ! 縦にッ! 素通りしたのであったッ!!!

 

雪乃「……っ」

八幡「敵を知り己を知れば百戦危うからずってあるだろ? 自分の限界見極めろよ」

 

ふるふると拳を震わせ、無残に落下した鍵を睨む雪ノ下。

どうしよう、少なからず希望を抱いてたっぽい……。

 

八幡「よ、よし! するか!」

 

雪乃「……比企谷くん、無視は時として残酷な対応になるのよ」

 

八幡「言葉が見付からねぇんだよ。結衣やお前の姉ならともかく、お前じゃ無理だろ」

 

雪乃「事前に入手した資料でこうする場面があったの……」

 

八幡「そ、そうか」

 

雪乃「意中の相手が手を出しやすいように監禁し、脱出のためには性的な行為を少なからずしなければならないような作品を……」

 

八幡「ヤンデレ系かよ」

 

どうしよう、本当にどう声を掛けていいのかわからない。

こんなとき清麿のアンサートーカーが欲しくなる。

アレって女の子の複雑な心にも答えられるのかな?

 

雪乃「……もういや、死にたい」

 

八幡「げ、元気出せよ。さっき俺が飲まされた精力増強の薬でも飲んできたらいいじゃないか」

 

雪乃「飲んだわ……」

八幡「飲んだ結果がこれか……」

 

なるほど、緊張のあまりあの薬を飲んでテンションがおかしくなってたのか。

エロくない方の羞恥心で顔を真っ赤にした雪ノ下。

 

雪乃「ふ、ふふふ……今なら何をされても抵抗できそうにないわ」

 

八幡「落ち着け。まず落ち着け」

 

雪乃「妄想のときのようにレイプされてもおかしくないわね。えぇ、初めてが無理矢理でも珍しくなんかないわ。世間ではたまにあることよ」

 

八幡「怒るぞ?」

 

雪乃「……ごめんなさい、今怒られたら本気で泣ける自信があるから怒らないで」

 

いや、もういっそ全力で泣いたらいいじゃないか。

俺だって城廻先輩で5回抜いた翌日に罪悪感でガチ泣きしたんだ。

泣いてもいいんだ。

 

雪乃「元旦から泣くのはあまり良くないから、その……」

 

八幡「お、おう」

 

雪乃「……優しく慰めて貰えないかしら? ぐすっ」

 

八幡「えーっと……よしよしとかされたら怒るパティーン?」

雪乃「……不本意だけれど、今はされると安らぐ自信があるわ」

 

不本意なのかよ。

雪ノ下の自爆を慰めてやろうとしたのにやる気が失せたじゃないか。

お前はキメ顔で谷間に鍵挟もうとしただけじゃねぇか。

あ、だから黒歴史になったのか。

 

八幡「よしよし」

 

雪乃「……ぁぅ」

 

八幡「あ、まだデレないで。ヒッキー困っちゃう」

 

雪乃「い、いいから撫でなさい……っ」

 

涙目で凄むなギャップ萌えしちゃうだろ。

雪ノ下の頭に手を置くと、指が髪の流れに沿ってするりと流れ落ちた。

何これ、流しそうめん

 

雪乃「こういうの、久し振りだわ……」

 

八幡「いつ以来?」

 

雪乃「アレは確か姉さんにジェットコースターでイタズラされ過ぎて泣いたときだから……10年前くらいね」

 

何をされたかはまでは語らなかったが、内心、あの人ならそういう幼少期があっただろうなと納得した。

けれどそれはあの人本来の性格に併せ、この雪ノ下を見た上でだが。

雪乃「……ぅ……に、にゃー」

 

八幡「やだ可愛い全力で愛でたい!」

 

そう、これだ。

雪ノ下をある程度イジるとやたらと可愛く見えてくる。

魔王の場合はやり過ぎだが、これはクセになってもしょうがない。

 

雪乃「な、撫でやすいよう猫のようにしてみたのだけれど……ど、どう……だった?」

 

八幡「イケナイ扉に到達しそうになった。少なくともテツきゅんが待ち構えてる扉じゃなかった」

 

雪乃「てつきゅん?」

 

八幡「よかった、お前は腐ってないっぽい」

 

今の、海老名さんなら『似た者を思い浮かべたのね? わかるわ、うん、わかるわ。ぐ腐腐腐』って言ってたな。

腐ってなくて新鮮なリアクションの取れる雪ノ下さんマジ凄いぜ!

 

雪乃「ん……もういいわ。思い出さない限り泣くことはないってくらいには回復したから」

 

八幡「思い出したら泣くのか」

 

泣くことを必死に堪えた顔でもう充分だと言った。

そっちがそう言うなら俺は構わない。

俺だって人生黒歴史だらけで思い出しただけで泣けることが山のようにあるから。

雪乃「えっと、その……妙な空気になってしまったけれど、最後までしてくれる?」

 

八幡「こっちからお願いしたいくらいなんだが」

 

雪乃「そう。それで相談があるのだけれど……」

 

唇を噛み締め、視線を右斜め下に向ける雪ノ下。

視線の先にはベッドがあった。

 

八幡「?」

 

雪乃「こ、こういうことはやはり本人に訊ねる以外にないのであって、もしそうしなかった場合はこちらの身勝手な自己満足と憶測によるギャンブルになるのは良くないから、相談をしなければならないのだけれど……」

 

八幡「前置き長いぞ」

 

雪乃「だ、だから……」

 

涙目でこちらを精一杯睨むように見つめ、彼女は問い掛ける。

 

雪乃「ひ、ひきぎゃやくんは脱ぎ掛けと全裸、どちらが興奮するの?」

 

八幡「え、それは……」

雪乃「……っ」

 

もうやだー、何でみんな俺の名前正確に言えないのー?

妹の小町でさえもたまに『ごみいちゃん』なんて呼ぶんだぜー?

いやいや、今はそうじゃなくて。

完璧超人ゆきのんの目下の問題はセックスに於いて比企谷八幡が最も興奮するのはどのような状態なのか、ということだった。

ではこの際だから冷静に考えてみよう。

 

まずは全裸。

こちらは現在冬なので欲を言えば全裸マフラーか全裸ニーソを推奨したいところだ。

しかしそれは『どっちかっつーとそれ着てるよな?』というどっかの誰かさんの鶴の一声によって『脱ぎ掛け』にカテゴライズされる。

とは言っても直接一一何の隔たりもない女性の肌を全身で感じるのは最大多数の最大幸福を導き出すとシビュラも全裸で訴えている。

 

では、脱ぎ掛けは?

こちらはもう、各種取り揃えておりますとか言っちゃうデパートやコンビニ並みに様々だ。

制服、メイド服、巫女服、黒ニーソ、白ニーソ、縞ニーソ、黒ニーハイ、白ニーハイ、縞ニーハイ。

しかも中途半端に肌を晒すことで背徳感が生まれ、まるで全裸になるのを待ちきれないかのような互いのムラムラ感が伝わってくる。

 

八幡「じゃあ、脱ぎ掛けでお願いします……」

雪乃「……そ、そう。丸裸にされたらどうしようかと思ったわ」

 

甘いぞ、それは大きな勘違いだ。

むしろ中途半端なせいで妙な羞恥心を煽られるんだぞ。

 

雪乃「ぬ、脱がせてもらえるかしら……?」

 

八幡「わかった」

 

雪ノ下の首筋にキスをしてから、パジャマのボタンに手を掛けた。

ぷちぷちと小さな音を立てて外れていくのが気恥ずかしいのか、彼女は何度となく顔を背けた。

しかし途中で中断を求めるようなサインはなかったので、全てのボタンを外すに至った。

 

八幡「の、ノーブラかよ……」

 

雪乃「部屋着での性行為なら……下着はしない方がいいみたいだったのよ」

 

八幡「あー、まぁ脱がすのに慣れてない人間からすれば助かるしな」

 

残念ながら、パジャマの生地で胸の頂点までは見えなかった。

いや、こういうのは行為の最中にいきなり見えるから興奮するのだが。

 

雪乃「ど、どこまで脱がせるの? このままじゃ……」

 

八幡「上はここまでだな。下は……上の愛撫が済んでから脱がせる」

 

中途半端過ぎて困惑気味の雪ノ下が、何とも言えなさそうな顔でベッドの中心に座り込んだ。

俺もその正面に座り、改めて向かい合う。

雪乃「そ、そろそろ慣れた……? 女の子と、こういうことをすることに」

 

八幡「たった2回で慣れられるかっての。今だって脱ぎ掛けのお前相手にしてガリガリ理性削られてるんだ」

 

雪乃「ふふっ。何かしらね、この妙な安心感。慣れさせるために先を譲ったのに比企谷くんの初々しさを嬉しく感じてしまうわ」

 

そっちだって初めてだろ、という無粋な言葉を飲み込み、彼女のシャープな輪郭に手を添える。

すると向こうも心の準備が整ったのか、何も言わずに目を閉じた。

 

雪乃「んっ……」

 

最初は触れるだけ。

もはや唇が触れ合ったかさえわからないくらいのソフトタッチだった。

 

雪乃「あ、舌……あふっ、チュル……」

 

次いで、舌を入れる。

雪ノ下は大して慌てる風でもなくそれに応えてくれた。

やがて口付けは激しさを増し、互いのボルテージが上がっていく。

 

雪乃「あっ……んん、あむ……ぢゅる……ぷはっ……んむっ」

 

肩を抱くと、いろはより華奢だと気付いた。

彼女も俺とほぼ同じタイミングで背中に腕を回した。

雪乃「これ……んっ、いい……んちゅ」

 

否応なしに触れ合った肌と、彼女の柔らかいパジャマ。

強く強く抱き締めると雪ノ下のスタイルの完璧さをこれでもかってくらい思い知らされた。

ほとんどの女性が目指すであろう適度に健康で、それでいてどんな服でも似合う線の細さ。

それは決して容易に手に入らず、雪ノ下本人も自覚はしているハズだ。

 

雪乃「ん……すきぃ……ちゅぱっ……あむ……」

 

いよいよ雪ノ下が初めてのキスでの手加減を見失い始めた。

ただ力任せに俺の口内を舐め回し、呼吸も許さない。

普段の落ち着き払った居住まいからは想像出来ないくらい鼻息荒く貪る。

あぁ、これは良くない。窒息死する。

 

八幡「ぷはっ……ちょっと離せ。流石に息苦しい」

 

雪乃「あ……ご、ごめんなさい。つい興奮してしまって……」

 

しゅんと落ち込む雪ノ下。

やったことに反省するくらいの理性は残っていたか。

 

拘束を解かれ、数秒ぶりに雪ノ下の全身を見た。

口の端からはだらしなくヨダレが垂れ、顔は赤らみ、膝が笑っていた。

今、雪ノ下は初めての性行為に緊張しているせいか、手加減が出来ないらしい。

八幡「大丈夫だ、リードはするから」

 

雪乃「心配は残るけれど……二人とも大して文句を言う様子ではなかったから任せるわ」

 

八幡「あぁ、俺も驚いてる」

 

破瓜のあとでもある程度は歩けるところから察するに、俺との行為は悪い方向に負担をかけていることはないのだろう。

いやそもそも初体験で快感を覚えている時点で二人にそういった素質があるだけなのかもしれんが。

 

八幡「じゃ、難しいだろうがリラックスして俺に委ねてくれ」

 

雪乃「んっ……」

 

毒舌も吐かず、雪ノ下が目を瞑った。

俺はそれを茶化したい衝動を堪え、雪ノ下の肌にキスを繰り返す。

首筋、鎖骨、肩、へそ。

 

雪乃「あっ……んんっ」

 

感度は良好だった。

全身にキスマークを残していく度に雪ノ下の官能が高まっていく。

雪乃「はあ……はあ……っ……ひき、がや、くぅん……」

 

俺は悶える彼女の両手を掴み、ベッドに押し倒した。

俯瞰の情景から見た雪ノ下の艶姿に、思わずごくりとのどが鳴る。

何なんだ、この色っぽい肌は。

 

雪乃「ぁ、いや……胸が……」

 

八幡「き、キレイだ……」

 

雪乃「……っ」

 

パジャマがはだけ、決して大きくはないが形の良い胸が露出された。

恐らく誰にも触れられていないその山頂は桃色をしていた。

それにむしゃぶりつくと、雪ノ下が首を後ろに反らし喘いだ。

 

雪乃「~~~!? なに、これ……こんな……ああっ!!」

 

乳首を下で転がしただけで素っ頓狂な声を上げられた。

しかしこれは素っ頓狂というより、初々しいと言った方がいいのかもしれない。

八幡「なぁ、訊いてもいいか?」

 

雪乃「はっ、あっ……な、なに?」

 

八幡「その、オナニーで胸をいじったことなかったのか?」

 

雪乃「~~~~~ッ!!」

 

八幡「痛い痛い痛い痛い八幡泣いちゃう痛い痛い!」

 

合気道を修めている雪ノ下らしからぬ拳のラッシュが俺のアゴを集中的に襲う。

おいおい、拳の軌道が意識を刈り取る形をしてたぞ。

平塚先生の重い一撃とは異なる、技術と圧倒的な量によるラッシュだった。

 

雪乃「デリカシーというのを学んだらどうかしら、エロヶ谷くん?」

 

八幡「いやだって物凄い感度良好なのに戸惑ってたから、つい」

 

雪乃「せめて雰囲気のためにも自慰と言って欲しかったわ……」

 

八幡「じゃ、自慰で胸は触らな一一うお!?」

 

意識を刈り取る拳を交わすのに必死で、それ以上は言えなかった。

 

分単位の間を置き、仕切り直す。

腹を立てていた雪ノ下も、その頃には性行為をする気分に戻ってくれていた。

改めて胸を丹念に愛撫すると、いつまでも新鮮な反応を返してくれた。

雪乃「あうっ……ん、あっ……はあ……はあ……っ」

 

八幡「痛くないか?」

 

雪乃「えぇ、大丈夫よ……んんんっ! あはぁ……」

 

普段からは想像がつかない彼女の荒い息に興奮が隠せない。

股間が勝手に精を放とうと膨らんでいた。

 

雪乃「んうぅ……あっ……だめ、こんなの……おかしくな、る……」

 

乳首をこねくりまわす。

 

雪乃「ん、やぁん、あ、んんっ……!」

 

乳首を吸い上げる。

 

雪乃「ひゃあ、ん……あっ……~~~っ」

 

何をしても雪ノ下は胸への刺激に弱かった。

面白くて延々と彼女の胸を攻め続けたくなったが、体力のない彼女にこれ以上は危険だろう。

 

八幡「下、脱がすぞ」

雪乃「……ん」

 

ろれつが回らないのか、曖昧に頷くだけだった。

腰を浮かせるよう言ってから、逸る気持ちを抑えて下を脱がす。

順番を無視して下着まで脱がせると、愛液が糸を引いていた。

 

雪乃「さっき……軽くイッてしまったわ」

 

八幡「2回くらいな」

 

雪乃「気付いてたなら1回目でやめなさい……もう」

 

彼女のクレヴァスは男を受け入れる準備が万端だった。

細かくひくつくそこを指で撫でると、複雑に蠢いて引きずり込もうとしたのである。

ゴムを装着して覆い被さる。

視線がぶつかる。

 

雪乃「ん……もう、挿れるの?」

 

八幡「イヤか?」

 

雪乃「ちょっと、怖いだけ……イヤではないから安心して」

 

挿れやすいよう、雪ノ下が足を開いて俺を招く。

 

ここから、言葉を交わすことはなかった。

視線と視線、呼吸と呼吸で、意思を汲み取り、挿入していった。

雪乃「あっあっ……くっ、~~~!!」

 

ミチミチと音が鳴ったような気がした。

細かく細かく肉の壁を破り、少しずつ奥に埋まっていく。

 

雪乃「くうっ……ん……はあ……はあ……」

 

眉間には深いシワが刻まれていた。

それでも彼女の呼吸と視線は中断と求めなかった。

あと少し、あと少し……。

やがて全てが埋まった。

 

雪乃「あ、すごい……これが男の人の……」

 

八幡「……まぁ、な」

 

雪乃「本当に不思議……よく入ったものだわ……んっ、~~~っ」

 

音のない悲鳴が彼女の膣を通じて響いてくる。

これ、相当無理してるな。

 

涙を溜め込んだ目でうっとりとし、俺を見上げる。

雪乃「初めて会ったときは、ん……こうなるなんて思わなかったわ」

 

八幡「同感だ」

 

雪乃「あったとしても強姦くらいだと思っていたら妄想の中だけだったとは予想外だったけれど」

 

八幡「あー、まだ怒ってる?」

 

雪乃「一般的な女性としては腹を立てているわ」

 

一般的……。

それって雪ノ下雪乃という完璧超人ボッチとは縁遠い言葉なのではなかろうか。

彼女の場合はもっとこう、文学的で辞書を引かないとわからないような単語が当てはまる気がする。

 

雪乃「けれど、そうね……いい意味で臆病でいてくれたからそんなのはなくなってたわ」

 

八幡「臆病なんじゃない、慎重なだけだ」

 

雪乃「物は言いようね。どちらにせよ、アナタに強姦されるなんて可能性はいつしか消え去っていたわ」

 

八幡「その矢先にアレか」

 

雪乃「そう、アレよ」

 

妄想とはいえレイプは酷いよなあ。

見逃してくれたことが今になっても信じられないくらいだ。

雪乃「悪いけれど、今後一切アナタの『願望』を叶えてあげられる自信はないの」

 

八幡「叶えなくていい。ってか叶った後の賢者モードで罪悪感酷くて自殺できる」

 

雪乃「でしょうね。……でも、女を抱きたくなったらわたしの身体を求めなさい。合意の上でならいつでも相手をするわ」

 

八幡「……お前、」

 

雪乃「っあ……んあぁ……いきなり、大きくしないで」

 

無理ムリむり。

いつでもどこでも雪ノ下を抱かせて貰えるなんて興奮するっての。

 

雪乃「はあ……はあ……あ、んっ……学校では遠慮して貰える?」

 

八幡「そのときにならんとわからん」

 

雪乃「ん……一応、奉仕部の仕事がメインだからアナタの相手ばかりしていられないのよ」

 

八幡「鍵閉めればいいだろ?」

 

雪乃「ダメよ……」

 

八幡「あー、それでこそ雪ノ下かもな」

雪乃「どういう意味?」

 

八幡「良くも悪くも公私混同を許せないところだよ」

 

雪乃「公私混同に良いところがあるのかしら?」

 

八幡「探せば見付かるだろ」

 

きっと、恐らく……雪ノ下雪乃はこの生き方を変えないのだろう。

それが彼女のなりのノブレスオブリージュなのだ。

あ、ノーバスト(無乳)という意味じゃないから。

 

雪乃「…………。話していたら大分落ち着いたわ。動いても大丈夫そう」

 

八幡「痛かったら無理せず言えよ? いいな、絶対だぞ?」

 

雪乃「そんなに念を押さなくても……」

 

八幡「絶対に言えよ? 言わないとダメだからな!?」

 

雪乃「そ、そこまで心配してくれるのね……ありがとう」

 

八幡「…………」

 

あ、ダチョウ倶楽部知らないのか。

どうぞどうぞとかやったら疑うことなく手を挙げちゃうぞ。

 

兎にも角にも、重心を雪ノ下の腰に乗せるように体勢を変える。

それに合わせて腰が持ち上がった彼女の華奢な体がベッドに沈み、男に全てを任せるような格好になった。

いかん、今は何をしても雪ノ下で興奮できてしまうみたいだ。

雪乃「あっ……ふあっ」

 

八幡「大丈夫か?」

 

雪乃「わか、んな……っい……ああ!」

 

悲鳴のような声の中に甘い声が混じっていた。

試しに膣の天井をこする。

 

雪乃「あ、そこ……んっ……あ、ん……」

 

八幡「ここがどうだって?」

 

雪乃「はあ……はあ……っ、わるく……ないわ……」

 

八幡「可もなく不可もなく、か?」

 

雪乃「……っ……~~~っ」

 

ゆっくりじらすように往復する。

雪ノ下は質問に答えるのを拒んだものの、顔色で返事をしていた。

朱の差した頬が、快感を訴えていたのである。

 

八幡「返事、したら、どうだ?」

雪乃「ふっ……うぅ……~~~~~ッ」

 

立て続けに3度ほど同じところを攻める。

けれども一向に雪ノ下は感じているのか否かを言葉にしなかった。

それどころか口を手でふさぎ、徹底抗戦の体制を見せている。

この野郎、意地でも淫語言わせてやろうか。

 

八幡「そっちがその気なら……ほれ!」

 

雪乃「ッ!? ~~~~~~~っ!!」

 

物言わぬ雪ノ下をまんぐり返しにして、奥深くまで貫く。

もう痛みをそれほど感じてはいないようなので、このまま俯瞰してやろう。

 

雪乃「はっ、あうっ……んんんん! ……ッッッ!!」

 

引き抜き、

 

雪乃「……っ……っっ」

 

力いっぱい貫く。

 

雪乃「~~~~~ッ」

 

雪ノ下の嬌声が、本来の出口をふさがれたせいで全身に反響し、俺にまで響いてきた。

このまま何度かするかと思った直後、真下で彼女が涙目になりながら首を左右に振っていた。

雪乃「こ、これ以上は……ぁ……し、死んでしまうわ……」

 

八幡「そんなに痛いのか?」

 

雪乃「いえ、痛みではなく……んっ……その、」

 

八幡「なら大丈夫だろ」

 

雪乃「待っ一一んああああああ!? やめっ……だめ、んっんっんっ……~~~~~~~っ!!」

 

テニヌプレイヤーが一瞬で10球打ち込むように、連続で雪ノ下の膣を深く強く貫いた。

その度に雪ノ下の華奢な体がガクガクと揺れ、目を白黒とさせた。

 

雪乃「あっあっ……いや、こんな……ああ! おねが……だから……ゆっくり、くうぅ!」

 

いい声で鳴くじゃないか。

いっそこのまま俺が絶頂するまで同じペースでもいいかもしれない。

対する雪ノ下は俺に抵抗しようにも出来ないのを悟ったのか、もう快感を受け止めることを止めようとはしなかった。

むしろ自ら腰の位置を調節し、

 

雪乃「あ、そこ……んんんっ! ふあぁ……すご、い……こんなの……っ」

 

相変わらず俺に快感を訴えず、うわ言のように喘いでいた。

負けず嫌いなだけあって俺に快感を与えられていることを認めたくないのだろう。

八幡「素直じゃないな、ほんと」

 

雪乃「自分に対しては……んあっ……正直に生きてる……っ、つもりなのだけれど……あん!」

 

八幡「そうか。すまん、俺そろそろ限界だ」

 

雪乃「ん……わたしも、イキそう……」

 

瞬間、雪ノ下の膣が急激にすぼまった。

断続的にキュッキュッと締め上げるこの動きはまさに、絶頂のサイン。

俺もあらん限りの力で雪ノ下の膣にペニスを潜り込ませた。

 

雪乃「んっ……ああっ、あぁ……あああぁぁぁぁぁ!!」

 

八幡「くあっ……はあ……はあ……」

 

雪乃「はあ……はあ……これ、好きぃ」

 

流石に3度もセックスしたという疲労感が腰に溜まってきた。

ぐったりと雪ノ下の上に倒れ込む。

 

雪乃「重いわ……」

 

八幡「悪りぃ……」

 

雪乃「けれど、今だけは……このままでいさせてあげる」

 

息を整えていると、雪ノ下が俺の下で少しだけ動いた。

それに合わせて視線を向ける。

雪乃「な、名前で呼ばないの……?」

 

八幡「あぁ、すまん。結衣やいろはの件もあるんだから呼んだ方がいいよな」

 

雪乃「そうね。仲間外れのようで気分も悪かったし」

 

普段から仲間外れだろ、と言ったら怒られるか。

数秒だけ間を置いて、名を呼んでみた。

 

八幡「……雪乃」

 

雪乃「はい」

 

八幡「痛くなかったか、雪乃?」

 

雪乃「少し痛むけれど、気持ちよかったわ。俗に言うせいに対してふしだらなビッチという存在に頷けるくらいに」

 

八幡「クセになったとか?」

 

雪乃「わからないわ。……ただ、アナタとなら何度でも」

 

おい、止せ。

体力使い切った引きこもりに勃起させるようなことを言うな。

半勃ちしたじゃないか。

 

***

 

窓の向こうの空が白んできた頃、結衣といろはが顔を赤くしながら寝室にやって来た。

この顔から察するに、声が聞こえていたのだろう。

 

結衣「ゆ、ゆきのんの声、えっちぃかったね」

 

いろは「さ、流石のわたしもリアクションに困ります……」

 

雪乃「うっ……でも、それはお互い様でしょう?」

 

結衣「だ、だねー。うん、みんな恥ずかしかったってことにしよ、うん!」

 

いろは「異議なしです……」

 

雪乃「右に同じく」

 

俺も大いに賛成だったが女の子のトークに割って入る勇気がなかったので心の中で勝手に同意しておく。

やがて民主的に今回の恥かしい声についての決着がついた頃、3人が俺の身体を包んできた。

ハーレムなの? これハーレムなの?

ヤバい、イイ匂いする!

 

結衣「もっかい、しよ?」

 

いろは「まだやれますよね?」

 

雪乃「わ、わたしも……もっと」

 

八幡「   」

 

このあと、三が日を過ぎても俺はベッドの上から移動することすら許されず、ひたすら彼女らと交わったのだが……それはまた、別のお話。

 

 

 

《エピローグ》

 

八幡「こ、腰が、腰が……」

 

もはや一滴も出ない状態になった頃、やっと解放された。

もうやだ、女の子としばらくエッチしたくない。

 

陽乃「……あ」

 

八幡「ん?」

 

陽乃「やっと出てきた……」

 

マンションを出てすぐ、魔王と遭遇した。

だからこのエンカウントの仕方はおかしいってば。

茅場さんが前触れもなく管理者権限奪ってキリト君に丸投げしてるんじゃないの?

これだから『   』の言う通り人生なんてクソゲーなんだよ。

凸凹解決センセーションしてくれよ、いくみちゃん。

そんじゃ答え合わせぇー、いっせーの!

 

八幡「テッテレー、防犯ブザー」

 

陽乃「ツヅキ、彼を車に乗せて」

 

八幡「ねぇ見てこれ、エア防犯ブザーだよ。馬鹿には見えないエア防犯ブザー」

 

景山だかセバスチャンだかハヤテくんだかわからない執事的なおっさんに車に押し込まれる。

ちょっ、放せよ! 掘られちゃいそうで怖いんだよ!

八幡「おさわりまん、この車一一痛い痛い!」

 

陽乃「よし、比企谷くんはわたしが取り押さえてるから早く車出して!」

 

俺が入れられたドアから蓋をするように陽乃さんが入ってくる。

残念だったな、反対側にもドアがあるんだぜ。

チクショウ、ロックされてたんだぜ。

あれよあれよという間に車は発進し、降りられなくなった。

パないのう、パないのう。

 

陽乃「うぅー……女の子の匂いがいっぱいする」

 

八幡「犬ですか?」

 

陽乃「雪乃ちゃんたちと新年になってからずっとえっちしてたんだ? ……このケダモノ」

 

おこなの? おこなの!?

陽乃さんテンション低いっすね、生理ですか?

 

陽乃「あ、アレから色々考えて雪乃ちゃんの家の前でずっと見張ってたんだよ? そしたら、日を跨いでも出てこないし……」

 

八幡「えーっと、そのぉ……」

 

陽乃「腹が立ったから、これからお姉さんがちょ、調教……してあげるっ」

 

何だろう、今のこの人になら勝てそうなんだけど。

ライオンさんも尻尾巻くのやめてリベンジしそう……あ、ライオンは前から勝てたかな?

 

相当おこなのか、それ以降は無言で俺をぺしぺしと叩き続けた陽乃さんだった。

怒ってるみたいだけど超カワイイ何だこの生き物。

陽乃「えっち、すけべ……っ」

 

八幡「は、はぁ……」

 

陽乃「雪乃ちゃんの処女返せ、ばーか!」

 

結局、俺は見知らぬ家に拉致監禁され、3学期直前までそこで過ごすハメになるのだが……これもこれで、別のお話である。

 

 

 

《おまけ》

 

魔王城に到着し、魔王嬢に拘束された。

ダメだ、これは上手くも何ともない。

ベッド、ローション、観葉植物、手錠、カーテン、手錠、窓、蛍光灯、ストーブ、手錠、手錠、手錠……。

 

八幡「ダメだ、手錠しか目に入らない……」

 

陽乃「ひゃっはろー」

 

八幡「……ひゃっはー」

 

陽乃「元気ないね、何か悪いことでもあった?」

 

悪いことがあったかって?

現在進行形ですね、うん。

 

陽乃「さて、尋問を始めるけど……雪乃ちゃんたちと何してたのかな?」

 

八幡「い、いわゆるUNOを……」

 

陽乃「はい、ダウト」

 

ダウトじゃねえよ、UNOだよ。

校長室にありそうな革製の椅子に腰かけた陽乃さんが、ベッドに拘束された俺を見下ろしていた。

仰向けに寝転がっているので、犬が屈服したみたいだ。

 

スーパーのお菓子売り場でも子供がよくこんな体勢だよな。

あっちは断固とした姿勢だけど、ごねたら通る可能性があるからこっちとは違う。

この人相手にごねても何も通らないもん、絶対。

八幡「弁護士を呼んでくれ」

 

陽乃「ま、それもそうなんだけどね。でも弁護士を呼ぼうにも呼べない場合、他人が弁護士を召喚するんだよ? 国選弁護人っていうんだけど」

 

八幡「あ、やっぱいいです。誰も呼ばないで下さい」

 

陽乃「小町ちゃんでも呼んであげよっか?」

 

八幡「それだけはご勘弁を……」

 

携帯の画面に小町の番号を表示させられた。

鬼! 悪魔! 千川ちひろ

 

陽乃「んじゃ、弁護士は誰がいい?」

 

八幡「……いや寧ろ呼ばないで下さい」

 

陽乃「だね」

 

例のごとく、可愛くも裏のある笑顔で何かが決定させられる。

そうだ、この人が攻めに転じたときにはこちらに勝ち目なんてないんだ。

月島さんに過去改変して貰わないと勝てねえよ。

 

陽乃「今日は何月何日かな? かな?」

八幡「えーっと、1月4日?」

 

陽乃「そうだね。新年あけましておめでとう」

 

八幡「これはこれはご丁寧に、おめでとうございます」

 

もういや! 丁寧に話さないで!

ヒッキーのライフはゼロを通り越して絶対零度よ!

 

陽乃「で? 年が明けてからキミは一歩たりとも雪乃ちゃんの家を出てないよね?」

 

八幡「さんてんいちよんいちごおきゅうにい一一」

 

陽乃「小町ちゃん」

 

八幡「はい、泊りがけでした」

 

陽乃「そう、お姉さんの可愛い妹の家に新年からずーっと泊まり込んでた。これがどういうことかわかる?」

 

八幡「……うっ」

 

うん、だよな。

可愛い妹の家に異性が泊まり込むなんてイヤだよな。

俺だって小町の部屋に男が上り込んだら悲しいもん。

小町は(俺のためにも)お嫁になんて行かないだろうけど。

 

陽乃「不純異性交遊」

八幡「し、してま一一」

 

陽乃「ん?」

 

陽乃「……すん」

 

何だよ、してますんって。

肯定とも否定とも取れるじゃないか。

 

陽乃「してたんだよね?」

 

八幡「…………」

 

陽乃「往生際が悪いね、比企谷くんも」

 

八幡「父ちゃんから男は背中で語れって言われてるんで」

 

陽乃「おなか見せてる状態じゃ喋れない、と。ならうつ伏せにしてあげるね」

 

八幡「いや、ちょっと!?」

 

足を持ち上げられ、くるーんとスピンさせられた。

待って、うつ伏せって実は息しづらいんだけど!?

 

陽乃「んしょ……っと」

 

八幡「~~~~~ッ!?」

 

うつ伏せにされた直後、何かが腰の上に跨ってきた。

言うまでもなくそれは陽乃さんだった。

陽乃「どう? 女の子に拘束されて馬乗りになられる気分は?」

 

八幡「な、何度やっても慣れそうにないです……」

 

陽乃「何度も? ……あっ、そっか……雪乃ちゃんも比企谷くんの上に乗ったんだね」

 

つつつーっと、細い指が背中を撫でた。

いやん、女の子みたいな声でちゃったら精神的に傷付いちゃう!

 

八幡「えっと、今のは失言といいますか……」

 

陽乃「ん……だめ」

 

八幡「ダメとかじゃなくて……」

 

陽乃「わたしの雪乃ちゃんでいやらしいことした比企谷くんが……い、いけないんだから」

 

背後から上着を捲り上げられる。

何とも言えない恥ずかしさやむず痒さに、全身が粟立った気がした。

 

陽乃「ねぇ、どんなことしたの?」

 

八幡「言いたくないんですけど。いや、流石にこれ以上教えるのは、ね?」

 

陽乃「教えてくんなきゃ……やだ」

 

甘ったるい声だった。

耳許まで近付いてきた陽乃さんの吐息はヤケに熱くて荒かった。

陽乃「ねぇ、お姉さんとも……しない?」

 

八幡「!?」

 

陽乃「ゆ、雪乃ちゃんが身体を許した相手なら、わたしも大丈夫だと思うから……」

 

八幡「いやいやいや、そんな理由で一一」

 

陽乃「はい、じゃあ脱ぎ脱ぎしましょうねー」

 

すぽんすぽーんと下だけあっさりと脱がされた。

うつ伏せで隠れてる分、恥ずかしさはそこまでなかったのが幸いだっただろう。

しかし陽乃さんは俺の股間に手を伸ばし、おっかなびっくりといった調子で触ってきたのである。

 

陽乃「こ、これが……おちんちんなの?」

 

八幡「……い、いやーん、すけべー」

 

陽乃「思ったより柔らかいね。……あ、けど、うん……えっちな匂いするね」

 

八幡「誰かー! 誰か助けてー!」

 

指先でツンツンとされ、ツンツンした本人はその正体を確かめるかのように残り香を嗅いだ。

この人の爪がギャルみたいに加工されてなくてよかった。

あんなのでツンツンされたら刺さっちゃうもん。

陽乃「さ、触っていい? いいよね?」

 

八幡「お願いします勘弁して下さい……んほう!」

 

陽乃「わー、ぶよぶよだー。けど、こうすれば……んしょ、んしょ」

 

シュッシュッと手でしごかれる。

しかも体勢が尻を差し出したようなうつぶせ状態なので、それも相まって物凄く惨めだった。

懸命に俺のをしごき、勃起させようとする陽乃さん。

 

陽乃「んしょ、んしょ……大きくならないね。あれー?」

 

八幡「いや、その……」

 

陽乃「待って、もうちょっとさせて。大きくなるの見たいから」

 

八幡「ですから……」

 

陽乃「…………。なんで? なんで大きくならないの? 気持ちよくない、の? ……ぐすっ」

 

ほ ら 泣 い た ーーー !!

だから言わんこっちゃない!

こっちはすっからかんになったから解放されたんだから勃つワケがないだろ。

 

陽乃「うぅー……っ」

八幡「もう、止しませんか? ツラいでしょう?」

 

陽乃「ぐすっ……うん」

 

女として傷付いたのか、鼻をすする音が断続的に聞こえてくる。

そうだよね、美人と評されてるんだから勃起されないと傷付くよね。

精子すっからかんでごめんね!

 

陽乃「なんで大きくならなかったの……?」

 

八幡「男には弾数制限がありましてね、多い人でも10回が限界なんだそうです」

 

陽乃「それ以上するとどうなるの?」

 

八幡「テクノブレイクが起こってアホになるか、チンコが擦り切れます」

 

陽乃「ぐすっ……ローション使えばいいのに」

 

八幡「そういう次元の話ではないと言いますか……悟空だってずっとかめはめ波を撃てるワケじゃないでしょう?」

 

陽乃「ピンとこないけど言いたいことだけわかった……と、思う」

 

わかんないの?

世界のドラゴンボールなのに?

 

陽乃「とにかく、もう今日は出来ないんだね?」

 

八幡「そゆことです。なので俺を解放して下さい」

 

くるりと反転して解放を求める、フルチンで。

上半身だけ起こして陽乃さんを改めて見る、フルチンで。

陽乃「明日は?」

 

八幡「寒いんじゃないんですか?」

 

陽乃「明日は大きくなるの?」

 

八幡「タイムマシーンがないとわからないですねー」

 

陽乃「じゃあ、足は解放してあげるから明日また大きくして!」

 

八幡「俺、小町に合格祈願のお守り買ってくって約束したんですけど」

 

陽乃「それはわたしが届けるから、明日大きくしてね」

 

足の拘束だけ外された。

クララよりしっかりとした足取りで立った、フルチンで。

けどチンコは勃たなかった。

 

八幡「手の方も外して欲しいんですけど……」

 

陽乃「このくらいなら大した不自由ないでしょ?」

 

八幡「…………」

 

ここから24時間、よくあるヤンデレ被害者のように俺は手錠と生活することになるらしい。

手錠って普通悪いことした人だけがサレルノニナー。

 

***

 

時は進み、夕飯の時間が近付いていた。

外では不気味にもカラスがギャアギャアと喚いている。

おい、七つの子はどうした。

 

陽乃「アザレアを~咲かせて~♪」

 

一方その頃、陽乃さんといえばお台所でお上品にお料理をしておりました。

ジャージャーと小気味よい音が聞こえてくる。

そういやこの人の料理スキル大丈夫?

ガハマ級だったら明日を迎えられないよ?

 

陽乃「ん、こんな感じかな。晩ごはん出来たよ」

 

八幡「そ、そっすか……」

 

陽乃「心配しなくても大丈夫だよ。変なの入れてないから」

 

そう言ってテーブルに出されたのはハンバーグだった。

何これ子供扱いでもされてるの?

というか手錠されてるから食べづらいんだけど?

 

八幡「あの、食べづらいんですけど……」

陽乃「ん? そうだね。じゃ、あーん」

 

あーんってアナタ、恋人じゃないんだから。

よく見ると配膳されたときに俺の方にナイフやフォークがなかったな。

やめろよ、ドキドキしちゃうだろ。

 

陽乃「お姉さんの厚意を素直に受け取らないとグレードアップしていきます」

 

八幡「……ど、どうなるんでせう?」

 

陽乃「第二段階は口移し」

 

八幡「あ、あーん」

 

陽乃「うん、素直な子は好きだよ。ちなみに第三段階はエッチな漫画に出てくる強制的に口を開けさせる道具だよ」

 

素直に食べたんだから拷問の説明やめて下さい。

というか飛躍の仕方が凄まじいんだけど大丈夫?

大丈夫……だよね?

これ以上はないよね?

 

陽乃さんお手製のハンバーグを頬張った。

うん、意外にも美味い。

陽乃「はい、次」

 

八幡「ちょっと待って下さい、まだ口の中にのごもっひゃどろう!」

 

陽乃「♪」

 

八幡「ま、待って下さもがっ!」

 

陽乃「ふふっ、何だか雪乃ちゃんが家に帰ってきたみたいで楽しいなぁ」

 

ゆ、ゆ、ゆ、ゆっきのーーーん!!

ゆきのん実家でこんな目に遭ってたのか。

そら家から出て一人暮らしもしたくなるわ!

 

陽乃「愛情いっぱいこめて作ったから美味しく食べてね」

 

八幡「(もう無理もう入らないこんなの第二段階の方が絶対マシだって!)」

 

了承もなしに次々とハンバーグが俺の口に押し込められていく。

わんこそばかっ!

 

食事はおよそ数分で終わった。

雪ノ下家の家訓は、早飯も芸の内らしい。

普段からゆったり食べてる雪乃から察するに、よほど落ち着かなかったのだろう。

姉のんマジ酷いわー。

陽乃「美味しかった?」

 

八幡「……味は申し分なかったです」

 

陽乃「ほっほう? つまり味以外に問題があったと言いたいんだね?」

 

ありますねー、メッチャありますねー。

特にこのソースまみれにされた口が不満を訴えてますねー。

監禁したどころか精神的余裕まで奪うとか酷いわー。

マジヒクワー。

 

陽乃「お口ベッタベタだね。……んちゅっ」

 

八幡「!?」

 

陽乃「ほら、動かないで。雪乃ちゃんたちともたくさんしたんだから慣れてるんでしょ?」

 

何の前触れもなく近付いた陽乃さんに口を舐められる。

抵抗しようにも出来ないせいで、美人にprprされても怖いとしか思えない。

 

陽乃「可愛いなぁ。比企谷くん猫みたい」

八幡「猫って構いすぎると嫌いになりますよ」

 

陽乃「お? それは楽しくないかも。けど比企谷くんは本気で人を嫌いにならないタイプっぽいからやめなーい!」

 

ストレス過多で円形脱毛症になったらどうしてくれる。

引きこもりに過度のスキンシップは毒だぞ。

何だかんだでソースは舐め取られたが、その代り陽乃さんのヨダレでベタベタになった。

 

陽乃「あれ? 汗かいてる?」

 

八幡「そっすね。手錠かけられた緊張で冷や汗が凄いです」

 

陽乃「お風呂入る?」

 

八幡「…………。今度は何する気ですか?」

 

陽乃「な、何もしないよ!? し、しつれーだなぁ」

 

怪しい。

そもそもこっちは身動きが取りにくいから何かをされると対応できる保証がない。

なのでいつしか雪乃と初めて会ったときのように威嚇をする。

がるるるるるるるるる。

 

陽乃「んん?」

 

……きゃいん。

 

八幡「あの、風呂に入れてくれるのはありがたいんですけど、これどうするんですか?」

陽乃「服を切ればいいんじゃない?」

 

おかしい、『きる』のイントネーションが違った。

アカメちゃんの『斬る』と『KILL』をかけてるようなアレなのか。

あ、この場合、服がKILLされちゃうんですね、わかります。

 

陽乃「んじゃ、ハサミ持ってくるから座って待ってて」

 

八幡「マジかよ……」

 

***

 

切られた。

本当に切られちゃった。

DOSんの、これ?

 

八幡「こんなんレイプ系のAVでしかやらないと思ってたんですけど……」

 

陽乃「だって比企谷くんの手を自由にしたら流石のわたしでも逃げられちゃうだろうし」

 

八幡「もう逃げないんで刃物使うの遠慮して貰っていいですか? 監禁、拘束と来て刃物ってマジでヤンデレじゃないですか」

 

上半身裸にされ、下も残すはパンツ一枚。

ヒッキー大ピンチ! とか言ってる間にスルッと脱がされた。

この思い切りの良さは何なの。

陽乃「くんくん……変化なしかぁ」

 

八幡「匂いで判断するのやめて貰えません?」

 

陽乃「は、裸見せたら……大きくなる?」

 

八幡「ファッ!?」

 

陽乃「そ、そろそろ回復する頃かなって思って……もうひと押ししたら勃つのかなって」

 

そう言ってリブ編みセーターに手を掛ける陽乃さん。

緊張や羞恥心で上擦った声と赤らんだ顔に思わず胸が高鳴った。

 

陽乃「ど、どうかな? かな?」

 

八幡「……えっとー」

 

陽乃「可能性はあるんだ? ……じゃ、じゃあ脱いじゃおっと」

 

八幡「ファーーー!?」

 

それはそれはイイ脱ぎっぷりだった。

デカいなー、揉んでみたいなー、いっつもぽよぽよ押し付けてて困ってたんだよなー、って思っていた胸がほとんど晒された。

ブラは黒ですか、腹黒ですもんね。

陽乃「お、おっきくなりそう?」

 

八幡「ま、まぁかなり……」

 

陽乃「なってないじゃん……」

 

八幡「いや、じわじわ膨らむんですよ。エッチな映像見た! ボッキーン! じゃないんですって」

 

陽乃「どのくらいかかるの?」

 

八幡「人によりますけど元気なときは5秒くらいで……今は、うん」

 

陽乃「ま、まだ……ダメなんだ?」

 

からしょうがないじゃないですか。

雪乃たちに散々抜かれてんだから回復するまで待って。

けど今陽乃さんのエロい格好見て金玉が精子を猛スピードで作ってるのだけはわかった。

 

陽乃「も、もう1枚脱ぐね……」

 

すとん……と、ブラが床に落ちた。

 

八幡「……え、エロい」

陽乃「そ、そう? ま、雪乃ちゃんに唯一欠けてるモノが揃ってるからね」

 

超強化版雪乃一一主にプロポーション一一こと陽乃さんの裸身に思わず生唾を飲んだ。

全体的に華奢な四肢に対し、圧倒的なボリュームを誇る女性のシンボルがゆっさゆっさと揺れている。

おまけに今は裸なので乳首がハッキリと確認できる。

 

八幡「(ごくっ……)」

 

陽乃「ぁぅ……目が正直すぎるよ。ちょっと怖い」

 

八幡「す、すいません!」

 

陽乃「けどこれなら今夜中に大きくなりそうだね」

 

八幡「……っ」

 

そのまま、陽乃さんに引っ張られる形で風呂に入れられた。

シャワーが適温になる頃には、彼女も裸を晒すことに少しだけ慣れてきたらしく、積極性が増してきた。

 

陽乃「身体洗うけど、おっぱいスポンジとか……興味ある?」

 

髪は洗わないのかよ、と目で訴える。

しかし陽乃さんは既にボディソープをおっぱいに垂らして泡立てていた。

何そのスポンジどこで売ってるの?

陽乃「んしょ、んしょ……あ、やっぱあんま泡立たないね」

 

八幡「そらそうでしょ」

 

陽乃「まいっか。足りなければ足せばいいんだから。はい、腕出して」

 

言われるがままに手を差し出すと、おっぱいに挟まれた。

チンコならまだしも腕をしっかり挟むとかマジかよ、このピーチヴァレー。

 

陽乃「んっ……目、いやらしいよ」

 

八幡「結衣にもされなかったで……」

 

陽乃「そなの? あの子も大きかったと思うんだけど……んっんっ」

 

八幡「アレはアレでまだそこまでやる気がなかったんだとか」

 

ぽよぽよと腕を圧迫するおっぱいは、中途半端に泡立ったボディーソープでぬるぬるだった。

いかん、これは非常に卑猥だ。

どっかのダークネスよりよっぽど股間にくるんじゃなかろうか。

あの漫画凄いよね、左遷とほとんど変わらないSQへの左遷でむしろ毎月話題になってるんだから。

そしてデルタだかシータだかわかんない漫画もおっぱいおっぱいだぜ。

何それ、磁石の戦士?

陽乃「はい、腕おしまい。次どこ洗おうか?」

 

八幡「あー、どこでも」

 

陽乃「じゃ、脚にしよっか。……って、わっ!」

 

シェフのお任せランチ並みにお任せして脚を洗うことにした陽乃さんが乙女のような可愛らしい声を洩らす。

そりゃそうだよね、目の前でおちんちんぷらんぷらんしてんだもん。

経験なかったら慌てたり変なリアクション取ってもおかしくないもんね。

 

陽乃「うぅ~……ほら、脚上げて」

 

八幡「朱くなってますね。どうかしましたか?」

 

陽乃「……わ、わかってるクセに」

 

やだもうこの人、おもしろ可愛い。

いつもの腹黒さどこいったんだよ。

試しに脚を洗う陽乃さんの頭上でぷらんぷらんさせてみる。

陽乃「~~~~~っ……」

 

かんわいいいい!!

にゃにゃめにゃにゃじゅうにゃにゃどのにゃらびのアレかよ。

あ、アレはドヤ顔でやってるからちょっと違うか。

尚も揺らしていると、流石に怒ったのか顔を赤くしながら無言で見上げてきた。

 

陽乃「…………」

 

八幡「何です?」

 

陽乃「い、EDと変わらない状況で勝ち誇らないで……っ」

 

八幡「いやいや、俺ただ脚がくすぐったいだけなんですけど」

 

陽乃「おち……んちん、揺らしてるクセに……」

 

八幡「え? 何だって?」

 

陽乃「~~~ッ……もう!」

 

やった、今度は効いた!

いろはには効かなかったけど小鷹くんの得意技成功したぜ!

 

うんせうんせよいしょよいしょと脚を洗いながら、頭上のチンコを気にする陽乃さん。

ヤバいこれ楽しい、ハマっちゃう。

陽乃「お、終わったよ……。次は……上半身やるね」

 

八幡「はい、よろしくお願いします」

 

キスをするかのように、陽乃さんの全身がぬるっと押し付けられる。

ボディーソープと女体の感触と陽乃さんの羞恥に染まった顔に、いい加減息子が反応しようとしていた。

ファウードで死にかけた清麿みたいだな。

新技引っさげて戻ってくるとかカッコよすぎるだろ。

 

陽乃「あ、これ……いいかも」

 

八幡「俺も何だかんだで悪くないと思ってます」

 

陽乃「チューとか、しちゃう?」

 

八幡「いいですよ」

 

陽乃「むぅ……余裕なトコ、むかつく」

 

とか言いつつ、そっと唇を寄せる。

彼女の甘ったるい吐息が口いっぱいに広がった。

 

陽乃「んちゅ……んっ……あむ、ん……」

カチカチと歯がぶつかり合う。

その度に陽乃さんはボンゴレのアサリで砂利を噛んだような苦々しい顔をし、加減を覚えていく。

やがてはあの3人の中で最もエロいキスを覚えた結衣よりも上手くなっていた。

ビッチ度で負けるなんて情けないぞ、元処女ビッチ。

 

陽乃「ふあっ……あん、んん……ひきが、や……くぅん……」

 

あ、イカンこれはヤバい。

陽乃さんの猛烈な攻めに、ついに股間が目覚めた。

しこたま発射させられたにも拘わらず、それはあと1回だけ戦えると言わんばかりに堅く大きく勃起した。

 

陽乃「ん、なに? ……あ、やった、大きくなった」

 

八幡「みたいっすね。けど多分1回きりなんで下手に射精させようとしないで下さい」

 

陽乃「もう、わがままだなぁ」

 

愛おしそうにペニスを撫でる陽乃さん。

全身がぬるぬるなせいか、今なら前戯をしなくても挿入できそうだ。

 

陽乃「ねぇ、比企谷くん……」

 

ジッと、欲しがるような目で見つめられた。

あの、初めてなんですよね?

 

陽乃「やれるの……1回だけ?」

八幡「そっすね」

 

何だそれは、何試合もやれるっていうのか。

答えた俺の太ももに股間を当て、勝手にオナニーを始める陽乃さん。

まさかここでヤるつもりじゃ……?

 

陽乃「ふう……んっ、あん……んん……」

 

八幡「は、陽乃さん……?」

 

陽乃「んぅ……っ……なぁに?」

 

八幡「人の勃起見たあといきなりタワシ洗いとかやめて貰えません?」

 

陽乃「……むり。んはっ……ぁ……今すぐにでも、あん……したい」

 

腰がクイクイッと卑猥に動き、鼻先から可愛らしい声を洩らす。

こちらもこちらで準備万端なので、相手が初めてでなければ挿入していただろう。

 

陽乃「……ねぇ、しよ?」

 

潤んだ目でセックスしましょうってズルくないですか?

しかもここゴム置いてないからナマですよ?

孕んじゃってもいいかな? いいともー! ……じゃねぇよ!

八幡「いやほら、避妊とか……」

 

陽乃「いらないよ、そんなの。ばっちり危険日だから」

 

よ く な ーーー い!

高2で年上のお姉さん一一しかも県議会議員の娘一一を孕ませるとか人生詰む!

小学生向けの詰将棋より簡単に詰まれちゃう!

けど孕ませるとか興奮しちゃう、ビクンビクン。

 

陽乃「ふへへ……興奮したでしょ」

 

八幡「けどですね……」

 

陽乃「こーんな美人なお姉さんの初めてどころか中出しまで出来るのに?」

 

八幡「…………」

 

陽乃「いや、かな?」

 

八幡「…………」

 

やらせて頂きます。

 

石鹸類が置いてある鏡に向かい合うように手をつかせ、あそこをまじまじと見せる体勢を取らせた。

いわゆる立ちバックである。

つーっと指を滑らすと、ボディーソープではないぬるぬるした液体が指にまとわりついた。

陽乃「んひゃっ!?」

 

八幡「しっかり濡れてますね。経験でわかる」

 

陽乃「ほ、ほとんど経験ないクセに……って、濃密な経験してるのか」

 

獄寺くんのマネは無視されちゃった☆

今から(性的に)果てる俺がマネするのがおかしかったからかな?

うん、そうだね。

 

八幡「俺も我慢出来ないんで挿れますね」

 

陽乃「や、優しくしてね?」

 

八幡「こういうときでも手錠外してくれない陽乃さんに言われたくないです」

 

陽乃「ぶぅー、だってぇ……」

 

入り口に愚息を宛がい、彼女の腰を掴む。

後ろから見てもわかる超高校級のおっぱいにのどを鳴らしながら、ゆっくりと押し入っていく。

陽乃「ぁ……ん、~~~~~っ」

 

八幡「まだ亀頭だけですよ」

 

陽乃「そう、なの……? まだ痛くないけど怖いから……んっ」

 

おーおー、怖がっちゃって。

可愛いけど流石に可哀想だな。

律ちゃんが共有スペースで本読むアレも別な意味で可哀想だったけど同じぼっちだから親近感しか湧かないな、うん。

 

八幡「ん、この感触……」

 

陽乃「……あ、ここから苦しい。ねぇ、ここ?」

 

八幡「っぽいですね」

 

薄皮より厚い壁が侵入を拒んでいた。

陽乃さんも自分の身体なのでそれをほぼ本能的に把握したらしい。

 

八幡「いきますよ」

 

陽乃「……う、うん」

 

ぶちぶちと、何度経験しても慣れない痛々しい感覚が伝わってくる。

男に生まれなかったら誰かにコレされちゃうのか。

小町なら優しくしてくれそう。

やがて全部入ると、陽乃さんが大きく呻いた。

陽乃「んんんんんっ! ……いったぁ」

 

八幡「でしょうね。けど全部埋まりましたよ」

 

陽乃「そ、そっか……えへへ、ちょっと遅いけど大人の女になったってことかぁ」

 

腹部をさすり、あいたたた、と苦笑いする陽乃さん。

それからたっぷり間を持たせ、腰を差し出すように押し付けてきた。

 

陽乃「う、動いて……いいよ」

 

八幡「いいんすか? まだ痛いでしょう?」

 

陽乃「あ、もちろんゆっくりだよ? マシンバイブみたいにされたら痛みで死んじゃうから!」

 

何でそういう知識があるんですかねぇ?

ってかあんな高速で腰が動くワケねぇよ。

背骨折れるって。

 

八幡「じゃあ、ゆっくり……」

 

陽乃「ん……~~~~~っ」

 

膣肉が引きずり出される感覚に、陽乃さんは声のない悲鳴を洩らした。

しかし数回往復したところで彼女に変化が見られた。

陽乃「あ、ん……イタ気持ちいい?」

 

八幡「順応はやっ」

 

陽乃「なんだろ……ひりひりするけど、たまにジンジンするっていうか……」

 

しかも感覚派かよ。

流石は全能を地で行くだけはある。

あらゆる面で有能な雪乃を強化した存在になるとセックスまで順応するのか。

神様って不公平。

 

陽乃「んっんっんっ……もうちょっとペース上げていいかな」

 

八幡「このくらいですか?」

 

陽乃「あ、きもちい……けどまだ大丈夫っぽい」

 

八幡「マジかよ……」

 

陽乃「~~~ッ……比企谷くん、わたしまだいけそう」

 

すいません、これ以上はラストスパート級の速度になるんですが。

 

八幡「あの、これ以上っていつ射精してもおかしくないんですけど……」

陽乃「んっあっ……あはっ、いい、よ? 奥にびゅーって出して……あんっ」

 

だから嫌なんだってば、人生詰むんだってば。

アルコバレーノが死ぬ気弾脳天に撃ち込んでくれない人生なんだもん!

……と思いつつも、もう射精寸前なのも確かだった。

 

陽乃「んっ……ぁ……~~~ッ」

 

八幡「ちょ、勝手に腰振らないで」

 

陽乃「ふふっ……やだ」

 

そう言って、陽乃さんは俺をお尻で押して壁際まで押しやる。

何だよ、競女!!!!!!!!かよ。

揉み払い師はどこ行ったんだよ。

 

陽乃「だから……出していいのに……あっあっあっ……ん」

 

八幡「出しちゃダメだ出しちゃダメだ出しちゃダメだ」

 

陽乃「あ……んっ……んんんんんっ!」

 

手錠のせいで上手く抵抗が出来ない。

何で手錠ってこんな迷惑な構造してるんだって思ったけどそういう目的だったね、てへぺろ

尚も陽乃さんは貪欲に腰を振り、押し付け、やがては訪れる射精の瞬間を今か今かと待ちわびていた。

対する俺ももうあまり持たない上に、この状況を脱しようにも難しい。

陽乃「んっんっ……ね、つくろ?」

 

八幡「!?」

 

陽乃「わたしの子宮にびゅーって射精して……赤ちゃん、作ろうよ……んんっ、あっ……はあ……はあ……」

 

八幡「~~~~~っ」

 

陽乃「あ、おっきくなった……比企谷くんのおちんちん、わたしの中でおっきくなったよ」

 

こんなキレイな人に妊娠させてとせがまれて応えない男がいるだろうか。

例え状況だけなら逆レイプと変わりなくても、いっそ孕ませてやりたいとも……。

 

八幡「あ、くっ……!」

 

陽乃「あ、出るの? ……出ちゃう、の? んうぅ……お姉さん妊娠させちゃう汁……出しちゃうの?」

 

八幡「もう、我慢できな……っ」

 

陽乃「!? あ、あっ……ああああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

びゅるびゅるっと、とても1回分とは思えない量の精が陽乃さんの膣内に吐き出される。

 

陽乃「ん……あっついぃ」

八幡「はあ……はあ……」

 

あまりの快感に腰が溶けてなくなりそうになる。

対する陽乃さんも精液を子宮で受け止める快感に痙攣し、膣もうねって最後の一滴まで搾り取ろうとしている。

 

陽乃「ん、凄いんだね……クセになりそう」

 

八幡「なるにしても避妊をお願いします……」

 

未だ痙攣する身体を俺に預けるように抱き付き、甘い声で感想を述べた。

流石にもうこれ以上の勃起はできそうにないがそれでも刺激的なことには変わらない。

最後に陽乃さんは俺のペニスの竿に当たる部位に上品にキスをした。

 

陽乃「お疲れ様」

 

八幡「……それは俺に言いましょう」

 

陽乃「ふふっ、そだね」

 

八幡「じゃ、この手錠を外し一一」

 

陽乃「冬休み終るまで毎日しようね、八幡くんっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「雪ノ下や由比ヶ浜で抜いてしまった罪悪感で気まずい」

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