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雪乃「比企谷君。今のあなたは……『偽物』にしか…見えないわ…」【俺ガイルss/アニメss】

 

雪ノ下「別れましょう」

 

八幡「は?」

 

雪ノ下「この一カ月、とても楽しかったわ」

 

八幡「楽しかったって…だ、だったら別れる必要ないだろ!?」

 

雪ノ下「比企谷君…私はあなたの『本物』になれたかしら?」

 

八幡「……どういう意味だよ」

 

雪ノ下「私と一緒に居る時、あなたが何を考えてるか当ててみましょうか?」

 

八幡「ちょ、ちょっと待て雪ノ下!お前、あまりに脈絡がなさすぎるぞ…?」

 

雪ノ下「……由比ヶ浜さんのことを考えているのでしょう?」

 

八幡「ッ!?」ビクッ

 

雪ノ下「やっぱり…そう…なのね」

 

八幡「……雪ノ下…俺は…」

 

雪ノ下「ごめんなさい比企谷君。今のあなたは……『偽物』にしか…見えないわ…」

 

八幡「…待ってくれ雪ノ下!俺は本当にお前のことが…!」

 

雪ノ下「比企谷君、私も…『本物』が欲しいのよ。『偽物』のあなたとは、もう…付き合えないわ」

 

八幡「か、勝手なこと言うなよ!?さっきから聞いてりゃ言いたい放題言いやがって!お前に俺の何がわかるんd」

 

パンッ!

 

八幡「痛ッ…!な、何しやがr」

 

雪ノ下「私にだって…あなたが本当は誰が好きかくらいわかるわよ!?」

 

八幡「雪ノ下…」

 

雪ノ下「………比企谷君、もう一度聞くわ。…私は、あなたの『本物』になれたかしら?」

 

八幡「……」

 

雪ノ下「何も答えてくれないのね…。さよなら、比企谷君。…叩いたりして、ごめんなさい…」タタッ

 

八幡「……畜生…。いってぇな…」ズキズキ

 

 

八幡の家

 

八幡「……ただいま」

 

小町「あ、おかえりお兄ちゃん!って…どうしたのそのほっぺ!?」

 

八幡「……ちょっとな」

 

小町「今日は雪ノ下さんとデートだった筈だよね?何か…あったの?」

 

八幡「振られた」

 

小町「へ?」

 

八幡「だから!……振られたんだよ」

 

小町「お兄ちゃん…また由比ヶ浜さんのこと考えてたんでしょ?」

 

八幡「ッ!?…小町まで…なんでそんなことがわかるんだよ!?」

 

小町「だってお兄ちゃん最近ぼーっとしてること多いし、他に選択肢ないし、由比ヶ浜さんって名前出した瞬間そんな顔するんだもん。そりゃ誰だってわかるよ」

 

八幡「……」

 

小町「あと、女の勘」

 

八幡「なんでもお見通しかよ…」

 

小町「それで?見透かされて、別れを切り出されたってわけ?」

 

八幡「まぁ、そういうことだ」

 

小町「お兄ちゃんは雪ノ下さんに何も言い返さなかったの?」

 

八幡「言い返そうとしたけど…このザマだ」ズキズキ

 

小町「あちゃ~…それでビンタされたと」

 

八幡「…そういうことだ」

 

小町「お兄ちゃんは由比ヶ浜さんのことが好きなの?」

 

八幡「そうだな…。雪ノ下と付き合う前より、存在が大きくなったのは確かだな…」

 

小町「ふむふむ…具体的には?」

 

八幡「教室であいつの声が聞こえると、つい耳を澄ませちまうし…動きを目で追っちまったり…」

 

小町「お兄ちゃん…それはさすがにキモい」

 

八幡「だ、だってよ…雪ノ下と付き合ってから、あいつ…奉仕部にも顔出さなくなったし…だから…つい…」

 

小町「あのね、お兄ちゃん。どれだけ取り繕ってもお兄ちゃんがクズなことには変わりないんだよ?」

 

八幡「うぐっ…はい。…すみませんでした」

 

小町「でも、こんな一方的な振られ方しても雪ノ下さんの悪口を一言も言わないのは偉いと思うけどね。あ!今の小町的にポイント高い☆」

 

八幡「俺が…全部悪いわけだからな…。悪口なんて口が裂けても言えねぇよ」

 

小町「ほっぺ叩かれても?相当痛そうだけど…」

 

八幡「あぁ…。いてぇよ。痛くて…泣きそうだ…」グスッ

 

小町「泣くほど痛いってことは、きっとそれが『本物』だからじゃないの?」

 

八幡「小町…『本物』ってやつは…いてぇなぁ…畜生…」グスンッ

 

小町「お兄ちゃん…」

 

八幡「畜生…畜生…」グスングスン

 

小町「あーもう…そんなに泣かないの。しっかりしてお兄ちゃん!!それで、これからどうするの?」

 

八幡「どうするって言われても…」

 

小町「雪ノ下さんに謝って許してもらう?」

 

八幡「それは…もう無理だろう。あいつに「私はあなたの『本物』になれたか」って聞かれた時に、俺は答えてやれなかった…」

 

小町「…どうして?お兄ちゃんにとって雪ノ下さんは『本物』だったことには違いないでしょ?」

 

八幡「雪ノ下は俺にとって間違いなく『本物』だった。でも…由比ヶ浜への気持ちも、やっぱり『本物』なんだよ。そして、今はそっちの思いのほうが強くて…だから、何も言ってやれなかった…」

 

小町「お兄ちゃんはクズのくせに、潔癖症だからなぁ…」

 

八幡「う、うるせぇな!俺だって、自分がどれほどクズかなんて…わかってんだよ…」

 

小町「でもきっと『本物』を手に入れる為にはクズになるしかないんだよ…」

 

八幡「小町…」

 

小町「とにかく、こうなったらアタックあるのみだよお兄ちゃん!」

 

八幡「ア、アタックって…由比ヶ浜にか?」

 

小町「そうするほかないでしょ。むしろそうしないと雪ノ下さんだって納得しないだろうし」

 

八幡「振られてすぐ他の奴にって…そんなことできるわけ…」

 

小町「お兄ちゃんはクズなんだよ!?だったらクズになりきりなさいよ!!」

 

八幡「た、頼むからクズクズ言わないでくれ…」

 

小町「何度でも言うよ!だって、付き合ってる人が居るのに他の人が気になって仕方ないんでしょう?そんなの、クズ中のクズに決まってるじゃない!!」

 

八幡「……返す言葉もございません」

 

小町「お兄ちゃんが今日のことで傷ついてるのはよくわかるし、痛い思いをしてるのだって小町はちゃんとわかってる。でも、だからこそ、由比ヶ浜さんに思いを告げるべきだと思うよ?」

 

八幡「小町…」

 

小町「そうしないと…ちゃんと結論を出さないと…いつまでも引きずることになるよ?」

 

八幡「お前の…いう通りだな…。情けない兄ちゃんでごめんな…」

 

小町「情けなくたって、お兄ちゃんは小町のお兄ちゃんだよ。あっ!今の小町的にポイント高い☆」

 

八幡「……明日、由比ヶ浜と話してみる」

 

小町「うん!頑張って!お兄ちゃん!」

 

 

その夜

 

八幡(とりあえず、由比ヶ浜に連絡しとかないとな…)

 

ピッ

 

八幡「もしもし…比企谷だけど…」

 

由比ヶ浜「……どうしたの?」

 

八幡「明日、ちょっと話があんだけど…」

 

由比ヶ浜「……もしかして、ゆきのんのこと?」

 

八幡「いや、違う。雪ノ下とは…その…別れたんだ」

 

由比ヶ浜「へ?…ちょっ!?ヒッキー!それどういうこと!?」

 

八幡「とにかく、明日放課後、部室で待ってるから…それじゃあな」

 

由比ヶ浜「ちょっとヒッキー!?ちゃんと説明しt」

 

ピッ

 

八幡(とりあえず…これで来てくれるだろう。小町の言う通り、結果はどうあれ…言うことは言っておかないと、どうにもならないからな…)

 

プルルルル!プルルルル!プルルルル!

 

八幡「!?」ビクッ

 

プルルルル!プルルルル!プルルルル!

 

八幡(は、陽乃さんから着信…だと?)ゴクリ

 

ピッ

 

八幡「はい…もしもし…?」

 

陽乃「もしもし比企谷君?お姉さん、ちょ~っと比企谷君に聞きたいことあるんだけど?」

 

八幡「」

(終わった…)

 

陽乃「あのね、今日久しぶりに雪乃ちゃんの家に行ってみたんだけどさ~」

 

八幡「はい…」

 

陽乃「呼び鈴鳴らしたら、インターフォンから鼻声の雪乃ちゃんの声が聞こえてきたの」

 

八幡「」

 

陽乃「最初は風邪ぎみなのかな~って思ったんだけど、どうも様子がおかしいから合鍵で鍵を開けて中に入ってみたのよ」

 

八幡「あ、合鍵持ってるんすか…」

 

陽乃「比企谷君、少し黙っててね☆」

 

八幡「」

 

陽乃「それで、中に入ってみたらびっくり!雪乃ちゃんが目を腫らしてえんえん泣いてたのよ!」

 

八幡「」

 

陽乃「それでピーンと来たのよ。これは比企谷君と何かあったなと」

 

八幡「」

 

陽乃「比企谷君?黙ってちゃ、お姉さんわからないんだけど?」

 

八幡「あなたが黙ってろって言ったんじゃないですか…」

 

陽乃「あら?お姉さんに口答えするつもり?」

 

八幡「い、いえ!そのようなことは決して…」

 

陽乃「それじゃあ、説明してちょうだい。雪乃ちゃんに聞いても『何でもない』の一点張りなのよ」

 

八幡「実は…かくかくしかじかで…」

 

陽乃「ふむふむ…なるほどね。事情はわかったわ。比企谷君…雪乃ちゃんを泣かせて、ただで済むと思わないことね?」

 

八幡「も、申し訳ありませんでした!!」

 

陽乃「それなりの報いは受けて貰うから、覚悟しといてね☆それじゃあね~」

 

プツッ…ツーツーツーツー…

 

ピッ

 

八幡(えらいことになった…幸先が悪いにも程があるだろ…)

 

八幡「……寝よう。どのみち…覚悟を決めるしかない訳だしな…」

 

 

翌日

 

奉仕部

 

シーン…

 

八幡(やっぱり…雪ノ下は来ないか)

 

八幡「昨日の今日だしな…。当然と言えば、当然か…」シュン

 

ガラッ

 

由比ヶ浜「ヒッキー!昨日の話、どういうこと!?」

 

八幡「由比ヶ浜…来てくれたか…」

 

由比ヶ浜「ヒッキー!ゆきのんと別れたって、どういうことなの!?」

 

八幡「昨日、俺は雪ノ下に振られた」

 

由比ヶ浜「ふ、振られたって…どうして…?」

 

八幡「俺が…雪ノ下にとって『偽物』だったからだ」

 

由比ヶ浜「どういうことなの…?」

 

八幡「雪ノ下と付き合っていながら…由比ヶ浜…俺はお前のことばかり考えていたんだ…」

 

由比ヶ浜「……へ?」

 

八幡「雪ノ下と付き合ってから、お前の存在が俺の中で日に日に大きくなっていった。それを、雪ノ下に気づかれてしまって…だから、別れを告げられた」

 

由比ヶ浜「そ、それって…」

 

八幡「単刀直入に言う。俺は…由比ヶ浜のことが好きだ。今日はそれを伝えたくてお前を呼んだんだ」

 

由比ヶ浜「!?」

 

由比ヶ浜「ヒ、ヒッキー…?自分が何を言ってるか、わかってるの?」

 

八幡「雪ノ下には本当に悪いと思ってる。だけど、俺は由比ヶ浜のことが…」

 

由比ヶ浜「じゃあ、どうして初めから私を選んでくれなかったの!?」

 

八幡「由比ヶ浜…」

 

由比ヶ浜「ゆきのんに振られたからって私に乗り換えるなんて…ヒッキーがそんな人だとは思わなかった!!」

 

八幡「ち、違うんだ!由比ヶ浜!!さっきも言ったように、俺はお前のこt」

 

パンッ!

 

八幡「ぐっ…痛ッ…由比ヶ浜…」

 

由比ヶ浜「ヒッキーなんてもう知らないっ!!最低だよ!!」タタッ

 

八幡「あぁ…俺は…最低だ…」ズキズキ

 

 

帰り道

 

八幡(畜生…いてぇなぁ…痛くて…痛くて…痛い)

 

八幡「最低か…ははっ…だよな…そりゃ…そうだよな…俺だって…こんなクズ…見たことねぇよ…」

 

八幡「ぐすっ…ごめんな…雪ノ下…ごめんな…由比ヶ浜…ぐすっ…」グスングスン

 

パッパーッ!

 

八幡「!?」ビクッ

 

陽乃「なぁにしてんの?比企谷くん。そんなとこに突っ立ってるとまた轢かれちゃうよ?」

 

八幡「は、陽乃さん…?」グスッ

 

陽乃「比企谷…泣いてるの?とりあえず送ってあげるから、クルマに乗りなさいな!」

 

八幡「え…でも…」

 

陽乃「良いから!ほらっ早く!」グイッ

 

バタンッ!

 

八幡「あの…陽乃さん…」

 

陽乃「ん?」

 

八幡「妹さんの件…本当にすみませんでした」

 

陽乃「そのことならもういいわ。比企谷君はもう報いを受けたみたいだしね…」クスッ

 

八幡「……あなたの言う通り、当然の報いだと思ってます…」

 

陽乃「酷い顔しちゃって…。誰にビンタされたか、当ててみようか?……由比ヶ浜ちゃんでしょ?」

 

八幡「……当たりです」

 

陽乃「それで、どう?…罪悪感は少しはマシになった?」

 

八幡「ッ!?」

 

陽乃「雪乃ちゃんへの償いの為に、由比ヶ浜ちゃんに殴られたんでしょ?」

 

八幡「俺は…そんなつもりは…」

 

陽乃「ねぇ…比企谷君。『本物』の恋は痛くて、辛くて、怖いでしょう?…だからきっと、みんな『本物』なんて望んだりしないんだろうねぇ…」

 

八幡「……」

 

陽乃「それでどうするの?諦めちゃうの?」

 

八幡「あきら…める?」ピクッ

 

陽乃「たった一度や二度振られたくらいで、君は『本物』を諦めるの?」

 

八幡「それは…」

 

陽乃「比企谷君はその程度の男なの?」

 

八幡「あ、諦めませんよ!!必ず…必ず『本物』をこの手に掴んでみせますよ!!」

 

陽乃「それでこそ男の子だ!会ったばかりの死んだ魚の目をした比企谷君もお姉さんは嫌いじゃなかったけど、今の比企谷君も私は好きよ?」

 

八幡「か、からかわないで下さい…。でも…良いんすか?俺が今好きなのは…その…雪ノ下じゃなくって…」

 

陽乃「あら比企谷君。うちの雪乃ちゃんをあまり舐めないでちょうだい?あの子は逆境になればなるほど、強くなるんだから!!挫折を与えてくれたって点は、比企谷君に感謝しなくちゃね♪」

 

八幡「…今度は一体、何を企んでいるんですか?」

 

陽乃「企むだなんてとんでもない!全ては雪乃ちゃんの為よ?」

 

八幡の家の前

 

陽乃「はーい到着!」

 

八幡「あの…今日はその…ありがとうございました…」

 

陽乃「気にしなーい気にしなーい!それより、しっかりやりなさいよ?…大丈夫。由比ヶ浜ちゃんみたいな子はきっと押しに弱いから!あ、もちろん、相手が比企谷君に限っての話ね☆」

 

八幡「うす…が、頑張ります」

 

バタンッ!

 

陽乃「比企谷君も…まだまだ若いなぁ…。よーし!さっそく雪乃ちゃんに報告しよっと♪」

 

ピッ

 

 

次の日

 

放課後

 

八幡(よし!駄目元で今日も由比ヶ浜を部活に誘ってみよう…って、あれ?あいつ…どこ行った?)キョロキョロ

 

八幡「直帰しちまったのかな…。まぁ、警戒されるのも当然か…」シュン

 

八幡(帰ってもやることないしな…。とりあえず部室でこれからのことを考えてみるか…)

 

 

部室前

 

平塚先生「よぅ比企谷。遅かったな」

 

八幡「平塚先生…?部室の前で何してるんすか?」

 

平塚先生「青春に…耳を傾けていたのだ」ニヤッ

 

八幡「は?」キョトン

 

平塚先生「ほら、部室の中から声が聞こえるだろう?」

 

八幡「誰か…居るんすか?」

 

平塚先生「君の耳で聞いてみたまえよ」グイッ

 

八幡「へ?ちょっ…何するんすか!?」

 

由比ヶ浜さん。昨日姉さんから聞いたのだけど…なぜ比企谷君の告白を断ったりしたの?』

 

『だ、だって…ゆきのんに悪いし…』

 

八幡「!?…せ、先生!これって…」

 

平塚先生「シッ!黙って聞きたまえ」

 

『私に悪いですって?馬鹿にしないでちょうだい由比ヶ浜さん。私はそんな同情をしてもらいたくて彼を振ったわけではないわ』

 

『ど、同情なんて…そんなつもりは…』

 

『じゃあ私を理由に断ったりしないでちょうだい。あなたの本心で答えてあげるべきよ!』

 

 

平塚先生「ふっ…ようやくぶつかり合えたようだな。比企谷、人の心というものは本質的には醜いものだ。その醜い部分を晒し合える相手こそ、君の呼ぶところの『本物』という存在なのだろう』

 

八幡「醜い部分を晒し合う…?」

 

平塚先生「そうだ。本音をぶつけ合うということは、痛かったり、辛かったりするかもしれん。閉じこもったり、ひき込もったほうが楽な場合も多い。

だが…本音を言い合い、時に傷つき、時に泣くことで、共に楽しんだり、共に笑い合う瞬間の喜びもまたひとしお大きなものとなる」

 

八幡「先生…」

 

『ゆきのんは全然人の気持ちをわかってくれない!!』

 

『じゃあ言ってみなさいよ!!あなたは比企谷君のことをどう思っているのか!?』

 

 

平塚先生「頃合いだな。行きたまえ比企谷。健闘を祈るぞ」

 

ポンッ

 

八幡(これが…最後のチャンスだ…!)

 

ガラッ

 

由比ヶ浜「私はッ!ヒッキーのことが好きっ!!ヒッキーがゆきのんと付き合ってもずっとずっと好きだった!!文句ある!?」

 

雪ノ下「ようやく…本音を話してくれたわね。あら?比企谷君…遅かったわね」

 

由比ヶ浜「!?…ヒ、ヒッキー…?」

 

八幡「……由比ヶ浜。悪いが、全部聞かせて貰ったぞ」

 

由比ヶ浜「あの…これは…その…」

 

八幡「由比ヶ浜、俺もお前が好きだ」

 

由比ヶ浜「ふぇっ!?で、でも…それはだって…ゆきのんに振られたから…」

 

八幡「そうじゃないんだ!雪ノ下と付き合ったからこそ、お前への気持ちに気付けたんだ!!」

 

由比ヶ浜「ヒッキー…」

 

八幡「付き合おう…由比ヶ浜

 

由比ヶ浜「だ、だめだよ…そんな…ゆきのんに悪いし…」

 

八幡「悪いのは全部俺だ。お前は何一つ悪くない。だから、俺の傍にいろ!」

 

ギュッ

 

由比ヶ浜「ふぁっ…ヒ、ヒッキー…」

 

八幡「好きだ…由比ヶ浜

 

由比ヶ浜「わ、私も…好き。…ずっと…ずっと好きだったよ…」

 

八幡「こんな俺を好きになってくれて…ありがとう」

 

由比ヶ浜「バカ…そんなヒッキーだからこそ…私は…」

 

パンパンッ!

 

雪ノ下「はい。そこまで」

 

由比ヶ浜「ふぁっ!?ゆ、ゆきのんゴメン…」

 

雪ノ下「謝らなくて良いのよ?由比ヶ浜さん。今のはお祝いの拍手だから」ニッコリ

 

八幡「拍手って…たった2回の拍手があるかよ…」

 

雪ノ下「黙りなさい比企谷君。あなたと、それから比企谷君には言っておくことがあるから、姿勢を正して耳の穴をかっぽじってよく聞きなさい!!」

 

八幡・由比ヶ浜「「は、はいっ!!」」

 

雪ノ下「今回は私の負けということにしておくけど、私は比企谷君を諦めるつもりはないわ」

 

由比ヶ浜「へ?」

 

八幡「は、はぁ!?そもそもお前が俺を振ったんだろ!?」

 

雪ノ下「別な女にうつつを抜かしてる男なんて、こっちから願い下げよ!!今度は完璧にあなたを私の虜にしてみせるから…そのつもりで首を洗って待ってなさい」ニッコリ

 

八幡「物騒過ぎるだろ…こえーよ…どこのスクールデイズだよ…」ガクガクブルブル

 

雪ノ下「由比ヶ浜さんも、しばらく彼を預けるけど…気を抜いてるとすぐまた返してもらうからそのつもりで」

 

由比ヶ浜「むっ!ぜぇーたい返さないんだから!!ゆきのんこそ、手放したこと後悔しないようにしてよねっ!!」

 

雪ノ下「さて…今日は久しぶりに比企谷君の膝の上に座ろうかしら…」

 

八幡「!?」

 

由比ヶ浜「そ、そんなこと一度もしたことないでしょ!?てゆーか、ゆきのんキャラおかしくない!?ヒ、ヒッキーもなんで準備して待ってんの!?」

 

 

騒がしい彼女達の喧騒の中、俺は思った…

 

 

やはり青春ラブコメはこうあるべきだ。

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

雪ノ下「別れましょう」八幡「は?」

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