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八幡「この部活はそう! きっと俺と君が出会う為にあったんだ!」 雪乃「恥ずかしくないのかしら?///」 【俺ガイルss/アニメss】

 

 人生とは恥の上塗りである。

 

 それは人類が進化を遂げていく過程で、絶対的に必要だった“想像力”の副作用によるものだったのだろう。

 

 他人がいて初めて起こりうる心象「恥ずかしい」。

 

 誰だって他人に笑われたくないし、見損なわれたくないし、なにより嫌われたくない。

 

 だが、生まれつきにそれを感じにくい者がいたとしたら?

 

 私こと比企谷八幡はまさに、中二病とも言うべきそれを手に入れたのだった――。

 

 道路に飛び出した犬。

 

 入学式当日、先天性羞恥心欠乏症の俺は早めに自宅を飛び出していた。

 

 その理由は後で説明する事になるので割愛するが、俺は自宅も飛び出し道路にも飛び出していた。

 

 ――どんっ。

 

 黒塗りの高級車。

 

 一般人なら誰しもが関わりたくない部類の車に轢かれた俺は、朦朧とする意識の中で、医者に言われた言葉を思い出した。

 

『君は他人の感情に疎い。だから、想像力も乏しい。目に見える事、目に見えた事で分かる事に対しては他人より洞察力に優れるかもしれないが、きっといつか他人に迷惑をかけるだろう』

 

 その言葉の真意が分からなかった。人間の多くは目が見える。目が見える事に対して優れた行動ができるなら、何がいけないと言うのだろう。

 

『だからこの言葉を覚えておいてくれ。“君は誰かを救う為に生まれてきたんだ。誰かを貶めるためじゃないんだ”』

 

 さらに分からなくなった。なぜカテゴリー分けする必要があるのだろう。

 

 自分は自分の為に生まれてきたのではないのだろうか。

 

「きみ――、だい――ぶかっ!」

 

 言葉がよく聞こえない。

 

 脳震盪というやつだろうか。初めて体験するそれは、遊園地のアトラクションよりも目まぐるしく景色が動く。

 

 医者の最後の言葉を思い出す。

 

『だから君は、迷惑をかけたらまずこう言うんだ。きっと君を救ってくれる』

 

 ああ、そうだ。それを言わないと。

 

 えっと――、

 

八幡「僕は、君の為に生まれてきたのかもしれ――な、い」ドサッ

 

 そして、意識は途切れ、気づいたら病院の見知らぬ天井だった。

 

 退院した時にはすっかり春も終わっていた。

 

 さらに不運なことに、病院での生活は俺の精神病を悪化させた。

 

 学校とカウンセリングの往来は、“滅多に学校に来ない比企谷八幡”を完成させるのには十分すぎた。

 

 担任の助力と、元々1人で勉強する事が好きだった性格が幸いして、何とか進級する事はできた。

 

 

 季節は春。

 

 ろくにクラスメイトの顔も覚えられぬまま、俺は二年生になった。

 

 ――だが、悪いことばかりではない。

 

 俺の先天性羞恥心欠乏症は、思わぬ方法で対処できる事が分かったのだった。

 

医者「君はどうやら、キザな台詞に対してのみ羞恥心を感じるようだ」

 

八幡「はぁ……?」

 

医者「高校生なんだし、青春を謳歌したまえ」ハハハ

 

 

 比企谷八幡の暴走が、始まる。

 

 

平塚「比企谷、これはなんだ……///」バンッ

 

 放課後、職員室に呼び出された俺は、課題で提出した小論文に難癖をつけられていた。

 

 

 青春とは出会いである。

 

 特に、一年時にもお世話になった平塚静先生との出会いは運命だ。

 

 立場上ロミオとジュリエット並みの高い壁があるのは分かる。

 

 だが、私は諦めないだろう。

 

 平塚静先生と強い絆を得る為なら、太陽に羽ばたくことさえ辞さない。

 

 【以下、二十行ほど平塚先生との出会いの讃美歌】

 

八幡「俺の気持ちですが」ソワソワッ

 

八幡(あ、少し気持ちが浮ついたような気がする)

 

平塚「そそそ、それは本心で言っているのか? ロミジュリとかもうあれだぞ!?」ハァハァ///

 

八幡「た、例えですよ。俺は先生にすごく感謝してるんです。だから、

 

 青春とは平塚静と言っても過言じゃないですね」キリッ

 

平塚「///」プシューッ///

 

八幡「はぁ、ここですか?」

 

平塚「ととと、とにかくだ。君はきちんとした青春をした方が良い」

 

平塚(ダメだぞ静。比企谷には未来がある。いくら自分が売れ残る可能性が高いからって、彼の未来を奪ってはいけにゃい)ガラッ///

 

雪乃「先生、いつもノックをして、と――」

 

八幡「君は……」

 

雪乃「……あ…」カァ///

 

小町『説明しよう! 雪ノ下雪乃は去年の事故の時、自分が“あの台詞”を言われたと思っているのだ!』

 

八幡「なんて美しいんだ」ジッ

 

雪乃「ふぇ……」ビクッ///

 

平塚「は?」ギロッ

 

八幡「その天の川を彷彿とさせる清らかな髪。宇宙の神秘を想起させる瞳。信念がある事が一目で分かる振る舞い。どれも他の追随を許さない」ホメホメ

 

雪乃「あ、あの……ちょっといきなり言われても困るのだけれど…///」モジモジ

 

平塚「比企谷。お前はさっきの論文が嘘だと言うのか?」ガシッ

 

八幡「え、どういうことですか?」ジッ

 

平塚「うっ///」

 

平塚(そうだ。よく考えたら、私達の事はお世話になったとか、絆とかしか書かれていなかった。ここで容姿について問えば、私が自意識過剰みたいになってしまう!!)プルプル

 

平塚「い、いや……何でもない。じゃあ、雪ノ下。比企谷の事を頼んだぞ」

 

雪乃「あ……う…///」ジッ

 

八幡「………?」

 

雪乃(きょ、去年の事を思い出してしまうじゃない!)カァ///

 

雪乃「わ、分かりました。任せてください」

 

平塚(くそっ……これでは私の将来設計が……)ポロポロ

 

八幡(先生泣いてる? 何故だ?)

 

雪乃「………」

 

八幡「………」ジッ

 

雪乃「………」

 

八幡「………」ジーッ

 

雪乃「ま、まずはこの部活が何をする所か当ててもらいましょうか」アセアセ

 

雪乃(そんなに見つめられたら恥ずかしくて倒れそうだわ///)

 

八幡「美しい君を眺めつづける部活……かな?」ジッ

 

雪乃「」フラッ///

 

雪乃「あ、あなたは初対面の人間にそんな浮ついた言葉ばかり言って、恥ずかしくないのかしら?」ファサッ///

 

八幡「ああ、(病気のせいで)恥ずかしくない」

 

雪乃「……ぅ///」

 

八幡「むしろ、君の事を誉めれば誉めるほど、知れば知るほど俺は生きている事を実感できるんだ!(病気のせいで)」

 

雪乃「はうっ///」

 

八幡「だからこの部活はそう! きっと俺と君が出会う為にあったんだ!(特に俺が)(病気を和らげるために)」

 

雪乃「」プシューっ///

 

八幡「違う……か?」

 

雪乃「そ、それでいいわ」ファサ///

 

雪乃(あの後何度見舞いに訪れても面会謝絶だった反動で、彼に対する気持ちが大きくなりすぎてる気がするわ……///)

 

 

翌日。

 

八幡「結局、部活としては何をするんだ?」

 

雪乃「……その前に、言う事はないのかしら?」ポニーテール

 

八幡「言う事……?」

 

雪乃「………」サワサワ

 

八幡「………?」

 

雪乃「……もう良いわ」シュン…

 

八幡「………?」

 

 

小町『説明しよう! 羞恥心を理解できないお兄ちゃんは、相手の誉めて欲しいと言う欲求も理解できないのだ!』

 

 

雪乃「それよりも、部活よね。部活」

 

八幡「君を眺めつづけて良いのなら、そうするけど」ジッ

 

雪乃「だ、ダメよ。ダメ///」プイッ

 

八幡「そうか」シュン…

 

雪乃(可愛い……)

 

雪乃「この部活は奉仕部と言って、簡単に言えば他人の為にある部活よ」

 

八幡「俺が君の為に生まれてきたみたいなものか」

 

雪乃「そ、それはそれとして、少し違うわ……///」

 

八幡「違うのか?」

 

雪乃「私たちはあくまで方法を教えるだけよ。魚の釣り方は教えても、実際に釣るのは――」

 

八幡「君の手を汚さないように、俺が魚をとればいいんだな?」

 

雪乃「た、例え話よ、ばか///」プイッ

 

八幡「ああ、すまん」

 

 

――がらっ。

 

結衣「す、すみませーん……」オドオド

 

雪乃「あなたは……由比ヶ浜結衣さんね?」

 

結衣「あ、うん、雪ノ下さん……だよね」

 

雪乃「奉仕部への依頼かしら?」

 

結衣「うん、そうなんだ……け、ど」チラッ

 

八幡「君は……」

 

結衣「ひひひ、ヒッキーっ///」カァ///

 

雪乃「……?」イヤナヨカン

 

八幡「俺の事を特別な愛称で呼んでくれる大切なクラスメイト。奉仕部に依頼って何の依頼だ?」ギュッ

 

結衣「うっ、うぅ///」プシューっ

 

結衣(休憩ごとに抱きつかれてるけど、全然なれないよぉ……///)

 

雪乃「どどど、どういうことかしら?」プルプル

 

 

結衣「……という訳なんだ」

 

雪乃「先天性羞恥心欠乏症……」

 

雪乃(それで、恥ずかしい台詞を堂々と……)

 

結衣「ヒッキーの所為で、事情の知らない何人の女の子が誤解してる事か」ハァ…

 

雪乃「被害は甚大という訳ね……」

 

結衣「ううん、ヒッキーってば、誰かれ構わず言うし、男の子にも言うからけっこう裏で人気があるんだ」

 

雪乃「そ、そう……(複雑だわ…)」

 

結衣「特にあたしみたいなモテない女子からは人気があるんだ」

 

雪乃「あなたがモテないというのは卑屈すぎるけど、男性に免疫のない人は嬉しいわよね」

 

雪乃(私とか……)

 

結衣「それより、ヒッキーも奉仕部なの?」

 

八幡「ああ、そうだ」コクリ

 

雪乃「依頼は何かしら?」

 

結衣「あ、あのさ……クッキーの作り方、教えて欲しいな……って」モジモジ///

 

雪乃「……(もしかして比企谷君に作るのかしら)」モヤモヤ

 

八幡「女の子らしい由比ヶ浜にぴったりだな。お菓子作りって」ナデナデ

 

結衣「//////」プシューっ///

 

雪乃(ずるいわ由比ヶ浜さんばかり……)モヤモヤ

 

雪乃「分かったわ。じゃあ早速教えるわね」

 

結衣「え、良いの!? 明日でも――」

 

雪乃「善は急げよ」キッパリ

 

結衣「う、うん」

 

雪乃(はやく依頼を解決して、比企谷君と二人きりにならなきゃ)ヨシ

 

八幡「ここはこうやってかき混ぜるんだ」ギュッ

 

結衣「はわっ///」ビクッ///

 

雪乃「」

 

小町『説明しよう! 他人の気持ちが分からないお兄ちゃんは、手作りのお菓子などを配る事で評判を良くするように医者に言われているのだ!』

 

八幡「うん、上手だ。才能あるよ」ニコッ

 

結衣「う、うん……ありがと…」ポーッ///

 

雪乃「………」ガンガンッ

 

八幡「ああ、雪ノ下ダメだよ」ギュッ

 

雪乃「……っ///」キタッ

 

八幡「よく道具は命とか大切にとか言うけど、雪ノ下の肌に傷がつくくらいなら壊れた方が良い」ナデナデ

 

雪乃(死にそうだわ/// 幸せすぎて///)ポーッ

 

結衣「ゆきのんも苦手なの?」

 

雪乃「い、いえ、そんな事はないわ」カチャカチャ

 

八幡「さっきから手際が良すぎて、俺の出る幕がないくらいだ」

 

結衣「さっすがゆきのん!」

 

雪乃「え、ええ、ありがとう」

 

八幡「将来良い奥さんになるよ。本当に」

 

雪乃(頑張ってて良かったーーーーっ!)パァ///

 

結衣(ゆきのんがかつてない笑顔を見せてる)ウンウン

 

結衣「で、できたーっ」

 

雪乃「……あ、あれだけサポートしてもらって…」

 

焦げたクッキー「」プスプス

 

結衣「……うぅ…ごめんなさい…」

 

八幡「………」パクッ

 

結衣「だ、ダメ! 美味しくないよ! ぺっして!」

 

八幡「良かった」ニコッ

 

結衣「えっ!?」

 

雪乃「……?」

 

八幡「美人でスタイルの良い由比ヶ浜が、お菓子作りを一発で完璧にこなしたら、俺には高嶺の花すぎたよ」ナデナデ

 

結衣「そそそ、それってぇ!?」カァ///

 

八幡「誰だって最初は下手だし、ゆっくりやっていこう」ギュッ

 

結衣「」プシューっ///

 

雪乃「………」ウラヤマシイ…

 

 

奉仕部への帰り道、廊下。

 

城廻「あ、雪ノ下さんっ」

 

雪乃「会長」

 

結衣「城廻会長だ! こんにちわ!」

 

城廻「やっはろーで良いのに」ニコッ

 

結衣「えへへ、流石に会長に廊下で言うのはちょっと///」

 

結衣(というよりヒッキーの前では恥ずかしくて――)

 

八幡「いつも俺達の為にありがとうございます」ギュッ

 

城廻「ほわーっ/// どういたしましてだよー///」ポンポン

 

雪乃「………!」マズイ

 

雪乃(天然の城廻会長は比企谷君の暴走を全て受け入れる。比企谷君も先天性羞恥心欠乏症の為に、相手の反応が薄いと足りないモノだとさらに大胆な行動に出る。このままいけば――)

 

八幡「これからも頑張ってください」ホッペチュッ

 

城廻「」プシューっ///

 

結衣「」

 

雪乃「」

 

どこかのラーメン屋。

 

平塚「分かってるんだ。彼が病気なことぐらい」

 

平塚「でも、私だって見た目の割に誰も相手してくれない病気みたいなものだろ」グスッ

 

平塚「だったら、お似合いじゃないか」グビーッ

 

平塚「大将! おがわり!」ドンッ

 

大将「替え玉一丁!」

 

平塚「……こうなったら」ニヤリ

 

こうして、波乱の林間学校は幕を開けるのだった。

 

続く。。。

 

 

夏休み 朝。

 

小町「おにぃちゃん! 山に行こっ♪」

 

八幡「小町とならどこでも行くよ」ナデナデ

 

小町「さすおに!」

 

 

道中

 

平塚「………」イライラ

 

助手席雪乃「………」イライラ

 

八幡「由比ヶ浜、暑くないか? 小町、喉乾いたか?」イチャイチャ

 

結衣「うん、ヒッキーが隣なら大丈夫///」エヘヘ

 

小町「小町お茶飲みたいかも!」

 

八幡「ほら、ゆっくり飲めよ?」クイッ

 

小町「んくんく……」

 

結衣「あ、あたしも喉かわいたか……な?」チラッ

 

平塚雪乃「………」ゴゴゴゴゴゴ

 

結衣「あー、そんなことなかったかもー」アハハ…

 

 

林間学校

 

八幡「……暑いな」

 

結衣「ほ、ほんと!? ヒッキーあおいであげる!」パタパタ

 

八幡「ありがとう。由比ヶ浜の風で癒されるよ」

 

結衣「あ、あははっ///」ブンブン

 

雪乃「……はぁ」フラッ

 

雪乃(何度も後ろを振り返ってたから少し酔ってしまったわ。平塚先生の運転も荒かったし……)

 

八幡「雪ノ下、大丈夫か?」オヒメサマダッコ

 

雪乃「ひゃっ///」

 

八幡「顔色が悪い。中に入って涼もう」タタタ

 

雪乃「え、ええ」ギュッ///

 

平塚「………車停めてくる…」グスン

 

小町「平塚先生……」

 

 

館内

 

雪乃「………」フゥ…

 

雪乃(人生で初めてお姫様だっこされてしまったわ……///)ポーッ

 

八幡「水分もしっかりとれよ」クイ

 

雪乃「え、ええ……///」ンクンク

 

八幡「………」ジーッ

 

雪乃「………?」ンクンク

 

八幡「いや、この状況って、

 

姫と従者みたいだよな」

 

雪乃「………」ダラーッ///

 

八幡「零れてるぞ」ペロッ

 

雪乃「」プシューっ///

 

結衣「ゆきのんずるい……」

 

平塚「はぁ……」バタン

 

平塚(二人だけで林間学校に来る計画は無理があった。だが、何も他の女子に囲まれてる所を見せつける必要はないだろう……)グスン

 

八幡「平塚先生」

 

平塚「ひゃっ/// な、なんだ比企谷! 雪ノ下は大丈夫なのか!?」

 

平塚(来てくれた! 来てくれた!)パァ///

 

八幡「それよりも、先生の体調がすぐれないのかと思って」ピタ

 

平塚「」プシューっ///

 

平塚(で、デコピタだと!?)ハァハァ///

 

八幡「やっぱり少し熱いですね。先生は責任感強いから、体調悪いのに無理したんじゃないですか?」

 

平塚「い、いや、違う! それは違うぞ比企谷!」

 

八幡「………」ジッ

 

平塚「わ、私はただ……その…」モジモジ

 

八幡「でも、今日は本当に楽しみにしてたんです」

 

平塚「何故だ?」

 

八幡「それは――」

 

八幡「夏休みの間、ジュリエットと会えなくなるのは心が張り裂けそうですから」

 

平塚「」ボフンッ///

 

小町「あーあー、本当にお兄ちゃんったら女性専用殺りく兵器さんなんだから★」ジーッ

 

彩加「小町ちゃん? どうしたの?」

 

小町「あ、一学期の間にお兄ちゃんに何度も骨抜きにされた戸塚先輩!」

 

彩加「……お、思い出させないでよ/// 僕、恥ずかしいよ///」エヘヘ

 

小町「ささ、お兄ちゃんはあっちですよ」ドンッ

 

彩加「ほ、ほんとっ!」ニコッ

 

小町(あーあ、完全に八幡病だわこれ)ヤレヤレ

 

八幡「……彩加?」

 

彩加「……はち…まん?」ジッ///

 

八幡「彩加! 俺の彩加! 会いたかったぞ!」ギューッ

 

彩加「えへへ///」ニマニマ

 

小町「普通に可愛いから困る」ハハハ…

 

葉山「やぁ、先についていたんだね」

 

八幡「葉山! 皆も! 無事だったか!?」

 

戸部「そんな船旅じゃないっしょ!」

 

葉山「いちいち大げさなんだよな、比企谷って」アハハ

 

八幡「何言ってんだよ。二人に何かがあったら、俺はどうやって生きていけばいいんだ?」ジッ

 

二人「「……うっ」」ドキッ

 

海老名「き、ききき、きまし――」

 

八幡「海老名! 会いたかった!」ギュッ

 

海老名(違う意味できたーーーーっ///)プッシャーッ

 

三浦(あーしは最後か……)ハァ…

 

八幡「海老名、俺にだけは我慢しなくていいんだからな?」

 

海老名(この人、表面的にしか他人を見えない病気の癖に……いや、だからだろうか。私の秘密を見抜いてしまった……)

 

海老名「あははー、善処します」

 

海老名(報われない恋なんて、したくないよ……)

 

八幡(また微妙な顔になって……。でも、何を考えているか想像もできない……いや、想像できないのは俺の所為か…)

 

三浦「………」ツンツンチラッチラッ///

 

八幡「三浦……」ギュッ

 

三浦(ただ、黙って抱きしめられた!?)カァ///

 

八幡「いつも綺麗でいてくれて、ありがとう」ギューッ

 

三浦「あ、あ、あーし、あし///」パクパク

 

戸部「あー、これチョロあーし様だわ」

 

葉山「少し悔しいけど、仕方ないね」ハハハ

 

小町(ただの比企谷八幡一行かな?)

 

平塚「部屋割だが、比企谷。お前は私と一緒だ」

 

一同「「えーーーっ!!」」ブーッブーッ

 

平塚「勘違いするな。比企谷には病気がある。保護者なしの外泊を禁じられているだけだ。もちろん妹さんも一緒だ」

 

小町「らじゃーです!」

 

八幡「平塚先生の負担になりたくないけど、だからこそ頑張ります」

 

平塚「が、がんばる……///」エヘヘ

 

結衣「あー、先生ってば変なこと妄想してるーーっ!」

 

平塚「し、しとらん! 断じてしとらんぞ!」

 

三浦(まぁ、無理やり部屋に連れ込めば勝てるっしょ///)フフフ

 

海老名(本当は一緒にいたいけど……でもなぁ)ハァ…

 

雪乃(私はあなたと一緒に山に来られただけで幸せよ)フフ

 

彩加(一緒にお風呂に入ることになるのかなぁ……)ドキドキ///

 

小町(あー、これ各々が暴走してますわすでに)アハハ…

 

 

自由時間

 

八幡「さて、何しようか小町」

 

小町「あ、小町は1人でやりたいことがあるので、お兄様は皆さんとごゆっくりー」タタタッ

 

八幡「そうか」

 

八幡「………」ポリポリ

 

八幡(誰も誘ってくれないし、川でも探すか)

 

 

女性陣「「………」」ニラミアイ

 

彩加(ぼ、僕まで睨まれてるっ!?)

 

戸部「当然俺達も誘えないっしょ」

 

葉山「こう言う風に1人になる場合もあるのか……」

 

 

川原。

 

小学生「「さ、いこいこ!」」キャハハ

 

留美「………」

 

八幡「………?」

 

留美「………」プルプル

 

八幡「いけない。涙は美しさを歪めてしまう」ギュッ

 

留美「はぁっ!?」ビクッ

 

八幡「大丈夫か?」ナデナデ

 

留美「ななな、何すんのよ変態!」ドンッ

 

八幡「……ああ、すまん。君があまりにも美しく、儚げだったから」

 

留美「は、はぁ!?」カァ///

 

留美(な、何この人!?)アセアセ

 

留美「ち、近寄らないでよ変態!」

 

八幡「ああ、君がそう望むなら」ヨイショ

 

留美「川原に来たかったの?」

 

八幡「1人でする事がなかったからな」ハハ

 

留美「あなたもボッチなの?」

 

八幡「も?」

 

留美「あたしも……ボッチだから」

 

八幡「それは違うぞ」ギュ

 

留美(あ、この人はそういう人なんだ)///

 

八幡「君には俺がいる」ギューッ

 

留美「う、うん……///」

 

留美「しょ、小学生相手に抱きつくなんて、ロリコンなの?」

 

八幡「ロリコンってなんだ?」

 

留美「小さい子が好きってことよ!」

 

八幡「良く分からない。でも、君は好きだ」

 

留美「なっ///」カァ///

 

小町『説明しよう! 羞恥心のないお兄ちゃんにはコンプレックスというモノがないのだ!』

 

留美「で、出会ったばかりなのに!」

 

八幡「でも、俺より長くいる友達には嫌われてなかったか?(構図的に)」

 

留美「……うん、そうだね」シュン…

 

八幡「だからさ、好きとか嫌いって時間の長さじゃないんじゃね?」

 

留美「そうなのかな……。でも、私の事を知らない人に好きって言われても嬉しくないよ」

 

八幡「違うな、間違っているぞ!」バッ

 

留美「え?」

 

八幡「人を好きになるのは相手の為じゃない。自分の為なんだ!(って、医者が言ってた)」

 

留美「!!」

 

八幡「君はさっきの子達に嫌われてるかもしれない。でも、

 

君はどうなんだ?(病気の俺にはよく分からないから教えてくれ)」

 

留美「!!!!」

 

八幡「………?」

 

留美「わ、わた……私は…」ポロポロ

 

八幡「だから涙は君の美しさを歪める。泣かなくていい世界を作るんだ」ナデナデ

 

留美「う、うん……///」エヘヘ

 

八幡「可愛いな。その笑顔」ホッペチュ

 

留美「」プシューっ///

 

 

カレー作り。

 

八幡「三浦、包丁はこうだ」ギュッ

 

三浦「こ、こう?」スッ///

 

八幡「上手いな。三浦みたいな奥さんが欲しいよ」ナデナデ

 

三浦「ゆ、優美子!」

 

八幡「?」

 

三浦「優美子って呼んで!」

 

八幡「……優美子」ナデナデ

 

三浦「あーしやばいかも……///」ニヘラ

 

海老名「………」トントントンッ

 

海老名(ダメ、感情を出したら比企谷君にばれる……)フーッフーッ

 

海老名「……よし」トントントン

 

八幡「そんなに力が入って、海老名らしくない」ギュッ

 

海老名「\(^o^)/」

 

八幡「一緒にやろう」トントントン

 

海老名(あー、もう良いかなー。人を好きになってもいいかなー)アハハー

 

小町「………」

 

八幡「小町、大丈夫か?」

 

小町「………」

 

八幡「小町?」ナデナデ

 

小町「ひゃっ!?」ビクッ

 

八幡「大丈夫か?」

 

小町「う、うん、大丈夫大丈夫! 何でもないから!」タタタッ

 

八幡「……?」

 

彩加「八幡……あのね…」

 

八幡「彩加?」

 

彩加「皮の剥き方……教えて?」ジッ///

 

海老名「ぶふっ///」ハナヂプシャァ!!

 

八幡「皮、剥けないのか?」

 

彩加「うん、自然に剥けるのかと思ってたけど……」

 

八幡「確かにそういう場合もあるが、皮の厚さとかによるからな」ギュッ

 

彩加「はわわ///」

 

八幡「辛かったな。今まで」ギューッ

 

彩加「そ、そんな事無いよ。えへへ」

 

八幡「自分で剥けるか?」

 

彩加「……八幡に…剥いて欲しいな。 僕の、皮……///」

 

海老名「………死んでも良いかもしれない」ハァハァハァ///

 

戸部(こいつらジャガイモの皮で何をはしゃいでるっしょ……)ドンビキ

 

 

夕食

 

平塚「それじゃあ、皆準備は良いか?」

 

結衣「先生! 小町ちゃんがいないです!」

 

八幡「…………まさか?」

 

平塚「比企谷?」

 

八幡「皆は先に食べててください!」ダッ

 

雪乃「比企谷君!?」

 

八幡「……小町、お前まさかっ!」

 

 

回想

 

『おそらく、彼が感受性に乏しかった分、妹さんが敏感になってしまったのかと』

 

『つまり、娘は何を言われても……』

 

『はい。集団で同時にからかわれているレベルの羞恥心を感じるでしょう』

 

『……くっ、小町……』

 

『大丈夫です。彼女の場合は薬で抑えることができますから』

 

■■■

 

八幡「俺のせい……だよな」

 

八幡(でも、何も感じない)

 

八幡(欠乏症というのは羞恥心の事なんだろ? これは責任感の問題じゃねぇのかよ)

 

八幡(先生……俺は本当に羞恥心が足りないのか?)タタタッ

 

平塚・小町・八幡の部屋

 

八幡「小町!」

 

小町「はわっ///」ビクッ

 

八幡「大丈夫か!?」

 

小町「だだだ、大丈夫大丈夫だから!」アワワ///

 

小町(だ、大好きなお兄ちゃんと一緒の空間にいるだけで、気絶しそうなほど心臓が高鳴っちゃうよぉ///)

 

八幡「お前、まさか薬を……?」

 

小町「う、うん……だって、お兄ちゃんと一緒の旅行で、心を抑えるなんて嫌だもん……」ドキドキ///

 

八幡「そ、そうか。そうか……」ポロポロ

 

小町「えっ!?」

 

小町(うそっ、お兄ちゃんが涙を!?)

 

 

回想

 

『実は八幡君の事なんですが』

 

『羞恥心欠乏症というのは、無理やり名前をつけただけで、本当は……感受性が0に近いような病気なんです』

 

『だから、彼には感動というモノがない。感動する自分を創造する事で、擬似的に感動する事は出来るでしょう』

 

『しかし、身体は反応しない。彼は……身体が生きたまま人としては死んだような……ものなんです』

 

■■■

 

小町「おにい……ちゃん」ハァハァ……///

 

小町(う、嬉しすぎて……心臓が止まりそう…)ギュッ///

 

八幡「さっき玉ねぎ切った後に手を洗うのを忘れてた」ポロポロ

 

小町「ですよね」ハハハ

 

小町(あまりにもの衝撃で、テンション下がって収まっちゃったよお兄ちゃん)フキフキ

 

八幡(あれ……洗ったような気もするな…)ハテ…

 

小町「はー、お腹すいちゃったなぁ」

 

八幡「皆先に食べてるぞ」

 

小町「お兄ちゃんも食べてれば良かったのに」

 

八幡「大切な妹を放っておけるかよ」

 

小町「玉ねぎのくだりがなければなー」チクショー

 

八幡「……?」

 

 

翌日。

 

留美「あ、あの……」

 

八幡「ん?」

 

一同*1

 

留美「私が大きくなった時に、付き合ってもらえませんか!?」カァ///

 

一同「「!!?」」

 

小町「あはは、お兄ちゃんだからね。しょうがないね」

 

八幡「……すまん、それはできない」

 

一同「「!!?」」

 

小町「……なん、だと?」

 

留美「……将来の事だもんね。分からないよね」

 

八幡「………」

 

留美「………っ」タタタッ

 

結衣「ヒッキー、嘘でも付き合ってあげ――」

 

雪乃「由比ヶ浜さん。それはできないのよ」

 

結衣「あ……病気で…」

 

雪乃「羞恥心があったら大きな嘘は吐けない。でも、羞恥心がなかっても大きな嘘は吐けないのよ」

 

海老名(でも、何だか今の断り方って……)

 

八幡「………」ギリッ

 

 

二学期。

 

平塚「文化祭実行委員を選ぼうと思う」

 

一同「八幡! 八幡! 八幡!」

 

八幡「お、俺?」

 

平塚「じゃあ、女子は……」

 

女子一同「………」ピンッ

 

平塚「……はぁ、くじ引きだ」

 

 

結果。

 

相模「頑張ろうね、比企谷」エヘヘ

 

八幡「ああ」ナデナデ

 

女子達「……負けた…」ガクッ

 

 

女子トイレ

 

相模「やった! ウチが比企谷と一緒だ!」

 

相模(比企谷は人気者だから、ウチとあんまり話せないし、これで仲良くなれるかな)ニコニコ

 

女子「はーあ、ねぇ聞いた?」

 

女子「聞いた聞いた。相模でしょ」

 

相模「!」

 

女子「ほんと、やんなっちゃうよね。ああいうタイプ」

 

女子「絶対、比企谷目当てだよ」

 

相模「……っ」カァ///

 

女子「比企谷も病気じゃなかったらあんな奴相手にしねーっつーの」

 

女子「ていうかさー、比企谷の病気って結局何なの?」

 

女子「さぁ? 別に良いんじゃね。あいつ可愛いし」

 

女子「分かる! 黙ってればキモキャラ終わりだったから、ほんとラッキーだよねあいつ」

 

相模(……違う)

 

女子「まぁなんにせよ。相模は目立たず何もできずに終わるっしょ」

 

女子「きゃはは! それそれ!」

 

相模(比企谷は……ラッキーなんかじゃない…)

 

 

過去。

 

病院。

 

相模母「うちの子は病気なんでしょうか?」

 

相模「………」

 

医者「癖になっただけだと思いますよ。今はやってないんでしょう?」

 

相模母「ええ、ハサミを取り上げていますし……」

 

医者「君の髪は綺麗だよ。大丈夫」ニコッ

 

相模「………」ジーッ

 

相模母「………」

 

 

廊下

 

八幡「………」

 

相模(……あの人のおかげで…ウチ……)

 

城廻「誰か実行委員長になるって人いるかな?」

 

一同「………」

 

城廻「あ、雪ノ下さんなんて――」

 

雪乃「………」ニコリ

 

城廻「そ、そっか……」

 

相模「……はい」プルプル

 

一同「……!」ザワッ

 

城廻「あなたは?」

 

相模「相模南です。ウチ……実行委員やろうかな…」

 

城廻「ほんとに! がんばろうね!」

 

女子「んだよあいつ調子に乗って」ボソボソ

 

女子「どうせ比企谷にいいところ見せたいだけっしょ」ボソボソ

 

女子「あーあ、マジ最悪」ボソボソ

 

相模「………」シュン…

 

八幡「………?」

 

 

廊下。

 

相模「ご、ごめんね比企谷。勝手にウチ……」

 

八幡「大丈夫か?」ギュッ

 

相模「……ん、…ちょっとだけダメかも…」グスッ

 

八幡「そうか……」ポンポン

 

相模「比企谷……なんか変わった?」

 

八幡「ん?」

 

相模「一学期の時よりも、何だか落ちついたっていうか……」

 

八幡「そうか…?」

 

相模「……これ以上カッコ良くなったら……ウチ…」

 

八幡「………」

 

 

翌日。

 

相模「……うそ」

 

城廻「女子の大半が……いないね」

 

雪乃「………」ハァ…

 

男子「何か急用で休むそうです!」

 

八幡「………?」

 

城廻「そ、そっか。じゃあ、相模さん始めよっか」

 

相模「は、はい。それでは――」

 

 

とある教室

 

女子「だよねー」アハハ

 

男子「あれ? お前実行委員いかなくていいのか?」

 

女子「はぁ!? あんな奴の所行く訳ねぇじゃん!」

 

男子「あんな奴?」

 

女子「相模だよ!」

 

男子「相模って、髪切り相模か?」

 

女子「何それ!」

 

男子「い、いや……絶対に俺が言ったって言うなよ!」

 

女子「もちもち!」

 

 

翌日 実行委員

 

相模「……あ……あぁ…」プルプル

 

 

【相模南は中学の時に髪切り相模と呼ばれていた!】

 

【授業中にハサミで髪を切る危ない奴!】

 

【実行委員失格!】

 

相模「……う、うち…」

 

城廻「こ、こんなの気にしなくていいよ」ケシケシ

 

女子「やっぱ雪ノ下さんがいいよねー」ボソボソ

 

女子「だよねー」

 

相模「………」チラッ

 

雪乃「………」

 

相模(綺麗な髪……やっぱり綺麗な髪の子は…)グスッ

 

女子「あーあ、泣いちゃったよー」

 

女子「最悪ー」キャハハ

 

八幡「………」ドンッ!!

 

一同「!!」ビクッ

 

八幡「あー、皆は人って文字を知ってるかな?」

 

女子「知ってる知ってるー!」

 

女子「比企谷バカにしすぎ」キャハハ

 

八幡「人って言う字はさ、よくお互いが支え合ってるなんて言うけどさ、実際はこう――」

 

一同「………」

 

八幡「支え合ってないよね」

 

女子「だ、だから?」

 

八幡「俺は病気だから皆の心までは分からない。

 

でも、今、皆を支えてるのは相模だと俺は思う。相模は……立派な人だ」ジッ

 

女子「………」シュン…

 

雪乃「そうね。実際の所、相模さんがあなた達“さぼり組”のフォローもしてる訳だし」

 

城廻「先生に怒られても、学校の外でも作業を進めてくれてたんだよー」ナデナデ

 

相模「うち……うち…」ポロポロ

 

女子「………」

 

 

廊下

 

相模「……比企谷、ありがと」

 

八幡「気にすんな……」ナデナデ

 

相模(あれ……いつもなら抱きしめてくれるのに…)ウズウズ

 

女子「ほんと最悪」

 

女子「つーかあれ何。比企谷の態度」

 

女子「あいつ、良い事しか言わないから優しくしてやったのに調子に乗って」

 

女子「ほんとそれ。まじうざい」

 

女子「つーか、今までのも良く考えるとキモイよね」

 

女子「ほんとだね! 今度やられたら通報しなくちゃ!」

 

女子「きゃはは!」

 

八幡「………」

 

相模「比企谷……」オロオロ

 

 

文化祭前日。

 

平塚「何とか形にはなったな」

 

相模「先生……」

 

平塚「よく頑張ったな。相模」

 

相模「はい……」ウルウル

 

平塚「奉仕部のみんなも良くやってくれた」

 

結衣「主にゆきのんが、だけどね」ギュッ

 

雪乃「そ、そうかしら」

 

八幡「俺もそう思う」

 

雪乃「……///」モジモジ

 

平塚「明日は絶対に成功させろ。教師からの命令だ」

 

一同「「はい!!」」

 

女子達「………」クスクス

 

城廻「………」

 

 

帰り道。

 

相模「ねぇ比企谷。ウチの事覚えてる?」

 

八幡「当たり前だろ?」

 

相模「そうじゃなくて、中学の時」

 

八幡「……?」

 

相模「病院で、ウチの事を……」

 

八幡「ああ、その事か。覚えてる」

 

相模「ほんと!」

 

八幡「今より髪も短くて、ところどころ地肌が見えてた」

 

相模「うー、そこは思い出さなくていいから!」

 

八幡「……すごく苦しんでたんだなあの頃」

 

相模「うん……」

 

相模(なんか変な言い回し……?)

 

 

回想

 

看護師「南ちゃん! ダメだから!」

 

相模「うーっ!」ブチッ

 

看護師「先生を呼んで!」

 

相模(ウチなんて! ウチなんて!)

 

医者「南さんは髪の毛についてイジメを……」

 

相模母「はい。私の問題なので、本当に申し訳なくて……」ウゥ

 

医者「違いますよ。彼女の髪の毛は他人に誇れる綺麗な髪だ。お母さんももちろんね」

 

相模母「でも……娘は…」

 

医者「大丈夫。そのための私達ですから」ニコッ

 

八幡「君も病院に!?」

 

相模「………」プイッ

 

八幡「どこか病気なのか?」

 

相模「放っておいてよ!」バシッ

 

八幡「放っておけないよ」ギュッ

 

相模「!!?」

 

八幡「君の事が心配だ」

 

相模「う、ウチは1人で良いもん!!」ドンッ

 

八幡「……そうなのか?」ジッ

 

相模「………」

 

八幡「………」ジッ

 

相模「……う、うぅ…」ポロポロ

 

八幡「大丈夫。大丈夫だから」ナデナデ

 

看護師「こっちです!」

 

医者「南さん! ……え?」

 

八幡「あ、先生。相模さんをお願いします」

 

相模「………」

 

八幡「あ、あとさ、相模さん」

 

相模「?」

 

八幡「ショートカットが似合う女の子って、顔の造りが良いんだって」ナデナデ

 

相模「………」プシューっ///

 

相模「……あの人にお礼を言わなきゃ…」キョロキョロ

 

八幡「………」

 

相模「あ、きみ――」

 

八幡「………」ブスッブスッ

 

相模(え、何でペンを……?)

 

八幡「……あ、相模さん。もう大丈夫?」ニコッ

 

相模「血、血が! 血が出てるよ!」

 

八幡「ああ、これ? うん、大丈夫だよ」

 

相模「大丈夫って……」

 

医者「あちゃー、またこうなっちゃったかー」

 

看護師「最近は収まってたんですけどねぇ」

 

医者「少し薬で抑えてみましょうか」

 

相模「あ、あの……彼は?」

 

医者「ああ、大丈夫だから気にしないで。それよりも彼の家族には内緒にしててね」ニコッ

 

相模「………?」

 

 

病室

 

相模「どういうことなんですか?」

 

看護師「八幡君? ああ、あの子――

 

痛み以外に何も感じない病気なの」

 

相模「え……」

 

看護師「家族の方には羞恥心欠乏症って名前で誤魔化してるけどね」

 

相模「何故?」

 

看護師「それはどっちの何故?」

 

相模「えっ?」

 

看護師「誤魔化してる理由? それとも、

 

彼が人間の心を持ってない理由?」

 

相模「………っ」ゾクッ

 

相模(それでも。あなたは人の心を取り戻そうと必死だったのをウチは知ってる)

 

八幡「………」ペラペラ

 

相模「何それ……ってエロ本じゃん!」

 

八幡「ラノベだよ」

 

相模「ら、ラノベ?」

 

八幡「同年代の色んな知識を取り入れられるから」

 

相模「ふーん」

 

八幡「………」ピコピコ

 

相模「それって恋愛ゲーム?」

 

八幡「恋って素晴らしいって聞くから」

 

相模「あー、そんな台詞言われたら、好きになっちゃうかも」

 

八幡「ほんと?」

 

相模「あ、う、うん」コクリ

 

八幡「……よし」

 

相模(……ウチの所為で抱きついたりキザな台詞を吐く人になっちゃったかも……)

 

 

駅前

 

相模「ウチは知ってるよ。八幡が誰よりも人の為に努力を続けてきた事」

 

八幡「……いや、俺は俺の為に……」

 

相模「はいはい」ナデナデ

 

八幡「……明日、成功させような」

 

相模「なんで?」

 

八幡「それは、行事は成功させるべきだって本に書いてたから」

 

相模「違う八幡。全然違うね」ツンツン

 

八幡「……?」

 

相模「ダメダメな八幡にウチが教えてあげる。

 

 頑張った人がね、報われるように世界は出来てるんだよ」

 

八幡「……頑張った人が…」

 

相模「だから、最後まで頑張らないとね」

 

八幡「……あ、ああ」

 

相模「もし、成功したら……その…」モジモジ

 

八幡「……?」

 

相模「……んーん、なんでもないっ///」アセアセ

 

 

文化祭本番。

 

城廻「千葉の名物、踊りと!?」

 

一同「「祭り!!」」

 

城廻「同じ阿呆なら踊らにゃ!?」

 

一同「「singasong!!」」ワーッ

 

八幡「相模、大丈夫か?」

 

相模「う、うん……」ドキドキ

 

城廻「次は実行委員長の挨拶です」

 

相模「………」ドキドキ

 

相模「き、きょ」キーーーーーンッ

 

 

<クスクス

 

相模「あ……」

 

八幡「………」

 

相模「き、今日は……」

 

<髪切り相模の癖に挨拶できんのー!?

 

相模「……っ!?」ビクッ

 

 

<ざわっ

 

葉山「……っ!」グイッ

 

戸部「お、落ちつくじゃん!」グググ

 

相模「う、ウチ……うちは……」

 

相模(が、頑張らなきゃ……)

 

<ずっと髪が短いのも自分で切ってるせいだろーーーっ!

 

<ぎゃははっ!

 

相模「ち、違う!」

 

 

――きーーーーーーーーーん!!

 

一同「!?」

 

相模「あ……」

 

城廻(ま、まずいかも……)オロオロ

 

相模「ウチ……いや、わ、私は……」ポロポロ

 

<だっせー泣いてるよ!

<気分下がるわーーーっ!

 

相模「……うぅ」ペタッ

 

一同「………」ザワザワ

 

平塚「まずいな……これ以上は…」グッ

 

雪乃「先生、ちょっと待ってください」

 

平塚「雪ノ下……ん? あれは…比企谷?」

 

八幡「………」テクテク

 

相模「比企谷……?」

 

<王子様きたーーーっ!

<ぎゃはは!

 

八幡「………」

 

 人生とは恥の上塗りである。

 

 それは人類が進化を遂げていく過程で、絶対的に必要だった“想像力”の副作用によるものだったのだろう。

 

 他人がいて初めて起こりうる心象「恥ずかしい」。

 

 誰だって他人に笑われたくないし、見損なわれたくないし、なにより嫌われたくない。

 

 

 だが、それでもなお。

 

 自分を犠牲にしてでも護らなければならないモノがある時。

 

 人は羞恥心など欠片も必要ないのである。

 

八幡「お前ら阿呆だな」

 

<なっ!?

 

八幡「そこで大衆にまぎれて声を上げている女も阿呆だ。それを止められない自称友達も阿呆だ。注意しない周りも。制御できない実行委員も。全員阿呆だ」

 

一般「はぁ!? ふざけんなよ!」

 

一般「主催側が阿呆呼ばわりかよ!」

 

八幡「でも――」

 

一般「……?」

 

八幡「今日は阿呆が阿呆でいられる日。全てを笑って許そうぜ」ニッ

 

相模「……!」キュン///

 

城廻「比企谷君が……」キュン///

 

雪乃「笑った……」キュン///

 

結衣「心の底から」キュン///

 

三浦「八幡……」キュン///

 

海老名「ずるいなぁもう……」キュン///

 

八幡「千葉の名物踊りと!」

 

一同「「祭り!!」」

 

八幡「同じ阿呆なら!?」

 

一同「「踊らにゃsingasong!!」」ワーーーーッ

 

 阿呆達の為の宴が始まった―――。

 

 

舞台裏

 

男子「さっきの最高だったな比企谷!」バシバシ

 

八幡「お、おう……」

 

男子「これからもよろしくたのむぜ!」

 

八幡「……おう」コクリ

 

女子「比企谷!」ギュッ

 

女子「最高!」ナデナデ

 

八幡「………」

 

一同「比企谷?」

 

八幡「ちょ、ちょっとトイレ……」アハハ

 

一同「トイレかよ!」アハハ

 

八幡「………」タタタッ

 

 

男子トイレ

 

 

八幡「……え、な、何これ…手が震える…」ドキドキドキドキ

 

八幡(う、嘘だろ。なんだよこの沸き上がる衝動は……)カァ///

 

八幡「お、俺皆の前で……あんな…」ハァハァ///

 

八幡「……うわぁああああああ!」ブンブンブン///

 

 

 その日、1人の阿呆が総武高校から姿を消した――。

 

 

小町「お兄ちゃん、まだダメそう?」

 

八幡「……外が怖い…」ボーッ

 

小町(そりゃ、あれだけの事してて今更普通になったら、どうしようもないよね)

 

小町「お兄ちゃんが一生外出られなくても、小町が養ってあげるからね」ニコッ

 

八幡「……あ、あい………ありがとう」コクリ

 

小町(愛してるって言ってくれないんだ……)ハァ

 

小町「行ってきま……」ガチャ

 

海老名「………」

 

小町「海老名先輩……。約束はどうしたんですか?」

 

海老名「……うん、でも」

 

小町「みーんな辛いんですよ。でも、我慢してる。分かります?」

 

海老名「違うの。私は……皆とは……違う」タタタッ

 

小町「………?」

 

八幡「……怖い」

 

『青春とは平塚静と言っても過言じゃないですね』キリッ

 

『ありがとう。由比ヶ浜の風で癒されるよ』

 

『……ああ、すまん。君があまりにも美しく、儚げだったから』

 

八幡「………」プルプル

 

八幡「にゃぁああああああ!! 由比ヶ浜の風ってなんだぁあああ!」ジタバタジタバタ

 

八幡「はかなげってなんだよ! 自分でもよく分からない癖に使うなよーーーっ!」ブァアアアアア

 

八幡「死にたい死にたい死にたい!!」アワワワワ

 

八幡「………」

 

八幡「……これが…羞恥心か」

 

 

夕方

 

八幡「………」ハァ

 

八幡(家にいても何もする事がない……)

 

八幡(ゲームをしても、何も感じない……)ピコピコ

 

八幡(いや、むしろキャラがキザな台詞を吐く度に)

 

 

ゲーム主人公『俺は君に会う為に生まれたのかもしれない!』

 

八幡「………っ///」プルプル

 

八幡「……はぁ」ピッ

 

八幡「俺は……ずっとこのままなのか…?」

 

 

ぴんぽーん

 

八幡「……っ!?」

 

八幡「誰かが……いやでも…」プルプル

 

八幡「………」

 

ぴんぽーん

 

八幡「……っ!」ビクッ

 

八幡(俺に出る事ができるのか!?)ハァハァハァ

 

八幡「……っ」スッ

 

 

<やっぱ無理だってー

<そっかなー

 

 

八幡「っ!?」ビクッ

 

八幡(や、やっぱり無理だ!)ダダダッ

 

 

小町「ただいまー……ん?」

 

小町(靴がずれてる……お兄ちゃん、外に出ようと?)

 

小町「………」

 

八幡「………」プルプル

 

小町「お兄ちゃん、入るね」

 

八幡「こ、小町か」

 

小町(段ボールで塞がれた窓。ガムテープで塞がれたクローゼット。写真や人の絵が乗った本は一切ない……)

 

小町「小町でも……ダメかな?」

 

八幡「何言ってんだ。むしろお前しか無理だよ。マジで」

 

小町「……えへへ」スッ

 

八幡「………」ナデナデ

 

小町「お兄ちゃん覚えてる?」

 

八幡「ん?」

 

小町「小町が病気で一歩も動けなくなった時、お兄ちゃんが助けてくれたの」

 

八幡「そんなこともあったか?」

 

小町「スクランブル交差点でね、最悪なタイミングだったな……」

 

八幡「ああ、あの時の」

 

小町「でも、お兄ちゃんが手を繋いでくれたら大丈夫だった」

 

八幡「そうか……」

 

小町「あの時からね、小町とお兄ちゃんは二人で一つだと思ってるんだよ?」

 

八幡「プリキュアか?」

 

小町「だって、小町が恥ずかしいと思った分、お兄ちゃんが何も感じずに動ける。逆にお兄ちゃんが恥ずかしい行動してたら小町が停める事が出来る」

 

八幡「……確かにな」

 

小町「だからね、お兄ちゃん」スリスリ

 

八幡「……?」

 

小町「一生小町と一緒で、それで良いよね?」

 

八幡「………」

 

小町(……やっぱり返事はしてくれないんだ…)

 

 

夜。

 

 

八幡「……思えば、恥ばかりの人生だったな」

 

八幡(それでも、俺の事を許してくれる人達がいた)

 

八幡(俺は彼らに何か……できただろうか…)ポロポロ

 

八幡「うっ……うぅ…」ポロポロ

 

八幡「ホンモノがこんなに重いなんて……」グスッ

 

八幡「……うぁ…」ポロポロ

 

小町「………お兄ちゃん…」ポロポロ

 

 

 そして数日が過ぎ、平塚先生が訪問に来た。

 

 

平塚「本当に大丈夫なのか?」

 

八幡「………」コクリ

 

小町「お兄ちゃん。先生は目隠ししてるから分からないよ」

 

八幡「小町、代わりに返事して」ボソボソ

 

小町「先生、大丈夫です」

 

平塚「そうか。分かった」コクリ

 

小町(お兄ちゃんがとうとう他人と会う決心をした。それは小町的に喜んでいいことかどうか……)

 

平塚「最初の頃は、君を説得してもう一度学校に来てもらおうと思っていた」

 

小町「……?」

 

平塚「だが、日に日に私は一つの想いに勝てなくなっていった」

 

八幡「………」

 

平塚「……比企谷…いや、八幡」ペコリ

 

小町(土下座!? 嫌な予感が!)

 

 

平塚「君を婿に迎え入れたい!!」ドンッ

 

小町「」

 

八幡「………」

 

平塚「ああ、そうだ。無茶は承知の上だ」

 

小町「無茶苦茶すぎですよ先生」アハハ

 

平塚「だが、本気だ」

 

小町「」

 

平塚「君の為じゃない。もちろん、小町ちゃんやご家族の為でもない」

 

八幡「……?」

 

平塚「私の為に! 私が君を欲しいと思ったんだ!」

 

小町「!」

 

八幡「………」

 

八幡(お、俺は……)

 

 本気の覚悟で会いに来てくれた人に、俺は目隠しなんかして……。

 

 

平塚「八幡。私は何度でも通うぞ。君の為に人生を捧げる決意をしたんだからな」ニコッ

 

八幡「………」

 

 

翌日。

 

雪乃「目隠しなんて生まれて初めてだわ」

 

小町「あはは、慣れると楽しいかもですよ」

 

八幡「………」

 

雪乃「早速本題なのだけれど、比企谷八幡を婿養子に迎え入れたいと考えています」

 

小町「………」

 

八幡「………」

 

雪乃「もちろん、私が将来的に自立して稼ぎを得てからの話しだけれど。婚約という形をとりたいと思っているわ」

 

小町「そ、そうですか……」

 

八幡「………」

 

三浦「あーしと結婚しよう、八幡」

 

相模「ウチが養ってあげる」

 

戸塚「僕と結婚しよう? 八幡」

 

城廻「私と一緒になろっか?」

 

留美「大人になったら迎えに来るからね」

 

八幡「………」

 

小町「……すごいね。お兄ちゃん」

 

八幡「俺は……」

 

 

さらに翌日。

 

海老名「……あはは、良い、かな?」

 

小町「ええ」

 

海老名「め、目隠しとか興奮するね! 戸塚君と目隠しでどんなプレイをしたのかな!?」ハァハァ

 

小町(この人とは結婚して欲しくないかも……)

 

八幡「………」

 

海老名「皆はさ、結婚してくれって言ったんだよね」

 

小町「え、ええ……」

 

海老名「私はそんな勇気、ないんだ」

 

小町「……?」

 

海老名「あの日、君が犬を助けるために道路に飛び出したあの時。私もいたんだ」

 

八幡「……!」

 

海老名「本当は、私が……ね」ポロポロ

 

小町「海老名さん……」

 

海老名「私に勇気があれば、あの犬は道路に行く前に捕まえられたんだ」ポロポロ

 

八幡「………」

 

小町「そうだったんですか……」

 

海老名「もし、私が……ぐすっ…。私が助けてれば、比企谷君は普通に学校に行けた」

 

八幡「!」プルプル

 

小町「………」

 

海老名「だから、君の人生を変えたのは……わた――」

 

 

――かたっ

 

海老名「!」

 

小町「おにい……ちゃん?」

 

八幡「………」プルプル

 

海老名「もしかして……比企谷君が…私を撫でてくれるのかな」ポロポロ

 

小町(お兄ちゃん……)

 

八幡「………」ギュッ

 

海老名「手を握ってくれたんだ……。嬉しいな」サスサス

 

小町「………」ポロポロ

 

海老名「うん、分かってる。私の所為じゃないんだよね」ナデナデ

 

八幡「………」コクコク

 

小町「お兄ちゃんは強く、頷いてます」ポロポロ

 

海老名「でも、ね。これだけは言わせて?」ポロポロ

 

海老名「君の誰よりも強い勇気に、私は救われました。本当に感謝しています」ペコリ

 

八幡「………っ」

 

小町「お兄ちゃん……」ギュッ

 

 

その日の夜。

 

八幡「……みんな、すげーな」

 

小町「ほんとだね」

 

八幡「それに比べて……俺は…」

 

小町「違うよ。お兄ちゃん」

 

八幡「?」

 

小町「お兄ちゃんが皆を作ったんだよ」

 

八幡「俺が……?」

 

小町「うん。お兄ちゃんが皆を助け、癒し、救ってきたから、皆は勇気を持てた。だから、凄いのはお兄ちゃんも一緒」

 

八幡「………」

 

小町「逆にね、皆の凄いが集まったから、今のお兄ちゃん……たぶん」ギュッ

 

小町「もう、大丈夫だよ?」

 

八幡「……小町」

 

 

翌日、玄関。

 

八幡「本当に1人で行けるかな。俺」

 

小町「うん、大丈夫。絶対」

 

八幡「本当についてきてくれないのか?」

 

小町「お兄ちゃんの為だからね」ニコッ

 

八幡「………行ってきます」ガチャッ

 

小町「……ごめんねお兄ちゃん。小町、嘘ついちゃった」ポロポロ

 

小町「小町……お兄ちゃんが外に出て……寂しいよぉ」グスッ

 

小町「う……ぁあ…お兄ちゃん、お兄ちゃん…」ポロポロ

 

小町「大好きだよ、お兄ちゃん」グスッ

 

 

 学校に行ったら、何をするのお兄ちゃん?

 

 ああ、もう決めてるんだ。

 

 教えてくれないの?

 

 ……ちょっと恥ずかしい。

 

 じゃあ、後で聞かせてね。

 

 ……分かった。

 

 

八幡(俺が最初にする事。それは……)

 

八幡(俺の家に来る事を最後まで我慢した彼女の下へ――)

 

 

八幡「由比ヶ浜、その……」ポリポリ///

 

結衣「あ、ヒッキー、やっはろー♪」ニコッ

 

 ――最後まで俺を信じてくれた、愛しい人の下へ行く事。

 

 

八幡「や、やっは……やっはろ…///」フリフリ

 

 

結衣「……泣いちゃ駄目だよ、あたし」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

八幡「先天性羞恥心欠乏症?」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442297328/

 

*1:嫌な予感……