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暦「ドーナツ買いに行くか?」 忍「マジで!?行く行く!」【化物語ss/アニメss】

 

忍「儂のドーナツが無い!!」

 

阿良々木「どうした忍……朝っぱらから」

 

忍「無い!無いのじゃ!!」

 

阿良々木「何が無いんだ」

 

忍「ドーナツじゃ!昨日、お前様が買ってくれたドーナツが無いのじゃ!」

 

阿良々木「ああ……確か、そこの棚の上に──あれ、無いな」

 

忍「じゃろう!?まさかお前様、食べてしまったのか?儂に買ったドーナツを食べてしまったのか!?」

 

阿良々木「僕はそこまでひどい奴じゃねえよ」

 

忍「じゃあ誰が食ったというのじゃ!まさかお前様の妹御か!」

 

阿良々木「いや、さすがに人のドーナツを勝手に食ったりしねーよ」

 

忍「じゃあ誰が!」

 

阿良々木「知るか!」

 

忍「もう犯人はお前様でいいから、早く新しいドーナツを買ってくるのじゃ」

 

阿良々木「僕でいいからって何だよ、大体、お前が寝ぼけて食べちゃったんじゃないのか?」

 

忍「いや、儂が寝ぼけてもお前様の影からは出られないから不可能じゃ」

 

阿良々木「うーん……わかんないな」

 

忍「では会議をしようではないか、まずいくつかの可能性を挙げる」

 

阿良々木「じゃあ……その1、僕が食べた(寝ぼけて)」

 

忍「ありえん話ではないのう」

 

阿良々木「その2、忍が寝ぼけて食べた」

 

忍「それは不可能に近い」

 

阿良々木「その3、月火ちゃん、または火憐ちゃんが食べた」

 

忍「これもありうるのう、一番可能性が高いのではないか?」

 

阿良々木「じゃあとりあえず3つくらいでいいか、会議スタートだ」

 

忍「まずその1じゃな」

 

阿良々木「これは無いと思うな、僕は寝てる時までドーナツを食べようと思うほど好きじゃない」

 

忍「受験勉強とやらで脳が疲れたから、無意識に糖分を欲したのではないか?」

 

阿良々木「ふむ……そういうのもあるのか」

 

忍「しかし……あの箱を見る限り、寝ぼけて開けたとは思えんな」

 

阿良々木「どういう事だ?」

 

忍「寝ぼけて開けたにしては綺麗過ぎると言っているのじゃ。きっちり閉める所までしとる」

 

阿良々木「言われてみればそうだな」

 

忍「この可能性はナシじゃな」

 

阿良々木「じゃあその2か」

 

忍「まずお前様の影から出られん時点で不可能だと思うんじゃが…」

 

阿良々木「いや、そうとも言えんぞ」

 

忍「なぜじゃ」

 

阿良々木「もし、僕が勉強中に寝ていたならどうする?あの机の位置なら、ドーナツの箱くらいは取れるぞ」

 

忍「じゃが、ちゃんとベッドで寝ていたであろう」

 

阿良々木「月火ちゃんか火憐ちゃんが運んでくれたのかもしれない」

 

忍「机の上は勉強中だったと思えないほど綺麗じゃが」

 

阿良々木「月火ちゃんか火憐ちゃんが……」

 

忍「どんだけ信頼してるんじゃ」

 

阿良々木「じゃあなんだ、その3で、僕の妹達が食べてしまったとでも言うのか」

 

忍「それしか残っていないじゃろう」

 

阿良々木「待ってくれ忍、そもそも2人とも、僕がいない時に勝手に部屋にあがったりしない」

 

忍「なぜそう言い切れる?気付いていない間に侵入されていたかもしれんぞ」

 

阿良々木「なんとなくわかるんだよ、なんかこう、匂いっていうか」

 

忍「気持ち悪っ」

 

阿良々木「いや、僕からではない匂いがするっていうか…」

 

忍「だから気持ち悪っ、まさか妹の匂いまで把握しているのか…?」

 

阿良々木「いや、そういうのじゃねえよ」

 

忍「これも無し、か…」

 

阿良々木「じゃあ結局誰なんだろうな」

 

忍「じゃあ泥棒か何かか?」

 

阿良々木「わざわざ僕の部屋のものだけ盗んでいく泥棒なんていないだろ」

 

忍「いるじゃろう」

 

阿良々木「誰だよ」

 

忍「あのツンデレ女じゃ」

 

阿良々木「………ちょっとやりそうだな」

 

忍「じゃろう?」

 

阿良々木「いや、戦場ヶ原はそんなやつじゃないと信じている」

 

忍「ほー…」

 

阿良々木「まあいいや、わかった所でドーナツが帰ってくるわけでもないし」

 

忍「なんだか悔しいが、確かにそうじゃな」

 

阿良々木「さて、ドーナツ買いに行くか?」

 

忍「マジで!?行く行く!」

 

阿良々木「いきなりテンション高いなお前…」

 

忍「早く行こうぞ、お前様!」

 

阿良々木「はいはい…」

 

 

後日談。

羽川と電話。

 

阿良々木「──という訳なんだが羽川、結局犯人は誰なんだろうな?」

 

羽川「うーん、確定、ってわけじゃないけど」

 

阿良々木「もしかしてわかったのか」

 

羽川「阿良々木君は、阿良々木君と、忍ちゃんと、月火ちゃんと、火憐ちゃん、の選択肢を作ったんだよね?」

 

阿良々木「そうだな」

 

羽川「もう、大事な人を見落としてるよ」

 

阿良々木「大事な人?戦場ヶ原の事か?」

 

羽川「そういう意味じゃなくて……」

 

羽川「よーく考えてごらん、もうひとり…ふたりかな?いるでしょ」

 

阿良々木「ひとり……ふたり?」

 

羽川「わからないかなぁ、じゃあ、タネ明かし」

 

阿良々木「頼む、わからん」

 

羽川「阿良々木君の家には、まだ人がいるでしょ?」

 

阿良々木「………………………あっ」

 

羽川「やっとわかってくれた?」

 

阿良々木「両親か」

 

羽川「そういうこと」

 

阿良々木「なるほどな……完全に見落としていた」

 

羽川「まあ、綺麗に閉じられていたって所をみると、お母さんの方だと思うけど」

 

阿良々木「そうだな、多分そうだ」

 

羽川「あ、そうそう、丁度阿良々木君のお母さんから伝言預かってたんだ」

 

阿良々木「伝言?」

 

羽川「うん、仕事行ってくるから、阿良々木君に言っておいて、って」

 

阿良々木「ふむ…で、伝言って、内容は?」

 

羽川「えっと」

 

 

羽川「『ドーナツ食べちゃってごめんね。新しいの買ってきて、冷蔵庫の中に入れておきました。』って」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

忍「儂のドーナツが無い!!」

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