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サン「許嫁がいながら私に…あ、あんなことを!///」 【ジブリss/ssアニメ】

 

サン「アシタカがなかなか会いに来てくれない…」

 

サン「会いに行くって言ったのに…」グスン 

 

山犬1「まーた始まったか…」 

 

山犬2「つか、まだあれから一週間しか経ってなくね?」 

 

サン「う、うるさいぞ!お前達!……一週間も会えなかったら誰だって寂しいだろ!!」

 

山犬1「へ?サンってば寂しいの?」 

 

サン「……ふぇ?」 

 

山犬2「へぇ~意外とさみしがり屋なんだな」ニヤニヤ 

 

サン「そ、そんなことあるわけないだろ!私はただ…ア、アシタカの奴が寂しがっているだろうと思っただけだっ!」プイッ

 

山犬1「ま、そういうことにしとくか」 

 

山犬2「意地でも認めないだろうしな…。ところで、さっき森に誰か入って来たみたいだけど…気づいてた?」 

 

サン「へ?侵入者?……も、もちろん気づいていたに決まってるだろう!……ん?…この匂いは……」クンクン 

 

山犬1「あの人間っぽいな」クンクン

 

山犬2「ん~でもちょっと違うような…?なんかあいつより美味そうな匂いだ」クンクン 

 

山犬1「ねぇねぇ!食べて良い?食べて良い?」ハッハッハッ 

 

サン「食べちゃダメ。……でも、ほんとに匂いが似てる……私、気になるからちょっと様子見てくる!」タタッ 

 

山犬's「「いってら~」」

 

カヤ(……兄様を探し求めて早数ヶ月…。目撃情報を頼りにここまで辿りついたは良いものの…) 

 

カヤ「と、とうとう遭難してしまいました…」グスッ 

 

カラカラカラ… 

 

カヤ「…ひゃうッ!?」ビクッ 

 

コダマ「」カラカラカラ 

 

カヤ「コ、コダマさん…?」

 

コダマ「」カラカラカラ 

 

カヤ「び、びっくりしたぁ~。……でも、こっちにもコダマさんが住める森があるなんて…」 

 

コダマ「」カラカラカラ 

 

カヤ「ふふっ…ねぇコダマさん?カヤはアシタカという名前の人を探しているのですけど、ご存知ありませんか?」 

 

コダマ「」カラカラカラ

 

カヤ「コダマさんに聞いても仕方ないですよね…。はぁ~兄様ぁ~…。一体どこに行ってしまったのですか…?」シュン 

 

サン「アシタカに何の用だ?」 

 

カヤ「ふぁっ!?だ、誰っ!?」ビクッ 

 

サン「人に名前を尋ねる前に、まず自分から名乗るべきではないのか?……アシタカはそうしたぞ」

 

カヤ「あ、兄様を知っているのですか!?」ガバッ 

 

サン「よ、寄るな人間っ!とにかく名を名乗れ!さもなくば…!」ギラッ 

 

カヤ「あ…こ、これは失礼を…。私の名前はカヤと申します。兄様…アシタカヒコの故郷の者です」ペコリ 

 

サン「アシタカの故郷?たしか…随分遠くからやって来たと聞いているが…?」

 

カヤ「はい!北の地の果ての蝦夷より参りました」 

 

サン「そうか…。それで、アシタカに何の用だ?」 

 

カヤ「カヤは…カヤは…兄様に逢いたくて逢いたくて堪らず、村を飛び出して来たのです!」 

 

サン「……へ?ちょっ!そ、それは一体どういう意味だ!?」

 

カヤ「カヤは兄様の許嫁なのです!」 

 

サン「い、許嫁…?」 

 

カヤ「はい!…話せば長くなるのですが…突然村に現れた祟り神からカヤを護る為に腕に呪いを受けた兄様は、村を追われることとなってしまいまして…その去り際にカヤは玉の小刀を兄様に差し上げたのです」 

 

サン「!?」ギクッ

 

カヤ「その時兄様は…『いつもカヤを想う』と言って下さって…きゃあ!きゃあ!何だか恥ずかしいです~!」モジモジ 

 

サン「あ、あいつ…」ギリッ 

 

カヤ「どうかしましたか…?って…おや?あなたが首から下げてるソレはもしや…?」 

 

サン「ハッ!?……き、気のせいだ!気にするな!」ササッ

 

カヤ「……?…とにかく、そういった経緯でここまで来たのですが…とうとう道に迷ってしまって…」シュン 

 

サン「なるほど…同じ故郷の者だから匂いが似ていたのか」 

 

カヤ「に、匂い?」 

 

サン「あぁ…名乗るのが遅れたな。私の名はサン。山犬の姫だ」

 

カヤ「山犬の…姫?」キョトン 

 

サン「そう。私は山犬に育てられた。だから、鼻が人よりも効くのだ。……それを揶揄して巷では『もののけ姫』などと呼ばれているがな…」 

 

カヤ「そ、そうなんですか…。でも、カヤは『もののけ姫』って呼び名…素敵だと思いますよ?」 

 

サン「は?…す、素敵って…な、何故?」

 

カヤ「だって、サン様とっても美しいじゃないですか!思わず妖の類かと思うほどに…」 

 

サン「……どうやらアシタカの故郷の者は皆おかしな感性を持っているようだな…」 

 

カヤ「へ?」 

 

サン「いや、なんでもない。……アシタカに逢いたいのなら案内してやる。付いて来い」

 

カヤ「あ、ありがとうございます!サン様に出会えて、ほんとに良かった…」 

 

サン「……『様』なんて付けなくて良い。私の名はサンだ。それから…賢まった言い回しもしなくて良い」 

 

カヤ「……それじゃあ、よろしくね?サン」 

 

サン「……ぬかるんでるから、足元に注意して歩け」

 

カヤ「…兄様は森に住んでるの?」 

 

サン「いや…アシタカはこの森の先にあるタタラ場に住んでいる」 

 

カヤ「タタラ場…そこに兄様が…。ねぇ、ちょっと聞いても良い?」 

 

サン「なんだ?」 

 

カヤ「サンは、兄様とはどんな関係なの?」

 

サン「……へ?ど、どんな関係って…私とアシタカは…えと…その…そう!『命を救い、救われた』間柄だ!」 

 

カヤ「つまりお互いが命の恩人ってことかしら?…そっか…そんなに親密な関係なのね…」 

 

サン「い、いや!誤解するな!それだけだ!それ以上でも以下でもないから!」アタフタ 

 

カヤ「ふふっ…サンは優しいのね」クスクス

 

サン「そ、そんなことより、道中は長いから…それまで、アシタカの故郷の話しを聞かせてくれ!」 

 

カヤ「サンったら、何を焦ってるの?」クスクス 

 

サン「あ、焦ってなど…!」 

 

カヤ「ふふっ…兄様と私の故郷はね……」

 

 

カヤ「………でね、兄様は優しくて、困ってる人を見捨てられない人だったのよ」 

 

サン「……あいつは昔からそうだったのだな」 

 

カヤ「サンも優しくされちゃったの?」 

 

サン「……へ?そ、そんなことある筈ないだろう!!それよりほら!見えて来たぞ!あれがタタラ場だ!」

 

カヤ「あれが兄様が住むタタラ場…?へぇ~大きな町ね!……あら?でもあちこちボロボロみたい…?」 

 

サン「つい最近突風に見舞われたんだ…。まぁ、自業自得だけどな…」 

 

カヤ「……自業自得ってなんのこと?」キョトン 

 

サン「いいんだ。それより、早く行け。……兄様に逢いに来たんだろ?」

 

カヤ「ほんとにありがとう…おかげで助かったわ。何かお礼をしたいのだけど…サンは一緒に来ないの?」 

 

サン「……私はここまでだ。あそこは…私が生きる場所じゃない」 

 

カヤ「……そう。それじゃあ、ここでお別れね。……サン様…ほんとにありがとうございました」ペコリ 

 

サン「……こっちこそ…ア、アシタカの昔話を聞かせてくれて…あ、ありがとう。……じゃあな」タタッ

 

サン(『ありがとう』なんて人間に言ったの…初めてだ…)タッタッタッ 

 

ガサガサガサ 

 

サン「!?」 

 

山犬1「おいサン!良かったのかよ?」 

 

山犬2「許嫁っていったら恋敵じゃねーか!」

 

サン「お、お前達…つけてたのか!?」 

 

山犬1「おいおい…気づいてないとか、どんだけ余裕なかったんだよ…」 

 

山犬2「お前がその気ならあの恋敵をいつでも食い殺す気で控えてたんだぜ?……なぁ、今なら間に合うぜ?食べていい?ねぇねぇ?食べていい?」ハッハッハッ 

 

サン「……食べちゃダメ」

 

山犬1「でも、いいのかよ?サンのつがいのあの人間、取られちまうぜ?」 

 

サン「……ふんっ…『もののけ姫』よりはお似合いだろうさ」プイッ 

 

山犬2「またそんな意地張って…」 

 

サン「意地なんて張ってない!!あいつは…アシタカは…人間として幸せになるべきなんだ。だから良いんだ…これで…」グスン 

 

山犬1「うちらの姫様は健気だねぇ…」 

 

山犬2「まったくだぜ…」

 

 

タタラ場 

 

カヤ「ごめんくださーい!」 

 

門番「何者だ!」 

 

カヤ「私はカヤと申します。アシタカヒコの故郷の者なのですが…」 

 

門番「アシタカ殿の…?」 

 

エボシ「どうした?一体何を騒いでる?」

 

門番「エ、エボシ様!?いや、アシタカ殿の故郷の者が訪ねて来たのですが…」 

 

エボシ「アシタカの?……ふむ。通してやれ」 

 

門番「はっ!カヤとやら、通って良いぞ!」 

 

カヤ「ありがとうございます~!あの、助かりました!」ペコリ 

 

エボシ「なに、礼には及ばん。私はこのタタラ場の主のエボシだ。もし良ければ、そなたの身の上の話しを聞かせておくれ」

 

カヤ「実はかくかくしかじかで…」 

 

エボシ「ふむふむ…。なるほど…あいわかった。それでアシタカに会いに来たのだな?」 

 

カヤ「そうなんですけど……カヤは、一目兄様の姿を見れたらそれで構いません」 

 

エボシ「何?…会って、話しをしなくていいのか?」

 

カヤ「えっと…このタタラ場に来る道中を道案内してくれた方が、どうやら兄様と親しい方みたいだったので…それで…」 

 

エボシ「アシタカと親しい者が道案内…?もしや、森を抜けてここまで…?」 

 

カヤ「はい。森で遭難して困っていたところを助けて下さったのです」 

 

エボシ「もののけ姫か…。……なるほどな。あの山犬の姫に気を遣って身を引こうというわけか」

 

カヤ「それだけではありません。村を出て、このタタラ場で新しい生活を送る兄様のご迷惑になりたくないとも思いまして…」 

 

エボシ「……そなたは優しいのだな」 

 

カヤ「いえ…きっと私は最初から…一目兄様の姿が見たかっただけなのです。兄様の腕の呪いは治らぬものだと聞いております。だから…まだ生きているうちに兄様のお姿が見られればカヤはそれで満足です…」グスン 

 

エボシ(腕は治ったのだが…。……ふむ。ここは私がひと肌脱ぐとしようか)

 

エボシ「そなたの気持ちはわかった。……しかし、アシタカは今仕事中でこっそり姿を見るには人目が邪魔だろう。夜になったらアシタカを連れて行くから、それまで私の家で待っていておくれ」 

 

カヤ「よ、よろしいのですか?」 

 

エボシ「構わんさ。そなたは奥の部屋からこっそりアシタカの姿をその目に焼き付けるといい」 

 

カヤ「何から何まで…本当にありがとうございます!」ペコリ

 

 

その夜 

 

サン「ん~…遠くてよく見えないな…どこだアシタカは…?」 

 

山犬1「やっぱり気になって様子見てるんじゃねーか…」 

 

サン「……黙れ」 

 

山犬2「そんなに気になるなら、夜襲でもかければいいだろ?」 

 

サン「だから黙れってば!……あっ!見つけた!」

 

山犬1「大喜びじゃねーか…。まったく、こんな遠くからよく見つけられるな…えーと…どこだ…?…おっ!見っけ!…あの野郎…呑気に散歩中かよ……って、おい…あの方向!」 

 

山犬2「あぁ。間違いねぇ…あの家に向かってやがる…」 

 

サン「そんな…なんで…エボシの家なんかに…?」 

 

山犬2「実はよ…言ってなかったけど、あの野郎…最近夜になるとあの女の家に入り浸ってんだよ」

 

サン「!?」 

 

山犬1「…は?マジで??」 

 

山犬2「マジで」 

 

サン「そんな…そんな…」 

 

山犬2「でも、ほら…やっぱり今日も行くみたいだぜ?」

 

サン「あっ」 

 

山犬1「うわっ…本当にあの女の家に入りやがったよあいつ」 

 

山犬2「な?だから言ったろ?」 

 

サン「そんな…私もカヤも裏切られたってこと…?」

 

山犬2「まぁ…なんつーか…御愁傷様でしたわ」 

 

山犬1「いやいや…よりにもよってエボシのところとかないわー。あーあ。割とあいつのこと気に入ってたんだけどなぁ…」 

 

サン「もう知らないっ!アシタカなんて知らないっ!!」タタッ 

 

山犬's「「おい!サン!!」」タタッ

 

 

エボシの家 

 

アシタカ「連日連夜押しかけてすまないな…エボシ殿」 

 

エボシ「なに、気にするな。今夜は私もそなたに話しがあるのだ」 

 

アシタカ「……話し?」 

 

カヤ(…兄様!…良かった…お元気そうで…。なんだか…より一層男らしくなったみたい…)コソコソ

 

エボシ「そうだ。……聞いてくれるか?」 

 

アシタカ「もちろんそれは構わないが…」 

 

エボシ「実はなアシタカ…そろそろ私も世継ぎを産まねばならんのだよ」 

 

アシタカ「……は?」 

 

カヤ(……へ?…ちょっ…どういうこと!?)コソコソ

 

エボシ「私ももう良い歳だ…そろそろ子を成しておかなくてはと常々思っていたのだ…」 

 

アシタカ「はぁ…」 

 

エボシ「そこで、そなたに種馬になって貰いたいのだ」 

 

アシタカ「………は?」 

 

カヤ「!?」ガタッ

 

アシタカ「…?……なにやら奥の部屋が騒がしいようだが…?」 

 

エボシ「そんなことは気にするな。なぁアシタカよ…こんなかたわの女など抱きたくはないだろうが…どうか頼めぬか?」 

 

アシタカ「……いや、さっきから話しが見えないのだが…?」 

 

エボシ「わからぬか?私を抱けと…そう言っているのだ」ハラリ 

 

カヤ(帯を取った…!?)ゴクリ

 

アシタカ「……いや、エボシ殿…?これは一体何の冗談だ…?」 

 

エボシ「冗談かどうか、その身をもって確かめてみるが良い!」ガバッ 

 

バンッ! 

 

カヤ「ダメー!?」 

 

バンッ! 

 

ゴンザ「いけませぬ!!エボシ様ぁー!?」

 

アシタカ「カ、カヤ!?どうしてここに!」 

 

エボシ「ゴンザ…お前という奴は…」 

 

カヤ「あっ…兄様…こ、これは…その……ご、ごめんなさぁーい!!」タタッ 

 

ゴンザ「エボシ様ァー!?どうかそのお役目はこのゴンザめにぃー!!」ガバッ

 

エボシ「ええい!うっとおしい!狂言だというのがわからんのかゴンザ!!おかげでカヤが逃げてしまったではないか!」 

 

ゴンザ「……へ?」 

 

アシタカ「エボシ殿…これはどういうことだ!」 

 

エボシ「……さっき見たとおり、カヤがお前を訪ねてこのタタラ場に来てな。あの者はそなたに気を遣って会わぬと申すから、私が一芝居打ってなんとか会わせてやろうと思ったのだ。……最後の最後でとんだ邪魔が入ったがな」ギロリ 

 

ゴンザ「……へ?」

 

アシタカ「カヤが私を訪ねて…?」 

 

エボシ「追わなくて良いのか?……あの者はお前に逢う為に、遥々このタタラ場まで来たのだぞ?」 

 

アシタカ「……かたじけない。御免!」タタッ 

 

エボシ「ふっ…あながち…冗談ではなかったのだがな…」ボソッ 

 

ゴンザ「何が…何やら…?」ポカーン

 

アシタカ「カヤ!」 

 

カヤ「…ッ!…あ、兄様…」 

 

アシタカ「逃げなくても良い。……もう会うことはないと思っていたが…よく来てくれたな…」 

 

カヤ「…先ほどはお邪魔をしてしまい申し訳ありません…兄様…。…しかし、あのようなことをしては…きっと、きっとサン様が傷つくと思って…居ても立っても居られず…つい…」

 

アシタカ「サン…?サンを知っているのか?」 

 

カヤ「……はい。サン様は森で迷ってしまったカヤに道案内をして下さったのです…。それで…その…サ 、サン様の首に私の玉の小刀がかかっているのを見てしまいまして…」 

 

アシタカ「そうだったのか…」 

 

カヤ「サン様はきっと兄様の大事な人なのでしょう?そのような相手が居るのに…あ、あのようなことをしては…サン様は傷つくと思います…!」

 

アシタカ「案ずるなカヤ。あれはエボシ殿の狂言だ」 

 

カヤ「へ?……きょ、狂言だったのですか?カ、カヤはそうとは知らずに…ほんとに申し訳ありません!兄様!!」 

 

アシタカ「……エボシ殿は私に会わぬと言ったそなたを案じて、一芝居打ったのだ。そのおかげでこうして会えて…私は嬉しいぞカヤ」 

 

カヤ「そ、そうだったのですか……カヤも…カヤも兄様にお会いしとうございました…ふぇ~ん…兄様ぁ~…兄様ぁ~」グスングスン

 

アシタカ「本当に良く来てくれた…。ありがとうカヤ…」 

 

カヤ「カヤも…思っていたよりも兄様がお元気そうで何よりです…」グスングスン 

 

アシタカ「腕の呪いのことなら案ずるな。あの呪いはもう消えたのだ」 

 

カヤ「ほ、本当ですか!?…良かった…良かったですぅ~」グスングスン

 

アシタカ「……ずいぶん、心配をかけてしまったな。この腕の呪いが消えたのも、サンのおかげなのだ…」 

 

カヤ「サン様も『命を救われ、救った間柄』だとおっしゃっていました…。兄様は…サン様のことが好きなのですね…?」 

 

アシタカ「私はサンが好きだ。…ずっとカヤを想うと言った手前…すまないと思っているが…」 

 

カヤ「あ、謝らないで下さい!……あの小刀を授ける間柄ということは、きっとそうなのだと思っていました…」

 

 

わおーん… 

 

カヤ「……?…狼の遠吠え…?」 

 

アシタカ「……いや、山犬が私を呼んでいるようだ」 

 

カヤ「山犬が…兄様を…?」キョトン 

 

アシタカ「行かなくては…!カヤ、今日のところはエボシ殿のところに泊めて貰いなさい」 

 

カヤ「は、はいっ!兄様、お気をつけて…」

 

 

森の中 

 

アシタカ「おーい!私はここだー!どうかしたのかー?」 

 

山犬1「おっ!やっと来たか…このスケコマシ」 

 

アシタカ「私がスケコマシ…?」キョトン 

 

山犬2「とにかく、お前のせいでサンの奴が大変なんだよ!」 

 

アシタカ「サンが…?何がなんだかわからないが、とにかく案内してくれ!」

 

山犬1「サンは今、母さんの墓の前で泣き崩れてる。早く行って、なんとかしてこい!」 

 

アシタカ「モロの墓…?シシ神の池か!」ダダッ 

 

山犬2「遅いっ!お前あの美味そうな鹿はどうした!?」 

 

アシタカ「ヤックルはまだ怪我が完治していないので置いてきた!」 

 

山犬1「チッ…乗れっ!」ヒョイッ

 

 

シシ神の池 

 

サン「うぅ…母さん…。やっぱり人間は嫌いだ…人間と関わると、心が痛くなる…。母さん…ぐすん…母さんが生きてたら……」グスングスン 

 

アシタカ「……サン?」 

 

サン「ア、アシタカ!?」ガバッ 

 

アシタカ「……会いに来たよ」

 

サン「お、お前…どうしてここに…?…いや、お前なんか知らんっ!去れっ!!」 

 

アシタカ「……なぜ?」 

 

サン「私は見たんだ…お前があの女の家に…エボシの家に入っていくのを!!」 

 

アシタカ「そうか…。カヤの言う通り、私はそなたを傷つけてしまったのだな…」

 

サン「だ、だいたい、そのカヤという許嫁がいながら私に…あ、あんなことを言うこと自体、そもそもおかしいだろう!?」 

 

 

アシタカ「『共に生きよう』か……しかし、その言葉に嘘偽りはない」 

 

サン「黙れっ!!……仮にお前の言う通り、嘘偽りが無かろうが、エボシの家に連日連夜入り浸っているとはどういう了見だ!!……よりによって…あ、あの女のところに通うなど、私は絶対に許さん!!」 

 

アシタカ「実は…これを作ってたんだ」ゴソゴソ

 

サン「これは……髪飾り…?」キョトン 

 

アシタカ「そうだ。エボシ殿の家には金属の加工に秀でた者が沢山居てな…もともとその者達は病人だったのだが、私と同じようにシシ神に生かされたのだ」 

 

サン「そ、そんなこと聞いていない!それでこの髪飾りは何なのだ!!」 

 

アシタカ「……君に会いに行く時に、何か手土産をと思い…その者達から加工の仕方を教わり、私が作ったのだ」

 

サン「……アシタカがこれを…?」 

 

アシタカ「私は君に…タタラ場は森を焼き、木を切るだけの場所ではないと伝えたかった。私の生きる場所は、こんなにも素晴らしい物を作れると教えたかったのだ」 

 

サン「だ、だが、これを作る為に木を切り倒し、燃やしたのだろう!?……そんな物、受け取れるか!!」 

 

アシタカ「サン…聞いてくれ。確かに私達は生きる為に木を切る。だが、シシ神の一件で私達は決めたのだ。これからは木を切った分、新たに木を植えると。もう一方的にそなたの森を奪うようなことはしない…だから…!」

 

サン「だ、黙れ人間っ!!そんなのは詭弁だ!こんな物…私は要らないっ!!」ポイッ 

 

ポチャンッ 

 

アシタカ「……そうか。そなたの気持ちも考えずに、余計な真似をしてしまったな…」シュン 

 

サン「お前なんてどっかに行ってしまえ!」 

 

アシタカ「……わかった。……押しかけてすまなかったな」

 

山犬2「おいおい…追い返しちまっていいのかよ?」 

 

サン「ふんっ…あんなバカ…もう顔も見たくない。……私はあんな髪飾りなんか要らないのに…ただアシタカが会いに来てくれればそれで良かったのに…」グスングスン… 

 

山犬1「まったく…素直じゃねぇんだから…」 

 

山犬2「ほんとにこれで良いのかよ?エボシの件は誤解だったんだろ?」 

 

サン「……良いんだ。…所詮私とアシタカは分かり合えない。……住む世界が違うんだから。それに、アシタカにはあの許嫁がお似合いだ…」グスングスン…

 

 

タタラ場 

 

カヤ「兄様!おかえりなさい!……あの?…お顔色が優れませんけれど、大丈夫ですか?」 

 

アシタカ「カヤ…。……人に気持ちを伝えるということは、難しいものだな」シュン 

 

エボシ「山犬の姫と何かあったのか…?」 

 

アシタカ「……あの髪飾りを受け取って貰えなかった」

 

カヤ「髪飾り…?」キョトン 

 

エボシ「アシタカは最近私の家に住まわせてる職人達に教わりながら、山犬の姫の為に髪飾りを作っていたのだ。しかし…そうか。どうあっても、タタラ場で作られた物は受け取らんというわけか…」 

 

アシタカ「………人間と自然とが共存していく新しい仕組みを説明したのだが…どうにもわかって貰えないようだ…」 

 

カヤ「……事情は良く分かりませんが、理屈では解決しない問題もあると思います」

 

アシタカ「しかし、我々が生きていく為にはどうしても木を切る必要がある。だから私は…」 

 

カヤ「そうではありません兄様!そんな理屈は何も関係ないのです!兄様がサン様を想って髪飾りを作り、それをあげた。…それだけで充分ではないですか!」 

 

アシタカ「しかしな、カヤ…」 

 

カヤ「カヤは兄様から何かを頂けたら、それがどんな物であろうととても嬉しいです!サン様もその気持ちはきっとわかってくれる筈です!」

 

アシタカ「だが…しかし…」 

 

エボシ「はっはっはっ!……アシタカよ…これは一本取られたな…。面白い!……カヤよ、そなたこのままこのタタラ場で暮らすつもりはないか?」 

 

カヤ「へ?」 

 

エボシ「きっとアシタカにはそなたのような者が傍にいたほうがよい。理屈ではなく、時には感情を優先することができる、そなたのような者がな…」

 

カヤ「で、でも、兄様にはサン様がいらっしゃるので、カヤのような者が居ては…」オロオロ 

 

エボシ「何も夫婦になれと言っているわけではない。……そうだな、兄妹になればよいではないか!」 

 

アシタカ「エボシ殿!それはいくらなんでも…」 

 

カヤ「……兄妹。……兄様のお側にいられるのなら…カヤには願っても無い話です」

 

エボシ「よろしい。では、アシタカの妹としてこの件を解決してみせよ。よいなカヤ?」 

 

カヤ「わかりました!兄様、カヤにお任せ下さい!」 

 

アシタカ「いや、しかし、これは私の問題で…」 

 

エボシ「アシタカよ…そなたはそなたで解決の為に尽力するが良い。……曇りなき眼で見定めてな。さぁ、今夜はもう遅い。部屋を貸してやるから、そろそろ休みなさい」

 

ゴンザ「……エボシ様。よろしかったので?」 

 

エボシ「ふっ…よもやこの私が、山犬の姫の為に一計を案じることになるとはな…」クスクス 

 

ゴンザ「……あのカヤとかいう小娘が、何かを変えることが出来るとは到底思えませぬが…?」 

 

エボシ「ふん…これだから男というものは…」

 

 

翌日 

 

カヤ「兄様、カヤはサン様の様子を見てきます!」 

 

アシタカ「よろしく…頼む。……私ではどうすることも出来なかったがな…」 

 

カヤ「何弱気なことを言ってるんですか!兄様は兄様に出来ることを考えて下さいね?それでは、行ってきまーす!」タタッ 

 

アシタカ「……私に出来ること…か」

 

 

森の中 

 

カヤ「サン様ー?どこですかー?」 

 

カヤ「昨日はお世話になりましたー!少しお話しがあるのですけどー?」 

 

シーン… 

 

カヤ「……やっぱり出てきてくれないか。困ったなぁ…」シュン 

 

ガサガサガサ 

 

山犬1「よぉ!お嬢ちゃん!」 

 

カヤ「!?」ビクッ

 

山犬1「あいにく、サンは会いたくないってよ。出直してきな」 

 

カヤ「や、山犬がしゃべった…?」 

 

山犬1「あん?しゃべったら悪いのかよ?とにかくさっさと立ち去れ…でないと、食っちまうぜ?」ハッハッハッ 

 

カヤ「でも…カヤは…サン様に話しがありまして…」

 

山犬1「だから!サンは話したくないってよ!」 

 

カヤ「でも…でも!話しをしなければ、何も伝わらないから!」 

 

山犬1「チッ…うるせぇ小娘だ。しゃあない…食うか」グルル… 

 

カヤ「ひっ!?」ビクッ 

 

山犬2「おっと!逃がさねぇぜ?ハッハッー!久しぶりのご馳走だぜ!」

 

カヤ「う、後ろにも!?だ、誰か助けて…!」ガクガク 

 

山犬's「「いっただきまーす!」」ガバッ 

 

サン「待て!お前達!!」 

 

カヤ「サン…様?」

 

山犬1「なんだよサン!人間とは分かり合えないんじゃなかったのかよ!」 

 

山犬2「こんなご馳走が目の前にあるってのに、そりゃないぜ!?」 

 

サン「黙れっ!食べちゃダメ!!」 

 

カヤ「サン様…ふぇ~ん…怖かったよぉ…」グスングスン

 

山犬's「「まったく…素直じゃねぇんだから…」」 

 

サン「うるさい!向こうにに行ってろ!!」 

 

山犬's「「へいへい」」タタッ 

 

サン「もう大丈夫だ。……それでカヤ、何しに来た」 

 

カヤ「カ、カヤは…サン様にお話しがありまして…」グスングスン 

 

サン「……『様』は付けなくて良いと言っただろう。……話しは聞いてやるから、もう泣くな」 

 

カヤ「サン……ありがとう」グスン…

 

サン「……それで話しとはなんだ?」 

 

カヤ「……昨日、兄様がサンに会いに来たのでしょう?…その時兄様がサンに送った髪飾りをどうして受け取らなかったの?」 

 

サン「……木を切って作った物など、受け取れるわけないだろう。それに…私はそんな物が欲しかったわけじゃない」 

 

カヤ「……あなたにとってこの森はとても大切なのね…。でも、兄様はサンの為に一生懸命作ったのよ?その気持ちもサンは否定するの…?」

 

サン「お前に何がわかる!?何も知らぬお前に…一体何がわかるというのだ!!」 

 

カヤ「確かに私は何も知らない。あなたのことも、この森のことも、タタラ場のことも…でも、兄様のことだったら良く知ってる!兄様がどんな思いであなたに贈り物をしたのかはわかる!!」 

 

サン「……確かに…許嫁のお前ならば私以上にアシタカのことを知っているのだろうな。……私はお前が羨ましいよ」 

 

カヤ「カヤは…もう、兄様の許嫁ではないわ。これからは、兄様の妹として…兄様を支えることにしたのよ!」

 

サン「……妹だと?……何故だ…?お前はアシタカを慕っているのだろう?好きなのだろう!?何故、兄妹などという立場に甘んじる!!」 

 

カヤ「だって…だって…!もう兄様には…サンがいるから!カヤは…サンにはなれないから…だから兄妹として兄様を支えていくことにしたのよ!」 

 

サン「……なんだそれは…お、お前の理屈は…めちゃくちゃだ…!」 

 

カヤ「理屈とかそんなことは関係ない!私は兄様の側に居られたらそれでいいの!だから、サンももっと素直になるべきよ!」

 

サン「……素直に…?」キョトン 

 

カヤ「髪飾りを貰って…嬉しかったでしょう?だったら…素直に喜んだらいいじゃない」 

 

サン「……でも、私はこの森を守らないといけないから…だから…」 

 

カヤ「だからそんなに難しく考える必要なんてないんだってば!…サンは兄様のことが好きなんでしょう?…好きな人から贈り物をされたら…それは何より嬉しいことの筈よ?」

 

サン「……私は…アシタカが好きだ。……髪飾りだって、ほんとは嬉しかった。……でも、私はただ…アシタカが会いに来てくれるだけで…それで良かったんだ…」グスン… 

 

カヤ「その言葉をそのまま伝えれば、兄様はきっとわかってくれる筈よ?今度兄様が来たら、そう言いなさいな」 

 

サン「……うん。そうする…」グスングスン 

 

カヤ「その時、髪飾りをサンが付けてたら…きっと兄様は嬉しいと思うなぁ…。私の話しはこれで終わり。……偉そうなこと言って、ごめんね」

 

サン「いや、こっちこそ迷惑をかけてしまったようですまない…」 

 

カヤ「迷惑だなんてそんな!……サンと兄様が一緒になったら、サンはカヤのお義姉さんになるのよ?…迷惑だなんて思ったりしないから、安心して」クスクス 

 

サン「ね、義姉さんって…!」アタフタ 

 

カヤ「ふふっ…早く仲直り出来るといいわね」

 

カヤ「さてと…それじゃあ、そろそろタタラ場に戻るわ。話しを聞いてくれてありがとう」 

 

サン「ちょっ、ちょっと待て…!」 

 

カヤ「ん?どうしたの?」 

 

サン「あの…その…あ、ありがとう…カヤ」 

 

カヤ「……どうしたしまして。…サン義姉さん」

 

 

タタラ場 

 

アシタカ(……私は一体どうしたら…) 

 

エボシ「ん?なんだそなた…まだこんなところに居たのか?」 

 

アシタカ「エボシ殿…。私にはまだ…自分が何をすればいいのかわからぬのです…」 

 

エボシ「はぁ…本当に…男というものはこれだから…」

 

アシタカ「……面目ない」シュン 

 

エボシ「まぁ、そうしょげるな。そなたは物事を何でもかんでも頭で考え過ぎなのだ。昨夜、カヤにもそう言われていたではないか」 

 

アシタカ「しかし、具体的にどうすれば良いのか皆目見当もつかぬのです…」 

 

エボシ「まずは自分の気持ちを見定めることだ。そうすれば、自ずと答えは見えてくる」

 

アシタカ「自分の…気持ち…?」 

 

エボシ「そなたはあの山犬の姫をどう思っているのだ?」 

 

アシタカ「私はサンが好きだ。…何より大切に思っている」 

 

エボシ「では、どうしたい?そなたと喧嘩をして今頃泣きベソをかいているだろうあの小娘に…何をしてやりたい?」

 

アシタカ「サンが泣いていたら…私は彼女を抱きしめてやりたい!」 

 

エボシ「ほら?答えが見えただろう?御託を並べる必要などないのだ。…では行け。アシタカよ」 

 

アシタカ「エボシ殿…恩にきる!!」ダダッ 

 

エボシ「……若さというものは眩しいものだ。さて、カヤの奴は上手くやっただろうか…?」

 

アシタカ(……こんな簡単なことにすら気づけぬとは…私はなんと馬鹿だったのだろう。……待っててくれサン!今行く!!)タッタッタッ 

 

カヤ「兄様!」 

 

アシタカ「!?……カヤ!戻ったか!……私はこれからサンのところへ向かうつもりだ」 

 

カヤ「なすべきことをお見つけになられたのですね。……サン様は…いえ…サンは、兄様のことを待っています。お気をつけて、兄様」 

 

アシタカ「ありがとうカヤ。…行ってくる!」ダダッ

 

 

シシ神の池 

 

 

『サーン!サンどこだー?サーン!』 

 

 

山犬1「まったく…森中に丸聞こえだっての。…おいサン!待ち人がやっと来たみたいだぜ?」 

 

サン「ちょっ…ちょっと待って!…確かこの辺に…あっ!あった!」 

 

山犬2「あん?そりゃあ…あの野郎がくれた髪飾りじゃねぇか!……池の中で何してるかと思ったら、それを探してたのかよ!」

 

サン「……私はもう少し自分の気持ちに素直になるべきだった。……これを受け取ったら…母さん、怒るかな…?」 

 

山犬1「母さんはきっと『あの人間と生きろ』って言うだろうよ」 

 

山犬2「違いねぇ。……森は確かに大事だが、森よりもサンのほうが…母さんにとっては大事だったと思うぜ?」 

 

サン「ありがとう…お前達。…さぁ、アシタカを迎えに行っておくれ」

 

 

アシタカ「サーン!サンどこだー?サーン!」 

 

ガサガサガサ 

 

山犬1「まったくうるせぇ奴だ!」 

 

山犬2「そんなに叫ばなくても、聞こえてるっての!」 

 

アシタカ「お、お前達!?……頼む!!サンのところに案内してくれ!」

 

山犬1「サンなら昨日と同じ場所だ。オラ、さっさと乗れ!」ヒョイッ 

 

アシタカ「すまない。お前達にも迷惑をかけたな…」 

 

山犬2「反省してるなら、もう間違うんじゃねぇぞ!今度サンを泣かしたらマジで食っちまうからな!?」グルル… 

 

アシタカ「あぁ…もう間違えない。急いでくれ!」 

 

山犬1「ふん…偉そうに…振り落されんなよっ!人間!」ダダッ

 

 

山犬1「ほら、着いたぜ」ポイッ 

 

アシタカ「ありがとう」 

 

山犬's「「それじゃあな!しっかりやれよ!人間!!」」タタッ 

 

 

サン「ア、アシタカ…」 

 

アシタカ「サン…」 

 

 

サン「ア、アシタカ…昨日はその…す、すまなかっt」 

 

 

アシタカ「すまなかった!サン!」ギュッ 

 

サン「ふぁっ…ア、アシタカ…?」 

 

 

アシタカ「私が馬鹿だった…許してくれ…サン!」ギュウ

 

サン「アシタカ…こっちこそ意地を張ってすまなかった。……こうしてお前に抱かれていると、自分がどんな愚かだったのかが良くわかる…」ギュッ 

 

 

アシタカ「愚かなのは私のほうだ!最初から…こうしていれば良かった。……ん?…この髪飾りは…?」 

 

 

サン「……素直に受け取ることにした。…に、似合うか…?」モジモジ 

 

 

アシタカ「……そなたは美しい」

 

サン「……あ、ありがとう」モジモジ 

 

アシタカ「しかし…良かったのか?君にとって森は…」 

 

サン「良いのだ。……アシタカと共に生きると…そう決めたから…」 

 

 

アシタカ「そうか…。愛している…サン」ギュッ 

 

 

サン「私も…あ、愛してるぞアシタカ」ギュウ 

 

 

山犬's「「…ケッ!犬も食わねぇとはこの事だぜ!」」 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

サン「アシタカがなかなか会いに来てくれない…」

http://vipper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1451111777/