アニメssリーディングパーク

おすすめSSを当ブログで再編集して読みやすく紹介! 引用・リンクフリーです

リーリエ「……そ、そんな」 ミュウツー「これが、私を生み出したお前たちへの“逆襲”だ!」【ポケモンss/アニメss】

 

レッド「君がリーリエか。博士から話は聞いてるよ」 

 

リーリエ「カントー地方のチャンピオンさんですね、こんにちは」 

 

レッド「ポケモントレーナーを目指す覚悟はできたようだね」 

 

リーリエ「ええ。ポケモンを戦わせることには慣れていませんが、深い愛を育むと考えれば、悪いことではないようです」 

 

レッド「よし」 

 

レッド「ここに3匹のポケモンがいるだろ?」

 

 

レッド「炎ポケモンヒトカゲを選ぶのか。こいつは元気がいいぞ」 

 

リーリエ「ええ、リザードンに進化するんですよね」 

 

レッド「あ、知ってるんだ」 

 

リーリエ「はい!」 

 

レッド「とりあえずポケモンリーグ制覇を目指してみたらどうだろう」 

 

レッド「まずは各地のジムリーダーに勝ち、バッジを集めるんだ」 

 

レッド「全てのバッジを集めたらセキエイ高原にくるといい」 

 

レッド「まずはここ、クチバシティのマチスに挑んでみてはどうだろうか」 

 

レッド「じゃあ、頑張って。オレはアローラに行ってバトルツリー挑戦してるから」リザードン ソラヲトブ 

 

リーリエ「よし、頑張りましょう! トカゲちゃん!」 

 

ヒトカゲ(トカゲちゃん……)

 

リーリエ「と言っても、困りました」 

 

リーリエ「トカゲちゃん、モンスターボールに入っていてくださいよ」 

 

ヒトカゲ「カゲ!カゲカゲ!」 

 

リーリエ「嫌なんですか? 困りました」 

 

リーリエ「まあ、いいです! まずはマチスさんに挑む前にディグダの穴でダグトリオを捕まえましょう!」 

 

ヒトカゲ「カゲ!」(お、分かってるなこいつ) 

 

リーリエ「では、行きますよ! カゲちゃん!」 

 

ヒトカゲ「……カゲ」(名前変わってるぞ)

 

 

ディグダの穴ー 

 

リーリエ「出ました! ダグトリオです!」 

 

リーリエ「これがカントー地方の姿ですね! 本で読みました!」 

 

リーリエ「よし、カゲちゃん、ひっかくで弱らせてください!」 

 

ヒトカゲ「カゲカゲ!」(任せろい) 

 

リーリエ「あ、血とか出ないようにお願いします!傷つけすぎないで!」 

 

ヒトカゲ「カ、カゲ!」(優しい子やな) 

 

カゲちゃん の ひっかく ! きゅうしょ に 当たった ! 

 

リーリエ「あああ!!! カゲちゃん、やりすぎ!」 

 

ヒトカゲ「カゲー……」(こればかりは制御できないんだよお) 

 

リーリエ「よし、ヒールボールを投げましょう!」 

 

コロ…………コロ………… 

   コロ………………カチッ!! 

 

リーリエ「やりました! カゲちゃん! やりました!」 

 

ヒトカゲ「カゲカゲ!」(中々いい腕だぞ!)

 

ダグトリオ「ダグダグダグ」(ワイを捕まえる、ってことはマチスかな?) 

 

リーリエ「よし、ジムへ向かいましょう、カゲちゃん、もぐもぐちゃん」 

 

ダグトリオ「ダグ!」(うーん、このネーミングセンス) 

 

 

ークチバシティジムー 

 

マチス「ヘイ! イナズマアメリカン! カモーン!」 

 

 

リーリエ「もぐもぐちゃんで三タテ余裕でしたね」 

 

ヒトカゲ「カゲカゲ」(がくしゅうそうち美味しい) 

 

ダグトリオ「ダグダグ」(当然やろ)

 

リーリエ「次は12番道路の方へ行ってみましょうか」 

 

 

リーリエ「カビゴンさんがいて進めませんね……」 

 

リーリエ「無理やりどかすのも申し訳ないですし、ここは別の道へ行きましょうか」 

 

リーリエ「地下通路を抜けてハナダシティへ向かいますよ!」 

 

ヒトカゲ「……カゲ」(え、水タイプのジム) 

 

ダグトリオ「……ダグ」(きついっすわぁ……) 

 

リーリエ「カゲちゃんのレベルを上げながら行きましょう。頑張ってくださいね、カゲちゃん」 

 

ヒトカゲ「カゲ!」(うわあ頑張ろう) 

 

ダグトリオ「ダグ?」(え??がくしゅうそうちオフにすんの????ええ???) 

 

リーリエ「勝負しましょう、短パンこぞうさん!」

 

 

リーリエ「さ、ハナダシティに着きました!」 

 

ヒトカゲ「カゲー」(あと1レベで進化なんだけどなー) 

 

リーリエ「おや、あの家は?」 

 

育て屋「いらっしゃいよく来たね」 

 

リーリエ「あら、ポケモンたちを戦わせることなくレベルアップさせるのですね」 

 

リーリエ「でもカゲちゃんは預けたらいあいぎりできません……。困りました……」チラッ 

 

ダグトリオ「…………まさか」 

 

育て屋「時間が経ったらまたおいで」 

 

ダグトリオ「……………………」(これ忘れられて引き取られないパターンやん……)

 

リーリエ「あらあら、カゲちゃん、待ってください!」 

 

ヒトカゲ「カゲカゲカーゲ!!」(こっちの民家の裏にふしぎなアメ落ちてるんだよ! 食わせてくれ!) 

 

リーリエ「あ、こら、いけません!」 

 

ヒトカゲ「カゲ……カゲカゲ…………」(確かこのあたりに) 

 

リーリエ「おや、これは?」 

 

ヒトカゲ「カゲ!!」(お! そこにあったか! くれ!) 

 

リーリエ「あ、ダメですよ。落ちてるもの食べたら汚いのです」 

 

リーリエ「トカゲちゃんはこっちですよ」 つ ポケマメ 

 

ヒトカゲ「カ、カゲェ……」ポリポリ 

 

リーリエ「でも、たしかにお腹減りましたね。もったいないのでこっちは私が食べます」 

 

ヒトカゲ「ゲ!」(ゲ!) 

 

リーリエ「ん……」ゴクン 

 

リーリエは レベルが 上がった! 

 

ヒトカゲ「」 

 

リーリエ「なんだかみなぎってきました!」

 

 

リーリエ「おや、あそこに洞窟があります」 

 

ヒトカゲ「カゲカーゲ」(あーそこはまだ早いな。殿堂入りしたらだな) 

 

リーリエ「きっと強いポケモンがいます! 行きますよ! カゲちゃん!」 

 

ヒトカゲ「カ……カカ……」(マジ?)

 

 

ーハナダの洞窟 最奥部ー 

 

ミュウツー「私は誰だ……」 

 

リーリエ「し、喋りました!」 

 

ヒトカゲ「」ブルブルブルブル 

 

ミュウツー「ここはどこだ……私は誰だ……」 

 

リーリエ「本で見たことがない珍しいポケモンです! さあカゲちゃん! いあいぎり!」 

 

ヒトカゲ「カゲカゲ!!!!」(むりむりむりむり) 

 

リーリエ「どうしました? 頑張って!」 

 

ミュウツー「所詮お前は何百と割られた卵のうちの一匹でしかない」 

 

ミュウツー「お前はただのコピーにすぎない」 

 

ヒトカゲ「カ……カゲー……」(おれに向かって言ってるのか? こいつやべえよ……)

 

リーリエ「あなた、人の言葉が分かるのですね」 

 

ミュウツー「お前は思わないのか?」 

 

ヒトカゲ「……カゲ?」(お、おれか? おれに聞いてるのか?) 

 

ミュウツー「誰が生めと頼んだ」 

 

ミュウツー「誰が作ってくれと願った!」 

 

ミュウツー「私は、私を産んだ、全てを恨む!」 

 

ミュウツー「だからこれは“攻撃”でもなく“宣戦布告”でもない……」ブォォォオオン! 

 

ヒトカゲ「!? カ、カゲ! カゲカゲ!」(!? やばい! シャドーボールっぽいのくる!) 

 

ミュウツー「私を生み出したお前たちへの“逆襲”だ!」 

 

リーリエ「!?」 

 

ヒトカゲ「カゲェ!!!」(危ないリーリエ!!!) 

 

ドゴォォオオン……!

 

 

リーリエ「カゲちゃん!! 大丈夫ですか!?」 

 

ヒトカゲ「カゲゲ……」(いてて……) 

 

リーリエ「ああ、こんなに怪我をして……オボンの実です。食べて……」 

 

ヒトカゲ「カゲ」(た、助かった) 

 

ミュウツー「ふん……」 

 

リーリエ「……あなた! 明らかに息の根を止めようとした規模の攻撃でしたよ! やりすぎです!」 

 

ミュウツー「そのつもりで撃ったのだ。次はしっかり狙って貴様に当てるぞ、人間」 

 

リーリエ「やめてください! 生き物を何だと思ってるんですか!?」 

 

ミュウツー「……何だと?」 

 

ミュウツー「その言葉、そっくりそのまま返してやる」

 

ミュウツー「貴様ら人間が自分たちの都合でポケモンを生み出し、ポケモンを逃しては、また生み出す」 

 

ミュウツー「神にでもなったつもりか?」 

 

リーリエ「そ、そんなことは、ありませ……」 

 

ミュウツー「私たちポケモンは貴様らの勝負の道具などではない! 仕事の道具ではない!」 

 

ミュウツー「何がポケモンリーグだ、笑わせるな」 

 

ミュウツーポケモンを“愛”などというまやかしで騙し、傷をつけられては癒やし、また戦わせ、新しいポケモンが現れれば、逃す」 

 

ミュウツーポケモンは本来あるべき姿を忘れ、人間の道具に成り下がっているのだ」 

 

ミュウツー「こんな洞窟の奥にいても、生まれてすぐに捨てられるポケモンたちの悲鳴が聞こえる!」 

 

ミュウツー「愛され育ったポケモンが捨てられる悲鳴が聞こえる!!」 

 

リーリエ「……っ…。それは……」 

 

ミュウツー「話は終わりだ、消えろ、人間」ブォォォオオオン!! 

 

リーリエ「くっ……ポケモンとの絆は……いつかきっと……!」 

 

リーリエ(絆? 確かにポケモンは……私たちの都合に合わせて……) 

 

ミュウツー「ふんっ」 

 

ヒトカゲ「カゲカゲゲ!!!」 

 

ドゴォォォオオオオオオン!!

 

 

リーリエ「きゃっ……あれ、私、無傷で……」 

 

リーリエ「ま、まさか、カゲ……ちゃん……?」 

 

ヒトカゲ「」() 

 

リーリエ「カ、カゲちゃん……?」 

 

ヒトカゲ「」() 

 

リーリエ「げ、げんきのかたまりを使えば!」 

 

 

つかっても こうかがないよ 

 

 

リーリエ「……そ、そんな」

 

ミュウツー「フン、こいつも人間に騙され生き、愛という不確かなものを受けて育った、愚かなポケモンだ」 

 

リーリエ「あ、あなたには!! 感情がないのですか!」 

 

ミュウツー「……感情だと?」 

 

ミュウツー「私は、怒っているぞ」 

 

リーリエ「怒り以外の感情は、ないのですか!!」 

 

リーリエ「目の前で一匹の生き物が死んでしまったというのに! 

 

リーリエ「あなたが! カゲちゃんを! 殺した!!」 

 

ミュウツー「……黙れ」ズキン 

 

リーリエ「あなたは私の友達を……! それなのに、今もまだ怒っているのですか!?」 

 

ミュウツー「……クソ」ズキズキズキ 

 

ブゥゥゥウウン 

 

ミュウツーは いやしのはどう を つかった! 

 

ヒトカゲ「カ、カゲ」(リ、リーリエ?) 

 

リーリエ「カゲちゃん!」 

 

ミュウツー「これは……なんだ……」ポタポタ 

 

リーリエ「それは、涙です」 

 

ミュウツー「な、涙?」ポタポタポタ 

 

リーリエ「そう、それが……」 

 

ミュウツー「……これがそうか。この掌にあるものが」 

 

ミュウツー「    心  か    」

 

ミュウツー「お前のような人間とそこのポケモンのような関係を持つトレーナがいることも理解している」 

 

ミュウツー「だが、人間たちを許すことはできない」 

 

リーリエ「それはわかります。私も同じですよ」 

 

リーリエ「なので、世界を一緒に見て回り、悪い人間たちを説得しましょうよ!」 

 

リーリエ「それにはあなたの持つ力が必要なのです! 確かに、利用するようにも聞こえますが……」 

 

リーリエ「あなたは出会ったとき、言いましたよね「私は誰だ」と。その意味を探しに行くのです!」 

 

リーリエ「確かに世の中には苦しみながら生きるポケモンが多いのも確かです」 

 

リーリエ「でも……きっと……!」 

 

ミュウツー「それ以上言うな。貴様の言いたいことは分かっている」 

 

リーリエ「で、では!」 

 

ミュウツー「早くボールを投げろ。捕獲されてやるぞ、人間」

 

リーリエ「いつかきっとわかりあえるはずです!」 

 

リーリエ は ゴージャスボール を 投げた! 

 

ミュウツー「…………」 

 

コロ……コロ…… 

 コロ…………ピキーン! 

 

リーリエ「よろしくおねがいします! みゅんみゅんさん!」 

 

ヒトカゲ「カゲカゲカゲ!」(みゅんみゅんww最強のポケモンもざまあねえなwwww) 

 

ヒトカゲ「カゲゲゲゲ!!」(なつきやすくなるwwwww) 

 

リーリエ「うわ! ボールが勝手に!」 

 

ミュウツー「この程度のボールの効力に支配されるわけがないだろう。おいトカゲ、貴様今、笑ったな?」 

 

ヒトカゲ「……ゲ!」(ごめんなさいいいいい) 

 

リーリエ「もう、あなたたちはボールの中が嫌いなのですね」オコリーリエ

 

リーリエ「あら、カゲちゃん?」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさんを捕獲したときの経験値でレベルアップを!?」 

 

リザード「リザー!!」(よっしゃきたああ! 進化だぁ!!!) 

 

ミュウツー「さて、行くぞ、リーリエ」 

 

リザード(ん? 今リーリエって呼んだ?) 

 

リーリエ「今、リーリエって呼んでくれましたね! みゅんみゅんさん!」ダキツキー 

 

ミュウツー「やめろ」テレポート

 

リーリエ「なにはともあれ、みゅんみゅんさん、仲良くやっていきましょう!」 

 

ミュウツー「馴れ合うつもりなどない」 

 

*「珍しいポケモン連れてるな、あいつ」 

 

*「なんだ? あのポケモン」 

 

リーリエ「……みゅんみゅんさんの姿は少し目立ちすぎますね」 

 

ミュウツー「次はどこへ行くんだ?」 

 

リーリエ「この橋を渡ったところにマサキという人が住んでいるらしいです」 

 

リーリエ「なんでも、パソコンのボックスの預かりシステムを作ったとかで」 

 

ミュウツー「ほう」 

 

リーリエ「いきなり攻撃したらいけませんからね」 

 

リザード「リザリザ……」(巻き込まれないようにしよ……)

 

マサキ「ワイがマサキや!」 

 

リーリエ「はじめまして、マサキさん。話があるのは、実はこのポケモンで……」 

 

マサキ「おお! かっこええな!」 

 

ミュウツー「ボックスという狭い世界でポケモンを閉じ込めるのか?」 

 

マサキ「と、思うやろ? 最近はホウエン地方のマユミはんたちを筆頭に研究が進んでてな、ボックスの中って結構快適やねん」 

 

ミュウツー「根本的には支配と同義だ」 

 

マサキ「んーせやなぁ。でも、ボックスの中のポケモンはそうは思ってないみたいやで?」 

 

ミュウツー「それは貴様らが愛とやらで飼いならしているからだ。本来の姿は違う」 

 

マサキ「そう言われちゃあ、おしまいなんやけどな。でもまあ、今生きている世界が楽しければ、ええやん」 

 

マサキ「ボックスのポケモン、みんなそう思っとるはずやで」

 

ミュウツー「いくら話しても無駄なようだ。行くぞ、リーリエ、トカゲ」 

 

リザード「!?」(トカゲって……もうそれポケモンですらない……) 

 

リーリエ「あ、ちょっと、待ってくださいみゅんみゅんさん!」 

 

リーリエ「マサキさん、ありがとうございました! みゅんみゅんさんが不躾ですみません!」ペコペコ 

 

マサキ「ポケモンと話すなんてレアな体験おおきに! ほなまたなー」 

 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん、得るものは、ありましたか?」 

 

ミュウツー「まだだ。まだ足りない」 

 

ミュウツー「この世で最も力のある人間と話す必要がある」 

 

ミュウツー「私がポケモンの頂点に立っているように」 

 

ミュウツー「人間の頂点に立つ人間と、な」 

 

リーリエ「最も力のある……ですか……」 

 

リーリエ「そうだ! ポケモンリーグにはシバさんという人が!」 

 

リザード「リザー……」(うわあ、天然が出ちゃったよ) 

 

ミュウツー「リーリエ、お前に捕まったのは失敗だったかもしれんな」ヤレヤレ

 

リーリエ「ポケモンリーグの頂点こそがある意味では人間の頂点かもしれませんね」 

 

ミュウツーポケモンを従えて権威を振るうのは気に食わんが、まあいい。そいつと話をさせろ」 

 

リーリエ「そのためには各地のジムでバッジを集めないといけませんね」 

 

ミュウツー「だったらそのジムへ向かうとしよう」 

 

リーリエ「はい! では早速、ハナダジムのカスミさんに挑んでみましょう!」 

 

 

ーハナダシティジムー 

 

*「君なんてあたしで十分! カスミの出る幕じゃないわ!」 

 

リーリエ「一応言っておきますが、みゅんみゅんさん。全力を出してはいけませんからねっ」 

 

ミュウツー「ふん……」

 

*「つ、強いわね」 

 

リーリエ「その調子です! みゅんみゅんさん!」 

 

カスミ「あら、やるじゃない!」 

 

カスミ「だったら私も本気でいくわ!」 

 

カスミ「私のポリシーは、水ポケモンで攻めて攻めて、攻めまくることよ!」 

 

カスミは サメハダーを繰り出した! 

 

サメハダー(Lv.65)「シャー……」 

 

ミュウツー(このポケモン、この地方のポケモンではないな……) 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん! ファイトですよ!」 

 

カスミ「サメハダー! かみくだく!」 

 

ミュウツー「ぐっ……」 

 

リザード「リザリザ!」(やばい! このミュウツー、まさか20年間カントー地方の洞窟にこもってたから悪タイプを知らないのか!?)

 

ミュウツー(さっきからこちらの攻撃が効いていない……?) 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん! そのポケモンエスパー技は効果がないのです! 他の技を!」 

 

カスミ「ポケモンのレベルは高いくせに、トレーナーがそんな調子じゃあ、ダメよ!」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん! 何か強い電気技を!」 

 

ミュウツー「!!」 

 

バリバリバリッシュ! 

 

カスミ「んな……なんてめちゃくちゃな指示……」 

 

カスミ「仕方ない、戻ってサメハダー」 

 

カスミ「頼んだわよ! スターミー」 

 

リザード「リザリザ!」(お、こいつならみゅんみゅん(笑)でも知ってるポケモンのはずだ) 

 

カスミ「スターミー、ちいさくなる! そしてみがわりよ!」 

 

ミュウツー「くだらん戦法を……」 

 

ミュウツーシャドーボール! 

 

スターミー「ヘアァ……!」ニヤニヤ 

 

カスミ「ハズレよ! スターミー、どくどく!」 

 

ミュウツー「く、毒か?」 

 

リーリエ「ま、まずいです!」 

 

ミュウツー「手間をかけさせおって……」 

 

ミュウツーの でんげきは! 

 

カスミ「しまった! 一体アンタのポケモン、いくつの技を……」 

 

リーリエ「あれそういえばいくつでしょう……?」ポカン 

 

リザード「リザァ……」(やれやれ)

 

 

カスミ「ふぅ……負けは負けね。ブルーバッジよ」 

 

カスミ「その子、早くポケモンセンターに連れて行ったあげなさい。毒は体を蝕むわ」 

 

ミュウツー「人間の施設になどは行かぬぞ」 

 

リザード「リザー!」(無茶すんなって。死ぬぞ?) 

 

リーリエ「だ、大丈夫ですか!?」 

 

リーリエ「近くに来てください、みゅんみゅんさん」 

 

ミュウツー「? 人間の道具など必要ない! きのみを探せばいいことだ」 

 

リーリエ「動いちゃ、ダメ、です」 

 

リーリエ「こうして、よしよし、ってすれば」ポケリフレー 

 

リーリエ「ほら、治りました!」 

 

ミュウツー「……」(なんだ、今のは)

 

リーリエ「さ、次はおつきみ山を抜けて、ニビシティを目指しますよ」 

 

 

ーおつきみ山ー 

 

 

R団員「おう、大人の世界に首を突っ込むと危ないぜ、お嬢ちゃん」 

 

リーリエ「あ、あなたたちは! ロケット団(以下R団)!」 

 

ミュウツー「こいつら、今までのトレーナーと違うようだが?」 

 

R団ラプラス「クゥゥウン」(タスケテ……) 

 

ミュウツーポケモンの悲鳴が、R団とやらには聞こえていないのか?」 

 

R団「おいおい! 喋ってるぞ、こいつ! 捕まえてボスに献上しよう!」 

 

ミュウツー「…………」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん、この人たちの使うポケモンたちを開放しましょうか」 

 

ミュウツー「当然だ」

 

ラプラス「クーン」(ありがとうございます) 

 

ミュウツー「なんだ? お前はもう自由になったのだぞ」 

 

ラプラス「クーンクーン」(私、あなたたちにお供しますよ) 

 

リーリエ「わわ、背中に乗ってよいのですか?」 

 

ラプラス「プワーン!」(水がなくても波乗り、です!) 

 

リーリエ「ありがとうございます! ぷらちゃんステキです!」 

 

ラプラス「ぷらぷらー」スリスリ 

 

リザード「リザリザー!」(お前、3番目だからな。一番下っ端な) 

 

リザード(あれ、4番目か? 誰か忘れているような気がする。まあいいか) 

 

リーリエ「あ、出口ですよ!」 

 

リーリエ「お疲れ様です、ぷらちゃん。ボールに入っていてくださいね」シュゥゥウン 

 

リーリエ「あなたたちも入ってみてはいかがですか?」 

 

リザード「リザー」(いやだ) 

 

ミュウツー「断る」 

 

 

リーリエ「さて、ニビシティまであと一息です!」 

 

*「コイキング、いらんかねー。一匹500円!」 

 

ミュウツー「…………」ネンリキー 

 

*「お、おいおい! コイキングが勝手に宙に浮いて……あー! わしの商売道具が! ま、待てー!」 

 

リーリエ「あ、みゅんみゅんさん、やりすぎてはダメ!」 

 

*「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん、コイキングさんたちをどこへ飛ばしたんですか?」 

 

ミュウツー「安心しろ、水辺に飛ばした」

 

 

ーニビシティジムー 

 

リーリエ「さ、今回はみゅんみゅんさんはおやすみです」 

 

ミュウツー「では、博物館にでも行ってくる」 

 

リーリエ「あ、こら! 勝手に出かけちゃダメですよ!」ギュッ 

 

ミュウツー「……おい、わかったから離せ」 

 

*「タケシさんに 挑戦なんて 100万光年 早いんだよ!」 

 

 

タケシ「ほう、ここまで来たか。君のラプラス、中々やるじゃないか!」 

 

タケシ「さあ、勝負だ!」 

 

リーリエ「ぷらちゃん! ファイトですよ!」 

 

ラプラスぷららぷー」(波のりで3タテですね) 

 

リザード(オレ完全に空気じゃん)

 

タケシ「見事だ! グレーバッジを授けよう!」 

 

リーリエ「やりましたね、ぷらちゃん!」 

 

ラプラス「ぷらんぷらん!」(お安い御用です、ご主人様) 

 

ミュウツー「用が済んだのなら次だ。行くぞ」 

 

リーリエ「あ、待ってくださいよ」 

 

 

ときわの森 

  ↓ 

トキワタウン 

 

 

*「あぁ、グリーンならいないぜ。アローラ地方へ旅行中さ。まあしばらくしたら帰ってくるだろうし、また来なよ」 

 

リーリエ「そういえば、レッドさんがそんなことをおっしゃっていましたね」 

 

ミュウツー「フン、ならば次のジムだ」 

 

リーリエ「あれ? みゅんみゅんさん、妙にやる気ですねぇ」ニヤニヤ 

 

ミュウツー「なんだと?」 

 

リーリエ「タケシさんやグリーンさんと戦えなくてがっかりしているんですか?」 

 

ミュウツー「馬鹿め。さっさと行くぞ、リーリエ」 

 

リザード「リザザ」(図星wwwwwwwww)

 

ミュウツー(この湧き上がる気持ちは何だ?) 

 

ミュウツー(なぜわくわくしている?) 

 

ミュウツー(この私が……ポケモンバトルを……求めている?) 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん? どうしました? そろそろマサラタウンに着きますよ」 

 

ミュウツー(ふん……ありえぬ) 

 

リザード「リザリザー!」(うわあ懐かしいな。レッドのママいるかな) 

 

リーリエ「そうでした。カゲちゃんの故郷ですね」 

 

リザード「リザ!」(久しぶりに名前呼ばれた!) 

 

レッドママ「あらいらっしゃい、リーリエさんね。レッドから話は聞いてるわよ」 

 

ナナミ「タウンマップ持ってないの? あげるよ!」 

 

 

リーリエ「そんなこんなで、研究所へ来ました」

 

リーリエ「あ! オーキドさん! ご無沙汰してます!」 

 

オーキド「アローラ! って違うわい! わしはそのいとこじゃよ」 

 

 

オーキド「話は聞いてるよ、リーリエ」 

 

リーリエ「し、失礼しました……」テヘヘ 

 

オーキド「ほほう、珍しいポケモンを連れているようじゃの」 

 

リーリエ「あ、みゅんみゅんさん、こちらはポケモン博士のオーキドさんです」 

 

ミュウツー「少しは話しの分かりそうな人間だな」 

 

オーキド「ミュウツーか。実際に見るのは初めてじゃよ」 

 

ミュウツー「リーリエ、行くぞ」 

 

リーリエ「え? お話はしなくていいんですか?」 

 

ミュウツー「こいつは、ポケモンの研究者だ。生物学者。私は否定しない」 

 

オーキド「ほっ」

 

 

リーリエ「さ、ぷらちゃん、波のりをお願いできますか?」 

 

ラプラスぷららん」(喜んで!) 

 

リーリエ「次はグレンタウンですね」 

 

リーリエ「炎タイプのジムがあるのと、ポケモン屋敷っていうのもあるらしいですよ」 

 

ラプラス「ぷらー!」(炎ジム! 私の出番ですね、リーリエさん!) 

 

ミュウツー(なんだ?) 

 

ミュウツー(またこの気持ちだ) 

 

ミュウツー(私は、どうしたいというのだ) 

 

リーリエ(また少しみゅんみゅんさんが変ですね……どうしたのでしょう……) 

 

リーリエ「さ、着きましたよ。ぷらちゃん、ありがとうございます!」

 

 

ポケモン屋敷ー 

 

リーリエ「これは……日記……?」ペラ 

 

リザード「リザ」(あ、それは……まさか……) 

 

リーリエ「あ! みゅんみゅんさん、これ見てください!」 

 

ミュウツー「なんだ?」 

 

 

“7月5日:ここは南アメリカギアナ。ジャングルの奥地で新種のポケモンを発見 ” 

 

 

“7月10日:新発見のポケモンをわたしはミュウと名付けた” 

 

 

“2月6日:ミュウが子供を産む。産まれたばかりのジュニアをミュウツーと呼ぶことに… ” 

 

 

“9月1日:ポケモン ミュウツーは強すぎる。ダメだ…私の手には負えない! ” 

 

 

ミュウツー(……ミュウ?)

 

ミュウツー(ぐっ……頭が……割れそうだ…………!) 

 

リーリエ「見てくださいこの挿絵。片方は見たことありませんが、もう片方はみゅんみゅんさんそっくりですよ!」 

 

ミュウツー「それは……私……なのか?」 

 

ミュウツー「では、その横のポケモン、ミュウとは……」 

 

ミュウツー(この記憶は何だ……何かを思い出しそうだ) 

 

リーリエ「みゅ、みゅんみゅんさん? 様子がおかしいですよ……。どうかしたのですか……?」 

 

ミュウツー(ミュウ……私を産んだ存在) 

 

ミュウツー(このポケモンを探す必要がありそうだな) 

 

ミュウツー「ミュウだ……。ミュウを探すぞ、リーリエ」 

 

リーリエ「私もそう思ったところです!」 

 

リーリエ「そうすればみゅんみゅんさんのことも、もっとよく理解できると思います!」 

 

ミュウツー「……ふん」

 

 

ーグレンタウンジムー 

 

 

カツラ「ほう、リザードを連れているのか! 珍しい炎ポケモンじゃな!」 

 

カツラ「よし、リザード! ワシのウィンディと勝負じゃ!」 

 

リーリエ「え? でも私ぷらちゃんに頑張ってもらいたく……」 

 

リザード「リザー!!!」(やってやんよ!!!) 

 

リーリエ「……え? あなたが?」 

 

リザード「リザザー!」 

 

リーリエ「そうね! 頑張って、カゲちゃん!」

 

カツラ「ぐっ……ワシの負けじゃ!」 

 

リザード「リ、リザ」(勝ったケロ……) 

 

リーリエ「や、やりました!! カゲちゃん……頑張りましたね」ギュウ 

 

デッデッデッデッデッデッデー 

 

リザードン「ぐぉおおおお!」(きたあああ!!!) 

 

リーリエ「カゲちゃん! つ、ついに最終進化です! やりましたね!」スリスリ 

 

リザードン「ぐぉぉおん!」(血が、滾る! 今ならみゅんみゅん(笑)にも勝てるかもしれん!) 

 

ミュウツー(くっくっく……試してみるか?) 

 

リザードン(って顔してるなぁ。冗談だよ、冗談)

 

リーリエ「さて、と」 

 

ミュウツー「これでバッジも半分になったか」 

 

リーリエ「ですね!」 

 

リーリエ「みなさんが頑張ってくれたおかげですよ!」 

 

リーリエ「さて、次は……よし、タマムシジムへ行きましょうか! デパートでお買い物したいです」 

 

リザードン「ぐおおおお」(リーリエは乗っていいよ! みゅんみゅん(笑)も? 仕方ないなあ) 

 

ミュウツー(どうして私はこいつを復活させてしまったのか) 

 

リーリエ「うわー! た、たたたた、高い! そ、それに早すぎですよ!」 

 

リーリエ「カゲちゃん、もっとゆっくりー!」

 

 

タマムシデパート屋上ー 

 

 

リーリエ「うぅ……少し酔いました……」 

 

リーリエ「せっかくですから屋上で少し休んでいきましょうか」 

 

リーリエ「はい、カゲちゃんにはミックスオレ!」 

 

リザードン「ぐぉおぉ」(おいしい) 

 

ミュウツー「リーリエ、R団がいるな。ポケモンを解放してくる」ヒュン 

 

リーリエ「あ、コラ! 勝手に出かけちゃダメって! おぅぅ……吐きそう」 

 

リーリエ「……しまった……行ってしまいました」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん、怪我をしなければよいのですが……」

 

R団員「こ、こいつ! くそ! ポケモンたちが逃げていく!」 

 

R団員「もうアジトは終わりだぁ!」 

 

R団員「ゲームコーナーもめちゃくちゃだぁ!」 

 

R団員「くそっ! くそっ!」 

 

ミュウツー「愚かな人間め。ポケモンがいなければ何もできないのか?」 

 

R団員「に、逃げろ! サカキ様はどちらに!?」 

 

R団員「サカキ様はジョウト地方へ行ってしまわれた!」 

 

ミュウツー「貴様、サカキ、とは誰だ? この組織のトップか? どんな顔立ちだ?」 

 

R団員「お、教えるかもんか!」 

 

ミュウツー「ならば、脳内に直接聞くまでだ」

 

R団員「ぐぁぁあああああ!!! あ、あ、頭がぁ!!」 

 

R団員「」バタり 

 

研究員「ひ、人殺し! 化物ぉぉお!」 

 

ミュウツー「脆い人間め」 

 

 

>いやしの波動< 

 

 

R団員「ッゲホゲホ!」 

 

研究員「ひ……! い、生き返った……」 

 

ミュウツー「クククク……ポケモンの気持ちとやらを知る、よい機会になったではないか」 

 

R団員「ば、化物だ!!」 

 

研究員「く、く来るなァァあ!!!」 

 

 

??? “来るな! 化物! 私のポケモンと、仲間を返せ!” 

 

??? “だ、ダメだ・・・こいつは・・・・強すぎる・・・! 撤退だ!” 

 

 

ミュウツー「ぐ……またこの記憶か……」 

 

??? “ば、化物! 人殺し!!” 

 

ミュウツー「私は……化物……人殺し……」

 

 

“あなたが! カゲちゃんを! 殺した!!” 

 

 

ミュウツー「ぐぅぅうう……!」 

 

 

“化物!!”    “人殺し!!” 

 

 

“あなたが殺した!!”   

 

 

“ば、化物だぁ!” 

 

 

“化物!”     “来るな、化物!” 

 

 “カゲちゃんを返して!”  

 

 

ミュウツー「ち、違う……わ、私は……」 

 

ミュウツー「ぐああああああああああああ」 

 

R団員「うわあ! こいつから離れろ! 暴走を始めたぞ!!!」 

 

研究員「総員退避だ! とにかく離れるんだ!」

 

 

ミュウツー「私は……誰だ……」 

 

ミュウツー「何のために生まれてきた……」 

 

R団員「ヒィ……や、やめてくれ……俺が悪かった……」ブルブル 

 

ミュウツー「黙れ」ボキ 

 

R団員「うぁぁぁああ! う、や、やめて……」ブルブル 

 

ミュウツー「私は、最強のポケモン……」 

 

ミュウツー「ククク……怖いか?」 

 

R団員「やめて……やめてくれ……」 

 

ミュウツー「私が改造したこのボールの中にお前達人間を閉じ込め、戦わせてやる」 

 

ミュウツー「お前が生まれた街で、家族や友人と戦わせてやる」 

 

ミュウツー「お前らがポケモンたちを“育てる”なら、私も貴様らを“飼育”してやる」 

 

ミュウツー「安心しろ、恐怖による支配は最初だけだ」 

 

ミュウツー「いずれお前ら人間から我々ポケモンに擦り寄ってくるようになるのだ」 

 

ミュウツー「それが、“愛”なのだろう?」

 

ミュウツー「ボックスとやらも改造し、貴様らが生きられるように快適な空間も用意してやろう」 

 

ミュウツー「貴様らは長い時を経ていずれそれに順応し、そのボックスの中で生活するだけで満足する程度の存在に成り下がるのだ」 

 

ミュウツー「人間に無理やり指示通りの芸をさせ、“コンテスト”のようにその出来栄えを競ったりもしてみようか?」 

 

ミュウツー「だが、貴様らはそれをおかしいとも思わず、ポケモンに使われ、そして喜ぶのだ」 

 

ミュウツー「それが、愛なのだからな」 

 

ミュウツー「そんな存在になりたいか?」 

 

ミュウツー「いや、なりたくなくとも、いずれそうなるのだ」 

 

ミュウツー「そんな世界に疑問を持つことすらできなくなるように洗脳される」 

 

ミュウツーポケモンに飼育され、戦いの道具にされ、時には食料にもされる」 

 

ミュウツー「それを“当たり前”、“普通”、“当然”としか認識できなくなるのだ!!」 

 

R団員「やめてくれぇ……お願いだ……」 

 

ミュウツー「お前たちはポケモンたちの悲鳴を無視し続けた」 

 

ミュウツー「だから私も」 

 

ミュウツー「お前ら虫けらの言葉などに耳を貸す義理はない」

 

 

タマムシデパートー 

 

リーリエ「うーん、どっちが似合いますかね?」 

 

リザードン「ぐおおおん!」(そんなことよりわざマシンコーナー見に行こうぜ!) 

 

リーリエ「うーん……。いまいち服を選ぶのは苦手です……」 

 

リザードン「ぐおうおん!」(あーミックスオレもう一杯飲みたいな) 

 

リーリエ「わかりました! じゃ、こっちにしますね!」 

 

リザードン「ぐお!」(どっちも可愛いんだよなあ) 

 

*「9000円です! 毎度あり!」 

 

 

リーリエ「それにしても、みゅんみゅんさんどこまで行ったんでしょう? 遅いですね」

 

 

タマムシシティジムー 

 

リーリエ「さあ、カゲちゃん! ついに大活躍の舞台です!」 

 

エリカ「あら、挑戦者ですか」ウトウト 

 

リザードン「ぐぉおぉおおおん!」(大暴れじゃああああ) 

 

 

エリカ「ふふふ。さすがですわね。さあ、このレインボーバッジを」 

 

リーリエ「やったね! カゲちゃん!」 

 

リザードン「ぐおおおおおおおん!!」(キノガッサストーンエッジ当たってたら負けてたな) 

 

 

\ ドゴォオオオン / 

 

リーリエ「うわっ! 地震?」 

 

リザードン「!!」(ま、まさか……) 

 

リザードン「ぐお!」(乗れ! リーリエ!) 

 

リーリエ「え!? ちょっと、カゲちゃん? どうしたのです!? わわ!」 

 

リーリエ「いきなり飛ばないでくださ……わわわ……」

 

 

ーR団アジトー 

 

ミュウツー「どうだ? 貴様らが作った栄養剤の味は」マックスアップー 

 

研究員「……あ……あっ……」ビクンビクン 

 

ミュウツー「筋肉が張り裂けるほどに痛かろう」タウリンー 

 

ミュウツー「尋常じゃない血の巡り、思考速度の高速化」リゾチウムー 

 

ミュウツー「貴様らが使用を禁止している麻薬とこれで、何が違うのだ? 強くなれて嬉しいか?ん?」 

 

ミュウツー「これが貴様らのしてきたことだ」 

 

ミュウツー「さて……次は何をされたい……?」クククククク....... 

 

リーリエ「…………みゅんみゅん……さん?」

 

ミュウツー「……リーリエか」 

 

ミュウツー「見てみろ、こいつらを」 

 

R団員「ア……アガガガ……アハハハ……ウフフフフフフフ」プルプル 

 

リーリエ「……めて」 

 

ミュウツー「リーリエ、見ろ、こいつは笑っているんだぞ?」 

 

R団員「エヘ……エヘヘェ……」ビクンビクン 

 

ミュウツー「幸せを感じている」 

 

リーリエ「……もう……やめて……」 

 

ミュウツー「これが、“愛情”だ」 

 

ミュウツーポケモンと人間の立場が変わっただけじゃないか」 

 

ミュウツー「それとも、ポケモンと人間に優劣があるのか?」 

 

リーリエ「もうやめてくださいよ!!!」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさんじゃないみたいですよ……どうしちゃったんですか……?」 

 

 

“みゅんみゅんさん?” 

 

 “あなたが! カゲちゃんを! 殺した!!” 

 

 “化物!” 

 

 “人殺し!” 

 

 

ミュウツー「クソ……」 

 

ミュウツー「ぐうぅぅうう……」ズキンズキン

 

リーリエ「みゅんみゅんさん……苦しいのですか?」 

 

ミュウツー「やめろ……! 来るな……!!」 

 

リーリエ「大丈夫ですよ」 

 

リーリエ「動いちゃダメです」ギュッ 

 

リーリエ「じっとしていてください」 

 

リーリエ「よしよし、みゅんみゅんさん、大丈夫ですよ」ナデナデ

 

 

“人間の施設になどは行かぬぞ” 

 

“だ、大丈夫ですか!?” 

 

“近くに来てください、みゅんみゅんさん” 

 

“? 人間の道具など必要ない!” 

 

“動いちゃ、ダメ、です” 

 

“こうして、よしよし、ってすれば” 

 

“ほら、毒も治りました!” 

 

 

ミュウツー「リーリエ……」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん」 

 

リーリエ「もう、大丈夫ですよ」ニッコリ

 

リーリエ「ふふふふ」 

 

リーリエ「聞いてください、みゅんみゅんさん」 

 

リーリエ「私、少し前まではポケモンに触れることができなかったんです」 

 

リーリエ「でもほら、今は違います」ナデナデ 

 

リーリエ「こうしてみゅんみゅんさんと触れ合ってます」ギュウ 

 

リーリエ「ククイ博士たちが見たら驚くでしょうね……ふふっ」 

 

リーリエ「こんな風に、人間も、もちろんポケモンも、変われるんです」 

 

ミュウツー「…………」

 

リーリエ「みゅんみゅんさん、私は……」 

 

ミュウツー「もういい、やめろ」 

 

ミュウツー「リーリエに触れ、全て伝わってきた」 

 

ミュウツー「私が間違っていたのだ」 

 

 

ミュウツーの いやしのはどうが タマムシシティを 包み込む! 

 

リーリエ「わあ! さすがみゅんみゅんさん! 全部元通り!」 

 

 

R団員「ん……俺は一体……ここで何をしてたんだ。恐ろしい夢を見ていた……」 

 

研究員「はて……長い夢を見ていたような」 

 

R団員「あれ? 昨日奪ったポケモンがいない!」 

 

研究員「実験用のポケモンたちが……。パソコンも全て故障……」 

 

幹部「サカキ様、申し訳ありません。 なぜかいろいろぶっ壊れてポケモンが全部逃げました」 

 

幹部「え、解散? そ、そんな……」 

 

幹部「わかりました」

 

 

リーリエ「さ、次はセキチクシティへ向かいますよ」 

 

リーリエ「カゲちゃん、お願いします!」 

 

リザードン「ぐぉ」(任せろ) 

 

 

セキチクティー 

 

ミュウツー「サファリゾーンか……」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん、暴れてはいけませんよ」 

 

ミュウツー「分かっている」 

 

ミュウツー「それにまずはジムだろう。早く行くぞ」 

 

リーリエ「そうですね、行きましょうか」 

 

キョウ「ファ ファ ファ」 

 

キョウ「強いな。ファ ファ ファ」 

 

ミュウツー「まるで骨がないな……」 

 

リーリエ「よくやりましたね、みゅんみゅんさん」 

 

キョウ「的確で素早い指示だったでござるな」 

 

キョウ「初心者とは思えない腕だ」 

 

リーリエ「とあるトレーナーが戦う姿を近くで何度か見ていたことがあるんです!」 

 

リーリエ「あの人は、私の知る中で最もすごいトレーナーなんですよ」 

 

リーリエ(今あの人はどうしているでしょうか……)

 

 

その後、ヤマブキシティのバッジも順調に手に入れ、再びトキワシティのジムの扉を叩いた。 

 

グリーン「お、来たかリーリエ」 

 

グリーン「バトルツリーは一段落しちまったから、この前ジムに帰ってきたのさ」 

 

リーリエ「……グリーンさん! 早速ですが勝負してください!」 

 

グリーン「ハハッ ちょっと前に見たときとは全然違うみたいだな!」 

 

リーリエ「行きますよ、みなさん!」 

 

 

 

グリーン「……ふぅ」 

 

リーリエ「や、やりました……」

 

グリーン(少し前までポケモンに触れもしなかったとは思えないな) 

 

グリーン(俺がリーリエの手持ちポケモンのレベルに合わせたポケモンを使ったとは言え、負けることになるなんてな) 

 

グリーン(レッドやアイツはとんでもないトレーナーを生み出しちまったのかもしれねえな……) 

 

グリーン「負けは負けだな。ほらよ、最後のバッジだ」 

 

リーリエ「やりました! ありがとうございます、グリーンさん!」 

 

リーリエ「カゲちゃんやみゅんみゅんさんのおかげですね!」 

 

ミュウツー「…………ふん」 

 

リザードン「ぐぉおおぉん……」(ナッシー以外のポケモンは全部みゅんみゅんが片付けたけどな) 

 

グリーン(……確かにリーリエの使うポケモンは強力だが、彼女の指示の出し方は的確で素早い) 

 

グリーン(ふふ、これじゃあレッドも足をすくわれちまうんじゃねーかな) 

 

グリーン「さぁリーリエ、セキエイ高原はこの先だ! 行ってきな!」 

 

リーリエ「さぁみなさん! いよいよです!」 

 

ミュウツー「さっさと行くぞ」 

 

ミュウツー(どのトレーナーも私の足元にも及ばないレベル……) 

 

ミュウツー(ぬるいな) 

 

リーリエ「少し考えてみたんですけれど、みゅんみゅんさんとカゲちゃん、ぷらちゃんだけではこの先辛いかもしれません」 

 

ミュウツー「……なに?」 

 

ミュウツー「確かに手持ちポケモンの数は他のトレーナーより少ないようだが、万が一にも負けはない」 

 

リーリエ「……そうでしょうか」 

 

リザードン「……ぐぉ」(まぁ確かに、こいつの能力はズバ抜けてるしなぁ) 

 

リーリエ「私よりずっと賢いみゅんみゅんさんが言うなら、そうなのかもしれませんね!」 

 

リーリエ「うん! 行きましょう!」 

 

 

リーリエ「……ふぅ」 

 

ミュウツー「次で最後か」 

 

ミュウツー「あの程度で“王”とは、笑わせてくれる」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん、レッドさんはこれまでのトレーナーとは比にならないかもしれません」 

 

リーリエ「世界で最も強いトレーナーのうちの一人ということを忘れてはいけませんよ?」 

 

ミュウツー「分かっている。さぁ、行くぞ」 

 

リザードン「ぐぉおおおぉおん」(レッドか。懐かしいなぁ) 

 

 

レッド「…… …… …… …… ……」 

 

リーリエ「レッドさん、お久しぶりです」 

 

レッド「……こんなに早く君と勝負するとは思わなかったよ」 

 

レッド「グリーンから「手加減はするな」と言われている。本気でいくぞ」 

 

リーリエ「望むところです!!」

 

 

レッド「ピカチュウ! ボルテッカー!」 

 

リーリエ「カゲちゃん、避けてじしんです!」 

 

レッド「フシギバナ! リーフストーム!」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん、サイコキネシス!」 

 

レッド「カビゴン! のしかかりだ!」 

 

リーリエ「カゲちゃん! フレアドライブ!」 

 

 

レッド「確かに君は強いね」 

 

リーリエ(さすがレッドさんです。みゅんみゅんさんの力でも簡単にはいきませんね……) 

 

レッド「……いよいよお互い最後のポケモンになってしまったようだ」 

 

 

レッド「行け、“リザードン”!」

 

ガリザードン「ググォォォオオオ!!!!!」 

 

ミュウツー「……どこかのトカゲとは文字通り、レベルが違うと言う訳か……」 

 

 

ガリザードンとミュウツーは、互角の攻防を繰り広げた。 

 

 

ミュウツー(……この私が……負ける?) 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん……!」 

 

ミュウツー(クソ……体が重いな……) 

 

レッド「リザードン、とどめだ」 

 

リーリエ「くっ……!」 

 

 

ミュウツー(リーリエの言う通りに他にポケモンを集めていれば、結果は違っていたのかもしれない……) 

 

ミュウツー(リーリエは私の言うことを信じ、私の力を信じてこのステージまで来たのだ……) 

 

ミュウツー(私の力を正しく評価していたのは、私自信ではなく、リーリエだったのか……) 

 

ミュウツー(人間に、いや、リーリエに頼ることで得られる強さもあった、ということか……) 

 

ミュウツー(クソ……ここまでか……) 

 

 

レッド「ブラストバーン!!」 

 

リーリエ「みゅんみゅんさん!!!」

 

レッド「……リーリエ、君は確かに強くなったよ」 

 

レッド「またいつでも君の挑戦を受けよう……」 

 

ミュウツー「…………ぐっ…!」 

 

 

 

ミュウツーは リーリエを 悲しませまいと 持ち堪えた! 

 

 

レッド「なに!!?」 

 

ミュウツー「勝った気に……なるなよ……!」 

 

ミュウツー(リーリエ……。私はまだ戦える……) 

 

レッド「だがもうミュウツーに攻撃をする力はないはずだ!!」 

 

リーリエ「そんなことはありません!」 

 

リーリエ「やりますよ! みゅんみゅんさん!」 

 

リーリエ「レッドさん、これが私たちの、“全力”です!」 

 

 

ミュウツーは Zパワーを 身体に まとった! 

 

 

レッド(しまった……! リザードンブラストバーンの反動で動けない……!) 

 

ガリザードン「……グォォオ……」 

 

 

ミュウツーが 解き放つ 全力の Zワザ

 

 

リーリエ「……みゅんみゅん……さん……?」 

 

レッド「……勝負は着いたようだね」 

 

ミュウツー「……………………」 

 

 

レッド「戻れ」シュゥゥウウウン 

 

レッド「よく耐えてくれた、リザードン」 

 

 

リーリエ「……そんな……まさか……」ポロポロ 

 

ミュウツー「……………………クソ」 

 

ミュウツー(この世に生を受け、初めて、負けた……か) 

 

ミュウツー(この感情はその悔しさか) 

 

ミュウツー(いや、違うな) 

 

 

リーリエ「……うっうっ」ポロポロ 

 

ミュウツー「……リーリエ」 

 

リーリエ「…………はい?」ポロポロ 

 

 

ミュウツー「お前を勝たせてやれなくて済まなかったな……」 

 

リーリエ「……!?」 

 

 

リーリエ「…………ふふ」 

 

リーリエ「……次はこそは絶対、勝ちましょうね!」

 

 

━━━━数ヶ月後 

 

アローラ地方ポケモンリーグ ー 

 

 

リーリエ「……お久しぶりですね!」 

 

リーリエ「約束通り、アローラに帰ってきました!」 

 

リーリエ「“ポケモントレーナー・リーリエ”として、あなたに勝負を挑みます!」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

レッド「ここに3匹のポケモンがいるだろ?」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488248174/