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おすすめSSを当ブログで再編集して読みやすく紹介! 引用・リンクフリーです

ハルヒ「キョンが....幸せになれますように」【涼宮ハルヒの憂鬱】

 

ハルヒ「…………」

 

みくる「どうしたんだろう涼宮さん。ずっと窓の向こうを見て」

 

古泉「最近様子がおかしいですね」

 

みくる「なんかあったのかなぁ?」

 

古泉「特に閉鎖空間が多発したりはしてないのですが……」

 

長門「あれは恋わずらい」

 

古・み「恋わずらい?」

 

長門「そう。恋わずらいとは恋の病のこと」

 

古泉「それは知ってますが涼宮さんに限ってまさか」

 

みくる「でも最近キョン君が来ないこと多いですよね。やっぱり関係あるんじゃ……」

 

古泉「うーん……」

 

古泉「涼宮さん」

 

ハルヒ「何、古泉君?」

 

古泉「最近元気ないですね。なんかあったんですか?」

 

ハルヒ「別になんでもないわ。ただ最近キョンが反抗的で……。なんでSOS団より谷口達との集まりを優先すんのよ」

 

古泉「彼にもそういう時がありますよ」

 

ハルヒキョンのくせに生意気な」

 

古泉「…………」

 

みくる「なんだか淋しそうですね」

 

古泉「そうですね。少なくともイライラとは違う様子です」

 

ハルヒ「はぁ~」

 

み・古「…………」

 

ハルヒ「私……キョンに嫌われちゃったのかなぁ……」ボソッ

 

古泉「え?」

 

みくる「涼宮さん?」

 

ハルヒ「ん?」

 

古泉「今なんて……」

 

ハルヒ「!?え、いや、なんでもない、なんでもないわよ!!」

 

古泉「…………」

 

みくる「涼宮さん……」

 

ハルヒ「ちょっと!古泉君もみくるちゃんもそんな目で私を見ないでよ!」

 

ハルヒ「もう今日は解散よ解散!さぁみんな帰りましょう!」

 

みくる「ちょっと待ってください涼宮さん」

 

ハルヒ「なに?」

 

みくる「私、自分の気持ちに嘘をつくのはよくないと思います」

 

ハルヒ「え?」

 

みくる「涼宮さんってキョン君のこと好きなんですよね?」

 

ハルヒ「は、はぁ?なに言ってんのよみくるちゃん。私がキョンなんかのこと好きなわけないでしょ!」

 

みくる「ほら、すぐ顔に出る♪」

 

ハルヒ「み、みくるちゃん!」

 

古泉「僕が言うのは厚かましいようですが、自分の気持ちを素直に伝えてみてはいかがですか?」

 

ハルヒ「ちょっと、古泉君まで……!」

 

長門「あなたが彼に好意をいだいてるのはみんな知っている。今さら隠しても無駄」

 

ハルヒ「…………」

 

古泉「気持ちを抑えて辛い思いをするより、話してしまったほうが楽ですよ」

 

みくる「そうですよ♪思いきって告白しましょうよ!」

 

ハルヒ「で、でももし断られたら……」

 

みくる「大丈夫ですよ!キョン君はきっと涼宮さんの気持ちに応えてくれます!」

 

古泉「実は彼も涼宮さんの告白を待ってるのかもしれませんよ」

 

ハルヒ「そうかなぁ……」

 

みくる「頑張って涼宮さん!」

 

古泉「勇気を出してください」

 

ハルヒ「…………わ、わかったわ。私、キョンに告白してみる」

 

 

次の日の放課後

 

長門「…………」パタン

 

キョン「おし、帰るか」

 

古泉「そうですね」

 

ハルヒキョン、ちょっといい?」

 

キョン「なんだ?」

 

ハルヒ「みくるちゃんの着替えが終わったら話したいことあるから部室に残ってほしいんだけど……」

 

キョン「話したいこと?今話せばいいじゃないか」

 

ハルヒ「ふ、二人きりじゃなきゃダメなのよ!」

 

キョン「そうか……わかった」

 

………

 

ハルヒ「じゃあみくるちゃん達は先に帰ってていいわよ」バタン

 

古泉「頑張ってください、涼宮さん」

 

みくる「ファイトです!」

 

キョン「話ってなんだ?」

 

ハルヒ「あのね、キョン……」

 

キョン「……」

 

ハルヒ「……」

 

キョン「どうした?」

 

ハルヒ「ご、ゴメン。あのさ、キョン!」

 

キョン「おう」

 

ハルヒ「私と付き合わない……?」

 

キョン「は?」

 

ハルヒ「だから、私と……付き合わないか……って」

 

キョン「どうして」

 

ハルヒ「あ、あんたのことが好きだからにきまってんでしょ!」

 

キョン「それはマジで言っているのか?」

 

ハルヒ「…………うん」

 

キョン「……………」

 

ハルヒ「……………///」

 

キョン「……………すまん」

 

ハルヒ「…………」

 

ハルヒ「え?」

 

キョン「本当にすまん。俺はお前とは付き合えない」

 

ハルヒ「…………え?」

 

キョン「悪い……」

 

ハルヒ「わ、私のこと……嫌い……なの……?」

 

キョン「いや、そうじゃない。むしろ好きか嫌いかと言われれば好きさ」

 

ハルヒ「じゃあなんで……」

 

キョン「実はな、俺もう付き合ってる人いるんだ」

 

ハルヒ「…………え?」

 

キョン「いつかは言おうと思ってたんだがな」

 

ハルヒ「だ、誰よ……!この学校の人?私知ってる?」

 

キョン「いや、学校の違うお前の知らない人だ。谷口のバイト先の子で――」

 

ハルヒ「ちょっと待って……ちょっと待ってよ!どういうことよ!!」

 

キョン「まあ聞け。知り合ったのは一ヶ月くらい前だ」

 

ハルヒ「一ヶ月も前……」(ちょうどキョンが谷口達とつるむようになったころだ……)

 

キョン「谷口と国木田と食べに行った先でたまたま会ってな。それで偶然谷口のバイト仲間だって言うから仲良くなって……」

 

ハルヒ「…………」

 

キョン「それからメールのやり取りとかするようになってな」

 

キョン「それで一週間くらい前に俺が告白したんだ」

 

ハルヒ「…………え?ちょっと待って。あんたが告白したの?」

 

キョン「ああ。正直一目惚れだった。しかもメールしてるとなかなか話も合ってな」

 

ハルヒ「嘘でしょ……?」

 

キョン「いや本当だ。すまん、本当にいつか言おうとは思ってたんだ。なんせまだ一週間前の話で――」

 

ハルヒ「…………」

 

キョン「だから……悪い。お前とは付き合えない」

 

ハルヒ「そう……」

 

ハルヒ「…………」ウルウル

 

キョンハルヒ?」

 

ハルヒ「な~んだ、キョンもう付き合ってる人いたんだ!ほんとキョンくせに生意気ね!(笑)」

 

キョン「あ、ああ……」

 

ハルヒ「私全然気がつかなかったわ!だってあんたそんなそぶり見せないんだもの!」

 

キョン「ああ」

 

ハルヒ「今度私にも紹介しなさいよね!団員の男女関係を把握するのも団長の仕事なんだから!」

 

キョン「わかったよ」

 

ハルヒ「もちろん古泉君やみくるちゃんや有希にもよ!ちょっとSOS団に紹介するんだからね!」

 

キョン「団長様がそう言うならそうするさ」

 

ハルヒ「はははっ、そっか~。キョンもう付き合ってる人いたんだ……。そんなことも知らずに私馬鹿みたい(笑)」

 

キョンハルヒ……」

 

ハルヒ「ちょっと彼女さん幸せにしてあげなさいよ!泣かせたりしたら私があんたをぶっ殺すわよ!!」

 

キョン「もちろんそのつもりだ」

 

ハルヒ「そっか……」

 

みくる「涼宮さんちゃんと告白できたのかなぁ~」

 

古泉「涼宮さん、素直じゃないですからね(笑)」

 

みくる「でも大丈夫ですよね?キョン君だってきっと涼宮さんのこと好きですよね?」

 

古泉「僕もそう思います。今頃夕暮れ時の部室で愛し合ってるかもしれませんよ」

 

みくる「も~古泉君たら♪」

 

長門「…………」

 

ピロピロピロ♪

 

古泉「あ、僕の携帯です。ちょっと失礼します」

 

古泉「はい、古泉です……はい……はい……え?」

 

みくる「?」

 

古泉「はい……はい……わかりました、すぐにそちらへ行きます。では。」

 

みくる「どうしたんですか古泉君?」

 

古泉「………………」

 

みくる「古泉君……?」

 

古泉「未だかつてないほど巨大な閉鎖空間が発生したとの報告を受けました」

 

みくる「え?それって……」

 

古泉「はい、どうやら涼宮さんの告白は失敗したらしいですね」

 

 

次の日

 

キョン「おす」

 

ハルヒ「お、おはようキョン

 

キョン「今日も暑いな」

 

ハルヒ「本当ね……」

 

キョン「…………」

 

ハルヒ「…………」

 

ピロピロ♪

 

キョン「古泉からメールだ。昼休みに話がある?」

 

古泉「それで涼宮さんの告白を断ったと……」

 

キョン「そうだ」

 

古泉「…………」

 

キョン「な、なんだよ……」

 

古泉「あなたには幻滅しました」

 

キョン「はぁ?」

 

古泉「なんで……どうして涼宮さんをほっておいて他の女性と付き合ったりするんですか!!」

 

キョン「何言ってんだ古泉??」

 

古泉「涼宮さんという人がいながらあなたという人は……」

 

キョン「おい待てよ古泉。お前言ってることがおかしいぞ」

 

古泉「おかしいのはあなたじゃないですか!」

 

キョン「落ち着け古泉。そして教えてくれ。『涼宮さんという人がいながら』ってのはどういう意味なんだ?」

 

古泉「そのままの意味ですよ」

 

キョン「はぁ……あのな古泉」

 

キョン「なんでお前の頭の中では俺とハルヒがくっついてることになってるんだ?」

 

古泉「それは……」

 

キョン「確かに俺はハルヒのことは嫌いじゃない。むしろ好きだ。でもそれはラブじゃなくてライクだ」

 

古泉「…………」

 

キョン「なんか勘違いしてないか?もともと俺とハルヒは付き合ってなんかいない。朝比奈さんも、クラスの連中もそうだ」

 

古泉「…………」

 

キョン「確かに閉鎖空間に閉じ込められた時にキスはしたが、あれは脱出のためであって好きでしたわけじゃない」

 

古泉「しかし、涼宮さんの精神状態が不安定になれば世界の崩壊の可能性も――――」

 

キョン「なぁ古泉……」

 

キョン「俺だってお前の苦労はわかる。閉鎖空間を抑えるための努力なら俺もするさ」

 

キョン「だかな、俺にもプライベートがあるんだ。一から百までハルヒの望むように動くわけにはいかない」

 

古泉「…………」

 

キョン「おまえは俺に『ハルヒの欲求を満たすためにハルヒと付き合え』とでも言うのか?悪いが俺もそこまでお人好しじゃない」

 

古泉「…………」

 

キョン「自分の人生を捨ててまでハルヒのために動くなんて俺はゴメンだ」

 

古泉「…………」

 

キョン「古泉、俺はなんか間違ったことを言ってるか?」

 

古泉「…………いえ、正論です」

 

キョン「だろ?だからおまえに説教される覚えはない」

 

古泉「そうですね……」

 

キョン「じゃあもう話は終わりだな」

 

古泉「はい……」

 

キョン「あ、そうだ」

 

古泉「?」

 

キョンハルヒに彼女をみんなに紹介しろって言われたんだ」

 

古泉「はぁ」

 

キョン「それで彼女に話したらぜひ会ってみたいってさ。今週の日曜大丈夫か?」

 

古泉「僕は大丈夫ですが……」

 

キョン「そうか。なら予定空けといてくれ。みんなでファミレスでも行こう」

 

古泉「いいですね……」

 

 

日曜日

 

ハルヒ「…………」

 

古泉「まさかこんなことになるとは……」

 

みくる「私だって予想外ですよ。涼宮さん可哀相……」

 

古泉「ソワソワしてますね。やっぱり気になるんでしょうか……」

 

みくる「そりゃあ気になるに決まってるじゃないですか……」

 

古泉「連日大希望な閉鎖空間が発生しています。いったいこれからどうなるのか……」

 

みくる「涼宮さん……」

 

長門「…………」

 

ハルヒ「…………」

 

みくる「それでこれからどうするんですか?」

 

古泉「どうするとは?」

 

みくる「だってこのままじゃ本当に世界が壊れちゃうかも……」

 

古泉「うーん……」

 

みくる「あまり言いたくないですけど……キョン君と彼女さんを別れさせるとか……」

 

古泉「そんなこと……」

 

みくる「ごめんなさい!私とんでもないことを……」

古泉「気にしないでください」

 

古泉(しかし朝比奈さんの言う通りですね。このままでは世界が崩壊、再構築されてしまう……)

 

キョン「おーい、こっちだ!」

 

みくる「来ました……!」ドキドキ

 

古泉「…………」ゴクリ

 

長門「…………」

 

ハルヒ「ちょっとキョン、遅いわよ!あんた――――」

 

キョン「遅れてすまんな。紹介する。この人が俺と付き合ってる〇〇さんだ」

 

彼女「始めまして。キョン君とお付き合いしてる〇〇です」

 

ハルヒ「な…………」

 

みくる(か、可愛い……)

 

古泉(これは……ひょっとして涼宮さんより……)

 

長門「…………」

 

キョン「どうした?」

 

ハルヒ「は、始めまして……涼宮ハルヒです」

 

みくる「朝比奈みくるです」

 

古泉「古泉一樹です」

 

長門長門有希……」

 

〇〇「これがキョン君の入ってるクラブの人達なのね?いつもキョン君から話を聞いてます。よろしく」

 

ハルヒ「よろしく……」

 

〇〇「今日はとても楽しかったです。ありがとうごさいました♪」

 

ハルヒ「…………」

 

古泉「いえいえこちらこそ」

 

キョン「じゃあここでお別れだな。じゃあなお前ら、また明日学校で」

 

〇〇「さようなら」ニコッ

 

ハルヒ「…………」

 

みくる「…………」

 

古泉「…………」

 

長門「…………」

 

ハルヒ「私ちょっと用事思い出したわ。みんな先に帰ってていいわよ。じゃあね」スタスタ

 

みくる「ちょっと待ってください涼宮さん……!」

 

古泉「走っていっちゃいましたね……」

 

みくる「涼宮さん……」

 

みくる「可愛いかったですね……キョン君の彼女さん」

 

古泉「はい、予想の遥か上を越えてました。以前に佐々木さんを初めて見た時も衝撃でしたが……」

 

長門「…………」

 

みくる「それにすごくいい人でしたね……」

 

古泉「そうですね。落ち着いた感じで品のある女性でしたね」

 

みくる「…………」

 

古泉「…………」

 

みくる「とりあえず涼宮さんを追いかけましょう!!」

 

古泉「わ、わかりました!しかしもうどこへ行ったか……」

 

長門「あっち」

 

古泉「長門さん助かります。よかったら案内してもらえますか?」

 

長門「わかった」

 

古泉「…………」スタスタ

 

みくる「はぁはぁ……」スタスタ

 

長門「いた」

 

古泉「ここは公園ですね……」

 

みくる「涼宮さんブランコに座ってます」

 

ハルヒ「…………」グスッ

 

古泉「な、泣いてる……?」

 

みくる「涼宮さん……」

 

ハルヒ「…………キョン」グスッ

 

古泉「慰めるべきなんでしょうか……」

 

みくる「…………」

 

ハルヒキョン……うっ……」グスッ

 

ハルヒ「うっ……ヒグッ……うっ……うわぁぁん」

 

古泉「涼宮さん……」

 

みくる「ううっ……」ウルウル

 

長門「…………」

 

ハルヒ「うっ……キョンの……ヒグッ……キョンのばかぁ~」グスッ

 

古泉「…………」

 

みくる「涼宮さん……うっ……」グスッ

 

古泉「朝比奈さんまで泣かないでくださいよ……僕たちには何もできません……」

 

ハルヒ「うわぁぁ~ん」ウルウル

 

 

ニヶ月後

 

谷口「ようキョン!昨日のデートはどうだったぁ?」

キョン「いつも通り楽しかったぜ」

 

谷口「そうじゃねーよキョン!アッチのほうはどうだったって聞いてんだよ」

 

国木田「ちょっと、谷口……!」

 

谷口「あぁ?」

 

ハルヒ「…………」Zzz

 

谷口「寝てるだろ」

 

国木田「でも……」

 

キョン「別にやましいことはしてねーよ」

 

谷口「本当かぁ~?あやしいな~。キスは?キスはしたのか??」

 

キョン「お前はっ倒すぞ」

 

谷口「そう切れんなよ~俺達友達だろ?それくらい教えてくれよ~」

 

キョン「まぁ……キスくらいなら……」

 

ハルヒ「…………」Zzz

 

谷口「うっはぁ~やることやってんね~!!」

 

谷口「キッスの味はどうだったよ?」

 

国木田「谷口ウザいよ……」

 

キョン「国木田に同意」

 

谷口「冷たいな~おい。教えてくれよ~」

 

キョン「普通だよ……」

 

谷口「普通ってなんだよ」

 

キョン「普通は普通だ。お前いい加減黙れよ」

 

谷口「キョンが切れるぞ(笑)」

 

ハルヒ「…………」Zzz

 

谷口「でもまさかキョンがあの〇〇と付き合うことになるとはな~。俺はてっきり涼宮と付き合ってるのかと……」

 

キョン「いつ俺がハルヒと付き合ってると言った」

 

谷口「だってそういう雰囲気だったろ。おまえらを見れば10人が10人付き合ってると思うだろうぜ」

 

キョン「ったく、いい迷惑だぜ」

 

ハルヒ「…………」

 

国木田「でも最近SOS団の話聞かないね」

 

キョン「最近集まり自体少ないんだ。まあ俺にとってはそのほうが好都合だがな」

 

谷口「やっと涼宮の呪縛から解かれたって感じか」

 

キョン「まぁな。そりゃワイワイやったりして楽しいくど今は〇〇との時間を大切にしたいんだよ」

 

谷口「言うね~」

 

ハルヒ「…………」

 

キョン「やっぱり〇〇といるほうが楽しいしな。SOS団は二の次だよ」

 

ハルヒ「…………」

 

キョン「最近ハルヒも俺にキツク当たらなくなってきたんだ。わがままも言わなくなったし、万々歳だよ」

 

ハルヒ「…………」

 

谷口「ハルヒもツラはいいが、性格とか考えると〇〇とは月とスッポンだもんな」

 

キョン「言い過ぎだ」

 

谷口「でも顔笑ってるぞ」

 

キョン「そうか?」ニヤ

 

はははははははっ

 

ハルヒ「……………」ワナワナ

 

 

さらに一ヶ月後

 

ハルヒ「…………」

 

みくる「古泉君大丈夫ですか?大分やつれてますけど……」

 

古泉「心配ありがとうごさいます。もう慣れましたよ。これも仕事ですから」

 

みくる「今日もキョン君きませんね……」

 

ハルヒキョンなら今日学校休んだわよ」

 

みくる「そうなんですか?」

 

古泉「珍しいですね」

 

長門「…………」

 

ピロピロピロ♪

 

古泉「僕です……おや?」

 

みくる「どうしたんですかぁ?」

 

古泉「彼からです。もしもし、古泉ですが……どうしたんですか?落ち着いてください……」

 

古泉「わかりました……いつもの場所ですね、ではまた後で」

 

みくる「何があったんですかぁ?」

 

古泉「わかりません。なんか様子が変なんです。涼宮さん、申し訳ないんですが僕はこれで帰ります」

 

ハルヒ「わかったわ……」

 

古泉「失礼します」

 

…………

 

カランカラン

 

古泉「お待たせしました」

 

キョン「よう、古泉……」

 

古泉「目が真っ赤ですよ?大丈夫ですか?」

 

キョン「俺は大丈夫だ」

 

古泉「俺は?」

 

キョン「おい古泉」

 

古泉「はい、なんでしょう」

 

キョン「お前最近やつれてるよなぁ」

 

古泉「そうですかね。先程朝比奈さんにも言われましたよ(笑)」

 

キョン「そうか……」

 

古泉「?」

 

キョン「ってことはやっぱり閉鎖空間発生してるんだな。お前をそこまで疲れさせるほどの量で」

 

古泉「まぁ……正直に言いますとそうですね。でもあなたのせいだとは言いませんよ。いつしかのあなたの言い分は正論ですから」

 

キョン「そうじゃないんだ。つまり閉鎖空間が発生してるってことはハルヒの精神が不安定な状態にあるってことなんだろ?」

 

古泉「そうですね……」

 

キョン「でだ、それは俺がハルヒの告白を断った時……いや、正確には俺が他の女と既に付き合ってるとカミングアウトした時から始まってるわけだ」

 

古泉「否定はしません」

 

キョン「つまりだ……ハルヒは俺が〇〇と付き合ってるのを快く思ってないってことだよな?」

 

古泉「それは……」

 

キョンハルヒは俺が〇〇と付き合ってるのを不快に思ってるんだよな?」

 

古泉「待ってください!そのような言い方は――」

 

キョン「でもそういうことだろ」

 

古泉「…………そうですね」

 

キョン「そしてハルヒには自分の願望を現実にさせる能力がある……」

 

古泉「?」

 

キョン「あの女にとって邪魔なものは消すこともできるってことだ……」

 

古泉「ちょっと何言ってるんですか?」

 

キョン「…………っ!!」

 

古泉「ちょっと待ってください……まさか……」

 

キョン「あぁ!!そのまさかだよ!!」

 

古泉「そんな……」

 

キョン「最近〇〇からの連絡がなかったんだ。メールも返ってこない電話にも出ないし。」

 

キョン「それでおかしいと思って家に行ったんだ。そしたら親に会ってな……」

 

古泉「…………」

 

キョン「俺が〇〇と付き合ってるって話したらいきなり泣かれたよ……。それで行った場所が病院さ……」

 

キョン「それで〇〇に会えたんだ。会うなり俺に笑顔を向けてくれて、そん時は振られたわけじゃなかったのかとホッとしたぜ」

 

古泉「…………」

 

キョン「したらなんて言われたと思う?」

 

古泉「…………」

 

キョン「『ごめんねキョン君……私死んじゃう』だってよ……」

 

古泉「そんな……」」

 

キョン「癌なんだと……つい前まで元気だったに……。急に家で倒れて検査したら全身に転移してましたってなんだよそれ……」

 

古泉「…………」

 

キョン「もって一ヶ月だそうだ……」

 

古泉「…………」

 

キョン「古泉、俺が何が言いたいかわかるよな……?」

 

古泉「ま、待ってください!」

 

古泉「確かに彼女さんのご病気については気の毒に思います……。しかし!癌が知らないうちに全身に転移してたというのは有り得る話です!」

 

キョン「有り得る話?ふざけるな!この完璧なタイミングで偶然だって言うのかよ!!ハルヒ以外に誰のせいだって言うんだ!!」

 

古泉「撤回してください!!お気持ちはわかりますがいくらなんでも酷いですよ!!いくら涼宮さんだって、人の死を望むはずないじゃないですか!!」

 

キョン「いくらハルヒでもだって?ハルヒだからだろ!あのわがままな女の考えそうなことじゃねぇか!!」

 

古泉「!?!?あなた――――!!!」ガシャン

 

キョン「胸倉つかんで殴るのか……?さすがハルヒを崇める連中は違うな(笑)」

 

古泉「ぐっ……!!!」

 

店員「お客様……!」

 

古泉「…………」

 

キョン「…………」

 

古泉「すいません、熱くなりすぎました……」

 

キョン「…………あぁ、すまん。俺も気が動転してた……」

 

古泉「とにかく落ち着いてください。涼宮さんが人の死を望むはずがありません」

 

古泉「それに、あまりこういうことは言いたくはありませんが他の可能性もあります」

 

キョン「他の可能性……?長門か……」

 

古泉「そんなことはないはずです。しかし長門さんの意に反して上のものが何かしている可能性もあります」

 

キョン「そうだな……」

 

古泉「あなたからは話づらいでしょうから僕が聞いてみます」

 

キョン「そうか……頼む……」

 

 

夜・某公園

 

古泉「――――ということです……」

 

みくる「そんな……」

 

長門「…………」

 

古泉「それでですね……大変言いにくいことなんですが……」

 

みくる「…………」

 

古泉「…………」

 

長門「言わなくていい。言いたいことはわかる」

 

古泉「…………」

 

長門「確かに状況を見る限り私達が疑われてもしかたがない」

 

みくる「長門さん……」

 

長門「少し待ってほしい。確認してみる……」

 

古泉「すいません」

 

長門「…………」

 

古泉「…………」

 

みくる「…………」

 

長門「返答がきた」

 

古泉「それで?」

 

長門「〇〇の病について情報統合思念体は関与していない。無論、私も」

 

古泉「そうですか」

 

長門「信じてほしい……」

 

古泉「いえ、信じますよ。僕こそすいませんでした」

 

長門「気にしないで」

 

古泉「原因はわかりませんか?」

 

長門「そこまではわからない」

 

古泉「そうですか……」

 

みくる「私も未来と連絡とってみたんですけど、何も情報はないそうです……」

 

古泉「わかりました」

 

みくる「でも、いくら涼宮さんでも人に死んでほしいなんて思うわけありませんよ」

 

古泉「それが……」

 

みくる「?」

 

古泉「僕の組織の中で涼宮さんの願望だと主張するものが少なからずいるんです」

 

みくる「そんなぁ……」

 

古泉「確かにあの日以来、閉鎖空間の発生頻度とその規模は尋常じゃあありませんでした」

 

古泉「今日朝比奈さんが僕を心配してくれましたよね?実はかなり無理しています……」

 

みくる「古泉君……」

 

古泉「それでも僕は学校があるから仕事を減らしてもらってるほうで……。あっ、勘違いしないでください!僕はその意見には真っ向から否定してます!」

 

みくる「うーん……したら原因はなんなんだろう……」

 

長門「現実的にもありえない話ではない」

 

古泉「そうなんですよね……」

 

 

二週間後

 

ガラガラ

 

谷口「おう、キョン!今日はきたのか。最近学校よく休んでるけどどうしたんだ?」

 

キョン「なんでもない」

 

谷口「そうか。そいえば〇〇がバイト辞めたんだけどどうしたんだろ?なんか理由聞いてないか?」

 

キョン「知らん!!」

 

谷口「そ、そうか……」

 

キョンハルヒ

 

ハルヒ「何よ、キョン

 

キョン「話がある。付き合え」

 

ハルヒ「………………」

 

キョン「そういうわけで〇〇がもうすぐ死ぬ」

 

ハルヒ「そう……なんだ……」

 

キョン「…………」

 

ハルヒ「ゴメン、私こういう時なんて言っていいか……」

 

キョン「いや気にするな」

ハルヒ「でもなんで私にそんなこと話してくれるの……」

 

キョン「団員の男女関係を把握するのも団長の仕事なんだろ?ならお前も知っとくべきだと思ってな」

 

ハルヒ「そうね……」

 

キョン「…………」

 

ハルヒ「悲しい……わよね……」

 

キョン「当たり前だ……」

 

ハルヒキョンの大切な……人だもんね……」

 

キョン「あぁ、今の俺にとってかけがえのない大切な人だ。心の底から愛してる女だ」

 

ハルヒ「そっか……」

 

キョン「あぁ」

 

ハルヒ「……………………」

 

キョン「…………」

 

ハルヒ「…………はぁ~」ククッ

 

キョン「!?!?」(笑った……?)

 

ハルヒ「お見舞いいったほうがいいのかな……」

 

キョン「いや、いい……」

 

ハルヒ「そう……。キョン……」

 

キョン「なんだ?」

 

ハルヒ「…………たまには部室にきなさいよ♪」

 

キョン「…………」

 

 

部室

 

キョン「おい、古泉」

 

古泉「おや?言いにくいんですが……学校に来ていてもいいんですか?」

 

キョン「大丈夫だ。それより古泉、機関のメンバーに連絡をとってみてくれ」

 

古泉「連絡?何故?」

 

キョン「閉鎖空間の様子について聞いてみるんだ」

 

古泉「わかりました……」

 

古泉「古泉です。閉鎖空間の様子なんですが……えっ?本当ですか……!?」

 

キョン「…………」

 

古泉「はい……はい……わかりました……ありがとうごさいす。ではまた後ほど……」

 

キョン「どうだった?」

 

古泉「ここ数ヶ月の様子が嘘のように閉鎖空間が縮小しているそうです」

 

キョン「………………そうか」

 

 

その日の夜・某公園

 

みくる「嘘……涼宮さんが……」

 

長門「…………」

 

キョン「古泉の言った通りだ……」

 

古泉「はい……状況からみてほぼ間違いないかと……」

 

みくる「そんなぁ……」グスッ

 

古泉「…………」

 

キョン長門……頼みがある……」

 

長門「なに?」

 

キョン「この通りだ!〇〇を助けてやってくれ!!」

みくる「キョ、キョン君!土下座なんて……」

 

キョン「頼む!!長門!!」

 

長門「…………できない」

 

長門「どんな理由があろうと人の命を左右する行動をとることはできない」

 

キョン「頼む長門!!この通りだ……!!あいつは……〇〇は俺の大切な……ヒグッ……大切な人なんだ……!!」

 

みくる「キョン君……」ウルウル

 

古泉「…………」

 

長門「…………ごめんなさい、できない」

 

キョン「頼む!!長門!!うっ……頼むよぉぉ……!!うっ……」

 

みくる「長門さん!私からもお願いします……うっ」ウルウル

 

古泉「僕からも……お願いします……!!」

 

長門「………………」

 

キョン「頼む……!グスッ……頼むよ……!」

 

長門「…………わかった、情報統合思念体に確認してみる」

 

キョン長門……!!」

 

みくる「長門さぁん……」ウルウル

 

長門「………………」

 

………………30分後

 

長門「………………」

 

キョン「…………」

 

み・古「…………」

 

長門「ごめんなさい、許可が下りなかった」

 

キョン「そんな……」

 

みくる「うぅ……」

 

古泉「…………」

 

長門「でも大丈夫。私の独断でやる」

 

キョン「でもそれじゃあ……」

 

古泉「大丈夫なんですか?」

 

長門「心配ない。これは私の意思。でも今回だけ。今後このような情報操作を試みることは絶対にない」

 

キョン長門……すまん……!!」

 

長門「ただし成功する保証はない」

 

みくる「そんな……」

 

長門「原因が涼宮ハルヒである以上、私の情報操作が有効になるかはわからない」

 

キョン「………」

 

長門「もちろんやれることはするつもり。しかし成功確率は限りなく低いと思っててほしい」

 

キョン「それでもかまわないさ!!ありがとう、長門……」

 

長門「気にしないで」

 

古泉「ちなみに成功確率は……」

 

長門「…………0~0.03%」

 

みくる「…………」

 

古泉「…………」

 

キョン「大丈夫だ長門。おまえが試してくれるだけで俺は嬉しい。無理なお願い聞いてもらってありがとうな!」

 

長門「努力する」

 

古泉「頑張ってください……って言うのは無責任ですね」

 

長門「そんなことない」

 

古泉「ありがとうございます」

 

みくる「私、神様にお祈りしてます!!」

 

長門「明日から学校を休むことになる。涼宮ハルヒに伝えておいてほしい」

 

みくる「わかりました」

 

キョン「明日からは俺も……」

 

古泉「大丈夫です。伝えておきます」

 

キョン「もっとも、俺はもうあの部屋にはいかないと思うけどな……」

 

古泉「…………」

 

みくる「…………」

 

長門「…………」

 

キョン「じゃあ長門……頼んだ……」

 

長門「まかせて」

 

 

一週間後

 

みくる「あれから一週間……長門さん学校来ないですね……」

 

古泉「おそらく結果が出るまで……というのは〇〇の生死が判明するという意ですが、

それまで長門さんは何かをしているのでしょう……」

 

みくる「今日は涼宮さんも来ないですね」

 

古泉「涼宮さんからは連絡がありました。クラスの用事で遅れるとのことです」

 

みくる「そうですかぁ……」

 

古泉「ちなみに……」

 

みくる「ふぇ?」

 

古泉「一週間前から閉鎖空間は物凄い勢いで減っていき、今ではほとんど発生していません……」

 

みくる「そうなんですか……」

 

古泉「…………」

 

みくる「…………」

 

ピロピロピロ♪

 

みくる「電話!?」

 

古泉「彼からです!!もしもし……」

 

みくる「…………」ゴクリ

 

古泉「はい……はい……えっ?本当ですか!!」

 

みくる「…………?」

 

古泉「はい!おめでとうございます!!」

 

みくる「え?古泉君……もしかして……」

 

古泉「わかりました……はい……はい……では明日……」

 

みくる「古泉君……」

 

古泉「〇〇さんの癌が突然治ったそうです!!全身に転移してたはずの癌細胞も嘘のように無くなったと……!!」

 

みくる「や、やった~」ウルウル

 

古泉「さすが長門さんですね!僕も心の底から嬉しいです!」

 

みくる「キョン君よがっだぁぁ~~ヒグッ」ウルウル

 

ガチャ

 

ハルヒ「何大騒ぎしてるの?」

 

古泉「す、涼宮さん……」

 

ハルヒ「みくるちゃん、なんで泣いてるの?」

 

みくる「こ、これゎ~……ヒグッ」

 

古泉「〇〇さんが奇跡的に回復したそうです。もう命に別状はないと……」

 

ハルヒ「そうなんだ……よかったわね」

 

古泉「…………」

 

みくる「…………」

 

ハルヒ「みくるちゃん、お茶」

 

みくる「は、はぃ……!」

 

 

次の日の昼休み

 

キョン「それで長門は今日も休みなのか」

 

古泉「そのようですね」

 

キョン「そうか……しかしまたあいつには借りができちまったな……」

 

みくる「今日の放課後に古泉君と長門さんの家に行こうと話してたんですが一緒にいきませんか?」

 

キョン「もちろん行くさ。長門にはどれだけ感謝しても足りないくらいだ……と言いたいところだが」

 

古泉「?」

 

キョン「理由はどうあれさすがに学校休みすぎちまってな。今日から特別補講だとよ……」

 

みくる「あらら」

 

キョン「今日は二人で頼む。よろしく言っといてくれ」

 

古泉「わかりました」

 

 

放課後

 

古泉「長門さん。僕です。古泉と朝比奈さんです」

 

長門『…………入って』

 

…………

 

古泉「おじゃまします」

 

みくる「おじゃましま~す」

 

長門「………………」フラフラ

 

みくる「長門さん大丈夫ですかぁ?うわっ、凄い熱!」

 

長門「大丈夫。ちょっと力を酷使しすぎた。回復にはしばらくかかるが問題はない」

 

古泉「そうですか、それはよかった。今回はお疲れ様でした。彼も感謝してましたよ」

 

長門「そう…………」

 

長門「彼に謝っておいてほしい。『失敗してごめんなさい』と……」

 

古泉「え……?」

 

みくる「ふぇ?」

 

長門情報統合思念体の妨害を受けた。一週間に渡り情報介入を試みたが、ついに彼らの妨害を突破することはできなかった」

 

長門涼宮ハルヒの能力に対抗するどころかその段階に移ることすらできなかった……。ごめんなさい」

 

古泉「…………」

 

みくる「…………」

 

長門「ただ情報統合思念体は私の処分は保留にしている。結果的に未遂で終わったから」

 

古泉「…………」

 

みくる「…………」

 

長門「…………何?」

 

古泉「長門さんが〇〇さんの病気を治したんじゃなかったのですか……?」

 

長門「情報介入は失敗したと言っている」

 

みくる「えぇ?じゃあ〇〇さんの病気はなんで治ったの?」

 

長門「どういうこと?」

 

古泉「〇〇さんの癌は昨日治ったんですよ!魔法のように突然と!」

 

長門「私はなにもしていない……」

 

みくる「えっ?えぇぇ~?」

 

古泉「これはいったい……」

 

みくる「自然治癒?」

 

古泉「まさか。全身転移してた癌が1日で治るというのは普通じゃ絶対にありえません」

 

みくる「じゃあなんで……?」

 

古泉「も、もしかして……」

 

長・み「?」

 

ピポパポ♪

 

古泉「もしもし、古泉です。そちらの状況は……はい……はい……わかりました。ありがとうごさいます」

 

みくる「機関……ですか?」

 

古泉「そうです。朝比奈さん、昨日の部室での会話覚えてますか?」

 

みくる「昨日部室での会話?」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

古泉『〇〇さんが奇跡的に回復したそうです。もう命に別状はないと……』

 

ハルヒ『そうなんだ……よかったわね』

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

古泉「そうです。この時僕は涼宮さんに〇〇さんが完治したと伝えました」

 

みくる「はぃ……」

 

古泉「ですからもし涼宮さんがそれを望まないのなら、また閉鎖空間が発生するはずです」

 

みくる「そうですね……」

 

古泉「しかし昨日も閉鎖空間は発生していません。先程連絡をとりましたが今もそうです」

 

みくる「それってつまり……涼宮さんは〇〇さんが治ったのを悪く思ってないってことですか?」

 

古泉「そういうことです」

 

みくる「ってことは……〇〇さんの癌の原因は涼宮さんじゃないかもしれない……ってことですよね?」

 

古泉「そう考えられます」

 

長門「………………ちょっと待って」

 

古泉「なんですか長門さん?」

 

長門「たった今情報統合思念体から連絡が入った」

 

みくる「?」

 

長門情報統合思念体が〇〇の癌の原因の究明に成功した」

 

古泉「それは本当ですか!?」

 

長門「本当。原因は…………」

 

古泉「…………」

 

みくる「…………」

 

長門「自然発生。彼女はすでに癌に侵されていたが、症状は直前まで出なかったため気づかなかった」

 

みくる「ってことは……」

 

古泉「涼宮さんは関係ない……涼宮さんは関係ないんですよ!!」

 

長門「そういうことになる」

 

みくる「で、ですよね……涼宮さんが人が死ぬのを望むなんて……」ウルウル

 

古泉「そうでしたか。本当によかった……」

 

 

その日の夜・キョン

 

キョン「じゃあハルヒは関係なかったってことか!?」

 

古泉「そういうことになりますね」

 

キョン「ちょっと待て、長門がなにもしてないってことはどうして〇〇の癌は治ったんだ?」

 

古泉「それは……」

 

キョン「それにだ、俺がハルヒに〇〇と付き合ってるのを伝えた時から馬鹿みたいに閉鎖空間が出はじめ、〇〇の症状を伝えた直後にそれがピタッと収まったのはどうしてだ?」

 

古泉「…………」

 

キョン「しかもあいつはその時笑いやがったんだぞ!納得がいかねぇ……!」

 

古泉「僕も考えていました。何故〇〇の病気が治ったのか。不可解な閉鎖空間の出現と消滅の理由はなんなのか……」

 

古泉「これはあくまで僕の推論にすぎませんが……」

 

キョン「聞かせてくれ」

 

古泉「まず閉鎖空間が多発した原因、これはやはりあなたと〇〇さんが付き合いいはじめたことでしょう」

 

古泉「これを知った涼宮さんは憤慨した。まして自分が最愛の人に告白し、フラれた直後に聞かされたのですからね」

 

キョン「最愛の人って……」

 

古泉「涼宮さんはあなたと〇〇さんの関係を見守ることしかできなかった。しかしあなたたちは時間とともに親密になっていく」

 

古泉「涼宮さんのイライラもまた、時間とともに増してくわけです」

 

キョン「…………」

 

古泉「そんな時〇〇さんの癌が発覚した。結果的にこれは自然なものだったわけですが……」

 

キョン「そうだな……」

 

古泉「そしてあなたはそのことを涼宮さんに告白した。どのように告白しましたか?」

 

キョン「どのようにってただ普通に言っただけだが」

 

古泉「何か余計なこと言いませんでしたか?」

 

キョン「余計なこと?うーん…………まぁ、〇〇が大切だとか愛してるとか言った気が……」

 

古泉「それですよ」

 

キョン「は?」

 

古泉「繰り返しますがこれはあくまで僕の推論です……」

 

古泉「おそらく涼宮さんはあなたの〇〇さんへの想いを聞いて踏ん切りがついたのではないでしょうか?」

 

キョン「踏ん切り……?」

 

古泉「そうです。何度でも言いますが涼宮さんはあなたのことをずっと好きでした」

 

古泉「だからこそあなたが他の誰か仲良くなっていくのが許せなかった」

 

古泉「しかし、あなたの〇〇さんへの"愛の"告白を聞いて、涼宮さんはあなたを諦めたんです」

 

キョン「諦めた……?」

 

古泉「その時涼宮さんが笑ったのはある意味自虐的な笑みだったじゃないでしょうか?」

 

古泉「『私じゃ〇〇さんには勝てない』と悟ったんですよ……」

 

キョン「…………」

 

古泉「だからその直後に閉鎖空間が消滅し始めたんです。もう涼宮さんのイライラはなくなったから……」

 

古泉「あなたと〇〇さんの仲に対する嫉妬心がなくなったからです」

 

キョン「…………」

 

古泉「そして〇〇さんの病気は治りました。死の直前まで進んだ癌が完治するなんてありえません」

 

古泉「長門さんたちのような特殊な力、もしくは……涼宮さんの願望を現実にする能力がなければ……」

 

キョンハルヒが……ハルヒが〇〇の病気を治したって言うのか……?」

 

古泉「はい。それはほぼ間違いないと思います」

 

キョン「…………」

 

古泉「涼宮さんは始めこそあなたたちが憎かったかもしれない。でもある時からはあなたたちを応援することにしたんですよ」

 

キョンハルヒ……」

 

古泉「涼宮さんはあなたが悲しむ顔を見たくないから、あなたが〇〇さんと幸せになってほしいから、〇〇さんの病気が治るように願ったんだと僕は思います」

 

古泉「これが僕の推理するこの一連の経過の真相です」

 

キョン「…………」

 

古泉「なのに僕たちは涼宮さんを疑ってしまいました……」

 

キョン「…………ちっ!!」

 

古泉「涼宮さんが〇〇さんの死を望んだなどと……僕は最低です」

 

キョン「お前は悪くない……」

 

古泉「え?」

 

キョン「最低なのは俺だよ……」

 

古泉「…………」

 

キョン「古泉、悪いが今日は帰ってくれ。今から出かけてくる」

 

古泉「こんな遅くにどこにいくんですか……?」

 

キョン「一つしかないだろ……」

 

 

ハルヒ

 

ハルヒ「う~ん………………」ゴロゴロ

 

ハルヒ「〇〇さん治ってよかった……」

 

ハルヒキョンもこれで幸せになれるんだ…………グスッ」

 

ピロピロピロ♪

 

ハルヒ「電話?こんな時間に誰よ…………キョン?」

 

ハルヒ「もしもし……?」

 

キョン『もしもし?ハルヒか……?』

 

ハルヒ「な、なんなのよこんな時間に!非常識にも程があるわよ!!」

 

キョン『今お前の家に向かってるんだ、もうすぐ着く……!』

 

ハルヒ「…………はぁ?」

 

キョン『外に出てろ……!じゃあ』ブチッ

 

ハルヒ「なんなのよ……」

 

ハルヒ「…………」

 

キョンハルヒ……!ハァハァ」

 

ハルヒ「何よ、こんな時間に……」

 

キョン「はぁ……はぁ……」

 

ハルヒ「そう言えば〇〇さんの病気治ったんですって?よかったわね、おめでと……」

 

キョンハルヒ……」

 

ハルヒ「?」

 

キョン「すまなかった……」

 

ハルヒ「は?」

 

キョン「だからすまなかった!すまん!本当にすまん!!」

 

ハルヒ「な、何よキョン……あんた暑さで頭おかしくなっちゃったの?」

 

キョン「そうだな……俺の頭はどうかしてた」

 

ハルヒ「??」

 

キョン「それからありがとうな!!」

 

ハルヒ「え?」

 

キョン「本当に……グスッ……本当にありがとうな……!!」

 

ハルヒ「ちょっとあんた何泣いてんのよ、気持ち悪い……。それに感謝される覚えなんて――――」

 

キョン「それからハルヒ!」

 

ハルヒ「次はなに……」

 

キョン「俺はこれからもずーっとSOS団の一員だからな!」

 

ハルヒ「…………」

 

キョン「それでお前はその団長様だ!」

 

ハルヒ「あ、当たり前じゃない……」

 

キョン「俺が誰と付き合ってようが誰が一番好きだろうが関係ない!」

 

キョン「SOS団員である以上、ずっーと団長様についていくからな!!」

 

ハルヒ「…………」

 

キョン「だからこれからもよろしく頼むぜ!団長様!」

 

ハルヒキョン…………」

 

キョン「はは、こんな遅くにわりぃな……」

 

ハルヒ「本当あんたって馬鹿なんだから……こんな遅くに……そんな当たり前のこと……グスッ」

 

キョン「へへ」

 

ハルヒ「き、今日は帰りなさいよ!また明日学校で会いましょう……グスッ」

 

キョン「そうだな。おやすみ、ハルヒ」スタスタ

 

ハルヒ「おやすみ……グスッ」

 

ハルヒ「…………本当に……うっ……馬鹿キョン……ヒグッ……なんだから……ぅぅぅ」ウルウル

 

 

一ヶ月後

7月7日

 

ハルヒ「じゃみんな願い事書いたー?」

 

みくる「できました~」

 

古泉「こんなもんですかね」

 

長門「…………」

 

キョン「さて、この願いが届くのは何年後になるんだったんだっけかね」

 

ハルヒ「じゃあみんなで短冊を吊しましょう!」

 

 

キョンが幸せになれますように。ハルヒ』

 

『SOS団のメンバーがずっと一緒にいられますように。キョン』

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

ハルヒキョン、私と付き合わない……?」

http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1309954231/