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長門「あなたは私が守る」 キョン「長門、悪い。助かった」【涼宮ハルヒの憂鬱ss/アニメss】

 

朝倉「あなたをトバして涼宮ハルヒの出方をみる。ロン! 48000!」 

 

キョン「げぇっ! 隠れ大三元!」 

 

長門「残念ながら頭ハネ。ロン。断ヤオのみ1300点」 

 

朝倉「長門さん!」 

 

長門「捨て牌の迷彩が甘い。山読みも、他家の手牌進行読みも甘い。だから私に気付かれる。和了を逃す」 

 

朝倉「くっ……」 

 

喜緑「手厳しいですねぇ」 

 

キョン長門、悪い。助かった」 

 

長門「気にしなくていい。あなたは私が守る」

 

朝倉「リーチ!」 

 

長門「ポン」 

 

朝倉「あーら、一発消し? もしかして臆病風に吹かれたのかしら?」 

 

喜緑「はいはい落ち着いて朝倉さん」 

 

長門「ポン」 

 

朝倉「ふっ、典型的な節操無しの鳴き麻雀ね」 

 

長門「ロン。混一混老対々、12000」 

 

朝倉「なっ!」

 

長門「ロン。8000」 

 

長門「ロン。9600。あなたのトビで終了」 

 

朝倉「そんな……」 

 

長門「あなたの背中は煤けている」 

 

朝倉「背中が煤けているってどういうことよ!」 

 

長門「時の刻みはあなただけのものじゃない」 

 

朝倉「意味がわからないんだけど!」 

 

喜緑「まあまあ。長門さんの麻雀漫画台詞にいちいち突っ込んでいたら疲れちゃいますよ?」 

 

長門「御無礼」

 

キョン「なあ長門」 

 

長門「何?」 

 

キョン「今更だがなんで俺は宇宙人達に囲まれて麻雀を打っているんだ?」 

 

長門「面子が足りなかったから」 

 

キョン「いや、そういうことではなくてだな」 

 

長門朝倉涼子が三麻は飽きたから誰か入れて四人打ちでやりたいと言い出した」 

 

朝倉「だって三麻とかローカルルール多すぎてよくわからないんだもの」 

 

長門「そして私の限られた交友関係の中ではこういった場に誘えるのがあなたしかいなかった」 

 

キョン「誘われたというよりは拉致されたという表現の方がしっくり来るんだが」 

 

喜緑「三人がかりで学校から長門さんの家まで担いできましたからねぇ」 

 

キョン「あれは周りの目が痛かった」 

 

長門「明日は休日。問題ない」 

 

キョン「そういう問題じゃありません」

 

キョン「だいたいいつもならもう晩飯を食っている時間じゃないか。俺はいい加減腹が減ってきたので帰りたいんだが」 

 

朝倉「あら、もうそんな時間なのね。カップ麺色々あるけどどれがいい?」 

 

喜緑「レトルトカレーもありますよ」 

 

キョン「いやそうじゃなくてだな、俺はそろそろ家に……」 

 

長門「今日はこのまま朝まで打つ予定。途中棄権は許可できない」 

 

キョン「マジですか」 

 

長門「マジ」 

 

キョン「拒否権は?」 

 

長門「認められない」

 

朝倉「あたし今日は赤いきつねにしようっと」 

 

喜緑「じゃあ私は緑のたぬきで」 

 

長門「私はカレーでいい。ご飯大盛り、福神漬け山盛りで」 

 

朝倉「ほらキョン君、どれにするの?」 

 

キョン「あー、じゃあUFOをくれ」 

 

朝倉「今この場でそれを選ぶとか……」 

 

長門「ジョーク?」 

 

キョン「断じて違う! 俺はカップ焼きそばが食べたかっただけだ!」

 

キョン「なあ知ってるか」 

 

朝倉「なぁに?」 

 

キョン赤いきつねのおあげだけ先に食べた後にレトルトカレーをかけるとなんとカレーうどんが楽しめるんだ」 

 

朝倉「それってなんだかコストパフォーマンス悪くない? 塩分も高そうだし」 

 

キョン「それはそうかもしれないが、なかなか旨いんだぞ」 

 

喜緑「あら、長門さん。カレーだけじゃ足りなかった? 赤いきつねも食べるの?」 

 

長門「……カレーうどん

 

キョン「しかし女子が三人もいながら晩飯の選択肢がカップ麺とレトルトカレーしかないというのはどうなんだ」 

 

長門「麻雀と言えばカップ麺とカレー。これだけは外せない」 

 

朝倉「たまにお寿司食べながら打ってる人もいるけどね」 

 

喜緑「そういうのって大抵は中年の人じゃないですか」 

 

キョン「一応俺たちは高校生という設定だから見たことのある人にしかわからないような話はその辺でやめておけ」 

 

長門「了解した」 

 

喜緑「あ、コーヒー入れてきますけど皆さんも飲みますか?」 

 

朝倉「あたしは砂糖とミルクたっぷりでよろしく」 

 

長門「アリアリで」 

 

キョン「だからそういうのを控えろと」 

 

長門「申し訳ない」

 

長門「ツモ。1300・2600」 

 

キョン長門は強いなあ」 

 

朝倉「こんなに強いのに全く手加減してくれないのよ」 

 

長門「麻雀は相手の心を折るゲームだと思っている」 

 

喜緑「王者の才を持つ長門さんだからこそ言える台詞ですね」 

 

長門「目指すは麻雀職人」 

 

キョン「どこまで上り詰めるつもりだよ」 

 

長門「51対49が100対0になるまで」 

 

朝倉「このネタがわかる人がどれだけいるのかとても疑問だわ」

 

朝倉「リーチ」 

 

キョン「ここでリーチかよ。仕方ない、オリるか……」 

 

長門「死ねば助かるのに」 

 

キョン「!」 

 

長門「あなたはただ怯えている」 

 

キョン「そうだ……俺は何を考えていたんだ。切るのはこれしかないじゃないか!」 

 

喜緑「中の槓子落としですか。爆守備ですねえ」 

 

キョン「だって朝倉のリーチ怖いし」 

 

長門「なるほど……凡夫だ……」

 

長門「オカルトシステム発動」 

 

喜緑「ついに来ましたね。長門さんのオカルトシステム」 

 

長門「プルルルルル」 

 

朝倉「あのね長門さん。あたしにもわかる言葉で話してくれないかしら」 

 

長門「ロンや。ハネ満やね」 

 

朝倉「なんでいきなり関西弁なのよ」 

 

長門「システムやからしょうがない」

 

朝倉「ふふ……きたわ、ぬるりと……」 

 

喜緑「ぬるぬる?」 

 

長門「……下ネタ?」 

 

朝倉「ち、違うわよ!あたしはただ白を盲牌したときの感触が……」 

 

長門「白板を指でグリグリ」 

 

喜緑「朝倉さんは下ネタ好きですねえ」 

 

朝倉「だから違うってば! なんであたしの時だけそんな反応なの!?」 

 

キョン「落ち着け朝倉」 

 

朝倉「うぅ……キョン君だけよ。あたしにそんな優しい眼差しを向けてくれるのは」 

 

キョン「俺も下ネタはどうかと思うぞ」 

 

朝倉「殺すわよ」

 

朝倉「ツモ! 3000・6000!」 

 

キョン「お、朝倉はこれが初アガリじゃないか?」 

 

朝倉「そうね。空振りリーチが多かったけど、攻め続けていればいつでも炎は燃え上がるのよ!」 

 

喜緑「あ、ロンです。18000」 

 

キョン「一瞬で消火されたな」 

 

朝倉「うぅぅ……ヅガーン……」 

 

長門「泣いては駄目。女の涙はこんなところで流すものではない」 

 

キョン「いじめたり慰めたり忙しいな」 

 

長門「飴と鞭」

 

キョン「うーん、なんだか嫌な予感がするんだよなぁ」 

 

長門「!」 

 

キョン「よし。やっぱりこれは切らないでおこう」 

 

長門「……兎」 

 

キョン「は?」 

 

長門「今日からあなたのコードネームは兎」 

 

キョン「コードネーム?」 

 

長門「私のことは園長と呼ぶといい」 

 

朝倉「あ、じゃあ私のことはユキヒョウって――」 

 

長門「気が変わった。私のことはユキヒョウと呼ぶといい」 

 

朝倉「……ずるい」

 

キョン「喜緑さんは理牌しない派なんですか?」 

 

喜緑「ええ。理牌すると長門さんに手牌を読まれてしまいますから」 

 

長門「全部まるっとお見通し」 

 

キョン「マジかよ!」 

 

長門「ちなみに朝倉涼子の今の手牌は左から順に萬子の――」 

 

朝倉「ちょっ! バラさないでよ!」 

 

長門「ついでに言うとあなたが今切ろうとしている發は朝倉涼子がずっと待ち望んでいる牌」 

 

キョン「そうか、じゃあ切るのやめておこう」 

 

朝倉「だからバラさないでって言ってるのにいいいいい!」

 

朝倉「あたしだって理牌くらいしなくても平気だもん!」 

 

キョン「無理しない方がいいって。俺たちは凡人らしく普通に打とうぜ」 

 

朝倉「あなたと一緒にしないで!」 

 

朝倉「えーっと、えーっと」 

 

朝倉「……」 

 

朝倉「あ、それ多分ロン!」 

 

キョン「……」 

 

喜緑「……」 

 

長門「……チョンボ」 

 

朝倉「ぅえっ!? あっ!」 

 

キョン「なあ、朝倉……」 

 

朝倉「……わかってる。次からは普通に打つわ……」

 

喜緑「ツモです。4000・8000」 

 

朝倉「ちょっと、点数間違ってるわよ。どうみてもハネ満止まりじゃない」 

 

長門「合っている」 

 

キョン「そうか? メンタンピン一発ツモ三色……ハネ満じゃないか」 

 

喜緑「何を言ってるんですか? ほら、裏ドラが」 

 

長門「二枚」 

 

喜緑「あら? もしかしてあなた達は裏ドラも読めないんですか?」 

 

キョン「いや、普通は読めませんから」

 

長門「リーチ」 

 

キョン「なんという強打」 

 

朝倉「卓が揺れるほどの強打……ま、まさかアトミックリーチ!?」 

 

キョン「知っているのか朝倉」 

 

朝倉「ええ。とあるプロ雀士が勝負手が入った時に左手で捨て牌を抑えながら右手で牌を思い切り叩きつけて宣言するリーチのことよ」 

 

キョン「ただのマナー違反じゃないか」 

 

朝倉「でも強面の人がやると色々な意味で相手を威嚇することができるわよ?」 

 

キョン「タチ悪すぎだろ」

 

喜緑「チー」 

 

朝倉「不自然なチー……ま、まさか亜空間殺法!?」 

 

キョン「知っているのか朝倉」 

 

朝倉「ええ。とあるプロ雀士が考案した戦術で、不ヅキの時にあり得ない鳴きをすることで場の流れを歪ませるという恐ろしい技よ」 

 

キョン「具体的にはどんな恐ろしいことが起こるんだ?」 

 

喜緑「ロンです。1000点」 

 

朝倉「役牌後ヅケでの安いアガリが異様に多くなるわ」 

 

キョン「それだけかよ」

 

キョン「ふぁ……そろそろ日が昇るな」 

 

喜緑「ふふっ、眠そうですね」 

 

キョン「そりゃもう。今にも瞼が重力に屈してしまいそうです」 

 

長門「ではこの半荘をラス半に」 

 

キョン「そうしてもらえると助かる」 

 

朝倉「じゃあ最後だし何か罰ゲームありにしない? 気を引き締める意味も込めて」 

 

喜緑「あ、賛成」 

 

キョン「いいぞ。眠気覚ましにはもってこいだ」 

 

長門「私も構わない」 

 

朝倉「じゃあ『ラスになった人がキョン君に膝枕をする』ってのでどう?」

 

キョン「なんだそりゃ」 

 

朝倉「だってキョン君眠いんでしょ? 私達はそもそも眠ったりしないから、寝てる間膝枕しててあ・げ・る」 

 

キョン「いやしかしだな」 

 

朝倉「無理矢理連れてきちゃったからそのお礼も兼ねて、ね」 

 

キョン「だが」 

 

朝倉「罰ゲームなんだから大事なのはその場のノリよノリ。細かいこと言わないの!」 

 

キョン「まあ、お前らがいいなら別に構わないが……」 

 

長門異議あり

 

朝倉「長門さん?」 

 

長門「彼への膝枕は、罰ゲームではなく勝者への褒賞とするべき」 

 

朝倉「じゃ、じゃあトップをとった人がキョン君に膝枕。これでどう?」 

 

長門「それならば構わない」 

 

キョン「トップを取ってわざわざ罰ゲームをさせられるなんてもはや何がなんだかわからんな」 

 

喜緑「まあいいんじゃないですか。本人達がいいって言ってるんですから」 

 

キョン「なんか他人事みたいですね」 

 

喜緑「長門さんが本気になった以上トップなんて狙うだけ無駄ですから」 

 

キョン「達観してるなあ」

 

キョン「そんなこんなでオーラスを迎えたわけだが」 

 

長門「ダントツトップ」 

 

キョン「よく誰もトバずにオーラスまで持ちこたえたな」 

 

喜緑「ここまで長門さんの独壇場でしたね」 

 

キョン「あの悪夢の十二連荘はきっと一生忘れません」 

 

朝倉「……!」 

 

キョン「どうした朝倉。お前の親番だぞ。さっさと切ってくれ」 

 

朝倉「あ、うん。ごめんなさい」 

 

喜緑「……あらあら」

 

長門(この局が終われば彼に膝枕) 

 

長門(一般的な男子高校生の平均睡眠時間がおよそ七時間) 

 

長門(彼が徹夜明けの状態であることを計算に入れると恐らく九時間程度は眠るはず) 

 

長門(九時間も彼に膝枕) 

 

長門(……) 

 

長門(はっ! にやけてはいけない) 

 

朝倉「あ、長門さん。それロン」 

 

長門「!」 

 

長門(油断した。でも朝倉涼子のこと。安手のはず。安手のはず安手のはず安手のは――) 

 

朝倉「48000!」 

 

長門「隠れ……大三元……」

 

喜緑「逆転トップですね。凄いじゃないですか朝倉さん」 

 

朝倉「勝った! 初めて長門さんに勝ったぁ!」 

 

長門「私の……負け……?」 

 

喜緑「そうなりますね」 

 

長門「あぁ……私の中のよからぬエラーが……」 

 

喜緑「な、長門さん?」 

 

キョン「大変だ! 長門が! 長門が倒れた!」 

 

朝倉「え! ちょっ! 嘘でしょ!?」

 

朝倉「ふぅ……」 

 

キョン「朝倉、長門は?」 

 

朝倉「負けたことがよほどショックだったみたいで、どっかがショートしたみたい。今は喜緑さんが診てくれてるわ」 

 

キョン「大丈夫なのか?」 

 

朝倉「喜緑さんに任せておけば大丈夫よ。それよりほら、早くこっち来たら?」 

 

キョン「は?」 

 

朝倉「罰ゲームよ。忘れたの?」 

 

キョン「いや、でもあれはだな」 

 

朝倉「もう! そこで変に恥ずかしがられるとこっちまで恥ずかしくなってくるでしょ! いいから横になるの!」 

 

キョン「おわっ!」

 

朝倉「ほら、大人しくして」 

 

キョン「ぅ……」 

 

朝倉「……」 

 

キョン「……」 

 

朝倉「……」 

 

朝倉「ちょっと、いきなり黙り込まないでよ」 

 

キョン「いや、だって大人しくしろって言っただろ」 

 

朝倉「黙れなんて言ってないじゃない」 

 

キョン「そ、そうだな」 

 

キョン「……」 

 

朝倉「ひ、人の顔をじっと見たままで黙り込まないでよ!」 

 

キョン「わ、悪い」

 

朝倉「どう? 女の子に膝枕された感想は」 

 

キョン「……温かくて気持ちいい」 

 

朝倉「ふふっ、よかった。眠いでしょ? 寝ちゃってもいいわよ」 

 

キョン「そんなこと言われたら本当に寝るぞ」 

 

朝倉「だから寝ちゃっていいってば。それともずっとあたしと見詰め合っていたいの?」 

 

キョン「それも悪くないと思ってしまうくらい思考能力が落ちているようだから寝る」 

 

朝倉「それは照れ隠し? もしそうでないのなら殴るわ」 

 

キョン「冗談だって。じゃあ悪いがちょっとだけ寝かせてもらうよ」 

 

朝倉「うん。おやすみ、キョン君」 

 

キョン「おやすみ、朝倉」

 

長門「ん……」 

 

喜緑「あ、よかった。気が付きました?」 

 

長門「私は……?」 

 

喜緑「もう。倒れちゃうくらい負けたのがショックだったんですか?」 

 

長門「……あ」 

 

喜緑「それとも、ショックだったのは彼に膝枕できなかったことでしょうか?」 

 

長門「……否定しない」 

 

喜緑「あら」 

 

長門「パーソナルネーム朝倉涼子有機情報連結解除を申請……」 

 

喜緑「いくら悔しいからってそういうことしちゃいけません」

 

喜緑「ほら、見てください。二人ともなんだか幸せそうですよ。邪魔しちゃいけません」 

 

長門「……わかった。今回は諦める」 

 

喜緑「そうそう。この先いくらでもチャンスはありますって」 

 

長門「今日は遅れをとった。でも来週は負けない。次に彼に膝枕をするのは私」 

 

喜緑「え? これって毎週恒例になるんですか?」 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

長門「あなたの背中は煤けている」

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