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いろは「先輩とお付き合いすることになりました」【俺ガイルss/アニメss】

「…………………」

「…………………」

「…………………」

 

どうも一色いろはです

 

さてさて気まずさMAXの奉仕部部室

 

机を挟んで向かい合う三人の美少女

 

雪ノ下 雪乃

 

由比ヶ浜 結衣

 

一色いろは

 

いや、この2人を前に美少女を名乗れるほどの自信はまあないですけど

 

この三人が見つめあってる…

 

というか私対2人という感じですが

 

それにはちょっとした理由がありまして……

 

「……いろはちゃん、もう一度言ってもらえるかな?」

 

 

「はい……私一色いろはは比企ヶ谷八幡先輩と正式にお付き合いすることになりました」

 

 

ガタッ

 

「!?……雪ノ下先輩……?」

 

「紅茶……入れるわね」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

ビ、ビックリした~

 

いやいやいや、分かってたけど!

 

分かってはいたけれど!

 

やっぱりこの2人先輩のこと……

 

「好きだったよ…ヒッキーのこと……」

 

 

心を読まれた!?

 

 

「顔見てれば分かるわよ

まあそうよね、気を遣わせてるわよね…」

 

そう言って目の前に置かれる紅茶

 

気を使ってないといえばもちろん嘘になる

 

先輩と付き合えることになって本当に嬉しかった

 

多分1年前までの私ならそれくらいのことでと鼻で笑うかもしれない

 

でも今ならわかる

 

この人が私にとってのホンモノだったから

 

ホンモノの恋を初めてした

 

だから私はこれを初恋と呼んでいる

 

まあこれくらい惚気たくなるくらいには嬉しかったということだ

 

そんな中一気に不安も押し寄せてきた

 

そう、このお二人のことだ…

 

「私は先輩の事が好きです、でもお二人のことも大好きになってしまったから……」

 

「いろはちゃん……」

 

「だからわざわざ報告しに来た…そういうことね」

 

「はい……」

 

「……本当…叶わないわね」

 

「そうだね、私達はずっと止まっていた…何も壊したくなくて…

でもいろはちゃんは自分の足で歩き出した

壊れてしまう恐怖と戦いながら」

 

 

「そ、それは違います!

私はお二人と出会いも立場も違ったから、だから……」

 

「それは違うよ」

 

「結衣先輩……」

 

「いろはちゃんはきっと私達と同じ立場でもヒッキーに告白してると思う」

 

「そして私達は立場が違ったとしても何も出来ない…しなかったでしょうね」

 

「……でも、これで良かったんだよ

そりゃ私も最初はヒッキー…比企ヶ谷八幡という男の人が好きだった

それはもう新婚生活を妄想しちゃうくらいにはね」

 

「最初は…ってことは今はもう?」

 

「ううん、今も好きだよ、大好き…

でも多分途中から好きの意味が変わったんだと思う」

 

「…そうね、私に至っては初めから違ったのかもしれないわね」

 

「好きの意味…ですか?」

 

「えぇ、それこそ恋なんてしたことなかったから…

まあどうでも良い男の告白ならいくつかあったのだけれども」

 

「アハハ……ゆきのんらしいや」

 

「……じゃあお二人にとって先輩への好きの意味ってなんなんですか?」

 

「そうね……ペット……道具…使い慣れたペン?」

 

「人ですらなくなっちゃった……多分もっと簡単で良いんだよ…

 

親友……じゃないかな?」

 

「親友…ですか……」

 

「うん、多分私達は2人で1つの存在よりも

この奉仕部のメンバーで1つの存在になりたくなっちゃったんだよ」

 

「まあ……つまりはそういうことね」

 

「あれ?ゆきのんもしかして照れてる? 」

 

「おかしなこと言わないで頂戴、別に照れるようなこと何もないでしょう

……それに本当に由比ヶ浜さんの言う通りだと思うから

多分私達にとって今の関係こそホンモノ…なのかもしれないわね」

 

 

……ホンモノ……

 

彼はずっとそれを求めていた

 

そしてそれが欲しいとお二人に打ち明けた

 

きっと誰か1人にそれを打ち明けたのならば

それを告白と捉えられてもおかしくない

 

でもきっと彼もそうじゃないから2人に吐き出しただろう

 

そうじゃないけど一番の信頼をおいているから吐き出せた

 

そういう関係をこの1年で作り上げた

 

見つける事が出来たんだ

 

やっぱりこの2人には敵わない

 

恋人という私なりのホンモノになれた今でもそう思う

 

 

「こんなこと言うとさ……負け惜しみみたいになっちゃうけど

私はヒッキーの選んだ相手がいろはちゃんで良かったって思うんだ

いろはちゃんのおかげで私達は本当の意味でホンモノになれた

……親友になれたんだと思う」

 

「そうね……それにあの男は何故だか貴女の前だと真面目に働くから安心して任せられるわ」

 

「それ言えてるかも!お兄ちゃんスキルがオートで発動してるとか誤魔化してるけど絶対前から意識してたんだよ」

 

 

先輩が前から私のことを……

 

ヤバイ、それを考えただけで顔が熱くなる

 

2人ともニヤニヤしてこっち見てくるし

 

あー私こういうキャラじゃなかったのにな~

 

あれもこれも全部先輩が悪い

 

大体周りに美人美少女集めすぎなんですよ

 

それでいてぼっちを気取るなんて

 

ぼっちの風上にもおけないですね!

 

次自分のことぼっちとか言い出したら叱ってあげないと

 

こんな優しいお2人のような親友が居て

 

私という彼女…がいるんだから

 

ぼっちなんてもう言わせない…なんて

 

「ハハッいろはちゃん、本当幸せそうだね」

 

「あっ…す、すみません、お二人の前で…」

 

「気を使わないでちょうだい、それとも私達が別れてと言ったら別れてくれるのかしら?

あなたの手に入れたホンモノはその程度ってことになるけれども」

 

「それは……無理です!

私は先輩が大好き…愛してます

たとえお二人の頼みでも先輩は渡したくない…やっと手に入れたホンモノだから……だから、だから……」

 

「ふふっもう十分よ、さっきも言ったでしょう、もう私達の彼への好きの意味は変わってるのだから」

 

「えっ……あっ////」

 

「クスッいろはちゃん顔真っ赤」

 

「だって~……んんっ、今日は2人にお願いがあるんです」

 

「えっなになに?あっわかった、結婚式の友人代表スピーチでしょ!

あれやってみたかったんだよね~」

 

由比ヶ浜さん、早とちりすぎよ

あれよね、子供の名前の相談よね?

とりあえず女の子なら名前の終わりに乃をつけると家庭環境が拗れるからやめときなさい」

 

「ゆきのんが自虐ボケを!?」

 

「雪ノ下先輩ってたまに反応に困るボケしますよね……じゃなくて!どっちも違います!!

そりゃいつかは結婚とか、、子供とかは、、/////」

 

「やっぱ名前は2人の名前合わせて色八?あっ色幡とかどう?」

 

由比ヶ浜さんは将来旦那さんに名前は委ねた方が良さそうね」

 

「そうですね……じゃない!!

こっちは真剣なんですからちゃんと聞いてください」

 

「ごめんごめん、つい楽しくなっちゃって」

 

「そうね、きちんと話聞くわ」

 

「それじゃあ改めて………

 

私と……私とも……ホンモノになってください!!!」

 

「…………えっどういうこと?」

 

「まるで愛の告白ね、あの男へした告白の再現でも見せてくれてるのかしら?」

 

「違います!!でも、それよりも図々しい…というか失礼なことかもしれません

さっきも言いましたけど私…お二人が大好きなんです

だから不安だった……お二人と同じ人を好きになってしまったから

その人が……私を選んでくれたから……

 

けど私欲張りなんです

先輩だけじゃ足りない、お二人ともホンモノになりたい

先輩への好きの意味とお二人への好きの意味はもちろん違うけど

でもどちらも私にとってホンモノだから……」

 

「えっと…つまりヒッキーの恋人になって、さらに私達とも親友にこれからなりたい…そういうことかな?」

 

「はい……図々しいのは分かってます!

いくら好きの意味が変わったから気を使わないでと言ってくれたとはいえ、元々好きだった男を奪った女と親友なんて私だったら突き返します……

でも、それでも、私は……」

 

「ん~………それは無理かな~、、ねぇゆきのん?」

 

「そうね、難しい話ね」

 

「うっ……そ、そうですよね……」

 

「……だって私達もう……親友でしょ?」

 

「…………え!?」

 

「さっき言ったでしょ…奉仕部のメンバーで1つになりたくなったって」

 

「でも私は奉仕部じゃ……」

 

「何を今更言ってるのかしら、私が注意してもいつも入り浸ってたくせに」

 

「それは……でも……」

 

「あーもう!面倒くさい!いろはちゃんも私達が大好きって言ってくれたじゃん

私達もいろはちゃんが大好きなの!

相思相愛、他に問題ある!?」

 

「そうね、なんならあの男から私達が一色さんを奪っちゃいましょうか」

 

そう言って私に抱きついてくる結衣先輩

 

悪戯っ子のように笑う雪ノ下先輩

 

苦しい

 

苦しい

 

幸せに押しつぶされそう

 

なんでこの人達はこんなにも優しいんだろう

 

あ~ダメだ、もう止められない

 

でもこの涙はあの時の涙じゃない

 

あの自分にはホンモノが

何一つないと気付かされたあの時

 

偽物だったあの時とは……

 

「えっいろはちゃん、泣いてる!?

ごめん、苦しかった!?」

 

「違う…違うんです……嬉しくて…幸せだから……う……だって私なんかがこんな幸せになって…」

 

「ふふっ本当あなたあの男に似てきたわね

あんま自分を卑下するところは似て欲しくないのだけれど」

 

「クスッ確かにそこは似て欲しくないかも」

 

「そ、そうですよね、私が先輩をポジティブに変えてあげなきゃいけないですから!」

 

「そうそう、その意気だよ!

ヒッキー改革だね!」

 

「あの男がポジティブな姿はそれそれで気持ち悪くもあるのだけれど」

 

「アハハ…あの、先輩のことでもし困ったことがあったら相談しても良いですか?」

 

「もちろん!ヒッキーの扱いは1人じゃ大変だもんね」

 

「またあの男は馬鹿みたいな自己犠牲の美学を掲げてくるかもしれないからね」

 

「そうなんですよ!この前もデート行った時………」

 

 

好きの意味

 

その違いはまだ私にはわからない

 

お二人には分かってるのかもしれないし

 

私に気を使って言ってくれたのかもしれない

 

でもこれだけは分かる

 

私が先輩に対する大好きはホンモノだし

 

雪ノ下先輩と結衣先輩に対する大好きもホンモノだ

 

そこの違いは分からずともホンモノということだけは分かる

 

それだけ分かれば今の私には充分だ

 

 

こうして私はホンモノを手に入れた

 

ううん、違うね

 

もらったんだ

 

恋人も親友も

 

この目の腐った最愛の人から

 

「ですよね、先輩♪」

 

「………あの、こういう話は本人のいないとこでしてもらえませんかね?

浜ちゃんに苦労する佐々木課長並みに胃が痛くなるから……」

 

「あら、親友を1人除け者になんて出来るわけないじゃない」

 

「っていうか浜ちゃんとか佐々木課長って誰?親戚のおじさん?」

 

「釣りバカとか今時の子が分かるわけないじゃないですか……」

 

「じゃあ何故お前さんは分かるんですかね、、」

 

「それはもちろん

 

愛の力ですよ、八幡先輩♪」

 

 

「……それ言ってて恥ずかしくならねぇの?」

 

「先輩………減点です!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

俺ガイル 好きの意味

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