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雪乃「どんな声を出してるのかしら可愛い」【俺ガイルss/アニメss】

 

結衣「ふーふー、ふーふー」

 

八幡「由比ヶ浜……。お前、その紅茶、いつまで冷ましてるんだ? もう十分以上やってるだろ」

 

結衣「だって、熱いの苦手なんだもん。仕方ないじゃん」

 

雪乃「……由比ヶ浜さん。もしかしてそれは猫舌というやつかしら可愛い」

 

結衣「うん……。熱いの駄目なんだよね。だからこうして冷ましてからじゃないと。ふーふー、ふーふー」

 

八幡「いや、いくらなんでも、もう常温ぐらいに冷めてると思うんだが……」

 

雪乃「比企谷君は犬舌だから平気よね。はい、ボコボコ沸騰してるのをあげるわ」スッ

 

八幡「怖いんだが、何だこれ」

 

雪乃「中に焼いた石をたんまり入れておいたのよ。しばらくは沸騰し続けるわね」

 

八幡「加減ってものを知らないのか、お前は?」

 

結衣「ふーふー、ふーふー。……もうそろそろいいかな?」ゴクッ

 

結衣「あちゅい!」

 

雪乃「どんな声を出してるのかしら可愛い」

 

八幡「ところで最近、あまり依頼が来ないな」

雪乃「そうね。でもそれは困ってる人がいないという事だから、良い事ではないのかしら」

 

結衣「ごくっ。ふぁ……美味しい……」

 

八幡「しかし、ここで本をじっと読むのもいい加減に飽きてきてるんだがな……」

 

雪乃「そうね……。それなら、しりとりでもしましょうか? 私は別に構わないけれど……」

 

八幡「しりとりか……。由比ヶ浜はどうする?」

 

結衣「この紅茶美味しいね、ゆきのん!」

 

雪乃「そう言ってもらえると嬉しいわさっきから可愛い」

 

八幡「お前もさっきから心の声が駄々もれしてるぞ、雪ノ下」

 

雪乃「それじゃあ、しりとりを三人でしましょうか。ただ、普通のしりとりをしていたのでは面白くないわよね……」

八幡「なら、何かルールをつけるか? 五文字限定のしりとりとか……」

 

雪乃「そうね。そういう特殊ルールを何かつけたいわね。例えば、言った物を必ず持ってこないといけないとか……」

 

結衣「あ、それ、面白そう! やろうよ!」

 

雪乃「あらそう? 由比ヶ浜さんがそう言うなら、そのせいで世界が滅びようともやらない訳にはいかないわね」

 

八幡「お前、大好きだな、由比ヶ浜の事……」

 

雪乃「それじゃあ、最初は部長である私からね……。そうね……シンプルに『灯り』でどうかしら。今、こんな物を持っているし」スッ

 

八幡「ペンライトか……よくまあこんなのを持ってたな」

 

雪乃「私は常々ゾンビが発生した時に備えているのよ」

 

八幡「前提が間違っている」

 

結衣「ペンライトとか、私、初めて見たよ、ゆきのん」

 

雪乃「ぴかー」

 

結衣「まぶしっ!」

 

雪乃「次はあなたの番よ、比企谷君」

 

八幡「今、何で由比ヶ浜に光を当てた?」

 

八幡「次は、『り』か……。それで、持ってこれるやつとなると……」

雪乃「なるほど……リオデジャネイロね」

 

結衣「ヒッキー、ブラジルの首都とか持って来れるなんてスゴいね!」

 

八幡「……無理に決まってるだろ。それにブラジルの首都はブラジリアだ」

 

結衣「え、そ、そうだっけ? あ、あははぁ……よく似てるから間違えちゃった」

 

雪乃「もうリオデジャネイロでいいわよ誤魔化し方が下手すぎて可愛い」

 

八幡「溺愛し過ぎだ、お前は……。それと、しりとりは普通にリポピタンDで。今、丁度持ってるしな。ほら」スッ

 

雪乃「えいっ」ポーイッ

 

八幡「おい、窓から投げんな! いきなり何する!」

 

結衣「それじゃ次は私かあ……えっとリポピタンDだから、これって『い』? それとも『で』?」

八幡「まあ、『い』でいいんじゃないか。それが普通だろ」

 

雪乃「私も『い』でいいと思うわよ。その方が簡単でしょうし」

 

八幡「由比ヶ浜にはとことんまでイージモードだな」

 

雪乃「可愛いは正義って言葉をあなたは知らないのかしら?」

 

結衣「『い』かあ……。じゃあ、『イルカ』!」

 

八幡「おい、どうすんだ……。水族館まで行って連れて来るのか?」

 

雪乃「……ね、姉さんに頭を下げれば何とかなるわ、きっと」

 

― 雪ノ下家 ―

プルルル、プルルル

 

陽乃「あれ、珍しい。雪乃ちゃんから電話じゃん」ピッ

 

陽乃「はーい、ひゃっはろー。久しぶりだねー、雪乃ちゃん。どうしたのー、急に電話だなんて? お姉ちゃんに甘えたくなっちゃったー?」

 

陽乃「え、ホントに……? ……雪でも降るのかしらね。ああ、うん、いいよ。雪乃ちゃんに貸しを作るのは楽しいし。私で出来る事なら大体の事は……」

 

陽乃「イルカ……? え、どういう事?」

 

陽乃「訳は聞いちゃダメなの? だけど、イルカを総武高校まで運搬して欲しい? ちょっと雪乃ちゃん、あえて聞くけど頭は平気?」

 

陽乃「いや、流石に私でもイルカはちょっとね……」

 

陽乃「ん? 電話を比企谷君に換わる? 別にいいけど」

 

陽乃「って君もイルカかーい! イルカはいるかーい! どうしたのよ、一体。何があったのよ?」

 

― 部室 ―

八幡「駄目か……。やはり陽乃さんでもイルカをここに連れてくるのは無理らしいぞ」ピッ

 

雪乃「肝心な時に使えない姉さんね。弱ったわ……」

 

結衣「えっと、あの、ご、こめんね、二人とも。このしりとりは私の負けでいいから……」

 

雪乃「駄目よ。由比ヶ浜さんが負けるなんてあってならない事なのだから」

 

八幡「だけど、どうするつもりだ? このままだと間違いなく由比ヶ浜の負けになるぞ」

 

雪乃「いいえ。そうはさせないわ。ここは逆転の発想でいくのよ」

 

結衣「逆転の発想って?」

 

雪乃「確かに、ここの部室にイルカを連れてくるのは不可能かもしれないわ。でも、それなら、逆に私達がイルカの元に近付けばいいのよ」

 

八幡「そうか……。その手が……」

 

雪乃「そう。つまり、私達がイルカのいる水族館に揃って行けばいいのね。そうすれば、結果的に由比ヶ浜さんはイルカを連れてきた事になるわ」

 

結衣「あれ……? って事は……」

 

雪乃「ええ。奉仕部の部長としての命令よ。今度の休みはこの三人で水族館に行くから。いいわね、比企谷君」

 

八幡「……まあ……いいぞ。部長の命令なら仕方がないからな」

 

雪乃「そう。それなら決まりね」

 

結衣「皆で水族館とか楽しみだね、ゆきのん! ヒッキー!」

 

八幡「……お、おう。そうだな」

 

雪乃「…………」

結衣「…………」

 

雪乃(計画通り!)ニヤリ

 

結衣(ダメ、まだダメだよ、笑いを堪えなきゃ。まさか、こんなに上手くいくなんて!)ニヤリ

 

八幡「何故か知らんが、二人とも……さっきから肩が震えてる様に見えるんだが?」

 

雪乃「き、気のせいよ。特に嬉しくなんかないわ」プルプル

 

結衣「べ、別に、三人で水族館行く計画だったなんて事ないし」プルプル

 

八幡「……そうか。ん?」

 

雪乃「いいえ、比企谷君は特に何も気にしないでちょうだいチョロいわね」プルプル

 

結衣「あー、な、なんか喉乾いちゃった。お茶もらうね、ヒッキー」スッ

 

八幡「あ、おい、それは……!」

 

結衣「あちゅい!!」ビクッ

 

雪乃「どんな声を出してるのよ可愛い過ぎよ」

 

結衣「ふーふー、ふーふー」

雪乃「ほーほー、ほーほー」

 

八幡「……何で対抗意識燃やしてフクロウの真似を始めた」

 

結衣「あ、そういえばヒッキー。この前貸したDVD、もう観た?」

 

八幡「ああ、あれか。まだ途中までだな。小町と一緒に観てるんだが、観る時間帯が妙にずれてな」

 

結衣「そうなんだ。どこら辺まで観たの?」

 

八幡「もう最後らへんだぞ。アジトに侵入して、テロリストが仕掛けた爆弾の起爆装置を探し出したところまでだ」

 

結衣「あー、あそこまで観たんだ。あれ、スゴくない? だって、部屋に置いてある普通のシャープペンが起爆装置だったんだよ。もうビックリだよね!」

 

八幡「そうだな。俺もまさか、こんなどこにでもあるシャープペンが起爆装置だなんて思わなかったな」カチッ

 

ドッカーン!!

 

雪乃「びゅーーーーーーーーーん!!」

 

八幡「しまった! 雪ノ下が四階の窓から飛んでいったぞ!」

 

結衣「ゆきのーん!」

 

― そして水族館 ―

八幡「やはり今度から部室の窓は閉めとくべきじゃないか? 雪ノ下が飛んでいき過ぎる」

 

結衣「あ、ヒッキー、見て見て! ガラパゴスペンギンだよ!」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、あれはメガディプテス属のキガシラペンギンよ。スフェニスカス属のガラパゴスペンギンは向こうね」

 

八幡「何でそんなペンギンの種類に詳しいんだ……?」

 

結衣「あ、今度はミンククジラだ! こっちも可愛いよね!」

雪乃「見なさい、比企谷君。あちらにはガンギエイ目のシノノメサカタザメがいるわ」

 

八幡「エイなのかサメなのかどっちだ」

 

雪乃「これだから、物を知らない男は困るわね。シノノノメチャカタジャメはう」

 

八幡「思いきり噛んだな超可愛い」

 

ピンポンパンポーン

結衣「あ、ヒッキー、ゆきのん、まずいよ! もうそろそろショーが始まっちゃう! 急ごう」サッ

 

雪乃「え、そんな手を握るだなんて大胆過ぎよ由比ヶ浜さん恥ずかしい」

 

結衣「ゆきのん、ちょっとごめんね」

 

雪乃「え、何かしら?」

 

結衣「そーれっ!」ブンッ

 

雪乃「びゅーーーーーーーーーん!!」

 

八幡「大変だ! 雪ノ下がショーまで真っ直ぐに吹き飛ばされたぞ!」

 

結衣「ゆきのーん! 席を三つ確保しといてね!」

 

トレーナー「はーい! 皆さん、お待たせ致しましたー! これからショーを始めますねー」

ワーワー、ワーワー!!

 

トレーナー「それでは早速登場してもらいましょうかー。おいでー」ピーッ

 

アシカ「」ピョインッ

 

アシカ「」テケテケ

 

トレーナー「はい、アシカのコージロー君です。みんなにご挨拶してー、コージロー」

 

アシカ「」アウッ、アウッ

 

トレーナー「はい、よく出来ましたー」

 

パチパチパチパチ!!

 

結衣「すごーい! 可愛いね、コージロー君!」

雪乃「…………」

 

八幡「……イルカいないじゃねーか」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

結衣「ふーふー、ふーふー」

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