アニメssリーディングパーク

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アクア「よく見ておきなさい! これが女神の聖水よ」【このすばss/アニメss】

 

カズマ「そうか。俺は死んだんだな」

 

アクア「トラクターに轢かれた事による勘違いでねぇ~、無様ねww」プークスクス

 

カズマ「うっせえ!それより俺はこれからどうなるんだよ?」

 

アクア「天国か、もしくは生まれ変わりだけど、一番のおススメは記憶と肉体を引き継いだまま異世界に行く事ね」

 

カズマ「俺が好きなRPGの世界にか?」

 

アクア「そうよ。どうする?」

 

カズマ「行くよ。」

 

アクア「決定ね。じゃあ、一つ能力を授けようかしらね」

 

カズマ「能力?」

 

アクア「異世界に行く為にせっかく生き返ったのに、そこでまた死んだら大変でしょ? だからこそ、異世界に行く者には特典として生き延びれる為の能力を一つ授ける事になっているのよ」

 

カズマ「ほぉー、能力ねぇ…。(異世界行きを勧めた癖して、今度はそっちの世界で死ぬ事を前提かよ!?)」

 

アクア「はい。これを食べてみてよ?」スッ

 

『怪しい果実』

 

カズマ「なんだこれ?」

 

アクア「悪魔の実と呼ばれる果実よ。これを食べれば、貴方には食べた実の種類に応じて特殊能力を得ることが出来るのよ」

 

カズマ「なんだろう? どこで聞いたこと、見たことがあるような設定だな」

 

アクア「いいから食べて見なさいって!!じゃないと話が先に進まないじゃないの!」グイッ

 

カズマ「わ、分かったよ!」

 

ガブリ、モグモグ

 

カズマ「うえええぇぇぇーーーーーっ、マズッ!!?」ウプッ

 

アクア「味はマズイけど、これで貴方には何かしらの能力が使えるようになったわ」

 

カズマ「して、何の能力だよ?」

 

アクア「さあ?」

 

カズマ「なんだよ、なんで知らねえんだよ!?」

 

アクア「悪魔の実は多くの種類が存在しているのよ。だから、何の能力までは実際に使ってみるまで分からない訳よ」

 

カズマ「じゃあ、ここで何かしら試してみるか…」

 

アクア「ちょっと、止めてよ!?神聖な場所で能力を使う事は天界の法律に触れるし、死人でも容赦無く罰せられるのよ!!やるなら異世界に行ってからにしなさい!」

 

カズマ「天界なのに、容赦無さすぎだろ!」

 

アクア「じゃあ、能力を授けた所で終わり。後は異世界に行くだけよ」

 

カズマ「なぁ、最後に聞くけど、能力は本当に使えるようになってんのか?」

 

アクア「しつこいわね!?ちゃんと使えるようになってるわよ!この私を、女神を信じなさい!」

 

カズマ(なんだか女神らしくないから信じられずに聞いてんだよ…) 

 

カズマ「まぁ、悪魔の実に関してはひとまずおいといて。お前さぁ?」

 

アクア「なによ?」

 

カズマ「異世界の案内人として、俺について来てくれねえか?」

 

アクア「へっ?」

 

カズマ「だから、俺が異世界に行っても迷うと思うし、大変そうだから案内が出来て、尚且つ一人という不安を無くす為について来てほしいって言ってんの?分かったか?」

 

アクア「はあああぁぁーーーー、冗談じゃないわよ!? 第一、女神を連れていくなんて天界の規定に反すr」

 

天使「では、アクア様は佐藤和真さんのお仲間として共に異世界に行く、というのはどうでしょう?」パアアァァーー

 

カズマ「なんだ?!」

 

アクア「あんた、急に現れて何トンデモ発言してるの!?」

 

天使「トンデモ発言ではありません。佐藤和真さんのお話を聞いて、死者の不安を解消するのもまた天使や神々の仕事ではないかと受け取っただけです」

 

アクア「だからと言って、こんな男の案内役且つ仲間として異世界に連れて行かれるのだけは嫌よ!?」

 

カズマ「こんな男って、女神ならもう少し言葉遣いを丁寧にしたらどうだ?」

 

アクア「アンタには言ってないし、聞いてないわよ!?」

 

天使「そうは申されましても、もう既に上からの了承は得ていますし…」

 

アクア「ちょっとぉ、このアクア様を異世界に放り出す、なんてどういうつもりよ、上は!?」

 

天使「では、アクア様、佐藤和真さんをよろしくお願いします。」

 

アクア「私の話を聞きなさいよぉ~!?」

 

天使「佐藤和真さんもアクア様と一緒に頑張って下さい」

 

カズマ「おぉ。ありがとな、天使さん」

 

天使「それとアクア様、異世界に行く前には規定として女神の力を没収致しますので、異世界悪魔の実を見つけて能力を身に付けて来て下さいね」

 

アクア「はぁっ!?ちょっと待ちなさい、どうして女神の力までm!!?」

 

天使「では、行ってらっしゃいませ!」ニコリ

 

カズマ「うおおおぉぉぉーーーーーー!!!」

 

アクア「いやあああぁぁーーーーーーー!!!」

 

異世界 アクセルの街~

 

カズマ「おっ、ここが異世界か」

 

アクア「ああああぁぁーーーもぅ、女神としての使命全うしただけなのに、なんであんたと一緒に異世界に来なくちゃならないのよ!?」

 

カズマ「あー、分かったよ。じゃあ、お前もう帰っていいぞ?」

 

アクア「女神の力を没収された上、アンタの仲間且つ案内役として送られたんだから、無理に決まってるでしょ!!」

 

カズマ「んじゃあ、帰れないって訳だな。で、俺はなにをすればいいんだ、異世界で?」

 

アクア「魔王を倒す事よ。この世界では魔王率いる魔王軍が支配と略奪を繰り返していて困ってるのよ、だからここに来た者や異世界に住んでる戦士は魔王軍に戦いを挑んでるのよ」

 

アクア「そして、私が天界に帰れる方法も魔王を倒す目的を果たす事。つまりは、カズマ……アンタと共に魔王を倒さなければならないの」

 

カズマ「おうおう、RPGの定番じゃねえか!」

 

カズマ「目的が分かったら、さっさと魔王討伐に行くぞ」

 

アクア「ちょっと待って!まだ私、能力を身に付けてないんですけど!?」

 

カズマ「能力?もしや、俺が食べた悪魔の実ってヤツで授かるアレか?」

 

アクア「そうよ!! 女神の力が使えない以上、私がこの世界で生き延びる為の術はここに存在する悪魔の実を食べて能力を授かるしかないの!!」

 

カズマ「悪魔の実って、この世界にも存在するのか? てっきり俺は天界だけかと?」

 

アクア「いやいや天界には存在してないわよ!! 悪魔の実は元々異世界にだけ存在する果実で、それを私は転生者用として用意する為に女神の力で適当に取り寄せたから、私の手にあった訳よ」

 

カズマ「あぁ、そういう事か。」

 

アクア「ちなみに悪魔の実は中々見つけるのが難しいけれど、私は一つだけ心当たりがあるの」

 

カズマ「どこだ? 実って事はどこかの森とかに生えてるのか?」

 

アクア「森じゃなくても普通に売られてる場合もあるのよ。ただし、かなり高価で、総額一億エリスだったかしら?」

 

カズマ「い、いちおくううぅぅーーーっ!!!?」

 

アクア「それだけ希少って事。さぁ、わたし用の悪魔の実を手に入れるわよ」

 

カズマ(おいおい、悪魔の実が一億なら一気に金持ちじゃねぇか! そうだ、悪魔の実を売って楽するのもありだな……へっへっへ)ニヤニヤ

 

~適当な露天~

 

アクア「悪魔の実、この私に献上しなさい!!」

 

店主A「ふざけんな!!神様にでもなったつもりか、てめぇは!!」

 

アクア「これそこの店主、この悪魔の実私が貰ってあげてもいいわよ~?」

 

店主B「冷やかしなら帰ってくれ」

 

アクア「悪魔の実……タダで貰えないわよね?」

 

店主C「そんな事出来るかぁ!?欲しかったら金を払いな」

 

アクア「うぅ………悪魔の実を、恵んで……」ウルウル

 

店主D「泣かれても困るし、ましてや恵む物じゃないしね。ほら、用が済んだら帰って下さいね」

 

アクア「ふええぇーーーん、カズマァ~。誰も悪魔の実、くれない……」ポロポロ

 

カズマ(何考えてんだ、この駄女神…。自分が元女神だからってタダで貰おうとするのは、虫が良すぎるだろ!)

 

老店主「これこれ、そこのお嬢さん?」

 

カズマ「ん?」

 

アクア「えっ、私?」

 

老店主「先ほどから拝見しておりましたが、悪魔の実を欲しているそうですね」

 

アクア「そ、そうよ。なに、献上してくれるの?」

 

老店主「献上ではありませんが、売れ残りが一つございまして。宜しければ、何かのご縁です、貰って下さい」

 

カズマ「マジかよ!? タダでくれるって人が居るのは驚きだ!!」 

 

アクア「ふふーん、見てたかしら、カズマ~?」ニヤニヤ

 

アクア「これがアクシズ教の麗しき女神、アクア様の実力よ」ドヤッ

 

カズマ(ムカつく。たまたまってだけでドヤ顔すんな!!)

 

老店主「これもまたエリス様のご加護あっての事ですじゃ」

 

アクア「っ!!?」

 

カズマ(エリス様? それに今、アクアの顔が??)

 

…………………………………………

 

アクア「うぅ~、エリスはエリス教のご神体で、私の後輩よ」ポロポロ

 

カズマ「成る程。お前は後輩の信者から悪魔の実を恵んでもらった訳か」

 

カズマ「そりゃあ、自分のプライドを傷付くわな」

 

アクア「もうこうなったら自棄よ!!!」ガブ、モグモグ

 

カズマ「悲しいねぇ~。自分よりも後輩が上である事を突き付けられたからって、実でやけ食いするとは」

 

アクア「うるs……うええええぇぇーーーーー、マズイィィィィーーーッ!!!!!???」ゲロゲロ

 

カズマ(直に見た俺が言うのもアレだが、本当に女神なのか、こいつ?)

 

アクア「さてと、仕切り直しといきましょうか」

 

カズマ「で、お前が授かった能力ってなんだよ?」

 

アクア「ふふん。私の能力、とくと御覧なさい。」

 

アクア「はぁーーー!!!」

 

チョロチョロチョロ

 

カズマ「………………………」

 

アクア「カズマ? 何ボォーっと見てるのよ? ほら、女神に対する能力の感想は、凄いって賞賛はないのかしら~?」チョロチョロ

 

カズマ「この手から出てるのは、お○っこか? チョロチョロ音ばっかしてっけど??」

 

アクア「なっ!?///// 何考えてんのよ、アンタ!!?」

 

アクア「そんな訳ないでしょ、これは水よ!!!」チョロチョロ

 

カズマ「水?」

 

アクア「そう。これはお水、私からしてみれば聖水よ」チョロチョロ

 

カズマ「水ねぇ……。まっ、上手く行使すれば洪水でも起こせそうだな…」

 

アクア「そうねぇ、洪水だけじゃなくて鉄砲水や激流などの大水だって使えるわよ」

 

カズマ「へぇ~、それはそれは凄いですねぇ~(棒)」

 

アクア「ちょっとは関心持ちなさいよ!?」

 

アクア「という事で今日から私は「ミズミズの実の能力者」で、「水人間」よ!」

 

アクア「水を自在に生み出したり、操る事が出来るって訳。他にも街中の水を集めて威力をあげる事だって可能よ」

 

カズマ「ミズミズとか、水人間ってなんだよ?」

 

アクア「悪魔の実は、個々が使える能力名の上から二文字を取った上で二つに重ねて命名するのよ。それこそ、私がさっき水からミズを取って「ミズミズ」と重ねたみたいね」

 

アクア「で、その能力が使える場合は、○○人間と命名もするの。私は水を使えるから、そのまま水人間って命名した訳。分かった?」 

 

カズマ「あ、あぁ、なんとなくな」

 

アクア「そういえば、気になったけど、アンタの能力って一体なによ?」

 

カズマ「俺か? そういやぁ、俺はなんだったかな??」

 

アクア「何も発動しないのなら、さしずめ「ヒキヒキ」とか「ニトニト」とかじゃないの?www」

 

カズマ「能力じゃねえだろ、それ!? ただの悪口にしか聞こえねえよ!!!」

 

ビューーーーー

 

カズマ「うおっ!?」

 

アクア「強い風ね!?」

 

バサッ

 

女性「あぁー、洗濯物がっ!?」

 

アクア「あらあら、洗濯物が飛ばされてるわね」

 

カズマ「ジャンプしても届かないぞ…………」ピョン

 

カズマ「って、あれ?」フワフワ

 

女性「えっ?」

 

アクア「えええぇぇーーーっ!?」

 

カズマ「よっと」パシッ

 

ストン

 

カズマ「はい。これですか?」スッ

 

女性「あ、ありがとうございます…。」

 

アクア「ねぇ、カズマぁー、アンタ今、高く飛んでなかった?!」

 

カズマ「あ、あぁ…。俺も良く分かんねえけど、ふざけてジャンプしたらなぜだか飛べるような感覚があってな?」

 

アクア「もしかして、悪魔の実の能力が発動したんじゃないの?」

 

カズマ「つーことはアレか? 俺は空を飛べる系の能力者って事か?」

 

アクア「そうかもしれないわね」

 

男性「わああぁぁーー、誰か助けてくれぇーー!!!」

 

カズマ「なんだ?!

 

アクア「あ、あそこ!!」スッ

 

カズマ「どうしたましたかぁ~?」

 

男性「外壁の修理をしてたらハシゴが落ちて、そのまま動けなくなったんだ!?」

 

アクア「あ~ぁ、見事に壁に張り付いてるわね」

 

カズマ「う~ん、下に柔らかいクッションでも敷くか、もしくは壁を走って…………あれ?」ダッ

 

アクア「ちょっとカズマ、いきなり走り出してどうしたのよ!?」

 

カズマ「うおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」ダッダッダッダッダ

 

男性「!」

 

アクア「ええええええぇぇーーーーーーーーっ!!?」

 

ガシッ

 

男性「おわぁ!?」

 

カズマ「おおおぉぉーーーー!!」ダッダッダ

 

ストン

 

カズマ「大丈夫ですか?」

 

男性「あ、あぁ。助けてくれてありがとう…」

 

アクア「ねぇ、今度は壁を走って駆け上がらなかった!!?」

 

カズマ「あ、あぁ。壁を走ったらって考えたら、今度は壁を走れそうな感覚になってさ……」

 

アクア「い、一体どういう事!? 空を飛べたり、壁を走れたりするなんて、一体どういう能力なのよ、それぇ!!?」

 

カズマ「いや、俺にも分からん」

 

アクア「はぁ~、ひとまずカズマの能力については置いときましょう。で、カズマ、ひとまずギルドに行きましょ」

 

カズマ「ギルド?」

 

アクア「休憩所のようなものよ。そこでは異世界に住む者の腕をあげる為にクエストが用意されたり、食事をすることが出来るのよ。」 

 

カズマ「いよいよ、RPGっぽくなってきたな」

 

~ギルド~

 

ワイワイガヤガヤ

 

カズマ「流石は異世界だな。それなりに身なりが戦士っぽい人ばかりだ」

 

アクア「ちなみにあそこの掲示板に張り出されてる紙はクエストが記された貼り紙で、あれを見て自分に合うとか、挑戦したいと思ったら受ける事が出来るの」

 

アクア「クエストを受けたい時はそこの受付に言えばいいのよ。」

 

カズマ「クエストって良く報酬とかあるって言うけど、こういう場合でも報酬は出るのか?」

 

アクア「もちろん、出るわよ。難易度によるけど、難しければ難しい程高額な報酬は約束されるって訳」

 

アクア「ただし、クエストを受けるにもたまに条件があるから注意は必要ね」

 

カズマ「例えば?」

 

アクア「モンスターの討伐でも能力が効かないモンスターが居て、この能力を持つ人が適任とあれば、指定された能力を持つその人しか行けないとかよ」

 

カズマ「へぇ~、色々あるんだな…」

 

アクア「他にも仲間を作る為のメンバー募集や討伐以外での仕事(主に土木や内職など)の張り紙もあるから、無理にモンスターと戦わなくてもいいという場合もあるわね」

 

カズマ「労働の仕事を張り出してる時点でハロー〇ークみてぇだな…」

 

アクア「で、食事をする所もあるけど、ギルドで出される料理は結構美味しいって話なのよ!」

 

カズマ「天界に居たはずの女神が良く知ってるな?来たこと、あるのか?」

 

アクア「無いわ。ただ、死者を導く女神だからこそ、異世界の情報を把握していただけよ。ギルドの料理が美味しいというのも掴んだ情報よ」

 

カズマ「へぇ~」

 

アクア「じゃあ、ギルドでの説明は以上よ。私は、ここに来たら一度飲みたかったシュワシュワを今から頂くから、カズマは適当にクエストを見るなり、ギルドを眺めるなり好きにしたら?」

 

カズマ「シュワシュワ? 飲みたかったって言ってたから、泡の出る飲み物か何かか?」

 

アクア「シュワシュワはクリムゾンビアの事よ。」

 

カズマ「クリムゾンビア??」

 

アクア「まぁ、一種の酒よ。ちなみにシュワシュワの由来は文字通り泡ばかりが立っているからよ」

 

カズマ「酒か?じゃあ、俺は飲めないな」

 

アクア「あら、ここには未成年飲酒禁止なんて法律はないから、飲めるはずよ」

 

カズマ「マジで!?」

 

アクア「なに?高貴な私がヒキニートに嘘ついて何の得があるって言うの?」

 

カズマ「ヒキニート言うなぁ!?」

 

カズマ「それにしても飲酒アリって、異世界はなんでもありなんだな…。」

 

………………………………………

 

カズマ「ひとまず見て回ったり、クエストを見たが、これと言って分かるもんなんてねぇしな。またアクアに聞いt」

 

アクア「はい、花鳥風月」ピューーー、ピューーーー、ピューーーー

 

オオオオオオォォォォォーーーーー、オミゴト

パチパチパチパチパチ

 

カズマ「何事だっ!?」

 

カズマ「おい、アクア?」グイッ

 

アクア「あ、カズマ。どう、この花鳥風月、見事なもんでしょ?」

 

カズマ「なに、ギルドの居る人達に宴会芸披露してんだよ!? 遊んでんじゃねぇんだぞ!!」

 

アクア「だってぇー、せっかく悪魔の実の能力者になれたのに使わないなんてもったいないじゃない」

 

アクア「だから、私は水を使いこなす為の練習も兼ねてこれを編み出し、人々に披露してた訳よ」

 

カズマ「出来たら、宴会芸じゃなくて、モンスターや敵と戦う時とかに使えるよう練習しろよな?」

 

アクア「で、どうしたの?」ゴクゴク←シュワシュワを飲んでいる

 

カズマ「俺は思うけど、クエストを見ても良く分かんねえし、このまま一気に魔王の所に乗り込んで討伐してねぇか?」

 

アクア「それは無理ね」

 

カズマ「なんでだよ?」

 

アクア「あのねぇ、魔王の城には強力な結界が張られていて、それを解かないと魔王の所には行けないの」

 

カズマ「結界を解くにはどうしたらいいんだ?」

 

アクア「魔王軍には幹部が存在するの。その幹部を全員倒せば、結界は解けるはずよ」

 

カズマ「で、肝心の幹部ってのはどこに居んだよ?」

 

アクア「それは知らないわよ。魔王軍幹部は普段、気配を消して隠密に動いてるらしいから見つけるのはまず、至難の業って話だしね」 

 

カズマ「なんだそりゃあ、面倒だな」

 

アクア「ひとまず、他のクエストで腕をあげつつも幹部を見つけて倒していくしかないわ」

 

カズマ「流石に地道にやるって事は、まぁ普段からのんびりしてる俺にはピッタリか」

 

アクア「で、物は相談なんだけど、せっかくここで頑張るんだったら、仲間をせめて二人ぐらい増やすってのはどうかしら?」

 

カズマ「仲間か。まっ、今後の事を考えたら必要だな。で、どうやって集めるんだ?」

 

アクア「もちろん。募集を貼り出すのよ!」

 

~しばらくして~

 

アクア「来ないわね」

 

カズマ「来ないな」

 

カズマ「ってか、お前、どんな募集要項にして、どんな貼り紙にしたんだよ?」チラッ

 

貼り紙『和気あいあいとしたアットホームなパーティにしませんか?今なら麗しき美女が貴方を待っています。特に強い人、大歓迎です♪』

 

 

カズマ「………………真ん中の麗しき美女って?」

 

アクア「もちろん、私の事よ♪ 見ても分かるでしょうけど、私は女神としての抜群なプロポーションには自信があるのよ」フフン

 

カズマ(残念な美人だけどな…。)

 

???「メンバーの募集を見て来ましたが、ここでよろしかったでしょうか?」

 

カズマ「?」

 

アクア「まさかの来た?」

 

めぐみん「我が名はめぐみん。紅魔族の人間だ」

 

カズマ「めぐみんって、ふざけているのか?」

 

めぐみん「ち、ちがわい!」

 

アクア「カズマ、紅魔族は優秀な魔法使いの種族よ。特に名前とかのネーミングセンスがアレなのも種族の特徴よ」

 

カズマ「理解したよ」

 

めぐみん「無論、私は強い。必ず、貴方たちの役に立ちましょう」

 

アクア「ちなみに貴方、悪魔の実の能力者?」

 

めぐみん「よくぞ聞いてくれました。私は、「レツレツの実の能力者」の「爆裂人間」です」

 

カズマ「ば、爆裂?」

 

アクア「おぉ~、何だか凄そうね」

 

めぐみん「何だか凄そうではなく、結構凄いのですよ」

 

めぐみん「見せてあげましょう」

 

アクア「じゃあ、さっそくクエストね」

 

カズマ「仲間が来たとはいえ、急だな!」

 

~クエスト場~

 

アクア「カズマ、クエスト内容はジャイアント・トード3匹の討伐よ。」

 

ジャイアント・トード「」

 

カズマ「うおっ、でっけぇカエルだな!?」

 

めぐみん「何を驚いているんですか? ジャイアント・トードはこんなもんですよ」

 

アクア「あぁ、私とカズマ、遠い別の場所からここに来たばかりなのよ」

 

めぐみん「成る程、そうでしたか」

 

ジャイアント・トード「」ドシン、ドシン

 

カズマ「って、話してる間にこっちに迫って来たぞ!?」

 

めぐみん「見てて下さい。これがレツレツの実の力です」カアアァァーーー

 

カズマ「え、腕が光ってるぞ?」

 

めぐみん「喰らえ、エクスプロージョン!!!」バッ

 

ドオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 

カズマ「なっ!?」

 

ジャイアント・トード「」グター

 

アクア「凄いわ。ジャイアント・トードを一撃で!!」

 

めぐみん「見ましたか。私は腕にエネルギーを集約させ、エクスプロージョンの言葉と共に手を敵に向けることでその敵に爆裂技を放つ事が出来るんです」

 

カズマ「それがレツレツの実、爆裂人間って訳か」

 

めぐみん「はい。ただ、爆裂なのでエクスプロージョンしか使えません。言うなれば、爆裂を応用した他の技を持たないのが欠点ですが…。」

 

アクア「それでもあの爆裂は使えるわ。めぐみん、貴方メンバー入り決定よ」

 

めぐみん「ありがとうございます」

 

ジャイアント・トード「「」」ドシン、ドシン

 

カズマ「わぁ、更に2匹来たぞ!?」

 

アクア「討伐達成まで、後2匹だから、こいつらを討伐すればクエスト達成よ」

 

めぐみん「では、その2匹も私が引き受けるとしましょう」

 

カズマ「出来るのか?」

 

めぐみん「出来ますよ。先ほどの、良く見ましたよね?」

 

アクア「カズマ、ここはめぐみんに任せておきましょうよ」

 

カズマ「分かった。気を付けろよ」

 

めぐみん「心配はありませんよ」

 

ジャイアント・トード「」グワッ

 

カズマ「うぉっ、そう言ってる間に食われそうだぞ!?」

 

めぐみん「ですから、心配はないと言っているじゃないですか。この程度は………」スッ

 

めぐみん「簡単に避けれますよ」ヒョイ

 

カズマ「っ!!?」

 

ジャイアント・トード「」グワッ

 

めぐみん「次はもう片方からですか。」ヒョイ

 

カズマ「えっ!?」

 

ジャイアント・トード「」カパッ

 

めぐみん「今度は自慢の長い下で捕食する気ですか? ですが…」

 

ジャイアント・トード「」シュル

 

めぐみん「そのようなものは私に通じませんよ」ヒョイ

 

カズマ「なん、だと!?」

 

めぐみん「面倒ですので、2匹まとめて……エクスプロージョン!!」バッ

 

ドオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン、ドオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 

 

カズマ「今度は2匹同時に!?」

 

アクア「なーるほど。強いと言う事だけは確かにあるわね」

 

アクア「それに「アレ」を使えるのもまた見事ね」

 

カズマ(アレ?)

 

~ギルド~

 

アクア「めぐみん、私はアクア、こう見ても女神よ。よろしく」

 

めぐみん「はい。ですが、女神というのは?」

 

カズマ「と、思い込んでるから、気にしない方がいいぞ」

 

めぐみん「可哀想に」

 

アクア「なんですよおおぉぉーーー、私は本物の女神なのに!?」

 

カズマ「ひとまず、こいつは置いといて。俺はカズマだ。よろしくな、めぐみん

 

めぐみん「はい。よろしくお願いします」

 

カズマ「で、俺から一つ気になる事を聞くが、なんでめぐみんは俺達の仲間に入ろうとしたんだ? めぐみんのあの実力なら他の所にでも入れそうなのに?」

 

めぐみん「能力の関係上技がエクスプロージョンしか使えない事を理由に他の所では門前払いをされまして、何でもそこはもっとたくさんの技が使えるような仲間を探してたそうで…」

 

めぐみん「仕方なく自分に合う場所を探し続け、ようやく受け入れて貰えそうな所が……」

 

カズマ「俺達の仲間という訳か」

 

めぐみん「はい。予想通り、何も言わずにメンバー入りをOKして貰えました。本当に感謝します」

 

アクア「当然よ。例え技が一つしか使えなくても、あの威力ある技はかなりの戦力になるし、それにうちは細かい所まで問わないからね」

 

カズマ「けど、ジャイアント・トードを二匹同時に倒す所もまた見事だったな」

 

めぐみん「私は片手だけでなく、両手を敵に向けることで同時にエクスプロージョンを放てるのですよ」

 

カズマ「あ、そういや、お前ジャイアント・トードの攻撃を軽々と、それも長い舌で捕食することも分かっていたかのように避けてたけど、あれも何かの能力なのか?」

 

めぐみん「えっ、カズマ、本気で聞いてるのですか?」

 

カズマ「えっ?」

 

アクア「あぁ、カズマは来たばかりで、アレを知らないのよ。許して」

 

めぐみん「ですが、この周辺以外の遠い所でも、いえこの世界に住んでる人なら誰でも知っているはずですよ……………「覇気」を」

 

カズマ「は、覇気??」

 

めぐみん「覇気は覇気ですよ! えっ、本当に知らないのですか?」

カズマ「あ、あぁ。俺h???「ねぇ、ちょっといいかな?」

 

カズマ・アクア・めぐみん「「「えっ?」」」

 

クリス「あぁ、急に声を掛けてごめんね。あたしはクリス、しがない義賊だよ」

 

カズマ「義賊? 何の用ですか?」

 

クリス「実はあたしの友人が君達の仲間になりたいって言ってるんだけど、ただ本人は今、訳あっていないから代わりにあたしが話をしに来たって訳だよ」

 

アクア「えっ、また私達の仲間になりたいって人が!?」

 

めぐみん「ですが、本人が来ないと意味ないのでは?」

 

クリス「分かってはいるよ。けど、先に紹介だけしておいてくれって本人に頼まれてるもんで、止むを得ずにあたしが引き受けたから」 

 

カズマ「大変だな、そりゃあ」

 

クリス「で、名前はダクネス。根は真面目で、悪くはないんだけど、ただちょっとね…。」

 

アクア「なに、ただちょっとって言われると気になるんですけど?」 

 

クリス「まぁ、それは本人と会ってからおいおい知るといいよ」

 

めぐみん「その方は能力者ですか?」

 

クリス「うん、もちろん」

 

カズマ「何の能力なんだ?」

 

クリス「それも本人から口から伝える事になっているんだ。あたしはただ、名前と性格だけを簡単に伝えてくれと頼まれただけだからさ」

 

アクア「でも、どんな人か、楽しみね。強力な戦力がまた一人増えるし」

 

めぐみん「名前からして男か、女か、分かりませんね」

 

クリス「言い忘れたけど、ダクネスは女だよ」

 

カズマ「ほんとか!? だとすると男は俺一人になる訳か!!」

 

アクア「いいじゃないの。強力なメンバーが入るのなら、性別なんて関係ないわよ」

 

カズマ「それと、クリスと言ったか? 義賊って言うけど、それっぽくないし、本当に義賊なのか?」

 

クリス「し、失礼だね、君は!? あたしは正真正銘の義賊だよ。女だからって舐めないでもらいたいね」

 

カズマ「ふぅ~ん」

 

クリス「その目は信じていないようだね…。いいよ、だったらこれを見たら信じてくれるかな?」スッ

 

カズマ「あぁ、俺の財布!?」

 

めぐみん「えっ、あれカズマのですか?」

 

アクア「えぇーー、いつの間にカズマから!?」

 

クリス「これで信じてくれるよね?」フリフリ

 

カズマ「わ、分かった、信じるから!? 返してくれ!」

 

めぐみん「凄いです! 一体、いつの間に財布を盗ったんですか?」 

 

カズマ「いや、さっきクリスは何もしてなかったよな?それなのに、俺から財布を盗むなんて…」

 

アクア「早業にも程があるでしょ、いくら義賊だって?」

 

クリス「ははは。種明かしをするとね……今のは能力のおかげなんだよ」

 

アクア「能力、という事はあなたも?」

 

クリス「そう。あたしも悪魔の実の能力者だよ。」

 

クリス「あたしは、「スリスリの実の能力者」の「窃盗人間」。気付かれずに相手の持ち物を掠め取ることが出来るんだ」

 

アクア「掠め取るって、モンスターの討伐や敵との戦いには向いてないわね」

 

クリス「だから、義賊をしてるんだよ。悪い事をしている連中から掠め取った金品を貧しい人に分け与える、それだけしか出来ないと思ってね」

 

めぐみん「貧しい人々に対する正義の味方、というのは非常にカッコいいです…紅魔族の琴線に触れましたよ」

 

クリス「ははは、ありがとう」

 

カズマ「ひとまず、見た目で判断して本当に義賊だと疑った事に関しては謝るよ。ごめんな」

 

クリス「分かってくれたのなら、いいよ」

 

???「なんだ、私が来る前から随分と楽しそうに話しているな」

 

クリス「あ、ダクネス

 

カズマ・アクア・めぐみん「「「ダクネス?」」」

 

ダクネス「先に紹介だけは伝えてくれたみたいだな。」

 

クリス「もちろんだよ。あ、じゃあ、あたし、ちょっと用があるから後は頑張って」

 

ダクネス「うむ。ありがとうな、クリス」

 

クリス「あ、君たちもまたね。それとダクネスの事、頼んだよ」スタスタ

 

めぐみん「行っちゃいましたね…」

 

ダクネス「クリスから紹介は伝わったと思うけど、改めて自己紹介をしようか」

 

ダクネス「私はダクネスだ。」

 

アクア「初めましてね、私はアクアよ」

 

めぐみん「我が名はめぐみん、紅魔族だ」

 

カズマ「俺はカズマだ」

 

ダクネス「あぁ、よろしく頼む」

 

アクア「そういえば、クリスって子からダクネス悪魔の実の能力者って聞いたけど、何の能力なのよ?」

 

ダクネス「あぁ。私は「テツテツの実の能力者」の「鉄人間」だ」

 

ダクネス「文字通り体を鉄のように硬くすることが出来る。主に盾のような防御が基本だ」

 

カズマ「それだけか? 例えば、鉄のような硬さを応用して殴るとか、攻撃手段には使わないのか?」

 

ダクネス「まぁ、たまにそういった攻撃も行う。だが、私はあくまで盾として防御に徹したい!」

 

めぐみん「なぜそこまで盾になりたいと思うのですか?」

 

ダクネス「決まっている………」

 

ダクネス「攻撃を受けて受けて受けまくりたいからだ、攻撃を受けた時の痛みを、感覚を目一杯味わいたいからだっ///」ゾクゾク

 

カズマ・アクア・めぐみん「「「…………………」」」

 

ダクネス「そ、そんな冷めたような目で見られたら……あぁ………視線が突き刺さってたまらん♡♡」ハァハァ

 

アクア「あ、あのさ……?」

 

ダクネス「むっ、なんだ?」

 

アクア「私、ダクネスの能力がどれくらい凄いか、この目で見ておきたいんだけど?」

 

ダクネス「いいだろう。ここでは無理だから、街の外に移動しようじゃないか」

 

めぐみん「あ、あの、私も爆裂技でダクネスの凄さを見てみたいのですが?」

 

ダクネス「あぁ、構わない。むしろ大歓迎、どんと来いだ!!/////」ワクワク

 

カズマ(この変態、マジでワクワクしてんなぁ…。)

 

~街の外れ~

 

ダクネス「鉄板!!」ガキン

 

ダクネス「さぁ、能力で私の体は硬くなったぞ。まずは誰から来る?」

 

めぐみん「では、私から」パアアァァーー

 

めぐみん「エクスプロージョン!!!」バッ

 

ドオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 

カズマ「おー、相変わらず凄い威力だな」

 

ダクネス「あ……あぁ………たまらーーーん!!!///」ゾクゾク

 

めぐみん「えっ?!」

 

ダクネス「中々良い爆裂技だったぞ、めぐみん。だが、その程度では私の鉄の硬さにはまだ敵わないな」

 

めぐみん「我が爆裂技でも効かないとは……。まだまだ、鍛錬が必要という事ですか」ガクッ

 

アクア「次は私ね」

 

ダクネス「アクアか。いいだろう、さぁ私に全身全霊をぶつけてみろ!」

 

めぐみん「そういえば、まだアクアの能力を聞いた事も見た事もありませんね…」

 

カズマ「見てろ、アクアの能力を」

 

アクア「私はミズミズの実の能力者の水人間。これを食らいなさい!」

 

アクア「クリエイト・ウォーター!!!」ドバーーーーーーーーーーーー

 

ダクネス「ほぉー、水の光線か。これは……」

 

ズドーーーーーーーーーン

 

めぐみん「これがアクアの能力ですか。まさにアクアらしい能力と技ですね」

 

アクア「どうよ? 激流のような凄まじい威力を再現した、クリエイト・ウォーターは?」

 

ダクネス「はぁはぁっ///// 鉄の硬さとなった私の体を後退させた、その威力認めよう///」ハァハァ

 

ダクネス「だが、これならどうだ?」

 

ダクネス武装、硬化!!!」ガッキン

 

カズマ「っ!?」

 

アクア「ダクネスの体が黒く硬化した……あれって、まさかっ!?」 

 

めぐみんダクネスは「武装」を使えるのですね」

 

カズマ(武装?)

 

ダクネス「さぁ、これがテツテツの能力に加えて武装色を纏った、私の鉄壁の防御だ。」

 

ダクネス「先ほどみたいに私の体を後退させられるかな?」

 

アクア「なによ。私だって能力者よ、いくら覇気でも打ち破ってやるわよ」

 

カズマ(また、覇気か…。気になったが、めぐみんが使った避ける力、そして黒く硬くなったというダクネスのアレ……あれが覇気ってヤツか?)

 

アクア「最大威力のクリエイト・ウォーター!!!」ドドドドドドドドドドドドドーーーーーーーーーーーーーーーッ

 

めぐみん「おぉー、先みた時よりも威力が増してますね」

 

ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 

アクア「はぁはぁ、どうかしら?」

 

ダクネス「たまらなあああああああぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーいっ//////」ゾクゾクゾク

 

アクア「っ!?」

 

ダクネス「鉄壁は破れなかったようだが、私の心は見事に打ち破られたぞっ/////」ハァハァ

 

ダクネス「特にその身に最大威力の攻撃を受けた瞬間に体に今までにない衝撃が走り、その衝撃が私の心を打ち破り、最高だと感動させた!」

 

ダクネス「アクア、ナイスだ! 今までにない最高の攻撃だったぞ!!」

 

アクア「う、うん。褒めてるのは分かってるけど、何だか嬉しく感じないわ」ガクッ

 

ダクネス「で、最後は……」

 

カズマ「えっ?」

 

ダクネス「えっ、ではないぞ! 最後と言ったらお前しか居ないだろ、カズマ」

 

カズマ「い、いや、俺はそういうのはいいよ…」

 

ダクネス「なんだ、情けないぞ? 男なら、私の鉄壁の防御を打ち破るくらいの勢いで立ち向かって来い!!」

 

アクア「プークスクスww ヒキニートのカズマなんかにそんな度胸があるとは思えないわよ」

 

めぐみん「カズマ、やるだけやってみてはどうですか?」

 

カズマ「………はぁー、分かったよ」

 

ダクネス「さぁ、私に攻撃を当てて、私の体を後退させられるかな?」

 

カズマ「……………」

 

ダクネス「カズマ、どうした? 返事がないぞ?」

 

アクア「もしかして、怖くて声も出ないのかしらww」クスクス

 

めぐみん「そういえば、カズマの能力もまだ見た事や聞いた事がありませんね?」

 

アクア「あぁ。私はそれらしいのを見たけど、はっきり言って分からないのよねぇ……。」

 

めぐみん「えっ、それは一体どういう事ですか?」

 

カズマ(自分が授かった能力も分からねえのに、無鉄砲に突っ込んでいくのも面倒だ!)

 

カズマ(せめてダクネスの絶壁の防御を崩す程の力が一瞬でも出ればなぁ…………んっ?)

 

ダクネス「どうした、さっさと来ないか?」

 

カズマ「………………」

 

めぐみん「一体、なにをしt」

 

カズマ「……………」スッ

 

ダクネス「おっ?」

 

アクア「なに? 短剣なんか構えてまさか本当に?」

 

ダクネス「その意気だ。さぁ、武器ありでいいぞ……そのまま突っ込んでこい!!」

 

カズマ「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」ダッダッダッダッダ

 

ガキン

 

カズマ「おおおおおーーーーーーっ!!!」グググッ

 

ダクネス「うわああぁーーーっ!!!?」グラッ

 

アクア・めぐみん「「っ!!?」」

 

ドサッ

 

ダクネス「…………な、なんだとっ!?」

 

アクア「えええぇぇーーー、私の最大威力のクリエイト・ウォーターでも打ち破れなかったダクネスの絶壁の防御をカズマが、打ち破ったぁ!?」

 

めぐみん「それも防御以上に強い力で押してませんでしたか?!」

 

カズマ「やった………しゃあ、やったぞ!!」

 

ダクネス「し、信じられない!? 私のテツテツの力と武装色でかなり硬くした防御を打ち崩すなど、カズマが初めてだぞ!?」

 

アクア「あんた、まさか、あの時やあの時みたいに考えなかった?」 

 

めぐみん「あの時?」

 

カズマ「あぁ。ダクネスに立ち向かう前に、絶壁の防御を崩す程の力が一瞬でも出ればって考えたな」

 

アクア「やっぱり!!」

 

ダクネス「なにがやっぱりだ?」

 

めぐみん「アクア、カズマに言ったあの時とは一体?」

 

アクア「説明するわ。実は………」

 

めぐみん「えええぇーーー、カズマは空を飛んだり、壁を走って駆け上がってたりしていたんですか?!」

 

ダクネス「それもカズマはいずれも考えたら実際に出来るようになった……。」

 

ダクネス「まさか、それがカズマが使える悪魔の実の能力じゃないのか?」

 

めぐみん「そ、それってつもりは……」

 

アクア「カズマは自分がこう出来ればいいと考えたら、それが実際に出来るようになった。つまりは、それがカズマの能力って事ね」

 

カズマ「お、おい、それが真実って言うなら、俺の能力の名称はどうなるんだよ?」

 

ダクネス「まぁ、それは自分の能力だ。自分で名前を考え、決めるのが妥当であろう」

 

カズマ「そうか…。(う~ん。俺はゲームが好き。特にチートがお気に入り………よし、決めたぞ)」

 

カズマ「俺の能力名は、チトチトだ! そして、俺は「チトチトの実の能力者」の「チート人間」だあああぁぁーーーー!!!」

 

めぐみんダクネス「「……………………」」

 

アクア「プッ!あーはははは、チート~~? プークスクスクスww」ゲラゲラ

 

カズマ「おい、何が可笑しい?俺自身で決めた能力名に何か笑う要素があんのか?!」

 

アクア「だ、だってぇ~、狡賢く見えるカズマにはピッタリだと思ってぇ~~www」ケラケラケラ

 

カズマ「どういう意味だ、こらぁ~!!」

 

アクア「アンタは知らないと思うけど、チートは直訳すれば、ズルとか騙すって意味なのよ!!」

 

カズマ「はぁっ!?」

 

アクア「でも、カズマが住んでた所のゲームじゃ、チートを使えば何でもアリだったわね?」

 

アクア「なら、ピッタリじゃない。実際、空を飛ぶ、壁を走る、鉄壁の防御を簡単に打ち破る程の凄い力も出せたし、まさにこの世界ではチートと呼ぶにふさわしいと思うし」

 

カズマ「だろう? くぅ~、それにしてもまさか俺自身がチートを使える日が来るとは、夢みたいだ!!」

 

めぐみん「あのぅ、お二人だけが納得されても私とダクネスには理解不能なのですが…」

 

ダクネス「あ、あぁ。で、さっきからカズマやアクアが言っている「チート」というのは一体なんなのだ?」

 

カズマ「んっ、チートも知らねぇのか?」

 

アクア「カズマー、異世界にはチートなんて言葉は存在してないから分からないわよ」

 

カズマ「あぁ、そういや、そうだな。分かった、要約して説明すると………つまりは「何でもアリだ」」

 

めぐみん「何でもアリとは?」

 

カズマ「俺が考えたら全てその通りになるって事だよ。更に言えば、俺が空を飛びたいって考えれば空を飛べるようになったり、攻撃力をあげたいって考えたら攻撃力が本当にあがるとかな、それがチートだよ」

 

ダクネス「なんだそれは!? 卑怯で、なんというか無茶苦茶ではないか!?」

 

アクア「確かそうかもしれないけど、まぁ役には立ちそうだし、いいんじゃないの!」

 

めぐみん「それにしても自分が考えた事が実現する、能力なんて羨ましいですよ!! まさかに憧れ、言うなれば紅魔族の琴線に触れます!」

 

カズマ「んじゃあ、俺の能力はこれではっきりしたな!」

 

ダクネス「そういえば、アクア…私のメンバー入りはどうなる?」

 

アクア「あ、そうね。その防御が戦いの時には絶対に有利になるし、ダクネスはメンバー入り決定よ」

 

ダクネス「そうか、それなら良かった。」

 

カズマ「これでメンバーは俺含めて四人。仲間を二人ぐらい増やす目的も達成できたな」

 

めぐみん「それにしても、ダクネス武装色は見事でした。しかも自分の能力に重ね掛けする事で防御力を向上させた所も良かったです」

 

ダクネス「そうか。で、めぐみん武装色の覇気は使えるのか?」

 

めぐみん武装色は使えませんが、見聞色は使えますよ」

 

ダクネス「ほぉ、それは見事だな」

 

カズマ「あ、あのさ?」

 

ダクネス「むっ、なんだ?」

 

カズマ「その、覇気ってヤツは一体なんだ?」

 

ダクネス「なに、覇気を知らないのかっ!!?」

 

めぐみん「あ、そういえば、それを聞いてませんでしたね! 実はカズマ、覇気を伝えてもピンと来ないような顔をし、しかも覇気自体を見た事も聞いた事がない、という不思議な有様です」

 

ダクネス「信じられないぞ……。この世界に住んでいる以上、覇気を知らなくては困るぞ!」

 

カズマ(本当は転生して、この世界に来たばかりのよそ者だけどな) 

 

アクア「遠い場所でも覇気が知られず、使える者が極端にいないせいもあって覇気を知らないようなのよ、許して」

 

ダクネス「そ、そうか。まぁ、そういう事情なら仕方あるまい」

 

ダクネス「そして、カズマ………」

 

カズマ「なんだ?」

 

ダクネス「覇気を知らぬなら、私が直々に覇気を教えよう!」

 

カズマ「えっ?!」

 

ダクネス「遠慮はするな。ちょっと、近くの場所まで移動しよう…そこで存在する覇気とその効果について教える」

 

カズマ「ふわぁ~。俺はもう疲れてんだ。教えるなら、手短に頼んだぞ」

 

ダクネス「分かった、分かった。とりあえず、私についてこい!」

 

~街の外~

 

カズマ「ここはジャイアント・トードの巣がある所じゃねえか…大丈夫なのかよ?」

 

ダクネス「心配ない。出てきたところで私が盾になってお前を守ろう、私は粘液まみれにっ/////」ハァハァ

 

カズマ「おーい、ダクネスー?」

 

ダクネス「おっと、悪いな。で、カズマ、お前に今から覇気の説明をするが、その前に条件がある?」

 

カズマ「一応聞いてやる、なんだ?」

 

ダクネス「その、先ほどのお前が私の鉄壁の防御を破って吹き飛ばしたのがあるだろう?」

 

カズマ「あぁ。俺のチトチトの力で俺がダクネスを越える力を発揮して吹き飛ばした、アレな」

 

ダクネス「また後で、同じのをやって貰いたい…それが条件だ」

 

カズマ「なんだ、俺に吹き飛ばされた感覚が癖になったのか?」

 

ダクネス「そうd……って、違うぞ!?」

 

カズマ「今、そうだって言いそうにならなかったか?」

 

ダクネス「気のせいだ。私がお願いした理由は絶壁の防御を更に鍛え上げる為だ」

 

カズマ「はいはい、そういう事にしといてやるよ」

 

ダクネス「で、どうなのだカズマ?」

 

カズマ「いいだろう。変な性癖は別として、お前の修行には付き合うよ」

 

ダクネス「やってくれるか!!ありがとう、カズマ。」

 

ダクネス「では、条件通り覇気を教えるとしようか」

 

カズマ「あぁ。頼む」

 

ダクネス「まずは、覇気についてだ。」

 

ダクネス「覇気はいわば、この世界における特殊能力だ。そして、覇気は基本的に世界中の全ての人が持っていて、それを開花させるには鍛錬が必要され、実際に体得する人物は極一部だけだ」

 

ダクネス「だが、覇気を習得したとて必ず討伐や戦いが優位に運ぶわけではない。時には上手く使いこなしたり、応用することも必要だ」

 

ダクネス「更には覇気は、鍛えれば鍛える程、熟練度が増し、更に強力なものとなる、それが覇気だ!」

 

カズマ「なんだか長いし、難しいから良く分かんないけど、能力であって凄いって事だけは伝わったよ」

 

ダクネス「そして、次に覇気の種類を説明しよう」

 

カズマ「種類?」

 

ダクネス「覇気は3種類の「色」が存在する」

 

カズマ「3種類も!」

 

ダクネス「そうだ。一つは…」

 

ジャイアント・トード「」ドシン

 

カズマ「うわっ、いつの間にジャイアント・トードが一匹来てるぞ!?」

 

ダクネス「ちょうどいい。カズマ、これから私が実際の覇気を見せてやる。良く見ておけ?」

 

カズマ「えっ?」

 

ダクネス「まずは最初に私が見せた「武装色の覇気」だ!」

 

カズマ「ぶ、武装!?確か、めぐみんが言ってたな?」

 

ジャイアント・トード「」シュル

 

カズマ「捕食する気か!」

 

ダクネス武装硬化!!」ガッキン

 

ダクネス「ふんっ」ドゴン

 

ガキン

 

カズマ「っ!?」

 

ジャイアント・トード「」クラッ

 

ドン

 

ダクネス「ふう、どうだったか?」

 

カズマ「す、すげぇ…。ジャイアント・トードの舌を硬化したパンチで殴り返し、その衝撃でジャイアント・トードを倒すなんてなぁ…」

 

ダクネス「見たか。これが武装色の覇気……体に見えない鎧のような力を作り出す覇気だ」

 

カズマ「見えない鎧って響きがカッコいいな! けど、ダクネスは鎧だらけじゃねぇか?」

 

ダクネス「よ、余計な事は言わなくていい!?」

 

ダクネス「で、武装色の覇気は私が最初に使用したように防御だけでなく、先ほどみたいに攻撃にも転用できる」

 

カズマ「防御と攻撃が同時で出来るなんて益々かっこいいな!!」

 

ダクネス「それだけではないぞ。応用すれば武器に纏わせて威力を上げたり、上達させれば私にみたいに全身に纏わせて硬化させることも可能になるぞ」ガッキン

 

カズマ「おぉーーーー!!!」パチパチ

 

ダクネス「だが、一番の醍醐味は、悪魔の実の能力者の弱点を突くことを除けばこの覇気が唯一の対抗策となりえる事だ」

 

カズマ「なんだと、一体どういうことだ?」

 

ダクネス「そのままの意味だ。攻撃を無効化する能力なら攻撃を容易に当てられるという事だ。また、能力者の攻撃も防げるぞ」

 

カズマ「なんと、武装って覇気は本当に便利で、凄いんだな!!」

 

ダクネス「ただし、使用し過ぎるとしばらくは覇気が使えなくなるからそこは要注意だ」

 

カズマ「成る程な」

 

ダクネス「では次は二つ目の覇気「見聞色の覇気」を教えよう」

 

カズマ「見聞色? そういえばさっき、めぐみんが使えるとか言ってたけど?」

 

ダクネスめぐみんも使えるようだが、今回は私が実際に見せよう」 

カズマ「ダクネスは、その見聞色を使えるのか?」

 

ダクネス「もちろん、使えるぞ。」

 

ジャイアント・トード「「」」ドシン、ドシン

 

カズマ「ゲッ!?今度は別の方から二匹のジャイアント・トードが!?」

 

ダクネス「タイミングが良いな。では、見聞色の覇気を見せてやろう」スッ

 

カズマ「おい、なに目を瞑っtダクネス「いいから、黙って見ろ」

 

ダクネス「ふむ。片方のジャイアント・トードが口を開けて私を食べようとしているな」

 

ジャイアント・トード「」グワッ

 

ダクネス「だが、当たらんぞ」ヒョイ

 

カズマ「なっ!?」

 

ダクネス「そして、もう一方は舌で捕食しようとしているな」

 

ジャイアント・トード「」シュル

 

ダクネス「甘いな!」ヒョイ

 

カズマ「えええぇぇーーー、目を瞑ってるはずなのに、軽々とジャイアント・トードの攻撃を交わしてるっ!!?」

 

ダクネス「見たか?」ヒョイ

 

ダクネス「これが」ヒョイ

 

ダクネス「見聞色の覇気……」ヒョイ

 

ダクネス「相手の気配をより強く感じる覇気…」ヒョイ

 

ダクネス「だ!」ヒョイ

 

カズマ「すげぇー。余裕で避けながら説明までしてんなぁ……。」

 

ダクネス「よっと!」スタッ

 

ダクネス「でな、この力は高めることで視界に入らない相手の位置や数を把握したり、相手が次の瞬間に何をするか先読みしたりすることが出来る!」

 

カズマ「うぉっ、なんだそれ!? 夢にまだみた予知じゃねぇか!?」

 

ダクネス「予知、という単語は別として、更に鍛え上げれば相手の力量を見極める事はおろか、少し先の未来まで見る事が可能となるのだ」

 

カズマ「本当に未来予知だ!! 便利だな、見聞色も」

 

ダクネス「まだあるぞ。相手の心や感情さえも読み取る事が出来る。しかも見聞色は生まれ付きか、戦いでの極限状態に見に付くともされている。だが、冷静でないと上手く発動しないからな、気を付けろ」

 

カズマ「あぁ、分かった!」

 

カズマ「って、あれ待てよ?」

 

ダクネス「どうした?」

 

カズマ「いや、実は以前、めぐみんも……」

 

~回想~

 

めぐみん「ですから、心配はないと言っているじゃないですか。この程度は………」スッ

 

めぐみん「簡単に避けれますよ」ヒョイ

 

ジャイアント・トード「」グワッ

 

めぐみん「次はもう片方からですか。」ヒョイ

 

ジャイアント・トード「」カパッ

 

めぐみん「今度は自慢の長い下で捕食する気ですか? ですが…」

 

ジャイアント・トード「」シュル

 

めぐみん「そのようなものは私に通じませんよ」ヒョイ

 

~回想終了~

 

カズマ「軽々とジャイアント・トードの攻撃を先読みするかのように交わしていたけど、あれも?」

 

ダクネス「あぁ、違いないだろう。回想でめぐみんが使用していたのも正真正銘、見聞色の覇気だな」

 

カズマ「で、最後の三つ目の覇気はなんだ?」

 

ダクネス「あぁ。それなんだが、」

 

カズマ「ん?」

 

ダクネス「三つ目の覇気は、使える者が非常に少ない上に珍しいため、一般に武装色や見聞色の2種類を「覇気」としているのだ」

 

カズマ「どういう事だよ? 分かるように説明しろ??」

 

ダクネス「まぁ、つまりだな……その……」

 

カズマ「おい、ダクネス?」

 

ダクネス「あぁー、とにかく、カズマ。お前に三つ目の覇気を教えるには早すぎる…ではない、無理だ!!」

 

カズマ「はぁっ!?」

 

ダクネス「と、とにかく、今私が教えた二つの覇気を習得してもらおう」

 

カズマ「おい、話を変えるn…って、お、俺も出来るのか?!」

 

ダクネス「?……当たり前だろ。ただし、とことん鍛え抜かないといけないからな……覚悟はしておけよ」

 

カズマ「あ、あぁ…。」

 

ドシン、ドシン

 

カズマ「んっ?」クルッ

 

ジャイアント・トード「「」」

 

カズマ「うわぁっ!!? い、いつの間にか俺の周りに二匹集まってるぅっ!!?」

 

ダクネス「カズマ!私を盾nカズマ「出来るか!!」

 

カズマ「逃げろーーー!!」ダッダッダ

 

ダクネス「あ、おい、カズマ!?」

 

ジャイアント・トード「「」」ドシンドシン、ドシンドシン

 

カズマ「ぎゃああああぁぁーーー、追いかけてきたああぁぁーーー!?」

 

ダクネス「慌てて逃げるからだ! カズマー、走らずに止まれ。そして、私が来るまで何とか持ちこたえてくれ!」ダッ

 

カズマ「そ、そう言われてもなぁ~!?」キキッ

 

ジャイアント・トード「」シュル

 

カズマ「うおっ!?」ヒョイ

 

ジャイアント・トード「」シュル

 

カズマ「よっと!?」ヒョイ

 

ダクネス「見聞色ではないが、見事な反射神経だぞ、カズマ!」

 

カズマ「感心してないで、早く来て助けてくれぇ!!」ヒョイ

 

ジャイアント・トード「」シュル

 

カズマ「よっ!」ヒョイ

 

ガッ

 

カズマ「あっ!(ヤベッ、舌に引っ掛かって!?)」ドサッ

 

ダクネス「カズマ!?」

 

カズマ「イタタ…。あっ!!」

 

ジャイアント・トード「」シュル

 

ビュン

 

カズマ「うおっ!(舌が俺の方に向かって!)」

 

ビューーーーーーーーン

 

カズマ「くっ………(俺はこのまま捕食されて!!)」

 

ダクネス「カズマアアアアアアァァァァーーーーーーーーッ!!!!?」

 

カズマ「くっそおおおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!!」ゴオオオオオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーー

 

ダクネス「っ!!?」

 

ジャイアント・トード「「」」ドクン

 

カズマ「…………………あれ?」パチッ

 

ジャイアント・トード「「」」フラッ

 

ドサッ

 

ジャイアント・トード「「」」

 

カズマ「…………………なっ!?」

 

カズマ「え、なんでジャイアント・トードが倒れたんだ……」

 

カズマ「えっ、えぇと…………」

 

カズマ「…………………なっ」

 

カズマ「なんじゃこりゃあああああああぁぁーーーーーー!!!??」

 

ダクネス「…………………」ポカーン

 

ナンジャコリャアアアアアアアアアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ダクネス「ハッ!?」

 

ダクネス「カズマ!!」

 

カズマ「え、なんで急に倒れたんだ、意味不明だ!?つーか、ジャイアント・トードが白目向いてて、気持ち悪いわ!?」

 

ダクネス「おーい、カズマーー!!」

 

カズマ「モンスターが白目向いてんの初めてみたわ!! 大体、俺がなんにもしてないのに勝手に倒れるなんてアリか、アリなら誰か言ってくれえぇー!?」

 

ダクネス「…………どうやら気が動転してて、聞こえないようだな」 

 

ダクネス(それにしても、これは一体どういう事だ!!)

 

ダクネス(カズマから突然発せられたあの威圧………まさかの「アレ」じゃないか!?)

 

ダクネス(本当に何がどうなっているのだ! カズマに「アレ」が発動できるとは思ってもみなかったはずなのだが。しかし、まぁいい、これはこれで……)

 

ダクネス(面白くなりそうだ/////)ゾクゾク

 

ダクネス(まったく普通の奴だと思っていたはずが、実はとんでもない素質があったとはなぁ…。カズマ、お前はどこまで私を興奮させたら気が済むのだっ!?/////)ハァハァ

 

カズマ「なんでだあああぁぁぁーーーーーーーっ!!?」

 

~ギルド~

 

カズマ「も、戻ったぞぉ~」フラフラ

 

めぐみん「あ、カズマ。覇気の修行は、どうでした?」

 

カズマ「疲れた…。ってか、訳わかんねぇ」

 

アクア「何があったのよ?」

 

カズマ「………」グタ~

 

アクア「ちょっとぉ、無視しないでよ!?」

 

ダクネス「まぁまぁ。カズマは今日ある覇気の修行中にある事があって、驚いている内に疲れただけだ。」

 

めぐみん「ある事?」

 

アクア「何に驚いてたのよ?」

 

ダクネス「そうだな…。まぁ、後々のお楽しみという事にしておいてやろう。今は何も聞くな」

 

アクア「ダクネスー、もったいぶらずに教えなさいよ!!」

 

めぐみん「そうですよ、気になるではありませんか!?」

 

ダクネス「なに…そのうち分かる。凄い事だ」フッ

 

アクア・めぐみん「「はぁっ?!」」

 

カズマ「ZZZ………」スースー

 

~数日後~

 

ダクネス「クエストの合間を縫って、覇気の修行を付けているが、そろそろ武装色と見聞色は習得できただろう?」

 

カズマ「あぁ。とりあえず、見聞色はなんとか物になったけど、武装色がまだなんだよな…」

 

ダクネス「そうか。」

 

ダクネス(そういえば、武装色と見聞色の他に、『アレ』の兆候が見れていない…)

 

ダクネス(最初に修行を付けた時にカズマがジャイアント・トードを2匹気絶させたのは間違いなくアレなのだが、それ以降はここ数日、全然発動しなかった)

 

ダクネス(……………私の気のせいだったのだろうか…。)

 

ウ~ウ~

 

カズマ「なんだ!?」

 

ダクネス「むっ、これは!!」

 

受付嬢(ルナ)『冒険者各員は至急正門に集まって下さい!繰り返します、冒険者各員は至急正門に集まって下さい!』

 

 

カズマ「この声、あの受付のお姉さんだよな?」

 

ダクネス「この時期に、正門集合と冒険者全員に呼び掛けるこのアナウンス……間違いないな」

 

カズマ「はぁっ? なにがだよ?」

 

ダクネス「知らないのか? あ、カズマは遠い所から来たばかりだったな…」

 

カズマ「なんだ? この時期にアクセルの街に何かあんのか??」

 

ダクネス「説明するより見せた方が早い。カズマ、私らも正門に急ぐぞ!」ダッ

 

カズマ「あ、おい、ダクネス!?」ダッ

 

~正門~

 

ゾロゾロ、ワイワイ

 

ダクネス「おー、今回もたくさんの人が集まっているな」

 

カズマ「なんだ、凄い数の冒険者たちが!?」

 

アクア「あ、カズマ。それにダクネスも!!」

 

カズマ「アクア、お前も来てたのか?」

 

アクア「もちろん。この世界の収穫イベントだもん。参加するに決まってるじゃないの」

 

カズマ「収穫イベント……なんの収穫だよ?」

 

ダクネス「それは見た方が早いと言っただろ? おっ、そろそろ来る頃だな」

 

めぐみん「嵐が、来る…」

 

カズマ「って、めぐみんも居るのかよ!? しかも一番前に!!」

 

冒険者たち「収穫だああぁぁーーー!!!」

 

カズマ「おわっ、びっくりしたぁ!? お祭りみたいな騒ぎだな!」 

 

アクア「マヨネーズ、もってこーい!」

 

カズマ「お前も祭り騒ぎかよ!? ってか、マヨネーズって!!?」

 

ダクネス「来たぞ、カズマ。あれだ!!」ビシッ

 

カズマ「んーっ?」チラチラッ

 

 

 

ゾロゾロゾロゾロ

 

カズマ「なんだ、なにか緑のような物がたくさん……!?」

 

キャベツ「きゃべきゃべきゃべ、つーーーーーーーー」

 

カズマ「なんじゃこりゃああぁぁーーーー!!? キャベツが大群で空を飛んでるぞ!?」

 

ダクネス「そうだ、これこそが冒険者たちが正門に集まった理由。そう、この時期にだけ現れるキャベツの収穫イベントだ!!」

 

カズマ「マジかよ!!」

 

アクア「この世界のキャベツは飛ぶわ!味が濃縮してきて、収穫の時期が近づくと簡単に食われてたまるかとばかりに。」

 

アクア「街や草原を疾走する彼らは、大陸を渡り、海を越え、最後には人知れぬ秘境の奥で誰にも食べられずにひっそりと息を引き取ると言われているわ。」

 

アクア「私達はひと玉でも彼らを捕まえて美味しく食べてあげようってことよ。」

 

カズマ「この世界のキャベツ、半端ねえなぁ~。」

 

受付嬢(ルナ)「皆さーん!今年もキャベツの収穫時期がやってまいりました!今年のキャベツはできがよく、ひと玉の収穫につき、10000エリスです。出来るだけ多くのキャベツを捕まえ此処に収めて下さい!」

 

カズマ「俺、もう帰って寝てもいいかな?」シラー

 

ダクネス「逃げるのは男らしくないぞ、カズマ。見ろ、女の私を!!」ダッ

 

カズマ「あっ!」

 

キャベツ「きゃべつーー」

 

男「うわああぁーー!?」

 

ダクネス「はああああーーー!!」ドゴン

 

ダクネス「ぐふぅっ!///」

 

男「!?」

 

ダクネス「くっ。ここは私が、今のうちに離れろ」

 

キャベツたち「きゃべきゃべーー」

 

ダクネス「ぐはぁーーっ!///」ドンガンゴン

 

カズマ「ダクネスウウウゥゥゥゥーーーー!?」

 

ダクネス「鉄板に武装硬化………『鉄壁の防御』」ガキン

 

ダクネス「これなら、どうだ!!」

 

キャベツ「きゃべつーーー」

 

ダクネス「ぐっ!? 先ほどの痛みが無いが、当たった時の振動が凄まじいっ!///」ガンガンガン

 

男「む、無理だ!せめて、あんただけでも逃げてくれ!?」

 

ダクネス「バカを言うな。倒れたものを見捨てるなど・・・出来るものか?!」

 

冒険者A「騎士の鏡だ!」

 

冒険者B「おぉ…」

 

クルセイダーA「俺も騎士として見習わなければ」

 

女「例え大変だと分かっていても、人を守るなんて…」ウットリ

 

カズマ(ダクネス、お前って奴は……んっ!?)

 

ダクネス「むくつけき男達が私の肌を見て興奮している!何という辱め!汚らわしい!たまらん!/////♡」ハァハァハァハァ

 

カズマ(よ、喜んでる!?)

 

冒険者たち「頑張れーーーー、金髪クルセイダーーーー!!!」

 

カズマ(違う。皆、誤解してるぞ!!)

 

めぐみん「ふふふ、あれほどの敵の大群を前にして、能力による爆裂技を放つ衝動が抑えられようか!いや、ない!」カアアァァーーー

 

カズマ「いや、あるよ!?」

 

めぐみん「エクスプロージョン!」バッ

 

ドオオオオオォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 

冒険者C「うわああぁぁーーーー!?」

 

冒険者D「ひええええぇーーー!?」

 

めぐみん「まとめて、ダブルエクスプロージョン!!」バッ、バッ

 

ドオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーン、ドオオオオオオオオオォォォォォーーーーーーーーーーーーン

 

ダクネス「くぁああああああああああああ!/////」

 

カズマ「キャベツだけじゃなくて、皆やダクネスまで巻き込んでるぞ!?」

 

めぐみん「ナイス爆裂!」グッ

 

カズマ「いや、ナイスじゃねぇよ!?」

 

めぐみん「むっ! まだ大群が残っているようですね…」チラッ

 

キャベツたち「きゃべきゃべきゃべ、つーーーーーーー」ゾロゾロ

 

冒険者E「お、おい、今年のキャベツ、ヤケに多くねぇか!?」

 

冒険者F「きっと、いつもより育ち過ぎて、かなり繁殖してるんだ!!」

 

キャベツたち「きゃべつーーーーーーーー」ゾロゾロゾロ

 

クルセイダーA「うわぁっ、やっぱ多すぎる!?」ガンガン

 

女「しかも攻撃もいつもより激しいし、痛い!」ガン

 

男「これ以上は無理だ!」ガン

 

受付嬢(ルナ)「こ、これは流石に予想外ですよ…。キャベツができが良くても、皆さんにもしもの事があれば大変です」

 

受付嬢(ルナ)「み、皆さん、収穫できた分だけの報酬はお出しします。ですから、早く街中に避難してください!!」

 

ダクネス「うおおおぉぉーーー、私は一歩も引かんぞ!(もっとだ、もっと来い!!♡♡)」

 

アクア「逃げたら、女神の名が廃るわ!!」

 

めぐみん「まだまだ撃ちますよ、エクスプロージョン」バッ

 

カズマ「お前ら……」

 

冒険者G「見ろ、あいつら! 最後まで立ち向かい続けるなんてカッコいいぞ!」

 

冒険者H「最高だああぁーーーー!!」

 

めぐみん「むっ、カズマ、危ない!?」

 

カズマ「えっ?」

 

キャベツ「きゃべつーーー」

 

カズマ「ぐはっ!?」ビシッ

 

キャベツたち「きゃべきゃべきゃべ、つーーーーーーーーーー」

 

カズマ「って、おい、今度はなんで俺の方に一斉に来るんだよ!?」ダッダッダ

 

キャベツたち「きゃべつーーーーーー」

 

カズマ「うおおぉぉーーー!!」ダダダッ

 

アクア「ぷっぷっぷ。カズマの奴、あんな緑のジャージなんて来てるから、仲間と思って寄って来るのよ」クスクス

 

めぐみん「そういえば、同じ色の物って愛着が湧きますからねぇーwww」プルプル

 

ダクネス「笑っている場合ではない!! カズマを助けに行くぞ!」 

 

冒険者I「見ろ、キャベツの大群が全員、あの冒険者を追ってるぞ!」

 

冒険者J「どうなるんだ?!」

 

ガッ

 

カズマ「おわっ!?」ドサッ

 

アクア「あ、カズマがこけたわ!」

 

カズマ「イタタ………あっ!?」

 

キャベツ「きゃべつーーーーーーーーー」

 

めぐみん「大変です!? このままですと、カズマがキャベツの一斉攻撃を!?」

 

ダクネス「そ、それは羨ま、ではなく大変だ!!」

 

キャベツたち「きゃべきゃべーーー」

 

カズマ「うっ………(や、ヤバい!?)」

 

ダクネス「カズマアアアアァァァーーーーーーッ!!?」

 

カズマ「うわああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!!」ゴオオオオオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーー

 

ダクネス「っ!?」

 

アクア「っ!?」

 

めぐみん「っ!?」

 

冒険者たち「っ!!?」

 

受付嬢(ルナ)「っ!!?」

 

キャベツたち「」ドクン

 

冒険者たち「」ドクン

 

めぐみん「」ドクン

 

 

 

カズマ「………………………んっ?」パチッ

 

キャベツたち「」フラッ

 

ドサドサドサ

 

(一部の)冒険者たち「」フラッ

 

ドサドサ

 

めぐみん「」フラッ

 

ドサ

 

キャベツたち・(一部の)冒険者たち・めぐみん「「「」」」

 

カズマ「……………………はぁっ?!」

 

カズマ「な、なんだよ…。キャベツが、いやキャベツだけじゃない……周りの奴らとかめぐみんが気絶してる!? なんでだ!!?」キョロキョロ

 

冒険者A「お、おい……今のって!?」

 

冒険者D「う、嘘だろ!? まさかこの街にあんなどえらい奴がいたとは!?」

 

アクア「…………ねぇ、ダクネス

 

ダクネス「なんだ?」

 

アクア「今、カズマが……アレを発動させたんですけど!? 一体、どういうことよ!!」

 

ダクネス「ここ数日兆候を見ないため、私の気のせいかと思ったが、やはり本当に使えるようだな…」

 

アクア「えっ、なに、ダクネス…知ってたの!?」

 

ダクネス「あ、あぁ…。覇気を教えたその日に、ジャイアント・トードを一気に気絶させたんだ、カズマは…。それで確信してた訳だ」

 

アクア「ちょ、ありえないんですけどぉ!? あんなヒキニートにアレの素質があるなんておかしいんですけど!!?」

 

ダクネス「いや、人は見た目ではない。時には大きな才能や実力を発揮するものさ」

 

カズマ「一体、なにがどうなってんだ!?」

 

 

ダクネス「カズマ!!!」

 

カズマ「だ、ダクネス…?」クルッ

 

ダクネス「お前、やはり素質があったようだな」

 

カズマ「へっ?」

 

アクア「あ~あ、脳までヒキニートだから「素質」ってだけじゃ分からないわよww」プークスクス

 

カズマ「おい、こら!!」

 

ダクネス「カズマ…お前に襲い掛かったキャベツ、周りの冒険者めぐみんが気絶したのはお前自身がやった事だ」

 

カズマ「はぁっ!?」

 

ダクネス「そして、本当に素質を秘めていたようだ……………『覇王色』のな!」

 

カズマ「は、覇王色??」

 

ルナ(…………………凄い!!)

 

ルナ(まさか、アクセルの街で覇王色の気質を秘めている者がいて、それがまさかのカズマさんとは……。)

 

ルナ(これは興味深いです。ステータスが幸運の高さだけというカズマさんの、今後の活躍にかなり期待を寄せられそうです。)

 

~その後~

 

カズマ「おっ、美味い!! まさかキャベツがこんなにも美味いとは驚きだな!」

 

めぐみん「いえ、驚きなのは貴方ですよ、カズマ…。」

 

カズマ「俺が?」

 

めぐみん「私は気絶してしまいましたが、その直前に感じたあの威圧……間違いなく噂に聞いた『覇王色の覇気』でしたよ!!」

 

カズマ「そういやあ、その…覇王色ってなんだよ?」

 

ダクネス「お前に覇気の説明をしていた時、最後の三つ目の覇気だけ説明してなかったのは、覚えているな?」

 

カズマ「あ、あぁ…。確か、お前あの時、勿体ぶって教えてくれなかっただろ。えっ…って事は最後の三つ目って、その覇王色なのか?!」

 

ダクネス「あぁ、そうだ! だが、勿体ぶったのではない!! お前に敢えて教えなかっただけだ!」

 

カズマ「どうしてだよ?」

 

ダクネス「この際、素質あるお前には教えるしかないが、覇王色の覇気は数百万人に一人しか素質を持たないとされ、故に見聞色や武装色と違って皆が簡単に習得できるような覇気ではない為だ!」

 

カズマ「す、数百万人に一人だとっ!?」

 

アクア「だから、アンタが覇王色の覇気を発動させた時は、驚きだったのよ!」

 

アクア「よりによって、アンタみたいなヒキニートが、覇王色の覇気を秘める凄い素質だって事も信じられないわよ」

 

めぐみん「ですが、私たちのメンバーの中にあの覇王色の覇気を使える者が居るって事に関して紅魔族の琴線に触れますよ!」

 

めぐみん「なによりもそれがカズマだと知ってだけでも、私は感動ですよ!!」

 

カズマ「さっきから聞いてるけど、俺そんなに凄いのか…?」

 

ダクネス「当たり前だ。覇王色の覇気を使えるのは『王の資質』を持つとも言われ、過去にこの世界で名を上げた大物や伝説を残した者でさえこの資質を備え、覇王色の覇気を使っていた、という逸話もあるくらいだぞ!」

 

カズマ「マジかっ!?」

 

ダクネス「覇王色の覇気は敵を威圧し、場合によっては気絶させる事も出来る。使いこなせば、たくさんの者を簡単に気絶させる事も可能だ…それこそ、三万いや、10万人くらい出来るかもしれない」

カズマ「すげえぇっ!? だから、ジャイアント・トードとかキャベツとか冒険者とかめぐみんが気絶したんだな…。」

 

アクア「でも、あれはまだ使いこなせていないわね…」

 

ダクネス「そうだな。ピンチになって偶発的に発動したって訳だからな」

 

カズマ「そうか。それで、俺は普段から発動できないのか」

 

めぐみん「それでも、資質を持つと分かれば、かなり収穫ですよ。後は修行あるのみです」

 

ダクネス「だな。あ、カズマ…もう一つ付け加えるが、覇王色の覇気は普通の鍛錬では強化されない。いわば、当人自身の人間的な成長でしか強化されないから、これからお前がそこをどう成長していくかも鍵になる。心しておけよ」

 

カズマ「お、おう…。」

 

アクア「本当に大丈夫なのかしら?」

 

ダクネス「とにかく、明日から覇気の修行は『覇王色』も前提に私が引き続き指導しよう」

 

カズマ「分かったよ」

 

アクア「それにしても、キャベツを他の奴らにも山分けし、報酬も分配で支払われるとはねぇ…。」

 

めぐみん「どうしたんですか、アクア?」

 

アクア「どうしてもこうしたもないわよ!? カズマが全部キャベツを気絶して収穫したのに、ほぼ独り占めしたら他の冒険者たちの分が無くなるから山分けっていうのが納得いかないんですけど!?」

ダクネス「仕方がないだろ。私たちだけが他の者よりたくさん報酬を受け取るのも不公平、というしな」

 

めぐみん「それより私はまだ足りないですよ。流石にキャベツだけというのもアレです……出来ればもう少し別の料理も食べたいのですが…」

 

ルナ「でしたら、私が振る舞いましょうか」

 

めぐみん「えっ?!」

 

ルナ「こんにちは♪」ニコリ

 

カズマ「あ、受付嬢のルナさん。」

 

ルナ「はい」

 

アクア「いきなり乱入するなんてびっくりするじゃないの!?」

 

ルナ「すみません…。」

 

ダクネス「ところで…私が振る舞いましょう、というのは一体どういう事だ?」

 

ルナ「そのままの意味ですよ。」トンッ

 

カズマ「丸太?」

 

めぐみん「そ、それのどこが料理なんですか!?」

 

ルナ「ここからです。見てて下さいね」スッ

 

トントントンッ

 

ボトボトボトッ

 

カズマ「なにぃっ!?」

 

アクア「ええぇーーっ!?」

 

めぐみん「な、なんと…ただの丸太がハムに!?」

 

ダクネス「まさか、貴方も能力者なのか?!」

 

ルナ「えぇ♩」ニコリ

 

ルナ「私は『ショクショクの実の能力者』の『食材人間』です!」

 

ルナ「包丁を使用した時だけですが、丸太や石など食べれない物を食材に変えることが出来ます」

 

めぐみん「す、凄いです!? こんな便利な能力があるとは……紅魔族の琴線に触れますよ!!というか、食べていいですか?」

 

ルナ「どうぞ」

 

めぐみん「では遠慮なく…」アーン

 

ダクネス「お、おい、めぐみん!?」

 

めぐみん「」パクッ

 

カズマ「食っちゃったよ…」

 

めぐみん「」モグモグ

 

アクア「ど、どうせ元は丸太なんだし、いくらハムに変えたとはいえ、味まで変えられるはずが……」

 

めぐみん「美味しいですっ♩/////」パアアァァーーー

 

ダクネス・アクア・カズマ「「「えええぇぇーーーーーっ!!?」」」

 

めぐみん「本当にハムの味ですよ、これは!!」

 

ルナ「えぇ♩ 見た目だけでなく、味も変えられます」ニコリ

 

カズマ「マジかっ!?」

 

アクア「どれ……」パクッ

 

アクア「!!………うん、美味いわ///」モグモグ

 

ダクネス「ほんとだな。確かにハムの味……いや、ハムだ!」モグモグ

 

カズマ「すげえ!本当の食材に変えられる能力なんて、夢のようじゃねぇか!」

 

カズマ「ってか、これなら食うに困らねえだろ!? しかも食費も掛からないし、普通にある石や丸太だけで食材に変えられるから便利すぎる!!」

 

めぐみん「これならば、料理を作る人になれるのではないですか?」

アクア「確かにそうね」

 

ダクネス「なぜ貴方は、シェフにならなかったんだ?」

 

ルナ「し、シェフなんて私には向けてませんよ!? せいぜい受付の仕事で十分なくらいですよ!」

 

カズマ「でもな……」

 

ルナ「それに私はあまり能力を行使したくはありませんし…。」

 

アクア「なぜよ?」

 

ルナ「もちろん、それは私が能力で生み出しただけの物だからです」

ルナ「本来の料理は採ってきた食材で作りだす物です。そして、シェフが頑張って作ったからこそ本当に美味しく頂き、ギルドを訪れる者の胃袋を満たせるのです」

 

ルナ「ですから、私が能力で生み出したのは物ではギルドを訪れる人の胃袋を満たせるなんて出来ません……シェフが手間を掛けて頑張って作り、振る舞う事こそ本当の料理であり、ギルドを訪れる人に笑顔を届けられると私は思うんです」

 

カズマ「立派だ、この人!?」

 

めぐみん「かっこいいです///」

 

ダクネス「うむ。ここまで人の為に考えられる者はそういない。」

 

アクア「生意気だけど、その心意気だけは褒めてあげる。感謝しなさいよ」

 

ルナ「本来、私は能力を使わないんですが、今回だけカズマさんを労う為に行使した次第です」

 

カズマ「マジで!? 俺の労う為って言うのが嬉しいんだが!?」

 

ルナ「見ていましたよ。覇王色の覇気を使うカズマさんを……王の資質を持つ者がこの街に来た、というのは救いです」

 

ルナ「ですから、今後の期待も込めて今日だけ私が料理を振る舞いますね」

 

アクア「やったわーーー、食べ放題よ♪」

 

めぐみん「ハムだけでは足りません。もっと厚めで、高そうな肉を所望します!!」

 

ダクネス「おい、いくら能力で出せるからタダと言っても、少しは遠慮というものをしろ!?」

 

カズマ「まぁまぁ、せっかくルナさんが労ってくれるって言うんだから今回だけは好意に甘えようぜ」

 

ダクネス「まったくお前は、すぐに調子に乗る…。いいか、いくら覇王色の覇気の素質を秘めるからといって、驕り高ぶるような事はするなよ?」

 

カズマ「分かってるって!」ヘラヘラ

 

ダクネス「本当に分かっているのか…?」

 

~翌日~

 

ダクネス「さぁ、カズマ。今日も覇気の修行を始めるぞ」

 

カズマ「やれやれ、今日もか…。」

 

ダクネス「今日もか、じゃない!? 完璧になるまでやるんだ!!」

カズマ「だからと言って、毎日はきついぜ…。それに、覇王色だっけ?」

 

カズマ「数百万人に一人しか見に付けない覇気とやらを、使えないお前がどう教えるんだよ?」

 

ダクネス「ふっふっふ。本当の事を明かすが、実は私も覇王色の覇気が使える」

 

カズマ「はぁっ!? 嘘だろ?!」

 

ダクネス「嘘ではない、本当だ! なら、ちょうどいいところに実験体が来たようだ。実際に見せてやろう」チラッ

 

ジャイアント・トード「」ドンッ

 

カズマ「うおっ、いつの間にジャイアント・トードが!?」

 

ダクネス「今から私はあいつに覇王色の覇気を使う。良く見ておけよ?」

 

ジャイアント・トード「」グワッ

 

ダクネス「フン!」キッ、ゴオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

カズマ「!?」

 

ジャイアント・トード「」ドクン

 

ジャイアント・トード「」フラッ

 

ドサッ

 

ジャイアント・トード「」

 

カズマ「なっ………あ………あぁ…………」プルプル

 

ダクネス「どうだ、これで信じてくれるか?」

 

カズマ「あ、あぁ……。確かにダクネス、お前が覇王色を使えるって事は分かった…」

 

カズマ「だけど、ダクネスも覇王色の覇気を使えるって、お前何者なんだよ!?」

 

ダクネス「何者でも良いだろう。と言いたい所だが、敢えて別の言葉で言い返そう……ひとまず、伏せておくとしよう!」

 

ダクネス「まぁ、私が何なのかをいずれ話すって事で、終わりにしてくれないか?」

 

カズマ「…………まぁ、ひとまず分かったよ。」

 

カズマ「だけど、なんで使える事黙ってたんだよ?」

 

ダクネス「簡単な話……ただ、あまり使いたくないから黙っておく事にした、それだけだ!」

 

ダクネス「それより、覇王色の覇気の修行も含めて早く始めよう!」

ダクネス「しっかりと使いこなせるよう、修行をつけてやるから覚悟しておけよ」

 

カズマ「はぁー、はいはい…分かりました。ひとまず、もう少し頑張ってみるとしますか…。」

 

ダクネス「見聞色はなんとかなっても、武装色がまだだったな。」

 

ダクネス「それと肝心の覇王色の覇気も、私みたいに使いこなせて貰わないと困るぞ」

 

カズマ「分かったから、ひとまず武装色の修行から始めるとするか」 

 

ダクネス「鍛錬は大事だ。今の私のようにな……」

 

カズマ「はいはい。せめて、やれるとこまで頑張ってやるよ!」

 

ダクネス「その意気だ!!」

 

ダクネス「さぁ、頑張れよ、カズマ」

 

カズマ「やってやるよ!!!」

 

カズマ「俺は………」

 

カズマ「必ず強くなって魔王を倒し、せめてこの世界に名前ぐらいは刻んでやるよおおおぉぉぉーーーーーーーっ!!!!!」

 

 

カズマの修行や魔王討伐への道は始まったばかり…。

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

カズマ「悪魔の実? 覇気?」

https://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/153330