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早坂「恋人同士になれたのがそんなに嬉しいのですか?」 かぐや「ち、違います! 嬉しいのは会長であって私じゃないです!」【かぐや様は告らせたいss/アニメss】

 

人を好きになり告白し結ばれる。 

それはとても素晴らしい事だと誰もが言う。 

だが、それは間違いである!! 

 

搾取する側とされる側! 

尽くす側と尽くされる側! 

勝者と敗者!! 

 

もし貴殿が気高く生きようと云うのなら 

決して敗者になってはならない! 

 

恋愛は戦!! 

好きになったほうが負けなのである!!

 

 

■四宮邸 

 

早坂「なるほど。会長と恋人同士になったのはいいけど、どうしたらいいか? わからないと」 

 

かぐや「ええ、どうやら会長は私と恋人同士になっただけで嬉しくて、どうしたらいいかわからないみたいなの。まったく会長ったら困ったさんなんだから」 

 

早坂「顔が緩んでますよ。会長と恋人同士になれたのがそんなに嬉しいのですか?」 

 

かぐや「ち、違います! 嬉しいのは会長であって私じゃないです!」 

 

かぐや(そう、この私を誰だと思っているの?) 

 

かぐや(国の心臓たる四宮家の長女よ) 

 

かぐや(会長と恋人になったのも、会長が私を好きすぎて生徒会の仕事もままならないから!) 

 

かぐや(だから私に何か感情があって、会長と一緒になったわけじゃない!) 

 

かぐや(そうよ! 四宮家の私が自分から会長を求めるなんて、あってはいけないこと!) 

 

かぐや(さあ、会長! 私を求めてきてください!) 

 

かぐや(求めてくれれば……私は……) 

 

かぐや(……//)カァー 

 

早坂「かぐや様……。自分から求める事が恥ずかしいからって、会長にばかり負担をかけても……」 

 

かぐや「心を読まないで!」 

 

*  *  * 

 

■白銀自宅 

 

白銀(四宮と付き合いだした……) 

 

白銀(……) 

 

白銀(…………) 

 

白銀(………………) 

 

白銀(ま、まず何をしたらいいんだ!?) 

 

白銀(石上から『参考に』と借りたギャルゲーは、みんな相手からアプローチしてくるし……) 

 

白銀(って、このゲーム。相手と付き合ったら終わりじゃねーか!) 

 

白銀(付き合った後が知りたいんだのに……) 

 

白銀(一体……俺はどうすれば……) 

 

白銀(……) 

 

白銀(いきなり胸を触ったりしたら怒られるよな……?) 

 

御行パパ「御行……」 

 

白銀「な、なんだよ」 

 

御行パパ「風のうわさで聞いたんだが彼女ができたらしいじゃないか」 

 

白銀「あ、ああ。ってどこから聞いたんだよ!」 

 

御行パパ「学校の裏サイトだ。まぁ、それはいい」 

 

白銀「なんでナチュラルに学校の裏サイト見てるんだよ!」 

 

御行パパ「そんなゲームばかりしていないで彼女をデートに誘え」 

 

白銀「そ、そうか。デートか」 

 

御行パパ「ああ、俺も妻と最初にデートした時は(以下略)」 

 

*  *  * 

 

■生徒会室 

 

白銀(まずはデートの誘いだ) 

 

かぐや(まぁ、普通に考えてまずデートからよね……) 

 

白銀(……) 

 

かぐや(……) 

 

白銀(……どうやって) 

 

かぐや(……デートに誘えばいいのかしら) 

 

白銀(そもそもだ。男からガツガツ誘うのはどうなんだ?) 

 

白銀(……) 

 

 

☆シミュレーション中~~~~~~~ 

 

白銀「四宮。デートに行こう。クルーザーを借りて夕日でも見に行かないか?」 

 

かぐや「え……」 

 

白銀「ま、まさか予定とかあったか?」 

 

かぐや「会長……初デートで気合い入れすぎですよ……」 

 

白銀「そ、そうか」 

 

かぐや「まったく初デートくらいで子供のようにはしゃいで」 

 

かぐや「お可愛いこと……」 

 

☆シミュレーション終了~~~~~~ 

 

 

白銀(おげえあああああああああああああああああああ) 

 

白銀(無しだ! 無し!) 

 

白銀(初デートに関してもっと調査しなくては!) 

 

白銀(ここは石上に聞いて……) 

 

白銀「……」 

 

白銀(ん? いや待てよ) 

 

 

白銀(そうだ! 四宮が誘ってくるのを待てばいい!) 

 

白銀(四宮が行きたい場所に行くのが一番) 

 

白銀(さすが俺だ! 四宮想いの良い彼氏だな!)バーン 

 

白銀「……」ニヤニヤ 

 

かぐや(会長がニヤニヤしている) 

 

かぐや(ま、まさか、会長もデートプランを!) 

 

かぐや(そういえば前に会長が恋愛相談を受けた時に言ってましたね……) 

 

白銀『クルーザー借りて水平線に沈む夕日を眺めつつ、彼女と手を繋ぎたい』 

 

かぐや(いい! 非常にいいですよ!) 

 

かぐや(会長と初デート+彼女になって初の手を繋ぐプランはこれで決まりですよね) 

 

かぐや(さあ、会長! いつでも誘ってきてください! 四宮かぐやは逃げも隠れもしませんよ!) 

 

 

などとやってるうちに半年が過ぎた! 

 

その間、特に何もなかった。 

 

 

白銀(お、おかしい。実は四宮は俺の事が好きじゃないのか? い、いや、毎日電話とかラインでは盛り上がってるし……) 

 

かぐや(別に私はデートなんかどうでもいいですけど。別に初デートが豚小屋でも何でもいいですけど。…………はぁ) 

 

 

このなんもない期間の間に二人の思考は『初デートしたい』から『如何に相手がデートを誘ってくるか』という思考へと完全シフトしていた! 

 

 

藤原「皆さん、コーヒーが入りましたよ」 

 

この生徒会室で、超高校級の頭脳が高度な駆け引きを行っている事に、書記の藤原千花は全然気づいていなかった! 

 

 

藤原「そういえば、学校の近くに新しいラーメンのお店ができたんですが、かぐやさん放課後一緒にどうですか?」 

 

白銀・かぐや「!!!」 

 

白銀(この際、二人っきりの初デートじゃなくていい。藤原がいてもいい。四宮お願いだから『会長も一緒に行きませんか?』と俺を誘ってくれ!) 

 

白銀(一度デートできれば、そのあとは流れで『次はどこに行くか?』って話をしやすい!) 

 

藤原「どうします?」 

 

かぐや「……そうですね」 

 

かぐや(ラーメン……正直好きではありませんが。確か高校生は油がぎとぎとして味が濃いものを好むと聞いた事があります) 

 

かぐや(……会長もラーメンを食べるのかしら?) 

 

かぐや(そうです! 会長も連れていきましょう!) 

 

かぐや(初デートが3人+ラーメン屋はあれですが、四の五の言ってる場合じゃありません) 

 

かぐや(そう初デートさえ決まれば、そのままの流れで『次はどこに行きましょうか?』と話をしやすい!) 

 

かぐや(さあ、会長。『俺も行きたい』と言ってください!) 

 

白銀・かぐや「……」 

 

藤原「えーと……」 

 

白銀(ぐっ! 誘いが来ない!) 

 

かぐや(やはり動きませんか。仕方ありませんね。私に考えがあります!) 

 

かぐや「そうですね。あまり遅くなっては家の者が心配するので今から行きましょうか?」 

 

藤原「わーい。楽しみですね♪」 

 

かぐや「ええ、ではさっそく……あっ」 

 

藤原「ん? どうかしましたか?」 

 

かぐや「その……今日はカードしか所持していないのですが、そのお店はカード使えますか?」 

 

藤原「いえ、使えないと思いますが……」 

 

白銀「!!!」 

 

かぐや(さあ会長! ここはカッコよく『仕方ない。ここは四宮かぐやの彼氏で頼りになる俺が奢ってやろう』と言ってください!) 

 

白銀(ふっ、考えたな四宮。これなら自然に俺も混ざる事ができる) 

 

白銀(まったくそんなに俺とデートしたいのか。仕方のないやつだな。では、初デート祭りの開催とするか!) 

 

 

刹那の思考。 

超高校級の頭脳を持つ二人が一瞬で答えを出す。 

しかし、その答えを出すより先に動いたものがいた! 

 

藤原「じゃあ、私がおごりますよー」 

 

白銀・かぐや「!!!?」 

 

かぐや「で、でも、昨日お小遣い日前でお金がないって……」 

 

藤原「じゃじゃーん。諭吉さんでーす」 

 

白銀「なっ!」 

 

藤原「実は昨日おじいちゃんから貰いました♪」 

 

かぐや「そ、そうなんですね」 

 

かぐや(ぐっ。万策尽きました……) 

 

かぐや「……あっ、よく見たら財布の奥に小銭がありました。これで大丈夫そうです」 

 

藤原「えー、せっかく奢ろうと思ったのにー」 

 

かぐや「残念ながら四宮の人間は借りを作りませんから」 

 

藤原「ちょっと残念ですが。ではさっそく行きましょう」 

 

かぐや「そうですね」 

 

白銀(四宮……万策尽きたという顔をしているな。それはそうだ) 

 

白銀(そもそも四宮の考えは間違っている) 

 

白銀(『俺からラーメンに行く』という言葉を待っているようだが、それは間違いだ) 

 

白銀(だからと言って、四宮から『会長、一緒にラーメン屋さんに行きましょう』という言葉も出てこないだろう) 

 

白銀(だからここは第三者を使う! そう藤原書記を使うときだ!) 

 

白銀「少し聞こえていたのだが、今から二人でラーメンに行くつもりか?」 

 

藤原「え? そうですけど」 

 

白銀「ダメだ。下校時の買い食いは禁止だ」 

 

藤原「えー、買い食いくらいみんなやってますよー。ね? かぐやさん」 

 

かぐや「え? ま、まぁ、私は余り経験がありませんが、そう聞きますね」 

 

白銀「昔なら俺も見過ごしたが、今は風紀委員の伊井野監査が生徒会にいるんだぞ。伊井野監査がいる生徒会が率先して学校のルールを破ってどうする」 

 

藤原「そ、そう言われると……」 

 

白銀「だからと言って、家に帰ってから出かけても四宮の家がうるさいだろう」 

 

白銀「そこでだ。今度の休みにしたらどうだ? それならルールは何も破っていないし、ゆっくりできる」 

 

かぐや(ま、まさか!) 

 

白銀(四宮は気づいたようだな。そう俺の作戦に!) 

 

 

☆作戦内容~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 

白銀「ラーメンは休日に行け」 

 

藤原「わかりました。では会長も一緒にどうですか?」 

 

白銀・かぐや「休日一緒に長い時間デートできるぞ! わーい♪」 

 

☆作戦終了~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 

 

かぐや(さすが会長ですね。ただラーメンに行くだけじゃなく、休日の長い時間をかけてゆっくりデートするなんて……) 

 

かぐや(……) 

 

かぐや(まったくもうっ。会長はどれだけ私とデートしたいんでしょうね。本当に仕方のない人) 

 

白銀(さらに追い打ちだ!) 

 

ドサッ 

 

白銀「おっと」 

 

藤原「あれ? 何を落としたんですか?」 

 

白銀「ああ。この周辺のラーメン屋の情報誌だ。いやなに、最近ラーメンにハマっていてな。俺は詳しいぞ。ラーメンには詳しいぞ」 

 

藤原「そうなんですね」 

 

白銀(さあ、誘え! 藤原! 俺を誘え! 『会長ってラーメン好きだったんですね。じゃあ一緒にどうですか?』と誘え) 

 

かぐや(会長必死すぎですよ。ラーメンの情報誌なんてどれだけ準備がいいんですか!) 

 

かぐや(でも、ふふっ、必死な会長も可愛いですね。まさか私との初デートでそんなに必死になるなんて) 

 

藤原「じゃあ、かぐやさん、今度の土曜日のお昼にどうですか?」 

 

かぐや「え? だ、大丈夫だと思いますが」 

 

藤原「あっ、別の人を誘ってもいいですか?」 

 

かぐや「構いませんが」 

 

白銀・かぐや(き、きた!!) 

 

藤原「わーい。ミコちゃんも誘いますねー」 

 

白銀(俺を誘えよおおおおおおおおおお!!!!!!) 

 

かぐや「い、伊井野さんですか?」 

 

藤原「楽しみですねー♪」 

 

かぐや「え、えーと」チラチラ 

 

白銀「……」ギリギリ 

 

かぐや(会長がゾンビみたいに真っ青になって歯ぎしりしてます……) 

 

 

 

白銀(い、一体俺はどこで間違ったんだ?) 

 

藤原「ふふーん♪」 

 

 

にんにく! 

古来より一流のラーメンににんにくは付き物! 

そうこの女、ラーメンににんにくをたっぷり投入するつもりなのである! 

 

そして、その味をかぐやや伊井野に知って欲しい! 

だから、男共を排除(誘わない事に)した。 

 

前回の夏休み、男共ににんにくの臭さを指摘されて学習したのである。 

男共がいると、かぐやと伊井野はにんにくを投入したがらない。 

だったら男共を連れていかなければ思う存分『喰う側』の人間になれる! 

 

それが藤原千花という『喰う側』の人間! 

 

白銀(や、やばい……こ、このままでは) 

 

かぐや(な、何か方法はないの? このままじゃ……。会長とデートに行ける機会なんてそうそうにないというのに……) 

 

白銀(くっ、俺はどうすれば……) 

 

かぐや(まさか、このまま卒業までデートできなくて……。このまま、さようなら……) 

 

かぐや「……」チラッ 

 

白銀「ぐっ……」 

 

かぐや(このまま、さようならなんて私嫌ですよ……会長……) 

 

かぐや「……」グスグス 

 

藤原「かぐやさん?」 

 

かぐや「会長……」 

 

白銀(な、泣いてるだと!?) 

 

藤原「か、かぐやさんどうしたんですか!?」 

 

かぐや「会長が……会長……。会長なら私が言いたい事わかりますよね?」グスグス 

 

白銀「ぐっ!」 

 

藤原「え? どういう事ですか!?」 

 

かぐや(奥の手です! 本当はこういう事を何度もしたくありませんが、会長が悪いんですよ!) 

 

奥の手! 

四宮家に代々伝わる一子相伝の交渉術奥義! 

そう! 乙女の涙である! 

 

四宮家の人間は目に入れる事ができる薬さえあれば、いつでもこの奥義を繰り出す事ができる、恐ろしい一族である。 

 

白銀(お、俺は何という事を!) 

 

乙女の涙の効果は絶大! 

少しでも後ろめたいところがあれば、男に全部自分が悪いと思わせる事ができる! 

 

白銀(そうだ、俺は何を考えていたんだ……。ずっと四宮は待ってくれたというのに……。デート一つ誘えなくて何が男だ!) 

 

白銀「しのみ」 

 

藤原「ま、まさか、先程使っていた目薬があわなかったんですか!?」 

 

白銀「や…………え?」 

 

かぐや(いやーーーーーーーー!!! 見られてたーーーーーー!!!?) 

 

白銀「……」 

 

かぐや(あと一歩だったのに! どうしていつもこの子は!) 

 

かぐや「そ、そうみたいですね。ちょっと目が……」 

 

藤原「大丈夫ですか? 一度洗った方が……」 

 

かぐや「いえ、大丈夫そうです。一瞬涙が出ただけで」 

 

白銀「四宮」 

 

かぐや「え?」 

 

白銀(覚悟だ) 

 

白銀(そう、俺には四宮かぐやという人間と恋人になる覚悟が足りなかったのだろう) 

 

白銀(恥ずべき人間だ。四宮がこれだけチャンスをくれたというのに) 

 

白銀(デート一つ誘う事ができなくて何が男だ!) 

 

かぐや「か、会長?」 

 

白銀「……」ジー 

 

かぐや(会長が真剣な顔を……。そんな真剣な顔で……一体何を……言うおつもりなんですか?) 

 

白銀「安静にした方がいい。目は大切だからな」 

 

かぐや「は、はぁ」 

 

白銀(いや、無理無理無理無理) 

 

白銀(いきなり覚悟なんかできるか! 明日まで時間が必要だ。覚悟する時間が) 

 

白銀(というか、そっちから誘ってくれれば全部上手くいくだろうが! いい加減にしてくれ!) 

 

藤原「では、今日は帰りますか? あっ、ラーメンは予定通り週末で。ミコちゃんは私が誘っておきますねー」 

 

かぐや「会長と行きたかったのに……」ボソッ 

 

藤原「え?」 

 

かぐや「あっ、いや、その、今のはちょっと本音が……。あっ、いえ違うんです」 

 

白銀「あっ……」 

 

かぐや「え? あれ? なんで涙が……これは違うんです。その……聞かなかったことにしてください」 

 

藤原「もうっ。何してるんですか!」 

 

白銀「え?」 

 

藤原「可愛い彼女さんが会長と行きたいと言ってるんですよ。ほら、さっさと連れて行ってください」 

 

白銀「そ、そうだな」 

 

かぐや(え? か、会長とラーメン屋に!? ついに) 

 

白銀「じゃあ、その……なんだ……一緒に行くか?」 

 

かぐや「はい。喜んで」 

 

 

今までで一番の---- 

四宮の一番かわいい笑顔を見た気がした---- 

 

*  *  * 

 

■保健室 

 

早坂「なるほど」 

 

かぐや「……」 

 

早坂「最後に本当の涙を流したせいで、目の病気かも? と勘違いされて保健室に連れてこられたと……」 

 

かぐや「……」 

 

早坂「良かったですね。初デートが保健室で。これでこれから誘い放題ですよ」グッ 

 

かぐや「うるさいわよ!」 

 

早坂「枕を投げないでください」 

 

かぐや「あーーーー! もうっ! どうしてこうなったのーーーーーー!!!!」 

 

 

本日の勝敗 

四宮の敗北 

敗因・奥義を失敗した為 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

かぐや様は告らせたい】早坂「かぐや様はデートに誘わせたい」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528625544/