アニメssリーディングパーク

おすすめSSを当ブログで再編集して読みやすく紹介! 引用・リンクフリーです

かぐや「で、でも、それだと私が会長の事、好きみたいじゃない!」【かぐや様は告らせたいss/アニメss】

 

■夜 

 

早坂「え?」 

 

かぐや「先程も言いましたが、明日料理人にお弁当を用意させるから、そのお弁当と会長のお弁当を交換して欲しいの」 

 

早坂「会長さんの1限目が体育だから……その時にですか?」 

 

かぐや「そうです」 

 

早坂「疑問点が山のようにあるのですが、とりあえず置いておいて。かぐや様はそこまでして会長さんの手作り料理が食べたいのですか?」 

 

かぐや「何を言っているの! これも激務で苦労している会長の為よ!」 

 

早坂「はぁ……」 

 

かぐや「会長のお弁当は栄養のバランスがかなり偏っているわ。このままでは、いつ倒れてもおかしくないの!」 

 

早坂「なるほど」 

 

かぐや「そこで会長のお弁当のコピーを四宮家の料理人に作らせます。からあげの油もコレステロールが少ないもの。ハンバーグは豆腐ハンバーグに! そして良い素材! 会長には少しでも良いものを食べて貰います!」 

 

早坂「……質問してもいいですか?」 

 

かぐや「どうぞ」 

 

早坂「えーと、かぐや様が用意したお弁当を……知らないお弁当を会長さんが食べてくれるでしょうか?」

 

かぐや「はぁ……。だから言ったでしょう? 会長のお弁当のコピーを作ると。見た目は完全に同じようにさせます。味付けもできる限り近い形で。もちろん、お弁当箱も同じものを用意しました」 

 

早坂「コピーとは言いますが、どういうお弁当を作らせるおつもりで? 毎日変わるお弁当の内容を把握するなど不可能だと思いますが」 

 

かぐや「そこに関しては問題ありません」 

 

早坂「?」 

 

かぐや「これを見てください」 

 

ゴゴゴゴゴ 

 

早坂(スクリーンが下りてきて……映画館みたいに映像が……) 

 

早坂「!!!?」 

 

かぐや「ふふふふふ」 

 

白銀『ふぃー。今日も疲れたー。さて勉強でもするか』 

 

かぐや「そう! 白銀家は四宮家の監視下にあります! このリモコン一つで会長の家のどの部屋だろうが見る事ができるんです!」 

 

早坂「」 

 

かぐや「これで会長が作るお弁当の内容など丸見え! この映像を当家の料理人に渡せば! コピーなんて簡単に作れます!」 

 

早坂「」 

 

かぐや「どうかしたの?」 

 

早坂「いえ……。私がバカでした」 

 

かぐや「へ?」 

 

早坂「裏でこそこそ何かをしているのは知っていたのですが。ええ、これは私のミスです」 

 

かぐや「えーと、話が見えないんだけど?」 

 

早坂「母さんごめんなさい。私のせいで天才と言われたかぐや様が四宮家歴代最大のおばかに……」 

 

かぐや「早坂!!?」

 

  *  *  * 

 

かぐや「ま、まさか……この私が犯罪なんて……」 

 

早坂「わかってもらえましたか」 

 

かぐや「うぅ……。最終的には私の手作りお弁当を会長に食べて貰おうと思っていたのに……」 

 

早坂「そんな事まで考えていたのですか……」 

 

かぐや「ね? 一週間だけ、一週間したら監視カメラを外すから、それなら大丈夫よね」 

 

早坂「ダメです! 明日、会長さんの家が留守の時にカメラは撤収です。あと監視カメラではありません。ただの盗撮です」 

 

かぐや「違うわ! これは盗撮じゃありません! 会長の事を想った行動で!!」 

 

早坂「……ん?」 

 

かぐや「どうかしたの?」 

 

早坂「いえ、この映像の横にマップが表示されているのですが?」 

 

かぐや「ふふっ。私は前回の夏休みの件で反省しました」 

 

早坂「ま、まさか……」 

 

かぐや「そうです! 会長の服や持ち物。さらには自転車にまでGPSを仕込みました! これで長い休みでも『たまたまバッタリ会う』事ができる!」 

 

早坂「……」 

 

かぐや「は、早坂!? なんで泣いているの!?」 

 

早坂「うぅ……。あのかぐや様が四宮家歴代最低のストーカーに……」 

 

かぐや「ストーカー!!?」

 

  *  *  * 

 

かぐや「わ、私はなんて事を……」 

 

早坂「冷静になって頂けましたか?」 

 

かぐや「という事はこのパンツも……」 

 

早坂「え?」 

 

かぐや「あっ、いえ、なんでもないの!」 

 

早坂「ま、まさか!!!」 

 

かぐや「ち、違うの! 勘違いしないで! ただ会長の脱ぎたてほやほやの中古パンツを、こっそり新品に交換してあげただけで!!! そう、これは善意で!」 

 

早坂「きもっ」 

 

かぐや「……ぇ」 

 

早坂「あっ、いえ、すみません。つい本音が」 

 

かぐや「いや、いいの……。実は私もちょっぴり……ほんのちょっとだけ気持ち悪いかなーって…………思ってたから……」グスグス 

 

早坂「泣かないでください。まだ大丈夫です。今から真人間に戻りましょう!」

 

かぐや「うん……。もう会長が使ったお箸とかストローとか空き缶とかのコレクションもやめる……私、がんばる……」グスグス 

 

早坂「そ、その通りです。もうカミングアウトはお腹いっぱいなので、そろそろ本題に入りましょう」 

 

かぐや「本題? 会長のお弁当交換の事?」 

 

早坂「それは中止です。本題はそこではありません」 

 

かぐや「なっ! お、お弁当だけはいいでしょう! これは会長の栄養管理の為で!」 

 

早坂「だったら、かぐや様がお弁当を直接渡せばいいでしょう?」 

 

かぐや「そ、そんな事できるわけないでしょう!」 

 

早坂「かぐや様の手作りお弁当なら会長さんも喜ぶと思いますよ?」 

 

かぐや「え?」 

 

早坂「先ほどから、この盗撮……いえ、監視カメラを見ているのですが」 

 

かぐや「?」

 

白銀『……』 

 

早坂「会長さん、たまに上の空になっていますね。これはきっとかぐや様の事を考えているに違いありません」 

 

かぐや「なっ~~~~~~//」カァー 

 

早坂「想い人のかぐや様がお弁当を作ってきてくれたら、きっと犬のように喜び周るでしょうね」 

 

かぐや「か、会長が犬のように!!!?」 

 

早坂「だからカグヤ様が作ってあげましょう」 

 

かぐや「で、でも、それだと私が会長の事、好きみたいじゃない!」 

 

早坂「会長さんが喜んでいる姿を見たくないのですか?」 

 

かぐや「そんな物、見てもどうしようもないでしょう!」 

 

かぐや(会長の喜ぶ顔、すっごく見たい!!!) 

 

実はかぐやは今の状況にマンネリを感じていた! 

モニタ越しの白銀はずっと真面目な顔をしているだけ。 

そこで白銀のジャージを手に入れ自分で着たりして会長を感じていたのだが、最後はやはりマンネリ化! 

 

 

そんなかぐやは一つ想うようになっていた。 

それは会長の一喜一憂する姿!が見たい! 

しかし、そんな会長の姿は盗撮や盗聴をどれだけしても見れない。 

 

かぐや(やはり私が……自分自身で動くしかないようですね)

 

早坂「あっ、会長さんが何か喋ってますよ」 

 

白銀『はぁ……腹減ったなぁ』 

 

かぐや「……仕方のない人。仕方ないから私がお弁当を作ってあげましょう」 

 

早坂「理由ができたからって、にやにやしすぎですよ。渡した時の妄想は一人の時にしてください」 

 

かぐや「にやにやなんかしてない!!! あと妄想もしない!」 

 

かぐや「で、でも、お弁当をどうやって渡そうかしら……」 

 

早坂「……」 

 

本来なら「素直に渡せ」としか言わない早坂だが、今回のストーカーの責任を感じていた。 

自分がもっとアドバイスして相手をしていたら、かぐやは犯罪者にはなっていなかったと。 

 

早坂「そうですね……」

 

  *  *  * 

 

白銀「んっ。うまい! さすが四宮家の弁当だ」 

 

藤原「おいしーです」 

 

早坂の案! それは料理人のミスという設定! 

発注ミスをしてしまい、多くの材料が余ってしまった。 

仕方がないので生徒会メンバーのお弁当も作ってくれたという大ウソ。 

 

生徒会メンバーには早朝にかぐやからメールをしたので、みんな弁当は持参しない。 

『もう作った』と言えば、普段は遠慮する白銀も受け取るしかない。 

これが早坂の案。 

 

かぐや「……」 

 

かぐや(会長があんなに幸せそうに私が作ったお弁当を……。朝早く起きて、頑張って作ってよかった)

 

ちなみに白銀に渡した弁当だけかぐやの手作り。 

とても美味しそうに食べる白銀を見てかぐやは満足したが、やはり人間。 

 

かぐや(……今度こそ会長の手作りお弁当が食べたい……) 

 

人間とは悲しくも強欲な生き物。 

一つの事に満足したら、すぐに次が欲しくなる。 

 

かぐや(今度は真っ当に会長のお弁当が食べられる手段を考えなきゃ) 

 

しかし、早坂はこのかぐやの考えも読んでいた。

 

白銀「よし、今度は俺がご馳走しよう」 

 

かぐや「え?」 

 

白銀「今日の弁当のお返しにもならんが、明日俺がみんなの弁当も作ってきてやろう」 

 

藤原「わーい。やったー♪」 

 

かぐや「……」 

 

白銀「ん? どうした四宮…………そうか。悪かった。四宮は俺の惨めな食材で作った弁当などいらないよな……」 

 

かぐや「いえ、お礼を受け取らないとあれば四宮家の恥です。ここは喜んで受け取りたいと思います」 

 

白銀「そうか。ふっ」 

 

かぐや「ふふっ」 

 

かぐや(やったわ!!!! 早坂、私やったわよ!!!! 帰ったら早坂に教えてあげましょう! きっと喜んでくれるわ!) 

 

白銀(しゃああああああ!覚悟しろよ四宮!俺の料理がただの男料理じゃない所を見せてやるからな!!!) 

 

白銀「ふふふふ」 

 

かぐや「ふふふふ」 

 

藤原「おいしー」 

 

 

本日の勝敗 

かぐやと白銀の勝利 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

かぐや様は告らせたい】かぐや「会長の手作りお弁当GET計画」https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1518446623