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雪乃「にゃ、にゃっはろー!ゆっきーだよ……」【俺ガイルss/アニメss】

 

八幡「由比ヶ浜と雪ノ下が生主してる?」

 

八幡「由比ヶ浜と雪ノ下がか?なんの冗談だよ」

 

材木座「いやいや冗談ではないぞ八幡!ちゃんとこの通り証拠画像もある!」

 

八幡「あぁ?なんだこれ?」

 

材木座「放送画面の顔キャプ画像だ!よく見てみろ!どう見てもあの二人だぞ八幡!」

 

指紋がべったりと付いたスマホの画面。

 

写っている画像を見ると二人の女性が満面の笑みで写っている。

 

ただし画質も悪い上に両者共マスクを被っており、目元だけが笑っているせいか正直不気味だ。

 

言われれば確かに二人の顔に見えなくもないがこれだけではわからん。

 

そんなやり取りをしていると横から愛しの天使が舞い降りてきた。

 

戸塚「おはよう八幡♪材木座君も!」

 

材木座「おおお! 戸塚氏!今日もご機嫌麗しゅう!」

 

八幡「おう、おはよう戸塚」

 

考えたら戸塚とか写真写り良いしこういうのは見栄えするだろうな。

 

見た目は勿論声のトーンや仕草なんて知らない人間からすれば女性にしか見えないしな。

 

戸塚の可愛さがネット上を駆け巡るとかすげぇな……いややっぱだめだ。戸塚には一生俺の天使でいて欲しい。

 

…ってこれは自分でも気持ち悪ぃ……生きててすみません。あれ?雪ノ下のせいで自虐スキルが跳ね上がったんじゃないか俺?

 

戸塚「なんの話してるのー?」

 

材木座「よくぞ聞いて下さった!戸塚氏はネットで流行りの『ぬこぬこ動画』なるものを知っておりますかな?」

 

戸塚「うーん僕ってインターネットとか疎くて……名前くらいなら聞いたことあるんだけど」

 

知らなくてごめん、と言って首をかしげる戸塚に材木座は得意げに説明をする。なんか戸塚との癒しの一時を材木座に盗られたような気がする。このデブには後で呪いでもかけておこう

 

 

材木座の話をまとめるとこうだ。

 

ぬこぬこ動画というのは俺が例の事故、つまり俺達が高校一年の時に出来た所謂動画共有サイトだ。

主に一般人の飼っているペットの動画が扱われており、中でも人気は動画数、閲覧数ともにトップジャンルの猫である。

 

単に娯楽としてだけではなく、飼い主のいないペットの里親を探すためのコミュニティ機能、

 

月額500円払うプレミアム会員になれば大手通販のペット商品を割引してもらえたり、全国の動物病院の情報を詳しく教えてくれるサービスを受けることが出来るなど

 

今では全国500万人が会員となっており、ネットにとどまらず社会的ブーム真っ最中なコンテンツなのだ。

 

そして今年の4月になって『ぬこぬこ動画』が新しく解放したサービスが『ぬこぬこ生放送』である。

 

パソコンのカメラやマイクを使ってそれぞれの自慢のペットと飼い主の様子を生中継で発信するというもので、別にペットを飼っていなくとも会員にさえ入っていれば自由に放送は出来るらしい。俺からすれば自分の生活環境を全国に知らしめるなんて正気とは思えないが。

 

そしてサービス開始早々今話題になっている生放送ユーザーというのが先程の画像の二人。

 

戸塚「『にゃんこスキスキクラブ』っていうんだねこの人たち。可愛いね♪」

なんだその池袋か秋葉原のイメクラ風俗にありそうな名前は。

 

いやまて……戸塚に風俗……アリじゃないか!?

 

材木座「うむ!まるで風俗みたいな名前だがな!」

 

……イヤ、戸塚が俺以外の男に抱かれてるなんて想像しただけで即人生やめる自信がある。俺と結ばれるまでは是非とも綺麗な体のままでいてもらおう。

 

戸塚「でもやっぱりあの二人かどうかはこの画像だけじゃわからないかなぁ。一緒にいる八幡もわからないんでしょ?」

 

八幡「普段そこまで顔を細かく見てるわけじゃないからな」

 

女子は少し化粧したりカメラの感度を変えるだけでも違って見えるらしいからな。10数年一緒にいる小町ならまだしも、少し目が合っただけで罵倒してくる氷の女王や必要以外は特に会話もしないビッチが相手では判別は難しい。

 

戸塚「でも八幡だったら僕すぐわかるよ!」

 

へ?なんで?

 

戸塚「八幡の目ってほら、特徴的だから」

 

八幡「おうふ……戸塚ぁお前まで俺のトラウマを…」ウルウル

 

戸塚「ご、ごめん!違うんだよ!?僕、八幡の目も髪も口も性格も全部好きだから!」

 

だから泣かないでと困り顔で心配してフォローする戸塚。

 

ああん戸塚ぁああああああん♪

 

材木座「オホンッ。そこでだ。今日我は改めてこの二人の正体を確認したいと思う!奉仕部とも交流のある二人の協力を願いたい!」

 

八幡「知らん。お前ひとりでやれ」

 

戸塚「うーん気にはなるけど、僕パソコン持ってないから……」

 

材木座「それなら心配ご無用!我の家でやる!PCに関しては万全よ」

 

八幡「なっ!? お前戸塚を家に連れ込む気か!?」

 

親の敵のように容赦なく材木座の眼鏡に指紋を張り付ける俺。

 

材木座「や、やめて、ペタペタはやめて! 違う! ついでに健全なお泊り回でもどうかと」

 

八幡「よりにもよって泊まり込みだと!?いい度胸だ。通報してやる」

 

ぎゃぁあっと叫ぶ材木座を前にスマホを耳に当てるポーズをとる。

 

戸塚「いいじゃん八幡!お泊り回ッ!僕また八幡とお泊りしたいなぁ♪」

 

なん……だと……。

 

戸塚「はちまん? ダメ?」

 

上目づかいに俺の目を見る戸塚。もうあれだ。戸塚とだったら毎日でも我が家にお泊りさせたい。

 

八幡「う……むむむ……」

 

正直あの画像の二人が雪ノ下や由比ヶ浜だったとしても心底どうでもいいのだが。

 

このチャンスを無にするほど俺の理性は化け物ではない。

 

結局天使の誘惑には勝てず、家で優雅にゴロゴロする筈だった休日は材木座の家でのお泊り回となった。

 

材木座め…本当はこっちの方が狙いだったんじゃないだろうな?

 

………

……

 

~奉仕部部室~

 

場所も時間も変わって放課後の部活動。

 

雪乃「……」ペラッ

 

八幡「……」ペラッ

 

結衣「……」ポチポチポチ

 

読書をしながら紅茶を飲む雪ノ下。

 

スマホを弄りながら一喜一憂している由比ヶ浜。なにやってんだ?ゲームか?

 

見たところいつも通りの奉仕部である。やっぱりアイツの勘違いじゃないか?

 

雪ノ下は確かに猫好きでパソコンにも強いが、自らネット配信して世間に晒すなんて柄じゃない。

 

由比ヶ浜はそういうのは好きそうだが、そもそも二人で活動していなければあの画像は成立しないわけで。

 

まぁ本命は戸塚とのお泊り回だから別にいいのだが。

 

雪乃「……」チラッ

 

結衣「……」コクリッ

 

雪乃「ふぅ……少し早いけど今日はこの辺にしましょ」

 

八幡「なんか用事でもあんのか?」

 

雪乃「あら?女子のプライベートを聞き出そうだなんて、まるで人間の雄のような事するのね両生ヶ谷君」

 

八幡「人間だよ……あと雄っていうな雄って!ちょっと気になって聞いただけじゃねぇか」

 

雪乃「少しその……家の用事があるのよ」

 

八幡「へぇー……」

 

雪乃「……なにかしら魚ヶ谷君?」

 

八幡「退化しちゃったじゃねぇか……。お前家とか忙しそうだけど休日何してんの?」

 

雪乃「特に変わったことはしてないわ。勉強して食事して少し由比ヶ浜さんとメールのやりとりして。それくらいよ」

 

八幡「随分仲良いんだな」

 

雪乃「あら?それは男の嫉妬かしら。見苦しいわよ?」

 

結衣「……」ボー

 

八幡「おい」

 

結衣「ふええええええ!? なに!? なに!?」

 

動揺しすぎだろこいつ。なんか妙に静かだし……もう少し食いついてみるか。

 

八幡「二人はあれか。休日とか一緒に遊んだりしてるのか?」

結衣「え……あぁ~……うーんっと」

 

雪乃「ショッピングしたりね」

 

八幡「え?」

 

雪乃「ショッピングよ」ジロッ

 

八幡「そ、そうか。お前無駄金使うの嫌いなイメージだったが」

 

雪乃「ショッピングを無駄金って……あなたの甲斐性の無さが伺える言い方ね」

 

結衣「そ、そうだよヒッキー!そんな事ばっか言ってるからモテないんだよ!」

 

八幡「馬鹿お前。俺が本気でモテちゃったら凄いからな?全盛期のタッキー並だから」

 

結衣「ビミョーに古いよヒッキー……」

 

雪乃「は、話はそれだけかしら?」

 

八幡「ん?ああ。ただの気紛れだから。じゃお先」

 

結衣「あ!今のヒッキーとタッキーをかけてたんだ!ヒッキーうまぁーい」

 

遅ぇよ!にしても由比ヶ浜の奴なんか隠してやがるな……。まぁいいか。どうせ分かるのは明日だしな。

 

それよりも戸塚と戸塚とお泊り回ぃ~♪

 

八幡「♪~」

 

結衣「な、なんかヒッキー機嫌よさそうだったね」

 

雪乃「そうね。あの男も何考えてるかわからないけど。それよりも……」

 

………

……

 

お泊り回当日

材木座

 

八幡「そういやなんで今日放送があるってわかるんだ?別に時間決まっているわけじゃないんだろ?」

 

材木座「彼女たちはもの瞬間リスナー数1000人を超えるすっごい人気者でな!放送をどの時間帯でも予約する事が出来るのだよ。そして今日まさにその放送日というわけだ!うむ」

 

戸塚「へぇ~そんなに凄いんだね~由比ヶ浜さん達!」

 

八幡「まだあいつらって決まったわけじゃないだろ。っていうか普通に人違いじゃね」

 

俺と戸塚は昼過ぎ頃に材木座の家に到着し、適当にゲームやら雑談をしながら過ごしている

 

ちなみに昼飯は戸塚とサイゼで済ませた。後でそこは自分も誘う流れだろうと材木座が泣きつかれた。うるせぇ……。

 

夕飯は適当に近くのラーメン屋にでも行こうという算段だったが、一日泊めて頂く訳なのだからと戸塚が手料理を振る舞ってくれた。

 

俺も専業主夫目指してる身ということもあって手伝った。

 

戸塚を横目で見てるとジャージエプロンというのもアリだなと割と本気で思う。俺の理性がなければ思わず後ろから抱きしめてたな。

 

メニューはハヤシライスだった。そして手伝うと息巻いてた材木座は邪魔にしかならなかった。まぁわかってたけど。

 

そして時刻は午後8時30分。例の放送は9時からスタートとの事なのでとりあえずトランプして暇をつぶしている俺達。

 

材木座「むむむ、我のレーダーによると今日はスペシャルゲストがいるそうだぞ!」

 

八幡「Twitterな。わざわざ報告するなんてまぁご苦労なこって」

 

戸塚「なんかちょっとドキドキしてきたかも」

 

八幡「っていうか、考えたら材木座。お前だってあいつらの顔は知ってるだろう?お前にその二人の正体が分からなくて俺に分かる根拠はなんだよ」

 

材木座「ふっふっふっふ……とうとう聞いてくれたかはちm……あ、ババが残っちゃった……。コホン。お主にはタイミングを見計らって雪ノ下雪乃由比ヶ浜結衣に携帯から電話をかけて欲しいのだ。それで向こうの反応をこちらから見るというわけだ」

 

戸塚「そっか……!もし反応があればそれは雪ノ下さんだということになるよね。材木座君頭いいね!」

 

材木座「ふはははははは!この剣豪将軍義輝の策略……思い知るがいい氷の女王ぉおおおおおお!!」

 

戸塚「わーい♪」パチパチパチ

 

八幡「そんな上手くいくかねぇ……」

 

っていうかあいつらに俺から連絡なんてしたことあったっけ……? かろうじて番号は以前登録したけどよ。

 

あ、着信拒否になってたらどうすっかな……まぁ戸塚に慰めてもらおう。材木座にはボディブロー食らわしてやろう。

 

ババ抜き終わった後は三人で皿洗いをした。慣れていないのか、おっかなびっくり皿を拭く剣豪将軍は中々にシュールなものであった。

 

………

……

 

材木座「さぁ諸君!! そろそろ始まるぞぉ!」

八幡「うるせぇぞ材木座。近所迷惑だろーが」

 

戸塚「なんか修学旅行の続きしてるみたいだねー」

 

異様にスペックの高そうなPCのデスクトップには例のぬこぬこ動画の生放送視聴画面が開かれており、そこには『放送準備中』という文字と左から右へとおびただしい量のコメントが流れている。

 

『キターーーーー』

 

『wktkwktk』

 

『わこー』

 

『ゆっきー!!!!』

 

放送開始1分前だというのに100を超えるコメントとネット特有のノリにビビる俺。ん?ゆっきー?

 

材木座「ゆっきーはこの画像の黒髪の方の子だな。んで左に映ってる方がゆいにゃん

 

八幡「……」

 

いやな予感がする……。

 

戸塚「あ、映ったよ!」

 

戸塚の声に反応して画面を除く。あまり見たくねぇ……俺の本能がそう告げている。

 

画面にはまだ人の姿は見えない。

 

大量の本が並んでいる書棚。部屋の隅には質素な一人用ベッドにだらしなく放置してある毛布。手前には恐らくマイクであろう装置と収録用のポップガード。映っているのはそれくらいだ。

 

戸塚「なんか……想像してたのと違うね」

 

材木座「むむむ~??いつもの部屋ではないではないか」

 

戸塚「模様替えした……とか?」

 

っていうかこの部屋って……

 

八幡「…俺の…部屋だ……」

 

二人「「ええええええ!?」」

 

???「「「にゃっはろぉおおおおおおお」」」

そこへ突然画面の中に3人の女性が出てくる。ついでに画面も「にゃっはろー」とのコメントで埋め尽くされる

 

???「にゃっはろー!みーんなのアイドルぅ~ゆいにゃんだよ~♪」

 

思わず解体してしまいそうな挨拶をしたのがゆいにゃんという子らしい……。

 

???「にゃ、にゃっはろー!ゆっきーだよ……おかえりお兄ちゃん」

 

なんか凄いおどおどした感じで登場したのがゆっきーという子か。いやこれはもう……。いやまだ二人ともマスクをしている……。俺の想像していることは杞憂に違いない。そうに違いない。

 

そう思ってた所。

 

???「にゃっはろー!小町でぇ~~~~~す」

 

小町ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?!?!?!?

 

八幡「え?なんで小町映ってるの?じゃあここ俺の部屋だよね?ってことはこの二人も雪ノ下と由比ヶ浜だよね?あいつら3人で何してくれちゃってんの!?っていうか小町お前なにスッピンで出てきてんだよマスクか何かして名前も隠せよ!!あとここ俺の部屋だよね何してくれちゃってんのぉおおお!?」

 

八幡「こうしちゃおれん。今すぐあいつらを止めに行く!」

 

戸塚「は、八幡落ち着いて。今言っても八幡が映っちゃうかもしれないよ!?」

 

戸塚も戸塚で動揺を隠せていない。材木座はふむふむと興味深そうに視聴している。おい!呑気に見てる場合かこの野郎ッ

 

結衣「今日は皆さんに言っちゃいますのは~~~♪」

 

雪乃「えと……この部屋は」

 

小町「私達3人の好きな人の部屋なんでーーーす!」

 

結衣「今日は彼に内緒でここから配信してまーーす!」

 

コメントの勢いは止まる様子もなくつらつらと流れていく。

 

『それってヒッキーさんの事ですか!』

 

『ここあのヒッキーの部屋ぁああああああ!?』

 

『うおおおおおおおおヒッキーでてこーーーい!』

 

『3人は恋のライバルって事ですか!?』

 

『ゆっきー引くわー』

 

『ヒッキーさんの顔超見てぇww』

 

『ヒッキー部屋暴露されて涙目www』

 

八幡「いやぁあああああああああああああああああ殺して!!誰か俺を殺してくれぇえええええ!!」

戸塚「落ち着いて八幡!死んじゃだめだってば!」

 

材木座「これは……流石の我も引く……電話はどうする八幡よ?」

 

八幡「もう確認する必要すらねぇよ!もうモロばれだよ!小町なんか隠す気ゼロじゃねぇか!材木座てめぇ!わざわざ俺にこんなものを見せたかったのかぁああ!?」

 

材木座「ち、違う!我もまさかこんな暴挙に出るとは思わなんだッ」

 

八幡「じゃあこいつら普段何やってるんだよ!」

 

材木座「えと……主に恋愛相談を受けているらしいが」

 

八幡「恋愛相談だぁ…?」

 

結衣「そんなわけでぇ~この部屋にあるものを……」

 

八幡「おい何する気だ……」

 

小町「匂いを嗅いじゃいましょう!!!」

 

八幡「おいバカやめろぉお!!」

 

雪乃「じゃ、じゃあ私はこれで」

 

小町「あー!!ゆっきーズルいです!それヒッキーの枕じゃないですかぁ!」

 

結衣「じゃ、じゃあ私はこの毛布で」

 

小町「あ~結衣さんまでぇ。もぅいいですよー小町はとっておきのありますから」

 

雪乃・結衣「「ガタッ」」

 

小町「小町は~このパーカーを嗅いじゃいまーす!うふふふふやっぱ落ち着くなぁお兄ちゃんの匂い」

 

材木座「……」

 

八幡「てめぇこれのどこが恋愛相談なんだ!?ああ!?」

 

材木座「わ、我に言われても……く、苦しい」

 

戸塚「はちまん……パーカー……///」

 

材木座「で、でもよいではないか。皆お主の事羨ましがっておるぞ」

 

『やべぇへんたい過ぎるwww』

 

『いつにも増してあらぶってるw』

 

『誰か通報はよ』

 

『ダメだこいつら早く何とかしないと』

 

八幡「どこがだ!羨ましがるどころかむしろ憐れみすら感じるぞ!完全に俺の私物がさらし者じゃねぇか!」

結衣「二人とも、この毛布もいいよぉ。こうやって被るとね……ヒッキーに包まれてる感じが」ハァハァ

 

雪乃「ゆいにゃん知らないのね。枕には魂が宿ると言われているのよ。つまりこうして抱いているって事は私はヒッキーを……うぅ///」

 

『ヒッキーが帰ってくるかもしれませんよー?』

 

結衣「フフフフッ 今日ヒッキーはお泊り回だから大丈夫ッ! そしてこの日のためにパジャマまで買っちゃいましたー!」

 

小町「可愛いの選ぶのに苦労しましたもんね~♪」

 

八幡「……」カチャカチャグルグル

 

戸塚「八幡?」

 

八幡「止めるな戸塚。もうこうするしか俺が救われる道はない。今まで楽しかったぞ……愛してる。クッ」

 

戸塚「だ、ダメだよ!電気コードを輪っかにして何しようとしてるの!!材木座君も止めてってば!」

 

材木座「朗報……おにゃんこスキスキクラブは匂いフェチ……っと」

 

八幡「んなスレ立ててる場合かこの豚ぁ!!!」ドガァ

 

材木座「ほげぇ」

 

八幡「はぁはぁ……そうだよな戸塚。心配かけてすまん……死んでる場合じゃねぇ」

 

戸塚「どうするの?」

 

八幡「材木座。恋愛相談っていうのはどういう流れで受けているんだこいつらは」

 

材木座スカイプを使って通話をしながらリスナーの相談を受けているようだが……」

 

八幡「よし、それでいこう」

 

生憎マイクはないが、ちょうど材木座スマホにはスカイプがインストールされている。

現場に行けば俺が晒される危険がある。かといって電話したところでごまかされる可能性もある。

 

ならリスナーを装って直接コンタクトとるのが一番だ確実だ。とにかく一秒でも早く辞めさせたい。

 

結衣「それじゃぁいつもの恋愛相談いってみよー!IDは詳細説明で検索してね!」

 

二人「「おー!」」

 

IDは・・・・・・ここか。

 

よしッ コンタクト承認完了っと。

 

戸塚「だ、大丈夫かな?」

 

材木座「な、なぁ本当に止めるのか八幡よ?仮にこれで荒れでもしたら我のIDが晒されたりして特定されて恐ろしいことに……」

 

八幡「心配するな。戸塚の事なら全力で守る」

 

材木座「我の心配は!!??」

 

ポンポンポン ツーッ ツーッ(スカイプ発信音)

 

八幡「・・・・・・もしもし」

 

三人「「「はーい!」」」

 

八幡「いいかお前ら」

 

八幡「今から10分以内に今まで触れたもの全部元に戻して家から出ていけ」

 

八幡「あと俺は当分家に帰らねぇから」

 

八幡「以上」ピッ

 

3人「「「……え?」」」

 

………

……

 

小町「おにいちゃぁああん許してってばぁああああ」

八幡「うるさいぞ変態」

 

小町「もうあんな事しないから」

 

八幡「当たり前だ馬鹿たれ!」

 

小町「な、なんでもするから!お兄ちゃんの言う事なんでも聞くからぁ!あ、今のお兄ちゃん的には」

 

八幡「落第点だな」

 

雪乃「ひ、比企谷君!あなたは少し誤解しているわ!」

 

結衣「ダメだよゆきのん……ちゃんと謝ろうよ……」

 

雪乃「由比ヶ浜さん……ここは引いちゃ負けよ……。そ、そもそも貴方が悪いのよ。私たちの好意を見て見ぬフリして……これは普段の貴方の態度が原因であってその」

 

八幡「雪ノ下」

 

雪乃「な、なに?」

 

八幡「反省」

 

雪乃「はい……」

 

結衣「ヒッキー、本当にごめんなさい…許してくれる?」

 

戸塚「ねぇ八幡。そろそろ許してあげようよ……かわいそうだよ」

 

材木座「我の家の前で騒がれても困るのだが……あとお主ずっと泊まるつもりか?」

 

八幡「さーてね。あと戸塚、俺と一緒に新しく奉仕部を作ろうと思うんだがどうだ?」

 

戸塚「え、あ、うーんぼく一応テニス部の部長だし……」

 

八幡「なに。どうせ大体は俺がやるし、たまに手伝ってくれれば問題ない」

 

戸塚「あはは、じゃ、じゃあ入っちゃおうかな。今まで八幡と居れる時間少なかったし」

 

八幡「部室はここな」

 

材木座「いやだからここは我の家!!」

 

八幡「部室提供してくれたらお前も入れてやる」

 

材木座「なんと!?ううむ……それならば」

 

結衣「ちょちょちょ!?新しい奉仕部って何!?待ってよ!あたしたち捨てる気!?さいちゃんだけズルい!」

 

雪乃「ひ、比企谷君!!そんな事は許さないわよ!!」

 

小町「ヒック……おにいちゃーん顔を見せてよぉおお」

 

あぁまったく喧しいったら……。

 

やっぱりネット活動なんて碌なもんじゃねぇな。

 

小町はまぁ3日くらいで許すとして、後の二人はどうすっかな。

 

………

……

 

結局二人は俺からの許しを得る条件として、動画サイトのアカウント削除、及び俺の奉仕部退部の受理の二つを飲むことになった。事情を話した所平塚先生からも鉄拳が飛んでくることもなく、俺は悠々と奉仕部部室を去った。あんな変質者まがいの事をする連中とは付き合いきれん。

小町はしばらく元気がなかったというか、よそよそしい態度が続いてお互い気まずい期間があったが今ではすっかり以前の関係に戻りつつある。

 

新奉仕部設立は無論冗談で言ったことなのだが、どういうわけか雪ノ下雪乃を屈服させたという噂がヒレが多重連鎖して広まり、俺個人に依頼が来るようになってしまった。

 

そんな俺は戸塚と材木座で新奉仕部を設立。

 

材木座には新しくHPを作らせた上、普段客人のいなかった材木座の家に度々依頼人が相談に来るようになった。

 

考えたら元々部費も必要じゃなさそうな部活だしな。こうして身内間でも十分活動できるわけだ。

 

そして……。

 

戸塚「あ、八幡!また依頼のメール来てるよ!」

 

八幡「んー何々……あーまた恋愛相談かよ。材木座パス」

 

材木座「むぼおおん!? い、いや、八幡よ。確かに我は恋愛にかけては詩人バイロンにも劣らぬぐらいの腕前だがな、如何せんリアルだとその……だな」

 

八幡「メールだけで恋愛相談するような奴だ。本気ならここまで来るか、それとも自分で解決するさ。それよりもなんでこっちに生徒会の援軍要請が来るんだよ……これこそ旧奉仕部に頼めよ」

 

戸塚「今日葉山君から聞いたけど旧奉仕部なくなったらしいよ?」

 

八幡「へぇまじか」

 

もう知ったことではないが。

 

戸塚「あ、またメールだ」

 

八幡「ん~?」

 

件名:新奉仕部入部希望2名 由比ヶ浜結衣 雪ノ下雪乃

 

戸塚「あらら……」

 

八幡「受信メール消、去っと」

 

戸塚「いいのかな……」

 

八幡「いいさ。俺、案外この三人気に入ってんだわ」

 

ま、こんな青春も悪くねえよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

八幡「由比ヶ浜と雪ノ下が生主してる?」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430648349/