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美琴「当麻ぁぁ…あぁぁ……すっごい幸せ……」【とあるss/アニメss】

 

大学生当麻「美琴と付き合ってたらヒモみたいになってた」 

 

俺が高校を卒業すると同時に、一緒に住めと言ってきた美琴。 

 

家賃光熱費はあたし持ちで良いというので、そのまま甘えさせてもらうこと2年。 

 

甘えは甘えを呼んで、最近では食費から遊ぶ金まで全部用意してもらっている始末。 

 

そんな美琴と俺の愛の巣で、暖房をガンガン利かせて、ピコピコゲームをしながら、ふと思った。 

 

これってヒモじゃないの? 

 

ガチャ 

 

美琴「ただいまーー!」 

 

と、美琴が帰ってきたみたいです。

 

ダッダッダッ! 

 

美琴「当麻ぁーー!寒かったよぉーー!」 

 

リビングへのドアをほとんど蹴飛ばす勢いで入ってきた美琴が、胡坐を掻く俺の背中に貼りついてくる。 

 

当麻「おかえり。美琴」ピコピコ 

 

美琴「当麻ぁぁ……当麻ぁぁ……」グリグリ 

 

冬場は帰ってくるといつもこうです。 

 

というより、夏でもこうです。

 

美琴「うぅぅーーん・・・」スゥハァ 

 

両手、両足を俺に絡ませながら顔をこすりつけて言う。 

 

正直、暖房が利いているので少し暑苦しい。 

 

が、可愛らしいので画面から少し顔を離し、美琴の方を向いてみる。 

 

ん?と何かを期待したような顔を美琴がするので

 

当麻「……お疲れ様。美琴」サスサス 

 

右手で美琴の頭をやさしく撫でてみた。左手はコントローラーを操作。 

 

美琴「あぁぁ……すっごい幸せ……」 

 

ウットリ顔の美琴をみると、この世知辛い世の中でも生きている幸せってあるもんだなー 

 

と、考えちゃいます。 

 

いや、別に働いてるわけじゃないんですけど。

 

美琴「よし!エネルギー充填完了!」 

 

と、1時間ほどダラダラくっつかれて美琴がそう言った。 

 

正直ゲームしている最中は、あまりひっつかないでほしいけど、文句は言えません。 

 

美琴「当麻ぁ、何食べたい?」 

 

当麻「うーん、なんでもいいよー」ピコピコ 

 

美琴「そのオーダーが一番困るのよね……いつものことだけど……」

 

当麻「美琴の作るものだったら何でも良いって意味だよ。すっげぇおいしいし」ピコピコ 

 

美琴「しょ、しょうがないなー!すぐ作るから待っててね!」 

 

と、冷蔵庫からウキウキ顔で食材を取り出す、みこっちゃん。 

 

正直、このセリフ使うのもう何度目かわからないです。 

 

使うとなんでも許してくれるし。 

 

汎用性が高いです。この言葉。

 

1時間後 

 

当麻「……モグモグ……モグモグ……」 

 

美琴「おいしい?」ニマニマ 

 

当麻「うん。おいしいよ」 

 

美琴「おかわりいっぱいあるからね!」 

 

と、満面の笑みを浮かべてみこっちゃんが言ってくれます。 

 

ちなみに今日のレシピは、 

 

デミグラスハンバーグに、シーザーサラダ、大根とジャガイモの味噌汁に、漬物です。

 

美琴と住むようになって数年。 

 

何が一番変わったかというと、やはり食生活なのだと思う。 

 

みこっちゃんは、俺の食生活を完全に把握しています。 

 

朝昼夜のすべての食事をノートに取ってくれていて、 

 

総カロリー数やコレステロール、野菜類の摂取などそのほとんどを栄養医学的な見地からメニューを作っているみたいです。 

 

なら人に何が食べたいかとか聞くなよ。

 

そんな突っ込みはしません。 

 

かわいいみこっちゃんのおかげで 

 

ここ2年、肥満はおろか便秘にもなっていないのですから。 

 

 

言い忘れていましたが、現在俺は大学生です。 

 

1年です。 

 

留年しました。

 

美琴は、高校3年です。 

 

最も、高校一年の時からすでに研究所で働きだしていて、 

 

学校に行くのは週に1,2度程度らしいです。 

 

なんでも電気機械の分野で、みこっちゃんはすごく優秀らしいので、稼いでいる金額も 

 

そこらの研究員の何十倍にもなるらしいです。

 

だからこんなダダっぴろい家に住めているんです。 

 

4LDKですよ。ここ。 

 

四つも部屋があるんです。凄すぎます。 

 

多すぎて使ってないのが三つあるぐらい。 

 

当麻「ごちそうさまでした」 

 

美琴「はい。お粗末さまでした」 

 

と、空いた食器をみこっちゃんが片付けようとしてくれます。

 

みこっちゃんのお皿を見ると、まだ残っているようでした。 

 

当麻「いいよ。たまには俺が洗い物するよ」 

 

美琴「え?い、いいよ!当麻は横になってて!」 

 

当麻「いいっていいって、みこっちゃん仕事で疲れてるだろ?たまにはゆっくりしてくれよ」 

 

と、座っている美琴の肩を揉んであげる。 

 

当麻「いつも感謝してるよ。美琴」ボソボソ 

 

耳元で囁いてあげた。

 

美琴「……と、当麻ぁ…………あ、あたし……幸せだよぉ……」グスッ…グスッ…… 

 

泣き出してしまいました。 

 

こ、こんなはずでは。 

 

と、オロオロしたりしません。 

 

慣れてます。 

 

たまにやさしくすると、いつもこれです。

 

1時間後 

 

美琴「ふぅー……良いお湯だったぁ……冬場にお風呂って最高ね……」 

 

と、パジャマ姿のみこっちゃんがリビングに着ました。 

 

とっくにゲームに飽きていた俺は、ソファに横になりながら漫画を読んでました。 

 

美琴「コーヒー牛乳って、何でこんなにお風呂と相性がいいのかしら……」 

 

髪にバスタオルを巻いたみこっちゃんが、腰に手を当てゴクゴク飲んでいます。 

 

なんとなく暇だったんで 

 

当麻「みこっちゃん。ちょっとおいで」

 

美琴「んん?なーに?」スタスタ 

 

当麻「ここ座って」 

 

と、自分の膝もとを指差します。 

 

美琴「え?ど、どうしたの?いきなり。・・・するの?」 

 

当麻「髪。」 

 

美琴「……え?」 

 

当麻「髪かわかしてあげるよ」

 

5分後 

 

ブロロー 

 

美琴「あぁぁ…………あったかーい」 

 

当麻「かゆいところはない?」 

 

美琴「かゆくないでーす。でももっと撫でてー」 

 

当麻「はいはい。」サスサス

 

ここ数年で美琴さんの髪の毛はすごく伸びました。 

 

美鈴さんぐらいあります。 

 

最近は親子なんだなぁ、と思うことも多いです。面影的な意味で。 

 

当麻「はい。終わり」 

 

美琴「えぇーもっとー」 

 

当麻「でも乾いてるのにブローし続けると髪痛むぜ?」

 

美琴「じゃあ……髪……撫でるだけで良いから……」 

 

当麻「はいはい。」サスサス 

 

美琴「………あぁぁきもちぃぃ……」 

 

ふと、みこっちゃんのうなじが見えたので 

 

当麻「…………」ペロ 

 

美琴「……ひゃぅっ!」 

 

舐めてみました。

 

美琴「…………と、とうまぁ……」 

 

当麻「…………」ペロペロサスサス 

 

右手で頭を撫でつつ、左手でお腹を抱きしめ、首元にキス。 

 

美琴「……んっ…………ぁっ……」 

 

そのまま3分ほど続けました。

 

当麻「あ、そうだ。みこっちゃん」 

 

美琴「…………な、なに……?」ハァハァ 

 

当麻「明日遊びに行くから、お金ちょうだい」 

 

美琴「いいよぉ……いくら……?」 

 

当麻「5万ほど」 

 

美琴「……んっ……わかった……だから……もっと……」 

 

当麻「ん。ありがと。みこっちゃん」チュッチュッ 

 

美琴「……あっ……とうまぁ…………」 

 

明日はどこに行きましょうか。

 

 

翌日 

 

もらった5万円をあっという間に、残り2万まで散財してしまいました。 

 

自分で苦労して得たお金でないと、失うのも早いと言う言葉の意味をよく学べます。 

 

ここ1ヶ月で7回は学びました。 

 

さて、残った二万円をどうしましょうか。もうパチンコは飽きたし。 

 

と、街を歩いていた俺の前に、美琴が好きそうな人形屋がありました。

 

いかにもファンシーって感じですけど、みこっちゃんは本当に目がないんだよなぁ。 

 

あ、そうだ。 

 

みこっちゃんにプレゼントを買っていきましょう。 

 

二万円も出せばなかなかでかいぬいぐるみが買えると思うので、それをダシにしてさらにお金をもらいましょうか。 

 

当麻流錬金術

 

 

その夜。 

 

ガチャ 

 

美琴「ただいまーー!」 

 

帰ってきたみたいです。 

 

美琴「とーまーー!たーだーいーまー!……って、あれ?どこー?」 

 

ちなみに暇だったんで、寝室のベッドの下に隠れてみました。 

 

美琴「あれー?バイクはあるから帰ってると思ったのに……、あれー……?居ないのかなー……」 

 

独り言が激しすぎると思います。

 

美琴「うぅぅ……とぅまぁ…………、クタクタになった私を癒してよぉ……」 

 

家に帰ったらまずフロとかで疲れを癒せよ。 

 

正直ここまで依存されると結構引いちゃいます。 

 

嘘です。 

 

いや、引くには引くんですけどもう慣れました。

 

あの娘、最近本当に行動全ての基準に俺を置いてるみたいなんです。 

 

その事には一緒に暮らし始めて半年経った段階で気づきました。 

 

そりゃ最初は、どうにかしてお互い(一方通行)に依存しすぎないようにしようと努力してみましたけど、 

 

やればやるほど、夜の生活が激しくなる一方だったので、俺が先に根をあげました。 

 

あれに比べたら、日常でベタベタされまくって分散させた方がよっぽどマシです。 

 

美琴「……うぅ……ひもじぃ…………」 

 

……ひもじい?

 

美琴「…………ん?」 

 

と、ようやく気づいたみたいです。 

 

そうです。実はリビングテーブルの上に置き手紙を書いてみたんです。 

 

 

『愛する愛するみこっちゃんへ。 

 

突然ですが、俺はみこっちゃんが好きなあまりこの家を出ることにしました』 

 

美琴「……はぁっ!?!?」

 

『午前中に家を出て、遊び疲れたので夕方になって帰ってきました。 

 

みこっちゃんは好きなままでした。 

 

………おどろいた?』 

 

 

美琴「………………」プルプル 

 

 

あまりウケなかったみたいです。

 

『さて、みこっちゃん。俺とゲームしよう。 

 

題目は「かくれんぼ」だ! 

 

俺は今現在、たしかにこの家に存在している。 

 

さぁ探してみるんだ! 

 

この無駄にでかい4LDKを初めて有効活用してみろ! 

 

愛の力で探し当てるんだ! 

 

P.S. 

能力で探索するの禁止ね』

 

美琴「……なるほどね。とうまぁ!居るのね!?今この家に!」 

 

居ますよ。 

 

美琴「……ふふ。流石に返事はないか。」 

 

馬鹿にしすぎだと思うんです。 

 

美琴「すーーぐに見つけてあげるからねー。待ってなさいよー!」 

 

ダダダッ!

 

ドタバタッと、美琴っちゃんが俺を探し始めました。 

 

美琴「ここかなーーっ?」ガバッ 

 

みこっちゃんがクローゼットを調べてます。 

 

美琴「……それとも、こっちかなっー?」ガラッ 

 

今度はお風呂を調べに行ったみたいです。 

 

関係ないんですけど、これ置き手紙だけ残して、俺が外に遊びに行ってたらどうなってたんですかね? 

 

それはもうシュールな光景だと思うんですよ。 

 

まぁそんなことしないんですけどね。かわいそうだし。

 

美琴「……ここかなー?」ガチャ 

 

と、そんなことしていたらみこっちゃんがついに寝室にやってきました。 

 

正直、リビングの次はこの寝室を調べに来ると思っていました。 

 

美琴「……感じる……。感じるわっ!当麻の存在を確かに感じる!」 

 

……本当に能力使ってないんでしょうか?

 

美琴「どこかなーー?……とっうまぁーはどっこかなー?」スタスタ……スタスタ…… 

 

あっちにいったりこっちにいったり。 

 

逆にこっちを焦らしているつもりなんでしょうか? 

 

正味な話、飽きてきたんで早いところ見つけて欲しいんですが。

 

美琴「……ふふ。…………ベッドの下とか怪しいかなー??」スッ 

 

みこっちゃんが膝を着きベッドに片手を置きます。 

 

パンツ丸見え。 

 

美琴「……居るかなー?当麻はベッドのしたにいるかなーー?」チラッ 

 

………………。 

 

ちなみに今の俺の体制はと言うと、ベッドの下。奥の奥の隅に本当に縮こまっています。 

 

なのでみこっちゃんの目には、イモムシのように丸くなってる俺が、隅に居るのが見えるはずです。

 

美琴「……あれーー?あれなんだろーー?何か隅っこにいるー?」 

 

………………。 

 

ビクンと身体を揺らしてみました。 

 

美琴「…………っ!」キューーン 

 

何か背中に嫌なものを感じました。 

 

美琴「……い、いちおうなんなのか確認しておかないとねーー、」ゴソゴソ

 

と、美琴ちゃんがベッドの下に潜り込んできました。 

 

もぞもぞと、みこっちゃんが俺のすぐ後ろまで来たのが気配でわかります。 

 

美琴「…………おーい……、君はなんですかー?……ここは私と当麻の寝室だよー?」ツンツン 

 

フリフリっ 

 

と、子供がイヤイヤするように背中を振ってみると 

 

美琴「……っ!…………も、もうしょうがないなぁ……これは抱きついて誰か確認する必要がありまちゅねー?」 

 

とか言い出しました。 

 

もうツッコミどころが多すぎる。

 

美琴「……さーて、だれなんだ君はー?」スーッ 

 

と、みこっちゃんが俺に両手を絡めようとした瞬間に、勢いよく振り返りました。 

 

美琴「……っ!?」 

 

当麻「おめでとう。みこっちゃん。」ギュッ 

 

そのままこっちから抱きしめてあげました。 

 

美琴「……あっ……と、とうまぁ…………」

 

当麻「お仕事お疲れ様……みこっちゃん。今日もよく頑張ったね」ボソボソ 

 

美琴「……とうまぁ…………あたし……あたし……グスグス」 

 

あらら、また泣き始めちゃいました。 

 

美琴「……あたし寂しかったぁ…………当麻がいなくなって寂しかったぁ!……」グスグス 

 

5分でここまで言われるとは思いませんでした。 

 

俺はそれほどでもなかったぁ! 

 

って言いたい気分です。 

 

言いませんけど。

 

 

リビングにて。 

 

美琴「……ふふふっ。久しぶりに二人で遊んだら、仕事の疲れなんてすぐふっとんじゃった!」 

 

当麻「そりゃよかった」 

 

美琴「またやろうね!かくれんぼっ!」 

 

当麻「……今度は俺が探す役でやる?」 

 

美琴「だめっ!あたしが探すの!あたしが当麻を探して、見つけて、ぎゅっとして、そしたら当麻が見つかっちゃった、って言うの!」 

 

それでいいの! 

 

らしいです。 

よくわからん。

 

美琴「……あ、そうだ」 

 

当麻「……ん?」モグモグ 

 

二人でご飯を食べながら、みこっちゃんが俺に話しかけます。 

 

美琴「この前言った話覚えてる?」 

 

当麻「……なんの話だっけ?」モグモグ 

 

美琴「あたしが開発した独立モジュールの話」 

 

当麻「……?……全く覚えてない」モグモグ 

 

美琴「……だと思ったわ。もうっ!……あのね」

 

と、みこっちゃんが説明し始めました。 

 

詳しい話はよくわかんないんですけど、みこっちゃんが何やら機関ですごいものを発明したそうです。 

 

当麻「ふーん。よくわかんないけど、すごいじゃん。」 

 

美琴「そうなの!本当はもっと改良したかったけど、今のでも十分すごいって評価で!……それでね!きょう」 

 

当麻「……あ、そうだ。ちょいまって」スタスタ

 

忘れてました。 

 

ぬいぐるみを買っていたんだった。 

 

美琴「……もう。人が話してるのにー。」 

 

当麻「……みこっちゃん。ちょっとの間、目をつぶってて」 

 

美琴「え?な、なんで?」 

 

当麻「いいからー」 

 

美琴「う、うん…………」 

 

と、クローゼットに入れておいた巨大ぬいぐるみを取り出して、みこっちゃんに近づけてみます。

 

当麻「いいよ。目開けてもー」 

 

美琴「……う、うん」パチッ 

 

美琴「…………っ!?」 

 

みこっちゃんの眼前に巨大ぬいぐるみを持ってみました。 

 

美琴「……と、当麻、このクマさんは……?」 

 

当麻「いつもお世話になってるから。プレゼント。みこっちゃんに」 

 

美琴「………………」プルプル 

 

当麻「おいしいごはんありがとう。みこっちゃん」

 

美琴「………………と」 

 

ん? 

 

美琴「……とうまぁぁぁあぁあっぁあ!!!」ガバッ 

 

ものすっごい勢いで飛びつかれました。 

 

美琴「……とうまぁ!とうまぁ!あたしこそだよ!あたしこそなんだよ!」 

 

当麻「…………」 

 

美琴「あたしこそ当麻にありがとうって!感謝してるんだよって!本当に伝えたいんだよ!」グリグリ

 

美琴「あたしが……あたしが!本当に絶望した時に近くにいてくれたのが当麻だった!支えて!助けてくれたのが当麻だった!」 

 

美琴「あたしが辛くて死まで考えたのに、まるごと救ってくれたのが当麻だった!」 

 

美琴「あたしの世界は一度死んでるの!……当麻が死んだ私に生きる意味と目標をくれたの!」 

 

美琴「私の世界に居るのは、ただただ当麻だけなの!当麻しか居ないの!」 

 

美琴「だからあたしっ……あたしっ!…………言葉が出ないよぉお…………うわぁぁああぁぁ……」グスッグスッ 

 

やばいスイッチを押した気がしました。 

 

これは久しぶりにやばい。1年に一回ぐらいに発動するレベル。

 

美琴「…………ヒッグ…………ヒッグ…………」グス 

 

当麻「……………………」 

 

お互いに膝をついたまま抱き合っています。 

 

正直、精神ブッ壊れてるんじゃないかと疑うレベルの発狂ぶりだったんで、あせりました。 

 

いまはだいぶ落ち着いてきました。 

 

当麻「……もう大丈夫か?」 

 

美琴「…………うん…………グスッ」

 

当麻「……離れても平気か?」 

 

美琴「…………待って…………もう少しだけ……」 

 

当麻「………………」 

 

美琴「…………あのね。…………さっきの話なんだけど……」 

 

と、抱きついたままのみこっちゃんが話し始めました。

 

美琴「機関から報酬が出るみたいなの」 

 

当麻「……その開発したって奴の報奨金みたいな?」 

 

美琴「……うん。……特許とはまた違うんだけど」 

 

当麻「……やったじゃん。みこっちゃんの頑張りが認められたんだろ?」 

 

美琴「…………うん。……わたし頑張ったの……」

 

当麻「おめでとう。みこっちゃんが頑張った結果、世界に貢献できたんだろ?それってすごい事なんじゃないか?」 

 

美琴「…………ありがとう……とうま……」 

 

当麻「……ちなみにいくら出るの?」 

 

額は気になりますよね。やっぱり。 

 

 

美琴「……えっと、確か……10億ちょっとだったような……」 

 

当麻「ブフォッ!」 

 

豪快に吹き出してしまいました。

 

当麻「……お、お前……10億て……」 

 

美琴「……それでね、当麻…………そのお金なんだけど」 

 

当麻「……お、おう……」 

 

美琴「……ぜんぶとうまにあげる」 

 

…………はい?

 

当麻「……ちょ、ちょ、ちょっと待った!いまなんて!?」 

 

美琴「だから、全部とうまにあげるって言ったの!」 

 

当麻「……あげるって、報奨金を……?」 

 

美琴「報奨金を!」 

 

当麻「……じゅ、十億ぜんぶ……?」 

 

美琴「ぜーんぶ!」 

 

当麻流錬金術によって二万が十億になって帰ってきました。 

 

恐ろしい。

 

当麻「……ま、待てって……ちょっと冷静になろうぜ?」 

 

美琴「あたしはずっと冷静よ!ずっと考えてたの!」 

 

当麻「……だってお前……十億だぜ?」 

 

美琴「十億だけじゃないよ!……あたしの貯金も!持ってるものなんでも!ぜーんぶぜんぶ!当麻にあげる!」 

 

当麻「…………えぇぇ……」 

 

美琴「あたしは当麻が何不自由なく過ごせるように隣にいるだけでいいの!お金が足りないならあたしに言って!いくらでも稼いできてあげる!」 

 

美琴「もう当麻は何もしなくていいの!ただ毎日楽しく過ごして、面白おかしく過ごして、夜になって疲れて眠って、気づいたら朝になって!そんな毎日を過ごしたらいいの!」 

 

美琴「毎日贅沢して、何も困ることなく生活して、…………一日の最後に……一言だけあたしに愛してるって……言ってくれれば……それで…………あたしは……」 

 

 

当麻「……美琴…………」 

 

美琴「……とうまぁ……あたしの気持ち受け取ってぇ……」 

 

当麻「……うん。受け取るよ。美琴」 

 

美琴「……っ!?……ほ、ほんとう!?」 

 

当麻「……あぁ。みこっちゃんの物は全て俺がもらう!報奨金も!預金も!何から何まで!」 

 

美琴「……とうまぁ……」 

 

当麻「それだけじゃないぞ。みこっちゃん」 

 

美琴「……え?」

 

当麻「みこっちゃんも俺のもんだ!俺の所有物だ!」 

 

美琴「……そ、それって……」 

 

当麻「美琴の全てを、全部をひっくるめて俺がもらってやる!」 

 

美琴「……うっ……ううぅうぅぅっ!とうまぁああぁぁぁあ!!」ガバッ 

 

また力強く抱きしめられました。 

 

本当に背骨が折れるくらい強く。強く。 

 

ただただ、強く、抱きしめられました。

 

 

数年後。 

 

美琴「……たーだーいーまーーー!!!当麻ーーーー!!」 

 

当麻「……おかえりー」ピコピコ 

 

美琴「じゅっうでん!じゅっうでん!当麻パワーを補充ー」ガバッー 

 

帰ってくるなり、背中にひっついてくるみこっちゃん。 

 

よくもまぁ毎日毎日同じことを、飽きもせず繰り返せるなぁと 

 

数年前と同じタイトルのゲームをやりながら、しみじみそう思う。

 

あれからしばらくして、正式に俺に譲渡すると相続税やらなんやらで色々めんどくさいとの事なので 

 

みこっちゃんの通帳やら、キャッシュカードやらは全て俺の管理下に置かれることとなった。 

 

それどころか、携帯やら鞄やらも家にいるときは常時俺に預けることとなっている。何故かみこっちゃんの方から提示してきた。 

 

「あたしの全てを所有して欲しい。あたしの全てを管理してほしい。」 

 

だとのことで。 

 

俺が知らないみこっちゃんの所有物は一切存在しない。 

 

下着すらも全て何を買ったか、どんなものを選んだかを俺に報告してくる。

 

少し前からほとんど見なくなった通帳だが、最後に確認した時には桁が2つか3つぐらい増えていた。 

 

使うあても無いし、使い切る必要もない。 

 

毎日それとなく過ごせていればそれだけで良い。 

 

そんなことをそれとなくみこっちゃんに言ってみたら、また泣いてしまった。 

 

「……あぁ……あたしのとうま…………ずっとそのままで居て」 

 

だそうだ。

 

ちなみに結婚はしていない。 

 

と言うよりもみこっちゃんが望んでいない。 

 

「あんな紙切れ一枚出したら他人になるような物要らない。あたしは何があっても当麻のそばにいるし、何があっても尽くし続ける」 

 

と言い、きっぱり拒絶した。 

 

俺の方としても、みこっちゃん以外の女には反応しないし、まぁそんなんでいいかなー、と思う。 

 

幸せだー!って言えるような感じじゃないけど、 

 

幸せだなぁって思える今が、 

 

俺はたまらなく、愛おしいと思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

当麻「御坂の家でヒモ暮らししてたら笑えないぐらい、俺に依存するようになった」

http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1439636802/