アニメssリーディングパーク

おすすめSSを当ブログで再編集して読みやすく紹介! 引用・リンクフリーです

藤原「この名監督チカに任せなさい!」 【かぐや様は告らせたいss/アニメss】

 

かぐや「生徒会のPVですか?」

 

白銀「ああ。どうやら学校のホームページを新しく作り直すらしくてな、部活やら委員会の紹介ページに生徒会も載せたいという校長の意見で、俺たちもPVを撮る事になった。撮る事になったんだが……。 」 

 

かぐや「どうしたんですか、会長。そんな苦々しい顔して」 

 

白銀「……言いにくいんだが……実はその〆切が明後日なんだ」 

 

かぐや「……それは随分急な話ですね」 

 

白銀「すまん。俺のミスだ。どうやら〆切の期限を間違っていたみたいだ」 

 

かぐや「いえいえ、会長。間違いは誰にでもある事ですからお気になさらず」

 

白銀「そう言ってくれるとありがたい。迷惑をかける。早速、映画部から借りてきたこのカメラで撮影しようと思うんだが、石上会計。動画編集とかはできるか?」 

 

石上「簡単なものなら出来ますが、凝ったものは作れませんよ。いいんですか?」 

 

白銀「ああ。生徒会の活動風景を軽くまとめるだけで構わないだろう。あっいや、四宮は映れないんだったよな」 

 

かぐや「ええ。家の方針で……。ごめんなさい」 

 

白銀「いや、構わない。それにPVの事を忘れてた俺が悪いんだしな。石上、いいソフトかなんかはあるか?」 

 

石上「それなら、この編集ソフトで……」 

 

と、男二人はPVの撮影について話し始めた。 

 

傍目から見れば、会長のミスをカバーしようとしている雰囲気のいい生徒会である。だが、現実は違う! 

 

男二人は一切気づいていないのだ!四宮かぐやの口元に笑みが浮かんでいることに! 

 

かぐや(ふっふっふ。会長には申し訳ありませんが、〆切の情報。私が誤ったものを流させていただきました)

 

時は一週間前に遡る。生徒会室に一人先についたかぐやは、会長の机の上の束になったプリントの山を崩してしまう。元通りしようとしたその時、一枚のプリントがかぐやの目に留まったのだった。 

 

かぐや「生徒会のPVですか……。また、酔狂なものをあの校長は…。〆切が近いようなので早く会長に伝えないといけませんね」 

 

と、プリント達を再び積み上げたその時!かぐやに電撃が走る! 

 

かぐや(ちょっと待って。撮影したPVはインターネットに載せるはずだから、私は出ることができない。会長と一緒に映ることはできない。しかし、逆に言えば出させられることもない。つまり、絶対的な安全地帯) 

 

かぐやは超がつくほどのお嬢様であり、その素顔をインターネットに載せることなど、言語道断。一度、誰かが勝手に載せようものなら四宮グループの力によって、一瞬でその画像、映像は圧殺されるだろう。 

 

かぐや(この状況、どうにか利用できないかしら……。そうだわ!私が完全に撮影側に回れば好き放題、会長を撮ることができるじゃない!) 

 

かぐやは先日、会長の猫耳姿を写真に収めてから撮影熱を燃やしていた。会長の姿を再びデータとして残しておきたい。そう思っていた。

 

今まで撮りたいものなどなかったかぐやにとって、それは初めての経験。誰彼構わずパシャパシャと写真を撮る人を昔は軽蔑しさえしていた。だが今は違う。撮りたい人、撮りたい風景、撮りたい世界ができて初めてその気持ちを理解できたのだ。 

 

そんなかぐやにとってこの状況は正に天啓! 

気兼ねせず撮りまくれる状況はそうは来ないだろう。 

 

かぐやはその天才的な頭脳をフル回転させ、この状況を如何に最大限に生かすか、塾考し始めたのだった。 

 

そして、時は現在の生徒会室に巻き戻る。 

 

かぐや(ぎりぎりまでそのプリントは会長の目の届かないところに置かせて頂きました。そして、〆切直前に早坂の口を通して、PVのことを伝えさせプリントのことを確認させる。その時に会長の心にある感情は……そう。罪悪感) 

 

罪悪感。それは人に頼み事をする時に最も有用な感情。罪悪感をもつ人間は、何らかの心理的瑕疵を持っている。誰かに迷惑をかける事になってしまったと。その瑕疵を癒すためには、罪悪感の相手への謝罪、補填などが必要だがもっとも効果的なのは、「相手の要求に応える」ことである。 

 

そしてその罪悪感を用いた罠は、心根が真っ直ぐな者ほどきつく締め上げる。 

 

そのため、白銀には……

 

白銀(やべやっちゃたよ。会長が締め切り忘れなんて笑えないわ。生徒会のメンバーに申し訳ないわ) 

 

効果は抜群だ! 

 

白銀という男は、実直、誠実を地でいく男である。そのため、他者に迷惑を掛けることなどあってはならないこと。そう思っているのだった。 

 

かぐや(うふふ。その表情。どうやら私の作戦はここまでは順調のようですね。さて、私はどんな要求をしましょうか。また猫耳をつけて貰うのもいいですが、犬耳も撮影したいですね) 

 

他者の感情を読み解きそれを利用することを得意とする四宮家直伝の技であった。取り敢えず、自分の予定通りに事が進み安堵しているかぐやだったが、あることを見落としていた。それは……。 

 

かぐや(あれ、胸が苦しい。なぜでしょうか。なんだか、胸の奥がもやもやしているようです。胃の中に鉛が落ちてしまったような。これからが本番だというのに……。まさかっ!この感情はっ!)

 

罪悪感である!ここに来て痛恨の失態!ブーメンである! 

 

今、会長のことを困らせているのは、自分の身勝手のせいだという事に気がつき、無意識下に押し留めていた会長に迷惑をかけている事への罪悪感が膨れ上がったのだった。 

 

かぐや(くっ。まさかこんなことで躓くとは。ですが、自分の感情は操作可能です。それよりも恐ろしいのは……) 

 

石上「そういえば、藤原先輩まだ来てないですよね」 

 

白銀「そうだな。こういうイベントには我先にと飛びつきそうなもんだしな。まあ、そのうち来るだろう」 

 

そう!かぐやが心配していたのは変数F(藤原)である。 

 

定義域?値域?なにそれ美味しいんですかと言ってn次元を自由に飛び回る変数Fの軌跡は、かぐやの頭脳を持ってしても完璧に予測することは不可能。カオスの化身はかぐやの打ち立てた数式や理論を、瞬時に瓦解させることができる。 

 

かぐや(ですが、ある程度なら絞ることはできます。6時間目は調理実習でしたからね。さしずめ、残った料理を美味しく食べているのでしょう。その内、お腹いっぱいになってご機嫌に生徒会室に入ってくるはずです) 

 

その時、生徒会室の扉が開いた。

 

かぐや「やっときたのね、藤原さ……って泣いてる!?」 

 

藤原「ぐすっぐすっ。うぇーーーーーん」 

 

藤原は顔を涙でぐしょぐしょにしながら入ってきた。 

 

石上「どうしたんですか、藤原先輩!?」 

 

白銀「何があった!?」 

 

藤原「ぐすっぐすっ。実は教室でこの少女漫画を読んでいて。これが泣けるんですよぉ」 

 

白銀「なんだ、漫画か」 

 

石上「まぁ、そんなとこだろうと思ってましたけどね」 

 

藤原「何ですか二人とも!失礼ですね!この『仮面の少女』はその辺と漫画とは違うんですー! かぐやさんは分かってくれますよね」 

 

かぐや「え?えぇ、まあ、はい」 

 

予想外の藤原の表情に動揺したかぐや。しかし実は、かぐやはなんとなくその漫画のことを知っていた。というのは、度々藤原が読んでいるものをチラリと盗み見ていたからである。以前、過激な描写の少女漫画を見て、苦手意識はあったが気になるものは気になるのである。 

 

藤原「ほらー。聞きましたー?このお話ではですね、顔に傷があり、それをコンプレックスにして心を閉ざし、仮面をしている少女が主人公でしてね。その女の子が、厳しくも優しい生徒会長と出会って変わっていくところが……」

 

石上「はいはい。分かりましたから、仕事しましょう。急ぎの仕事があるんですよ」 

 

藤原「むぅーー、ん?急ぎの仕事ですか?」 

 

白銀「ああ。実は俺が忘れていたせいなんだが、明後日までに生徒会のPVを撮らなきゃならないんだ。四宮は顔を出せないから俺たち3人が映る事になる」 

 

かぐや「ごめんなさいね。藤原さん。でも、その分しっかり私が撮りますからね」 

 

白銀「四宮が撮影するのか?」 

 

かぐや「ええ。私だけ何もしないわけにはいきませんから」 

 

白銀「そうか…。じゃあ、宜しく頼む」 

 

かぐや「はい」 

 

事実上のチェックメイトである。好きに撮影するというかぐやの目的は達成できるはずあった。しかし、かぐやの直感はまだ一波乱あるとたいうことを本能的に見抜いていた。 

 

そして、その直感は見事的中した。 

 

かぐや(何か、きます!) 

 

藤原「ちょーーーーっとまったぁーーー!」 

 

石上「ッッ!いきなり大きい声出さないでください。恥とかないんですか?」 

 

藤原「シャラッップ!ふふふ。そういうことならこの名監督チカに任せなさい!」 

 

かぐや(えぇーーーー。なんでえーー) 

 

白銀「いや、やってくれるのはありがたいんだが、出来るのか?」 

 

藤原「もちろんですよ!もうアイデアがさっきからずっと頭の中で飛び回ってるんです!」 

 

今の藤原の脳味噌は通常のそれではない。 

 

少女漫画脳。高カロリーの少女漫画を読破したことにより、恋の糖分が藤原の脳味噌を活性化させていた。 

 

そのため、生徒会のPVと聞き先ほどまで読んでいた漫画の名場面がフラッシュバック。漫画の名場面をどうにか映像化しようと画策したのであった。

 

藤原「うーん。あそこの場面は難しいから、こっちにしたいけど、急に雪なんて降らないですし……かぐやさん?確か、顔を出せないからPVには出ないんですよね」 

 

かぐや「そうですよ」 

 

藤原「なら大丈夫ですね。決まりました!夕陽をバックに会長とかぐやさんを撮ることにします!」 

 

かぐや(えぇーーーーー。どういうことぉー 

ー) 

 

かぐや「……どういうことかしら」 

 

石上「ちょっと待ってください。四宮先輩は顔を見せられないんですよ」

 

藤原「ちっちっちっ。分かってないですねー。石上助手」 

 

石上「なんか嫌なんでその指やめて下さい。それに勝手に助手にしないで下さい」 

 

白銀「顔を見せられない四宮をどうやってPVに出すんだ?」 

 

藤原「それはですね、会長。仮面ですよ」 

 

白銀「仮面?」 

 

藤原「はい。夕陽に照らし出される窓の側で二人が向き合って、男の子の方が、女の子の仮面をゆっくり外すんです。そこで素顔が見えるんですけど、夕陽の逆光のせいで読者には見えないんです。これなら、かぐやさんも顔を見せることなくPVに出られますよ」 

 

白銀「読者って、やっぱり少女漫画の話じゃないか」 

 

藤原「えへへー」

 

白銀暫しの塾考。魅力的な提案であった。夕陽に照らされた四宮はさぞ美しいだろう。それを間近で見られるなんて、なかなかないことだと。だが、同時にそんな近くで見たら絶対に動揺を隠せない。 

 

そう考えを巡らせ拒否しようとしたが、まてよと立ち止まる白銀。ここで理由なく拒否すれば四宮の攻撃材料になってしまうのでは。 

 

そう、例えば、 

 

あらあら会長。私の顔を見るのがそんなに恥ずかしいんですか。たった数秒見つめるだけなのに、そんなに顔を赤くしてしまうなんて……。お可愛いこと。 

 

断じて駄目だ!

 

そう思い、白銀は四宮にパスをした。同じ思考に至ると思ってのことだったのだが。 

 

白銀「そんなの四宮が嫌がるだろ。なぁ、四宮?」 

 

かぐや「いえ、それでいきましょう」 

 

白銀「………!!」 

 

かぐやは名監督チカの言葉に心を動かされていたのだった!最初は自らが撮影できればいいと思っていたが、ツーショットのほうがいいに決まっている!逆光の映像など四宮家の技術を用いれば、鮮明なそれに変えることは容易い。 

 

それに、仮面。仮面をつけていれば相手の動揺を安全に楽しめ、その間に自らの心を安定させられると思ったのだった。

 

白銀「まぁ、いい意見だが、肝心の仮面がないと話にならな……ってあるんかーい!!!」 

 

藤原は後ろ手に持っていた仮面を見せる。 

 

藤原「こんなこともあろうかと演劇部から持ってきていました」 

 

石上「妙なところで準備いいっすよね」 

 

かぐや「では、それでいいですか、会長?」 

 

白銀はここで引くわけにはいかない。ここで変に理屈をこねれば、相手に弱みを見せることになる。それに、自分のせいで締め切り間近になってしまったのだから駄々をこねて引き延ばすわけにはいかない。 

 

白銀「ああ、いいぞ。すぐにでも撮影に入ろう」 

 

藤原「では、撮影の準備をしましょう!」 

 

石上は、それ絶対生徒会のPVじゃないだろと思ったが、各々の欲望渦巻く空間で意見などは言えるはずもなく、ただ従うだけであった。

 

藤原「よーい、スタート!」 

 

黄昏。昼と夜とが重なり合う時間。生徒会室には仮面をつけた少女がいた。ぼおっと窓から夕陽を眺めている。 

 

その姿はあまりに儚く、ともすれば何処かに消えてしまいそうな危うさを孕んでいた。赤い色彩で満ちているその部屋に音は存在せず、ただ鮮やかさだけが居残っているようだった。 

 

「どうかしたのか?」 

 

たった一人かと思っていた少女はぱっと振り向く。すらりとした男が扉に体を凭れかけていた。 

 

「生徒会長!いえ、別になんでも」 

 

思わず顔を背ける少女。その?が微かに赤らんでいたことは誰も知る由がない。筈だった。 

 

「そんなに顔を赤くして。恥ずかしいのか?」 

 

「……!どうして?」 

 

「どうして分かったのかって?仮面なんて誰しもがつけてるものさ。俺はそのことを知っている。それだけのことさ」 

 

そう言って、男は少女に歩み寄る。 

 

「だから、もう怯える必要なんてない。その仮面、俺が外してやるよ」

 

少女は逃げられる。今までも少女の仮面を外そうとする人はいた。親切心からも、嗜虐心からも。 

 

少女はずっと逃げてきた。逃げる事は楽だった。それに、泣いたってこの仮面が全て隠してくれる。辛いことをただ耐えればいいだけなのだ。それが人生だと思っていた。でも、その男の手からは逃げられなかった。今までと手とは違うものを感じたから。 

 

だから、少女は目をゆっくり閉じた。冷たく張り付いた仮面を取ってくれると信じて。 

 

 

藤原「はいカット!! いやー、会長もかぐやさんもいい演技しますねー。まるで、同じような経験があるみたいでしたよ」

 

かぐや「ふふっ。そうですか……」 

 

白銀「それはよかった……」 

 

二人ともぜいぜいと肩で息をしていた。メンタルの消耗が激しすぎたためである。本当ならば今すぐやめたいと思っていた。これ以上は命に関わると。しかし、引くに引けない状況はすでに出来上がっており、逃げ道は存在しない。 

 

加えて、意外に心地がいい!ラブコメの主人公になったような高揚感が二人を満たしていた! 

 

そのため、監督である藤原の指示に従うしかないという恐ろしい空間が広がっているのである。 

 

石上「あの、これ、絶対生徒会関係ないっ 

 

藤原「じゃあ!次のシーンに行きましょう!」 

 

カメラマンである石上の言葉は誰にも届かない!

 

藤原「次は、例のシーンですよ。ついに仮面を外すときがきましたよ!さあ、準備してください!」 

 

 

藤原「いきますよー。よーいスタート!」 

 

白銀「じゃあ、外すぞ」 

 

かぐや「どうぞ」 

 

仮面をとるには、かなり近づかなければならない。二人の距離は今までにないほど近くなっていた。 

 

白銀(近いっっ!これはっ!) 

 

かぐや(会長顔真っ赤!もしかして、今、私も……) 

 

白銀の手がかぐやの仮面にかかり、ゆっくりと外す。 

 

そして、現れたのは?を赤らめたかぐやの顔。 

 

白銀(かわいっっっ!!!) 

 

かぐや(顔が赤くなってるのがばれてしまったかも!いや、でも、この夕陽を浴びているからそう簡単には見破れない筈)

 

二人の心臓は破裂せんばかりに鼓動していた。目の前の相手に音が聞こえてしまうかもと心配するほど。目を合わせた二人は暫くの間、彫像のように固まっていた。 

 

頭の中がふわふわして何も考えられない。 

 

随分と長い間見つめあった白銀とかぐやは流石に長すぎる、と藤原の方に視線を向けた。藤原は何やらカンペを持っていて、そこには 

 

『キスして』 

 

と書かれていた。 

 

少女漫画脳再びである!少女漫画と殆ど同じ場面を再現したため、より完璧にしようと藤原は考え、無意識にこのカンペを書いたのだった。 

 

通常の思考状態ならば、意図も簡単に回避できるであろうこの状況。 

 

だがしかし!今の二人は通常の思考ではない!

 

普段ならば灰色の脳細胞が詰まっている彼らの頭の中に今詰まっているのは、幸せのふわふわである! 

 

即ち、思考力ゼロ! 

 

だから 

 

白銀(キスか。四宮とキスしたいな) 

 

かぐや(キスですか。会長とキスしたいですね) 

 

とこんなことを考えているのだった! 

 

そして、この場で唯一まともな思考しているはずの石上は、三脚に載ったカメラをただ眺め、逆光となってただの影にしか見えない二人を撮るのに飽きていた。 

 

どうせ、我に帰ったら別のPVを撮ることになると思っているため、頭の中はそろそろ出る新作ゲームのことで一杯だった!

 

白銀とかぐやの視線が再び交錯する。 

 

白銀とかぐや*1 

 

そして、二人はゆっくりと顔を近づける。夕陽の魔法にかかったような二人。小賢しい策略なんてものからは離れた世界。唇が触れ合わんとしたその時! 

 

生徒会室の扉が開いた。 

 

柏木「すみませーん。先生に頼まれて、生徒会のPVの進捗状況を聞きに来たんですけど……」 

 

柏木は瞬時に石像になった。今にもキスしようとしている、白銀とかぐや。目を爛々と輝かせている藤原。上の空で考え事をしている石上。 

 

明らかに異質な空間に、柏木が取った選択は逃亡。

 

柏木「あっ。なんかお取り込み中だったみたいで、ごめんなさい。また今度きます」 

 

そう言って、部屋から出て行った。 

 

刹那の後、我に帰ったのは白銀とかぐや。 

 

自分達が何をしようとしていたかに気がつき、パッと距離を開ける。 

 

白銀「ず、随分動揺してるみたいじゃないか、四宮」 

 

かぐや「か、会長の方こそ。顔が真っ赤になっていますよ」 

 

白銀「こ、これは夕陽に照らされたせいだ」 

 

かぐや「本当ですか?声が震えてますよ」 

 

石上「あっ、終わりましたか?でも、本当にのこれでいいんですかねー」 

 

藤原「まだ終わってませーーーーん!今せっかくいいところだったんですから!もう一回やりましょう」

 

白銀とかぐや「「もう一回?」」 

 

ぎぎぎと首を回し二人は藤原の方を見る。 

 

かぐや「随分と私達で遊んでいらしたようですね、藤原さん」 

 

白銀「楽しそうだったな藤原書記。特にあのカンペ」 

 

藤原「あわわわわわ。もしかして、二人とも怒ってます?」 

 

白銀「いいや」 

 

かぐや「いいえ」 

 

藤原「うそつき!絶対怒ってますよ!」

 

白銀「一通り撮影し終わったみたいだからな、あとは名監督に任せようか」 

 

かぐや「ええ、そうですね。名監督ですもの。あとは任せるだけでよろしいですよね。それでは御機嫌よう」 

 

石上「じ、じゃあ、俺も家で勉強するんで、先に帰ります」 

 

藤原「えぇーー、そんなぁーー。まってくださぁぁぁい。みなさぁぁぁぁん。ひどいですよーーー」 

 

 

本日の勝敗 藤原書記の負け 

 

敗因 少女漫画脳

 

 

翌日、映像のデータが全て消えており、何も出さないということもできず、苦肉の策として生徒会室で藤原千花が歌って踊る映像を提出した。だが、それが案外好評でYouTube で期間限定で公開したところ100万を超えるアクセスがあったとか、なかったとか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

かぐや様は告らせたい】かぐや様は撮ってみたい

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1549184922/


 

*1:綺麗な瞳