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かぐや「う~、かいちょ~!かいちょうにあいたいよう」 早坂「今日は一段と〝アホ〟になってますよ」【かぐや様は告らせたいss/アニメss】

 

かぐや「かぜひいたけど がっこういく!」

 

早坂「ダメです」 

 

かぐや「なんで~?ねつは、なかったんでしょ~」 

 

早坂「ええ、まあ熱はないんですが…」 

 

36.8℃ 

 

かぐや「でしょ?じゃあ、がっこ~いって… 

早坂「ダメです」 

 

かぐや「なんで! なんで、わたしが、こんなにがっこ~いきたいのに、いじわるゆ~の!?」 

 

早坂「むしろ、なんでそんな学校行きたいんですか?」 

 

かぐや「そんなの…」 

 

かぐや「かいちょうにあいたいからに、きまってるでしょ!!」 

 

早坂「わかりましたんで落ち着いて聞いてください。今日は一段と〝アホ〟になってますよ」 

 

かぐや「う~、かいちょ~!かいちょうにあいたいよう」シクシク 

 

早坂「ほらほら、そんな本音が漏れてたら大変なことになっちゃいますよ」 

 

かぐや「いいもん!それでも、かいちょうにあいたいんだもん!」 

 

早坂「そんなこと言って、後で文句言われるのは嫌ですからね」 

 

かぐや「そんなことしないもん!」 

 

早坂「え~、信じらんな~い」 

 

かぐや「ぜったい、ぜったいそんなことしないもん!」 

 

早坂「そうですか…」 

 

早坂「ちなみに、現在の会話は言質として録音させてもらってますが、念のため四宮に誓ってもらえますか?」 

 

かぐや「しのみやにちかって、はやさかのせいにしないわ!!」 

 

早坂「はい、OKです。それでは学校行きましょうか」 

 

かぐや「わ~い、はやさか、ありがと~♪」 

 

【学校 正門前】 

 

早坂「そして学校とーちゃーく」 

 

かぐや「かいちょうは?」キョロキョロ 

 

早坂「かぐや様、こっちこっち、保健室行きましょう」 

 

かぐや「かいちょういるの?」 

 

早坂「はいはーい、会長いるからついて来てくださいねー」 

 

かぐや「うん♪」テクテク 

 

【学校 玄関】 

 

かぐや「ね~、はやさか~、かいちょうどこ~?」 

 

早坂「こっちですから靴履き替えてくださいねー」 

 

かぐや「かいちょうまだなの?」 

 

早坂「会長待ってますからこっちですよー」 

 

かぐや「えへへ、うん♪」テクテク 

 

【学校 保健室】 

 

かぐや「かいちょういないよ?」 

 

早坂「おかしいですねー、私が探して来ますからそれまでベッドで休んでいてくれますか」 

 

かぐや「ね~ね~ね~ね~、は~や~さ~か~、か~い~ちょ~ど~こ~?」 

 

早坂「」ブチッ 

 

早坂「いいから病人はベッドで寝てろし!!」 

 

かぐや「!!?」 

 

早坂「今のかぐや様はさっさと風邪治すのが先決だし!」 

 

かぐや「やだ!わたしはかいちょうにあいたいの!」 

 

早坂「放課後になったら好きなだけ会えるし!」 

 

かぐや「わたしは、いま、あいたいの!」 

 

早坂「会長とはクラス違うから無理だし!」 

 

かぐや「やだやだやだやだ!!」 

 

早坂「我が儘言うなし!」 

 

かぐや「や、だ……」クタッ 

 

早坂「あ、大丈夫ですか?」ダキッ 

 

かぐや「やだ……かいちょうにあいたい……」グスッ 

 

早坂「そのためにも早く風邪治しましょう」 

 

かぐや「う~」 

 

早坂「会長もそれがいいとおっしゃる筈です」 

 

かぐや「ほんと?」 

 

早坂「それに、会長に風邪が移ると大変ですしね」 

 

かぐや「わかった…」 

 

早坂「いい子ですね」ナデナデ 

 

早坂「それでは保険医探して来ますからちょっと待っててください」 

 

かぐや「うん♪」 

 

早坂(まあ、会話聞かれず運が良かったんですけどね) 

 

早坂(さて、さしあたり思いつくのは御手洗いか職員室…担任に連絡ついでに職員室から探してみますか) 

 

かぐや「そ~」コソコソ 

 

早坂(連絡するのは保険医にベッドの使用許可と担任に病欠) 

 

かぐや「」テッテッテッテッ 

 

早坂(面倒なんで私も代弁頼んで休んでしまおう) 

 

早坂「それではかぐや様、私ちょっと行って来ますから… 

 

早坂「って、いないし!!」バッ! 

 

かぐや「はやさか~、は~や~さ~か~」 

 

早坂「こら~!勝手にどっか行ったら危ないでしょ!!」 

 

かぐや「みてみて、ふじわらさん♪」ギュ- 

 

藤原「ふええ、早坂さんこれはいったい?」 

 

藤原「廊下歩いていたらかぐやさんがいきなり…」 

 

かぐや「えへへ、ふじわらさ~ん♪」スリスリ 

 

藤原「いえ、これはこれで問題ないんですが!」 

 

早坂「これですね?」ギュム! 

 

藤原「は、早坂さん!?」 

 

早坂「これは風邪をひくと〝アレ〟になる例の〝アレ〟です」ギリギリギリ 

 

かぐや「い、いひゃい…」 

 

早坂「さあ、かぐや様、保健室に戻りましょうか?」ギリギリギリギリ 

 

藤原「や、やめてください! かぐやさんのほっぺたとれちゃいます!」 

 

早坂「・・・・」パッ 

 

藤原「大丈夫ですか、かぐやさん! ほっぺたついてますか!?」 

 

かぐや「ついてる…」 

 

藤原「よかった~」ホッ 

 

かぐや「ありがと~……ち、ち」モジモジ 

 

藤原「ん?」 

 

かぐや「ちかちゃん」 

 

藤原「!!!?」 

 

かぐや「…へんだった?」 

 

藤原「変ではありません! 突然で驚きましたがぜんぜん変じゃないです!」 

 

かぐや「あのね、ほかのこがこうよんでるのみて、わたしもよんでみたかったの…」 

 

かぐや「めいわくだった?」 

 

藤原「いえ、迷惑だなんてそんな!むしろ私からお願いしますから呼んでください!!」 

 

かぐや「えへへ、ちかちゃんだいすき!」 

 

藤原「はう」キュン 

 

藤原「私も大好きですよ!かぐやさん!」ダキッ 

 

早坂「・・・・」 

 

かぐや「えへへ、ち~かちゃ~ん♪」 

 

藤原「どぅえへっへっへ~、か~ぐやさ~ん♪」 

 

早坂(うちの主人が書記ちゃんと同レベル)ゾッ 

 

藤原「あ!」 

 

藤原「かぐやさん、かぐやさん」 

 

かぐや「?」 

 

早坂(そういえば、職員室に向かう途中でした) 

 

藤原「早坂さんがさみしがってますよ~」ヒソヒソ 

 

かぐや「そっか、わかった」ヒソヒソ 

 

早坂(かぐや様は書記ちゃんにみてもらって職員室に行こう) 

 

かぐや「はやさか~、はやさか~」 

 

早坂「ん?どうかしました?」 

 

かぐや「あのね、はやさかのことも、だいすきだからね」 

 

早坂「あー、はいはい、そうですかー、ありがとうございまーす」 

 

かぐや「ほんとよ?」 

 

早坂「わかってます」クスッ 

 

早坂「ですが、そういうのは後ろの方に言ってあげてください」 

 

藤原「うしろの」 

 

かぐや「かた~?」 

 

早坂「」タッ 

 

白銀「おまえら何やってんの?」 

 

白銀「朝っぱらから2人で抱き合って」 

 

白銀「大方、藤原からだろうが生徒会役員としての自覚を持ち、生徒の規範となるような…」 

 

かぐや「あ~、かいちょ~だ~♪」 

 

白銀「」 

 

かぐや「かいちょ~いた~♪」 

 

白銀「……藤原」 

 

藤原「はい?」 

 

白銀「すまんが四宮に朝から酷い幻覚を見たから早退すると伝えてくれ」 

 

藤原「目の前にいるんですから直接伝えたらいいじゃないですか」 

 

白銀「いや、可笑しいだろ!」 

 

白銀「俺の知ってる四宮はこんな頭に花が咲いてるような奴じゃなかった筈だ!」 

 

藤原「なっ、確かに今のかぐやさんに天才達の頭脳戦は無理かもしれませんが、可愛いんだからそれでいいじゃないですか」 

 

白銀「しかしだな…」 

 

かぐや「かいちょ~♪」ギュッ! 

 

白銀「ほんとどうしたんだ? いつもは手なんか絶対握らんぞ」 

 

かぐや「か~いちょ♪か~いちょ♪」ブンブン 

 

白銀「いや、四宮…流石に皆が見てる前でこういうのはよくないと思うぞ」 

 

かぐや「だいすき♪」 

 

白銀「」 

 

白銀(幻覚の次は幻聴か?四宮から今、数ヶ月かけて聞きたかった言葉をあっさり聞いた気がするぞ) 

 

かぐや「かいちょうのことが、だいすきです♪」 

 

白銀「現実だよ、こんちくしょう!!」 

 

かぐや「」ビクッ 

 

白銀「藤原、今日の四宮にいったい何が!?」 

 

藤原「ふ~ん、かぐやさんってそうだったんですね~。もちろんお二人の友人として応援しますよ~」ニマニマ 

 

白銀「そうだよな!おまえはそういう奴だったよな!」 

 

かぐや「かいちょう?」モジモジ 

 

藤原「さあさあ、かぐやさんが告白の返事を待ってますよ」 

 

白銀「返事ったって…」 

 

 

生徒A「おい、今かぐや様が会長に告白したよな?」 

生徒B「ああ、かぐや様が会長に告白した!」 

生徒C「まあ、もともと噂の絶えないお二人だったし」 

生徒D「知ってた」 

生徒E「それで…」 

 

「「「会長の返事は!!」」」 

 

 

白銀「ここでかーー!!」 

 

白銀(いや、そもそも俺の目標は四宮からの告白!) 

 

白銀(ならば何の問題もないはず!!) 

 

かぐや「////」 

 

白銀(でも、な~んか違和感あるんだよな…。それと既視感) 

 

白銀(どこかでこんな感じの四宮を見て、そんで後々めんどくさい事になったような…) 

 

かぐや「かいちょ~?」 

 

白銀「藤原…」 

 

藤原「はい?告白の決心つきました?」 

 

白銀「もしかして、四宮風邪ひいてないか?」 

 

藤原「あ~、はい。そうみたいですね。まあそんなことよりかぐやさんに告白の返事をどうぞ」 

 

白銀「ばっ!風邪ひいてたらダメだろ!!そんなの無効だ!無効!」 

 

藤原「またまた~、そんなことでうやむやにさせようったって、そうはいきませんからね」 

 

白銀「ちげ~し!だったら考えてもみろ!」 

 

白銀「この場で告白した場合…」 

 

ーーーー 

ーーー 

 

【白銀の未来予測】 

 

かぐや「会長、風邪をひいていたとはいえ朝は大変失礼いたしました」 

 

白銀「いや、風邪のほうはもういいのか?」 

 

かぐや「はい、保健室で休ませてもらったらすっかり」 

 

白銀「そうか…」 

 

かぐや「ところで…」 

 

かぐや「意識が混濁していて覚えていないのですが、会長から熱烈な愛の告白をされたとの事ですが」 

 

白銀「!!」 

 

白銀「あ、あれは!四宮の方から告白されて!!」 

 

かぐや「確かに…」 

 

かぐや「確かに私も熱のせいで口走ったかもしれません」 

 

かぐや「ですが、それはあくまで友人として」 

 

かぐや「言うなればLOVEではなくLIKE。藤原さんにも言っているのですから分かりそうなものだと思うのですが…」 

 

かぐや「それを告白と勘違いして…」 

 

かぐや「そんなに私の告白が嬉しかったんですか?」 

 

 クスッ 

 

かぐや「 お 可 愛 い こ と 」 

 

ーーーーー 

ーーー 

 

白銀(絶対にダメだーーー!!!) 

 

白銀(つまりこの告白は罠!) 

 

白銀(だが、四宮からの告白を最終目標としている以上〝四宮からの告白を断る〟という選択肢は不可) 

 

白銀(四宮からの告白に対するハードルを上げる結果になりかねない…) 

 

白銀(何か…) 

 

白銀(何かないか、告白を断らずに穏便に回避する方法は…) 

 

石上「みなさん、朝から集まってなにしてるんです?」 

 

石上「急がないとそろそろ予鈴がなりま……」 

 

かぐや「か~いちょ♪」ゴロゴロ 

 

石上「」 

 

かぐや「えへへ、かいちょ~♪」スリスリ 

 

石上「……会長」 

 

白銀「お、おう」 

 

石上「すみませんが、朝から恐ろしい幻覚を見たから早退するとこの場にいない四宮先輩にも伝えてください」 

 

白銀「すまん、石上。目の前にいるから直接伝えてくれ」 

 

石上「ほんとですか?実は僕にだけ見えるとかじゃないですよね?」ガタガタ 

 

白銀「藤原が言ってただろ?風邪ひくと周囲に甘えてくると、これがそれだ」 

 

石上「ああ、封印された第二の人格ってやつですね」 

 

白銀「似たようなもんだが違う」 

 

かぐや「?」 

 

白銀「そうだ四宮!ほ~ら石上だぞ~!」 

 

かぐや「いしがみくん?」 

 

白銀「ああ、そこでだな、四宮が石上のことどう思ってるか聞かせてくれ」 

 

石上「ちょっ、会長どう考えても嫌な予感しかしないからいいですって」 

 

白銀「そう言うな、四宮の本心を知るいい機会だぞ」 

 

白銀(実際、石上と四宮の関係性ははっきり言ってかなり良好) 

 

白銀(ここで四宮が少しでも好意的な台詞を言った瞬間) 

 

白銀(すかさず俺が〝四宮は誰にでも好意を示すが、そこに恋愛感情は伴っていない〟と結論付ければ今回の告白を回避可能!) 

 

かぐや「ん~」 

 

かぐや「べつになんとも」 

 

かぐや「いしがみくんは、せいとかいのこうはいだけど」 

 

かぐや「それだけっていうか…。それいがい、きょうみないというか…」 

 

かぐや「しょうじき、せいとかいが かいさんしたら、わたしのじんせいとは、なんら かかわりあいにならないんだろうな、っておもってるの」 

 

石上「」 

 

白銀「あ~、石上?」 

 

石上「……会長」 

 

白銀「お、おう」 

 

石上「死にたくなったんで帰ります」 

 

白銀「ほんと、今のは俺が悪かったから死なないでくれ!」 

 

石上「」フラッ 

 

藤原「今のは会長が悪いんですからね」 

 

白銀「いや、俺だって四宮があんなに」 

 

かぐや「おこった?」シュン 

 

藤原「い~え!いちばん悪いのはかぐやさんの告白をはぐらかそうとする会長です!!」 

 

生徒「そうだそうだ~」 

生徒「会長が悪い!」 

生徒「かぐや様、お可哀想」 

 

白銀(くっ、煽るんじゃねぇクソリボン!) 

 

かぐや「ん~ん、わたしがわるいの。だって、かいちょうこまってる」 

 

白銀「別に困っては…」 

 

かぐや「でもね…、それでも……」 

 

かぐや「かいちょうのことが、だいすきなの…」 

 

藤原「かぐやさん…」 

 

白銀「四宮……」 

 

白銀(くっ、俺はこれでいいのか?) 

 

白銀(四宮が告白してきたというのに、俺はこの場からうまく逃れることばかり考えている…) 

 

白銀(風邪がなんだ! 四宮からの告白の返事なんかとうの昔から決まっていたはずだ!!) 

 

白銀「四宮、聞いてくれ」 

 

かぐや「かいちょう?」 

 

白銀「俺は、おまえのことが!!」 

 

かぐや「かいちょう?かいちょう?」 

 

白銀「いや、ちょっとでいいから俺の話を聞いてくれ」 

 

かぐや「かいちょうが、いっぱい…」 

 

白銀「は?」 

 

かぐや「」クラッ 

 

 ドサッ! 

 

白銀「四宮ーー!!」 

 

藤原「かぐやさ~~ん!!」 

 

 

【再び、保健室】 

 

藤原「風邪ひいたのに動き回って限界だったんですね」 

 

かぐや「すやすや…」 

 

白銀「そうだな…」 

 

藤原「さてと!それじゃあ、私は保険医さん探して来ますね」 

 

白銀「それなら俺が」 

 

藤原「いやいや、かぐやさんが目を覚ました時に大好きな会長がいなかったらさびしがるじゃないですか」ニヨニヨ 

 

白銀「しかし、若い男女がふたりきりだと問題が」 

 

藤原「しりませ~ん♪ わかりませ~ん♪」 

 

藤原「だいたい、かぐやさんが会長の手を掴んで離さないし、動けませんよね?」 

 

白銀「うっ!」 

 

藤原「それじゃあ会長、かぐやさんをよろしくお願いします」ヒラヒラ 

 

白銀「あっ、おい…」 

 

パタン テッテッテッテッ 

 

白銀「本当にいきやがった…」 

 

かぐや「すう……すう……」 

 

白銀「まったく、四宮が風邪をひくとろくなことがないな」 

 

かぐや「むにゃむにゃ…か~いちょ~♪」 

 

白銀(とはいえ、先ほど告白しようと決めた、その気持ちは今でも変わらない) 

 

白銀「四宮、あのな」 

 

白銀「俺は、おまえのことが!」 

 

 

白銀「好きだ、ぞ…」 

 

白銀(言った!言ってしまった!) 

 

白銀(好きになって半年以上、ついに四宮に告ってしまった!!) 

 

白銀「うおぉぉぉ!!しのみやーー!!!」 

 

かぐや「むにゃ…かいちょ~♪」 

 

白銀「好きだ!!」 

 

白銀「俺は、おまえのことが、好きだ!!」 

 

白銀「その濡れた紅玉のような瞳も!」 

 

白銀「鈴の音のように涼やかに細い毛先も!」 

 

白銀「か弱くも芯のある内面も!」 

 

白銀「全部含めて!俺は!四宮かぐや!おまえを!!」 

 

白銀「愛している!!!」 

 

柏木「・・・・」 

 

パタン 

 

柏木さんの彼氏「あ、戻ってきた」 

 

彼氏「それで、かぐや様の様子どうだった?」 

 

柏木「・・・・」 

 

彼氏「いや~、ほんとは俺も行きたかったんだけどさ~」 

 

彼氏「大勢で押しかけるのもわるいかな~って」 

 

柏木「か…」 

 

彼氏「か?」 

 

柏木「かんべんして!!」 

 

 

本日の勝敗 

 ドクターストップ 

 

 柏木が限界の為 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

白銀圭「かぐやさんは告らせたい?」

 

石上「はい! 四宮先輩は告らせたいんです!!」 

 

 

 石上優、恐れる事をやめた男 

 

 様々な苦難を乗り越え成長した男 

 

 それは生徒会会計として2期目となる彼と 四宮かぐやとの関係にも変化をもたらした 

 

 体育祭、定期テスト、文化祭、そして子安つばめ 

 

 奇しくも彼自身の問題に直面した時、もっとも頼りとしたのは恐怖の対象であったはずの 四宮かぐやだった 

 

 そしてそんな時間をすごすうちに 彼の中で四宮かぐやを恐怖の対象から尊敬する心優しき先輩へ変わっていったのもまた当然だったと言えよう 

 

 その結果…… 

 

 死期を早めた 

 

石上「あれは、ぜっっったいに ガチ惚れなんで!!」 

 

石上「なんだったら くっつけちゃえばいいんじゃないっすか!!!」 

圭「そう…」 

 

石上「あれ? それだけですか?」 

 

圭「そうですね…。正直、生徒会室に来る途中でそんな噂を聞いたから話題にしただけですし」 

 

圭「言っても? うちは兄妹の仲も特別いいわけじゃないんで」 

 

圭「兄が誰と付き合おうと興味ないです」 

 

石上「ドライだな~。 まあ僕も兄貴いるけど彼女がいるとか知りたくないしそんなもんか?」 

 

圭「ええ、それより書類の更正をお願いしていいですか?」 

 

石上「はいは~い」 

 

圭「・・・・」 

 

 嘘である 

 

圭(え?うそ?ほんとに?) 

 

圭(やだ、どうしよう…すっごい嬉しい!!) 

 

圭(うれしいよー♪) 

 

 しかし、反抗期の圭にとって兄への興味など御法度 

 

圭「でも、気のせいってこともありますよね?」 

 

圭「証拠! 証拠はあるんですか!」 

 

 絞り出した結論は否定的立場からの尋問風にすれば恥ずかしくないというものだった 

 

石上「う~ん…。ぶっちゃけ前に四宮先輩に聞いたことあるんですよ」 

 

圭「あるんですか!!」ガタッ 

 

石上「そん時は めっちゃ否定されました」ハッハッハッ 

 

圭「否定?」 

 

石上「ええ、しまいには首を締められちゃって…」 

 

圭「かぐやさんは否定したんですね…」シュン 

 

石上「いや、僕もその一件以降なるべく触れないようにしてたんですけど、 最近になって思えばやっぱ好きなんじゃないかって根拠が出てきて」 

 

石上「例えば、これ夏休みの花火大会の写真なんですけど」 

 

石上「見てください、せっかく先輩のためにタクシー走らせたのに花火じゃなくて会長の横顔に見とれてるんですよ」 

 

圭「ほんとだ…」 

 

圭「でも、たまたまそう見えるってだけでは?」 

 

石上「まあ、そうなんですけど」 

 

圭「やはり勘違い…」 

 

石上「でも四宮先輩の思う良い男の定義って勉強が出来る人なんすよ…」 

 

石上「それでいて優しさもあって、それって会長みたいな男ですよね!」 

 

圭「それって一般論じゃ…」 

 

石上「ぐっ」 

 

圭「まさか騙して…」 

 

石上「嘘じゃないですって!体育祭の時なんて倉庫で押し倒されてたって伊井野が言ってたし!!」 

 

石上「それ以来、四宮先輩が会長と話してる時だけ頬を撫でる仕草をよくするし!!」 

 

石上「あれ絶対ルーティーンです!! もうそんなんに頼らなきゃならないくらい意識してるんです!!」 

 

圭「え?妄想?」 

 

石上「猫耳メイドォォ!!!!」 

 

圭「え?え?猫耳?」 

 

石上「はい! 文化祭の衣装だって猫耳メイド衣装を会長に披露してたんです!!」 

 

石上「猫耳メイドっすよ!猫耳メイド!!」 

 

石上「そんな前時代的で恥ずかしい格好頭イカれてなきゃ好きな人の前でしか出来ないっすよ!!!!」 

 

かぐや「・・・・」 

 

かぐや「石上くん?」 

 

石上「ヒィッ!!」 

 

石上「し、四宮先輩…いつから?」 

 

圭「か、かぐやさん」 

 

かぐや「あら圭、遊びに来てくれたの?」 

 

圭「い、いえ。書類のチェックしてもらいたくて」 

 

かぐや「そう、なら石上君は適任ね」 

 

かぐや「彼の情報処理能力は私よりも上だもの」 

 

かぐや「私はお客様にお茶を淹れましょうか」ニコッ 

 

石上(聞かれてなかった?) 

 

かぐや「本当に…」 

 

かぐや「ただ、〝致命的〟に口の軽いのよね」 

 

石上(こ、殺される!!)ゾクッ 

 

石上「すみません、ここ場から少しでも離れたいんでお先に失礼します」ダラダラ 

 

圭「え、ええ…」 

 

石上「良かれと思ったのに…」フラッ 

 

かぐや「何やら石上君が行ってしまいましたし書類は私が見ますね」ニッコリ 

 

かぐや「ああ、その前にお茶を淹れるんでした」 

 

圭「あ、お手伝いします」 

 

かぐや「ふふ、ありがとう」 

 

かぐや「でもお客様は座ってていいのよ? これでも紅茶を淹れるのは自信あるんだから」 

 

 一見すると普段通りのかぐや 

 

 だが内心はこんなんである 

 

かぐや(あ~~どうしましょう!どうしましょう!) 

 

かぐや(圭に知られちゃったぁぁぁ~~!!) 

 

かぐや(どうしよう!どうしよう!どうしよう!) 

 

かぐや(もう、どうしたらいいのぉ~~!!) 

 

 ちなみに白銀圭はこんなんである 

 

圭(はぁ…、今日もかぐやさんは素敵…) 

 

圭(それにそれに、もしかしてもしかしたら私のお姉ちゃんに~~♪) 

 

圭(その時は かぐや姉ちゃん? それとも、かぐや義姉さん? かぐ姉!?) 

 

圭(かぐ姉!!??) 

 

圭(ふわぁぁ~~~!! かぐ姉いい!かぐ姉って呼びたい!!!) 

 

 だが両者共に好きな相手には積極的になれない者同士 

 

かぐや(誤魔化したいけどどうしたら?) 

 

圭(確認したいけどどうしたら?) 

 

 次の行動に移れないまま膠着状態に突入するかと思われた次の瞬間! 

 

ガチャ 

 

伊井野ミコ「あれ?石上は?」 

 

かぐや「あら伊井野さん、石上君を探してるの?」 

 

かぐや「彼ならもう帰りましたけど」 

 

ミコ「ええ!! 用事あるって言っておいたのに…」 

 

ミコ「まったく、これだから石上はダメなのよ!」 

 

かぐや「そうね…」 

 

かぐや「石上君ってそういうとこあるわよね」クスッ 

 

 

 情 報 の 信 頼 度 !! 

 

 この情報化社会において確かな情報源のない情報などゴミクズ同然! 

 

 そのようなモノを信じていればたちまち情弱のレッテルを貼られてしまう 

 

かぐや「石上君は洞察力はあるけど肝心な部分でズレてというか…」 

 

かぐや「そんな彼が男女の機微なんて分かるのかしら?」 

 

 かぐや、石上の情報源としての信頼性を損なうことによりこの場を逃れる作戦 

 

伊井野「男女の機微~? そんなの石上からもっとも遠い言葉です!」 

 

かぐや(思ったとおり食いついてきたわ。 石上君には悪いけどここは伊井野さんに同調しておくのが吉) 

 

かぐや「そうよね♪ そうよね♪ 石上君に恋愛事なんてわかりっこないわよね♪」 

 

圭「そっか…」 

 

伊井野「あら? お客様がいらっしゃったのですね」 

 

圭「あ、はじめまして。中等部生徒会会計の白銀圭と申します」 

 

伊井野「ご丁寧にどうも、会計監査の伊井野ミコです」 

 

伊井野「ところで白銀ってもしかしたら…」 

 

圭「はい、こちらの生徒会会長 白銀御行は私の兄です」 

 

伊井野「やっぱり! お兄さんでしたら職員室ですれ違ったのですぐ来ると思います」 

 

圭「いえ、兄に用事はなくて…」 

 

伊井野「では、義姉さんに用事ですか?」にっこり 

 

圭「義姉さん?」 

 

伊井野「そうですよね♪ 白銀会長と四宮先輩は付き合ってますもん」 

 

伊井野「ご家族と仲がよくて当然ですよね♪」 

 

かぐや「…伊井野さん?」 

 

 情報の信頼性、それは複数の情報源から得られることによって補強される 

 

伊井野「うんうん、家族公認の健全な男女交際。 風紀委員としてもとても素晴らしいことだと思います」 

 

 補強 

 

伊井野「でしたら安心してください。 お二人の仲は私の目から見ても良好そのもの」 

 

伊井野「普段から会長を立てる先輩のそれは〝妻〟のようです」 

 

 補強 

 

かぐや 圭「「つ、妻!!?」」 

 

伊井野「ですけど四宮先輩は時々会長への〝愛〟が行き過ぎてます!」 

 

伊井野「前なんて神聖であるべき生徒会室で言葉にできないようなことを…」 

 

 伊井野、これでもかと石上の情報を補強する 

 

かぐや「ち、ちがうのよ? 伊井野さんはちょっと思い込みが激しくて…」 

 

圭「伊井野…? そうだ! 伊井野先輩が倉庫で兄がかぐやさんを押し倒してたのを見たっていうのは本当ですか!!」 

 

かぐや「圭!!」テンパリゲージ+5 

 

伊井野「はい!はっきり見ましたとも!!」 

 

かぐや「違うのよ、あれは事故で…」 

 

伊井野「じゃあ、下着の好みをきくのも事故ですか?」 

 

かぐや「それは別じゃない!」 

 

伊井野「別じゃないです! きっと見えないとこでは二人きりになったら破廉恥なことを……」 

 

かぐや「圭は信じてくれるわよね?」スッ 

 

圭「…頬をさわるのはルーティーンですか?」 

 

かぐや「圭!?」カアァァァ 

 

 ルーティーンを封じられたかぐや、その様子を見て確信にかわる白銀圭 

 

圭(ほんとに付き合ってるの? いや好きあってる? そもそも告らせたいってなに?) 

 

 しかし! 自身の兄が敬愛するかぐやと好きあっているという情報は脳をオーバーヒートさせ錯乱状態にさせる 

 

圭(えっと、かぐやさんはお兄ぃの横顔に見とれて猫耳メイドで押し倒されて私はかぐ姉って呼びたくて…)アワアワ 

 

 情報を処理しきれず混乱する圭は、ここで普段ではあり得ない言葉がこぼれ出す 

 

圭「…かぐや、お姉ちゃん?」 

 

かぐや「圭?」 

 

圭「はっ! 私ったらなにを!?」 

 

圭「その、今日は帰ります! いろいろありがとうございました!!」ガタッ 

 

タッタッタッタッ 

 

伊井野「帰りましたか。 なにやら騒がしい子でしたね」 

 

かぐや「伊井野さん…」ゴゴゴゴゴ 

 

伊井野「はい?」 

 

 

 本日の勝敗… 

 伊井野も死ぬ 

 

伊井野「いやあぁぁぁ~~~!!!」 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

かぐや「かぜひいたけど がっこういく!」早坂「ダメです」

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