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いろは「それって、私のこと…口説いてるんですか…?」【俺ガイルss/アニメss】

 

3月 

高校2年生もあと1か月で終了の季節がやってきた。思い返せばこの1年は色々あったな

 

 

一色「せんぱい、すっかり遅くなっちゃいましたね。急がないと、雪ノ下先輩たちが帰ってしまうんじゃないですか?」

 

八幡「お前が生徒会の仕事手伝わせるからだろうが…それとなに?部員でもないのについて来るのはもうデフォルトなの?そうなの?」

 

一色「なに言ってるんですか、やだな~。せんぱいもこんな可愛い後輩と一緒に歩けるんですからお得だって言ってたじゃないですか~」

 

八幡「一切言ってませんけどね。そこ、勝手なねつ造とかしないように」

 

1年生にしてなんと生徒会長でもある一色いろは。彼女と今奉仕部へと

向かっている最中だ。

こいつは部員でもないくせに奉仕部へ来ることが最近特に多い

 

サッカー部のマネージャーもしているが、そっちの方はどうなってるんだよ…

俺と同じクラスの超が付くほどの有名人、カースト№1ともいえるべきリア充

葉山隼人に憧れて入部し、去年告白をした。

 

結果は見事に玉砕したが、まだまだ諦めてはおらず、なにかと協力を求められる

ある意味ガッツのある後輩だ

 

八幡「こんなところで油売るくらいなら、葉山を落とす策でも考えとけよ」

 

一色「もちろん、考えてますよ。でも葉山先輩は簡単にはOKを出してくれないんです

しっかりと準備をしてからじゃないと!」

 

八幡「準備ねぇ……」

 

俺は中学生の妹がいるが、最近一色もそいつと重ねてることが多い

いや、妹の方が100倍可愛いけどね!こいつは色々とあざといあざとい

 

ピト

 

ほら腕を絡めてきやがった こっちの反応を見て楽しんでるのだろう

中学の時の俺なら確実に「こいつ俺に気があるんじゃね?」ってなってた

あざとい、ホント一色はあざとい

 

八幡「それは、葉山を落とす作戦のひとつか…?」

 

一色「当たり前じゃないですか~。先輩で試してるんです。どうですか?

キュンと来てますか?」

 

八幡「き、きてねぇし…」

 

一色「挙動不審ですよ、先輩?目が泳いでますよ?」

 

一色はにやにやと笑いながら、俺に自分の顔を近づけてくる。

その表情は整った顔立ちと相まって、非常に男にとってよろしくない

百戦錬磨のモテない俺以外なら、落ちてた…落ちてた(大事なことなので)

 

八幡「とにかく、離れてくれ。暑苦しい」

 

一色「あ、照れなくてもいいじゃないですか~~~」

 

八幡「どこに照れる要素があったのよ…」

 

一色は顔をプク~と膨らませて抗議していた。お前はフグか…

毒があるという意味では案外間違いじゃないかもな

 

いたいけな男共を虜にする毒って意味だけど…

 

………

 

それにしてもさっきから周囲の目が気になる…俺たちを見てるみたいだけどな

 

一色「どうしたんですか?先輩」

 

一色は素が出てるというか、全く気付いてない様子。

まあ、こいつくらいのリア充なら周囲の目なんてほとんど気にならないだろうけどな

 

多分この目線はボッチの俺と、美少女生徒会長が一緒になって歩いてるから

出現したものだろう。

そういえば、生徒会の仕事で俺が一色を教室まで呼びに行った時も

こんな感じの視線を感じるな

 

(なんで生徒会長とあいつが?)

 

(あれ、誰よ?)

 

いろはすに彼氏なんていたのか?葉山先輩じゃねーの?)

 

(明らかにつり合いとれてないでしょーー)

 

なんか実際聞こえてくるわけじゃないのに、周りの連中の心の声が

響いてくるわ……

文化祭の件で校内一の悪者にされたが、あんなのはとっくに忘れ去られたはずなんだけどな…俺、存在感薄いし

 

ていうことはあれか、一色の存在感が強すぎるわけか…

 

八幡「急ぐか…」

 

一色「え?なんですか?」

 

俺は一色の返答を待たずして、足早にその場から歩きだした。

 

一色「あ、待ってくださいよせんぱ~い!」

 

絡めてた腕は振りほどかれたが、一色に振り替えることなく奉仕部の部室を

めざし、一目散に進んで行った

 

結果的に、一色が好機目にさらされるのも軽減できただろう。あ、別に一色の為とかじゃ断じてない。ただ、俺が居心地悪かっただけだ。ほんとに

 

 

奉仕部の部室に入ると結衣先輩と雪ノ下先輩がいて、先輩に対して詰め寄ってた

 

雪乃「遅かったわね比企谷君?どういうことかしら?」

 

八幡「どうって言われてもな…生徒会の仕事を手伝ってたら遅れた…」

 

結衣「ヒッキー…それ理由になんないよ…依頼を受けてるわけじゃないのに」

 

八幡「ま、そうなんだけどな」

 

雪ノ下先輩はともかく、結衣先輩も少しご機嫌斜めかな?私は先輩の後ろでいたずらっぽくやりとりを聞いてるだけなんだけどね

 

雪乃「遅れた原因は、あなたね?一色さん」

 

あちゃー矛先がこっちに来ちゃった…

 

一色「ごめんなさい……先輩をお借りしたことは事実です…」

 

雪乃「そう、認めるのね」

 

一色「はい」

 

雪乃「なら、同時に比企谷君がロリコンということも暴露されるわけね」

 

比企谷「まて雪ノ下…どういう意味だ?なんでロリコンて言葉が出てくるんだ?」

 

雪乃「後輩の色香に惑わされたのでしょう?立派なロリコンという証だわ」

 

比企谷「なんだその方程式は…なんですか?後輩の色香に惑わされたらそれだけで世の中はロリコンになるんですか?なら世の中の男子の多くはロリコンじゃねーか」

 

雪乃「事実でしょ」

 

結衣「ヒッキー…やっぱりロリコンなんだ…」

 

あ、結衣先輩が本当に悲しそうにしてる、これってめずらしい光景なんだよね☆

 

比企谷「由比ヶ浜、勝手に決めつけるなよ…あと、やっぱりってなんだ?俺、そんなロリコンが浸透してたの?」

 

一色「まあ、先輩はシスコンですし…」

 

八幡「おい…なんで俺、部室に入ってくるなり3方向から罵られなきゃいけないの?泣くよ?泣いちゃうよ?」

 

雪乃「あなたが泣いたら、それだけでセクハラになってしまうわ。私はとても直視できないと思うからやめて頂戴」

 

八幡「ていうか、この話もう辞めていいよな?あと俺は一色の色香に騙されてないからな」

 

あ、そこだけはちゃんと否定するんだ

先輩、強引に長机の端っこの所定の位置について、文庫本取り出した

本当に話し終わらせる気なんだ

 

雪乃「ところで一色さん?あなたはなぜここにいるのかしら?」

 

一色「えっと~もう私も部員みたいなものですし~」

 

雪乃「いえ、全く違うから」

 

結衣「まあまあ、ゆきのん。いろはちゃん、遅くなったけどやっはろー!」

 

来た!結衣先輩のいつもの挨拶!…でもこの挨拶少し恥ずかしいんだよね…

 

一色「えっと…や、やっはろーです!結衣先輩!」

 

雪乃「まったく……」

 

雪ノ下先輩も少し諦めてくれたみたいで、それ以上追及はしてこなかった、よかった…

 

結衣「でも、私達もあと1か月で3年生になるんだよね」

 

雪乃「そうね…早いものだわ」

 

八幡「……」

 

結衣「もうすぐ受験とかも始まっちゃうのか~」

 

雪乃「ええ」

 

結衣「そうなると、ヒッキーやゆきのんとも会う機会とかも減っちゃうのかな?」

 

雪乃「それは…」

 

八幡「そりゃそうだろ」

 

結衣「え……」

 

八幡「大学受験失敗するわけにはいかないしな…予備校とかも通うし、部活に行けないときもこれから増えてくるだろ」

 

結衣「う、うん…そうだよね……」

 

雪乃「………」

 

一色「先輩……」

 

八幡「でもよ…会おうと思えば簡単に会えるだろ?」

 

結衣「ヒッキー?」

 

八幡「別に毎回休むわけじゃねーし、家だって離れてるわけじゃなし、いざとなればどっかで待ち合わせしてだな……あ」

 

結衣「ヒッキー……!」

 

雪乃「……」クス

 

八幡「あ、いや……今のなし……無理だな…」

 

 先輩は自分の言ったことを今更ながら恥ずかしがってた

先輩らしくない答え?に意外性があるっていうか、ちょっと先輩が格好良く

見えた………かな?

 

 でも、照れてる先輩の表情はかなりキョドってる…うん、訂正

 

―――――――――

 

雪乃「それじゃあ、今日は終わりにしましょうか」ガタ

 

結衣「あ、うんそうだね」

 

 雪ノ下が促し、本日の奉仕部の活動が終わった。生徒会の仕事もあったから今日はいつもよりも大分早く終わった気がするな。当然だけどな

 

雪乃「では私は部室のカギを返して来るわ」

 

結衣「じゃあ、私も。一緒に帰ろ、ゆきのん!」

 

雪乃「え、ええ。構わないけれど」

 

 一緒に帰る…ね……さっきの由比ヶ浜の言葉が反復して俺の中で連呼される

あれ?これって俺も一緒に行った方がいいの?2人で帰るなら、俺も混ざって

 

 3人で帰るのが普通か?いや、そんなことして変質者とか言われたら、布団にはいって

悶絶したくなるし、いやでも……さっき恥ずかしい台詞言ってしまったし……

 

雪乃「比企谷君は、一色さんを送ってあげるのよ」

 

 と、色々考えてたら、雪ノ下からそんな言葉が出てきたよ…

 

一色「あれ~~?先輩お借りしていいんですか?」

 

雪乃「ええ、彼は所詮備品だもの。もう遅いし、あなたを送るのは彼の責務だわ」

 

なにが責務だ…しかも備品だし……もう人として見られてないよ八幡…

 

雪乃「でも、一色さんに何かしたら明日からあなたの目覚めは格子の中になってしまうわ」

 

結衣「ヒッキー、ホントに駄目だかんね?面会とか私嫌だよ?」

 

八幡「しねぇよ……」

 

なんで由比ヶ浜までそんな泣きそうな目線送ってくるんですか?俺そんな信用ない?

ふて腐れて、部室から先に出ようとした時

 

雪乃「比企谷君」

 

八幡「なんだよ?まだなんか…」

 

雪乃「会おうと思えば簡単…なんでしょ?」

 

 流麗な微笑で俺にそう言った。一瞬身体が硬直して思考が戻るまでに時間を要した

 

一色「せんぱ~~い」

 

 …つまりあれは、俺が部室のカギを返しに行く雪ノ下らに対して、俺も行った方が

いいのかという思考を巡らせていたことを雪ノ下自身に見抜かれていたのか

 

一色「先輩ってば~~聞いてるんですか~~?」

 

 しかも、「~~~いつでも会える」みたいに一般的に考えればちょっとかっこいい台詞

を言ってしまった手前、引き返せなくなってしまった俺を、あいつは静止してくれたわけだ……

 

一色「聞いてます~~?ねえ~~?」

 

 そして最後に、あのセリフだ…くそう、外見良い奴が言えばああも違うのか…

少し、いやかなり可愛いと思ってしまった…今夜は布団の中でもだえ苦しむな

 

一色「先輩!」

 

八幡「なんだよ?」

 

 振り向くと一色が、ぷく~~っとハリセンボンみたいに膨れてた

表情豊かな奴だな本当に…送ってるはずなのにすっかり忘れてたわ…

あとその顔は、俺じゃなかったら勘違いしちゃうから気をつけなさい

 

一色「さっきの雪ノ下先輩を思い出してるんですか?」

 

八幡「は?そんなわけねぇし」

 

一色「鼻の下伸びてますよ?」

 

八幡「……そんなわけねぇし…」

 

一色「あ、言動が弱くなりましたよ?」

 

八幡「…」

 

一色「もう~~、そんなことじゃ困りますよ~~~」

 

八幡「なんで?」

 

 げ…この言葉は完全に認めてしまってるじゃん!でも一色は

 

一色「先輩には私の恋が成就するように、手伝ってもらわないといけないんですから」

 

 と、まあそこには突っ込まなかった…一色は相変わらずだな…ていうか、やっぱり

まだ葉山のこと諦めてないんだな。やっぱガッツあるなこいつ

 

八幡「なに?やっぱ諦めてないんだな」

 

一色「ええ、もちろんですよ~~」

 

八幡「部室来る前に俺に試した、腕絡めるやつ、あれ葉山にも試すんだろ?」

 

一色「そのつもりなんですけど……葉山先輩はあんまり、ああいうスキンシップは慣れてないような気がしますし。照れた顔とか見れないかな~と…」

 

八幡「いや、難しいんじゃね?」

 

去年のあいつらとのテニスの試合を思い出していた。あの時俺勝ったのに空気だったんだよね…

 

一色「どうしてですか~~?」

 

八幡「あいつ三浦とくっついてるの見かけることあるし、慣れてないって印象はあんまないけどな……あと、陽乃さんもいるし…」

 

一色「三浦先輩か~~~う~~ん、強力なライバルが多いんですよね…」

 

三浦もそうだが、雪ノ下の姉もあいつを気にいってる。スキンシップ大好きだしなあの人…ていうか、すげー恐いよなあの人…

 

一色「う~~ん、時間かけて私をアピールするいかないんですかね…」

 

八幡「マネージャーで入ってアピールしてたんだろ?それ続けるのが一番早いかもな」

 

一色「でも、葉山先輩も引退しちゃいますし…」

 

 引退か…奉仕部も引退ってのがあるよな。どの部活でもそうなんだが…俺は雪ノ下に

言われた言葉を思い出していた

 

八幡「まあ、そんな遠くに住んでるわけじゃねぇし、その気になれば連絡とれるだろ?

デートとか誘えばいいじゃねぇか」

 

一色「………」

 

八幡「なに?」

 

一色「口説いてます?」

 

八幡「なんでそうなるんだよ……」

 

一色「なんでもないです、ていうかその言葉、雪ノ下先輩の受売りじゃないですか」

 

八幡「元々は俺の言葉だからいいんだよ」

 

一色「なんですかそれ?…でも参考にしておきます」

 

八幡「ん…」

 

 一色の奴、少し納得したのか?

というか、これからもこいつに振り回させるのかよ俺は…

 

――――――――――

 

 私と先輩は不思議な関係だ…こうやって二人して帰るときも葉山先輩の話題が

多かったりするし…

 

 普通女の子と帰ってるときに、他の男子の話題は嫌なんだと思ってたけど、先輩は

そんなことない様子。まあこれって私をそういう目では見てないってことなんだろうけど

 

 去年の生徒会長選挙の辺りから増えた私たちの関係。葉山先輩を落とす為に色々協力してもらったりしてたこの数か月…

 

 最初はただ利用してた先輩、でも少しづつ尊敬できる人だってわかってきたかな?

でもあくまでも協力関係…それ以上の進展はなさそう

というより、先輩には雪ノ下先輩がいるし…さっきのやりとりを見てて気づいたけどやっぱり二人の間には強力な信頼関係があるみたい。結衣先輩も大変かも…

 

 

 言葉に出さなくてもお互い分かってるみたいに受け取れるし……

 う~んこれって嫉妬かな?違うかな…きっと憧れ、葉山先輩とそういう関係になりたいっていう

 

 

八幡「一色、立ち止まってるなよ…置いてくぞ」

 

一色「あ、待ってくださいよせんぱ~~い!」

 

 

 先輩と雪ノ下先輩がくっつくのも時間の問題…私だって葉山先輩とそういう関係になってやるんだから!

 だからそれまで、いっぱい強力してもらいますからね!せんぱい☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

八幡「二人の距離……」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431925068/