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いろは「今夜は….わたしのなすがままになってください!」【俺ガイルss/アニメss】

 

いろは「ねえ、わたしがつくってもいいんですよ」

 

八幡「いや、今日はなんか作りたい気分なんだ」

 

金曜の夜、わたしはいつものようにせんぱいの家にお泊まりに来ていました。

 

いつもお泊まりのときには、わたしが夕ご飯を作っているんですけど、今日は珍しくせんぱいが作るといってきかないのです。

 

いろは「じゃあ、何か手伝います」

 

八幡「いいや、一色はくつろいでおいてくれ」

 

いろは「えー、なんかきょうはへんですよせんぱい」

 

八幡「じゃあ、もうすぐできるから机の上のもの、片しておいてくれ」

 

いろは「はーい」

 

 

八幡「よし、じゃあいただきます」

 

いろは「いただきます」

 

せんぱいが作ったのは、麻婆茄子とポテトサラダ、そしてオクラのみそ汁でした。

 

いろは「ん、おいしいですよこれ」

 

八幡「おおそうか、よかった」

 

いろは「ポテサラとか、意外に上手に作るの難しいのに、ジャガイモの食感とかしっかり残ってていいですね」

 

八幡「これで主夫に一歩近づいたな」

 

いろは「いや何言ってるんですかせんぱい、せんぱいにはちゃんと働いてもらいますからね。ただでさえ、いまどき二馬力じゃなきゃ子供育てるのだって大変なんですから」

 

八幡「いいや、一色が働いた金を元手に、俺がFXを極めて三倍くらいに増やせば問題はない」

 

いろは「は? 何馬鹿言ってるんですか同棲解消しますよ」

 

八幡「いやまず同棲してないし」

 

いろは「じゃあせんぱいはわたしと同棲したくないんですか」

 

八幡「それはしたいものはしたいが、現実問題、まだここもお前の家の家賃も親に出してもらってるわけだしな……」

 

いろは「じゃあ、大学出たらしてくれるんですか」

 

八幡「それはわからないが、第一、結婚の前に同棲するのって色々と賛否両論あるっていうだろ……」

 

いろは「じゃあ、結婚しましょ」

 

八幡「お前決断軽すぎだろ……」

 

いろは「だって、せんぱい以外、考えられませんし」

 

八幡「いやこの先何があるかなんてわからないからな……」

 

いろは「は? せんぱい浮気するんですか殺しますよ」

 

八幡「しねえよ……」

 

いろは「うーん、わかってはいるんですけど、たまに不安になるんですよね、確かなものがないと」

 

八幡「確かなもの、ね」

 

いろは「言い換えれば本物、ですかね」

 

八幡「いや黒歴史掘り返すのやめて……」

 

せんぱいは、少し困ったような顔をして、

 

八幡「……はっきりとしたことは言えないが、俺は一色のことを本当に大事に思ってるぞ」

 

不意打ちです。せんぱいの、不器用な愛情表現は、いつだって唐突なんです。

 

いろは「!……知ってますよ、そんなの」

 

顔が赤くなるのがわかって、それを隠したくて私はご飯に夢中になっているふりをします。

 

するとせんぱいはバツの悪そうな顔をしながら

 

八幡「あと、今日俺が料理作った理由だけどな」

 

いろは「はいはい、なんなんですか」

 

八幡「今日、一応月記念日なんだよ」

 

いろは「あ!本当だごめんなさい忘れてました」

 

八幡「いいや、俺も今日気づいたし、いつもは気にしないから何ともなんだけど、記念日と泊まりの日が被ることってあんまないから、なんとなく日頃の感謝の気持ち……みたいなものを伝えたくなってな」

 

いやまた不意打ちです。今日のせんぱいはほんとにどうかしてます。

 

いろは「……ありがとうございます。めちゃくちゃうれしいです」

 

八幡「おう、それならよかった」

 

いろは「ごちそうさまでした」

 

八幡「お粗末様でした」

 

いろは「ふふ、いつもと逆ですね」

 

八幡「これからもたまに作ってやるぞ」

 

いろは「お願いしますね、あでも、わたしよりはうまくならないでくださいね。私のアイデンティティなくなっちゃうんで」

 

八幡「いやそんなことはないぞ」

 

そういってせんぱいは食器をかたずけに流し台に持っていきます。

 

いろは「わたし、さすがにそれはやりますよ」

 

八幡「日頃の感謝、っていったろ、お前はくつろいでてくれって」

 

いろは「いやです絶対にわたしがやります、私だってせんぱいに伝えたい感謝の気持ち、いっぱいあります」

 

八幡「おう、そうか。じゃあまかせた」

 

そう言ってせんぱいはパソコンデスクに行こうとするので、

 

いろは「……」

 

八幡「……どうした、食器洗いは」

 

抱きついちゃいました。

 

いろは「うるさいです、急に思いついたんです。今はこういう形で感謝の気持ちを伝えることにしました」

 

八幡「……おう、そうか」

 

そういってせんぱいは頭をなでてくれます。

 

八幡「……まあ、なんだ」

 

八幡「一色からの気持ちは、毎週料理作ってもらったり、こうやって来てもらったりして十分伝わってるぞ」

 

いろは「やっぱり、せんぱいはずるいです」

 

せんぱいの胸板に頭を預けて、匂いをかぎます。

 

八幡「そうか?」

 

いつもの、柔軟剤なのかな、ほのかに甘い匂い。

 

いろは「こんなことされたらわたしだって何かしたくなるにきまってるじゃないですか」

 

大好きな人の、大好きな匂い。

 

八幡「何かって、そんな見返りなんて要らないぞ」

 

だからずっとかいでいたくなる。もっともっと感じていたくなります。

 

いろは「うるさいです、今からせんぱいはわたしのなすがままになってください」

 

からしかたありません。女の子はそういう生き物なのです。

 

八幡「なんだか不穏……」

 

チュッ

 

いろは「覚悟してくださいね」

 

今日のわたしは本気ですよ。

 

八幡「……おう」

 

 

いろは「今夜は、寝かしませんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

いろは「今夜は、寝かせませんよ」

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