アニメssリーディングパーク

おすすめSSを当ブログで再編集して読みやすく紹介! 引用・リンクフリーです

高木さん「私の家に来たかったってことでしょ?」 西片「なっ!ちが…」【からかい上手の高木さんss/アニメss】

 

《放課後 帰り道》 

 

西片「はぁ…おなか空いたなぁ…」グゥゥ 

 

西片(ごはん食べた後に体育があったからだ…だから後で駄菓子屋でお菓子を買おうと楽しみにしてたのに…高木さんのせいで!) 

 

西片「あーあ、早く家に着かないかな」 

 

高木さん「そんなにおなか空いてるの?なら…」 

 

高木さん「西片が勝負に負けたから私におごってくれた、このジュース飲む?」 

 

高木さん「少し飲んじゃったけどね、ほら」 

 

西片「いらないから!しかもわざわざ説明しなくていいから!」 

 

高木さん「ふーん。間接キス、気にしてるんだ」 

 

西片「気にしてない!」 

 

高木さん「あはは、ほんとかなー?」 

 

西片「高木さんめ…」 

 

高木さん「…あ、そうだ。西片は、りんごは好き?」 

 

西片「…りんご?」 

 

高木さん「うん、りんご」 

 

西片「なんで、りんご…はっ!?」 

 

西片(高木さん…オレに食べ物を連想させて、腹ペコで死にそうなオレをさらに苦しめるつもりか?) 

 

西片「りんごは…嫌いじゃないけど…?」 

 

西片(どうだ!?これがベストな選択なのか!?) 

 

高木さん「そっか」 

 

高木さん「実は、親戚からりんごをたくさんもらってさ。家族だけじゃ食べきれないから、よかったら、おすそわけしようかなって」 

 

西片「…ああ!そういうことか!なら、もらうよ」 

 

高木さん「ん。了解」 

 

西片(考えすぎだなぁ…高木さんもそこまで鬼ではないよな…) 

 

高木さん「じゃ、今度私の家に来てね」 

 

西片「わかっ…え?」 

 

高木さん「決まりね」 

 

西片「……へ?」 

 

西片「え、ちょっ…高木さん!?」 

 

高木さん「ん?どしたの西片?りんご、いらないの?」 

 

西片「そうじゃなくて!いや、高木さんの家って!」 

 

高木さん「西片、私にりんごを西片の家まで持っていかせるの?」 

 

西片「えっ、それは…」 

 

西片「で、でも!高木さんの家って、その…」 

 

高木さん「私は大丈夫だよ」 

 

西片「た、高木さんはいいかもしれないけどさ!」 

 

高木さん「…もしかして、家だからって私に何かするつもり?やらしー」 

 

西片「しないってば!」 

 

高木さん「それならいいじゃん。じゃあ、また今度ね」 

 

西片「…」

 

《約束の日》 

 

≪西片家≫ 

 

西片母「はいこれ、ちゃんと渡すのよ」 

 

西片「うん」 

 

西片母「失礼のないようにね」 

 

西片「わ、分かってるよ!」 

 

西片「いってきます!」 

 

西片母「いってらっしゃーい」 

 

西片「お母さん、紙袋いっぱいに色々積めてるな…」ガサガサ 

 

西片「あっ、高いからってオレに食べさせてくれなかったお菓子じゃないか!ずるいぞ…」 

 

西片「いつも遊ぶ高尾たちなら、お菓子なんて駄菓子で十分なのに…女子はまた違うのか?」 

 

西片「いいや、そんなことはないはずだ!高木さんはオレと駄菓子屋に行ったことだってあるだろ!」 

 

西片「高木さんだって…」 

 

西片『あの、これ…』 

 

高木さん母『あら、うれしいわ!』 

 

高木さん『うわ~…ありがとね、西片!』 

 

西片『いやー、それほどでも…』 

 

西片「…」 

 

西片「…喜んで、くれるかな…」 

 

西片「あー!友達の家に行くだけなのに、どうしてこんなにドキドキしないといけないんだ!」

 

≪高木さん家≫ 

 

西片「ふぅ…よし!」 

 

《ピンポーン》 

 

〔はーい、どなた?〕 

 

西片「えー…えっと…オレ…高木さんの…友達の…」 

 

西片(何おろおろしてるんだよオレ!怪しくないのに怪しく見えるだろ!) 

 

〔…ふふ〕 

 

西片「?」 

 

〔もしかしなくても、西片くん?〕 

 

西片「へっ?あ、そうです…」 

 

〔思った通り。鍵開いてるから、入っていいよー〕 

 

西片「は、はい!」 

 

西片「誰だろう…高木さんではなかったよな?」

 

西片「お、おじゃまします!」 

 

「いらっしゃい、西片くん」 

 

西片「あ、高木さ…ちがう!ごめんなさい!」 

 

西片(やばい!口調がそっくりだったから…) 

 

高木さん母「いえいえ。私が、その高木さんの母です」 

 

高木さん母「いつもうちの子がお世話になってます」 

 

西片「こちらこそ、どうも…」 

 

高木さん母「んー…あの子、まだ部屋にいるみたい。待っててね、呼んでくるから」 

 

西片「あ、あのー…」 

 

高木さん母「ん?」

 

西片(たしか…) 

 

西片「つまらないものですが、どうぞ!」 

 

西片(うん、言われた通りに渡せたぞ!) 

 

高木さん母「…あらあら」 

 

高木さん母「西片くん、つまらないものをくれる 

の?」 

 

西片「えっ!?いやいやいや!全然、つまらなくないですよ!?」 

 

西片「むしろオレが食べたいぐらいで…なんでもないです!」 

 

西片「あっ、と…とにかく、つまらなくないです!」 

 

西片(うう…!やってしまったのかオレ!?) 

 

高木さん母「…ぷっ」 

 

高木さん母「あははは!ごめんごめん、いじわるしちゃった」 

 

高木さん母「西片くんの反応が面白くって、私の悪いくせだなぁ」 

 

西片「なっ…」

 

高木さん母「あの子から聞いてた通り、からかいがいがあるなぁ、あはは」 

 

西片「高木さん!…の、お母さん」 

 

高木さん母「ごめんね、もうしないから。これ、ありがとうね」 

 

西片「いや、まあ…はい…」 

 

西片(まさか高木さんのお母さんまで、オレをからかってくるなんて~!) 

 

西片(高木さんからオレのことはどんな風に聞いてるんだろうか…) 

 

西片(だめだ、何をしても負ける気しかしない…) 

 

高木さん「あれっ、西片来てたの?」 

 

西片「え?」 

 

高木さん母「あ、来たみたいだね」 

 

西片「や、やあ高木さん」 

 

高木さん「西片、来るなら連絡してよね」 

 

西片「…してなかった?」 

 

高木さん「されてないよ?」 

 

高木さん「ベルが鳴ったから、もしかして…と思ったら西片だったの」 

 

西片「忘れてたんだ。ごめん、高木さん」 

 

高木さん「…いいけどね。西片がそれだけ私の家に来たかったってことでしょ?」 

 

西片「なっ!ちが…」 

 

西片(って言えるかー!高木さんの家に行くのに緊張してたから連絡するの忘れたなんて!) 

 

高木さん「違うのー?」 

 

西片「…ちがうよ…」ボソボソ 

 

高木さん「んー?」 

 

高木さん母「ふーん…」

 

西片「えっと、じゃあ…りんごを…」 

 

高木さん「遊んでいかないの?」 

 

西片「は!?」 

 

高木さん母「そーね、せっかく来てくれたんだし。美味しそうなお菓子までもらったのに、もてなさないわけにはいかないな」 

 

高木さん「さ、ゆっくりしていきなよ」 

 

西片「でも…」 

 

高木さん母「遠慮しないでいいから」 

 

西片「ええ…」 

 

西片(勘弁してくれ、休みの日までからかわれるなんて、オレが持たないぞ!) 

 

高木さん「へーきだよ、何もしないって」 

 

西片「説得力がまったくないんだけど!?しかもさらっと心読まないで!」 

 

西片「…分かったよ。遊ぼう、高木さん」 

 

西片(断るのも失礼だよな…) 

 

高木さん「…うん!」

 

《高木さんの部屋》 

 

西片「ふわぁ…」 

 

高木さん「ちょっと待ってね。準備してくるから」 

 

西片「あっ、どうぞ…」 

 

西片「…ソワソワする」 

 

西片「いや、どうせ待ったってからかわれるだけだ…じっとしてよう…」 

 

西片「…落ち着けるかぁ!!」 

 

高木さん母「なーに大声出してるのかなー?」 

 

西片「わああ!?」 

 

高木さん母「ふふ、驚きすぎだよ」 

 

高木さん母「はい、よかったら食べてね」 

 

西片「ありがとうございます…」 

 

西片「…?これって…」 

 

西片(オレが食べたかったやつだ!) 

 

高木さん母「西片くんが物欲しそうな顔してたからね。もらったものを返すようだけど、これは私からってことで」 

 

西片「いいんですか!?やった!」 

 

西片「おいしい!さすが、高いだけはあるなぁ!」モグモグ 

 

高木さん母「ん…悪いけど、もう少しそこで時間つぶしててね」 

 

西片「あむっ…はーい」 

 

高木さん母「さて…手伝ってくるかなー」 

 

西片「?」

 

《台所》 

 

高木さん「…出来た」 

 

高木さん母「ふんふん…いいんじゃない?後で持ってってあげなー。西片くん、待ってるよ」 

 

高木さん「…」 

 

高木さん母「片付けならしておくから、安心しなさい」 

 

高木さん「…ありがと、お母さん」 

 

高木さん母「! ふふ…どういたしまして」 

 

≪高木さんの部屋≫ 

 

西片「…やばい、食いすぎた」 

 

西片「高木さんを待ってたら、オレ一人で出されたお菓子をほとんど…」 

 

西片「誰のために持ってきたと思ってるんだよ…これじゃ、高木さんの分が…」 

 

西片「くっ…こうなれば、全部食べて何もなかったことに…」 

 

《コン コン》 

 

高木さん「西片ー?」 

 

西片「わっ、ちょっ…やあ、高木さん!!遅かったね!!待ちくたびれたなぁ!!」 

 

高木さん「…なるほど」 

 

高木さん「お菓子、食べちゃったんだ」 

 

西片「!?」 

 

高木さん「西片、私の分まで食べたの?」 

 

高木さん「おいしかった?」 

 

西片「その…」 

 

高木さん「私も食べたかったなぁ…」 

 

西片「あ、あるよ!ここに!残り一個だけど、食べなよ!」 

 

高木さん「いや、私はもういらないから」 

 

西片「ええ!?」 

 

高木さん「それよりほら、時間なくなるから、遊ぼう?」 

 

西片「あ、うん…」 

 

高木さん「…なんだ~」 

 

西片「へー…」 

 

西片(遊ぶとはいっても、外で遊ぶわけでもテレビゲームをするわけでもなく、オレたちが学校で話すようなとりとめのない会話をするだけだった) 

 

西片(好きな教科や先生はだれか、好きなスポーツは、好きなマンガは…等々。だらだら話していた割には、意外にも話は弾んだ) 

 

高木さん「次は私の番ね」 

 

西片「あははは、それはずるいよ高木さん!」 

 

西片(オレはいつも通り、高木さんにたくさんからかわれたのであった) 

 

西片(そして楽しかった時間は、あっという間に過ぎていった…) 

 

西片「じゃ、そろそろ帰るよ。りんごも持って帰らないといけないから」 

 

高木さん「…待って」 

 

西片「え?」 

 

高木さん「西片。帰る前に、勝負しない?」 

 

西片「勝負…?いいけど」 

 

高木さん「私、最近料理を覚え始めたんだよね」 

 

西片「あー、そんなこと言ってたね」 

 

高木さん「じゃあ私がなんで料理を始めたのか、当ててみてよ」 

 

西片「へ?料理を始めた理由ってこと?」

 

高木さん「そ。私が勝ったら西片の持ってるそのお菓子、もらうね」 

 

西片「別に勝負しなくたっていいのに…」 

 

高木さん「負けるの、こわいんだ」 

 

西片「む…!」 

 

高木さん「質問してもいいけど…時間制限あり、答えるチャンスは3回までね」 

 

西片「はっはっは…いいだろう。その勝負、受けてたとうじゃないか!」 

 

西片(楽勝だ…女子が料理を始める理由なんてそう多くない!すぐに見破って、高木さんをあっと言わせてやるぞ!) 

 

西片「ふっ…いつでもいいよ?」 

 

高木さん「なら…よーい、スタート!」 

 

西片(高木さん…今日の会話からオレはすでに!君から答えを得ているようなものなのさ!) 

 

高木さん『そういえば来週、家庭科の授業があるよね』 

 

西片『うっ…家庭科…』 

 

高木さん『西片、不器用だから大変だねぇ。この前の時間も…ははは』 

 

西片『やめてよ高木さん!…だいたい、家庭科が得意な男子のほうが少ないと思うけど…』 

 

高木さん『そうかな?』 

 

西片『そうだよ!』 

 

高木さん『でも西片、次の家庭科なら名誉挽回のチャンスだよ?』 

 

西片『…別にどうとも思ってないし…』 

 

高木さん『もったいないなー。だって、次の授業はたしか…』

 

西片「ズバリ!高木さんが料理を始めた理由は…」 

 

高木さん『たしか、調理実習だったから』 

 

西片「家庭科の調理実習のためだ!」 

 

西片(オレは料理の腕には、これっぽっちも自信はない…) 

 

西片(そこでオレに料理で勝負を挑み、からかうつもりだったのだろうが…甘い!) 

 

西片(確実にオレに勝てるというその油断から、オレへのヒントをポロリと口から出してしまったのさ!) 

 

西片「高木さん…自分からボロを出すとはねぇ!」 

 

西片(勝った…「ブブー」 

 

西片「え?」 

 

高木さん「ハズレ。西片、不正解」 

 

西片「な、ウソだ!そんなはずは…」 

 

高木さん「早く答えないと、時間なくなっちゃうよ?」 

 

西片「ぐっ…」 

 

高木さん「おやおやー?」 

 

西片(高木さんめ…考えろオレ!何かある…何か…) 

 

西片(…これだ!ひらめいたぞ!) 

 

西片「ふっふっふっ…」 

 

西片「ズバリ!高木さんが料理を始めた料理その二は…」

 

西片「そう…目的は調理実習が終わった後」 

 

西片「女子と!出来上がった料理を交換するためだろ!」 

 

西片(高尾が言っていた…女子はどんなものでも交換したがる生き物だと!) 

 

西片(…その言い方は失礼だな) 

 

西片(だが!あの高尾が言ったのなら間違いない!高木さんも女子だ!ならばこの条件には当てはまるはず!) 

 

西片「どうだ高木さん!当たってい「ブブー」 

 

西片「うそーん!?」 

 

高木さん「西片、さっきより離れて、もはやかすっすらないよ」 

 

西片「なんだって…」 

 

高木さん「チャンスは後一回…どうするの?西片」 

 

西片「どうするって言われても…」 

 

西片「高木さん、ひとつ聞いてもいい?」 

 

高木さん「いいよ」 

 

西片「高木さんは…料理、好きなの?」 

 

高木さん「…好きって言ったら?」 

 

西片「…」 

 

高木さん「言わせようとしてるのバレバレだよ、西片」 

 

西片「う…」

 

高木さん「そろそろ時間だよ、西片」 

 

西片「え、もう!?」 

 

高木さん「じゅー、きゅー…」 

 

西片「早いってば!えっと…」 

 

西片(思い浮かばない!しょうがない…一か八か、それっぽいのを…) 

高木さん「ごー、よーん…」 

 

西片「待った!」 

 

高木さん「おっ?」 

 

西片「ズバリ!高木さんが、料理を始めた理由その三は…」 

 

西片「料理するのが楽しいから?」 

 

高木さん「…」

 

高木さん「うーん…」 

 

西片「…当たってた?」 

 

高木さん「ハズレってほどではないけど…」 

 

高木さん「西片、答えがおおざっぱだね」 

 

西片「それは…まあ、そうだね」 

 

西片「いいよ、オレの負けで。はっきり言って、理由は全然分からなかったから。はい、これ」 

 

高木さん「そっか。なら、遠慮なく…」 

 

西片(負けてもお菓子あげるだけだし…というか、元々これは高木さんの家にあげるものであって…) 

 

高木さん「…」 

 

西片「食べないの?」 

 

高木さん「ねえ、西片」 

 

西片「?」 

 

ーーーーーーー 

ーーーーー 

ーーー 

 

西片「…おじゃましました」 

 

高木さん母「あらら、もう帰るの?よければだけど、ごはん食べていかない?」 

 

西片「あっ、遅くなると親に怒られるので…」 

 

高木さん母「そう…」 

 

西片「…じゃあ、これで」 

 

高木さん母「えっ?」 

 

高木さん「西片?りんご、忘れてるよ」 

 

西片「へ?」 

 

高木さん「あはは、何のためにここに来たの」 

 

高木さん母「こーら、そんなこと言わないの」 

 

高木さん母「ダンボールごとは重いだろうから、一応、袋には入れておいたよ」 

 

高木さん母「でも多すぎるかな…これぐらいにして。どうぞ。西片くん、持てる?」 

 

西片「大丈夫です。も、持てます」 

 

高木さん「無理しないほうがいいよ?」 

 

西片「平気平気…」 

 

高木さん「これより少しだけ、荷物が増えるから」 

 

高木さん母「…くすっ」 

 

西片「へっ?」

 

高木さん母「おまたせー。ほら、どーぞ」 

 

高木さん「ありがとう。西片、これあげる」 

 

西片「え…?」 

 

高木さん「こわがらなくても、変なものじゃないって」 

 

西片「うん、いい匂いがする。それに、きれいにラッピングまでされてるけど…これをオレに?」 

 

高木さん「お母さんにも手伝ってもらったけど…」 

 

高木さん「それ、私が作ったんだよ」 

 

西片「ほんとに!?すごい…」 

 

高木さん母「ええっと…遊んでくれたお礼、でいいのかなー?」 

 

高木さん「そんな感じかなー」 

 

西片「お礼だなんて!オレ何もしてないのに…」 

 

高木さん母「いいのいいの。細かいことは気にしない」 

 

西片「はぁ…」

 

高木さん「西片」 

 

西片「何?高木さん」 

 

高木さん「後で感想、聞かせてね?」 

 

西片「感想って…」 

 

高木さん「西片の口に合ったらいいけど…」 

 

高木さん「おいしいって言ってくれたら、うれしいな」 

 

西片「!!」 

 

西片「ななっ!なっ……あっ…ああいやぁ…その…」 

 

西片「おおお、おじゃましましたぁ!またね、高木さん!!」 

 

高木さん母「あ、ちょっと…!」 

 

高木さん母「…西片くんに何か言ったの?」 

 

高木さん「べつにー?」 

 

高木さん母「ふーん…ま、いいや」 

 

高木さん母「…ちゃんと、渡せてよかったね」 

 

高木さん「…うん」 

 

《西片家》 

 

西片「ただいま…」 

 

西片母「おかえりなさい。どうだった?」 

 

西片「どうだったって…いいじゃんそんなこと!ほら、りんご!」 

 

西片母「なんだって焦ってるのよあんた…」 

 

西片母「おお、立派なりんごだねえ…食べるのが楽しみだわ」 

 

西片母「…あれ?それ、りんごじゃないみたいだけど…何?」 

 

西片「気にしないでください…気にしないでください!」 

 

西片母「変ね…風邪でももらった?顔真っ赤じゃない」 

 

西片「いや…もらったのは…」 

 

西片「って、なんでもない!オレ部屋にいるから、ごはんになったら呼んで!」 

 

西片母「…?」

 

《西片の部屋》 

 

西片「ぐぅ…また、高木さんにからかわれた!」 

 

西片「なんだか、二倍疲れた気分だ…」 

 

西片「そういえば高木さん、いったい何を作ったんだ?開けてみよっと」 

 

西片「!」 

 

西片「これは…アップルパイだ…」 

 

西片「そうか、りんごが余ったから…減らすつもりで作ったんだろうな…」 

 

西片「…ふっ、悲しくない、悲しくないよ。分かってたことじゃないか。むしろ食べてあげないと損ってもんさ…」 

 

西片「いただきます」 

 

西片「…む、おいしい!お店のやつみたいだ!」 

 

西片「手伝ってもらったらしいけど、ほとんど高木さんが作ってたのかな」 

 

西片「だとしたら高木さん、料理うまいなあ…」 

 

西片「後でお礼を…」 

 

高木さん『感想、聞かせてね』 

 

西片「ぐ…!」 

 

西片「高木さんが、あんなこと言わなければ…オレも素直に言えるというのに…」 

 

西片「高木さんめーーー!」

 

ーーー 

ーーーーー 

ーーーーーーー 

 

高木さん『ねえ、西片』 

 

西片『?』 

 

高木さん『私が料理を始めた理由、教えてあげよっか』 

 

西片『なんで?オレ、勝負には負けたじゃんか』 

 

高木さん『いいから。私が勝手にしゃべるだけ』 

 

西片『ズルにはならない?』 

 

高木さん『ならないよ』 

 

西片『なら…』 

 

高木さん『さて、たしかに西片の言ってる料理が楽しいからってのは間違いではありません』 

 

高木さん『でも、一番の理由はね…』

 

高木さん『好きな人に、おいしいって言ってもらうためだよ』

 

西片『……そ、そうなのかー…』 

 

高木さん『でも、西片の答えもハズレじゃないって言ったのはほんとだよ?』 

 

高木さん『私の料理をおいしいって言ってくれた人の顔を考えながら作るの、楽しいもん』 

 

西片『ふ、ふーん……』 

 

高木さん『西片はどう思う?』 

 

西片『え……』 

 

高木さん『私の、料理始めた理由』 

 

西片『いいんじゃ…ないかな…』 

 

高木さん『…そっか』 

 

西片『……』 

 

高木さん『顔、赤いよ?』 

 

西片『暑いの!!』 

 

西片「ここで素直においしいと答えるのは…」 

 

西片「またからかわれる気が…」 

 

西片「でも、オレに作ってくれたんだし…」 

 

西片「…口で言うのは無理だ。せめてメールで…」 

 

 

(You've Got Mail) 

 

西片「はっ!?」 

 

西片「ウソだろ…高木さんからだ…」 

 

高木さん[もう食べたころかな?どう?おいしかった?] 

 

西片「読まれてる…これはもうしかたがない」 

 

[おいしかったよ。ありがとう]西片 

 

高木さん[そっか] 

 

西片「…おいしいって言うだけなのに…」 

 

西片「恥ずかしい…オレが意識しすぎなんだけど…頼む、終わってくれ!!」 

 

高木さん[あのお菓子と、どっちがおいしかった ?] 

 

西片「勘弁してよぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

「りんご」

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523234092/

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

[完成品フィギュア] 1/7 からかい上手の高木さん 高木さん
価格:14904円(税込、送料別) (2019/3/11時点)

楽天で購入