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真涼「ねえ?久々のキスだったけど…どうだった?」【俺修羅ss/アニメss】

 

真涼「最近の鋭太は色々とおかしいわ」 

 

鋭太「そうか?」 

 

真涼「手を繋いでくれないし、抱きしめようとすると避けるし、キスをしようと目を閉じると逃げるわよね?」 

 

真涼「私はあなたの偽彼女(フェイク)なのよ!彼女の演技が必要なのよ!?」 

 

鋭太「いや、過剰な演技だろう」 

 

真涼「これではとても本物に見えないわ!」 

 

鋭太「わかったよ。『抱きつく』と『キス』は置いておいて、手ぐらい握ってやるよ」 

 

真涼「…本当に?」 

 

鋭太「ああ。最近付き合いが悪かったし、そのくらいは…」 

 

真涼「も、もう!こんな人が多い所で『手を繋ごう』だなんて…キャッ♪鋭太ったら大胆なのね」 

 

鋭太「おい!!!」 

 

真涼「で、でも、鋭太がそこまで言うなら…」 

 

鋭太「やっぱりいいよ。お前がそこまで言うなら繋がない」 

 

真涼「………………………………………………………え?」 

 

鋭太「だって、人が多い所は嫌なんだろう?」 

 

真涼「いえ、そういうわけじゃ。それに人前で繋いだ方が盛り上がって…」 

 

ギュウ 

 

真涼「え?」 

 

鋭太「繋いで欲しいなら繋げって、はっきり言わないとわからないんだよ」 

 

鋭太「何せお前が初めての彼女だからな」 

 

真涼「…」 

 

鋭太「真涼?」 

 

真涼「ふふっ。そうよね。私って鋭太の初めてだものね」 

 

真涼「あの子より出会ったのは遅くても私が初めてなのよね」 

 

鋭太「…ん?」 

 

真涼「まったく鋭太ったら偽彼氏(フェイク)のくせに、本物以上に手がかかるのね?」 

 

鋭太「何言ってんだか。本物の彼氏を知らない癖に」 

 

真涼「ええそうよ。だって私にとってもあなたが初めてなんだもの」 

 

鋭太「そうかよ」 

 

真涼「…嬉しい?」 

 

鋭太「べ、べっつにー」 

 

真涼「ふふふふ」 

 

鋭太「なんだよ」 

 

真涼「ねえ、鋭太?」 

 

鋭太「ん?」 

 

真涼「私はもっともっと本物より本物らしくなるように頑張るわ。だから鋭太も頑張りなさいよ?」 

 

鋭太「ああ。俺も今の関係を壊したくないからな…頑張るよ」 

 

真涼「ええ。ずっと一緒に頑張るのよ?」 

 

鋭太「ずっとじゃなくて、三年間な」 

 

真涼「約束よ?」 

 

鋭太「ああ。絶対な約束だ」 

 

真涼「うふふふ♪鋭太と約束しちゃったわ」スリスリ 

 

鋭太(最近のこいつはおかしいが…) 

 

鋭太(悪い気分じゃないし、三年間は一緒にいてやるよ) 

 

真涼「えーいたっ♪えーいたっ♪」スリスリ 

 

鋭太「ぐぅっ」 

 

真涼「あら?顔真っ赤になったわよ?…ははん。いやらしい、妊娠させるつもりね?」 

 

鋭太「ちげーよ!」 

 

鋭太(まったく、可愛い彼女を持つと大変だぜ!) 

 

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真涼「問題です」鋭太「おう」 

 

真涼「さあ。今から部活を開始します!」 

 

 

真涼「…って、あら?今日は鋭太一人?」 

 

鋭太「ああ。みんな用事だとよ。俺はここで勉強をしていたんだ」 

 

真涼「どう?テスト勉強は進んでいるのかしら?」 

 

鋭太「ああ。お陰さまでな」 

 

真涼「では、親切な彼女が問題を出してあげます」 

 

鋭太「おう。何でもいいぜ!」 

 

………………………………………………… 

 

真涼「これで10問目が終了ね。どう勉強になってるかしら?」 

 

鋭太「ああ。お前、ひっかけ問題を出すのが上手いよな。すっごく勉強になるよ」 

 

真涼「ええ。私、性格がひねくれてるので」 

 

鋭太「おい!俺はそこまで言ってないよな!?」 

 

真涼「では、最後の問題行きます」 

 

鋭太「…おう」 

 

真涼「季堂鋭太くんがキスをしたそうに、夏川真涼さんをジッと見ていました」 

 

鋭太「おい」 

 

真涼「さて問題です。キスを反対から読むと?」 

 

鋭太「…………………………………………………………………………はぁ?」 

 

真涼「き、『きす』って単語を反対から言って」 

 

鋭太「リピートすんな!ちゃんと聞こえているから!」 

 

真涼「ほら早く答えなさいよ。最後の問題くらいバーンと答えなさい」 

 

鋭太「頬を真っ赤っかにして、何を言ってるんだか」 

 

真涼「は、はあ?なんで私が『キスの反対』ごときに…あんなのただの言葉じゃない」 

 

鋭太「じゃあ、別に言わなくてもいいな」 

 

真涼「な、なんでそうなるのかしら?意味がわからないわ」 

 

鋭太「やだ。帰る。じゃあな」 

 

ギュウウウ 

 

真涼「ほ、ほら、早く言わないと後悔することになるわよ!」 

 

鋭太「って、腕にしがみつくな!」 

 

真涼「何を言ってるの?帰るんでしょ?私も帰るわ」 

 

鋭太「そうかよ…」 

 

真涼「ええそうよ」 

 

鋭太「…」 

 

真涼「…」 

 

スタスタ 

 

鋭太「…不機嫌だな?」 

 

真涼「ええ。鋭太がヘタレだったと再認識させられたせいで」 

 

鋭太「はぁ~」 

 

真涼「あら?文句でもあるのかしら?ヘタレ太くん?」 

 

鋭太「それは無理矢理すぎるぞ!」 

 

真涼「ああそれとも鈍太くんの方がよかったかしら?」 

 

鋭太「良いわけないだろ!バーカバーカ!」 

 

真涼「じゃあ、C太くんで。あら?ラピュタに登場しそうね」 

 

鋭太「そんな訳のわからない所もひっくるめて、全部が好きだよバーカバーカ!」 

 

真涼「っ//」 

 

ガクッ 

 

鋭太「真涼!?」 

 

真涼「あっ…その…腰が抜けちゃって…」 

 

鋭太「大丈夫か!?」 

 

真涼「その…あの…もう一回言って?」 

 

鋭太「へ?」 

 

真涼「だから、その…『キス』の反対を」 

 

鋭太「……2回は言わん」 

 

真涼「言わないと動けません」 

 

鋭太「いや…動けるだろう」 

 

真涼「言わないと動きません」 

 

鋭太「はいはい。好きですよ。真涼さんのフェイクじゃなくて本物の笑顔とかさ」 

 

カチッ 

 

鋭太「…ん?」 

 

真涼「ふふふ。携帯って便利ね…録音できるんだから」 

 

鋭太「なっ!?」 

 

真涼「さあ。帰りましょう。恋人らしく手を繋いでね」 

 

鋭太「おい!何に使うつもりだよ!?」 

 

真涼「いえ、憎っくき幼なじみさんや恋愛脳さんにちょっと…」 

 

鋭太「なに!?」 

 

真涼「冗談よ。本当は寂しい時にこれを聞こうと思って」 

 

鋭太「な、なんだと!?」 

 

真涼「あら?顔真っ赤っかよ?いやらしい事を考えたわね?思わず妊娠しそうになったわ」 

 

鋭太「するわけねーだろバーカバーカ!」 

 

鋭太(その日の夜、真涼から『好きよ鋭太』って、一言だけの音声が写メに添付されて送られてきた) 

 

鋭太(大切に保存なんかしてないぞ!本当なんだからなっ!) 

 

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姫香「エイタ相談がある」 

 

鋭太「ん?何かあったのか?」 

 

姫香「うん。実は昨日、マナに告白された」 

 

鋭太「なんだと!?」 

 

鋭太「あいつ、いつも男に囲まれてるくせに彼氏いないし」 

 

鋭太「しかも、地味にお姉ちゃん大好きだし、ヒメといると本当に楽しそうだし」 

 

鋭太「色々とおかしいと思っていたら、やっぱりそっちの気があったのか!」 

 

姫香「エ、エイタ?」 

 

鋭太「いや、待てよ…でも、夏休みの時にBL本を顔真っ赤にして読んでたよな…」 

 

鋭太「あれはどういう事なんだろう…?」 

 

鋭太「そうか!あれを女同士に置き換えて妄想していたのか!やるなあいつ!」 

 

バシッ 

 

鋭太「痛ってな!誰だコラァ!」 

 

真涼「まったく、人の妹で何を考えてるんだか」 

 

鋭太「真涼!?」 

 

姫香「さすが会長。エイタの暴走を止められるのは、悔しいけど現世の恋人だけ」 

 

真涼「それで、どうかしたんですか?」 

 

姫香「マナに『自転車に乗れない』と告白された」 

 

鋭太「…へ?」 

 

真涼「なるほど」 

 

鋭太「ああ、はい…」 

 

姫香「それで練習に付き合って欲しいと頼まれ…」 

 

姫香「しまった。これは誰にも話してはいけないとマナに頼まれたんだった」 

 

真涼「真那は無駄にプライドが高いですからね。無駄に」 

 

鋭太(いや、お前も高いよな。無駄に) 

 

真涼「鋭太くん?後で体育館の裏で少しお話がありますので」 

 

鋭太「お願いだから、心を読まないでよ!真涼さん!」 

 

真涼「鋭太くんの事は置いておいて。秋篠さん大丈夫よ。私と鋭太くんは口が堅いですから」 

 

姫香「ありがとう。わたしのミスで二人に迷惑をかけてしまって」 

 

鋭太「このくらい迷惑でも何でもないぞ」 

 

真涼「せっかくですので、練習方法を秋篠さんに伝授しましょう。鋭太くんが」 

 

姫香「エイタが?嬉しい。どうやったらのれるようになる?」 

 

鋭太「え?俺が?というか、お前たちが乗る練習をやった時の話をすればいいんじゃないか?」 

 

真涼「何を言ってるのかしら?」 

 

鋭太「ん?」 

 

真涼「私にはタクシーという文明の機器がありますので、自転車は必要ありません」 

 

姫香「わたしはBUSがあるから自転車はいらない」 

 

鋭太「おい!お前ら乗れないのか!?」 

 

真涼「違います。乗れないんじゃなくて、乗る必要がないんです」 

 

姫香「同意」 

 

鋭太「…はぁ…」 

 

………………………………………… 

 

鋭太「うちの自転車を持ってきたぞ」 

 

姫香「エイタ。さっそく運転席にのって?」 

 

鋭太「ん?…ああ。手本を見せてやるよ」 

 

鋭太「って、何でヒメが後ろに乗ってるんだ!?」 

 

姫香「行こう鋭太。早く風を感じたい」 

 

鋭太(そうか、乗ったことがないから…まぁ、いいか) 

 

チャリンチャリン 

 

姫香「気持ちいい」 

 

鋭太「しっかり捕まってろよ!スピード出すからな!」 

 

姫香「っ」 

 

ギュウウウウウ 

 

鋭太「ひ、ヒメ!?」 

 

姫香「お、落ちそう。怖い」 

 

キキッー 

 

鋭太「だ、大丈夫か?」 

 

姫香「もっと走って…もっとエイタをギュっとしたい」 

 

鋭太「おい、離せ!」 

 

真涼「うふふふふふふ。二人で何を楽しんでいるのかしらね?しかも彼女の目の前で?」 

 

鋭太「いや違う!これはヒメが勝手に!」 

 

真涼「でも、顔はちょっぴり嬉しそうよ?」 

 

鋭太「そりゃそうだろ!とても柔らかいものが背中に…って、何を言ってるんだ俺は!?」 

 

真涼「うふふふふふふふふふふふふ」 

 

鋭太「す、すいません!!!」 

 

真涼「鋭太くんはあとでお仕置きするとして…」 

 

真涼「秋篠さん?いつまで捕まってるんですか?」ゴゴゴゴゴゴゴ 

 

姫香「たくさんギュっとできた…気持いい…もっとしていい?」 

 

真涼「いいわけないでしょう!?ほら早く離れなさい!」 

 

姫香「…残念」 

 

真涼「それで、自転車に乗れた感想はどうでした?」 

 

姫香「怖かったけど、気持ちよかった」 

 

真涼「では、それを真那に伝えてみてください」 

 

姫香「え?気持ちよかったを?」 

 

真涼「ええ。特に『二人で乗る』のは気持ち良かったを」 

 

姫香「わかった」 

 

真涼「善は急げと言いますし。今からメールしてみては?」 

 

姫香「ううん。今からマナとアルドラを一緒に読む予定だから」 

 

真涼「では、その時に二人で乗る自転車は楽しいを伝えてください」 

 

姫香「肯定」 

 

鋭太「…」 

 

姫香「マナとの約束の時が近い…エイタ、会長。今日はありがとう」 

 

真涼「ええ。また学校で」 

 

鋭太「おう。自転車頑張れよ」 

 

真涼「行ったわね…」 

 

鋭太「ところでさ」 

 

真涼「どうしたのかしら?」 

 

鋭太「あいつって自転車に乗るために、かなり努力してたぞ?それで乗れないなら中々難しいんじゃないか?」 

 

真涼「あら?『あいつ』って真那の事かしら?いつの間にそんな仲良しになったのかしら?」 

 

鋭太「うっせえ」 

 

真涼「もともと真那は努力型よ。天才じゃないわ」 

 

鋭太「へぇ~」 

 

真涼「でも、まだまだ努力が足りないんでしょうね」 

 

真涼「だから、初めての一番の親友の秋篠さんと、一緒に乗るって目標ができれば…」 

 

真涼「きっと…」 

 

鋭太「ふーん。お前、真那と仲悪そうだけど、なんだかんだ言ってお姉ちゃんなんだな」 

 

真涼「うるさいわよ。ほらもう帰るわよ」 

 

鋭太「はいはい」 

 

真涼「何をしてるの?」 

 

鋭太「え?自転車を押して帰ろうとしてるんだけど?」 

 

真涼「自転車は乗って帰るもんでしょう?」 

 

鋭太「でも、一つしかないし。お前を一人で帰すのもな」 

 

真涼「そういう事を言ってるんじゃないわよ」 

 

鋭太「ん?じゃあ何だ?」 

 

真涼「ほ、ほら…あれよ…あれ…あなたと秋篠さんがやった」 

 

鋭太「ん?」 

 

ボスッ 

 

鋭太「え?なんで後ろに乗ってんの? 

 

真涼「もうっ鈍感ね!ほら前に乗って運転しなさい」 

 

鋭太「あ、ああ」 

 

チャリンチャリン 

 

ギュウウ 

 

真涼「うふふふ♪」 

 

鋭太「おい!あまり抱きつくなよ!運転しにくいだろ!」 

 

真涼「ふふふふふ♪」スリスリ 

 

鋭太(気持ちいいな…って、違う!気持ちいいけど!) 

 

鋭太(そうだ!俺はなんでこんな恋愛脳みたいな事を!) 

 

真涼「鋭太?」 

 

鋭太「なんだよ?」 

 

真涼「さあ、このまま遠くまで行くわよ!」 

 

鋭太「はあ?いやに決まってるだろ」 

 

真涼「たまには遠くの公園に行って、恋愛脳狩りをするわよ!」 

 

鋭太「はぁ~…わかったよ。行けばいいんだろう。行けば」 

 

真涼「もにょもにょ~♪」スリスリ 

 

鋭太「っ!?」 

 

鋭太(この後、公園に行ったら子供しかいなくて、子供たちにバカップル扱いされて) 

 

鋭太(真涼が怒りのあまり顔を真っ赤にして、二人で帰ったのは別の話だ) 

 

鋭太(ところで真那は、すぐに自転車に乗れるようになって) 

 

鋭太(毎週末は姫香と自転車に二人乗りで、買い物に行くようになったらしい) 

 

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愛衣「いい作戦を思いついたわ!」

 

鋭太「そうか」 

 

愛衣「みんなに嫌われちゃえばいいのよ!」 

 

鋭太「え?なんで?」 

 

愛衣「卒業式の時に、みんなに結婚したのを発表するでしょう?」 

 

鋭太「しねーけどな」 

 

愛衣「でも、いきなりだと、千和やヒメちゃんを傷つけることになると思うの」 

 

鋭太「ああ。でも失敗してるんだよな。嫌われる作戦は」 

 

愛衣「タッくんは甘いのよ!愛衣ちゃんがとっておきの技を伝授してあげる!将来のお嫁さんの私が!」 

 

鋭太「おい!最後に何を付け加えてるんだよ!」 

 

愛衣「それでね」 

 

愛衣「雑誌やネットでどんな男がモテルか調べたの」 

 

鋭太「へぇ~」 

 

愛衣「それで、モテル男の共通点として!『好きな女性』にだけ優しくする!」 

 

鋭太「ん?」 

 

愛衣「みんなに優しい男はモテにくいんだって」 

 

鋭太「なんで?優しい方がいいじゃん」 

 

愛衣「まったくタッくんは女がわかってないわね」 

 

愛衣「女は独占欲が高いのよ!私にだけ優しくしてほしいの!『私だけ特別』にして欲しいの!」 

 

鋭太「そ、そうなの?」 

 

愛衣「うん。みんなに優しい男は『あの人は私には興味ないんだ』って、評価が落ちやすいのよ」 

 

鋭太「へぇ~…ん?で、俺は何をするんだ?」 

 

愛衣「千和やヒメちゃんに優しくするのよ!」 

 

鋭太「なるほど、それで『私は特別じゃないんだ』を演出するわけか!」 

 

愛衣「さすがタッくん!のみ込みが早いわね!」 

 

鋭太「あれ?真涼は?」 

 

愛衣「ああ。夏川さんはどうせ高校三年間の彼女でしょ?別にどうでもいいわ」 

 

鋭太「…え?」 

 

愛衣「さあ、まずは千和の所に行くわよ!」 

 

鋭太「あ、ああ」 

 

千和「う~ん…最近慣れない事してて肩が…」 

 

鋭太「揉んでやろうか?」 

 

千和「えーくん!?」 

 

鋭太「最近、勉強に、中学の剣道部の面倒を見てて。後、料理を頑張ってるんだろう?」 

 

千和「え?え?何で知ってるの?」 

 

鋭太「これでも付き合いが一番長いしな」 

 

千和「え、えへへ。そっかー。えーくん、あたしの事ちゃんと見ててくれてるんだ…」 

 

鋭太「当たり前さ。ほら肩こってるんだろ?揉んでやるよ」 

 

千和「べ、別にいいよ」 

 

鋭太「大丈夫。最近、肩の揉み方の勉強もしててさ…本当は腰を揉んでやりたいけど。それはもっと勉強してからな」 

 

千和「う、うん。そういうのは大人になってからがいいよね!」 

 

鋭太「え?ん?…何か別の事を考えてないか?」 

 

千和「いいから!ほら、揉んでくれるんでしょっ!?早く早くぅ!」 

 

鋭太「おう!」 

 

 

 

鋭太「よし!終わりだ!」 

 

千和「軽くなった気がするっ♪ありがと。えーくん」 

 

鋭太(よし!いい雰囲気だ。ここで冬海に伝授されたあの言葉を!) 

 

鋭太「ああ。俺は誰にでも優しいからな」 

 

千和「うん。知ってるよ。でもえーくんが肩を揉んだのは、あたしが最初だよね?」 

 

鋭太「ああ。あたりまえだ」 

 

ダキッ 

 

千和「ありがと!えーくん、愛してる愛してるっ!」 

 

鋭太「お、おい」 

 

愛衣(ぐぬぬぬぬぬぬ) 

 

 

 

姫香「エイタ、ギュッとして」 

 

鋭太「ああ。どれだけでもギュッとしてやるよ」 

 

 

ギュウウウウウウウウウウウウ 

 

姫香「エイタ…今日は激しい//」 

 

鋭太(よし!いい雰囲気だ。ここで冬海に伝授されたあの言葉を!) 

 

鋭太「ああ。俺は誰にでも優しいからな」 

 

姫香「嬉しい。みんなに優しくて、みんなのヒーローのエイタ大好き」 

 

ギュウウウウウウウウウウウウ 

 

鋭太「え?あれ?」 

 

姫香「エイタ♪エイタ♪」くんかくんか 

 

愛衣(あああああああああ!?) 

 

愛衣(愛衣ちゃんミステイク?ミステイク!?) 

 

 

 

愛衣「…」ブスー 

 

鋭太「え、えーと…大失敗だな」 

 

愛衣「…やさしくして」 

 

鋭太「え?」 

 

愛衣「愛衣ちゃんにもやさしくして!」 

 

鋭太「別にあーちゃんには優しくする必要ないだろ?」 

 

愛衣「え?」 

 

鋭太「別に嫌われる必要ないしさ」 

 

愛衣「え?え?え!?」 

 

鋭太「あーちゃんとは一緒に勉強したりしたいしさ。苦手な科目とか教えて…」 

 

愛衣「私は特別って事!?みんなには優しくて『私だけ』は優しくしないって事!?」 

 

鋭太「え?違う!違うぞ!あーちゃん!」 

 

愛衣「あああん♪もうっ!愛衣ちゃん大勝利ぃぃぃぃっ♪」 

 

鋭太「おい!!」 

 

愛衣「そうよね!私は特別だもんね!優しくしてくれなくても愛衣ちゃんはタッくん一筋だしっ!」 

 

鋭太「優しくしてくれないって、それでいいのか!?」 

 

愛衣「それじゃあ愛衣ちゃん、おそとはしってくるね♪」 

 

鋭太「あーちゃん!俺の話を聞いてくれえええええぇぇぇ!」 

 

ダダダダダダダダダダダダダダダ 

 

鋭太「…」 

 

鋭太「今度からもうちょっと優しくしてやるか」

 

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真涼「トモダチコレクションというゲームを買ってきたわ」

 

鋭太「へぇ~」 

 

真涼「このゲームで、乙女の会の皆のキャラを作成して、シミュレーションを楽しみましょう」 

 

真涼「そうね。作るのは…私、鋭太、春咲さん、秋篠さん、冬海さん」 

 

真涼「…」 

 

真涼「5人は少ないわね…そうね。ついでに男の遊井くん、ついでに妹の真那を作成しましょう」 

 

…………… 

 

真涼「へぇ~、変なキャラが作れるのね…」 

 

真涼「ププッ。さすがに冬海さんのようなピンク髪は作れないのね」 

 

真涼「性格は質問形式ね…大雑把な質問のようだけど、結構マトを得たものが作れるわね」 

 

真涼「鋭太はドライ系バッサリ型…我が道を突っ走るタイプ。他人の言うことを気にせず、すばやく行動する。デキるヤツ」 

 

真涼「ははあ。ちょっと鋭太にしては良い評価ね」 

 

真涼「…」 

 

真涼「私のキャラもまったく同じ性格になるように作成しましょう」 

 

真涼「性格はこんな感じになったわ」 

 

ちわ『元気のかたまりタイプ。思いつきで何でもやる。何かやりだしたら誰にも止められない』 

 

ヒメ『人に気を使うタイプ。みんなで仲良くすることが第一。人を疑わないので騙されないように』 

 

あい『強気にがんばるタイプ。目標が高ければ高いほど燃える。少しおっちょこちょいな面も…』 

 

カオル『我慢強い。自分より他人を大切にし、争い事は避ける。でも、我慢しすぎて爆発することも…』 

 

マナ『厳しいリーダータイプ。これだ!と思うことに全力で取り組む』 

 

真涼「こんな感じね。さあ。始めるわよ」 

 

………… 

 

真涼「リアルの時間に合わせて、キャラ達が生活するのね」 

 

真涼「みんなを作成するのに時間がかかって…もう深夜だから、みんな寝ているわ」 

 

真涼「あら?冬海さんが元気だわ…」 

 

真涼「…」 

 

真涼「部屋の中を走ってるわね…また鋭太が何かをしたのかしら…」 

 

 

■3日後 

鋭太「へぇ~、真涼がゲームって珍しいな」 

 

真涼「ええ。乙女の会のメンバーを登録しているの」 

 

鋭太「で、どんな感じなんだ?」 

 

真涼「そうね。春咲さんは元気よくジャンプしているわ。ハムスターの着ぐるみを着ていて、かわいらしいわね」 

 

鋭太「千和らしいな」 

 

真涼「秋篠さんは…遊井くんと恋人になったわ」 

 

鋭太「…そういわれると、あの二人は意外と似合うかもな」 

 

真涼「ええ。ちなみに冬海さんが紹介したの」 

 

鋭太「…」 

 

真涼「鋭太を手に入れるための策略ね」 

 

鋭太「はぁ?そんなわけないだろ?」 

 

真涼「ちなみに相性チェックは鋭太と秋篠さんが一番高かったわ」 

 

鋭太「で、でも、ゲームだろ?」 

 

真涼「ええ、ゲームよ」 

 

鋭太「ところで冬海はどんな感じなんだ?」 

 

真涼「冬海さんは鋭太の…一番の親友になってるわ…二人でよく勉強しているし」 

 

鋭太「おっ!さすが俺だな!勉強頑張ってるのか!」 

 

真涼「あと、冬海さんは毎日一回以上、外を走ってるわね」 

 

真涼「公園が出来た時はさっそく走ってたし。朝になるとよく浜辺を走ってるわ」 

 

鋭太「どういうキャラだよ!」 

 

真涼「以上ね」 

 

鋭太「あれ?真涼は?」 

 

真涼「私は…ひとりで…いえ、よくみんなが遊びに来てくれているわ」 

 

鋭太「そ、そうか」 

 

真涼「ん?ゲームに動きが来たわ!」 

 

マナ『真涼と鋭太をくっつけようと思うのですが、どうでしょうか?』 

 

鋭太「は、はぁ!?何を言ってるんだ?こいつ」 

 

真涼「さすが、私の妹ね!もちろんYESよ!YES!」 

 

鋭太「おい。なんでゲームに必死になってるんだよ?」 

 

真涼「何を言っているの!?ゲームだろうが何だろうが偽彼女(フェイク)を演じる必要があるのよ!」 

 

……………… 

 

真涼「マナが計画した、私と鋭太のデートは終了したわね」 

 

鋭太「うまくいっているみたいだな」 

 

真涼「いきなり恋人になったりは…しないわね。意識し始めたって感じかしら?」 

 

 

■数分後 

 

鋭太「あっ、真涼のキャラの頭の上にハートがでてるぞ」 

 

真涼「こ、これは!好きな人が出来たのね!」 

 

ますず『鋭太に告白しようと思います』 

 

真涼「YES!YES!YES!YES!どっかの幼なじみと恋愛脳が狙っているわ!早く告白するのよ!」 

 

鋭太「おい」 

 

真涼「告白は真面目に…そうね。浜辺がいいわね」 

 

鋭太「へぇ~そんな設定もできるのか」 

 

ますず『好きです』 

 

えいた『ごめんなさい』 

 

真涼「…」 

 

鋭太「あっ、ふられたな…まぁ、さっき相性診断したら、俺達20%で最低だったしな」 

 

真涼「エイタメ」 

 

鋭太「へ?」 

 

真涼「ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ」 

 

鋭太「おい!たかがゲームで何熱くなってんだよ!」 

 

ますず『やはり諦められません。今度はプレゼントを用意して、もう一度告白したいと思います』 

 

鋭太「おぉ!さすが真涼の分身だな!プレゼントも用意してとか。これならいけるぞ!」 

 

真涼「……………………………ふふふ」 

 

鋭太「ま、真涼?」 

 

真涼「ええ。私はすべて予想してましたとも!」 

 

真涼「プレイヤーの気持ちを下げて上げる作戦とは、中々よく出来ているゲームですね」 

 

真涼「そして、最後は現実でも彼女である私と恋人同士に…」 

 

真涼「ええ。これは世の中の心理ですから…ふふふ」 

 

鋭太「なんか怖いぞお前」 

 

鋭太「ん?なにか様子が…」 

 

ますず『夜まで待ちましたが、鋭太は待ち合わせ場所に来てくれませんでした』 

 

真涼「なっ、な!?」 

 

鋭太「おい!俺の分身は何をしてるんだよ!」 

 

真涼「エイタエイタエイタエイタエイタエイタエイタエイタエイタ」 

 

鋭太「俺の分身は…マンションの自室にいやがる!おい、さっさと行け!」 

 

えいた『実は好きな人ができました』 

 

真涼「!?」 

 

鋭太「おぉ!これはいけるぞ!」 

 

鋭太「告白されてから、意識し始めたパターンだな!」 

 

えいた『マナと愛衣の二人が好きになりました。どちらを選べばいいのでしょうか?』 

 

鋭太「おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」 

真涼「ああああああああああああああああああああああああああああ!」 

 

鋭太「真涼!?」 

 

真涼「うふふふふふふ。ふふふふふふ。ふふふふふふふ」 

 

鋭太「おい!!」 

 

真涼「鋭太が裏切った鋭太が裏切った」 

 

鋭太「ゲームにどんだけ感情移入してるんだよ!」 

 

真涼「許さない許さない許さない許さない許さない」 

 

鋭太「俺の彼女とゲームが修羅場すぎる!!」 

 

 

終わり 

 

 

真涼「終わらせません!」 

 

鋭太「なんでだよ!終われよ!頼むから終わってくれよ」 

 

真涼「最近、キスしてくれない!!!」 

 

鋭太「はぁ!?何でキスなんだよ!」 

 

真涼「ええ、実は一週間に一度キスをしないと体の調子が悪くなるの」 

 

鋭太「もにょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 

 

真涼「あら?鋭太も、もにょが欲しいのかしら?」 

 

鋭太「ちげえええええええぇぇぇぇ!」 

 

鋭太「『もにょ』をしないと調子が悪くなるんじゃなかったのかよ!!!」 

 

真涼「さ、最近…ご、ご無沙汰だから…そ、その、ちゅーすれば私が救われるの…」 

 

鋭太「顔真っ赤っかで意味わからん事を言うな!」 

 

真涼「酷い!ゲームの中の私を傷つけたくせに!」 

 

鋭太「ゲームの中のお前だろ」 

 

真涼「現実の私もよ!だから…その…」 

 

鋭太「やだ。帰る」 

 

真涼「ちょ、ちょっと待って」 

 

鋭太「知るか」 

 

真涼「じゃ、じゃあ。手を繋いで帰りましょう。これくらいはいいでしょう?」 

 

鋭太「…」 

 

鋭太「まぁ、手ぐらいなら…」 

 

ギュウウ 

 

鋭太「おい、引っ張りすぎだって」 

 

真涼「うふふふふ」 

 

鋭太「なんだよ。急に機嫌よくなりやがって」 

 

グイッ 

 

鋭太「おい!急に引っ張るな…っ」 

 

チュー 

 

真涼「んっ//」 

 

鋭太「っ//」 

 

鋭太「って、何をしやがる!?」 

 

真涼「手を繋いだからと言って油断したわね?」 

 

真涼「そんな事だから、あの子にキスをされてしまうのよ?」 

 

鋭太「知るかっ!一人で帰るからな!」 

 

真涼「待って鋭太!」 

 

鋭太「なんだよ」 

 

真涼「ねえ?久々のキスだったけど…どうだった?」 

 

鋭太「なっ!」 

 

真涼「うふふふ。トマトみたいに真っ赤…嬉しいわ」 

 

鋭太「ちげーよ!そんな恥ずかしい質問するな!」 

 

真涼「私は嬉しかったわ」 

 

鋭太「そうかよ」 

 

真涼「ふふふ♪」 

 

 

鋭太(真涼とのキスは…) 

 

鋭太(フェイクという関係にずっと溺れていたくなりそうだから嫌いだ…たぶん…) 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

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