アニメssリーディングパーク

おすすめSSを当ブログで再編集して読みやすく紹介! 引用・リンクフリーです

風太郎「い、いつも自分でしてるのか? 」三玖「……してるよ///」2/2【五等分の花嫁ss/アニメss】

 

四葉の柔らかい手が俺の手をぎゅっと握った。しっとりと汗ばんで、生暖かい。 

 

家には俺と四葉しかいなかった。止められるのは、俺の理性だけだ。 

 

風太郎(この解は微分方程式を用いて) 

 

風太郎(Xの場合分けは) 

 

四葉「ねぇ上杉さん……難しいこと考えていないで、楽になっちゃいましょうよ」 

 

風太郎「勉強だ、勉強に集中しろ。四葉も勉強に集中するんだ」ブツブツ 

 

風太郎(この上杉風太郎が性欲にまけて勉学を疎かにするなどあってはならないっ!) 

 

四葉「その計算間違ってませんか」 

 

風太郎「ぐっ……四葉に指摘できるレベルの間違いを……俺が…… 

 

四葉「だから一旦休みましょうって」 

 

風太郎「駄目だ。勉強に集中だ」 

 

四葉「上杉さんのケチー……あー、部屋暑いですね」ヌギッ 

 

風太郎「バカッ!脱ぐな!/// 

 

四葉「キャミソール姿になっただけじゃないですか。動揺しすぎですよ」 

 

風太郎(やばい。四葉を直視出来ない。というか、こんなに部屋広いのになんで隣にぴったり座って来るんだよ) 

 

風太郎(なんとか打開せねば) 

 

風太郎「勉強、勉強、勉強に集中だ」カリカリカリ 

 

四葉「もーっ、どうしてそんなにお固いんですか」 

 

風太郎「四葉、頼むから服着てくれ。その……目のやり場に困る」 

 

四葉「いいんですよ?じっくり見てくれても」 

 

風太郎「……悪いが、俺はお前の善意を踏みにじって欲望を解消したくはない」 

 

風太郎「こういうのは、好きな人同士でするべきだ」 

 

風太郎「悪いが、俺は…… 

 

四葉…… 

 

四葉「好きな人、いるんですね、上杉さん」 

 

風太郎「……」カリカリカリ 

 

四葉は今どんな顔をしているんだ?怖くて見れなかった。 

 

俺に出来ること。それは、無心に問題を解くだけだ。 

 

……

 

ノート2ページ分をひたすら無心に解き、硬くなっていた俺の股間もクールダウンしてきた。 

 

やはり勉強はいい。勉強は心を癒やしてくれる。 

 

ふと隣を見た。 

 

四葉はリボンを外していた。リボンを外した四葉と、あの子が被った。 

 

風太郎「……」ゴクッ 

 

四葉……上杉さん、私実は」 

 

ガチャッ 

 

二乃「ただいまー」 

 

三玖「フータロー?来てるの?」 

 

五月「まさか家の前でみんなとばったり会うとは」 

 

一花「あー、今日も疲れたー」

 

風太郎「お、おじゃましてます」 

 

四葉……/// 

 

三玖「ちょっと。なんか距離が近い」 

 

二乃「四葉、大丈夫?この獣に襲われなかったでしょうね?」 

 

四葉「だ、大丈夫だよー」 

 

風太郎(襲われそうになっていたのは俺がな!) 

 

一花「うーん、怪しい」 

 

五月「それじゃあ今日の夜から日曜日まで泊まり込みで勉強合宿ですね」 

 

三玖「早速、この問題教えて。フータロー」 

 

二乃「ちょっと、何当たり前のように隣座ってるのよ、三玖!」 

 

三玖「早いもの勝ち」 

 

ぎゃーぎゃー 

 

 

風太郎(騒がしくなったが、なんとか勉強出来る環境になりそうだ) 

 

風太郎(しかし、どういうつもりだ……四葉は) 

 

四葉「上杉さん。どうしても困ったら教えてくださいね。私、最後まであなたの味方ですから」 

 

四葉は耳元でそう囁いた。 

 

 

テスト当日。 

 

寝不足だ。最後まで、四葉の数字を透明にすることが出来ず、俺は悶々とした夜を過ごしていた。 

 

加えて、五つ子達への勉強の指導の負担。 

 

ここまで自分の勉強に十分に集中することが出来ずに迎えるテストは初めてだ。 

 

だが、俺には過去の積み重ねがある。この程度で泣き言を言っているようじゃ始まらない。 

 

ふいに襲ってくる勃起の波と戦いながら、俺はテストに挑んだ。 

 

 

結果発表。 

 

教師から渡された答案と点数を見て、俺は卒倒しそうになった。 

 

401点! 

 

1科目あたり平均80点!? 

 

嘘だと言ってくれ。これじゃあ学年トップどころか、学年10位以内も怪しいレベルじゃないか? 

 

というか、401点だと学年何位くらいだ?それすらイメージできないほどの点数だ。 

 

俺に、彼女たちの家庭教師を続ける資格はあるのか…… 

 

 

五月「上杉君?目の隈がすごいけど大丈夫ですか?」 

 

風太郎「五月か…… 

 

五月「そういえば、今日は結果発表でしたが、どうでした?」 

 

風太郎「ああ実は」 

 

五月「はっ!その手にはもう騙されませんよ!どうせ満点なのでしょう?危うく自慢されるところでした」 

 

風太郎(流石にこの点数だと自慢は出来ねーよ…… 

 

五月「そうそう、私の合計点数ですが」 

 

風太郎(直前の問題集の出来をみると赤点は大丈夫だとは思うが 

 

風太郎(もし、五月が俺の点数を超えてくるようなことがあれば) 

 

風太郎(その時、俺は……屈辱で死ぬかもしれん) 

 

風太郎(くそっ!素直に教え子の高得点を願えない、俺自信の弱さが悔しいっ……!) 

 

五月「150点でした」 

 

風太郎「ん?」 

 

五月「150点でした」 

 

風太郎「赤点」 

 

五月「赤点じゃない」 

 

風太郎「いやいや、赤点」 

 

五月「オール30点。赤点じゃない。ドゥー・ユー・アンダスタン?」 

 

風太郎「逆にすごいなお前!」 

 

五月「よく言われます」エヘヘ 

 

風太郎「馬鹿野郎!限りなく赤点に近い点数じゃないか!」 

 

五月「ですが、赤点は回避しましたよ?」ドヤッ 

 

風太郎「そんなんでいいのか、お前は」 

 

五月「いいわけないじゃないですか。でも、今回のテストは普段の実力を出せなかったというか」 

 

五月「心当たりは……我慢しすぎたと言うか」 

 

五月「言われた通り、あの日からずっと我慢していたんですが」 

 

五月「テスト中、全然集中できなくって」 

 

五月「今も……責任とってください!責任!」

 

風太郎(もし俺が普段どおりの点数だったら自己責任と一蹴出来たのだが) 

 

風太郎(俺の点数も過去最低点だったことを鑑みると、彼女に禁欲を強要したことが正しかったか自信が持てなくて) 

 

風太郎「…… 

 

五月「?」 

 

風太郎(まだわからない。他の姉妹の点数を……特に、禁欲しなかった、四葉の点数が知りたい) 

 

風太郎(こいつが赤点なら、禁欲の有用性が証明されるはずだ!禁欲した五月より点数が低いのだからなぁ!(錯乱)) 

 

風太郎(だがもし……こいつの点数が普段より高かったら…… 

 

風太郎(男・上杉風太郎、責任を取る覚悟だ) 

 

四葉「あれれー?五月に上杉さーん!テストどうでしたかー?」 

 

風太郎「四葉!お前の点数を教えろ!」 

 

風太郎(俺の指導が正しかったか、それがここではっきりする) 

 

四葉「190点でした。平均38点です」 

 

風太郎「フハハハ!いつも通りの四葉だ!」 

 

四葉「これでも少しは点数伸びたんですよ!褒めてください!」 

 

五月「私が……四葉に負けた……?」 

 

四葉「どれどれ、五月は……150点!?オール30点!これは逆にすごい!」 

 

五月「これやっぱりあなたの責任じゃないですか!普段どおりだった四葉が普段どおりの点数で、アレを禁止された私が、赤点スレスレで四葉以下ですよ!」 

 

五月「責任!責任!責任!」 

 

風太郎「まだだ、まだわからんよ!単純にお前の努力が足りなかっただけの可能性もある!」 

 

風太郎「他の姉妹の点数も見てからだな。責任を取るのは!」 

 

風太郎(俺が禁欲を強要したのはあとは一花と二乃だが…… 

 

風太郎(三玖の点数も気になる。三玖には、1番だったら何でも願いをかなえるみたいな約束をしたからな) 

 

四葉「三玖ー!テストどうだった?」 

 

三玖「……」チラッ 

 

風太郎「教えてくれ。三玖。お前の点数を」 

 

三玖「500点だった」 

 

五月「ファッ!?」 

 

四葉「すごすぎる!凄すぎるよ!どんな魔法を使ったの!?三玖!」 

 

三玖「……愛、かな?」 

 

三玖「これで、フータローに並んだ。フータローの教えを一言一句忘れずに……テストに挑めた」 

 

三玖「私も……報われた気がする」 

 

五月「姉妹でトップどころか学年トップじゃないですか!中野家の誇りですよ!これは!」 

 

四葉「私達も頑張れば、学年トップを取れるポテンシャルがある……?」 

 

三玖「フータロー……約束。私、約束、守ったよ」 

 

三玖「……ごめん、フータロー……嬉しくって、涙が止まらない」ポロポロ 

 

風太郎「…… 

 

風太郎(三玖は頑張った。自慰もせず、クソパン屋で働きながら、勉強も集中していた) 

 

風太郎(落ち着け。落ち着くんだ、俺。素直に三玖を褒めろ) 

 

風太郎(だが……俺は……俺の点数は) 

 

三玖「フータローと一緒に、学年トップ。嬉しい…… 

 

風太郎(俺はさも当然のように満点ということになっているが……!) 

 

風太郎(まずい。教え子の三玖より圧倒的に点数が低い!) 

 

風太郎「三玖、答案見せてくれ」 

 

風太郎(俺と三玖、名前間違えているんじゃないだろうな!)ジロジロ 

 

風太郎(が……紛れもなくこれは三玖の字だ……三玖の奴、本当にやりやがった!) 

 

風太郎(過去に500点をとった俺にはわかる) 

 

風太郎(200点を300点にあげるのは簡単だ。だが、499点から500点に点数をあげるのは至難の技だ) 

 

風太郎(全科目に及ぶ深い知識と一問のケアレスミスも許されない集中力) 

 

風太郎(そしてすべてが良問という訳じゃない。教師の悪問も、その意図を読み取り適切な解答を導き出すテクニック) 

 

風太郎(500点という点数は、偶然で取れる点数じゃない) 

 

風太郎(こいつ、本当に努力していたんだ……見えないところで、一人、ずっと勉強していたんだ……!) 

 

風太郎(昔の俺のように…… 

 

最初は認めたくなかった。自分を超えられたことを。だが、このテストの答案を見て、俺は三玖の努力が本物だと確信できた。 

 

姉妹に祝福され、照れながら涙を浮かべる三玖を見て 

 

俺の心が動く音がした。 

 

 

一花「…… 

 

四葉「あ、一花!」 

 

五月「聞いてくださいよ!三玖がやりました!」 

 

一花「…… 

 

三玖「一花はどうだったの?今回の点数」 

 

一花「225……平均45点だった」 

 

四葉「点数下がった?」 

 

一花「うん 

 

五月「原因はズバリなんですか」 

 

一花「うーん……我慢しすぎちゃったかなぁ」 

 

五月「ほら!原因は禁欲なのは明白です!」 

 

風太郎「ふーっ……お前ら、三玖の点数を見ろ。禁欲が最強だと証明されたんだぜ」 

 

三玖「今回は500点だったよ、一花」 

 

一花「ぐっ……」プルプル 

 

三玖「私が1番。やった」 

 

風太郎(なんか俺の知らないところで壮絶な戦いが繰り広げられているらしいけど、触れないでおこう) 

 

風太郎「これであとは二乃だけだな」 

 

三玖(二乃が何点であろうと……私の優位は揺るがない) 

 

三玖(フータローの1番になれたら……言うと決めている事がある) 

 

 

四葉「あっ!二乃がいましたよ!」 

 

風太郎「二乃!お前は何点だったんだ!」 

 

二乃「合計 350点。過去最高点だわ」 

 

四葉「おおっ!すごい!」 

 

風太郎「頑張ったな、二乃」 

 

二乃「ま、私が本気を出せばこんなものね。今回の指導はセクハラ紛いだったけど、あんたの功績は認めてあげてもいいわ」 

 

五月「私は認めていませんよ!」 

 

一花「まあまあ。それにしても凄いのは三玖だよね」 

 

四葉「上杉さんと並んで学年トップですよ!」 

 

風太郎「あの、四葉……実は」 

 

一花「もう三玖は卒業してもいいんじゃない?満点とったらもう家庭教師いらないよね?」 

 

三玖「私はまだフータローに教わっていない事がある!今回のだって……まだフータローを超えた訳じゃない」 

 

五月「でも三玖も今後は私達を教える側に回ってくれるのであれば力強いことこの上ないですね」 

 

四葉「学年トップの二人に教われば、百人力だよ!私達の将来も安泰だ~!」 

 

二乃「フータロー、顔青いけど大丈夫?寝不足じゃないの?」 

 

風太郎(……どうする) 

 

風太郎(問題は2つ。俺の点数が三玖より低いこと、そして禁欲を強制して五月と一花の点数を下げてしまったこと) 

 

風太郎(1つ目を打ち明ければ、上杉風太郎不要論が台頭して俺は家庭教師をクビになってしまうかもしれない……!) 

 

風太郎(2つ目にしてもそうだ。今回、三玖が最高の点数をとって、二乃もそこそこの高得点をとったが) 

 

風太郎(結局、俺のエゴで一花と五月の点数を下げてしまったのだ) 

 

風太郎(責任は……とらねばならないのか…… 

 

風太郎「わかった。俺も男だ。責任を取る」 

 

二乃「責任って何に対してよ?」 

 

風太郎「一花と五月の点数を伸ばせなかった責任だ」 

 

二乃「それは自己責任でしょ?あんたの指導で三玖は満点をとったんだから、家庭教師の有用性は証明されているわ」 

 

風太郎「三玖に対して俺は今回何も指導していないんだ。三玖が勝手に成長した。それだけのこと」 

 

三玖「そんなことはない!フータローが寝る時間も削って私達に解き方を教えてくれたり、直前予想問題まで作ってくれたおかげ」 

 

四葉「そうですよっ!三玖が頑張ったのは事実ですが、上杉さんの指導のおかげで私も二乃も点数を伸ばせたんです!」 

 

風太郎「違うんだ。一花と五月が点数を下げたのは……アレを禁止してしまったからなんだよっ!」

 

三玖「アレって?」 

 

風太郎「アレはアレだ。とてもここで口に出せるような事じゃない」 

 

二乃「あんた、まさか二人にも禁止させたの?」 

 

四葉「なになに?なんですか?」 

 

一花「うわぁ……フータロー君、私だけじゃなくて姉妹全員に……?」 

 

五月「変態ですね」 

 

三玖「説明求む!私は特に何も禁止されなかった」 

 

四葉「私も特に禁止は」 

 

風太郎「とにかく、週8回もしている二人のアレを禁止したのは俺だ!逆にストレスを貯めてしまったせいで、本番で力を出しきれなかったのだろう」 

 

五月「では、責任を取るんですね?」 

 

風太郎「ああ。責任を取る」 

 

一花「どうやって責任とってくれるのかな~?我慢させた分、しっかり私に埋め合わせして欲しいよ」 

 

五月「わ、私も……!我慢した分、気持ちよくして欲しい……です」 

 

二乃「はぁ?何いってんの?フー君もこんなの相手にしちゃ駄目よっ!」 

 

一花「二乃だって我慢してたんでしょ?期待してるくせにぃ」 

 

二乃「そりゃ……フー君だって我慢してたんだろうから……成績あげてくれたご褒美に、気持ちよくしてやらないこともないと、思っていたところだけど…… 

 

風太郎「責任は……俺が家庭教師をやめることで取ろうと思う。もうおまえたちに会うこともないだろう」 

 

場は水を打ったように静まり返った。 

 

俺は自分のエゴのために、彼女たちに禁欲を強要した。 

 

彼女たちの顔を見るたびに浮かんでくる数字が、俺の性欲を苛ませ、そのために成績が落ちることを恐れ、彼女たちのためだと言い聞かせて禁欲を強いたのだ。 

 

そんな俺は彼女たちの家庭教師でいる資格はない。 

 

風太郎「さよならだ。もうお前らなら俺がいなくても立派にやっていける」 

 

風太郎「ここには満点の三玖もいる。俺はお役御免だ。わからないことがあれば三玖に聞けばいい」 

 

風太郎「それに俺がいるせいで、お前たち姉妹の仲がギスギスしていくのを見ているのも辛かったんだ」 

 

風太郎「みんな、血を別けた姉妹を大事にしろよ。それじゃあな」 

 

卒業まで彼女たちの面倒を見れないのは残念だ。だが、もう十分だ。 

 

 

三玖「待って!」 

 

立ち去ろうとする俺の腕を彼女はぎゅっと掴んだ。 

 

三玖「フータローがいなくなることは許さない。責任を取るなら私達が卒業するまで面倒みて」 

 

五月「ご、ごめんなさい!私が安易に責任なんて言ったから!冗談ですっ……やめないでくださいっ」 

 

一花「私も色々悪ノリが過ぎたかな……ごめんっ」 

 

二乃「辞めれば責任取れる程この仕事は甘くないわよ!責任感じてるなら最後まで指導しなさいよ!」 

 

四葉「上杉さんに辞められて赤点とったら末代まで祟りますからね!祟りますよ!」 

 

赤点を回避したというのに、みな泣きそうだ。 

 

二乃や五月なんぞ、最初は俺を目の敵にして追い出そうとしていたじゃあないか。 

 

邪魔者がいなくなって少しは喜べ。 

 

三玖だって。 

 

……何事も惜しまれている内が華だ。それにここでやっぱり辞めるのを辞めまーすと言ったら男が下がるってもんだ。 

 

俺の決意は固い。涙だけはこぼさぬよう、下唇を強く噛んで俺は引き止める三玖の腕を振り払おうとした。  

 

三玖「フータロー、約束したよね。私がトップだったら。何でも言うこと1つ聞くって」 

 

風太郎「ああ」 

 

そういえばそんな約束したっけ。まさか三玖が姉妹トップどころか、学年トップまで取るとは夢にも思わなかったが。 

 

三玖「その権利をここで行使する。辞めないで、フータロー」 

 

その時の三玖の目はかつてないほど真っ直ぐ俺を見ていた。 

 

自分のためだけじゃなく、姉妹みんなのために、三玖は俺を強く求めてくれた。 

 

何でも願いを叶えろというから、一体どんな無理難題を押し付けられるのか、内心ヒヤヒヤしていたがなんてことはない。 

 

ただ、元の職場に戻れってだけ。 

 

給料は相場の5倍、アットホームで楽しい職場。 

 

やれやれ、そこまで言われたら俺の返事は決まっている。 

 

どうやら俺の家庭教師生活はまだ終わらないらしい。 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

三玖「はぁ……はぁ……んっ」 

 

三玖「はぁ……もうっ……限界っ…… 

 

三玖「フータローっ……もうこれ以上無理だからっ……んっ」 

 

風太郎「まだイケるだろ?」 

 

三玖「もう4回もイッたからぁ……5回目はむりぃ……あっ」ピクピク 

 

風太郎「ふー、情けないなぁ。ほら、手伝ってやるから」 

 

三玖「んんっー!んっ!」 

 

風太郎「ほら、もっと腰使って!」 

 

三玖「はぁぁー!んっ!」 

 

ガチャンッ 

 

風太郎「よく頑張ったな」 

 

三玖「もう腕が限界……ベンチプレスは私には向いていない」 

 

風太郎「重りつけずに鉄の棒だけでこれは……もう少し筋力つけた方がいいと思うぞ」 

 

三玖「次、フータローの番。男の人ならあの大きい丸い重りつけるべきだよ」 

 

風太郎「持ち上がらなかったらさっき俺がしたみたいに助けてくれよ、三玖」 

 

三玖「善処する」 

 

幸い、重りが重すぎて俺たちには取り付ける事が出来なかったので事故には至らなかった。 

 

テストが終わって、俺と三玖は二人で体力をつけるためにスポーツジムに来ていた。 

 

今回のテストで痛感したのは俺の体力のなさだ。23日眠らなかったからといって点数を大幅に落としてしまうとは情けない。 

 

そこで俺は同じく体力不足の三玖とジムに来たって訳だ。

 

一通りスポーツジムのマシンに触れていい汗を流した。 

 

勉強ばかりしていたせいで、体中の筋肉が悲鳴をあげている。 

 

三玖も歩き方がぎこちない。 

 

風太郎「たまには運動も悪くないが、会員になるには金がないな」 

 

三玖「安心して。ここお父さんの病院の系列のジムだから。プール・スパ・レストラン付きで病院の職員は福利厚生ばっちり」 

 

風太郎「俺は病院の関係者ではないんだが」 

 

三玖「満点のことを話したら、珍しく喜んでいた……と思う。フータローのことを話したら、会員カードを作ってくれた。一応、家庭教師も福利厚生に手厚くと。」 

 

風太郎「いいのか、これ。家族会員カードって書いているが」 

 

三玖「費用は全部お父さん持ちでこの施設使い放題カードだよ」 

 

風太郎「なんだか悪いな」 

 

三玖「お風呂で汗流したら、レストランで食事にしよ?」 

 

三玖を高得点に導いた功績はあの堅物の中野父にも認められたということか。 

 

これまた高級料理で腹を満たしながら、俺は考える。 

 

あの場で俺が責任をとらないことにしていたら、三玖は俺に何を願ったのだろうか。 

 

振り返れば、あんなくだらない事に、その願いを使わせた事に関して俺はフェアじゃないと感じていた。 

 

かといって俺が三玖にしてやれることは実はもう何もない。 

 

成績は俺よりいいし、家だって金持ちで、こうして何不自由なく高級な料理を食べたり、ブルジョア的なスポーツジムで汗を流すことだって出来る。 

 

そんな三玖は俺に何を求めていたのだろう。 

 

風太郎「そういえば、お前、好きな人いるって言ってたけど今もそいつの事好きなの?」 

 

三玖「うん。好きだよ」 

 

風太郎「そうか」 

 

三玖の顔は晴れ晴れしていた。きっと、この前のテストで1番の成績をとって、自信を取り戻したのだろう。 

 

その前のテストは一花に負けてすごい悔しそうにしていたからな。 

 

三玖「そういえば、1番だったら誰か教える約束していたよね。知りたい?」 

 

風太郎「知りたくないな」 

 

三玖の好きな人はクラスの名前もわからない男やパン屋のジャムおじさんみたいなおっさんだったりするのだろうか。 

 

確かにそうだとしたら恐ろしい。それを先に聞いてしまったら、俺はショックで死ぬかもしれない。 

 

風太郎「俺は三玖が好きだから」 

 

三玖「えっ…… 

 

彼女たちと出会う前までは、恋愛なんて馬鹿にしていた。 

 

若さと性欲にのみ突き動かされて、親の金で生活している甲斐性もないガキが、大人の真似事をしているお遊戯に見えていた。 

 

学生の本文は勉学であり、それを邪魔する恋愛なんて馬鹿げた行為にうつつを抜かす程俺は馬鹿じゃないと思っていた。 

 

だが、誰かを好きになるという真剣な気持ちを俺は馬鹿にできなくなっていた。 

 

そして俺は三玖に……その気持をいつの間にか抱いていた。 

 

三玖「それって生徒として、だよね?」 

 

確かに俺は昔、三玖を生徒として1番だと思っていたし、その気持は今も変わりない。 

 

だが、確実に三玖に対する気持ちに変わったことがある。 

 

風太郎「一人の人としてお前の事が好きだ」 

 

俺は三玖と対等なパートナーでありたい。 

 

三玖「人として好き……?」

 

誰かに気持ちを伝えるということ。途方もない勇気がいる。 

 

風太郎「他の誰よりも、三玖が好きだ」 

 

一花より、二乃より、四葉より、五月より。同じ顔と体をしているけれども、俺はお前が1番好きだ。 

 

風太郎「愛している、三玖。俺と付き合ってくれ」 

 

俺はこの時、三玖の顔を見るのが怖くて、深々と頭を下げて頼み込んだ。 

 

全身から冷たい汗が吹き出て、緊張で眼球がフラフラ揺れているのがわかる。 

 

三玖「フータロー……顔あげて」 

 

返事を聞くのが怖い。心臓が激しく鼓動している。これで三玖に振られたら俺は…… 

 

風太郎「二乃と一花は振ってきた!三玖!俺はお前じゃなきゃ駄目なんだ!」 

 

退路は断っている。四葉と五月にも、事前に三玖に告白することは通知している。 

 

四葉は応援すると言ってくれた。五月は三玖を泣かせたらグーで殴ると脅してきた。 

 

二乃と一花は……考えるな。今の俺には三玖しかいないんだ。

 

長い沈黙の後、ゆっくり顔を上げると目の前に涙を浮かべた三玖がいた。 

 

その姿が、あの旅行のとき。俺にキスした五月の姿と被って見えた。 

 

そして……あの時と同じように俺たちは唇を交わした。 

 

あの時とは違う。一瞬じゃなく、気持ちが通じ合ったことを確かめ合うように、長い時間だった。 

 

風太郎「三玖…… 

 

三玖「これが私の気持ち」 

 

そう言って三玖は、笑った。 

 

やっぱり三玖は笑顔が最高だ。 

 

 

 

三玖と付き合って3ヶ月。それからのことを少しだけ話そうと思う。 

 

付き合った直後の五つ子全員との勉強会ではかなりギクシャクしていたけど、今ではまた昔のように姉妹たちの間にも笑顔が見えはじめていた。 

 

一花「ねえねえ、フータロー君。三玖とどこまでいったの?ABCで言うと?」 

 

風太郎「一応Aまで…… 

 

一花「うそぉ!まだA!?もう付き合って3ヶ月だよね?」 

 

そのAも最初のキスだけ。勉強の合間を見て、休日は時々デートをしたり、恋人らしいことはしている。 

 

家では三玖がずいぶんと上達したパンを振る舞ってくれたり(五月評価は30点だったが、俺の中では120点だ)、一緒にジムでトレーニングしたり、一花が出ている映画を見に行ったり、服を買いに行ったり。 

 

だが、それ以上の進展はない。 

 

そうそう。あれから彼女たちの顔に数字が見えることはなくなった。やっぱり、勉強をしすぎた事による一種の精神病だったようだ。 

 

風太郎「実際、どうなんだ?高校生カップルってどれくらいで、そういう関係になるんだ」 

 

一花「んー、早い子だと付き合ったその日には。というか付き合う前から」 

 

風太郎「ファッ!?」

 

一花「まあ二人とも初めての男女交際って考えると、それは流石に早すぎるかなーと思うけど、だいたい45回もデートしたらそういう雰囲気になるんじゃないかな」 

 

だが、俺は三玖の0という無垢な数字が忘れられなかった。 

 

一花とはこういう今どきの高校生らしいちょっぴりエッチな話もするけれど、デート中、三玖と性的な話題はある種のタブーになっており、なかなか先に踏み切れない。 

 

一花「というか、男の子がそういう雰囲気作りしないと駄目だぞ!」 

 

風太郎「だが三玖はそんな素振りはないぞ。一緒にいるだけで幸せですって感じで、俺はそれを壊したくないというか」 

 

一花「うわぁ(ドン引き)……三玖かわいそう」 

 

風太郎「それに、場所は?俺の家はらいはがいるし、三玖の家も休日や夜はいつも誰かいるだろ」 

 

一花「そういう場合はホテルとかじゃないの?私の初めては海と星が見えるリッチなリゾートホテルがいいなー」 

 

風太郎「そんな金ないし、お前の希望は関係ない」 

 

一花「じゃあそこら辺のラブホで妥協しなよ」 

 

風太郎「もちろん事前に下見して調べた。だが、あそこは高校生の立ち入りが禁止されているんだ」 

 

一花「相変わらず堅いなぁ……そんなに心配なら私と一緒に下見してみる?私服着ていればバレないって」 

 

一花「ここはお姉さんが一肌ぬいでチキンなフータロー君の初めての相手に……!遺伝子レベルで同じだからいい練習相手になれると思う!」 

 

一花「っておーい!フータロー君!逃げないでー!」 

 

 

風太郎「というわけで、困っているんだ」 

 

五月「それで私に相談に来るとは……三玖もこんな男を好きになるとかどうかしていますね」 

 

風太郎「二乃とは気まずいし、四葉はこういう話は疎そうだから、頼りになるのはお前くらいなんだ。頼むっ!」 

 

五月「こういうのは同性の友人と話すべきじゃないのですか。男の友達はいないのですか?」 

 

風太郎「ぐっ」 

 

五月の攻撃が俺の精神にダイレクトアタック! 

 

五月「ずばり、三玖をどうやったら抱けるか、という問題ですね」 

 

風太郎「ああ。話が早くて助かるぜ」 

 

五月「まずは三玖をその気にさせることからですよ」 

 

風太郎「実際のところ、どうなんだ?姉妹でそういう話は……聞いてたりする?」 

 

五月「三玖はあなたの話、家では全くしてませんよ。一花や二乃に気を使っているのでしょう」 

 

風太郎「そうなのか」 

 

五月「あなたが誰を選んだとしても、こうなっていたと思いますから、これは私達姉妹が乗り越えるべき試練なのです」 

 

5人から1人を選ぶとはそういうことか。三玖はもしかしたら他の姉妹に気を使って、そういう関係を望んでいないのかもしれない。 

 

五月「それはそれ、これはこれです。三玖も待っていると思いますよ。あなたからの誘いを」

 

風太郎「それは本当か?」 

 

五月「ここ最近、多いですから」 

 

風太郎「何が?」 

 

五月「三玖のアノ回数。特にあなたとのデート前なんて……この前なんて、あまりにも露骨な声がするので二乃が怒って壁蹴っ飛ばしてましたよ」 

 

風太郎「え?三玖もそういうことするの?」 

 

五月「え?しないと思っていたんですか?」 

 

だが三玖の回数は週0回のはずじゃ。 

 

五月「三玖は私達の中で1番むっつりスケベで……あれ?上杉くん、聞こえていますか?」 

 

なんてこった。ひょっとして俺が見ていた数字は…… 

 

風太郎「五月。確認だ。お前、週何回自慰していた!特に、この前赤点スレスレだったあのテストの前の週!」 

 

五月「いきなり何聞いてくるんですか!……いいですよ、白状しましょう。毎日最低2回はしていました!朝と寝る前の日課で!あの赤点ギリギリ事件で反省して、今はもう少し控えていますが…… 

 

毎日2回以上……14回以上…… 

 

確か、五月の数は8回だったはずじゃ…… 

 

風太郎「ははは…… 

 

乾いた笑いしかでない。俺が見ていたのは、俺の心が生んだありもしない数字。当たり前だ。他人の自慰回数が見えるなんて非科学的だ。とても全国模試4位の秀才が信じることじゃない。 

 

最初から信じていなかったさ!最初からな! 

 

五月「あなたはまだ週1回しかしてないのですか?そんなので三玖を満足させられるのか心配ですよ」 

 

三玖「そろそろ願書の時期だけど……どこ受けるか決めた?」 

 

風太郎「一人暮らしは金がかかるから、家から通えるN大を考えているが……担任からはT大かK大を強く勧められていているんだ」 

 

三玖「お父さんは医学部を受けるなら生活費と学費全額払うって」 

 

風太郎「その話は丁重に断らせて頂いた。そんなの受け取ったら逃げられねぇ」 

 

三玖「逃げる気なの?」ジロー 

 

風太郎「あっ、そういう訳じゃなくてだな……俺、医者になりたい訳じゃないし…… 

 

三玖「でもお医者さんはお金持ち」 

 

風太郎「昔の俺なら金こそ全てと割り切ったんだが」 

 

今はもう割り切れない。 

 

風太郎「教師になろうと思うんだ、俺」 

 

三玖「フータローが……先生…… 

 

風太郎「お前たちの家庭教師をして、俺は変われた。そして、最初は勉強嫌いで、どうしようもない馬鹿だったお前たちが成長していく姿を見るのが何よりうれしかった」 

 

風太郎「学校の先生になれたら、きっとそういう喜びを味わえる人生を過ごせると思うんだ」 

 

三玖「今のフータローなら……きっといい先生になれると思う。でも、気をつけて」 

 

風太郎「何に」 

 

三玖「あなた、教え子に好かれやすいから。ロリコンとして逮捕されたら、私が介錯してあげる」 

 

風太郎「ヒェッ」 

 

風太郎「三玖は大学決めたか?」 

 

三玖「……まだ」 

 

風太郎「最近のお前の成績ならそこそこの学校行けるだろ」 

 

三玖「フータローが先に決めて欲しい。私、その近くの大学にするから」 

 

風太郎「はぁ?お前、まだ自分がやりたいこと、見つかってないのか!?」 

 

他の姉妹はそれぞれ夢を見つけて、その夢を叶えるために前を向いて歩きだしている。 

 

もう俺の家庭教師としての仕事は終わった。あとはそれぞれが頑張るだけだと思っていた。 

 

三玖「私はもう見つけているから…… 

 

そう言って三玖はぎゅっと俺の袖をつまんできた。 

 

三玖「お嫁さんが私の夢……逃げられないように近くにいたい」 

 

風太郎「お、おう……

 

ブーッブーッ…… 

 

三玖「携帯鳴ってるよ」 

 

風太郎「ああ。らいはからメールだ」 

 

らいは『五月さんと遊園地で遊んでるよ!いつかのカレーライスのお礼に、夕ご飯も連れて行ってくれるみたい!』 

 

らいは『帰るの20時ころになりそう』 

 

らいは『お兄ちゃんも頑張って!』 

 

三玖「今日はらいはちゃんいないんだね」 

 

風太郎「ああ。珍しく友達と遠くにでかけたからな」 

 

三玖「お父さんは?」 

 

風太郎「仕事で深夜まで帰ってこない」 

 

三玖「そっか。二人っきりだね」 

 

風太郎「ああ」

 

このボロ家に三玖を招待するのは正直嫌だったが、止むを得ない。 

 

勇気を出して、三玖を家に遊びに来るよう誘ったら、あっさり承諾された。 

 

しかし、誘ったはいいが、特に娯楽があるわけでもない。家にあるのはテレビ1台。暇つぶしに適当にチャンネルをいじったが、つまらない番組だけだ。 

 

三玖が来て、30分でお互い話すことも特になくなった。 

 

テレビはドラマの再放送をやっている。三玖の好きな戦国武将の話だが、正直俺は興味がない。三玖は真剣そうにテレビを見ていた。 

 

このまま、二人でドラマを鑑賞するためだけにクソ高い遊園地代を出してらいはを追い出した訳じゃない。 

 

「あっ、殿……およしになってっ」 

 

「いいではないか~いいではないか~ほれほれ~」 

 

「あぁ~~」 

 

ピッ。思わず俺はテレビのスイッチを切った。 

 

風太郎「ふー。家族で見ている家もあるのに、昼間っから流すもんじゃあないよな」 

 

三玖「…… 

 

家族不在の男の家にあがったということ、三玖もこれからする事を諒解しているはずだ。 

 

三玖「んっ……ちゅっ……ちゅっ」 

 

三玖とキスするのは、告白の時以来。あの時と同じく、無言のキスから始まった。 

 

三玖「……んっ……はぁ、はぁ…… 

 

だが、あの時より長く、あの時より、しっかりとお互いの形を確かめあうような、そんなキスだ。 

 

それから何度も、俺達は手を握り合いながらキスをした。 

 

三玖の口から唾液が溢れ、それを舐めるように、三玖の口の中に舌を入れた。三玖は驚いて俺の手を強く握り返してきたが、次第に三玖も舌を動かし始めた。 

 

三玖「んっ、ちゅっ、んちゅっ……んっ……あむっ……んっ……ぷはっ……んっ、ちゅっ」 

 

お互いぎこちなく口の中を探り合う。三玖の口の中は生暖かく、唾液が溢れ、いつまでもそれを舌で味わっていたくなる。 

 

三玖は俺が乱暴に押し入れた舌に時には抵抗するように、そして時にはそれに応えるように舌を絡めてくる。 

 

ここまではいい。問題は次だ。戦いの滑り出しは上々。だが、俺は次の一手を打てずにいた。 

 

次第に緊張で舌が乾いてくる。舌が攣りそうになって、俺は一旦、三玖から顔を離した。三玖の前髪が汗でピッタリ顔にはりついていた。 

 

風太郎「はぁ、はぁ…… 

 

三玖「……いいよ。触っても」 

 

そう言って三玖は俺から手を離した。 

 

三玖「んっ……あっ」 

 

前々から興味のあった、大きな三玖の胸を服の上から揉んだ。 

 

手が沈み込みそうになる感触だが、ブラジャーの感触が邪魔だ。 

 

風太郎「三玖……ここじゃああれだから……隣の部屋に行こう」 

 

三玖「うん…… 

 

立ち上がる時、足がしびれていた。夢中になって、それさえも気が付かないとは。 

 

三玖「準備はしている?」 

 

風太郎「一応、用意はしておいた」 

 

寝室に隠しておいたコンドームを取り出す。これを買ったのは、三玖と付き合い始めた最初のデートの前日だ。 

 

三玖「ほっ。用意していなかったら……どうしようかと思ってた」 

 

風太郎「不安にさせてすまない」 

 

三玖「大丈夫。私も初めてだから。一緒に頑張ろう」 

 

風太郎「とりあえず……汚しちゃいけないから、脱ぐぞ」ヌギヌギ 

 

三玖「うん……」ヌギヌギ 

 

脱ぎながらも三玖から目が離せない。結構気合の入った下着をつけていた。こういうのも姉妹で買いに行くのだろうか。 

 

三玖「……」ジーッ 

 

風太郎「な、なんだよ!」 

 

三玖「……フータロー、脱がせて」 

 

お互い下着姿になって、そこからどっちが先に脱ぐかの牽制になった時、三玖からそういった。 

 

両手でぎこちなくブラジャーの繋ぎ目を外す。 

 

三玖「んっ」 

 

一枚剥がすと、三玖の豊満な胸があらわになった。 

 

風太郎「すまん、触るぞ」モニュ……モニュ…… 

 

三玖「あっ……やっ…… 

 

服の上からだとわからなかったが、張りがあって適度に硬さはあるものの、押せば沈み込みそうになる柔らかさ、これは俺の人生初の感触だ。 

 

三玖は、布団に押し倒されなすがままに俺に胸を弄られていた。 

 

三玖「んっ……あんっ……やっ」ピクッ 

 

乳首をつまむと、三玖は悩ましい声を出した。いつも弄っているのだろか。 

 

三玖「はぁ・・・はぁ……んっ!?そっちはっ…… 

 

左手で三玖の胸をいじりながら、下に右手を這わせた。股を触ると、じっとり濡れているのがわかる。 

 

三玖「だめっ…… 

 

風太郎「顔、見せてくれ、三玖」 

 

乱れた髪を払い、真っ赤になった三玖の唇にキスをして、俺はまた、彼女の体を弄った。 

 

次はショーツを脱がせ、中に手を這わせた。 

 

毛の感触の奥に、柔らかくて熱くなっている場所があるのがわかる。 

 

三玖「んんっ!あっ……そこっ……んっ!」ビクッ 

 

指の腹で丁寧に三玖の秘所をいじった。軽く指を中に入れようとすると、腰を浮かしながら三玖は逃げようとする。 

 

まだ、他人に触られる恐怖が強いようだ。 

 

三玖「フータローも……見せて…… 

 

パンツを脱ぐと、俺のも十二分に硬くなって、反り返っていた。 

 

三玖「フータローが、興奮してくれている……んだよね」 

 

風太郎「ああ。三玖と……こういう事が出来て、正直、興奮している」 

 

三玖「私も、触っていい?」 

 

風太郎「頼む」 

 

三玖はおっかなびっくり、手で俺のを触った。最初は握り、それから形を確かめるように、手のひらで擦った。 

 

確かにこれは怖い。自分だけの領域を、血の繋がっていない言うなれば他人に踏み込まれてくる感触だ。 

 

だが、俺はあの真面目で、引っ込み思案で清楚な三玖が一生懸命、俺の汚い場所を、俺を悦ばせようと握ってくれるという、この状況に興奮していた。 

 

そして、その三玖の、誰も立ち入ったことのない、1番神聖な場所をこれから独占出来る事に。 

 

三玖「あっ……やっ……んっ…… 

 

三玖に触らせるのは程々にして、俺はまた三玖の秘所をいじった。 

 

三玖は仰向けになって、足を開いている。顔は手で隠していたが、指をゆっくり中に出し入れすると、喘ぎ声が漏れた。 

 

三玖「ヒッ…… 

 

穴の上の、小さな突起を指の腹でなぞると、三玖は小さな悲鳴をあげた。 

 

三玖「フータロー……そこ敏感だからっ……優しく」 

 

風太郎「結構自分でいじってるのか?」 

 

三玖「……」ムゥ 

 

答えない。少し力を入れるように摘んでやると、足をぎゅっと閉じてきた。 

 

三玖「はぁ、はぁ……そこっ……んんっ、ダメッ、やめてっ、あっあっ、んっ」ビクッ 

 

三玖「イッちゃうからやめてっ!」 

 

風太郎「凄い敏感だな、三玖。毎日いじってるのか?」 

 

三玖「はぁ……はぁ……意地悪なフータローには教えないっ」

 

風太郎「んっ……れろっ」 

 

三玖「ひゃっ!ああっ~~!なにこれっ!舐めないでっ、やっ、変!やっ、あっ、んっ!?」 

 

充血してきた三玖の陰核を舌で舐める。小さくてよくわからないし、毛が邪魔だが、三玖はまた鳴いた。 

 

三玖「舐めるなんて汚いよ……フータロー…… 

 

風太郎「いや、三玖に汚いところなんてないだろ」 

 

三玖「ううっ…… 

 

風太郎「で、結構してるの?家で、一人で」 

 

三玖「……誰にも言わない?」 

 

風太郎「ああ、内緒にするよ」 

 

三玖「……してるよ……オナニー…… 

 

三玖は消え入りそうな声で告白した。 

 

風太郎「テスト期間中も?」ジュプッ 

 

三玖「うんっ…… 

 

風太郎「悪い子だな、三玖は」ヌプヌプ 

 

三玖「ごめんなさいっ!あんんっ!」

 

人差し指を濡れた口はしっかり咥え込み、指を曲げるたびに三玖は嬌声をあげた。 

 

風太郎「いつも自分の指いれてるのか?」ヌップヌップ 

 

三玖「あっ、あんっ、んっ、そうっ……時々…… 

 

三玖「でもっ痛いからほどほどでっ」 

 

風太郎「コッチのほうが好きなの?」キュッ 

 

三玖「あっ!急につままないでぇ…… 

 

風太郎「……おっぱいもいじってるのか?」モミュモミュ 

 

三玖「あっ、やっ……そうっ……おっぱいも弄りながらしているっ……んっ」 

 

風太郎「週何回くらい?道具は使うの?1回何分くらいかけてる?やっぱり好きな人とか想像するのか?」 

 

三玖「ずいぶん気にするんだね」 

 

風太郎「すまない」 

 

三玖「……そろそろ、いいよ」 

 

三玖はすっかりほぐれた様子だ。俺も、さっきからすでに限界近くまで血流が集中している。 

 

毛を巻き込まないよう注意しながら装備を装着して、三玖の上に跨った。 

 

三玖「はぁ……はぁ……」ブルッ 

 

三玖は身震いした。 

 

三玖「んっ…… 

 

俺はゆっくり腰を前にすすめ、先端をさっきまで十分にいじった三玖の穴にあてがった。 

 

風太郎「ふーぅ…… 

 

まるで相撲の立会いのようだ。俺は三玖と呼吸が合うのをじっくり待った。 

 

焦るな。いよいよ、あの中野三玖を俺のものに出来る。 

 

風太郎「……いくぞ、三玖」 

 

三玖「うん……きて」 

 

ゆっくり、狭い三玖の中を押し広げるように腰を前に進めた。 

 

三玖は腰を浮かせてそれを受け入れたが、次第に、痛みのためか、俺の背中に回した腕の締め付けがつよくなる。 

 

三玖「んっ……まだ……?」 

 

風太郎「もう少し」 

 

1番奥まで進めたあと、俺は動きを止めて、三玖の痛みが和らぐのを待った。 

 

それに、いま動けばすぐに達してしまいそうだ。 

 

三玖の狭い穴はきゅうきゅうに俺のを締め付けてきた。 

 

風太郎「大丈夫か?」 

 

三玖「うん……うっ」 

 

三玖は痛みのためか涙を流していた。 

 

風太郎「動くぞ、三玖」ヌププ 

 

三玖「あっ……やっ」 

 

風太郎「はぁ、はぁ……」ヌポヌポ 

 

三玖「あんっ、あっ、やっ……んっ」 

 

動くたびに三玖はせつなそうな声をあげた。

 

そこから先の時間は一瞬だったかもしれないが、永久のように長く感じた。 

 

俺は余計なことを考えず、三玖の上で腰を振った。 

 

あるのは真っ直ぐな本能だけだ。 

 

家庭教師だとか、勉強だとか、将来の夢だとかそういう余計なものはもう一切合切忘れて、ただ、男としての喜びに打ち震えながら、動いた。 

 

風太郎「三玖!三玖!三玖!愛しているぞ!」 

 

三玖「私もっ……フータロー!キテっ!ああっ!」 

 

風太郎「イクぞ!三玖!」 

 

三玖「あっ」 

 

1番奥で動きを止めて、俺は三玖の中に挿れたまま達した。 

 

一人でする時では出せないくらい、金玉を根こそぎもっていかれるのではないかという長い放精だった。 

 

しばらく三玖と抱き合った。 

 

お互い体力不足で息が上がっている。 

 

風太郎「ハァ、ハァ、ハァ……ハァ…… 

 

三玖「はぁ、はぁ……プッ……あはは」 

 

風太郎「ハァ、どうした、ハァ、三玖、ハァ」 

 

三玖「一緒に走ったあのときの事、思い出しちゃった」 

 

三玖「ありがとう。フータロー。あなたのおかげで、私、自信を持てたんだよ」 

 

三玖「愛しているよ、フータロー」 

 

 

 

 

 

元スレ

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1551959266