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ひまり「私たちの再会を祝して……えい、えい、お~!」 巴・蘭・つぐみ・モカ「「「「……」」」」【バンドリ!ss/ssアニメ】

 

~居酒屋~

 

上原ひまり「ん~みんなまだかな~」

 

みなさんこんにちは上原ひまりです。高校を卒業して早二年、今や私も花の女子大生! 今日はアフターグロウのメンバーと久しぶりの飲み会なんですけど……。

 

ひまり「リーダーを待たせるとは……。まったく、リーダーに対する敬意が足りないよ!」

 

まあ、連絡は貰ってるんですけどね。―――おっ、連絡だ『ついたよ!』か。

 

「ごめん! おまたせ! ひまりちゃん!」

 

この鈴を転がすような声は―――

 

ひまり「久しぶりだね! つぐ!」

 

羽沢つぐみ「久しぶり! あれ? みんなまだ着いてなかったんだ」

 

ひまり「モカが遅刻して蘭と一緒に来るって、あと巴は電車寝過ごしたみたい……」

 

つぐみ「あはは……。巴ちゃんらしいや」

 

久しぶりにあったつぐはなんだか大人びていました。つぐ……絶対モテモテだろうなぁ。

 

ひまり「つぐは彼氏とかできたの~?」

 

つぐみ「えっえええええ!? いやいや、か、彼氏なんてまだ早いよ……」

 

これはモテますね。まあ変な虫がつくようならアフターグロウ総出で潰すけど。

 

つぐみ「そ、そういうひまりちゃんこそモテるでしょ!」

 

ひまり「私、女子大、出会い、ない、アンダスタン?」

 

つぐみ「あ、あんだすたん……」

 

うん、ナンパとかされることはあるんだけど「いや? 巴のほうが男らしくない?」って思っちゃうんだよね。まさかの身内に高い壁があったとは……。

 

つぐみ「たしかに、巴ちゃんそこらの男の人よりも男らしいかも……」

 

「ん? アタシの話しか?」

 

噂をすればなんとやら。うーん、相変わらずカッコイイ系女子!って感じだなぁ。

 

宇田川巴「いや~、悪い悪い。起きたら五駅先に行っててさぁ」

 

つぐみ「あはは、お疲れ様です」

 

ひまり「あとは蘭とモカ待ちだね!」

 

モカから『あと三駅~』って連絡もあったしすぐ来るでしょう! それにしても…………

 

ひまり「巴、髪切ったね! 中学のときくらい短いじゃん!」

 

巴「ああ、イメチェンってやつだ」

 

つぐみ「似合ってるよ!」

 

巴「サンキュ!つぐもだいぶ髪伸びたじゃないか」

 

つぐみ「ふふっ、イメチェンってやつかな」

 

巴「二人とも大学はどうだ?」

 

ひまり「けっこう忙しいかな。楽しいけどね!」

 

つぐみ「ひまりちゃんはたしか服飾関係の専門だよね?」

 

そう、昔からファッションが好きだったから学びたい!って思ってその道へ。勉強はなかなか大変だけどね。

 

ひまり「つぐは調理師専門学校だよね?」

 

つぐみ「いずれは実家を継ぎたくて……。そのためには基礎の技術が必要かなって!」

 

つぐはやっぱり羽沢珈琲店を継ぐつもりなのかぁ。あっ! つぐと継ぐ掛けたわけじゃないからね!?

 

巴「へぇ~。頑張ってるな!」

 

ひまり「巴は?」

 

巴「アタシは体育教師になりたくてな。大変だけどやりがいはあるぞ」

 

巴が体育教師か……。うん、めちゃくちゃ似合う。

 

つぐみ「巴ちゃんなら絶対いい先生になれるよ!」

 

ひまり「巴は面倒見いいからね。生徒からすごい人気集めそうだよ!」

 

巴「二人とも気が早いなぁ。……でも、ありがとな。おかげでやる気もっとでた!」

 

おっと、そんなこんなで『ついた~どこ~?』と連絡が。えっと『席は―――

 

「やあやあ、お持たせ~」

 

「ごめん。モカが準備遅かったから」

 

やっときたぁ。我らがボーカル様とギター様の重役出勤だ。

 

モカ「だから先に行っててもいいよって言ったのに~」

 

蘭「結局待つことになるんだから同じじゃん」

 

モカ「そうかぁ、モカちゃんと一緒に行きたかったんだね~」

 

蘭「違うから」

 

この二人は相変わらずだなぁ。

 

ひまり「―――とりあえず座って座って!」

 

巴「とりあえずドリンク頼むか! すいませーん!!」

 

「はい、ただいま!」

 

つぐみ「と、巴ちゃん呼び出しボタンあるよ……」

 

巴「はは、こっちのほうが早いだろ?」

 

モカ「さすがトモちんだね~」

 

蘭「まったく……。変わってないね……」

 

「お待たせしました! ご注文お伺いします!」

 

うん、やっぱり最初は…………

 

全員「「「「「とりあえず生で!」」」」」

 

居酒屋きたら定番のセリフ。…………歳をとったなぁ。って! いやいや! まだ若いよ!

 

モカ「いや~やっぱこれだね~」

 

つぐみ「最初は苦くて全然飲めなかったけど……」

 

巴「いつの間にか、うまく感じるときがくるんだよな!」

 

蘭「まるでおっさんだね。まあわかるけど」

 

ひまり「まあまあ、たまにはいいじゃん!」

 

「お待たせしました! 生5つにお通しの塩もつ煮です!」

 

そんな会話してるうちに生ビール到着。お通しも美味しそうです!

 

つぐみ「ありがとうございます。はい! みんな回して!」

 

巴「……おし、いきわたったな」

 

モカ「じゃあ乾杯の音頭を~」

 

ひまり「我らがボーカル様!」

 

蘭「いや、我らがリーダー様……でしょ?」

 

つぐみ「うんっ! そうだね!」

 

巴「頼むぜリーダー」

 

モカ「この役目を果たせるのはひーちゃんしかいない……!」

 

おおう……、そうきますか……。じゃあ……期待に応えましょう!

 

ひまり「では僭越ながら……。え~私たちの再会を祝して……」

 

ひまり「えい、えい、お~!」

 

ひまり以外「「「「……」」」」

 

巴「乾杯!!!」

 

モカ蘭つぐみ「「「かんぱーい!」」」

 

ひまり「なんで~!?」

 

さすがに今日はのってくれると思ってたのに!! ちょっと期待してたのに!

 

モカ「いや~、ねぇ?」

 

蘭「様式美ってやつでしょ」

 

巴「逆にこれがないと始まらないんだよなぁ」

 

ひまり「ひどっ!? ね、ねぇつぐ……?」

 

つぐみ「ひまりちゃん! この塩もつ煮おいしいよ!」

 

ひまり「つぐですら!!! もぐっ……おいしいけれども!」

 

くそう! こうなりゃヤケだい! 今日は飲んでやる!

 

―――

――――――

――――――――――

 

えっと……。みなさんこんばんは羽沢つぐみです。ひまりちゃんが一杯目を飲み干したと思ったらどんどん飲んで――― 

 

ひまり「ごくっ……ぷは~! もういっぱい追加で!」

 

巴「おいおい、大丈夫かよそんな飛ばして……」

 

ひまり「だいじょうぶだいっ!」

 

見事に出来上がってしまいました……。

 

モカ「これはだめだね~」

 

蘭「はあ、弱いのに調子乗るから……」

 

つぐみ「あはは……、お水頼んどくね」

 

ひまり「ねえねえ、聞いてよ~ともえ~」

 

巴「はいはいなんだ?」

 

ひまりちゃんは酔っぱらうと愚痴とともに泣き出してしまうのです。いわゆる泣き上戸というやつです。

 

ひまり「――好きって言ってたじゃん!!! なのに……! 店員さん、焼酎ロックで!!」

 

巴「そうだな、つらいな」

 

そういうときは巴ちゃんがなだめます。ひまりちゃん大丈夫かなぁ……。

 

つぐみ「モカちゃんはお酒強いよね」

 

モカ「ん~? そうかな~」

 

すまし顔でおちょこを傾けるモカちゃん。すごいなぁ。お酒強い人ってちょっと憧れちゃう。

 

蘭「モカ、それ何合目?」

 

モカ「さあ~? 蘭も飲んでみる~?」

 

蘭「いい」

 

つぐみ「大人の味ってかんじだよね!」

 

モカ「お二人さんまだまだお子様ですな~」

 

蘭「……べつに飲めないんじゃなくて飲まないだけだし」

 

そう言ってモカちゃんからおちょこひったくって……。蘭ちゃん!? 一気に飲み干すのはだめだよ!?

 

蘭「全然余裕」

 

モカ「あらら、なくなちゃった。すみませ~ん。追加で~」

 

つぐみ「そういえば、蘭ちゃんはみんな知ってるけど、モカちゃんは今なに勉強してるの?」

 

モカ「あたしはマーケティングだよ~。パンの商品開発とかやりたいからね~」

 

つぐみ「そうなんだ! モカちゃんパン好きだったもんね!」

 

みんな頑張ってるな……。私も頑張らなくちゃ!

 

蘭「もか~おさけなくなったよ~」

 

モカ「え、まさかさっき頼んだ日本酒もう飲んだ?」

 

蘭「ふふっ、あはは! たりない! たりない!」

 

モカ「あちゃ~。出来上がっちゃたねぇ……」

 

蘭「もか! きいてんの!?」

 

蘭ちゃんまで……。そりゃ、あれだけハイペースで飲めばそうなるよね……。 

 

つぐみ「ら、蘭ちゃんお水飲もっか?」

 

蘭「ん~? つぐグラスあいてるじゃん。のもう!のもう!」

 

そう言って蘭ちゃんが……ちょ、ちょっと……。強めのお酒は……

 

ごくっ

 

 

みなさんどうも~。青葉モカで~す。とか自己紹介してる場合じゃないんだよねぇ……。

 

つぐみ「くっ、くふふふっ、あははは!! 楽しい~!!」

 

蘭「あはは! つぐみいいねぇ!」

 

つぐみ「モカちゃん楽しめてるっ!? はい! どうぞ!」

 

モカ「あ~はい……。いただきます……」

 

実はアフターグロウで一番酔わせちゃいけないのはつぐなんですよ~。なぜかと言うと普段からは想像もつかないほど絡み酒がひどくて……。

 

つぐみ「生追加で!」

 

巴「あっちゃ~。つぐりモードはいっちゃったか」

 

あたしたちの間ではこの状態のつぐをつぐりモードと呼んでいたりする……。

 

モカトモちん解放されたの? ……あっ、ひーちゃん寝てるね~」

 

巴「蘭もやばそうだな」

 

蘭「れんれんやばくないしっ! よゆうらからっ!」

 

巴「呂律回ってないぞ」

 

大丈夫っていう人は大抵大丈夫じゃないんだよね~。そうしてるとトントンと肩を叩かれて、振り向くと―――

 

つぐみ「巴ちゃん! モカちゃん! はいっ! 追加ですっ!」

 

まだまだ夜は長い…………。

 

――― 

―――――― 

―――――――――― 

 

つぐみ「zzz…………」 

 

モカ「ついにダウンしたねぇ……」 

 

巴「こうなるといつもアタシとモカしか起きてないよな」 

 

つぐが暴走すると寝るまで手が付けられないからさぁ。あっ、ちなみに蘭はとっくに寝ています~。 

 

巴「しかし、何度見てもつぐの豹変っぷりはすごいな」 

 

モカ「デビルつぐ…………?」 

 

巴「あはは! いいなデビルつぐ!」 

 

それにしても――― 

 

モカ「ほんと久しぶりにこんな楽しんだ気がするなぁ。普段の生活とはまた違って……。やっぱこの五人は特別ってかんじだよねぇ」 

 

巴「モカにしてはずいぶん詩的な言い回しだな」 

 

そういって少し微笑むトモちん。 

 

モカ「ずっと一緒にいたからいつの間にかうつったのかも~なんて」 

 

横で寝ている素直じゃない幼なじみを一瞥する。 

 

モカ「ん~やっぱりあたしも酔ってるなぁ。少し外の風にあたってくる~」 

 

巴「おう、いってらっしゃい」 

 

--

 

えーっと。あ、アタシ、宇田川巴だ。とりあえず今の状況なんだが、モカが外に出てったからさ……。

 

蘭つぐみひまり「zzz……」

 

こんな感じなんだよ。

 

巴「まったく……。ほんとにいつまでも変わらないな」

 

でもなんか少し嬉しいんだよな。昔からなんも変わってなくて、笑っちまう。

 

巴「そういや小さい頃もモカとアタシだけは起きてて三人は爆睡してったけ」

 

夏休みに遊んで部屋でスイカ食ってこの三人は寝てて…………。 

 

巴「そうか、もうあれから10年以上経ったのか」

 

なんかついこの間のように感じるんだけどな。……なんでこんなことしみじみ考えてるんだかな。

 

巴「はは、アタシも酔ってるな」

 

ひまり「んん……。ふぁ……」

 

巴「おっ起きたか」

 

ひまり「っ! 頭いたっ~。私そんなに飲んでた?」

 

巴「ああ、がっつりな。ほら水」

 

うんうんうなっているひまりに水を差しだす。思えばひまりとはもう何年の付き合いになるんだか……。

 

巴「ふっ、ひまりはなんも変わんないな!」

 

ひまり「なにそれどういうこと~!?」

 

おお、ひまりが騒いだから蘭が起きたな。

 

巴「とりあえず……。ほら、水飲め」

 

蘭「ん、ありがと」

 

モカ「あれ~? みんな起きた~?」

 

外からモカがご帰宅。

 

巴「いやつぐはまだ寝ちまってる」

 

ひまり「そろそろでよっか」

 

モカ「もう外明るくなってきてるよ~」

 

巴「そうだな。つぐはおぶっていくか。よっと!」

 

いまだに爆睡しているつぐをおんぶする。

 

つぐみ「ん……。むにゃ……」

 

モカトモちんとつぐの荷物もつよ~」

 

巴「おう、サンキュ」

 

会計を済ませて外に出るとモカの言ってた通り明るくなっていた。始発電車に乗り込み地元に到着。

 

巴「じゃあ、つぐをこのまま家まで連れてくから。ここでお別れだな」

 

モカ「荷物もってるしあたしもトモちんについてくよ~」

 

ひまり「うん! また今度みんなで予定合わせて遊びに行こう!」

 

蘭「気を付けてね」

 

そう言って蘭とひまりと別れる。背中で気持ちよさそうに寝てるつぐを起こさないようにゆっくりと歩いてく。

 

モカ「ふぁ……。さすがのモカちゃんも眠いよ~」

 

巴「そうだな……」

 

ふと、さっきモカが言っていた言葉を思い出す。

 

巴「……モカ、アタシもこの五人が特別だ。なんていうか、五人で変わらずにいられることが大切なんだ」

 

少し驚いたような顔をするモカ

 

モカ「……ふふ、そうだね~」

 

つぐみ「…………うん。私もそう思う」

 

そう言って背中でもぞもぞしていたつぐが口を開く。

 

巴「つぐ起きてたのか!?」

 

つぐみ「今さっき。もうおろして大丈夫だよ。ありがとう巴ちゃん」

 

巴「そうか? ほいっと」

 

つぐみ「よいしょ……。ってあれ?」

 

おいおい、足元おぼついてないぞ……。

 

モカ「ふっふっふっ~。ならばこのモカちゃんがつぐをおぶってあげよう。トモちん荷物もって~」

 

つぐみ「えっ? あっちょっ!?」

 

そんなバカなこと言ってつぐをおぶったモカダッシュ

 

つぐみ「危っ、モカちゃん危ないよっ!?」

 

モカ「だいじょーぶ、だいじょーぶ」

 

はあ、まったく……。

 

モカトモちんおいてっちゃうよ~」

 

つぐみ「モカちゃん! おろして!?」

 

こんなふうにバカできるのも、もしかしたら少なくなっていくのかもしれない。

 

巴「ああ! 今行く!」

 

でも、ずっと続いてほしいと、そう思う。

 

―――

――――――

―――――――――― 

 

はあ、記憶がないんだけどたぶんやらかした。…………美竹蘭人生史上トップ3には入るかも。あとで絶対モカにいじられる。

 

ひまり「蘭はさぁ……」

 

巴たちと別れてからたわいない話をしてたひまりが少し真面目な顔で呟く。

 

蘭「なに?」

 

ひまり「えーっと、最近どうかなって」

 

蘭「……華道の修行は毎日してる。べつに普通の生活だよ」

 

そう、普通の生活。高校を卒業してからあたしは本格的に家を継ぐための修行を始めている。

高校三年のとき父さんが病気になって、いろいろ悩んだけどあたしは美竹家を継ぐことを決めた。

 

ひまり「普通の生活……か」

 

そう言って少し寂しそうに笑う。

 

蘭「ひまりはさ、あたしが心配?」

 

ひまり「あはは……。わかっちゃう?」 

 

的を突かれたような顔をするひまり、まったく……。何年幼なじみやってると思ってんだか。それくらいわかるって。

 

蘭「大丈夫だよ、強がりじゃない。この道はみんなと決めた道だから」

 

ひまり「…………そっか」

 

バンドでみんなといることと華道のどちらを選ぶのか、あのとき、ほんとに悩んで、悩んで。でもあたしのそばにはみんながいてくれて。

 

蘭「あのときのみんなの説教は効いたよ」

 

ひまり「それは蘭がまた一人で悩むからいけないんですっ!」

 

ガルジャムのとき以来だったかな、あんな喧嘩したのは。

 

――

 

巴『前も言っただろ蘭! 蘭の問題はアタシたちの問題でもあるんだ! だから……関係なくなんかない!』

 

――

 

つぐみ『蘭ちゃんが悩んでたら私だって一緒に悩みたい。……だって幼なじみなんだからっ!』

 

――

 

ひまり『みんな蘭のことが好きなんだよ! だから、一緒に悩んで、一緒に答えをだそうよ!』

 

――

 

モカ『蘭、大丈夫、あたしたちは絶対変わらない。 だって夕焼けをみればいつだって始まりの日を思い出せる。そうでしょ?』

 

――

 

蘭「ほんとにみんなには迷惑かけっぱなしだよね」

 

ひまり「だーかーら! 迷惑とかそんなの考えるの禁止! リーダー命令っ!」 

 

はあ、リーダーに言われちゃ仕方ないか。なんだかんだひまりにはかなわない。

 

ひまり「とにかく! なにかあったら私たちを頼りなさい!」

 

蘭「わかったよ、リーダー」

 

話をしてるうちにひまりの家との分かれ道についた。すっかり朝日が昇り散歩している人もちらほら見かける。

 

ひまり「ん~っ!!! 気持ちいい朝だ!」

 

蘭「………そうだね」

 

ひまり「………またね。蘭」

 

蘭「うん。また」

 

――― 

―――――― 

―――――――――

 

蘭「ただいま」

 

家について、シャワーを浴びて、なんとなく部屋の隅に置いてあるギターを弾いてみる。

 

あたしたちが変わらない証と変われることの証を此処に

 

足跡で描いた夢。掲げ進んでいく。

 

本当の声を届けたいんだ。

 

素直に君へと言葉で――

 

――聞いてほしいよ

 

蘭「……ありがとう。」

 

ふと携帯をみるとひまりからメッセージが。

 

『言い忘れてた! もう一つリーダー命令があります!』

 

『えっとね――― 

 

―――

 

ひまり「よしっ! これでオッケー!」

 

蘭にメッセージを送信して役目を果たした携帯をベッドに投げる。

 

さて、久しぶりに練習しちゃいますか!

 

……いや。今日はいったん寝よう。

 

ひまり「にしても、つぐは相変わらず意外とアグレッシブだよねぇ」

 

ベッドに潜りながら呟き、そのまま目を閉じた。ワクワクしてしばらく眠れなかったのは内緒だ。

 

 

数日後、蘭から連絡があり、みんなでまた集まることになった。

 

蘭「リーダー命令って何かと思えばいきなり作詞しろなんて……」

 

ひまり「ごめんって!」

 

蘭に出した命令は私たちが作った曲の作詞をするというものだったのだ。実はこれはつぐが言い出してみんなでずっと作ってたんだよね。

 

つぐみ「ごめんね……? ムリ言っちゃったかな……?」

 

蘭「いや、久しぶりだったけど書けたし、…………それに楽しかったから」

 

モカモカちゃん頑張って作曲したんだから褒めてね~」

 

巴「たしかにいつになく真剣なモカが見れて新鮮だったよな」

 

つぐみ「もう一回みんなで演奏したいと思ってたから……。でも曲作りって難しいね……。蘭ちゃん本当にすごいことやってたんだなって尊敬しちゃった!」

 

うんうん。たしかに蘭が曲を作ってたのは近くで見てきたけど、いざ作ってみるとこれが大変で…………。

 

ひまり「だいぶ時間かかっちゃたんだよねぇ」

 

巴「で! 歌詞はどうなったんだ!?」

 

蘭「うん、これ」

 

渡された歌詞カードを見て黙り込む一同。

 

蘭「えっと、ダメだった……? あたしも久しぶりだからあんまり自信が…………」

 

つぐみ「すごいっ! これすっごくいい歌詞だよっ!」

 

モカ「エモいですな~」

 

巴「ああ、いい歌詞だと思うぜ。それに――」

 

ひまり「――それにこのタイトル、すごく私たちらしいじゃん! うん! スタジオ行こう! はやく演奏しようよ!」

 

蘭「いや、気が早すぎるでしょ……。それにそんな急にスタジオ取れないし」 

 

ひまり「私にまかせなさい!」

 

ふっふっふー。リーダーを甘く見てもらっては困るよ。これでもコネは結構あるんだから!

 

 

蘭「ほんとに借りれた……」

 

あのあといろんなスタジオに電話をかけまくって場所を確保。いや~すぐ見つかってよかったぁ。内心バクバクだったよ。

 

巴「………久しぶりだなこの感覚」

 

つぐみ「うん、久しぶり」

 

モカモカちゃん準備オッケー」

 

蘭「じゃあひまり、いつものよろしく」

 

ひまり「えっ!?」

 

……う~ん。…………いや、いいでしょう!

 

ひまり「みんないくよ! えい、えい、お~!」

 

ひまり以外「「「「……」」」」

 

ひまり「やっぱりね!!!!」

 

だあ! もう! …………でも。……うん。これが私たちの――

 

巴「うっし! いつも通りだな」

 

つぐみ「いつも通り!」

 

モカ「いつも通り~」

 

ひまり「いつも通りだ!」

 

 

スタジオ

 

蘭「……いくよ『――――――』」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

ひまり「みんなで飲み会」

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