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アスカ「ん……もう/// 結構大胆なのね///」シンジ「…」【エヴァンゲリオンss/アニメss】

ゲンドウ「出撃」 シンジ「わかった! 行ってくる!」【エヴァンゲリオンss/アニメss】

 

アスカ「ん……もう/// 結構大胆なのね///」シンジ「…」【エヴァンゲリオンss/アニメss】

 

 

 

 

 

 

ゲンドウ「出撃」 シンジ「わかった! 行ってくる!」

 

ネルフ本部】

 

 

シンジ「頑張るぞーっ!」ダダダダダッ

 

ミサト「待ちなさい、シンジ君! 説明を受けて!」

 

『せいっ!』バキッ

 

 

マヤ「ハッチこじ開けられました! エントリープラグの中に侵入されます!」

 

リツコ「誰か、シンジ君を止めて!!」

 

『動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動いてよっ!』

 

 

キュピーンッ

 

 

マヤ「初号機起動!」

 

リツコ「なんですって!?」

 

『うおおおおおっ!』

 

 

ダンッ、ダンッ、ダンッ

 

 

マヤ「信じられません! 三角飛びで地上へと飛び出していきます!」

 

リツコ「26番ルートのシャッター開放! 急いで! 壊される前に!」

 

ミサト「シンジ君、ちょっと! 落ち着いて!」

 

『くっらえーーーっ!』バリンッ

 

 

ドーンッ!!!!!

 

 

マヤ「使徒殲滅!」

 

ミサト「もう!?」

 

リツコ「……なんて子なの!」

 

 

冬月「……勝ったな」

 

ゲンドウ「」コクッ

 

 

使徒殲滅後】

 

 

ミサト「え!? シンジ君、お父さんと暮らさないの!?」

 

シンジ「はい! 父さんから一人で暮らせって言われてるので、だから一人暮らしします!」

 

ミサト「」

 

ミサト「だけど、それじゃいくらなんでも……」

 

シンジ「大丈夫です! 父さんはきっと我が子を千尋の谷に突き落とすライオンみたいな人なんです! 流石だよ、父さん! ワイルドだよ!」キラキラ

 

ミサト「」

 

ミサト「あの……シンジ君。良かったら私と一緒に住む?」

 

シンジ「いいんですか!?」パアッ

 

シンジ「ありがとうございます、ミサトさん! 僕、嬉しいです! 感激しました!」キラキラ

 

ミサト「……なんなの、この子」

 

 

【丘】

 

 

ミサト「えっと、シンジ君。あれがあなたの守った街よ」

 

シンジ「はい! 僕、頑張りました! 誉めて下さい!」

 

ミサト「……あ、うん」

 

シンジ「」ワクワク

 

ミサト「頑張ったわね、シンジ君」

 

シンジ「ひゃっほーい!」

 

 

【ミサトの家】

 

 

ミサト「それじゃあ、シンジ君。ここが今日からあなたの家よ」

 

シンジ「たっだいまー! うわっ、超汚い!」

 

ミサト「」

 

シンジ「すごいよ! こんな片付けがいがある家、初めてだ! 頑張るぞー! うりゃああー!!」ダイブ

 

ミサト「……ご、ごみんね」

 

 

【サービスシーン】

 

 

シンジ「お風呂だ、うっひょー!」ザバンッ

 

ペンペン「クエエエエッ!」ビクッ

 

 

シンジ「うわっ! なんだこの生き物! メチャメチャ可愛い!!」ダキッ

 

ペンペン「クエエエエェェェッッッッ!!!」ジタバタ

 

 

ネルフ

 

 

リツコ「それじゃあ、シンジ君。次は訓練よ」

 

シンジ「うおおおおおっ! センター! 照準! センター! 照準! スイッチ! スイッチ!」ガチッ、ガチッ、ガチッ

 

リツコ「」

 

 

使徒来ちゃった】

 

 

レイ「碇君、非常召集」

 

シンジ「きゃっほーい! 出番だー!」ダダダッ

 

レイ「…………」

 

 

【出撃】

 

 

ミサト「リツコ、シンジ君の出撃準備は出来てる?」

 

リツコ「もう勝手に飛び出してるわ」

 

 

『ファイヤァァー! 覚悟しろ、使徒おぉぉ!!!』

 

 

ミサト「」

 

 

『うおおおおああああああああっっ!』

 

 

ドーンッ!!!!!

 

 

マヤ「使徒殲滅!」

 

ミサト「また!?」

 

リツコ「おまけに素手で倒したわよ、あの子!?」

 

 

【殲滅後】

 

 

ミサト「なんで私の命令をきかず、勝手に出撃したの」

 

シンジ「敵を倒すには早い方がいいって、孫子ジーンさんが言ってましたから!」キラキラ

 

ミサト(どう返しゃいいのよ、こんなの……)

 

 

ミサト「とにかく、シンジ君」

 

シンジ「はい!」

 

ミサト「使徒戦については私が指揮を取る事になってるから。だから、勝手な真似は今後しないように。いいわね」

 

シンジ「はい! ごめんなさい!」ペコリッ

 

ミサト「……うーん」

 

 

【ミサトの家】

 

 

ミサト「シンちゃーん。悪いけど、レイに新しいIDカード届けに」

 

シンジ「行ってきます!!」ダダダダッ

 

ミサト「」

 

 

綾波の家】

 

 

シンジ「綾波綾波綾波!」ドンドン、ガンガン

 

シンジ「来た! 僕! 届けに! IDカード!」ドンドン、ガンガン

 

シンジ「ドア! 開ける! 綾波! 早く!」ドンドン、ガンガン

 

 

ガチャッ

 

 

レイ「……何?」

 

シンジ「はやなみぃー!」パアッ

 

シンジ「持ってきた! ほらっ! 出来立て! IDカード! 新しい!」ババンッ

 

レイ「そう」

 

シンジ「それじゃ一緒にネルフに行こう、綾波!」ギュッ

 

レイ(手を……掴まれた)

 

シンジ「それーっ!!」ダダダダッ

 

レイ「待って。速い……! 転ぶから……!」ダダダッ

 

 

エスカレーター】

 

 

シンジ「綾波ってエヴァに乗るの怖くない?」

 

レイ「……どうして?」

 

シンジ「怖かったら、僕が綾波の分まで乗るから!」

 

レイ「……別に、怖くないわ」

 

シンジ「そっか! でも、危ないからやっぱり僕が綾波の代わりに乗るね!」

 

レイ「……そう」

 

 

【ラミちゃん襲来】

 

 

ミサト「リツコ、シンジ君の出撃準備は出来てる?」

 

リツコ「もう飛び出してるわ」

 

 

『ぎゃあああああああああっっ!!』

 

 

ミサト「」

 

 

【病室】

 

 

シンジ「」ハッ

 

レイ「碇君……気がついた?」

 

シンジ「ちくしょう! ちくしょう!」ガバッ

 

レイ「!?」

 

シンジ「うわぁぁぁぁぁ!!」ダダダダッ

 

レイ「あ、碇君……!」

 

 

ミサト「リツコ、準備は間に合う?」

 

リツコ「ギリギリ何とかね。でも、問題は準備よりも人の方だと思うわよ」

 

ミサト「シンジ君か……。考えてみれば、あの子、初めて使徒から攻撃を受けたのよね……」

 

リツコ「それも生死に関わる攻撃をね。これまでは怖いもの知らずでやっていけたかもしれないけど、これから先はどうか……」

 

ミサト「そうね……。心配だわ。怖くなってトラウマ抱えたりしてないといいけど……」

 

リツコ「ミサト……。こちらは私が受け持つから、あなたはシンジ君の様子を見に行ったら?」

 

ミサト「そうね……。ちょっち悪いけど、少し席を外すわ。シンジ君の病室まで行って」

 

 

キュピーン

 

 

マヤ「!? 初号機、突然起動しました!」

 

リツコ「何ですって!?」

 

ミサト「まさか……! 暴走!?」

 

使徒め! よくもやってくれたなコンチクショウ! さっきのは痛かった! 痛かったぞぉぉぉー!!』

 

 

ウオオオオオッ!!

 

 

ミサト「ちょっ!」

リツコ「」

マヤ「」

 

 

『食らえええっ!! 怒りのフライングボディブレス!!』

 

 

ラミちゃん「来ないでー!」

 

キュイーン……

 

 

ミサト「あ」

リツコ「」

マヤ「」

 

 

チュドーン!!!!!

 

『うわああああああああああっ!!!』

 

 

ミサト「シンジ君っ!」

 

リツコ「何をしてるの、あの子は!」

 

マヤ「作戦が! 全部パーに……!」

 

 

『痛いよ! だけど、僕はもう負けない! 弱音なんか吐かないんだ!』

 

『今度こそ!』ピカンッ

 

 

マヤ「!? 左腕と胸部、一瞬にして復元!」

 

ミサト「なんで!?」

 

リツコ「あり得ないわ!!」

 

 

ラミちゃん「いやー、やめてー」

 

キュイーン……

 

 

ミサト「シンジ君、また来るわよ! 避けて!」

 

リツコ「シンジ君っ!」

 

マヤ「逃げて、シンジ君!!」

 

 

チュドーン!!!

 

 

『うおああああああああああああっっ!!』

 

バリンッ!!!

 

 

ミサト「そんなっ! 嘘でしょ!?」

 

リツコ「ATフィールドで!!」

 

マヤ「逸らした!?」

 

 

『いっくぞー!!』ジャキンッ

 

 

マヤ「プログレッシブナイフ装備!」

 

 

『食らええええええぇぇぇっ!!』

 

ギュイーン

 

 

バリンッ!!!!!

 

 

ラミちゃん「あーれー」

 

 

 

マヤ「使徒殲滅!」

 

 

ミサト「無茶苦茶よ……」

 

リツコ「非常識だわ……」

 

 

綾波! 見てた!? 次は負けなかったよ、僕!!』

 

綾波は僕が守るから! だから安心して!!』

 

 

 

ミサト「」

リツコ「」

 

マヤ「なんか青春してる……」

 

 

 

 

 

レイ「碇君……?」

 

 

【司令室】

 

 

綾波は僕が守るから! だから安心して!!』

 

 

冬月「碇……あれ、本当にお前の息子か? お前と似ても似つかないが……」

 

ゲンドウ「……あまり自信はない」

 

冬月「やれやれ……。こういう時、どういう顔をしていいものか……」

 

ゲンドウ「……聞くな、冬月。放っておいてくれ」

 

 

【人の造りしモノ】

 

 

ジェットアローン「へいへいへい、爆走だぜえ」ドシン、ドシン

 

 

『ちょっと待ったー! ここを通りたかったら、僕を倒してからだよ! そりゃあ!』バキッ!!

 

ジェットアローン「おおふ」ドサッ

 

 

ミサト「ちょっ! 炉心融解の危険があるって言ったでしょうがあ!!」

 

 

【アスカ来日】

 

 

アスカ「ミサト、久しぶりー! 会いたかったー! 元気ー!」タタタッ

 

ミサト「ええ、元気よ。紹介するわ、彼がサードチルドレンの」

 

アスカ「ハイターッチ! ヘイヘイカモン、サード!」

 

シンジ「オーイエー! セカンド! フーーーーッ!」パチンッ

 

アスカ・シンジ「仲良し♪」

 

 

ミサト「あんたたち、ホントに初対面なの?」

 

 

ガギたん「やっはろー」

 

 

アスカ「チャーンス! 早く早く、シンジー! 置いてっちゃうわよー!」ダダダッ

 

シンジ「いやっふうううい! 使徒キター!」ダダダッ

 

ミサト「ちょっ!」

 

加持「……元気だなあ、あの二人。いやはや、何とも」

 

 

『とっつげきー!!』

 

『バームクーヘン!』

 

 

弐号機「せいっ!」ズサッ

 

ガギたん「きゃあん」

 

 

使徒殲滅!』

 

 

 

ミサト「はや!」

 

加持「何とも頼もしい事で……」

 

 

【ミサトの家】

 

 

アスカ「ヘロー、シンジ! 引越して来たわよー!」

 

シンジ「ヤッフゥゥゥイ! 可愛い女の子と同棲だー!」ピョイン

 

 

ミサト(一緒に暮らすなんて言った覚えないんだけどなあ……)

 

 

【サービスシーン2】

 

 

アスカ「お風呂♪ お風呂♪」

 

ペンペン「クエェ……」コソコソ

 

 

アスカ「!?」

 

ペンペン「」ビクッ

 

 

アスカ「きゃー、なに、これ! スゴい可愛い!」ダキッ

 

ペンペン「クエエエエェェェッッッッ!!!」ジタバタ

 

 

【学校】

 

 

シンジ「おっはよー! 綾波!」

 

アスカ「おっはよー! アンタがファーストチルドレンのレイね! アタシ、セカンドのアスカ! これから仲良くしてきましょうね!」ニコッ

 

レイ「……命令があればそうするわ」

 

 

【昼休み】

 

 

シンジ「そーれ、アスカ。今日のお弁当、ぽーいっだ」ポイッ

 

アスカ「甘い甘い。そーれ、キャッチー!」パシッ

 

 

アスカ「やったわねえ、お弁当の中身ぐちゃぐちゃじゃないの、このバカシンジー♪」キャッキャッ

 

シンジ「あはは、ごめんよ、アスカー♪」キャッキャッ

 

 

レイ「…………」

 

 

レイ「……碇君。一つ聞きたい事があるの」

 

シンジ「どうしたの、綾波?」

 

レイ「セカンドのお弁当を碇君が持ってるのはどうして?」

 

シンジ「ああ、あれは僕が作ってきたからだよ! 今日のは特に自信作なんだ!」ニコッ

 

アスカ「それを投げて渡したじゃないの、アンタ! いい加減にしなさいよね! このー♪」ペシペシ

 

シンジ「あはは、ごめんってばー、アスカー♪」キャッキャッ

 

 

レイ「……二人とも、少し黙って聞いて」

 

シンジ「え」

 

アスカ「え」

 

 

レイ「……それで、どうしてセカンドのお弁当を碇君が作る事になったの?」

 

 

シンジ「ああ、それは僕達が!」

 

アスカ「一緒に! 暮らす事になったから!」

 

レイ「……一緒に?」

 

 

シンジ「ね、アスカ!」

 

アスカ「そうよ! アタシ逹仲良しだもん!」

 

シンジ・アスカ「イエイ!」パシンッ

 

レイ「…………」

 

 

ヒューヒュー、ヒューヒュー

 

\ 熱いねー、二人ともー /

 

 

シンジ「みんな、やめてよー! そんなんじゃないってばー」

 

アスカ「そうそう。そんなんじゃないってばー!」

 

 

\ 仲いいー。同棲してるんだー /

 

 

シンジ「だから、違うってばー!」

 

アスカ「そうよ、違うってばー。シンジとはお友達なのー!」

 

レイ「……そう」

 

シンジ・アスカ「うん!」ニコッ

 

レイ「…………」

 

 

ネルフ

 

 

レイ「……葛城一尉。不公平です」

 

ミサト「え? レイ、藪から棒に何?」

 

レイ「セカンドチルドレンが葛城一尉の家に引越しをしたと聞きました。不公平です」

 

ミサト「え、ちょっとレイ、待って。何の話をして」

 

レイ「私も同じエヴァパイロットです」

 

ミサト「うん、それは知ってるけど、でもそれとこれで何の関係が」

 

レイ「今日から葛城一尉の家に私も引越します」

 

ミサト「」

 

 

【ミサトの家】

 

 

レイ「今日から、この家に私も住む事になったから」

 

アスカ「イエーイ、女の子増えたぁ!」

 

シンジ「可愛い女の子二人と同棲だなんて、僕、エヴァに乗ってて良かったあ! ひょーっ!」ピョイン

 

 

ミサト「ちょっ!!」

 

 

【サービスシーン3】

 

 

レイ「……ポカポカ」

 

ペンペン「クェ……」コソコソ

 

ペンペン「」シュバババッ (ダッシュ

 

 

レイ「!!」ガシッ (確保)

 

ペンペン「クエッッッ!!」ビクッ

 

 

レイ「」ジッ

 

ペンペン「クエェェ……?」ドキドキ

 

 

レイ「可愛い……!///」ギュッ

 

ペンペン「クエエエエエェェッッ!!」ジタバタ

 

 

【晩御飯のお時間】

 

 

ミサト「」グビッ、グビッ、グビッ、プハーッ

 

ミサト「あー、もう! こうなったらやけよ! 今日はレイの歓迎会だからパーッといくわよ、パーッとお!」

 

 

アスカ「ディナー♪ ディナー♪」

 

シンジ「ご馳走♪ ご馳走♪」

 

レイ「……野菜炒め。野菜炒め」

 

 

ミサト「あんたら、行儀悪いからやめ」

 

 

シンジ・アスカ「いたっだきまーす!」

 

レイ「……いただきます」

 

 

ミサト「……もうやだ。こんなんばっかり」

 

 

アスカ「うん、おっいしー! さっすが、シンジー!」

 

レイ「……美味しい」

 

シンジ「みんなで食べるご飯、サイコーだよーっ!」

 

ミサト「ホント、仲良いわね、あんたら」

 

 

レイ「」モグモグ、ヒョイッ

 

アスカ「って、レイ、何で肉をよけてるの? こんなに美味しいのに」パクパク

 

レイ「話しかけないで、そこの赤いの」

 

アスカ「」

 

 

レイ「」モグモグ、ヒョイッ

 

シンジ「あれ? 綾波、その唐揚げ食べないの? 美味しいのに」

 

レイ「ごめんなさい……。肉、食べられないの」

 

シンジ「あ、そうなんだ。珍しいね」

 

アスカ「あ、えっと……レイ?」

 

レイ「うるさいわ、そこの赤いの」

 

アスカ「」

 

 

シンジ「でも、それなら僕がもらってもいいよね? 綾波?」

 

レイ「ええ……碇君、食べて」

 

シンジ「やったー、お肉倍増だーい!」モグモグ

 

アスカ「あー、シンジ、ずるーい! アタシも欲しかったのにー! ちょっとシンジ、一口ちょーだいよ!」

 

シンジ「ダメだよ! 早い者勝ちなんだから! これは僕の!」ムグムグ

 

アスカ「渡せー! ほらほら」コチョコチョ

 

シンジ「や、やめへ、アフカ! 反則だよ、くふぐるのは!」

 

アスカ「知らないわよーん! うりうり」コチョコチョ

 

シンジ「うひゃはは! た、助け、あはははは!」ジタバタ

 

 

レイ「…………」

 

ミサト「えっと……レイ? ひょっとして、混ざりたいの?」

 

レイ「いいえ」

 

ミサト「あ、そう……? うん、なんかごめんね……」

 

 

【深夜】

 

 

ガラッ

 

ミサト「はぁー、もう。ちょいと飲みすぎたわね」

 

ミサト「おトイレ、おトイレっと。ん?」

 

 

シンジ「」スヤスヤ

 

アスカ「」スヤスヤ

 

レイ「」スヤスヤ

 

 

ミサト「あらら……三人してこんな床の上で寝て」

 

ミサト「はしゃぎ疲れてそのまま寝ちゃったってパターンよね、これ。みんな可愛い寝顔しちゃって、全くもう」

 

ミサト「そりゃ昼間あれだけ騒ぎ回ってるんだから、夜まで持たないか。こういうところは本当に子供なんだから」

 

ミサト「でも、これだけ無邪気な顔して眠ってると、可愛いから許しちゃうけど」クスッ

 

ミサト「仕方がないわね。とりあえず三人とも部屋まで運んであげるか。まずはアスカから。よっこらしょっと」ヒョイッ

 

アスカ「……や」ボソッ

 

ミサト「?」

 

 

ミサト「アスカ? 起きたの?」

 

アスカ「」スヤスヤ

 

ミサト「……寝言?」

 

アスカ「……や、ママ……行かないで……」ギュッ

 

ミサト「……ママ?」

 

アスカ「アタシを……見て。アタシを捨てないで……」ポロポロ……

 

ミサト「…………」

 

 

シンジ「……父さん」ボソッ

 

ミサト「……シンジ君? ……こっちも寝言?」

 

シンジ「父さん、僕を置いていかないで……父さん……」ポロポロ……

 

ミサト「…………」

 

 

レイ「……違うわ」ボソッ

 

ミサト「……レイまで」

 

レイ「私は人形じゃない……。私の代わりはいないの……だから……」ツー…… (涙)

 

ミサト「…………」

 

 

ミサト「そうよね……。シンジ君もアスカもレイも本当は淋しいのよね……」

 

ミサト「母親がいない……。淋しいのは当たり前の事よね……」

 

ミサト「普段、あれだけ明るいからまるで気が付いてあげられなかった……完全に保護者失格ね、私は」

 

アスカ「ママ……」ギュッ

 

ミサト「はいはい……。大丈夫よ、アスカ。私はどこにも行かないから……ね?」ナデナデ

 

アスカ「……マ……マ?」

 

ミサト「いい子ね、アスカ。……さ、向こうのベッドで眠りましょう。連れてくわよ」

 

アスカ「うん……」

 

ミサト「……お休みなさい、アスカ。いい夢を見てね」

 

アスカ「ママ……」スヤスヤ

 

 

ミサト「次はシンジ君か。布団かけてあげなきゃ」テクテク

 

 

シンジ「父さん……」ポロポロ

 

ミサト「うん……。大丈夫よ、シンジ君。あなたのお父さんも、きっと心の底ではあなたの事を想っているわ」

 

ミサト「……辛いだろうけど、頑張ってね、シンジ君」ナデナデ

 

シンジ「僕を……」

 

ミサト「うん。あなたを見ている人はここにいるわ、お休み」

 

シンジ「父さん……」スヤスヤ

 

 

ミサト「最後にレイね」

 

レイ「……碇……君。私は……」ツー……(涙)

 

ミサト「うん。シンちゃんはあなたの事を人形だとか、代わりがいるとか、そんな風には思っていないわよ、きっと」

 

ミサト「前にシンちゃんから守るって言われたわよね、レイは。だから、それを信じなさい。シンちゃん、嘘をつけるような子じゃないし。だから安心して、レイ」ナデナデ

 

レイ「う、ん……」スヤスヤ

 

 

【翌朝】

 

 

チュンチュン

 

ミサト「ん……もう朝……?」

 

ミサト「うー……頭痛い。本当に昨日はちょっと飲みすぎたわね……」

 

 

レイ「……おはようございます、葛城一尉。……起こしてくるように碇君から頼まれました」ガラッ

 

ミサト「うあ……レイ、悪いけどもう少しだけ寝かせて……頭痛いから」

 

シンジ「ミサトさーん! 遅いですよー! 起きて下さーい!」ガンガン!!

 

ミサト「やめ……静かに……」

 

アスカ「ミッサトー! 愛のダイビングアターック! それーっ!」ドサッ

 

ミサト「がふっ! アスカ……あんたまで……」ガクッ

 

 

【瞬間、心、重ねて】

 

 

イスラフェル「来ちゃった」エヘ

 

 

『行っくわよー、シンジー!』

 

『わかってるよ、アスカー!』

 

 

初号機&弐号機「二人は仲良し」クルクル

 

初号機&弐号機「スーパーキーック!!」ズガッ

 

イスラフェル「まだ分身もしてないのにー」

 

 

チュドーン!!!

 

 

マヤ「使徒殲滅!」

 

ミサト「はいはい、お疲れさまー。うー……頭が痛い……」

 

リツコ「早くて楽でいいわね」

 

加持「今夜は久しぶりに三人で飲みにでも行くか?」

 

ミサト「あんた……わざと言ってるでしょ?」

 

 

【マグマダイバー】

 

 

シンジ「うぃええええええ!!!」

 

アスカ「修学旅行がぁぁぁぁ!!!」

 

レイ「……ないわ」

 

 

シンジ「うっ、うぁぁぁ……! そんなのってないよぉぉぉ!! 楽しみに、してたのにぃ……!」グスッ

 

アスカ「うっ、うっ……! 水着買っだのに゛ぃぃ……!」グシュッ

 

レイ「…………」

 

 

ミサト「ご、ごみん……。本当に許して……三人とも……」

 

 

【プール】

 

 

シンジ「ぅぅ」シクシクシクシク

 

アスカ「ぅぅ」シクシクシクシク

 

 

レイ(……まだ泣いてる)

 

 

【一時間後】

 

 

シンジ「そーれ、アスカ、パース!」ポーンッ (ピーチボール)

 

アスカ「ナイスパス、シンジー! そーれっ!」ポーンッ

 

シンジ「あー! 全然別のところにいってるじゃないか、アスカのへたっぴー」キャッキャッ

 

アスカ「シンジなら取れるわよー、頑張りなさいよねー」キャッキャッ

 

 

レイ「…………」

 

 

【更に一時間後】

 

 

シンジ「アスカー! 見て見てー! ジャイアンストライドエントリー!」ドボンッ

 

アスカ「それなら私はバックロールエントリー!」ドボンッ

 

レイ「ステップオーバーエントリー」ドボンッ

 

 

【サンダル捕獲作戦】

 

 

ミサト「アスカ、ケージに入れて使徒を生け捕りにするから」

 

『どおりゃぁぁぁぁ!!』ズサッ!!

 

 

サンダルフォン「ふぇぇ……」

 

 

使徒殲滅!』

 

ミサト「アスカぁぁぁぁ!!」

 

 

【静止した闇の中で】

 

 

シンジ「使徒がキター!」ダダダッ

 

アスカ「でも、停電で扉閉まってるー!」ダダダッ

 

レイ「えいっ!」バキッ!! (破壊)

 

アスカ「ナーイス、レイ!」ダダダッ

 

シンジ「このままダッシュダッシュゥー! イエーイ!」ダダダッ

 

アスカ「私が先よー! 負けるもんですかー!」ダダダッ

 

レイ「ま、待って!」ダダダッ

 

 

エヴァ搭乗後】

 

 

『はっ! ほっ! やっ!』タンッ、タンッ

 

『ちょっと、シンジー! 三角飛びはズルいわよ!』

 

『私も!』タンッ、タンッ

 

『レイまで! もうっ! アタシも行く!』タンッ、タンッ

 

 

マトリエル「マジすか」

 

 

『くっらえー!! 初号機パーンチ!』ドゴッ!!

 

『零号機アタック!』ギュイイイーン!!

 

 

マトリエル「ごふっ!」

 

 

チュドーンッ!!!

 

 

使徒殲滅!』

 

 

『ちょっと、アタシの出番はー!!』

 

 

 

 

【奇跡の価値は】

 

 

ミサト「各機、指定の位置について!」

 

リツコ「もう発進(ry」

 

 

『いやっほーい! たーのしーい!』ピョーン

 

『そーれっ! あはははぁ!』ピョーン

 

『……ジャンプ』ピョーン

 

 

ミサト「あんたらぁぁ!! 使徒が落ちてくる前に内部電源が切れるから飛び出すなって散々言ったでしょうがぁぁぁ!!」

 

 

ミサト「マヤ! 使徒の落下予想時刻は!」

 

マヤ「推定で七分後です! 内部電源だけではもちません!」

 

リツコ「ミサト! ここは呼び戻すしかないわよ!」

 

ミサト「わかってるわよ! あんたら、ソッコーで戻って」

 

日向「目標! 急加速して大気圏を突破! もう肉眼で確認出来ます!」

 

青葉「推定より二分も早いぞ! これじゃ呼び戻しても、もう間に合わない!」

 

 

ミサト「そんなっ!」

 

 

『ATィィィ……!』

 

『フィールド……!!』

 

『全っ開っっ!!!』

 

 

『そおりゃあああああっ!!!』ブンッ!! (ATフィールド投げ)

 

『最大出力っ!!!』ブンッ!! (ATフィールド投げ)

 

『いっけええええええっ!!!』ブンッ!! (ATフィールド投げ)

 

 

キランッ

 

サハちゃん「あーれー」

 

 

チュドーンッ!!!

 

 

マヤ「使徒……殲滅……!!」

 

日向「今、ATフィールド……ぶん投げたぞ、あの子ら……」

 

青葉「あんな使い道あるのかよ……」

 

ミサト「なにあれ……」

 

リツコ「凄い……」

 

 

【嘘と沈黙】

 

 

シンジ「このお墓の下に母さんが眠ってるなんて信じられないや。掘り起こしていい?」

 

ゲンドウ「駄目だ。そこにはいないけど駄目だ」

 

シンジ「冗談だよ。写真も燃やしたんだよね。一枚ぐらい残ってないの?」

 

ゲンドウ「ない。全ては思い出の中だ。今はそれでいい」

 

シンジ「僕は嫌だよ。父さんには新しい恋愛をしてもらって早く幸せになって欲しいんだ。いい人見つけて再婚しなよ、父さん」

 

ゲンドウ「母さんの前だ。ぶち殺すぞ」

 

 

【車の中】

 

 

ミサト「どうだった、シンジ君? 久しぶりのお父さんとの対面は?」

 

シンジ「最高です! やっぱり父さんはワイルドでした!」キラキラ

 

ミサト「あ、ああ、そう……」

 

 

【ミサトの家】

 

 

シンジ「ミサトさんが今日は帰ってくるのが遅い!」

 

アスカ「って事は!」

 

レイ「みんなでトランプ」

 

シンジ「お菓子、準備オッケー!!」ジャンッ

 

アスカ「ジュース、準備オッケー!!」ジャンッ

 

レイ「トランプ、準備オッ……用意は出来ているわ」

 

 

シンジ「負けたら罰ゲームだよ! 覚悟はいい、みんなっ!」

 

アスカ「へっへーん! 負っけるもんですかー!」

 

レイ「……勝つわ」

 

 

「ゲームスタートォゥ!!」

 

 

【十五分後】

 

 

シンジ「」ガクゥ

 

 

アスカ「イエーイ! レイ! ナイスアシストォ!」サッ

 

レイ「あなたも、よくやったわ」パシッ (ハイタッチ)

 

 

シンジ「」ズゥン……

 

 

アスカ「罰ゲーム♪ 罰ゲーム♪」

 

レイ「罰ゲーム。罰ゲーム」

 

 

シンジ「あんまりだ……。世の中には神様なんかいないんだ……」ズゥン……

 

 

アスカ「それじゃあ、負けたシンジはアタシにキスね。それがアタシからの罰ゲーム」

 

レイ「!?」

 

シンジ「!!」

 

レイ「セカンド……。キスって、唇と唇を重ねるあれ?」

 

アスカ「あったり前じゃないの! お子様じゃないんだから、キスの一つぐらい罰ゲームにしてもいいでしょ。ねー、シンジ?」

 

シンジ「う、うん……///」ドキドキ、バクバク、ドキドキ、バクバク

 

 

アスカ「ほら、シンジ。目をつぶってるから早く///」

 

シンジ「あ、いや、あの、その、えと……!///」ドキドキ、バクバク、ドキドキ、バクバク

 

 

レイ「…………」

 

 

レイ「」スタスタ (台所に行く)

 

レイ「」ヒョイ (こんにゃくを取り出す)

 

レイ「」スタスタ (居間に戻る)

 

 

アスカ「シンジ、まだー///」

 

シンジ「や、えと、あの……///」ドキドキ、バクバク、ドキドキ、バクバク

 

 

レイ「」ピトッ (こんにゃくをアスカの唇につける)

 

アスカ「ん///」

 

レイ「」グリグリ (押し付ける)

 

アスカ「あ……/// ん……」

 

 

シンジ「」

 

 

アスカ「ん……もう/// シンジ、長過ぎよ」

 

シンジ「」

 

レイ「」サッ (こんにゃくを隠す)

 

 

アスカ「にしても、アンタ、結構大胆なのね。あんなに強く///」

 

シンジ「」

 

レイ「」スタスタ、ポイッ (台所に行ってこんにゃくを捨てる)

 

 

レイ「……碇君」クルッ (向き直る)

 

シンジ「な、なに……? 綾な」

 

レイ「」スッ (キスをする)

 

シンジ「!///」

 

レイ「私も罰ゲーム、キスにしたから……///」

 

シンジ「あ、綾波///」

 

 

アスカ「…………」

 

アスカ「ふうん……」

 

 

死に至る病、そして】

 

 

『戦いは男の仕事っ! いやっふーい!』ピョンッ

 

『前時代的ぃ! そーれっ!』ピョンッ

 

『私も行く!』ピョンッ

 

 

ミサト「ちょっと、アンタらぁ!! 戻っ(ry」

 

リツコ「いつもの事ね」

 

マヤ「ですね」

 

 

レリエル「おいーっす」

 

 

ズブ……ズブズブズブ……

 

 

ミサト「なっ! 街が影に飲み込まれて!」

 

リツコ「まさか、これはディラックの海!?」

 

 

『なっ! 何ですか、これ! ミサトさんミサトさん!』

 

『ミサト! 私たち、飲み込まれて! 足場が!!』

 

『っ!』

 

 

ミサト「シンジ君! アスカ! レイ!」

 

リツコ「まずいわ! このまま全部飲み込まれてしまったら!」

 

マヤ「駄目ですっ! エヴァ全機! 完全に飲み込まれました! 通信も応答ありません!」

 

ミサト「みんなっ!!」

 

 

シンジ「ふんっ!」バリンッ!! (こじ開ける)

 

アスカ「どっせい!」バリンッ!! (こじ開ける)

 

レイ「はいっ!」バリンッ!! (こじ開ける)

 

 

レリエル「オーマイガー……」

 

 

チュドーンッ!!!

 

 

マヤ「あ……使徒殲滅です」

 

ミサト「」

 

リツコ「」

 

 

【四人目の適格者】

 

 

レイ「」ギュッ…… (雑巾しぼり)

 

 

シンジ「…………」

 

 

レイ「……どうしたの? 碇君」

 

シンジ「あ、ううん。何でもない。ただ……」

 

レイ「ただ?」

 

シンジ「なんか、綾波の雑巾のしぼり方がお母さんみたいだなって思って……//」

 

レイ「///」カアッ

 

シンジ「綾波って結婚したら、いいお母さんになるかもって……。そう思ったんだ///」

 

レイ「そう///」ドキドキ

 

 

ネルフ

 

 

リツコ「ミサト、今度四号機がこちらに来るみたいだけど」

 

ミサト「ぶっちゃけ、今の状況で四号機っている?」

 

リツコ「いいえ。必要ないわ」

 

ミサト「そうよねー」

 

 

【格納庫】

 

 

エヴァ四号機「…………」

 

バルディエル「俺、何しに来たん?」

 

 

【男の戦い】

 

 

ゼルりん「がおー」

 

 

『せいっ!!』ドゲシッ!!

 

『どっしゃああ!!』ズガッ!!

 

『いける!!』ダンッ!!

 

 

ゼルりん「フルボッコとかないっすわ、ホンマ……」

 

 

チュドーンッ!!!

 

 

 

マヤ「使徒殲滅!」

 

ミサト「今回、意外と強かったわね」

 

リツコ「そうね。戦闘開始から殲滅まで五分かかったのってこれが初めてよね」

 

加持「しかし、全員無事でなにより。さあて、今夜は祝杯といきますか」

 

ミサト「そうね。給料出たばっかりだし、いっちょパーっとね」

 

 

ネルフ誕生】

 

 

加持「よお。遅かったな」

 

 

バンッ!!!

 

 

【ミサトの家】

 

 

『留守番電話に一件のメッセージがあります』

 

 

ミサト「!!」

 

ミサト「まさか……」ソロソロ……

 

ミサト「再生……」ポチッ

 

『葛城……俺だ』

 

『このメッセージを聞く時には、君に多大な迷惑をかけた後かもしれない。……すまない』

 

『実はさっき車に轢かれちまってな……。右足を骨折してしまったんだ』

 

『君がまだその連絡を受けていないのなら、悪いが俺の部屋に行って枕とパジャマを持ってきてくれ。俺、枕が変わると眠れないんだ』

 

『ついでに、俺の家の表札も持ってきてくれないか。それは君の家につけておいてくれると嬉しい』

 

『八年前に言えなかったあの言葉を今言うぞ、葛城。これからは加持ミサトになってくれ』

 

『俺と結婚してほしい』

 

『必ず幸せにしてみせるから。迷わず俺を選んでくれ。それじゃ……』

 

ツーツーツー……

 

ミサト「うっ……」ポロポロ

 

ミサト「あんた、馬鹿よ……。こんな留守番電話でプロポーズするなんて……」ポロポロ

 

ミサト「本当に馬鹿よ……」ポロポロ

 

 

シンジ「おめでとうございます」

 

アスカ「おめでとう、ミサト」

 

レイ「おめでとう」

 

 

ミサト「……みんな、ありがとう」グスッ

 

 

【せめて人間らしく】

 

 

アラたん「ハーレルヤ♪ ハーレルヤ♪」

 

 

アスカ「うっ! いやあああああっ! 私の心を見ないで! 私を殺さないでぇ!!」

 

 

リツコ「精神攻撃!?」

 

ミサト「まずいわっ! 初号機にポジトロンスナイパーライフルの用意を! 超長距離射撃準備!」

 

 

レイ「ていっ!」ピューンッ!!!

 

ゲンドウ「ドグマの槍がっ!!」

 

ヒュイーン……

 

ズサッ!! ボシュンッ!!!

 

 

アラエル「ばたんきゅー……」

 

 

使徒殲滅!』

 

 

ロンギヌスの槍の回収は!?』

 

『不可能です!』

 

『……ぐっ』

 

 

【涙】

 

 

アルミサエル「いきまーす」

 

 

『くっ!』ダンッ、ダンッ!!! (射撃)

 

綾波、危ない! ふんっ!!』ガシッ (捕獲)

 

『オッケー、シンジ! 綱引きといくわよー!』ガシッ (捕獲)

 

 

アルミサエル「ちょっ」

 

 

『オーエス! オーエス!』グイッ、グイッ!!

 

『オーエス! オーエス!』グイッ、グイッ!!

 

 

ブチッ!!!

 

アルミサエル「ちぎれたー」

 

 

 

チュドーンッ!!!

 

 

マヤ「使徒殲滅!」

 

ミサト「みんな、おつかれー」

 

リツコ「通常業務に戻るわよー」

 

日向「了解です」

 

青葉「はーいっと」

 

 

 

【最後のシ者】

 

 

カヲル「♪♪♪」

 

カヲル「歌はいい。歌はいいねえ。リリンの生み出した文化の極みだよ」

 

カヲル「君もそう思わないかい、碇シンジ君?」

 

シンジ「そうだね! それで、君は誰!」

 

カヲル「僕の名前は渚カヲル。最後のシ者だよ」

 

シンジ「じゃあ、カヲル君だね! よろしく!」

 

カヲル「こちらこそ、よろしく。シンジ君」

 

 

 

【ミサト家】

 

 

カヲル「いいのかい? 僕がお邪魔しちゃっても」

 

シンジ「そんな事気にしないでよ! 人類みんな兄弟だよ!」

 

アスカ「イケメン登場ー! やったあー!!」ピョーン

 

レイ「楽しんでいって」

 

カヲル「ありがとう、みんな。……シンジ君は幸せ者だね、こんな良さそうな人たちに囲まれて」

 

シンジ「うん! スゴい幸せだよ、僕!」

 

カヲル「……そう」ニコッ

 

 

【格納庫】

 

 

カヲル「あれだけ仲が良さそうだと、僕も少々気が引けるね……。だけど」

 

カヲル「ご老人たちの意向には従うよ。僕はその為にここに来たのだから」

 

 

カヲル「おいで。アダムの分身、そしてリリンのしもべ」

 

 

弐号機「」キュピーン

 

 

【発令所】

 

 

マヤ「パターン青、使徒です!」

 

ミサト「弐号機が乗っ取られたの!?」

 

リツコ「あの少年が使徒だったと言うの!?」

 

 

ミサト「急いでシンジ君とレイを出撃させて! 何としてもドグマへの侵入を阻止するのよ!」

 

リツコ「二人とも、もう出(ry」

 

 

『カヲルくんっ! 僕を騙してたの!?』

 

『待って!』

 

 

アスカ「アタシの弐号機を返してー!!」

 

 

【ターミナルドグマ】

 

 

シンジ「アスカ、ごめんっ! うっりゃあああ!」バキッ!!

 

レイ「そいっ!」メキョッ!!

 

弐号機「oh……」

 

 

『弐号機、大破!』

 

『いやあぁ! アタシの弐号機がぁぁ!!』

 

 

カヲル「容赦なしか……。流石、シンジ君たちだね」

 

シンジ「カヲルくんっ! 何でこんな事を!!」

 

カヲル「僕が使徒で、君がリリンだからさ……。僕たちは結局こうなる運命だったんだよ。だから」

 

レイ「せいっ!!」グシャッ (握り潰し)

 

 

シンジ「カヲルくぅぅぅぅぅん!!!」

 

 

【浜辺】

 

 

シンジ「いい人だなって……。カヲル君とは仲良くなれると思ってたのに……」グスッ

 

アスカ「友達が増えたと思ったのに……。アタシの弐号機も壊されて……」グスッ

 

 

レイ「……私」

 

ミサト「あなたは悪くないわ……レイ。どのみち、誰かがやらなきゃいけない事だったのだから……」

 

レイ「でも……碇君が……。それにセカンドも……」

 

ミサト「仕方のない事だったのよ……。みんなもそれがわかってるわ……。あなたはエヴァパイロットとして、使徒を殲滅した。それだけの事よ……」

 

レイ「…………」

 

ミサト「それに、弐号機ならすぐに直るわ。パーツも予算も余りまくってるし……」

 

レイ「……でも」

 

 

【AIR・まごころを、君に

 

 

ミサト「……使徒はアダム、リリス、リリンを除くと、全部で十五体」

 

ミサト「だけど、私たちが倒した使徒は十四体しかいない……。一体足りないわ……」

 

ミサト「それなのにネルフ本部施設への立ち入りが禁止された……」

 

ミサト「一体、これはどういう事……?」

 

ミサト「使徒はもう来ないという事なの……?」

 

ミサト「碇司令は何を隠しているの……」

 

 

【???】

 

 

モノリス「約束の時は来た」

 

モノリスロンギヌスの槍を失った今、リリンによる計画の遂行は出来ぬ。唯一、リリスの分身たるエヴァ初号機によってその遂行を願う」

 

ゲンドウ「ゼーレのシナリオとは違いますが」

 

冬月「人はエヴァを生み出す為にその存在があったのです」

 

ゲンドウ「人は新たな世界へと進むべきなのです。その為のエヴァシリーズです」

 

モノリス「我らは人の形を捨ててまでエヴァという方舟に乗る事は無い」

 

モノリス「これは通過儀礼なのだ。閉塞した人類が再生する為のな」

 

モノリス「滅びの宿命は新生の喜びでもある。神も人も全ての生命が死をもって一つのものになる為に」

 

ゲンドウ「死は何も生みませんよ。我々は最後まで人として生きる事を望みます」

 

モノリス「死は君達に与えよう……」

 

ブンッ…………

 

 

冬月「……人は生きて行こうとする所にその存在がある。それが自らエヴァに残った彼女の願いだからな」

 

ゲンドウ「……ああ」

 

 

【発令所】

 

 

日向「外部との通信、情報回路が一方的に遮断されていきます!」

 

冬月「目的はマギか……」

 

青葉「全ての外部端末からデータ侵入!マギへのハッキングを目指しています!」

 

冬月「やはりか……侵入者は松代のマギ2号か?」

 

青葉「いえ、少なくともドイツと中国、アメリカからの侵入も確認出来ます!」

 

冬月「まずいな……マギの占拠は本部のそれと同義だからな……」

 

リツコ「私がプロテクトを展開します。それが出来れば少なくともマギによる占拠は当分の間、不可能になりますから」

 

冬月「……わかった。君に全てを任せよう」

 

ミサト「状況は?」

 

日向「先ほど、第二東京からAー801が出ました」

 

ミサト「Aー801?」

 

日向「特務機関ネルフの特例による法的保護の破棄、及び、指揮権の日本国政府への委譲です」

 

日向「最後通告ですよ。現在マギがハッキングを受けています。かなり押されています」

 

マヤ「今、赤木博士がプロテクト作業に入ってます。それが展開出来れば防げるはずです」

 

ミサト「リツコが……。わかったわ。あなた達は全力でリツコをサポートして。私は各ゲートの見回りに警戒要請をするわ」

 

日向「分かりました」

 

 

ミサト「これはちょっちヤバイかもね……」 

 

 

【第666プロテクト作動後】

 

 

ミサト「エヴァの発進準備は!?」

 

マヤ「全機、もう勝手に発進してます!」

 

 

ミサト「また!?」

 

 

ドーンッ!!!

 

 

日向「うわっ!」

 

青葉「爆発!? 一体どこで!」

 

ミサト「どうやら戦自のお出ましのようね……! 命令違反だけど丁度いいわ! アスカ、シンジ君、レイ! あいつらを蹴散らして!」

 

マヤ「もう勝手に蹴散らしてます!」

 

ミサト「」

 

 

『みんなは僕が守る! うおぁぁぁ!!』バキッ!!

 

『やらせるもんですかぁっ!!』ズガッ!!

 

『させないっ!』ドシュッ!!

 

 

ミサト「頼もしいんだけど、ああもう! なんかモヤモヤする!」

 

 

【十分後】

 

 

青葉「外の敵は全て掃討されました!」

 

日向「後は内部か……!」

 

ミサト「シンジ君たちが最初の段階から片付けてくれたから、そんなに多くは侵入されてないはずよ! 隔壁を閉鎖して対応を」

 

日向「待って下さい! これは……! 上空にエヴァシリーズです!」

 

ミサト「次々とあっちも抜け目ないわね……! シンジ君、アスカ、レイ! そいつらを一匹残らず殲滅して!」

 

マヤ「もう勝手にやってます!」

 

ミサト「でしょうねえ! 知ってたわよ!」

 

 

『そおりゃあああああ!!!』ズガッ!!

 

『負けてらんないのよ、アンタたちにぃ!』ブンッ!!

 

『どいて!』ドシュッ!!

 

 

【ターミナルドグマ】

 

 

ゲンドウ「……レイがいつまで経っても来ない」

 

ゲンドウ「…………」

 

ゲンドウ「ユイ……どうして」

 

 

リツコ「」カツカツ……

 

 

ゲンドウ「赤木博士か……」

 

リツコ「ええ。あなたの待ち人なら、今、上で戦闘中です。あの三人なら、それもすぐに終わるでしょうけど」

 

ゲンドウ「そうか……」

 

リツコ「人に裏切られる気持ち、少しはわかりましたか?」

 

ゲンドウ「……やはり、レイはもう、ここには来ないという事か……。私の計画も、これで全て水の泡だ」

 

リツコ「そうでしょうね」

 

ゲンドウ「ああ。ユイに会う事はもう叶わないだろう……」

 

リツコ「…………」

 

リツコ「ゼーレに対しては、恐らく私たちは勝利を収めるでしょう。あの三人が操縦するエヴァに傷をつける事は、人の手では不可能でしょうから」

 

ゲンドウ「わかっている。……しかし、その勝利も結局は戦術的なものでしかない。A―801が出た時点で、戦略的に、我々は初めから負けている」

 

リツコ「司令……。こうなった以上、いっその事、リリスも殲滅して逃亡をしませんか」

 

ゲンドウ「…………」

 

リツコ「人類補完計画も遂行できない様にして、逃げ出しませんか。どこか外国にでも」

 

ゲンドウ「……君達はそれを行うといい。だが、私には責任がある。それにもう、生きている意味もない」

 

リツコ「司令にはなくとも、私にはあなたが生きている意味があります。それでは駄目なんですか?」

 

ゲンドウ「…………」

 

リツコ「私はあなたを今でも愛してるんですよ! 殺したいほど! だから、生きて下さい! 司令! お願いですから!」

 

ゲンドウ「…………」

 

 

 

 

【発令所】

 

 

マヤ「葛城さん! 碇司令から連絡が入ってます!」

 

ミサト「回線をこちらに回して!」

 

マヤ「はい!」

 

 

ミサト「碇司令! 御無事ですか!? 今、一体、どこに!?」

 

『問題ない。それよりも葛城三佐。君に最後の命令を伝える』

 

ミサト「最後の……?」

 

『そうだ。エヴァシリーズを殲滅後、エヴァ全機でターミナルドグマのリリスをも殲滅。その後、初号機を破壊し、ネルフ本部ごと自爆させる』

 

ミサト「!?」

 

ミサト「司令! ですが! それはあまりに……!」

 

『責任は全て私がとる。職員の命を最優先させろ。こちらからも自爆と初号機破壊の旨を日本政府とゼーレに通達し、それを材料として交渉を行う。そうすれば、戦自の連中を一時引かせる事ぐらいは出来るだろう。脱出の隙も生まれるはずだ』

 

ミサト「それで……上手く避難出来たとして、私たちの今後の処遇は?」

 

『あれだけの事を向こうもやっているのだ。投降したとしても、言い分も聞かずに処分されるのは間違いない。全員が逃亡するより手はない』

 

ミサト「……そうですか。確かにそうですね……。今回ここを守りきったとしても、どのみちもう、ネルフはやっていけないでしょうから」

 

『逃亡の手はずはこちらでも可能な限り手配する。詳しい事はそちらに戻ってから伝える』

 

ミサト「わかりました……。準備を整えながら、お待ちしています」

 

『……すまない。苦労をかける』

 

ミサト「いえ……」

 

 

エヴァシリーズ、殲滅後】

 

 

『逃亡……!?』

 

『何でよ、ミサト! 何でアタシたちが逃げなきゃいけないの!? 人類を守ってきたの、アタシたちじゃなかったの!?』

 

『……納得がいきません、葛城三佐』

 

 

ミサト「ごめん……みんな。大人の事情ってやつなの……。私にはどうしようも出来なくてごめんね……。ごめんね……」グスッ

 

 

ミサトさん……』

 

『ミサト……』

 

『…………』

 

ミサト「あなたたちの事はどうにかなるわ……。エヴァをあまり快く思ってない国がいくつかあるから……。そこへ亡命すれば安全は確保できる……。司令のツテよ……」

 

『父さんの……』

 

ミサト「ええ……。万が一の事を考えて、前から準備していたみたい……。でなきゃ、こんな短時間で用意出来るはずもないし……」

 

『…………』

 

ミサト「もちろん、あなたたちにはそこに行っても、元エヴァパイロットって事で制限が色々つくわ……。でも、この国にいたら、もうきっと暗殺されるだけだもの……わかって」

 

『暗殺、ね……。何でこんな事になったのかしら……』

 

ミサト「なるべくしてなった事、としか私からは言えないわ……。でも、殺されるよりはずっとマシよ。生きていれば、どうにかなるんですもの……」

 

『……生きていれば、どうにか』

 

ミサト「うん……。生きていればどうにか。あなたたちには可能性がまだたくさん眠ってるんだから」

 

『…………』

 

 

【司令室】

 

 

加持「戦略自衛隊が引いていきますね。どうやら交渉は上手くいったようですね。……碇司令」

 

ゲンドウ「時間稼ぎだ。しかし、これで亡命の準備を整えられる」

 

加持「一つお聞きしたいんですが……一体いつからこんな事態を予想されてたんです?」

 

ゲンドウ「…………」

 

冬月「それは……ある意味、初めからかもしれんな。碇の息子がこっちにやって来たその日から……」

 

加持「……なるほど」

 

ゲンドウ「…………」

 

 

加持「確かに、シンジ君は少し普通じゃありませんでしたからね。こう言っては失礼ですが、とてもあなたの息子さんとは僕は思えなかった」

 

冬月「……私もな。顔立ちもそうだが、特に性格がだ。ユイ君の隠し子ではないかと疑ったぐらいだ」

 

ゲンドウ「…………」

 

加持「あなたも実は少しはそう思ったのでは? 碇司令」

 

ゲンドウ「……シンジはユイの子供だ。仮に私の子供でなくとも、私の息子には変わりない」

 

加持「ご立派な答えです」

 

冬月「いずれにせよ、真相は闇の中だ。碇の本当の息子かそうでないかは永遠にわからんよ。碇にそれを確かめる気がないのだからな」

 

ゲンドウ「…………」

 

 

加持「しかし、真相がどうであれ、あなたはそれを一時疑った。だから、奥さんとの愛も多少は疑わざるを得なかった……。男というのは悲しい存在ですね」

 

冬月「他人事で済めばな。君も気を付けたまえ」

 

加持「キツいご忠告をどうも……」

 

ゲンドウ「…………」

 

 

加持「そして、それに加えて、綾波レイ。彼女もまた碇シンジと出会う事によって、目に見えるほど変わっていった。だから、万が一の事態を考えるようになった。……そういう事ですか」

 

冬月「人は変わる生き物だ。変わらないのは亡くなった人間だけだよ。私は今回の事でそう思った」

 

ゲンドウ「何かきっかけがあれば人は変わる。人が変われば歴史も変わるだろう。世の中を変えるというのは、そういう小さな積み重ねだけだ。その事を私は遅まきながら知ったのだ」

 

加持「そうですか……」

 

 

加持「それが良い変化か悪い変化かはわかりませんが……」

 

加持「しかし、少なくとも僕は感謝してますよ。僕もシンジ君やアスカの生き方を間近で見てなかったら、葛城にプロポーズなんかしてなかったでしょうからね」

 

冬月「やはり、あの二人が影響したのかね。君が事故のふりをしてまで、危ない橋を渡るのをやめたのも、そのせいか」

 

加持「流石にバレてましたか……。ですが、馬鹿な生き方というのもたまにはいいものです。そうでなければ得られないものもある。そして、得たものを守るために僕は死ねなくなったんですよ」

 

冬月「歳をとればとるほど、そういう生き方は出来なくなる。私から見れば、君も十分子供だよ」

 

加持「これは参りましたね……。しかし、それを否定出来ないのも確かです」

 

ゲンドウ「……私もああいう生き方がしたかったものだ」

 

冬月「お前には似つかわしくないがな、碇……」フッ

 

加持「それでは、僕はこれで。まだ僕にもやれる事が残ってますので」

 

冬月「ああ、よろしく頼んだ。君も死ぬなよ」

 

加持「わかってます。新婚早々、あいつを未亡人には出来ませんから」

 

ゲンドウ「…………」

 

加持「ところで、お二人はこれからどうされるつもりなんですか?」

 

ゲンドウ「やるべき事をやるだけだ」

 

加持「……そうですか」

 

ゲンドウ「それと、これを君に預ける。シンジと赤木博士の二人に渡してやってくれ」

 

加持「……なるほど。……わかりました。そういう事なら、必ず二人にお渡しします。それでは……」クルッ

 

カツカツ、カツカツ……

 

 

冬月「やるべき事か……。これが最後だな」

 

ゲンドウ「ああ。……全てはこれでいい。私はもう、人を幸せにする事は出来ない」

 

冬月「不器用な男は最後まで不器用なままか……」

 

 

【発令所】

 

 

マヤ「……外国に亡命か。仕方ないとはいえ、辛いです」

 

日向「僕はそっちの方がよっぽどいいよ。殺されるよりは、そっちの方がよっぽど」

 

青葉「どこに行っても、ベースは弾ける。ただし、生きてる限りは、か……」

 

ミサト「あんたたちー、そういう話は、無事に明日を迎えられてからする事ね。明日の話をするなら、今日やるべき事をやってからよ」

 

日向「ごもっともです」

 

青葉「そうですね、本当に」

 

マヤ「そういえば、葛城さん。先輩は……?」

 

ミサト「リツコなら、お母さんのところよ。最後の挨拶をするんだって」

 

マヤ「お母さん……?」

 

 

【マギの中】

 

 

リツコ「……こうして話をするのは久しぶりね、母さん」

 

リツコ「私ね……今度、結婚するの」

 

リツコ「ようやく……プロポーズしてくれたわ。おかげで私もかなり歳をとった。ミサトには先を越されちゃうし」

 

リツコ「母さんは……やっぱり、悔しい……?」

 

リツコ「私を殺したいほど、憎い……?」

 

リツコ「でもね、母さん……。今だからきっと言える事だけど、私は母さんが好きよ」

 

リツコ「母さんの事、尊敬してた。女としては嫌いだったけど、娘としては憧れてたのよ」

 

リツコ「人ってやっぱりロジックじゃないのね。ほんの些細な事で変わるものだわ。私も、あの人も……」

 

リツコ「母さんに、祝ってほしいとは言わないわ。でもね、母さん。これからも私の事を見ていてね」

 

リツコ「それが私からの最後のお願い……。これからもずっと見ていてね、母さん……。私はこれからもきっと変わっていくから」

 

 

【初号機内】

 

 

シンジ「……エヴァの中……こんなに気持ちが落ち着くんだ」

 

シンジ「考えてみれば……こんなに長い時間、エヴァに乗ってるの、初めてだ……」

 

シンジ「だからかな……。外国に亡命するって聞いても、それほどショックじゃなかった……」

 

 

シンジ「だけど、これからはエヴァがない生活に変わるのか……」

 

シンジ「何でだろう……。少し寂しい……」

 

 

シンジ「エヴァって……なんなんだろう……」

 

ピピッ (通信)

 

『シンジ……。ちょっと、話いい?』

 

シンジ「うん……。いいよ、アスカ。どうしたの?」

 

『何となくね……。誰かと話がしたかったの』

 

シンジ「そっか……。わかるよ。多分、今、僕もアスカと似たような気持ちだから」

 

『そう……。アンタもなのね……。やっぱり、少し寂しい?』

 

シンジ「うん……。寂しい。アスカは余計そうなんじゃないの? 大事にしてた弐号機にもう乗れなくなるんだから」

 

『うん……。正直、辛い……。だけど……』

 

シンジ「だけど?」

 

『……何でもない。上手く言葉に出来ないし』

 

シンジ「そっか……。そうかもね」

 

『うん……』

 

『ねぇ……シンジ』

 

シンジ「なに?」

 

『今だから言うけど、アタシね……。正直な事言えば、アンタの事が少し好きだったの』

 

シンジ「……そうだったの?」

 

『うん。友達としては今でも大好きだけど』

 

シンジ「……ありがとう、アスカ」

 

『シンジはどうなの? アタシの事、好き?』

 

シンジ「友達としては大好きだよ。アスカと会えて本当に毎日が楽しかった」

 

『それ聞けて良かった。……なんか安心した』

 

シンジ「うん」

 

『それじゃあね、シンジ。もう回線切るわよ』

 

シンジ「え? もういいの?」

 

『うん。もういい。色々とスッキリしたし』

 

シンジ「そっか……」

 

『シンジ、アンタもレイにきちんと伝えておきなさいよ。アタシが諦めたのは、多分、アンタの事を一番よくわかってるからよ』

 

シンジ「……そっか。うん、きっとそうだね……。そうする」

 

『アタシたち、これからどうなるかなんてわかんないだから。後悔のないようにね』

 

シンジ「わかってる……。ありがとう、アスカ」

 

『アタシもね。ありがとう、シンジ』

 

シンジ「綾波……。いつから何だろう。僕が綾波を好きになったのって……」

 

シンジ「あの時のキスの時から……? でも、もっと前からだったような気もする……」

 

シンジ「本当に、いつのまにかって感じで……」

 

シンジ「最初は……無口な大人しい子って思ってただけなのに……」

 

シンジ「綾波がちょっとずつ、僕に話しかけるようになって、それからいつのまにか……」

 

シンジ「……綾波に、きちんと気持ち、伝えないと」

 

 

ピピッ (通信開く)

 

『……どうしたの、碇君?』

 

シンジ「あ、綾波……。その……//」

 

 

【Do you love me?】

 

 

シンジ「  ///」

 

『  ?』

 

シンジ「     ///」

 

『  』

 

シンジ「  !///」

 

『  ///』カアッ

 

 

シンジ「      ?///」

 

『  ///』

 

シンジ「  ///」カアッ

 

『   ///』

 

 

 

シンジ「うん……ありがとう、綾波///」

 

『ありがとう、碇君……///』

 

 

【Do you love me】

 

 

シンジ「その……あの、僕///」

 

『……?』

 

シンジ「前からずっと、その……何て言えばいいか、ええと……///」

 

『…………』

 

シンジ「と、とにかく、綾波の事が好きなんだ!///」

 

『……!///』カアッ

 

 

シンジ「……綾波は。……僕の事、好き?///」

 

『私は……碇君以外で、こんな気持ちになった人はいない……///』

 

『きっと……私は今、喜んでると思う。碇君が教えてくれた、初めての感情///』

 

シンジ「あ……///」カアッ

 

『碇君と……ずっと一緒にいたい///』

 

シンジ「うん……ありがとう、綾波///」

 

『ありがとう、碇君……///』

 

 

【発令所】

 

 

ミサト「よしっ! こっちの準備は全部整ったわ」

 

ミサト「シンジ君、アスカ、レイ、聞こえてる! これから作戦を」

 

リツコ「もう勝手に飛び(ry」

 

ミサト「最後の最後まであんたらはぁぁ!!」

 

 

『いやっほぅぅーいい!! あー、もう! 今日死んでもいいよ!!』ズガッ!!

 

『嬉しい……!!』バキッ!!

 

『二人ともー、ホントにおめでとー!』ズガッ!!

 

 

ミサト「私の存在意義ってなんなのよ、もうっ!!」

 

 

首相官邸

 

 

『報告! エヴァ全機、待機中の戦略自衛隊に突如攻撃を開始!』

 

【五分後】

『報告! 何機か戦闘機と輸送機を占拠された模様!』

 

【十分後】

『報告! ネルフ本部の直上に突如、光の柱を確認! 使徒が一体、殲滅されたと推定!』

 

【十五分後】

『報告! ネルフ本部の内部から高エネルギー反応! 自爆装置が作動したようです!』

 

 

首相「なんて事を……!!」

 

 

【戦闘機内】

 

 

ミサト「びっくりするぐらい、スムーズにいったわね……」

 

リツコ「予め、リョウちゃんが色々と戦自に根回しして、工作したみたいよ」

 

ミサト「あいつ……いつのまにそんな事を……」

 

リツコ「ここと、元、内務省のスパイだもの。人脈はかなり張ってあったみたいね。戦自の方でも、虐殺に近い事をするのに反対する現場指揮官は多かったでしょうし」

 

ミサト「ホント、いっつも美味しいとこだけ取ってくわね、あいつ……」

 

リツコ「素直に誉めればいいのに。そういうところ、相変わらず不器用ね」

 

ミサト「うっさいわねえ、もう!」

 

ミサト「それで、シンジ君たちは無事なの? 大丈夫?」

 

マヤ「先ほど確認出来ました。全員、脱出して今は輸送機の中だそうです」

 

ミサト「で、エヴァは?」

 

マヤ「シンジ君の初号機を除いてはエヴァごとの回収ですから弐号機も零号機も無事ですよ。内部電源もまだ60秒近く残ってるそうですから、いざという時は稼働出来ます」

 

リツコ「それぐらいの手土産がなければ、向こうの政府もこんな危ない橋を渡る気はなかったでしょうね。いくら亡命とはいえ、かなりの無茶をしてるのだから」

 

ミサト「そこは仕方ないわね。……それで、他の人たちは?」

 

マヤ「全員と連絡が取れてます。ただ……二人だけまだ……」

 

ミサト「二人だけ……? 誰?」

 

マヤ「碇司令と副司令です。この二人なら無事だと思うんですが……」

 

リツコ「……!!」

 

 

ネルフ本部 ???】

 

 

モノリス「我らの宿願たる人類補完計画はこれで全て終わった……。最早、それを行う術がない」

 

ゲンドウ「我々は途中で行く先を間違えたのです。そして、これがその結果なのでしょう」

 

冬月「かくなる上は緩慢な死をあなた方も受容されるべきです。生命は命ある限り、必ず死ぬのですから」

 

モノリス「君達が今もこの場にとどまっているのも、それを証明する為かね」

 

モノリス「あるいは、これがその結果に対する責任という事か」

 

ゲンドウ「そうでなければ、あなた方も溜飲を下げられないでしょう。それに、アダムをこの身に宿している人間をあなた方が放っておく訳がない。人類の為ではなく、一人の人間として、私は無為な生ではなく意義のある死を選んだだけです」

 

冬月「私も老い先短い身です。最高責任者二人の命、これぐらいでこの件は終わらしたい。私の死が誰かの生に繋がるならそれも良いかと思いましてね……。私は十分に生きた。かくなる上は未来を別の誰かに譲りたい」

 

モノリス「君達が死ねば全ての責任や罪が消えるという事はない」

 

モノリス「左様。そもそも人の死によって片付く問題でもない」

 

ゲンドウ「しかし、いくばくかの責任や罪が消えればそれでいい。全ての贖罪にはならずともわずかな罪滅ぼしにはなり得るでしょう」

 

冬月「私たちが逃げるのと、ここで死ぬのとでは、今後のネルフ関係者に対する各国の見方や追求もまた変わってくるはずです。あなた方の手は長いが、墓にかける手錠を持ってはいない」

 

ゲンドウ「最早、あるべき死をあなた方も受け入れる事をお勧めします。悠久の生は生きてる限り人類には決して得られない」

 

モノリス「もう良い……。我々の希望は永遠に消え、そして断罪の時間は終わった。あとは無へと帰するのみだ」

 

ゲンドウ「はい。もうまもなく時間が訪れます。お別れの時です」

 

 

首相官邸

 

 

『報告!! ネルフ本部、大規模な爆発によって完全に消滅しました!』

 

 

 

首相「ついに幕が閉じてしまったか……」

 

 

【数ヵ月後 某国】

 

 

アスカ「ヘロー、シンジー。ひっさしぶりね」

 

シンジ「アスカ。久しぶり」

 

アスカ「こっちの言葉には、もう少しは慣れた? うまくやっていけてる?」

 

シンジ「まだ慣れてはいないけど、でも、やってはいけると思う。ミサトさんや加持さんもいるし」

 

アスカ「新婚ほやほやの二人と同居なんて、シンジもついてないわよね。目のやり場に困らない?」

 

シンジ「まあ、本当にたまには。二人とも結婚前からそんなに変わってないし」

 

アスカ「それはそれで問題あるかもしれないけどね」

 

シンジ「うん……。そうかもね」

 

アスカ「…………」

 

 

アスカ「ねぇ、シンジ……。アンタちょっと変わったわね。前みたいな、はっちゃけた感じがなくなってるわよ」

 

シンジ「それはアスカの方もだよ。なんか落ち着いた雰囲気になって……。少し大人っぽくなったっていうか……」

 

アスカ「そう? 自分じゃわからないけど」

 

シンジ「それは僕もだよ。変わった実感はまったくないから」

 

アスカ「アタシから見たら、結構変わったわよ、アンタ。ま、あんな事があったからね……。そりゃ変わりもするんだろうけどさ」

 

シンジ「うん……。そうかもしれない」

 

シンジ「それより、アスカの方はうまくやれてる? 寮で暮らすとか、アスカ、大丈夫かなって思ってたから」

 

アスカ「アタシはまあ何とか。こっちの言葉も大体覚えたし。学校の寮だから、規則は色々とうるさいけどね」

 

シンジ「そういえば、僕も来月から通う事になったんだ。アスカの行ってる学校に」

 

アスカ「へー、そうなんだ。じゃあまた学校で一緒に遊べるわね」

 

シンジ「うん。そうだね。その時はよろしくね、アスカ」

 

アスカ「まっかせておきなさい。すぐにアンタをクラスに馴染ませてあげるから」

 

シンジ「それは……お手柔らかにね」

 

アスカ「ところで、レイは? あいつ、まだ来てないの?」

 

シンジ「あ、うん。綾波はリツコさんのところに一度寄ってから来るって言ってた」

 

アスカ「リツコのところか……。リツコ、今の様子はどう?」

 

シンジ「前よりは元気になったみたいだよ。ミサトさんもそう言ってた」

 

アスカ「そっか……。こっちに来た直後はずっと泣き通しだったものね」

 

シンジ「うん……。結婚の約束してたみたいだから。父さんと」

 

アスカ「知ってる……。マヤから聞いたわ」

 

シンジ「なのに、父さん……亡くなったちゃったからさ……。リツコさんを置いて」

 

アスカ「…………」

 

アスカ「それで……アンタは大丈夫なの、シンジ……? 司令の事……」

 

シンジ「うん……。もう整理はついた。それに、加持さんからこれをもらったし……」

 

アスカ「それ……ボイスレコーダー?」

 

シンジ「うん。リツコさんももらってたみたい。そこに一言だけ、父さんからのメッセージがあったんだ」

 

アスカ「……なんて言ってたか、聞いてもいい?」

 

シンジ「巻き込んですまなかった、ってそれだけ。リツコさんの方には何て言ってたかは知らないけど、父さんも色々と悩んでたのかなって思ったら、なんかさ……」

 

アスカ「そっか……」

 

シンジ「うん……。これ聞いた時、父さんらしいなって、そう思った」

 

シンジ「今度さ……父さんの墓の横に母さんのお墓を建ててもらおうって思ってるんだ」

 

アスカ「そっか……」

 

シンジ「それで、母さんと父さんに色々と話してこようと思う。今、どんな生活をしてるかとか」

 

アスカ「報告?」

 

シンジ「うん……。元気にやってるって伝えたいから」

 

アスカ「そうね。それがいいかもね」

 

シンジ「母さんとの思い出は僕にはほとんどないし、父さんとの思い出も少ししかないけど、でも、この録音したのを聞いた時、何となく父さんの事が全部わかったような気がした……。本当に何となくなんだけど」

 

アスカ「そうね……。シンジがそう言うなら、きっとそれで合ってるわよ」

 

「碇くーん!」

 

アスカ「あ、やっと来たわね、レイ」

 

シンジ「うん」

 

 

レイ「お待たせ。碇君、それにアスカ」

 

アスカ「別にいいわよ。そんなに待ってないし」

 

シンジ「うん。気にしないで」

 

レイ「そう? それじゃあ、早速行きましょ。みんなで久しぶりに遊ぶんだから」

 

アスカ「レイ、アンタもなんかちょっと変わったわね。前よりもずいぶん明るくなったんじゃない?」

 

レイ「私が? そう?」

 

シンジ「そうだね。綾波も結構変わったなって思う。最初の頃とは別人みたいに」

 

レイ「自分ではわからないけど……」

 

アスカ「そういうもんよ、きっと」

 

シンジ「うん。そういうものだよね、きっと」

 

レイ「そうなの……?」

 

レイ「それより、二人とも、早く行きましょ。私、水族館に行くのは初めてだから」

 

アスカ「そうなの? シンジ、これまでデートとかに誘わなかったの?」

 

シンジ「あ、うん……。他のところには行ったんだけど、水族館はまだで……」

 

レイ「ええ。だから、今日を楽しみにしてたの」

 

アスカ「なんか、今のレイの方が、前のシンジみたいね。素直ではしゃいでて」

 

シンジ「そうかな……?」

 

レイ「そうだったら、私は嬉しい。碇君に少し近付けた感じがするから」

 

シンジ「う///」

 

アスカ「はいはい。ごちそうさまっと」

 

アスカ「さてと、それじゃ行きましょうか」

 

シンジ「うん」

 

レイ「早く早くー! みんな、置いてっちゃうよー!」

 

アスカ「ホント、前のシンジみたい」クスッ

 

シンジ「前のアスカもあんな感じだったよ」クスッ

 

レイ「もー! 早くー! 待ちきれない!」

 

アスカ「わかったっちゅーの。ほら、走るわよ、シンジ!」

 

 

シンジ「そうだね。行っくぞー! やっほーい♪」ダダダダッ

 

レイ「水族館、楽しみー♪」ダダダダッ

 

アスカ「みんなでお出かけ、ひっさしぶりー! 思いっきり楽しむわよー♪」ダダダダッ

 

 

 

 

元スレ

http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1439814743/