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雪乃「私は….あなた達がいてくれれば、それでいいわ」【俺ガイルss/アニメss】

 

雪乃「今日もまた靴を隠されたみたいだわ」

 

結衣「ゆきのん、また靴がないの?」

 

雪乃「今日で五日目ね…全く誰がこんなことをしてるのかしら」

 

結衣「ゆきのん、ヒッキーに相談してみない?力になってくれるはずだよ」

 

雪乃「それは出来ないわ。彼は今受験勉強で手一杯なのよ、無駄な心配は掛けられないわ」

 

結衣「でもさ…」

 

雪乃「私一人で解決するから貴方も心配する必要はないわよ。私を助ければ次のターゲットは貴方になるはずよ」

 

結衣「そんな事言わないでよ 友達を助けるのは当然の事だよ!」

 

雪乃「ありがた迷惑よ…」

 

結衣「ゆきのん!そんな言い方ないじゃん!」

 

雪乃「ごめんなさい…とにかく私一人で解決するから大丈夫だわ 職員室にスリッパを借りに行ってくるわ」

 

結衣「ゆきのん…」

 

 

教室

 

雪乃(私の机の上に花瓶が置いてあるわね…これも今日で五日目ね)

 

女性生徒「マジで受けるんですけどwwwwwwww」

 

女子生徒2「今まで調子乗ってた罰だよねぇ~wwwwwwww」

 

雪乃「貴方たちの仕業ということでいいのね?」

 

女子生徒「は?証拠がないくせに何でそんな言いがかりつけるわけ?」

 

女子生徒2「そうだよ~雪ノ下さんってやっぱり最低だね」

 

雪乃「最低なのはどっちかしら?言いたいことがあるなら正々堂々と言えばいいじゃない?つまり貴方たちはそのレベルに達してないって事ね」

 

女子生徒「うざっ」

 

女子生徒2「そういうことばっかり言ってるから友達出来ないんじゃないの?それにそんな言い方してたらそういう事されても仕方ないと思うよ?」

 

女子生徒「本当、いっつも上から目線で何様のつもりなの?」

 

雪乃「貴方たちとは話にならないからあっちへ消えてもらえるかしら?私はこの花瓶を片付けなくてはいけないから」

 

結衣(どうしよう…ヒッキーに相談しようかな?でもヒッキー受験勉強で大変だし…)

 

三浦「結衣、あーしの話聞いてた?」

 

結衣「ごめんちょっと考え事しててさ」

 

三浦「何か悩みでもあんの?深刻そうな顔してるけど、あーしでよければ聞くよ?」

 

結衣「大丈夫!大した事じゃないから!」

 

八幡(由比ヶ浜、何か悩んでるのか?)

 

戸塚「八幡!おはよう!」

 

八幡「毎朝俺を起こしてください」

 

戸塚「もう!からかわないでよ!」

 

八幡「す、すまん」

 

戸塚「八幡、受験勉強は順調?」

 

八幡「まぁそれなりにはな…」

 

戸塚「もし良かったら今日の放課後さ、勉強会しない?」

 

八幡「よろしくお願いします。」

 

戸塚「どうしたの急に敬語なんて使って」

 

雪乃(こういうことをされる原因……間違いなく葉山くんの告白を断ったせいでしょうね)

 

雪乃(とは言っても断らなくても似たようなことをされてはいたのでしょうけれど)ハァ

 

雪乃(でも由比ヶ浜さんや比企谷くんの手を借りるまでもないわ。次にしてきそうなことくらい予想もつくし…下卑た人間の行動などみな同じようなものよ)

 

 

次の日

 

雪乃(六日連続でスリッパを借りに来るとさすがに怪しまれるわね。まあ撒き餌としては十分でしょう)

 

雪乃(あとは……)ガラガラ

 

ザワザワ

 

雪乃(……予想通り。黒板に誹謗中傷の落書き)

 

雪乃(でも内容が予想以上ね。『雪ノ下は誰にでも股を開くヤリマンビッチ』とか誰が信じるのかしら?)

 

女子生徒「ねえねえ雪ノ下さん、あれ本当?wwwwwwwwwwww」

 

女子生徒2「うわー、清楚な顔してやることやってるんだwwwwwwwwwwww」

 

雪乃「…………」スタスタ

 

女子生徒「なに無視してんのよ」

 

女子生徒2「消すなら早くした方がいいよ。先生来ちゃうよ」

 

雪乃(黒板の前に立ち、デジカメで写真を撮って自分の席に着く。もう置かれた花瓶を片付けるようなこともせず、黙って机の中をチェックした)

 

雪乃(置きっぱなしの教科書にも落書きだらけ、か)

 

女子生徒「ちょっと、アレ消さなくていいの?wwwwwwwwwwww」

 

女子生徒2「先生に見られるよwwwwwwwwwwww」

 

雪乃「なぜ書いたわけでもない私が消さなければいけないのかしら?」

 

女子生徒「え…」

 

雪乃「私は今忙しいの。後にしてくれる?」パシャ、パシャ

 

女子生徒2「な、なんで教科書を写真撮ってんの?」

 

雪乃「決まってるじゃない。証拠よ」

 

担任「HR始めるぞーお前ら。さっさと自分の席に……って、なんだこれは!?」

 

雪乃(担任が驚いて私の方を見る。女子生徒達はそそくさと自分の席に戻っていった)

 

担任「雪ノ下…どういうことだこれは?」

 

雪乃「質問の意味が分かりませんが。まさか先生は私が自分でそれを書いたと思ってらっしゃるのでしょうか?」

 

担任「い、いや、そうでなくてだな」

 

雪乃「それに黒板を消すのは日直の役目です。今日の日直である女子生徒2さんはどうして仕事を放棄しているのかしら?」

 

女子生徒2「あ、あう…」

 

雪乃「消して構わないわよ。もう証拠は撮ったのだから」

 

担任「お、おい雪ノ下、証拠って何を言っているんだ?」

 

雪乃「これは名誉毀損及び侮辱罪に値する行為です。本人からの謝罪がない限り然るべき調査をして制裁を加えるべきかと」

 

担任「そ、そんな大袈裟な」

 

雪乃「残念ですが先生、教科書にも似たような落書きをされています。進学校において他者の勉学の妨げを行うのは許されるのですか?」

 

担任「い、いや、それは」

 

雪乃「筆跡を見る限り同一人物と思われます。こちらは器物損壊罪ですから刑事事件の類となりますね」

 

女子生徒「そ、そんなんで事件になるわけないじゃん!」

 

雪乃「あら、ご忠告ありがとう。でも大丈夫よ、父の伝手で優秀な弁護士を知っているから。例えば葉山くんの親御さんとか」

 

女子生徒「!」

 

雪乃「正式な弁護士からの申し出なら小さな事件といえど無碍にはされないわ」

 

女子生徒2「そ、そんなこと言ってるからそういうことされたりするんじゃない!器ちっちゃいね!」

 

雪乃「そうね…先生、すみません。実は先日新しいスマートフォンを購入したのですが」

 

担任「?」

 

雪乃「昨日電池切れで教室で充電してしまいました。すみません」

 

担任「え?ま、まあそれくらいなら」

 

雪乃(私は立ち上がり、掃除用ロッカーの前に移動する)

 

雪乃「そのまま忘れて昨日帰宅してしまったわ……あった」

 

雪乃(ロッカーの上から充電器のコードが繋がれたスマートフォンを取り出す)

 

雪乃「あら?……なぜかカメラの録画アプリが起動していたわ?朝早くから今まで教室の様子を録画していたみたいね」

 

女子生徒「!!」

 

雪乃「これでは私が何かを盗撮していたと思われかねないわ。先生、私の無実を証明するために一緒に録画内容を確認していただけませんか? それと弁護士が学校に介入するのに許可をいただきたいので、職員室に伺います」

 

 

奉仕部

 

八幡「うっす」ガラガラ

 

雪乃「こんにちは比企谷くん」

 

八幡「おう。聞いたぞ朝のこと。すぐにぼっちの俺にも耳に入るくらい噂で持ちきりだったわ」

 

雪乃「あらそうなの?大したことはしていないのだけれど」

 

八幡「犯人が大泣きして土下座して謝ってんのに大したことないってのはないだろ」

 

雪乃「私がやらせたわけではないわ。というか泣いて謝るくらいなら最初からしなければいいのに」

 

八幡「加害者ってのはそんなもんさ。正直心から反省してるか怪しいもんだ。逆恨みとか気を付けろよ」

 

雪乃「あら、心配してくれるの?ありがとう」ニコッ

 

八幡「!?ちゃ、茶化すなよ……そういや教科書とかダメにしたんだろ?授業平気か?」

 

雪乃「ええ。たまたま間違って一年の頃の教科書を持ってきていたから」

 

八幡「折り込み済みかよ怖えな……」

 

結衣「やっはろー!」ガラガラ

 

八幡「おう」

 

雪乃「こんにちは由比ヶ浜さん」

 

結衣「聞いたよゆきのん!もう解決したんだよね?」

 

雪乃「ええ、心配してくれてありがとう」

 

八幡「なんだ、由比ヶ浜は知ってたのか?その、イジメのこと」

 

結衣「うん。でもゆきのんは自分で解決するから人には言うなって」

 

八幡「そう、か。悪いな、気づいてやれなくて。何も出来なかった」

 

雪乃「そんなことないわ。あなたたちには随分助けられたもの」

 

結衣「え、あたしも?」

 

八幡「何もしてねえぞ?」

 

雪乃「あなたたちが私から逃げずに近くにいてくれる。それだけで心強いものよ。由比ヶ浜さん、お友達でいてくれて、ありがとう」ニコッ

 

結衣「ゆ、ゆきのーん!」ダキッ

 

雪乃「ふふ。もちろん比企谷くんもよ。きっと、いざとなったらあなたは私を助けてくれる、味方でいてくれる。そう思うと勇気が湧いてきたわ。ありがとう」ニコッ

 

八幡「…………おう」////

 

結衣「あー、ヒッキー顔真っ赤だ!」

 

八幡「う、うるせ!……しかしこんだけ話題になったら謝ったところで学校に居づらくなるんじゃねえか犯人は?」

 

雪乃「それは本人の心掛け次第よ。被害者である私は水に流したのだからもう関与することではないわ」

 

八幡「まあ周囲の見る目はどうなるかってことだが……お前はますます友達出来なさそうだがな」

 

雪乃「いいのよ。必要最低限さえいれば。少なくとも人を誹謗中傷して笑い合うような友達なんていらないわね」

 

八幡「だよな。やっぱりぼっち最強だわ」

 

雪乃「あら、あなたには私と由比ヶ浜さんがいるじゃない」

 

八幡「う……」

 

結衣「そうだよヒッキー!あたしたち友達だよ!」

 

八幡「ぐ……そ、そうだな」

 

結衣「あはは、ヒッキーまだ顔赤いまんまだ!」

 

八幡「う、うるさい……でもここまで大きな騒ぎにする必要あったのか?雪ノ下なら水面下でこっそり解決しそうなもんだが」

 

雪乃「ええ。でもイジメに関してはこの方がいいのよ」

 

八幡「……なるほどな」

 

結衣「え、どういうこと?」

 

八幡「由比ヶ浜、イジメってのは難しいものなんだ。まず表沙汰になりにくいし、悪意を証明するのも簡単じゃない。本人達がちょっと遊んでいただけだって言ったらそれで終わりだからな」

 

結衣「そ、そうなんだ」

 

八幡「イジメをされているほうも自分が悪いんじゃないかって悩みを抱えてしまって壊れることもある。何より誰かに相談とか出来ないからな」

 

結衣「なんで?」

 

八幡「先生に言って学校から注意されても報復されるかもしれないし、友達に話してもそいつを巻き込むかもしれないからだ。そして親には心配を掛けたくない」

 

結衣「あ、そういえばゆきのんもあたしを巻き込みたくないって……」

 

八幡「そんなふうに悩んでるときに颯爽とイジメを解決したやつがいたらどう思う?」

 

結衣「え?」

 

八幡「しかもそいつは孤高の存在で、お悩み相談を受けているときた。絶好の話し相手じゃないか?」

 

結衣「じゃ、じゃあゆきのんは……」

 

コンコン

 

雪乃「…………どうぞ」

 

ガラガラ

 

気弱そうな男子「あ、あの、ここで悩みの相談に乗ってくれるって聞いたんですが…………」

 

雪乃「ええ。ようこそ奉仕部へ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

雪乃「今日もまた靴を隠されたみたいだわ」

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