2019-02-10から1日間の記事一覧
………………唯我家 カリカリカリ…… 文乃「……できた!」 文乃「成幸くん、採点お願いしてもいい?」 成幸 「ああ、任せとけ」 キュッキュッ……キュッ…… 成幸 「……ふんふん……うん……おお」 成幸 「すごいぞ、古橋。満点じゃないか。初めてじゃないか?」 文乃「ほんとに!? ケアレスミスもな…
える「私、気になりません…」 折木「今、なんて…」 える「気になりませんから…今日は帰りましょう、折木さん」 折木「え…」 える「……」 折木「千反田どうした?」 える「はい?」 折木「具合でも悪いのか」 える「いえ、普通ですけど…」 折木「いやいつもな…
寂れたアパートの一室。シックなガラステーブルと、積み上がった本と、それから湯気を吐き出すマグカップ。耳に届くのはぱたぱたと窓を叩く雨の演奏と、一定のリズムを刻む文庫本のページを捲る音だけ。 厳密に言えば頭上のほうから聴こえる静かな息遣いとか…
――比企谷八幡、二十歳。ある冬の日。一月 八幡「お疲れ様です。ありがとうございました」 引っ越し業者「ご利用ありがとうございました!」 八幡(高校を卒業した俺は、大学入学時に住み慣れたあの町を離れた) 八幡(正直実家から出るのは面倒だと思っていた。…