ぼくたちは勉強ができない
………………一ノ瀬学園 グラウンド 滝沢先生 「今日から体育は長距離走だ。初日だから、無理するなよ」 滝沢先生 「身体を慣らす程度でいい。ただししっかり走れよー」 成幸 (ふっふっふっふ……) 成幸 (長距離走はただ走るだけ! 不器用な俺が体育の内申点を上げるチャ…
--朝・唯我家、玄関前 花枝「それじゃあ先に行くから。成幸のこと頼むわね」 双子「水希姉ちゃん行ってきまーす」 水希「うん、行ってらっしゃい。心配しないでお母さん。お兄ちゃんのことは全て私に任せてくれれば。ふふ、ふふふ…」 花枝「一番心配なのは…
………………問36後 夜 ラーメンうめえん ズルズルズル…… うるか 「んーっ! やっぱりこの時間のラーメンは最高だね、文乃っち」 文乃 「ほんとだねぇ……」 ズルズルズル…… 文乃 (うぅ……また太っちゃう……) 文乃 (でも美味しいよぅ……) 文乃 「あ、すみません。替え玉お願いしま…
………………昼休み 一ノ瀬学園 3-B教室 大森 「なぁなぁ、一学期に唯我がキスしただの何だのって話あったじゃん?」 成幸 「………………」 成幸 (……こいつほんっっっとロクでもねーことしか言わないな!!) 成幸 「……そういえばそんなこともあったな。どうでも良すぎて忘…
………………朝 唯我家 成幸 「………………」 ガツガツガツ……ムシャムシャムシャ…… 和樹 「おー。兄ちゃん朝から早食いだなー」 成幸 「ん……」 ゴックン 「早めに学校に行って、ノートをまとめておきたくてな」 葉月 「さっすが兄ちゃん! 勉強熱心ね!」 成幸 (まぁ、俺のノートじゃなくてあいつ…
………………ラーメンうめえん うるか 「でね! その男の子ったらたらひどいんだよー!」 ズルズルズル…… うるか 「友達はもうこれでもかってくらいがんばってるのにー!」 うるか 「成ゆ――じゃなくて、その男の子は全然気づかないのー!」 文乃 「うんうん。それはちょっと…
………………公園 紗和子 「………………」 ゴクッ…… 紗和子 「……ふぅ」 紗和子 (放課後に公園で飲む缶コーヒーは格別ね) ワーワーワー…… 紗和子 「……ふふっ。この公園は小さなサッカーコートがあるのね。フットサルって言うのかしら?」 紗和子 (遊び回る子どもたちを眺めながらコーヒ…
………………とある休日 街中 あすみ 「……ふー」 小美浪父 「ん、どうした? 疲れたような声を出すなんてめずらしい」 小美浪父 「インフルエンザの出張予防接種、そんなに疲れたか?」 あすみ 「いや、ずっとかしこまってたら肩こっただけだよ」 小美浪父 「? お前、たし…
………………一ノ瀬学園 職員室 鈴木先生 「桐須先生、お忙しいところすみません」 真冬 「? 何か?」 鈴木先生 「今日の放課後、二学期第二回目の面接練習があるのはご存知ですよね」 鈴木先生 「実は、担当ではない桐須先生にこんなことを言うのは大変恐縮なのですが、…
………………夕方 繁華街 あすみ 「ふー……」 あすみ (ここのところお客様が多くてバイトが大変だな……) あすみ (まぁ、その分時給も上がったし、ありがたいっちゃありがたいが……) あすみ (ま、とりあえず今日は終わったし、明日は休みだし、時間とってしっかり勉強し…
………………帰り道 陽真 「ほら、見て見て智波ちゃん」 智波 「? 写真?」 陽真 「うん! この前成ちゃんが家に来たとき、カツカレーをごちそうしたんだ」 陽真 「幸せそうな顔でしょ? 可愛いよね~」 ニヘラ 智波 「……あ、うん。そうだね」 智波 「………………」 (……また唯我くんの…
………………駅前 ~~♪ うるか 「おー、もうクリスマスソングが流れてるね」 あゆ子 「まだ一ヶ月くらい先だけどな。世間は気が早いな」 智波 「またあゆ子ってば、おばさんみたいなこと言って……」 あゆ子 「……ほほう。そんな生意気なことを言うのはこの口か?」 ウリウリ 智…
………………ファミレス あすみ 「そういやあの日、まふゆセンセと何してたんだ?」 成幸 「へ……?」 成幸 「いや、あの、“あの日” って、一体……」 あすみ 「いつだか、まふゆセンセが制服着てた日のことだよ」 成幸 「う゛ぇっ……」 ―――― 『誤解! 絶対君は何か勘違いをして…
………………年の瀬 真冬の家 『拝啓 真冬お姉様 こちらはとても寒いです。日本も、とても寒いようですね。 今週末には実家に帰ります。お姉様も帰ってくれると嬉しいです。 ……もし無理そうなら、日本にいる間に、一度お姉様のおうちに伺います。 それでは、風邪な…
………………唯我家 カリカリカリ…… 文乃「……できた!」 文乃「成幸くん、採点お願いしてもいい?」 成幸 「ああ、任せとけ」 キュッキュッ……キュッ…… 成幸 「……ふんふん……うん……おお」 成幸 「すごいぞ、古橋。満点じゃないか。初めてじゃないか?」 文乃「ほんとに!? ケアレスミスもな…