アニメssリーディングパーク

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アクア「うぅ……」 めぐみん「はっくしゅん!!」【このすばss/アニメss】

 

~冬の討伐帰り~

 

カズマ「うぅ~、寒ぃ~っ!!」ブルブル

 

アクア「情けないわね。こんな寒さ、根性で耐えなさいよ、根性で」ホカホカ

 

カズマ「って、言いつつお前はなに、自分の体にカイロ貼り付けてんだよ!?」

 

アクア「カイロじゃなくて、ホットシートって言って、貼ると温かくなる魔道具よ」ホカホカ

 

カズマ「仕組みはカイロと一緒じゃねぇか。とりあえず、それよこせ!!」グイッ

 

アクア「嫌よ」ググッ

 

カズマ「よこせーーー!!」グイグイ

 

アクア「いーやーー!!」ググッ

 

ダクネス「こらこら、喧嘩はやめないか」

 

めぐみん「まったく、内容が内容で、くだらないですね」

 

カズマ「よこせええぇーーー!!」パッ

 

アクア「ちょっ、あらっ!!?」グラッ

 

ダクネス「おっと!?」ドンッ

 

めぐみん「わぁっ!?」ドンッ

 

カズマ「あ………」

 

バシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 

 

~屋敷~

 

アクア「うぅ……」ブルブル

 

めぐみん「はっくしゅん!!」ブルブル

 

ダクネス「入浴し、着替えたというのに、寒さ故か、震えが止まらん」ブルブル

 

カズマ「悪い。俺がアクアからホットシートを無理に奪った反動でアクアがよろめき、拍子にアクアがダクネスめぐみんにぶつかったせいで冬の冷たい川に落ちるとは…」

 

アクア「まったくよ。こうなったのはカズマさんのせいよ!」

 

めぐみん「いいえ、自分だけホットシートを独り占めにしていたアクアにも非があると思いますがね」

 

アクア「えええぇーーー!?」

 

ダクネス「まぁ、川に落ちたのは仕方ない。寝れば、明日には震えも止まるさ」

 

 

~翌日~

 

カズマ「おはよう……」ファァーーー

 

シーーーーーーーーン

 

カズマ「って、あれ?」

 

カズマ「おーーーーーい」

 

シーーーーーーーーン

 

カズマ「……おかしいな。いつもこの時間帯は、一人か、二人はいるはずなのに…。」

 

カズマ「仕方ねぇ。それぞれの部屋に行って、様子を確認してみるか」

 

コンコン

 

カズマ「おい、アクア、居るか?」

 

 

アクア「ごほごほ…カズマ……さぁ~ん…」

 

カズマ「なんだ? 咳き込みと辛そうな声が……開けるぞ」ガチャ

 

 

アクア「はぁはぁ…/// ゲホゴホッ!!!」

 

カズマ「なっ、アクア!?」

 

カズマ「お前、風邪ひいたのか!」

 

アクア「ゲホゲホッ。く、悔しいけど……認めて…あげる…。そうよ…風邪……ひいた…みたい…なのよ……ゲホゲホッ!!!」

 

カズマ「辛そうなのと顔が赤いのは、熱か」

 

アクア「もう…朝起きたら…だるくて、だるくて…///」

 

カズマ「だるいのは、いつもだろ?」

 

アクア「な、こんな時に……冗談言わない…でよ!? 面倒くさい……から…だるいって言って…いるんじゃなくて……本気で起きたら……だるかった…のよ」

 

アクア「おまけに…咳まで……出るし……ゴホゴホ!!」

 

カズマ「分かった、分かった。ひとまず状態は把握したよ」

 

カズマ「とりあえず、ゆっくりしてろ。後で、食べれるもん用意してやっからよ」

 

コンコン

 

カズマ「めぐみ~ん、居るか?」

 

シーーーーーーーーーーーーン

 

カズマ「反応なし。部屋には居ないのか」

 

 

めぐみん「はぁはぁ……。カズマ、ですか?」

 

カズマ「おー、居たか。起きたらリビングにいなかったからよ…様子を見に来たぞ」

 

めぐみん「そ、そうですか、それは……ゲホゲホ!!」

 

カズマ「辛そうな声に、咳……ちょっと入るぞ」ガチャ

 

めぐみん「はぁはぁ…/// ゲホゲホ!!」

 

カズマ「あちゃー、めぐみんもか」

 

カズマ「お前も風邪をひいて、熱もあるのか」

 

めぐみん「お前も、という…のは…?」

 

カズマ「実はアクアも風邪をひいて、熱を出したんだよ」

 

めぐみん「ええぇーー!?」

 

カズマ「だるいか?」

 

めぐみん「はぁはぁ……。もちろんです。朝起きたら、すぐだるさがあり、咳も……ゲホゴホ!!」

 

カズマ「そうか。アクアも同じ事言ってたぞ」

 

めぐみん「わ、私とした事が不覚…です」

 

カズマ「気にすんな。誰だって風邪はひくし、熱だって出る。」

 

カズマ「ゆっくり寝てろ。後で、食べ物、持ってくるからよ」

 

コンコン

 

カズマ「ダクネス、居るか?」

 

ダクネス「はぁはぁ…/// おのれ、体の中にいる悪い菌め……私をこのような状態にしてもまだ苦しめ続けるというのかっ♡!?///」ゾクゾク

 

カズマ「……放っておくか。と、思ったが、仲間だ。一応、入ってみるか」ガチャ

 

 

ダクネス「はぁはぁ…いいだろう。さぁ、私の体を襲うがいい、菌め!だが、私の体は屈しても心の中までは♡♡」ゾクゾク

 

カズマ「おい、ダクネス!」

 

ダクネス「!?……か、かっかっかっか………カズマァーーッ!!?///」ビクッ

 

カズマ「いつものお取り込み中で、悪かったな。心配で、様子を見に来たぞ」

 

ダクネス「そ、そうか!?/// は、ははは……うっ、ゲホゲホ!!!」

 

カズマ「風邪をひいてるなら、無理に笑わなくてもいいんだぞ」

 

ダクネス「す、すまない…。」

 

カズマ「はぁー、まさかのダクネスまでも風邪をひいて熱を出していたとはなぁ」

 

ダクネス「私までも、という事は他にひいたのが居るのか?」

 

カズマ「あぁ。アクアとめぐみんだ。二人とも、お前みたいに風邪ひいて熱出してダウンだ」

 

ダクネス「そうだったのか……。うっ、ゲホゲホ!!」

 

カズマ「お前もだるいか?」

 

ダクネス「少しな。朝起きたら少しだけだるくてな……仕方ないからほんのちょっとだけ横になったら、今度は咳が出て来たという訳だ」

 

カズマ「アクアにめぐみんと同じか!」

 

ダクネス「本当に、すまないな…」

 

カズマ「気にするな。ゆっくり治していけばいいって」

 

カズマ「今はゆっくり寝てろよ。後で、食べ物用意して来るからよ」 

 

カズマ「あいつらに出す食事はおかゆにしよう。この世界には米もあるし、おかゆを作って、前購入した土鍋にでも入れて持っていくか」

 

カズマ「後、必要なもんは水枕とか薬とか、水分を取る為に水もいるな」

 

カズマ「でも、薬って言っても風邪薬とかあんのかな、この世界? いや、待てよ……前に使った回復アイテムのポーション、あれを薬代わりとして試してみるか!」

 

カズマ「んで、水枕は魔道具で同じ物探して、もし見つかったら代用するか!」

 

カズマ「水は俺のスキル「クリエイト・ウォーター」があるから、OKだな」

 

カズマ「そうだ。風邪とか体調不良に良いアイテムがあったら、それを試す手もあるな。」

 

カズマ「よし。ひとまず、必要なもんを揃えるとしますか!」

 

 

~ウィズ魔道具店~

 

カズマ「急に来て悪いな、ウィズ」

 

ウィズ「いいえ。カズマさんにはいつもお世話になってますから」

 

カズマ「で、俺が欲しいのはポーション三つだ。」

 

ウィズ「はい。ポーションですね」

 

カズマ「それと他に、体調不良とかに良い物ってないか?」

 

ウィズ「体調不良ですか…? ちなみに一体誰が?」

 

カズマ「アクアとめぐみんダクネスだ」

 

ウィズ「ええぇーー、三人ともですか!?」

 

カズマ「あぁ。ただの風邪だけど、そもそも風邪をひいた原因は俺にあるかもしれなくてな…」

 

ウィズ「えっ? それはまた、どうしてですか?」

 

カズマ「実は………」カクカクシカジカ

 

ウィズ「はぁ…争っていたら、アクア様にめぐみんさん、ダクネスさんと続くように冷たい川に落ちた、という事ですか」

 

カズマ「そうなんだよ。きっとそれが元でアクア達全員は、風邪をひいたと俺は思うんだよ」

 

カズマ「正直、俺があそこで争って、アクアが転倒するきっかけさえ作らなければ、こんな事にはならなかったのかもしれない」

 

ウィズ「カズマさん…」

 

カズマ「おっと少し暗くなるような話題して悪かった。それで、体調不良に良い物ってないか?」

 

ウィズ「そうですねぇ~……あっ、そういえば、体調不調に良いとされる魔道具がちょうど三つくらいあるのを思い出しました。」

 

カズマ「おっ、それは気になるな。ちょっと見せてくれ?」

 

………………………………………………

………………………………

…………………

 

カズマ「成る程な。でも、ちょうど良いな。欲しかった水枕の代わりになるような物もあるし、他の二つも良さそうだ」

 

ウィズ「そうですか。気に入って貰えて嬉しいです。それで、お買いになられますか?」

 

カズマ「あぁ。いくらだ?」

 

ウィズ「3000エリスになります」

 

カズマ「少しお買い得だな。こういうのってもっと高いと思ったが。」

 

ウィズ「ポーションは別としましても、そちらの魔道具三点はちょっとした売れ残りですので、多少ですが、安くしました」

 

カズマ「悪いな!」

 

ウィズ「いいえ♪ それとカズマさん」

 

カズマ「んっ?」

 

ウィズ「アクア様とめぐみんさん、ダクネスさんに、私がお大事に、と言っていたと伝えてはくれませんか?」

 

カズマ「あぁ。いいぞ!」

 

ウィズ「すみません。それと、お買い物ありがとうございます」ニコリ

 

カズマ「またな、ウィズ! こっちこそ色々とありがとな」

 

ウィズ「はい♪」ニコッ

 

 

~その後~

 

カズマ「さてと…ポーションにクリエイト・ウォーターで出した水が入ったビン、風邪に良い魔道具、そんでおかゆ、三つずつ…OKだな」

 

カズマ「じゃあ、まずは…」コンコン

 

 

カズマ「アクア、入るぞ」ガチャ

 

アクア「ふわぁっ!?」ビクッ

 

カズマ「大丈夫か…って、お前、一体なにやってんだよ!?」

 

アクア「なにって、シュワシュワを飲もうとしている所よ」ググッ

 

カズマ「バカか、お前は?! 風邪ひいてる時に酒を飲むのは体に悪いんだぞ!!」

 

アクア「何言ってんのよ。体調が悪いというほどシュワシュワを飲んで早く寝た方がいいの」

 

カズマ「だから、それがダメなんだよ!」

 

アクア「なによ。カズマが住んでた日本でもこういう言葉があるでしょ……「酒は百薬の長、されど万病のもと」ってね!」

 

カズマ「はぁっ!?」

 

アクア「だから、酒はしっかりとした薬って事、分かった?」

 

カズマ(絶対、意味が違うな…)

 

カズマ「とにかく、風邪が治るまでシュワシュワは没収だ」パッ

 

アクア「あぁーーーーー、私のシュワシュワーーーッ!!?」

 

カズマ「それより…ほら、お水が入ったビンだ。コップ用意したから、飲みたかったら飲め」コトッ

 

カズマ「食事はおかゆだ。」

 

アクア「えぇーーー、おかゆぅ~!?」

 

カズマ「日本担当の女神だったら分かるだろ。日本じゃ風邪ひいて熱を出たら、食事はおかゆや雑炊が定番だ。我慢しろ」

 

アクア「ちぇっ!! あ~ぁ、肉とか脂っこい物が食べたいわ~」

 

カズマ「文句言うなら、下げるぞ。今、下げたら、お前は明日まで飯抜きだ。空腹のまま夜、寝られるのか?」

 

アクア「あぁもう、分かったわよ!!!」

 

カズマ「分かったなら、いい。で、薬はポーションな。それとウィズの店で水枕に近い魔道具を見つけて買って来たから、寝る時に使えよ」

 

アクア「ちょっと、なんであんなアンデッドの店のものなんか持ってくんのよ!?」

 

カズマ「風邪を早く治す為の物を探してたら見つけたんだ。つまりは、風邪をひいたお前の為だ、いいな?」

 

アクア「別にいいわよ。あんなクソアンデッドの店の物なんて無理して使いたくないし…」

 

カズマ「治りが遅くなればなるほど、シュワシュワも飲めないし、食べたい物も食べられなくて、しばらくおかゆになるぞ…それでもいいのか?」

 

アクア「あぁーーーーーーーーーーー、分かった、分かったわよおおぉーー!!?」

 

 

アクア「まったく…」モグモグ

 

カズマ「文句呟きながら食うなよ。喉に詰まったりしたら大変だぞ」

 

アクア「大丈夫よ…」モグモグ

 

 

アクア「ふぅ~ん…カズマが作ったにしては美味しいわね」

 

カズマ「だろ?」

 

アクア「まぁ、私はおかゆは知識だけで、実際に見るのも食べるのも初めてなんだけど、さっき見た時は米だけ食べるなんて絶対味もしなさそうだし、食べる気になれないと思ったのよ…一瞬」

 

アクア「だけど、一口食べたら、米の旨味とか、米だけじゃない別の味…なんだか調味料を加えたような味が口いっぱいに広がって美味しいって思えるのよね」

 

カズマ「あぁ。俺が作ったおかゆは、特に途中の店で買った色々な調味料を加えたものなんだ。絶対に美味しいに決まってるさ」

 

アクア「調子に乗っちゃって。まっ、引きこもりのヒキニートさんが、高貴な女神様である私の為にしてくれたんだし、一応感謝はしといてあげるわ」

 

カズマ「ったく、偉そうに…。ってか、ヒキニートって呼ぶのは止めろっての!!」

 

カズマ「はぁ~、まったく。…………なぁ」

 

アクア「なによ?」

 

カズマ「早く風邪、治せよ」

 

アクア「っ!」

 

カズマ「お前が元気にならないとクエストに行けないし、それにモンスターの討伐でもお前の支援や魔法は役に立ってる。確かに駄目かもしれないけど、一応パーティには必要な存在だ!」

 

カズマ「そんなお前が風邪でずっとダウンだなんて事も、仲間としては放っておけないしな。だから、頑張って治せ」

 

アクア「っ///」

 

カズマ「どうした、顔が赤いぞ? 熱でもあがったか?」

 

アクア「だ、大丈夫よ!!? それに別にお節介みたいな事はいいわよ」

 

カズマ「なんだよ、お節介じゃなくて、ちゃんとした心配だぞ」

 

アクア「とにかく、なんでもないわよ、別に……。」プイッ

 

 

アクア「…………カズマ」チラッ

 

カズマ「なんだ?」

 

アクア「…その………ありがとうっ///」ボソッ

 

カズマ「あぁん、なんだ、聞こえないぞ?」

 

アクア「な、なんでもないわよ!! ほら、おかわりよ、おかわり。さっさと、おかゆをよそりなさいよ!!!」スッ、グイグイ

 

カズマ「なんなんだよ、もう…。」

 

 

カズマ(ありがとう、か……フッ///)ニコニコ

 

カズマ「めぐみん、入るぞ」コンコン、ガチャ

 

めぐみん「あっ、カズマ」

 

カズマ「体調はどうだ?」

 

めぐみん「まだ咳と熱が少々あります」

 

カズマ「風邪をひいたばかりだ、しょうがないさ」

 

カズマ「それより、ほら…水が入ったビンだ。コップを置いておくから飲めよ」コトッ

 

カズマ「薬はポーションだ。後、魔道具の一種だが、熱を冷ます為のシートみたいなのを買ったぞ」コトッ

 

めぐみん「熱を冷ますシート…ですか?」

 

カズマ「本来は熱い物に貼って熱を冷ますヤツみたいだが、人が張っても効果はあるそうだ。寝る直前でいいから、おでこに貼ってみろ。もしかしたら、熱も下がると思うぜ」

 

めぐみん「そうですか。そのような道具が……分かりました。後で使ってみますね」

 

カズマ「んで、これが食事だ。」ゴトッ

 

めぐみん「?……土鍋ですね。もしかして、食事は鍋物ですか?」

 

カズマ「いや」パカッ

 

カズマ「これだよ!」

 

土鍋に入ったおかゆ『…』ホカホカ

 

めぐみん「??……なんですか、これは? 見る限りでは炊いたお米のようですが、いつも見るお米とは少々違うようで、なんだか違和感を感じますが…」

 

カズマ「めぐみんは初めて見ると思うが、これは「おかゆ」って言って、日本の食べられる料理の一つだ」

 

めぐみんおかゆ…? ですが、ニホンは、確かカズマが住んでいた場所、でしたね」

 

カズマ「あぁ、その通りだよ。おかゆは、米に多くの水を入れて柔らかく煮たヤツで、結構美味いぞ。日本じゃ風邪をひいたり、体調不良の人が良く食べてて…体にもイイんだよ」

 

めぐみん「へ、へぇー、そうなんですか。」ゴクリ

 

カズマ「それに俺が昼間、色々な店で買った調味料を加えてあるから、一層美味いぞ」

 

めぐみん「なら、頂きます」ペコッ

 

めぐみん「………」モグモグ

 

カズマ「どうだ?」

 

めぐみん「!…………美味しい、です///」パアアアーー

 

カズマ「そうだろ」

 

めぐみん「美味しい、美味しい、美味しいです!!!」ガツガツ

 

カズマ「お、おい、めぐみん…!?」

 

めぐみん「米の柔らかさによる歯応えにどろっとしていて食べやすい感じ、様々な調味料での見事な味付け……」ガツガツ

 

カズマ「お~い……」

 

めぐみん「本当に美味しいですよ、カズマ!! これならば風邪にも効きそうですし、体にも優しそうで、元気にもなりそうです」コトッ

 

カズマ「………そうか。なんだか色々と語ってくれたようだが、ひとまず喜んで貰えたなら俺はもうそれでいい。」

 

めぐみん「ぜひ、おかわりを。もう少し、食べたいので」

 

カズマ「はいはい。ただし、美味しいからってさっきみたいに早く食べるなよ。ゆっくり噛んで食べろよな」

 

めぐみん「分かってますよ。カズマはうるさいですねぇ~」

 

カズマ「おい、これはお前の為にだな…」

 

めぐみん「それも分かってますよ。」

 

 

めぐみん「はぁ~」

 

カズマ「どうした、いきなり溜め息なんかついて…?」

 

めぐみん「いえ、こうして誰かと話して、食べていると紅魔の里にいる両親や妹を思い出しまして…」

 

カズマ「………」

 

めぐみん「それと、カズマが作ってくれたおかゆ、を食べた時、昔具合が悪かったときに母が作ってくれた、料理も思い出しましたよ」

 

めぐみん「あの時の料理が、今あるカズマが作ったおかゆと似てまして……味もなんだか同じようで、それでつい、思い出したのでしょう」

 

カズマ「………そうか。」

 

 

めぐみん「カズマ…」

 

カズマ「んっ?」

 

めぐみん「今、私が風邪をひいたと両親や妹が知れば、どう思うでしょうか?」

 

カズマ「そうだな…。驚くかもしれないけど、同時に凄い心配だってする、かな」

 

めぐみん「そう、ですよね」

 

カズマ「でも、お前が頑張って元気になれば、また安心するはずだ」 

 

めぐみん「えっ!」

 

カズマ「実家の両親や妹がお前を見て心配すると思うなら……」

 

 

カズマ「お前自身が心配されないように、しっかりと頑張らないとな」

 

めぐみん「心配されないように頑張る……私もイケますかね?」

 

カズマ「もちろん、イケるさ! それにお前は爆裂魔法にばっか拘る変な奴だけどよ…」

 

めぐみん「おい!」

 

カズマ「一つの事しか愛せない、それだけっていう、真っ直ぐな気持ちを持ってるしな……なら、後は自分を信じて真っ直ぐ、ひたすら頑張って、そして家族を安心させればいい」

 

カズマ「お前なら出来る。だって、俺の仲間としてめぐみんは、凄い奴だからな!(まぁ、ある意味だけど…)」ニコリ

 

めぐみん「カズマ………///」ジーン

 

 

カズマ「んっ、どうした、顔が赤いぞ? 熱か?」

 

めぐみん「!? な、なんでもありませんよ。それより、カズマ…早くおかゆのおかわりを下さいよ」グイグイッ

 

カズマ「あ、おい、分かったから、そんなに急かすなって!?」

 

 

カズマ(そういえば、さっきの赤い顔……なんだか嬉しそうな顔付きだったな…。)

 

カズマ「ダクネス、入るぞ」コンコン、ガチャ

 

ダクネス「カズマか…」

 

カズマ「大丈夫か?」

 

ダクネス「あぁ。ひとまず咳はないが、まだ熱っぽい感じだ」

 

カズマ「無理はするなよ。ほら、水分取れるように水の入ったビンとコップだ。飲めよ」

 

ダクネス「すまない」

 

カズマ「それと薬はポーション。それと風邪でも良く眠れるように、寝る時に良い魔道具「お香」だ」

 

ダクネス「お香か…。そういえば、私の実家でも寝る時に良くお香を焚いたものだ」

 

カズマ「そうなのか? じゃあ、ダクネスの家は大貴族だし、さぞかし最高級の物だったろうな…」

 

ダクネス「いや、そこまで上質なお香ではないぞ!? 確かに高額なお香もあったが、私が焚いたのはあくまで普通のお香だけだ!!」 

 

カズマ「んで、食事はおかゆ、な!」

 

ダクネス「お、おかゆ……??」

 

カズマ「あ、おかゆは俺が住んでた日本の料理だよ。基本米だけど、良く煮たから普通の米よりかなり柔らかくなってる」

 

ダクネス「あぁ…カズマが前に言っていた国か。成る程、そこの料理か…」ジイィィーー

 

ダクネス「うむ。確かに水っぽいというか、全体的に柔らかそうだな」

 

カズマ「色々な調味料を加えてるから、味も一層いいぞ。食べてみな」

 

ダクネス「では、頂こうか」

 

ダクネス「………」モグモグ

 

カズマ「どうだ?」

 

 

 

 

ダクネス「うん、美味い! 美味だぞ、カズマ!!」

 

カズマ「そうか、良かった」

 

ダクネス「良く煮たお米の味に様々な調味料が合わさって、旨味が程よく出ている。それにお米の柔らかさも良い…口に入れた時の食感がたまらないぞ///」ウットリ

 

カズマ「そりゃあ、どうも」

 

ダクネス「それにこの味……昔、私が風邪をひいた時にお父様が作ってくれた料理の味を思い出すな…」

 

カズマ「えっ?」

 

ダクネス「カズマに分かるように説明しよう。昔、幼少の私は風邪をひいて熱が出た時があったんだ」

 

ダクネス「もう気持ちが悪くて、当時メイドたちが作ってくれた料理も受け付けないほど、私の病状は酷かったんだ」

 

ダクネス「そんな時、普段料理をしないはずのお父様が珍しく調理し、完成した料理を私の病床まで持ってくれた事があってな…。」

 

ダクネス「メイドの料理も受け付けなかった私の口が思わず開き、私はお父様の料理を口にしたんだ。そしたら、それが思いの外美味しかった事か。翌日には熱が下がり、風邪も治っていた。」

 

ダクネス「その時私は、きっとお父様の想いが料理に込められていて、それで体調が良くなった…とそう思った訳だ」

 

カズマ「へぇ~、いい話じゃねぇか!」

 

カズマ「まさか、ダクネスにこんな良い思い出話があったとはねぇ…」

 

ダクネス「む、昔の話だがな!」

 

カズマ「で、俺のおかゆの味が、その父親が作った料理と同じ味って事は、親父さんは同じもんでも作ったのか?」

 

ダクネス「おそらくな。ただ分かるのは食感が似ていて、白いものだという記憶と、味があの時の味と似ているという感じだけだ」

 

カズマ「そうか。」

 

 

ダクネス「なぁ、カズマ」

 

カズマ「なんだ?」

 

ダクネス「普段、前衛に出て、元気な私がこうして体調を崩すとは…情けなく思えるだろ?」

 

カズマ「………」

 

ダクネス「いいんだ、はっきり言ってくれても構わない。正直に罵ってくれても構わないぞ///」ハァハァ

 

カズマ「別に情けないとは思ってないぞ、俺は」

 

ダクネス「へっ?」

 

カズマ「誰だって体調を崩す時はあるさ…元気な奴でもな」

 

カズマ「それで情けないと思えるなら、風邪をひいた奴は皆、そうさ。だけど、皆はただ早く治そうと努力してまた元の元気を取り戻してるんだ」

 

カズマ「なら、情けないと思うよりもまずは、治そうと頑張ればいいんだよ。弱音を吐くな…強気になれ」

 

ダクネス「っ!」

 

カズマ「それにお前は、うちのパーティにとって大事なメンバーだ。前衛として皆を守る為のな」

 

カズマ「だから、早く治して元気になれよ。そんでクエストに出て、また守りとして俺らを守ってくれよな!」

 

ダクネス「カズマ……///」ジーン

 

 

カズマ「どうした、ダクネス? 顔が赤いぞ、あがってきたのか、熱が!」

 

ダクネス「あ、いや……な、なんでもない!!?」

 

カズマ「?」

 

ダクネス「それよりカズマ、先ほどのおかゆと言ったか? その、おかゆをもう一回食べたいのだが、いいか?」スッ

 

カズマ「えっ…あ、あぁ! まだたくさん作ってあるから、別にいいぞ!!」

 

 

カズマ(ダクネスの顔付きも、めぐみんの時と同じように嬉しそうに見えた…ような……。)

 

 

~翌日~

 

アクア「おはよう~」

 

めぐみん「おはようございます、アクア」

 

ダクネス「アクアも元気になったか!」

 

アクア「えぇ、そういうめぐみんダクネスも元気になったのね」

 

めぐみん「もちろん、元気ですよ。昨日の事が嘘みたいです」

 

ダクネス「これも、カズマの看病のおかげだな。私たち全員がダウンしていた中、一人で頑張って食事やら薬やらを用意してくれたからな」

 

めぐみん「まぁ、一番はカズマの励ましですかねぇ…。」

 

 

アクア「で、肝心の男はどうしたのよ?」キョロキョロ

 

めぐみん「あれ、そういえば、まだみてないですね」キョロキョロ

 

ダクネス「おそらく、まだ寝ているのだろう…。仕方ない、起こしにいくとしよう」スクッ

 

ダクネス「カズマ、入るぞ」コンコン、ガチャ

 

カズマ「う~ん……」ゴロン

 

ダクネス「おい、カズマ。いつまで寝てるつもりだ。もう朝だぞ…早く起きろ!」グイッ

 

カズマ「う~ん…ダクネスぅ~………///」ゴロン

 

ダクネス「って、どうした、やけに顔が赤いではないか!!?」

 

カズマ「悪い……。俺も風邪ひいたようだ……。熱があるようで、ボォーッとする…」

 

ダクネス「なんと、それは大変だ!? 分かった、急に起こして申し訳なかったな…今日は安静にしていろ!」

 

カズマ「ほ、ほんとに…悪いな…」ゴロン

 

ダクネス「と、いう訳だ!」

 

アクア「プークスクス。バカは風邪ひかないって言うけど、カズマさんの場合はバカじゃなくて、ただのヒキニートだから風邪ひいたのねぇ~www」クスクス

 

ダクネス「こら、アクア」ゴンッ

 

アクア「いったぁ!?」

 

ダクネス「病人を笑うものじゃない! それにカズマは昨日、私たち全員の看病をした…もしかしたら、今日のカズマの風邪もその時風邪がうつったか、看病を頑張った事による疲れから出た、可能性だってある」

 

ダクネス「つまりは、こうなったのも私たちが原因という訳でもある。ならば、笑いごとではないだろ」

 

めぐみん「そうです、ダクネスの言う通りですよ。病人のカズマを笑うものなら、アクアだって許しませんよ」

 

アクア「わ、分かったわよ!? 私が悪かったわ」

 

ダクネス「という訳で、今日はカズマの看病は、私たちで分担して行うとしよう」

 

めぐみん「もちろんですよ。仲間同士ですから」

 

アクア「まぁ、カズマには昨日、世話になったし、今日は早く治るように私もなにかするわ」

 

ダクネス「では、カズマが早く治るよう願って、看病開始だ!」

 

めぐみん「おーーっ!」

 

アクア「おーっ……」

 

 

~その後~

 

アクア「カズマさぁ~ん、風邪にはシュワシュワが一番よ」

 

カズマ「……バカ、風邪の時に酒を飲むのは一番、体に悪いんだよ……」

 

めぐみん「カズマカズマ~、風邪で寝ている時は暇でしょう? ならば、我が爆裂魔法を近くでお見せしましょう」

 

カズマ「見せなくていい。なにもするな……」

 

ダクネス「カズマ、何か欲しかったら遠慮なく言ってくれ! 何が望みだ、私を罵倒したいか、弄りたいか、それともおしおきでもしたいか?/////」ハァハァハァ

 

カズマ「俺がこの状態でもお前って奴は……」

 

 

アクア・めぐみんダクネス「「「ねぇカズマァ~(カズマ~)(カズマ)!!!」」」

 

カズマ「俺を心配して、声を掛けるのはいいけどよぉ……」

 

カズマ「これはいくらなんでもうるさぁーーーーーい、俺はゆっくり寝てたいんだ!! 静かにしろおおぉぉーーーーーー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

カズマ「風邪をひいただとっ!?」

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