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雪乃「ずっとたってても、困るのだけれど….たち谷くん」【俺ガイルss/アニメss】

 

季節は冬。吐く息は白くなり、地面も白くなり、リア充のムードはピンクになる季節。

なに、なんなの、冬は?

気温は冷たく、小町の目はクリスマスやらなんやら、恋愛事関連の行事が近づくたびに生暖かくなり、雪ノ下の目は冷たい。あ、最後のは何時もだった。

つーか、なんで冬って、恋愛事の行事多いの?

何か冬になってから、カップル増えてない?

総武線だけで、5組くらいのカップルみたぞ。

くっつくとあったかいねじゃねーよ、暖房ガンガン効いてるから、むしろ暑いわ。むしろカップルのせいで熱いまである。

べ、別に悔しくなんてないんだからねっ!本を読むのに邪魔だっただけなんだからっ!

邪魔って言われた事は多数あるが、思ったことがあんまりない俺でも邪魔だと思った。嘘です、結構思ったことあります。

 

 

邪魔って字体だけみるとかっこいい、材木座あたりが喜びそう。

そんなどうでもいい事をつらつらと考えながら部室へとむかい、特別棟にはいって、部室が見えてきたあたりで、コツコツコツコツ少し早歩きの様な足音が聞こえ、真後ろで、止まった。

その時点では、無視しようかどうか、悩んでいたのだが

 

「おい、比企谷」

 

と、呼ばれたので、仕方がなく、なんですか、と言いつつ振り向こうとした瞬間に首元をつかまれ、連行された。

なに、なんか怖いんですけど。

そして、そのまま、ズルズルと生活指導室まで引きずられた。

俺を引きずってここまで、連れてきた張本人は、あっけらかんとはしておらず、むしろ怒っているようだった。おこだよ!

俺は口をひらいて

 

「で、どうしたんすか、平塚先生」

 

「どうしたはこっちの台詞だ、比企谷」

 

と言うと、なんだこれは!と言わんばかりに、プリントをつきつけてきた。

 

そのプリントには

 

『自分の考える進路

 

一人はみんなのために。

みんなは一人のために。

この言葉ほど嫌悪感を覚える言葉はない。

このような言葉を発する人々は基本、みんなを取り違えているのだ。

みんなとは本当の意味でみんななのではなく、自分の役に立つ、そうでなくても、仲の良い友人など指す。

それを平然と、みんなのため、という、一見正論に取り繕ったエゴの塊をそれ以外の人に振りかざす。

それも自覚がないので、尚更たちが悪い。

そうして、好き好んで一人でいる人はさらに隅へ隅へとおいやられ、挙句には居場所がなくなる。

そのような事にならない為にも、好き好んで一人でいる人はその他大勢と距離を置くべきである。

つまり社会にでなければよいのだ。

だから、専業主夫こそ唯一無二で、完全無欠、パーフェクトな将来の夢と言えるあろう。』

 

とかいてあった。というか、昨日俺が書いた。

 

「それがどうかしましたか?真面目に書いたつもりですが」

 

「ふてぶてしい態度で応じてる暇があったら書き直せ。いますぐやらないと…」

 

と言うと、平塚先生はフ、フと笑った。というか脅した。脅し、反対。暴力反対、ほんとやめてマジで。

痛いのはいやなので、

 

「…すいません」

 

と言い、やり直すことにした。

 

なにがダメなんだいったい…

 

 

部室に入ると雪ノ下が一人で窓際のいつもの場所にすわっていた。

 

「こんにちは、比企谷くん」

 

雪ノ下は由比ヶ浜が来ることを期待していたらしく、溜息をついて、落胆していた。

どんだけ俺のこと嫌いなんだよ。しまいにゃ泣くぞ。

だが、俺はなかない。上を向いてあるきます。

 

俺があの名曲を脳内再生してると

 

「ずっと立ってても、困るのだけれど。早く座ってくれないかしら、立ち谷くん」

 

と、雪ノ下が言った。

なんだよ立ち谷って。

遅刻しまくって廊下に立たされまくってたときも、そんなあだ名つかなかったぞ。

しかし、逆らっても氷の女王様に論破されて、ボコボコにされるだけなので、従うことにした。っていうか従わない理由ないし。

 

「へいへい」

 

しかし、雪ノ下の奴何故本を読んでないんだ?

雪ノ下は部室では基本は本を読んでいるはずなんだけど。

本を読みすぎて、イメージとしては雪ノ下=本になるまである。

それにしても疑問だ。

疑問になりすぎて口からつい言葉が漏れた。

 

「なんで本読んでねーの」

 

キャ☆言っちゃった☆

 

「本を忘れたの」

 

「お前がか?珍しいな」

 

すると雪ノ下が、羞恥によって頬を赤らめた。

そこまで恥ずかしがることか?

それで恥ずかったら、俺は恥ずかし過ぎて社会にでれないな。やはり俺には専業主夫の才能がねむっているに違いない。

 

「なんで、そんな恥ずかしがってんの」

 

そんな恥ずかしがることか。ちょっとしたミスじゃん。そんなこと恥にしてたら、人生恥だらけじゃん。太宰治かよ。

 

「単純にミスしただけよええたまたま決して夜遅くまで猫動画をみてたから起きるのが遅くなってしまい急いで用意して学校に来たから机から取り忘れたわけではないわええ決して」

 

「あ、そう」

 

雪ノ下ってこんなにわかりやすい奴だったっけ。

それとも俺が信頼置かれてるから隙みせてんの?

いや、それはないな。勘違いはいけない、それによってどれだけ傷ついたか。

 

「…」

 

「…」

 

気まずいな。雪ノ下はしまったって顔してから顔赤らめてモジモジしてるし。

まあ、たまにはこういうのもいいか。たまにっていうか、雪ノ下の顔赤らめモジモジ以外いつも道理だがな。由比ヶ浜がくるまでは、こうしていよう。

 

こうして比企谷八幡の日常はすぎさってゆく

 

雪ノ下がモジモジし始めて、暫くたった。なに、そんなモジモジしてモジモジくんになりたいの。

まあ、いいか、別に沈黙が嫌いな訳じゃないし。むしろ好き過ぎて、一人を好むまである。

そんなわけで、本を取り出して、読み始めようかというところで、いきなり、扉が強く開いた。どれくらい強いかっていうとッパーンていう音がするくらい。どんだけ強くあけたんだよ。というか誰だよ。

 

「やっはろー!」

 

由比ヶ浜だ、一発でわかる。その馬鹿っぽい挨拶やめろ。

 

「ヒッキーも、やっはろー!」

 

え、一回目の挨拶俺含まない感じ?

ならゆきのんとつけろゆきのんと。つい、おう、って応じてしまうところだったじゃねーか、恥ずかしい。

恥の多い人生過ぎて文学的に見て俺マジ太宰治

まあ、俺にも二回目に挨拶されたし、返事しよう。

 

「おう」

 

「こんにちは、由比ヶ浜さん」

 

雪ノ下はついさっきの扉の開く音で、モジモジトリップから帰ってきたらしく、いつもの雪ノ下のように、挨拶に応じた。

 

俺はそこで、疑問に思った事を口に出す。

 

「なんで、遅かったんだ?あと、その馬鹿っぽい挨拶やめろ」

 

そう、もう結構遅い時間だ。

俺はてっきり葉山たちとカラオケにでも行ったのかと思ったのだが。

 

「ヒッキーひどい!今日掃除で遅れるって言ったじゃん!あと馬鹿じゃないし!ヒッキーキモい!」

 

「そんな凄い勢いでキモいって言うな、泣きそうになるだろ。あと、掃除当番にしても遅いだろ」

 

「ちょっと、カラオケに誘われちゃって…」

 

「行かないでいいのか」

 

「うん」

 

「そうか」

 

由比ヶ浜は雪ノ下に会いたいだけで別に他意はないことはわかっているのだが。

最近勘違いをする回数が多いな、気をつけないといけないな。

 

「ああ、戸塚とカラオケ行きたい」

 

ほんとに。で、イチャコラしたい。戸塚は天使。

 

「比企谷君それは気持ち悪いわ…」

 

「ヒッキー発言がキモい…」

 

え、ひどくない。ただ俺は戸塚とのイチャコラを想像してただけなのに。気持ち悪いな、俺。

 

そこから、由比ヶ浜は席について、携帯を弄り始めた。

俺はついさっき読もうと思ってた本を読み始めることにした。

雪ノ下はどうするのか、少し俺は考えたが、まあ、本人が本を忘れたのが悪い。特段会話とかする必要はないだろう。無駄に気をつかうとあちらも気まずくなるだろうし。

やべえ、俺めっちゃ優しい、誰かもらって専業主夫にして。

そして俺が本を読みはじめて、三十分くらいたっただろうか、雪ノ下が席を立った。

 

「ゆきのんどこ行くの?」

 

由比ヶ浜がそう問いかけると

 

「図書室に行って本を借りてくるつもりよ、由比ヶ浜さんもくる?」

 

と雪ノ下は答えた。

由比ヶ浜は雪ノ下に誘って貰い嬉しいのか、目を輝かせて首を縦にブンブン振ってうん、うんと言っている。

犬みたいだなこいつ。

 

「誘ってくれてありがとー!ゆきのん大好き!」

 

由比ヶ浜は言って、雪ノ下をこれでもかというレベルで強くだきしめた。

 

「ゆ、由比ヶ浜さん、やめて欲しいのだけれど」

 

抱きしめられた雪ノ下は一応の拒絶はしつつも満更では無いようだった。

なに?ここだけ百合空間?男子禁制なの?

なら帰ろうすぐ帰ろうさあ帰ろう。

という次第で俺は帰る準備をし、席を立とうとしたのだが、由比ヶ浜の抱きしめからいつの間にか解放された雪ノ下が、こちらを冷たく見た。

冷たくがポイント、本当になんか目から冷凍ビームでも出てんのかってくらい冷たい。

 

「そんな冷たい目でこっちみんな。帰りたくなってくるだろうが」

 

雪ノ下は、ハァ、と嘆息して言った。

 

「その前から帰りたがってたでしょう。比企谷くん、あなたはできればここに残っていて欲しいのだけれど」

 

「え、やだよ。家帰って、ゲームしたいし。あとプリキュアの借りてきたDVDみたいし」

 

本当に。期限明日でなんだかんだあってみてないからプリキュアみたい。

 

「比企谷くん」

 

「はいわかりました」

 

怖い。蛇に睨まれたカエルってこんな気分なのかよ。

カエルって言われたことはあっても、蛇に睨まれたことないからわからんかった。

 

「そう、なら依頼者がきたら私に電話してほしいのだけれど」

 

了承しろっていう、無言の圧力があったので、頷く。怖い。

 

「そう、ならいってくるわ。由比ヶ浜さん行きましょう」

 

と雪ノ下が言って歩き出すと、雪ノ下の圧力に少し怖がっていた由比ヶ浜が、ビックっとしてから、頷き、雪ノ下の隣にならんで歩いていった。

雪ノ下、俺はお前の連絡先しらんぞ。ならいる意味ないから帰っていいよね!

俺は足音が聞こえなくなると同時に廊下にでて、鍵をしめて、家への帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

八幡「…すいません」

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