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くみん「ふふ♪背中…流してあげようか?」【中二病でも恋がしたい!ss/アニメss】

 

勇太「眠い・・・」

 

勇太「昨晩の午前二時ぐらいに六花が黒の刻が迫ってるとか大騒ぎして起こされたせいで眠れなかった」

 

勇太「今すぐに寝たい・・・」

 

一色「どうしたぁ?勇太ー」

 

勇太「おう、お前か・・・」 

 

一色「うお、なんだか朝から体調悪そうだな。保健室でも行くか?」

 

勇太「いや、大丈夫だ」

 

勇太(高校生活でリア充を満喫するには保健室でサボりなんてもってのほかだ)

 

勇太(なんとしても学校にはまじめに来なければ・・・)

 

一色「そうか?ならいいんだが・・・あんまり辛いなら言えよ?」

 

勇太「ああ、ありがとう」

 

勇太(これだよ!このクラスメイトに暖かく優しくされる感じ!)

 

勇太(あの頃は心配されるといっても意味合いが全く違ったからなぁ)

 

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4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/10(土) 19:36:54 id:no1mUd5o

 

ダークフレイムマスター「ふふ…ふふふ…ふっふっふ。そうか…ふふっそう来るのかぁ」ミギテヲカオニソエル

 

モブA「え…?と、富樫君?大丈夫…?」

 

ダークフレイムマスター「ふっ君か…ふふっ問題ない…ただ少し…そう少し計画外のことが起きただけさ…」

 

モブA(えー…)

 

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勇太(うわああああああああああああああ忘れろ忘れろ忘れろわすれろ!!!)ガリガリガリガリ

 

一色「うわぁ!どうしたんだ急に!頭かきむしって…やっぱり何かあったのか?」

 

勇太「え!?いやいやいや何でもない!大丈夫!大丈夫だから!!」

 

七瀬先生「はーい授業始めまぁーす」

 

勇太「ほら!授業始まるし!俺は大丈夫だから!」

 

一色「まぁいいけどさー」

 

勇太(学校ではトラウマを思い出す事すら危ういな…) 

 

勇太(とにかく!今は授業をまじめに受けなくては!)

 

勇太(リア充は授業で寝てはいけないからな…)ギラギラギラ

 

七瀬先生(なんだか富樫君の視線が熱いわね…) 

 

キーンコーンカーンコーン

 

勇太(何とか午前中は乗り切ったがそろそろ限界だ)

 

勇太(一度仮眠を取りたいな)

 

勇太(そういえば部室には先輩が持ってきてる枕があったような…)

 

勇太(そこで少し寝るか)

 

勇太(教室で机に突っ伏して寝るなんてぼっちのすることだしな) 

 

ガラガラガラ

 

勇太(ふう…)

 

勇太(確か枕は掃除用具入れの中に…)

ガチャッ

勇太(おお、前も思ったけどいっぱいあるなぁ)

 

勇太(卒業するときとかどうするんだ…)

 

勇太(これでいいか)

 

勇太「先輩、お借りしますよっと」

ボフッ

勇太(うお、すごい快適だ…少し先輩の匂いもするし)

 

勇太(さすが昼寝部員…枕選びは一流だな…zzzzzz)

 

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不良A「おいwwwwwwwwwwwダークフレイムマスターwwwwwwwwwwwwww闇の炎出してくれよwwwwwww」

 

ダークフレイムマスター「なんだ貴様らは…死にたいのか…?」

 

不良B「きwwwwwwwwwwwさwwwwwwwwwwwまwwwwwwwwwww」

 

不良A「おいwwwwwwwwwやべぇよBwwwwwwww俺ら闇の炎に抱かれて死んでしまうwwwwwwwwww」

 

不良B「おうふwwwwwwwwwwwwwwそれはヤバイでござるwwwwwwwwwwwwww」

 

ダークフレイムマスター「くっ…おいお前ら…俺から離れろ…」

 

ダークフレイムマスター「右手が…暴れる…」

 

不良A「ぶっふぉwwwwwwwwwwwwwww」

 

不良B「こいつぁやばいでござるwwwwwwwwwww」

 

ダークフレイムマスター「うぁ…あ…あぁ…し…鎮まれ…あぁ…あああ…ああああああああ」

 

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勇太(はっ…何だか嫌な夢を見ていた気がする)

 

勇太(ヤバイ…寝過ぎたかもしれない…ん?)

 

くみん「zzzzzzzzzzzzz」

 

勇太「」 

 

勇太(とりあえず)

 

勇太(状況を整理しよう)

 

勇太(今現在の時刻は14:25)

 

勇太(5時限目がおわり6時限目に突入している時刻だ)

 

勇太(本来ならここで焦っているところだが)

 

勇太(今はそんな事を考えてる暇はない)

 

くみん「zzzzzzzzzzz」

 

勇太(俺の腕を枕の代わりにして眠っているこの黒夢さん)

 

勇太(どういう事だ…)

 

くみん「あぁ…富樫くん起きたんだぁ…」

 

勇太「」 

 

勇太「とりあえず先輩、どいてください」

 

くみん「えー?いいよぉ別に動かなくて」

 

勇太「良くないです!」

 

勇太「つーかなんで!?今授業中ですよ!」

 

くみん「それを言うなら富樫君もだよ?」

 

勇太「ぐぬぬ…」 

 

勇太「まぁいいでしょう…良くないけど先輩には聞きたいkくみん「おやすみー」

 

勇太「ちょっ!待ってください!」

 

くみん「zzzzzzzzzzz」 

 

勇太「おおい!起きて!起きてください!!」

 

くみん「zzzzzzzz」

 

勇太「とりあえず抜け出さないと…誰かに見られたらヤバイ…」

 

勇太「幸い今はまだ6時限目が始まったばかり」

 

勇太「先輩を起こさないようにゆっくりと…」

凸守「何やってるンDEATHか?」

 

勇太(オワタ) 

 

凸守「他に誰もいない部室」

 

凸守「そこで寄り添い合うように寝ている男女」

 

凸守「しかも女の頭は男の腕に」

 

凸守「女の腕は男の腰に」

 

凸守「コレはマスターに報告するしかないDEATH!」

 

勇太「待て!凸守!」

 

凸守「ふっふっふこうなった私を止められるのはマスターぐらいしか居ないDEATH!」

 

凸守「早速マスターの教室に…」

勇太「牛乳」

凸守(ビクッ) 

 

勇太「凸守、お前は確か牛乳が苦手だったよなぁ」

 

凸守「そ、そんな事はないDEATH!」

 

凸守「マスターのサーヴァントとして弱点はないDEATH!」

 

勇太「そうかそうか…」

 

勇太「そういえば今日の昼休み俺はあまり食べれなくてなぁ」

 

勇太「残したんだ。牛乳を」

 

勇太「適度に暖まっていてこのままだと腐ってしまうから」

 

勇太「凸守、飲め」 

 

凸守「そ、それはお断りするDEATH!」

 

凸守「教室まで逃げるDEATH!」

ズダダダダダダダ

勇太「あ」

 

勇太「逃げられた…」

 

勇太「マズイな…とりえず先輩を引き剥がさないと…」

 

勇太(もし凸守が授業中にもかかわらず1-4に突撃し)

 

勇太(六花に伝えようとすると)

 

勇太(自動的に丹生谷の耳に入る)

 

勇太(そして教室に俺が居ないかつ凸守が事件をにおわせる事を言えば)

 

勇太(あのモリサマーも確実に着いてくる)

 

勇太(最早詰みじゃないのかコレ…) 

 

勇太(くっそ…なんでこの人はこんなにガッツリ引っ付いてるんだ)

 

勇太(全然離れる気配がない…)

 

勇太(もういいか。どうせ来るのは凸守と丹生谷と六花だけだ)

 

勇太(訳を話せばきっとわかってくれる) 

 

勇太(諦めたら随分楽になった)

 

勇太(今まで離す事に必死だったから気付かなかったけど)

 

勇太(意外と胸あるな…)

 

くみん「ぅうん…ゆうた…」

 

勇太(!?)

 

勇太(え!?いま先輩俺の事呼んだ!?しかも下の名前で!?呼び捨てで!?)

 

勇太(あああああこんな健全な男子高校生にああああああ)

 

くみん「…いりだつ~」

 

勇太(?)

 

くみん「そせ~い…zzzz」

 

勇太「」 

 

勇太(どんな夢を見てるんだこの人は…)

 

勇太(めちゃめちゃ恥ずかしいじゃないか)

 

勇太(にしてもやはりいい匂い…)

 

勇太(先ほど枕から感じた匂いとは段違いだ)

 

勇太(女の子特有の…香水のような混じりっけもない…)

 

勇太(いうなればぬくもりの香り)

 

勇太(素晴らしい) 

 

ギュッ

 

勇太(やわらかい…)

 

勇太(それに心地いいな…)

 

勇太(このままもう一度寝てしまおうそうしよう)

 

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_______ 

 

???「ゆーうーたーくーん!だーれだ?」

 

勇太「うわ!えー?先輩?ですか?」

 

???「ちがうよー?」

 

勇太「え?くみん先輩じゃないんですか?」

 

くみん「私はもう先輩じゃないよー?勇太くんの彼女なんだから!」

 

勇太「え!?…あぁはぁそうですよね!あははは!」

 

くみん「何だか酷いなぁ富樫くん…」

 

勇太「先輩だって俺の事富樫くんって呼んでるじゃないですか」 

 

くみん「また先輩って呼んだ…」

 

くみん「私は…その…恥ずかしいから…」

 

くみん「と、とにかく!私の事は先輩って呼ばない!」

 

くみん「名前で…呼んで…?」 

 

勇太「…………くみん……さん」

 

くみん「さん付けも禁止だよぉ?」

 

勇太「…………」

 

勇太「………………く…」

 

くみん「く?」

 

勇太「……くみん」

 

くみん「うふふーゆうたくん♪」

 

勇太「…くみん!」

 

くみん「勇太くーん!勇太くん!…ゆうたくん…ゆうたくn…ゆうた…yうた…」

 

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____

 

ベシベシ

六花「ゆうた!ゆうた!」

 

勇太「…ん?」

 

六花「目覚めよ!ダークフレイムマスター!」

 

勇太「…それ止めろせっかくいい夢見てた…の…に…」

 

七瀬先生「いい夢見れたのね?それは良かったわぁ」

 

七瀬先生「私の授業をサボって女の子と見た夢はさぞ幸せな夢だったでしょうねぇ」 

 

勇太「先生!こ…これは!その!」

 

七瀬先生「別にいいのよ?義務教育じゃあないんだから」

 

七瀬先生「でもこれは問題よねぇ」

 

ピラッ

 

勇太(これは…俺と先輩が抱き合って寝ているようにみえる写真…)

 

勇太(いやってか抱き合って寝てたんだけど)

 

勇太(非常にマズイ) 

 

七瀬先生「これが他の先生の目に入ったらなんて言うかしらねぇ」

 

七瀬先生「この子達だけでも収集が着かないのに…」

 

一色「おい勇太。朝の体調の悪さは演技か?美女と寝てやがって!」

 

森夏「富樫君?サボるのは副委員長としてどうかと思うわよ?」

 

凸守「逮捕DEATH!牛乳も消滅させるDEATH!」

 

1-4's

トガシクンフケツー     ジュギョウサボッテコンナトコロデ…

   ツカコノビショウジョダレー?  マダネテルネェ

     トガシシゴトシロー!

 

勇太(あぁ本当に終わった) 

 

勇太(あぁもうこれは無理だ…)

 

勇太(どうしようもない)

 

勇太(俺のリア充ライフは終わった)

 

七瀬先生「さあ!みんな!富樫君も起きたし帰りなさい!もう下校時刻よ!」

 

1-4's

ハーイセンセサヨナラー  トガシクンッテイガイトダイタンダネェ

    トガシシゴトシロ   ケッキョクアノビショウジョハダレダ

オレモネムクナッテキタナァ  アァオレモーハヤクカエロウゼー

 

七瀬先生「さってと富樫君?」

 

勇太「はぁ…」

 

七瀬先生「今回の事は黙っておきますからね?安心してください」

 

勇太「先生!」

 

七瀬先生「た!だ!し!これからしっかりと普段以上に働いてもらいますからね?」

 

勇太「それはもう!なんなりと!」

 

七瀬先生「私は仕事があるんで戻りますので丹生谷さん、宜しくお願いしますね?」

 

森夏「わかりましたー」

 

森夏「とりあえず富樫君」

 

勇太「なんだ?」

 

森夏「離れないの?」 

 

勇太「俺も離れたいんだけどさ」

 

勇太「先輩が離してくれないんだよ」

 

森夏「あっそ。じゃあ私は帰るから頑張ってねー」

 

勇太「え!?ちょっ!待って!」

 

森夏「あ、ちなみにあのデコ助と邪気眼女は特異点がなんとかとかいってさっき帰ったから」

 

勇太(そういえばいつの間にかいない)

 

森夏「今度こそ帰るわ。じゃーねー」

 

勇太「は、薄情者ー!!」 

 

勇太「あいつ…ホントに帰りやがった…」

 

勇太「もう4時じゃないか」

 

ペシペシ

勇太「先輩!先輩!いい加減起きてください!」

 

くみん「ぅうーん…ぁと五分」

ベシベシベシベシ

勇太「駄目です!起きてください!」

 

くみん「…ん?富樫君?ぅうーん?あれ?何で私富樫君に抱きついて寝てるのぉ?」

 

勇太「それはこっちの台詞です。とりあえず離してください」

 

くみん「んー…それはお断りしちゃおうかなぁ」

 

勇太「え」 

 

くみん「夢を見たらね、余韻ってものが大切なんだよぉ」

 

くみん「だからあと少しだけこのままぁ…」

ギュッ

勇太(ヤバイ。なんだこの可愛い生き物は)

 

勇太(しかもさっきより密着してるから俺の魔剣ダーウィンスレイヴがヤバイ)

 

勇太(こういうときは円周率か…3.14159265…ヤバイこれ以上わからない)

 

勇太(とりあえず訳を聞くか) 

 

勇太「先輩」

 

くみん「うん?」

 

勇太「俺はここで昼休みに一人で寝てたはずですよね」

 

くみん「そうだねぇ」

 

勇太「今は先輩が引っ付いて寝てますよね」

 

くみん「そうだねぇ」

 

勇太「どうしてこうなった」 

 

くみん「えーっとねぇ」

 

くみん「昼休みに富樫君がここで私の枕で寝てたでしょう?」

 

勇太「それは…勝手に使ってすいません」

 

くみん「いや、使ってくれて構わないんだよぉ?富樫君は昼寝部の部員だしねぇ」

 

勇太「はぁ…」

 

くみん「でもね…」

 

勇太「でも…?」 

 

くみん「今日の気分で使いたかった枕を富樫君が使ってたんだよぉ」

 

くみん「それで別の枕の気分じゃないしどうしようかなぁって思ってたら」

 

くみん「丁度富樫君が寝返りを打ってスペースが出来たから…」

 

勇太「そこに寝た…と」

 

くみん「そういうことー」 

 

勇太「はぁ…そろそろ余韻は終わりました?」

 

くみん「そうだね、もういいかなぁ」

 

勇太「もう外真っ暗ですね、家まで送りますよ」

 

くみん「ええ?悪いよぉ」

 

勇太「遠慮せずに!ささ帰りましょ」

 

くみん「ううーん」 

 

(帰り道)

 

勇太「先輩夢見てたんですよね?」

 

くみん「みてたねぇ」

 

勇太「どんな夢見てたんですか?」

 

くみん「んー?正夢になったら嬉しい夢…かな?」

 

勇太「いや、感想じゃなくてですね…」

 

くみん「多分富樫君の隣だから見れた夢だよ?」

 

勇太「え?」 

 

くみん「うふふ、じゃあ私の家ここだからぁ」

 

くみん「ありがとうね?」

 

勇太「あ、はい先輩、さようなら」

 

くみん「すごい寝心地良かったからまた隣で寝かせてねー?勇太君♪」

 

勇太「え?はい?今なんて…」

ガチャッ

勇太(今確かまた寝かせろって…)

 

勇太(いや、そんな事より勇太君って呼ばれた?)

 

勇太(いやいやいや聞き間違いだろう。うん) 

 

勇太「帰るか…少し寝過ぎたかな…腰が痛い」

 

勇太「でも気分がいいな。昼寝はいいものだ」

 

勇太「結局先輩はどんな夢を見たんだろうな」

 

勇太「まぁまた今度昼寝の余韻に浸りながらでも聞いてみるか!」

 

 

勇太'sハウス

 

勇太「ただいまー」

 

樟葉「お帰り、お兄ちゃん」

 

夢葉「おかーりー!」

 

勇太母「あら、遅かったわね」

 

勇太「うん、学級委員の仕事でちょっとね」

 

勇太(居眠りしてて寝過ごしたなんて言えない)

 

勇太母「また変な事やってるんじゃないでしょうね」

 

勇太「それは大丈夫だよ」

 

勇太母「そう?まぁいいわご飯食べちゃいなさい」 

 

勇太「ふう、さて宿題でもやるか」

 

勇太「明日から忙しくなりそうだな」

 

勇太「ナナちゃんにこき使われそうだし」

コンコンコンコン

勇太「ん?」

コンコンコンコン

勇太「六花か?」

ガラガラガラ

勇太「なんだ、なんか用か?」

 

六花「…」

 

勇太「どうしたんだよ」

 

六花「今日…」

 

勇太「?」

 

六花「くみんと…なにしてた?」 

 

勇太「…」

 

勇太(どうしよう…)

 

勇太(正直に言うべきか?)

 

勇太(いやしかし誤解されると面倒だな…)

 

勇太(ここは…)

 

勇太(反応予測!)

 

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________

____ 

 

勇太「くみん先輩と寝てただけSA☆HAHAHA☆」

 

六花「チャオ☆」

 

_____

________

___________

 

勇太(これだ!) 

 

勇太「部室で寝てただけだよ」

 

六花「じゃあなんでくみんが…」

 

勇太「俺が寝てるところに先輩が入って来たんだよ」

 

六花「でも…勇太もくみんのことだっこしてた…」

 

勇太(そういえばそうだった…) 

 

勇太「あれはだな…その…」

 

六花「あれは…?」

 

勇太(くそっあれは完全に俺の非だ)

 

勇太(言い訳のしようがない)

 

勇太(どうするどうするどうする) 

 

勇太「あれはほら…俺は、そう!俺は寝相が悪いから!」

 

勇太「知らず知らずのうちに先輩のこと巻き込んでたんだろ!」

 

六花「勇太は寝相悪くない…」

 

勇太「え?」

 

六花「この前勇太の布団に潜り込んだときは寝相良かった…」

 

勇太「な…何やってんだお前はぁ!」

チョップッ

六花「あうっ」 

 

勇太「とにかく!何もやましい事は無いから!帰れ!早く!昨日みたいに起こしに来るなよ!」グイグイ

 

六花「ゆうたぁ…」

ピシャッ

 

六花「…」 

 

勇太「くそっ余計な時間を食ってしまった…」

 

勇太「まあ、いいか宿題宿題…」

 

-1時間後-

 

勇太「とりあえずある程度終わったな…」

 

勇太「一年の間は割と宿題多いよなぁ」

ピンポーン

勇太母「ハァーイ」

 

勇太「来客か…誰だこんな時間に」

アラーアナタハータシカーユウタの…

勇太母「勇太ー!お友達来てるわよー!」

 

勇太「ん?俺か、また六花か?いや、玄関から来るって事は十花さん?」

 

勇太「やっぱり」 

 

勇太「十花さんですか?何かようですか…ってあれ?」

 

くみん「えへへ…こんばんはぁ…富樫君!」

 

勇太「先輩!?なんでここに…」

 

くみん「ちょっとここだと恥ずかしいかなぁ?」

 

壁|勇太母(ジー)ニヤニヤ

 

勇太「母さん!」

 

勇太母「あらあら、お邪魔かしらー?」

 

勇太母「樟葉ー!夢葉ー!」

 

樟葉「なあに?お母さん」

 

夢葉「なにー!」

 

勇太母「今から旅行行くわよー!」

 

勇太母「日帰り温泉旅行!」

 

樟葉「今から!?ええ!?もう夜の八時だけど…」

 

夢葉「りょこうー!いくー!」

 

勇太母「いいじゃない♪明日は休みなんだし!」 

 

勇太「なに言ってるんだよ母さん…」

 

勇太(しかも今から行って日帰りとか無理だろ)

 

勇太母「いいから支度しなさーい!」

 

樟葉「はあ…」

 

勇太母「ふふふ…うまくやりなさいよー?」ボソッ

 

勇太(!?) 

 

勇太(ホントに出かけやがった…)

 

勇太「………」

 

くみん「………」モジモジ

 

勇太(気まずい…しかもなにやら言いたげな表情)

 

勇太「…とりあえず…玄関で立ちっぱなしもあれですから…どうぞ」

 

くみん「そ、そうだね!お、おじゃましまーす」 

 

勇太「とりあえずお茶です、どうぞ」

 

くみん「ありがとねぇ」

ズズッ

くみん「わあ!このお茶美味しいよ!富樫君!」

 

勇太「ただの緑茶ですよ…で?」

 

くみん「うん?」

 

勇太「今度は何のようですか?」 

 

くみん「うーんとねぇ…」

 

くみん「家に帰った後にご飯食べてお風呂入って寝ようと思ったらねぇ」

 

勇太(お風呂…)ゴクリ

 

くみん「いまいち寝付けなかったので富樫君のお家に来てみましたぁ」

 

勇太「どうしてそういう発想に至るんですか」 

 

勇太「寝れなかったのは明らかに今日昼寝しすぎたからでしょ」

 

くみん「いつもはいくら昼寝しても寝れるんだよー?」

 

くみん「それでなんでか原因考えたら富樫君かなぁって」

 

勇太「いやいやありえないですって!」

 

勇太「っていうか親御さんは!?こんな時間に家出てきて怒られないんですか!?」

 

くみん「親は旅行に行ってるから帰ってこないよー?えへへー富樫君と一緒だねぇ?」

 

勇太(なんという…) 

 

勇太「来た理由はわかりました…」

 

勇太「で?結局何しに来たんですか?」

 

勇太(この流れだと確実に)

 

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__________

____

 

くみん「えへへー勇太君と寝にきたんだよー?」

 

____

________

___________

 

勇太(だったりして)

 

くみん「えへへー勇太君と寝にきたんだよー?」

 

勇太(ドンピシャリ、お願いがかなった) 

 

勇太「本気ですか?」

 

くみん「それはもう一生添い遂げちゃおうってくらい♪」

 

勇太「悪のりしないでください」

 

勇太「はあ…どうせ俺がなんて言っても聞かないんでしょうね」

 

くみん「それはもうねぇ」

 

勇太「俺はどうすればいいんですか?」 

 

くみん「とりあえずーこっちに来て?」

 

勇太「はぁ…」

 

くみん「それでーえいっ!」

 

勇太「うわっ!」

ズダーン

勇太(この体勢は…)

 

勇太(俺が近づくタイミングで抱きついて来たから)

 

勇太(くみん先輩が俺の上にぴったり乗っかっている!)デデーン 

 

くみん「んふふ~これなら寝れそうだよぉ」ギューッ

 

勇太(これは)

 

勇太(アカン)

 

勇太「ちょ…先輩…これは色々マズイんじゃ…リビングだし…」

 

くみん「えー?じゃあどうするの?富樫君の部屋ー?」

 

勇太「じゃあ移動しましょうよ」

 

くみん「離れるのは嫌かなぁ?気持ちいいし♪」

 

勇太「はぁ…じゃあ掴まっててくださいね」

 

くみん「らじゃぁー!」

ズルズルズルズル

勇太(なんか色々ぶっ飛びすぎて何が正しい判断なのかわからなくなってきた) 

 

くみん「ベッドとうちゃあく!はふぅ…」ボフッ

 

くみん「ほらぁ富樫君も早く!早く!気持ちいいよぉ?」

 

勇太「それ俺のベッドと布団なんですが…」

ゴソゴソゴソ

くみん「はぁ…やっぱり富樫君は暖かいなぁ」

 

勇太「それはよかったですねぇ」

 

勇太(やっぱり先輩いい匂いだ…癖になる…)

 

勇太(しかも昼休みの時と違ってほんのりシャンプーの香りが…)

 

勇太(この香りはメルットかエッセンサルか?)

 

勇太「あ!」

 

くみん「?どうしたの?富樫君」

 

勇太「先輩すいません!俺風呂入ってないんで風呂入ってきます!!」

 

くみん「う~んでももうくっついっちゃったしー」

 

勇太「いや、こればかりは…離してください!」

 

くみん「じゃあ…一緒に入る?」

 

勇太「」 

 

勇太「え!?一緒って!?え?風呂に!?ですか!?」

 

くみん「そうだよぉ?」

 

勇太「いやいやいやいや!なにいってるんだあんたは!アホか!バカか!正気か!?」

 

くみん「うふふ、冗談だよぉ♪早く帰ってきてねぇ?」

 

勇太「」 

 

-風呂場-

 

チャポン

勇太「ふうー」

 

勇太「先輩いきなり何言い出したかと思えば冗談かよ…」

 

勇太「嬉しいような…悲しいような…」

 

勇太「いやいやいや、もしホントに入ってたらヤバイって…」

 

勇太「とりあえずこれからどうしよう…」

 

勇太「風呂から上がればくみん先輩に捕まる事は確実…」

 

勇太「まあ誰もいないしいいか…」

 

勇太「もう諦めよう…」 

 

勇太「それにしても先輩も急だな」

 

勇太「連絡の一つくれれば色々対策のしようがあったのに…」

 

くみん「そうかぁ、それは忘れてたよぉ」

 

勇太「まぁいいですけど…次からは気をつけて…って」

 

くみん「また来てもいいんだねぇ」

 

勇太「え?ん?は?」

 

くみん「富樫君の部屋で待ってても暇で寒くてねぇ」

 

くみん「来ちゃった!」

 

勇太(お、落ち着け俺)

 

勇太(状況を整理しよう)

 

勇太(ここは俺の家の風呂場)

 

勇太(家には俺とくみん先輩…とキメラだけ)

 

勇太(そして俺の目の前には)

 

勇太(体の装備がバスタオル一枚の先輩)

 

勇太(あばばばばばばばばばば) 

 

くみん「おじゃましまぁ~す」

 

勇太(!?)

 

勇太(家の風呂場は一人では快適な広さだが)

 

勇太(二人目が入ればとたんにきつくなる)

 

勇太(色々当たりそう…)

 

くみん「はふぅ気持ちいいねぇ富樫君」

 

勇太「そそそそうですね!」

 

勇太(軽く赤みを帯びた頬)

 

勇太(濡れた髪の毛)

 

勇太(そしてその豊満なバストに貯まった少量のお湯)

 

勇太(エロ過ぎる…)

 

くみん「ねぇ富樫君」

 

勇太「ふぁ!?ふぁい!」

 

くみん「ふふ♪背中…流してあげようか?」 

 

勇太「ええええええええええええええええええ」

 

くみん「ほらぁ遠慮しないで!」

 

勇太(なんだ何で今日はこんなに積極的なんだこの人は)

 

くみん「綺麗で清潔な体にこそ素晴らしい夢が宿るんだよぉ?」

 

勇太「何ですかそれ…わかりました。お願いします」

 

くみん「うふふ~よろしい!」 

 

ゴシゴシゴシゴシ

くみん「富樫君痛くない?」

 

勇太「大丈夫です、気持ちいいですよ」

 

くみん「ならよかったぁこんなことするの初めてだから心配だったんだぁ」

 

勇太(むしろ初めてじゃなかったら心配します)

 

くみん「でも富樫君の背中広いねぇ」

 

勇太「そうですか?スポーツやってないからそんなに広くないと思いますけど」

 

くみん「そうなのかなぁでも広いよお?やっぱり男の子だねぇ」

 

勇太「それはありがとうございます」

 

くみん「さっきも私の胸みてたしねぇー?」

 

勇太(!?) 

 

勇太(oh!バレテーラ!)

 

くみん「やっぱりそういうの見たいと思うの?」

 

勇太「きききききき気のせいですよ!」

 

くみん「さっき富樫君の部屋でごろごろしてたらベッドの下にちょっとえっちな本見つけちゃったんだぁ」

 

勇太(ああ、だめだこりゃ)

 

くみん「勇太君は…私の胸…みたい?」 

 

勇太「え…?」

 

くみん「いま私タオルはずしたから」

 

くみん「後ろ向けば…みれるよ?」

 

勇太(なんなんだこれは…)

 

勇太(ホントに先輩か?)

 

勇太(いやしかし…)

 

勇太(ぶっちゃけメッチャみたい) 

 

勇太(たぶんこんなチャンスは二度とない!)

 

勇太(うおおおおおおおおおおおおお!!)

クルッ

 

くみん先輩スク水フォーム

 

くみん「あはははははは♪また騙された!富樫君は面白いなぁ!」

 

勇太(やられた…) 

 

くみん「いますごい必死な顔してたよぉ!富樫君!」

 

くみん「真っ赤になっちゃって可愛いなぁ」

 

くみん「えいっ!」

ギュッ

勇太「うわ!」

 

勇太「ななななな何やってるんですか!先輩!」

 

くみん「富樫君が可愛いから!」

 

勇太(理由になってない!)

 

勇太(そんな事よりはどうでもいい!)

 

勇太(くみん先輩と俺の体を隔てるものがたった一枚のスク水という事実!)

 

勇太(しかもさっきのボーディソープのせいで少しぬるぬるしてかなりエロい事に…)

 

勇太(とりあえず頑張れ俺の理性!)

 

くみん「フー」

 

勇太(ビクッ!) 

 

勇太「しゃなななななななな!」

 

くみん「うふふ♪富樫君耳弱いんだねえ」

 

勇太「いきなりやられたら誰でも驚きます!!」

 

くみん「もう一回湯船に浸かろうか寒くなっちゃった」

 

勇太(スルーですか…) 

 

くみん「ふぅーいいお湯だったぁ」

 

勇太「ですね…」

 

勇太(俺は少し疲れた…)

 

くみん「今すぐ寝るのはちょっと暑いねぇ」

 

勇太「ですね…」

 

くみん「散歩したいな!散歩!」

 

勇太(えー…) 

 

-なんだかんだで結局散歩-

 

くみん「こっち方面はあんまり来ないから新鮮だよぉ」

 

勇太「先輩の家とはほぼ学校挟んで反対側ですからね」

 

くみん「この辺は風が気持ちいいねぇ」

 

勇太「確かに涼しくて気持ちいいですね」 

 

-小高い公園-

 

くみん「うわー!いい景色だねえ!夜景が綺麗だよぉ」

 

勇太「昔こういう所良く来てたんですよ」

 

勇太「この町の景色のいいところは大体把握してますしね」

 

勇太(中二病がこんなところで役に立つとは) 

 

勇太「それにしても、何かあったんですか?」

 

くみん「んー?どうしてぇ?」

 

勇太「さっきから…なんていうか先輩らしくないっていうか…」

 

勇太「いつもより積極的だし…なんていうか…」

 

勇太「昼休みの時も…ふ…風呂場でも!」

 

勇太「なんだかいつもの先輩じゃ無いような感じでした!」

 

くみん「…」

 

勇太「…先輩?」

 

くみん「やっぱりすごいなあ…富樫君は…」ボソッ

 

勇太「え?」

 

くみん「少し寒くなってきたね!そろそろ帰ろうかぁ」

 

勇太「あ、はい…」

 

勇太(今、少し泣いてた…?)

 

勇太(気のせい…だよな…) 

 

勇太(そこから家に帰るまで)

 

勇太(俺と先輩の間に会話は無かった) 

 

くみん「ふたたびおじゃましまぁす」

 

勇太「どうぞ…」

 

勇太(さっきから少し元気になった気がするけど)

 

勇太(空元気なのかなぁ)

 

くみん「勇太くん!はやくお布団はいろぉ?」

 

勇太「ちょっと待ってくださいよ…」

ガラ

六花「ゆうた…どこにいっていた…」

ピシャ

勇太(これはマズイ) 

 

勇太「先輩…ちょっと母さんの部屋隠れててください…」

 

くみん「へ?どうかしたの?」

 

勇太「なぜか部屋に六花がいたんで…追っ払います…」

 

くみん「へぇ!なんか浮気してるカップルみたいでドキドキするねぇ!」

 

勇太「変な事言ってないで…」

 

くみん「はぁい♪」

ガラガラ

勇太(ホントにやっかいだ) 

 

六花「ゆうた…何で閉めた」

 

勇太「そりゃあいきなり部屋に誰か居たら驚くからな…」

 

六花「…」

 

六花「…で?どこに行っていた?」

 

勇太「散歩だよ、散歩」

 

勇太「風呂上がりで少し暑かったからさ」

 

六花「だれと?」

 

勇太「え?一人でだけど」

 

六花「…嘘をつくな」

 

六花「この邪王真眼にはゆうたの心の中もお見通し」

 

六花「嘘をついたらわかる」

 

勇太「はいはい、で?」

 

勇太「なにか用事があってきたんだろ?」 

 

六花「今現在突起すべき伝達事項は…特にない」

 

勇太「はあ?じゃあなんで来たんだよ」

 

六花「いうなれば先ほどの尋問が用事」

 

六花「ゆうた、なぜ嘘をつく」

 

勇太「嘘?うそなんてついてないだろ」

 

六花「ゆうたはさっき一人で散歩したと言った」

 

六花「それは嘘だ!」

 

勇太「しょ、証拠はあるのかよ!」

 

六花「さっき言った」

 

六花「邪王真眼の前ではゆうたの考えはまるわかり」 

 

勇太「それは証拠になってないぞ…」

 

勇太「用事が済んだなら帰ってくれ」

 

勇太「俺はもう今日は寝たいんだ」

 

六花「ゆうた…なんで…」

 

勇太「?」

 

六花「本当の事を話してくれない…?」ポロポロ 

 

六花「どうして…嘘をつく…?」ポロポロ

 

六花「なんで…本当の事を言ってくれない…?」ボロボロボロ

 

六花「うわあああああああああああん!!ゆうたの!!ゆうたのばかぁ!!」

ガラガラ

くみん「富樫君…」

 

勇太「先輩…隠れててって言ったのに…」

 

くみん「ごめんね…あとここ…富樫君のお家で悪いけど…」

 

くみん「少し出ててくれないかなぁ?」

 

くみん「六花ちゃんのことは任せて…ね?」

ウワアアアアアアアアアアアン

勇太「…」

 

勇太「じゃあ…お願いします…」

ガラガラガラ

勇太(…) 

 

-マンション踊り場-

 

勇太「なんで泣いてるんだよあいつは…」

ゥヮァァァァァァァァ

勇太(それに少し聞こえてくるし…)

 

勇太「泣く事のもんでもないだろ…」

 

十花「おや、君か…」

 

勇太「あ、こんばんは…」

 

十花「なんだ、てっきり君は慰めてるのかと思ったが」

 

十花「六花をほっといてこんなところで何をしている?」

 

勇太「慰め役はうちの部の先輩が任せてって言っていたので…」

 

十花「そうか、まあちょうどいいか」 

 

十花「で?」

 

勇太「はい」

 

十花「うちの妹は何が原因で泣いているんだ?」

 

勇太(…)

 

勇太「それは…言わないと駄目ですか…?」

 

十花「ああ、駄目だ」

 

勇太「…」

 

勇太「俺がさっき言った先輩と散歩の後」

 

勇太「家に帰ってきたら部屋に六花がいて」

 

勇太「色々誤解を生むとあれなので嘘をついて帰そうとしたら」

 

勇太「嘘をつくなって泣かれました…」

 

十花「そうか…」

 

十花「それは君が悪いな」 

 

勇太「そうですね…嘘をついた事は謝らなくちゃいけません」

 

十花「君は…本当に嘘をついたから六花が泣いたと思っているのか?」

 

勇太「そうでしょう、六花もそう言ってたし…」

 

十花「君は駄目駄目だな…」ハァ

 

十花「まあ特に問題も無さそうだし私は帰るよ」

 

十花「存分に悩みたまえ」

 

勇太(…) 

 

-勇太の部屋-

 

くみん「ほらぁ六花ちゃん落ち着いて…」

 

六花「ゥ…グスッ」

 

くみん「落ち着いたぁ?」

 

六花「…」コクッ

 

くみん「どうしたのぉ?急に泣き出して…」

 

六花「ゆうたがわるい…私に嘘つくから…」 

 

くみん「そっかぁ…」

 

くみん「それは…富樫君がわるいねぇ…」

 

六花「くみんはなんで…ここにいる?」

 

くみん「私?ちょっとねぇ…」

 

くみん「六花ちゃんになら…言ってもいいかぁ」

 

くみん「昨日からね、うちのお母さんとお父さんが大喧嘩してるの…」

 

くみん「それでねぇ怒鳴り声とか聞きたくないから…富樫君のお家に押しかけちゃった…」

くみん「ここはすごい居心地がいいから…」

 

くみん「ごめんねぇ?」

 

六花「なんで…くみんが謝るの…」 

 

くみん「富樫君はあんなでもすごい心配性だから…」

 

くみん「言えないけどねぇ…」

 

六花「…」

 

くみん「六花ちゃんは…」

 

六花「?」

 

くみん「富樫君の事…どう思ってるの?」

 

六花「それは…契約者として…」

 

くみん「ふふ♪そう言う事じゃなくてね…?」

 

くみん「質問変えるね?富樫君のこと、好きなの?」 

 

六花「そ…!それは!」

 

くみん「ふふ♪誰にも言わないから大丈夫だよぉ?」

 

六花「よく…わからない…」

 

くみん「じゃあ富樫君は私がもらっちゃおうかなぁ?」

 

六花「そ…それは!だめ!」

 

くみん「ふふ♪私はね…好きだよ?富樫君のこと…」 

 

くみん「富樫君と話してると面白いし」

 

くみん「いじめれば可愛いし」

 

くみん「でもちゃんと優しいし」

 

くみん「何より一緒に寝ると暖かくてすごい心地いいんだよぉ」

 

六花「…」

 

くみん「だからぁ六花ちゃんがいらないっていうなら私がもらっちゃうよぉ」

 

六花「だ…だめ!」 

 

六花「や、やっぱりだめ!私もゆうたがす、すすす好き!」

 

くみん「うんうん。よろしい!」

 

くみん「もう富樫君呼んでも大丈夫だよね?」

 

六花「わ…私は恥ずかしいから帰る!」

 

くみん「そっかぁ、じゃあ、また学校でねぇ?」

 

六花「く…くみん」

 

くみん「?」

 

六花「その…あ…ありがと」ボソボソ

 

くみん「ふふ♪どういたしましてぇ!」 

 

くみん「富樫君?もう大丈夫だよぉ?」

 

くみん「六花ちゃんはもう帰っちゃったけど…」

 

勇太「そうですか…ありがとうございました…」

 

くみん「?」

 

くみん「どうしたの?なにか考え事?」

 

勇太「いや、六花のことでちょっと…」 

 

くみん「そうなんだぁ」

 

くみん「富樫君にこんなに思われてて、六花ちゃんは幸せ者だねぇ?」

 

勇太「思われてって…」

 

勇太「泣かせただけですし…」 

 

くみん「それは思われてるってことだよぉ?」

 

くみん「少し、うらやましいなあ」

 

勇太「俺はどちらかといえばくみん先輩の心配してますよ?」

 

勇太「明らかに様子おかしいですし」

 

くみん「そうかなぁ?」

 

くみん「それより、しばらくここに泊めてくれないかなぁ?」

 

くみん「家に一人で居るのは淋しいからさぁ」

 

勇太「俺は別にいいですけど…」 

 

くみん「けど?」

 

勇太「母さんがなんて言うか…」

 

勇太母「あら、別にいいわよ?」

 

勇太「あれ!?母さん!?」

 

勇太「旅行は!?」

 

勇太母「日帰りって言ったじゃない」

 

勇太母「普通にお風呂入って帰ってきただけよ」

 

勇太「あ~…」

 

くみん「おかあさん!五月七日くみんっていいます!よろしくお願いしまぁす!」

 

勇太母「あらあらおかあさんだなんて、何だか勇太のお嫁さんみたいねぇ!」

 

勇太「ちょ!母さん!!」

 

勇太母「申し訳ないけど部屋と布団は余ってないから勇太と一緒に寝てね!」

 

勇太「!?!?!?!?」

 

くみん「最初からそのつもりなのでぇ!」

 

勇太母「あらあらあらあら!」 

 

勇太母「それより樟葉が車で寝ちゃってるから運んであげて?」

 

勇太母「夢葉を寝かせてくるから、よろしくぅ~」

 

勇太「へいへい…」 

 

勇太「よっと…」

 

樟葉「zzzzzzzz」

 

勇太「随分気持ちよさそうに寝てるお姫様だこと…」

 

勇太「寝てる人間って重いよなぁ」

 

勇太「樟葉は体重軽いはずなんだけどなぁ」

 

くみん「女の子に重いなんて言っちゃだめだよぉ?」

 

勇太「おお、先輩いたんですか」

 

くみん「ひどいなぁ」

 

くみん「樟葉ちゃんだっこしたままドアとか開けられないだろうから着いてきてあげたのに…」

 

勇太「ああ、そういえば忘れてました。ありがとうございます」

 

くみん「うんうん♪いいよぉ♪」 

 

勇太「ふぅ…」

 

くみん「おつかれさまぁ!」

 

勇太「階段はキツかった…」

 

くみん「やっと寝れるねぇ!はふぅ」ボスッ

 

勇太「もう少しそっち寄ってください」

 

勇太「基本は一人用のベッドなんですから」

 

くみん「はぁい」

 

勇太「よっと…」

 

くみん「はい!もっとこっち寄って!」

ギュッ

勇太「やっぱり抱きつくんですね…」

 

くみん「そりゃあ富樫君暖かいから♪」

 

勇太「理由になってませんよ…」 

 

勇太(今日はホントにいろんな事があったな…)

 

勇太(六花から呼び出されて寝不足になって)

 

勇太(部室で寝てて起きたらくみん先輩と寝てて)

 

勇太(それがクラスの奴らにばれて)

 

勇太(先輩を家に送ったと思ったら我が家に突撃されて)

 

勇太(…)

 

勇太(六花を…泣かせて…)

 

勇太(なによりも先輩の様子が一番おかしい)

 

勇太(話を振っても話題を変えられるしなぁ)

 

勇太(触れて欲しくないってことなのか?)

 

勇太(今聞いてみるか…) 

 

クルッ

勇太「先輩?」

 

くみん「くぅー」

 

勇太「やっぱり寝てやがる…」

 

勇太「まあ、いつか話してくれるだろ」

 

勇太「にしても可愛いし、いい匂い…」ナデナデ

 

勇太「多分先輩はこれ以上迷惑かけられないとか思ってるんでしょうけど」ナデナデ

 

勇太「先輩のなら、大歓迎ですよ…」ナデナデ

 

勇太「おやすみなさい…くみん先輩」

 

くみん(////////)ドキドキ 

 

チュンチュン

 

勇太「ふあぁ…」

 

勇太「朝か…今何時だ…」

 

くみん「おはよぉ富樫君!」

 

勇太「先輩起きてたんですか」

 

くみん「私は起きるの早いよぉ!」

 

くみん「二度寝は最高だからねぇ」

 

くみん「今日は富樫君の寝顔見てたから二度寝はしなかったけど!」

 

勇太「ちょ!」

 

くみん「富樫君寝言言ってたよぉ」

 

勇太「え!?なんて!?」

 

くみん「ふふふ♪秘密ぅ」 

 

勇太「じゃあ起きましょうか」

 

くみん「そうだねぇもう9時だし」

 

勇太「え!?9時!?」

 

くみん「そうだよ?」

 

勇太「寝過ぎた…」

 

勇太「まあ学校ないからいいか…」

ガラガラ

勇太「母さん?朝ご飯作って…あれ?なんだこれ」ピラッ

 

お母さんと娘たちは鎌倉に出かけてきまーす

今夜は帰ってこないから色々頑張りなさーい♪

くみんちゃんはいくらでも泊まってもらって構わないから

ゆっくりさせてあげなさい!

               母より

 

勇太(何考えてんだあの人…) 

 

 

くみん「ふぁ…どうしたの?富樫君、リビングで固まって…」

 

勇太「いや、なんか書き置きがあって…」

 

勇太「また旅行行ってくるから家の事よろしくって…」

 

勇太(帰ってこないのは言わない方がいいか…)

 

勇太(変に意識させても気まずくなりそうだしな…)

 

くみん「そうなんだぁ」

 

くみん「とりあえず朝ご飯食べようかぁ」

 

勇太「あ、すいません!今準備を…」

 

くみん「富樫君は座ってて!私が作ってあげるから!」

 

勇太「え、でも食材の位置とかわからないでしょう…」 

 

くみん「そこは大丈夫だよぉ!富樫君のお母さんに色々書いてある紙もらったし♪」

 

勇太(なにしてんだあの人は…)

 

勇太「じゃあ…お願いします…」

 

くみん「任されたよぉ!」

 

くみん「♪~」

 

勇太(先輩料理とか出来るんだなぁ)

 

勇太(寝てばっかだから頼りないイメージ合ったけど)

 

勇太(エプロン姿とか似合ってるし…)

 

勇太(つか、新婚みたいだな…)

 

勇太(!)

 

勇太(何考えてんだ!俺!)

 

勇太(意識したら急に恥ずかしく…)

 

くみん「富樫君?」

 

勇太「は、はい!」 

 

くみん「ふふ♪なんでかしこまってるの?」

 

勇太「いやいや、そんなことないですよ!」

 

くみん「こうしてると新婚の夫婦みたいだよねぇ?勇太くん?」

 

勇太「む、ごほっごほっ!」

 

勇太「な、ななななに言ってるんですか!」

 

くみん「別に思った事を言っただけだよぉ?」

 

勇太(そりゃ俺も思ったけど…) 

 

くみん「やっぱり少し名前で呼ぶのは恥ずかしいな…」

 

勇太「俺はどっちでもいいですけどね」

 

くみん「そうなの?じゃあ勇太くんって呼ぶ事にしようかな!」

 

勇太「別にいいですけど…」

 

くみん「ふふ♪はいっ朝ご飯出来ました!」

 

勇太「おお、旨そうですね!」

 

くみん「ちょっと頑張っちゃったからね!」

 

「「いただきまーす!」」 

 

勇太「美味しいですね!」

 

くみん「ふふ♪ありがと!」

 

勇太「そういえば今日これからどうします?」

 

勇太「特にする事無いですけど…」

 

くみん「私は着替えとか取りにいったん家に帰らないとね!」

 

勇太「もうここに住み着く勢いですね…」

 

くみん「ふふ♪そうしちゃおうかなぁ!」

 

勇太「それは勘弁してください…」

 

勇太(毎日隣で寝るなんて理性が持つわけ無い…)

 

くみん「じゃあ私はいったん帰るね!」

 

勇太「俺も付いていきますよ。荷物あるでしょうし」

 

くみん「…」

 

勇太「ん?どうしました?」

 

くみん「じゃあよろしく頼んじゃおうかなぁ!」

 

勇太「了解しました、先輩」 

 

-くみん家へ向かう-

 

勇太「そういえばくみん先輩って兄弟とかいないんですか?」

 

くみん「居ないよぉ!居たら勇太君のお家にお世話になってないよ?」

 

勇太「それもそうですね…」

 

くみん「…」

 

くみん「ちょっと公園よってもいいかなぁ?」

 

くみん「話したい事があるの…」

 

勇太「別にいいですよ…」 

 

-景色のいい公園-

 

勇太「なんですか?話って」

 

くみん「うーん、私少し嘘ついてたんだぁ」

 

勇太「嘘?」

 

くみん「そう、嘘」

 

くみん「勇太君の家にお邪魔するときに親が旅行中って言ったでしょ?」

 

くみん「あれ、嘘なんだぁ」

 

くみん「本当は旅行なんてしてないんだぁ」

 

勇太「え?じゃあ何でうちに…」

 

くみん「いまねぇうちのお母さんとお父さんが大喧嘩しててね…」

 

くみん「怒鳴り声とか聞くの嫌なんだぁ…」

 

くみん「それで、勇太くんの家にお邪魔したってことぉ」

 

勇太「そうだったんですか…」

 

勇太「様子がおかしかった理由はそれですか?」

 

くみん「うん…」 

 

勇太「それは大変ですね…」

 

勇太「そう言う理由なら暫く家に居ても構わないですよ」

 

くみん「うん…ありがと…」

 

くみん「本当は言うつもり無かったんだけどね…」

 

くみん「昨日富樫君が言ってくれたでしょ?」

 

くみん「迷惑は大歓迎だって…」

 

勇太(起きてたのか…恥ずかしい…)

 

くみん「その言葉ですっごい救われたよ…」

 

勇太「んな大げさな…」

 

くみん「そんなことないよ?」

 

くみん「そのお陰で今日はすっごい気分がいいし♪」 

 

くみん「家に着いたらどうせばれちゃうかもしれないけどね…」

 

勇太「いや、話してくれて嬉しいです」

 

勇太「頼りないから話してくれないのかと…」

 

くみん「そんなことないよぉ」 

 

勇太「旅行じゃないなら親に言わなくて大丈夫なんですか?」

 

くみん「もう言ってあるよ?」

 

くみん「女の子の友達の家に行ってる事になってるけどねぇ」

 

勇太「そうなんですか…」

 

くみん「もう行こうか?」

 

勇太「そうですね」

 

-家到着-

 

くみん「じゃあ荷物取ってくるからここに居てね?」

 

勇太「了解です」 

 

勇太(なんか普通に送り出してしまったが)

 

勇太(家出中なら親は反対するはずだが…)

 

勇太(大丈夫なのだろうか…)

ガチャチョイチョイ

勇太(先輩が扉から顔をだして手招きしてる…)

 

勇太(やっぱりなんかあったのか?)

 

勇太「どうしたんですか?」

 

くみん「なんかもう二人とも会社に行った後だったみたいだよぉ」

 

くみん「それで、喧嘩したまま出かけたみたいで部屋がね…」

 

勇太(ああ…)

 

くみん「だから…お掃除手伝ってくれないかなぁ?」

 

勇太「いいですよ、喧嘩の後始末なんて大変でしょうし…」

 

くみん「ありがとぉ♪」 

 

勇太(ほんとに結構酷いな…)

 

勇太(これは家出したくもなるわ…)

 

勇太(幸いこの部屋しか汚くないみたいだけど…)

 

勇太(皿の破片とかがいっぱいだな…)

 

勇太(どんな壮絶な喧嘩をしたんだ…)

 

勇太「先輩」

 

くみん「うん?」 

 

勇太「先輩は泊まりの準備とかしててください」

 

くみん「え?でも片づけが…」

 

勇太「結構破片とか落ちてて危ないですから」

 

勇太「怪我させるのはマズイですし」

 

くみん「いや…でもぉ…」

 

勇太「箒とちりとりあります?」

 

くみん「それならここに…」

 

勇太「じゃあ先輩は部屋に行ってくださいねー」

グイグイ

くみん「えっ…ちょっと!富樫君!?」 

 

勇太「ふぅ…さあ一気に終わらせますか!」

 

-30分後-

 

くみん「富樫君!準備終わった!私も手伝う!…って」

ピカーン

くみん「早い…むしろ前より綺麗になってる…」

 

勇太「あ、終わりました?」

 

勇太「結構わからないものとかありましたけどある程度分別してまとめて置いておいたんで大丈夫だと思います」

 

くみん「仕事早すぎるよぉ…」

 

勇太「?そんな大変じゃなかったですけど…」

ガチャッ

くみん母「ただいまぁ…」

 

くみん母「……」

 

くみん母「えっと…?どちら様…?」

 

勇太「ダラダラダラダラ」 

 

くみん母「あら?部屋が綺麗になってる…」

 

くみん母「あなたがやってくれたの?」

 

勇太「コクコクコクコク」

 

くみん母「…くみん?」

 

くみん「なあに?」

 

くみん母「こちらはどなた?」

 

くみん「今お世話になってる人のお家の弟君だよ?」

 

勇太(その設定で行くのか…)

 

くみん父「お~い母さん…ってあれ?君は?」

 

くみん母「今の家出先の弟さんだって」

 

くみん父「ふむ、君がこの部屋を片づけてくれたのか!はっはっは!ありがとう!」

 

くみん「お父さん、お母さん喧嘩は…?」 

 

くみん母「ん?喧嘩?そんなのとっくに仲直りしたわぁ♪ね?あなた?」

 

くみん父「おう、そうだな!今丁度仲直り旅行に行ってきたところだ!」

 

くみん母「くみんには迷惑かけたわね…ごめんなさい…」

 

くみん父「私からも謝らせてくれ…すまん」

 

くみん「仲直りしてくれたならいいけど…」

 

くみん父「そして君…えっと?名前は?」

 

勇太「富樫です、富樫勇太」

 

くみん父「ふむ…富樫君」

 

くみん父「君にも迷惑をかけてすまなかった…」

 

勇太「いやいや、そんな全然!頭上げてください!」 

 

くみん父「重ね重ね申し訳ないんだが…」

 

勇太「?」

 

くみん父「暫くくみんを君のお家で預かってくれないか?」

 

勇太「えええええええええええええええ!?!?」

 

勇太「なんで!?もう仲直りしたなら…」

 

くみん父「いや!仲直りしたからこそすることってものがあるだろう!」

 

くみん母「もう!あなたったら!」

 

勇太(娘のまえで何を言ってるんだこの人達…)

 

くみん父「そういうことだ!構わないかね?」

 

勇太「別にいいですよ…あなた達が来なかったらそのつもりでしたし…」

 

くみん父「そうかそうか!娘をたのむよ!勇太君!」

 

勇太「はあ…」

 

勇太(先輩の悪のり癖の原因が何だかわかった気がする…)

 

くみん「ということで心配事はなくなったけど、よろしくねぇ?勇太君!」

 

勇太「はいはい…」 

 

-勇太家への帰り道-

 

勇太(なんだか元気な一家だな…)

 

勇太(先輩のノリの良さの原因はわかったな…)

 

勇太(それと、先輩は友達の弟って紹介してたけどあれは確実にばれてるよなぁ)

 

くみん「ふふ♪これで私の両親への挨拶は済んだねぇ!」

 

くみん「勇太君のお母さんへの挨拶は済んでるからぁ」

 

くみん「後は勇太くんのお父さんだけだねぇ!」

 

勇太「なにがですか…」

 

くみん「結婚の挨拶回りだよぉ!」

 

勇太「結婚って…俺まだ16ですけど」

 

くみん「私たちの愛は法律なんかじゃあ遮れないよぉ!」

 

勇太「はいはい…本気にしますよっと…」

 

くみん「うふふ♪」

 

勇太(テンション高いなぁ)

 

勇太(とりあえず元気になって良かった)

 

勇太(やっぱり元気に笑ってる方がかわいいし)

 

勇太(なにより落ち込んでるのは俺が悲しいし)

 

勇太(自分が思ってる以上に先輩のこと好きなのかなぁ) 

 

-勇太家到着-

 

勇太「ただいまっと…」

 

くみん「私もただいまぁ!」

 

勇太「ようこそー」

 

くみん「ふふ♪もうこうなると本当に夫婦だねぇ」

 

勇太「夫婦って…」

 

勇太「そういえばもうそろそろお昼ですね…」

 

勇太「何食べたいですか?朝ご飯のお礼として作りますよ」

 

くみん「おお♪夫の初手料理だねぇ!」

 

勇太「その設定いい加減恥ずかしいんですが…」

 

くみん「うふふ♪オムライスとか食べたいなぁ!」 

 

勇太「わかりました、オムライスですね」

 

冷蔵庫「ガチャ」

 

勇太「ああー卵ないじゃんか…さっきの帰りにスーパー寄れば良かったな…」

 

勇太「いや、どうせ何がないのかわからなかったから一緒か」

 

勇太「先輩、ちょっと買い物行って来るんで留守番お願いします」

 

くみん「えぇー私も行くよぉ!」

 

勇太「結構遠目だから自転車つかって行くんですけど…」

 

くみん「後ろに乗せてくれればいいじゃないかぁ!」

 

勇太「なんとしてでも付いてくるつもりですね…」 

 

ガチャ

勇太「よっと」

 

勇太「先輩、ちゃんと乗りました?」

 

くみん「いつでもオッケーだよぉ!」

 

勇太「じゃあちゃんと捕まっててくださいね」

 

くみん「レッツゴー!」

 

アハハハハハ

 

六花「…」 

 

勇太(二人乗りって大変なイメージあったけど)

 

勇太(意外と楽だ…)

 

勇太(楽とかキツイとかの以前に)

 

勇太(背中にある素晴らしき香りと柔らかさに殺されそうだ)

 

勇太(なんで同じシャンプーとか使ってるのにこんなにいい匂いなんだ)

 

くみん「風が気持ちいいねぇ!」

 

くみん「二人乗りがこんなに気持ちいいものだなんて知らなかったよぉ」 

 

勇太「多分その素晴らしい時間は終わりになりますね」

 

くみん「ん?どうしてぇ?」

 

坂「どどーん」

 

くみん「ありゃー降りようか?」

 

勇太「いや、ここまで来たらもう乗っててください」

 

くみん「ホントに?」

 

勇太「はい、しっかり捕まっててくださいね!」

グンッ

くみん「キャッ」

 

勇太(かっこつけたはいいけど大丈夫か俺…) 

 

勇太「ふんぎぎぎぎぎ」プルプル

 

くみん「頑張れ頑張れゆ!う!たぁ!」

 

勇太「ふぬぬぬぅ」

 

近所のオバチャンA「あらあら奥さん見てくださいあれ!」

 

近所のオバチャンB「あらあらあらあら!全く羨ましいですこと!」

 

近所のオバチャンA「それよりあの男の子!富樫さん家の息子さんじゃない!」

 

近所のオバチャンB「あらホントだ!少し前まで変な事してたから心配してたけど」

 

近所のオバチャンB「あれだけ可愛い彼女さん連れてれば大丈夫そうねぇ!」

 

勇太(いま…)

 

勇太(いまそれを言うなああああああ!)

ァァァァァァァァァァ 

 

近所のオバチャンA「あら一気に登って行ったわ…」

 

近所のオバチャンB「勇太君~結婚式には呼んでねぇ!」

キガハヤイデスヨォォォォォォ

近所のオバチャンB「あら、答えてくれた」

 

近所のオバチャンA「私も昔はあれぐらい可愛かったわぁ」

 

近所のオバチャンB「あら、私もよ!」

 

「「おほほほほほほほ!」」 

 

くみん「勇太君!お疲れさまぁ!はい!ぷかり!」

 

勇太「ゼッ…ゼッ…ありがとうございます…」

 

くみん「勇太君!式場はどこにしようかぁ!」

 

勇太「ぶっは!」

 

勇太「ごっほっごっほ!」

 

くみん「うわあ!大丈夫!?」

 

勇太「先輩がいきなり変な事言うからですよ…」

 

くみん「うふふ♪ごめんねぇ!」 

 

くみん「でもさっき勇太君は結婚式は気が早いって答えてたよねぇ」

 

くみん「それっていつかは私と結婚するって事でしょお!」

 

勇太「それは…その言葉の綾というか…」

 

くみん「ふふ♪本気にしちゃうぞぉ!」

 

勇太「とりあえずさっさと買い物済ませちゃいましょう…」

 

くみん「はぁい!」 

 

-スーパー内-

 

勇太「とりあえず卵っと…」

 

勇太「先輩、夕飯何食べたいですか?」

 

くみん「え?夜もお母さん帰ってこないの?」

 

勇太「ああ、言い忘れてました。今日は帰ってこないらしいです」

 

くみん「そうなんだ!今夜は二人っきりだね!勇太君!」

 

オバチャン's「アラ、ヨルハフタリッキリデスッテイヤラシイ!」

 

勇太「ちょ!そう言うのは公衆の面前で言わないでください!」

 

くみん「うふふ!はぁい♪」 

 

くみん「夕ご飯かぁ」

 

くみん「うーん…」

 

くみん「あ!そうだ!」

 

勇太「?」

 

くみん「夕飯は家にご招待するよぉ!」

 

勇太「え…でも急に大丈夫なんですか?」

 

くみん「いまから連絡すれば全然間に合うし、心配いらないよ!」

 

勇太「じゃあ、宜しくお願いします」 

 

モシモシオカアサン?エーットネェ

 

勇太(さっそく電話してるな…)

 

勇太(夕飯とかちょっと面倒だったから頼んだけど)

 

勇太(すこし安直すぎたかな)

 

勇太(一応友達の弟ってことになってるのに…)

 

勇太(なんていうつもりだろう…)

 

くみん「勇太君?」

 

勇太「あぁ、はいなんですか?」

 

くみん「今日大丈夫って!お母さんもお礼がしたいって!」

 

勇太「そうですか、じゃあお邪魔させて頂きます!」 

 

勇太「じゃあ買って帰りましょうか」

 

くみん「うん!」

 

スーパーのオバチャン店員「あら、勇太くんじゃない!」

 

勇太「こんにちわ」

 

スーパー(ry「あら、そちらさんは?」

 

くみん「五月七日くみんです!」

 

スー(ry「あっらー六花ちゃんの次はこの子かね!最近の子は次から次へと…」

 

勇太「ちょ!何言ってるんですか!色々間違ってますって!」

 

ス(ry「あら、そうなの?まあどちらにせよ大事にしてあげなさいよー」

 

勇太「だから!そんなんじゃ無いんですって!」

 

ス(ry「恥ずかしがらなくてもいいのに~480円になりまーす」

 

勇太「はいっと」

 

ス(ry「勇太くんじゃーねー!結婚式には呼んでねー!」

 

勇太(なんで同じ事言うんだ…) 

 

くみん「勇太君は近所の知り合い多いんだんねぇ」

 

勇太「なんででしょうかね、昔から結構年上の人に好かれるんですよね…」

 

勇太「なぜかちっちゃい頃は外出ると必ず飴とかもらって帰ってくるって母さんに聞いたぐらいですし」

 

くみん「勇太君が可愛いからだよ!」

 

勇太「そんな事無いですって…」

 

勇太「さって乗りました?帰りますよー」

 

くみん「レッツゴーだよぉ!」 

 

勇太「帰りは下りだから楽ですけど振り落とされないようにしっかり捕まっててくださいね」

 

くみん「はぁい!」

 

勇太「やっぱり帰りは楽ですねぇ」

 

くみん「風も気持ちいいしねぇ」

 

くみん「そういえば今と同じような事歌ってる歌あるよねぇ♪」

 

勇太「あぁ~あのこの長い長い下り坂をってやつですか」

 

くみん「そうそう!それそれ!」

 

勇太「あれだと景色見に行く途中ですけどねぇ」

 

くみん「もう、勇太君ノリ悪いよぉ!」 

 

勇太「じゃあ!このままいい景色の見えるとこ行きますか?」

 

くみん「おぉ~気が利くねぇ!行こう行こう!」

 

勇太「はい!」

 

-海浜公園-

 

くみん「海だぁ!綺麗だよ!勇太君!」

 

勇太「俺が連れてきたんだからそれぐらい知ってますよ…」

 

くみん「もう~さっきまではノリノリだったのになぁ」

 

勇太「気まぐれなんですよ」

 

くみん「こういうときって『この海より君の方が綺麗だよ』とかって言うものだとおもうなぁ」

 

勇太「どこのキザな奴ですか…」 

 

くみん「それはちょっとないかもしれないけど」

 

くみん「ちょっとキザな台詞とかは女の子は言われてみたいんだよぉ」

 

勇太「どこの情報ですかそれ…」

 

くみん「ふふふ♪くみん調べ!」

 

勇太「それは誰に聞いたんですか?」

 

くみん「そりゃあ自分にだよぉ!」

 

勇太「先輩限定じゃないっすか…」 

 

勇太「もう満足しましたか?」

 

くみん「うん!もう大丈夫だよぉ!」

 

勇太「じゃあ帰りましょ。お腹すいてきたし」

 

くみん「そうだねぇ。勇太君特性オムライス期待してるよぉ!」 

 

-食事終了-

 

くみん「勇太君のオムライスおいしかったぁ」

 

勇太「ただのオムライスじゃないですか」

 

くみん「それでもだよぉ」

 

勇太「それより、結構午後暇ですけどどうします?」

 

くみん「うーんお出掛けはもういいかなぁ」

 

くみん「ここで少しごろごろしてたいなぁ」

 

勇太「じゃあゲームでもします?」

 

くみん「最近のゲームよくわからないから…」

 

勇太「残念ながら我が家に最新のゲーム機はありませんよ」

 

勇太「64ぐらいですかねぇ」

 

くみん「それいいね!やろう!」 

 

64「マルィオパートゥィースルィーハッハー!」

 

くみん「あぁ!これ懐かしいなぁ!」

 

勇太「昔は結構やり込んでたんですけどね」

 

くみん「私はヨッシーばっかり使ってたなぁ」

 

勇太「俺はマリオだったかなぁ」

 

勇太「主人公の所に憧れを感じてたり…」

 

くみん「それはあるね!」

 

勇太「とりあえず20ターンでやりますね」

 

くみん「はーい♪」

 

-1時間後-

 

くみん「はふぅ楽しかったぁ」

 

勇太「負けた…」

 

くみん「ふふ♪まだまだだねぇ♪」 

 

くみん「それにしても結構あるねぇ!」

 

勇太「子守りとかで母さんが構ってくれなかったとかで結構買ってくれたんですよね」

 

勇太「一人用とかが多いですけど」

 

くみん「あ!これ楽しそう!」

 

勇太「これですか、一人用ですけどやってみます?」

 

くみん「うんうん!やるやる!」

 

勇太「これセーブ出来ないから最初からしか無いんですよね…」

 

くみん「そうなの!?」

 

勇太「はじめてやったときにセーブ出来てるものだと思って消して」

 

勇太「次やったときにデータ無かったから壊れたと思ってたのもいい思い出です」

<早く後ろのハイエナを追い払ってくれ!

 

くみん「そうなんだぁって!ひゃっ!鳥さんが!危ない!」

 

くみん「あぁ~鳥さんが…」

 

勇太「これ初めてやるには大変ですよ…」 

 

くみん「む~」

 

くみん「じゃあ勇太君やって!」

 

勇太「わかりましたよっと」

<獲物を見つけた!

くみん「うわぁ!滝につっこんじゃうよ!」

 

勇太「大丈夫ですよ」

 

くみん「うあっ」

<アンドルフサマァーゴメンチャイ!

勇太「ふぅー」

 

くみん「おぉ~さっすが勇太君だね!」

 

勇太「ありがとうございます」 

 

くみん「ゲームって結構疲れるよねぇ」

 

勇太「まぁ目も疲れますしねぇ」

 

くみん「私はちょっと寝ようかなぁ」

 

勇太「あ?そうですか?じゃあ俺は…」

 

くみん「勇太君はそのままそのまま」

 

勇太「ん?」

 

くみん「ふぅ~」

 

勇太「な!いきなり何を!」

 

くみん「なにって膝枕してもらってるんだけど…」

 

勇太「まあいいや…適当に起こしますからね…」

 

くみん「はぁい!」

 

勇太(ホントにこの人は自由人だな…) 

 

くみん「くぅ~」

 

勇太(寝付きいいな…)

 

勇太(音量下げてっと…)

 

勇太(なにやろっかぁ)

 

勇太(てか今何時だ)チラッ

 

勇太(二時半か…)

 

勇太(先輩の家には何時頃に向かえばいいのだろうか)

 

勇太(今起こすのも申し訳ないからなぁ)

 

勇太(まぁなんとかなるか)プニプニ

 

勇太(!)プニプニ

 

勇太(これは素晴らしいほっぺた…)プニプニ

 

勇太(さわり心地、弾力ともにパーフェクト…!) 

 

勇太(そういえばいま家に二人っきりなのか…)

 

勇太(全然警戒とかしてないなこの人)

 

勇太(まあこの人にいっても『でも勇太君はなにもしないでしょう?』とかいいそうだな)

 

勇太(なんかこうして膝枕してるなんてもはや彼氏と彼女の構図だよな…)

 

勇太(先輩が彼女か…)

 

____________

______

___ 

 

くみん「今日はどこまで連れて行ってくれるの?」

 

勇太「それはあそこに見える地平線の彼方でも」

 

勇太「どこへでもさ!」

 

くみん「じゃあ私と世界の果てまで旅をしよう!」

 

勇太「もちろんさ!HAHAHAHA!」

 

_______

_________

___________ 

 

勇太(なんだこのとんちんかんな妄想は)

 

六花「ゆうた」

 

勇太「うぉ!お前居たのか!」

 

六花「さっきから呼んでいる…」

 

六花「何をしている」

 

勇太「なにって少しぼーっとしてただけだよ」

 

六花「ぼーっとしていたらくみんを膝枕するのか」

 

勇太「あぁ、これか?なんか先輩が急に言い出して…」

 

勇太「今度は嘘じゃないぞ?」 

 

六花「まぁ信じてやる」

 

六花「代わりに…」

 

勇太「?」

 

六花「代わりに…その…」

 

勇太「なんだよ、今から不可視境界線を探しに行こうとか言うなよ」

 

六花「私も…膝枕しろ!」

 

勇太「へ?」 

 

勇太(こいつ何言い出してるんだ急に…)

 

六花「ゆうたぁ…だめ?」

 

勇太(しかもそんな今にも泣き出しそうな顔して言われたら断れないだろ…)

 

勇太「はぁ…いいよ…」 

 

勇太「ほら、こっち側あいてるから来なよ」

 

六花「うん…」ポフ

 

勇太「今日はなんかおとなしいな…」

 

六花「そんな事はない…」

 

六花「だが今は戦いが一段落したあとの安息の時…」

 

六花「ダークフレイムマスターには私を癒す義務がある…」

 

勇太「へいへい…」 

 

六花「ゆうた」

 

勇太「なんだ?」

 

六花「今日はどこに行っていた」

 

勇太「普通にスーパーだよ。卵が無くって」

 

六花「…」

 

勇太「なんだよ、嘘じゃないぞ?」

 

六花「それはわかってる」

 

六花「帰ってきたときにスーパーの袋を持っていたから」

 

勇太「じゃあなんで聞いたんだよ…」 

 

勇太「つかなんで俺が出かけたの知ってるんだ」

 

六花「ベランダからたまたま見えた…」

 

勇太「なんだ、邪王心眼じゃないのか」

 

六花「!」

 

六花「私の嘘を見破るとは…さすがダークフレイムマスター…」

 

勇太「今素で忘れてたろ…」

 

六花「そんな事はない…」 

 

六花「ゆうたは…」

 

勇太「?」

 

六花「くみんと付き合ってるの?」

 

勇太「はぁ?何でそうなるんだ」

 

勇太「付き合ってるわけ無いじゃないか」

 

六花「そうなの…?」

 

勇太「ああ、そうだよ」

 

六花「でも、勇太とくみんがしてる事はすでに契りを交わした物同士がやることとかわりない!」

 

勇太「急に戻るんだな…」 

 

勇太「そんなことないだろ」

 

勇太「二人乗りぐらい誰でもするだろうし」

 

六花「二人乗りはしても膝枕はしない…」

 

勇太「じゃあお前も出来ないじゃないか」

 

六花「それとこれとは別問題なの!」

 

勇太(全然別問題じゃないだろ…) 

 

六花「目的は果たした、もう帰る」スッ

 

勇太「ん?もういいのか?」

 

六花「そろそろ帰らないとプリーステスの怒りに触れる…」

 

勇太「そうなのか…ってもう四時じゃないか…」

 

勇太「じゃあな、気をつけろよ」

 

六花「心配無用…」シュルシュル

<シュクダイヤラズニドコイッテタ!ゴンッ

<アゥ…イタイ…

勇太(いきなり叱られてるじゃないか…) 

 

勇太(つかあいつ膝枕されに来ただけかよ…)

 

勇太(そろそろ先輩起こすか…)

 

勇太「お~いせんぱ~いもう四時なんで起きてくださ~い」

 

くみん「むぅ…ゆうたくん…そっちはまちゅぴちゅだよぉ…」ムニャムニャ

 

勇太(どんな夢見てるんだ…)

 

勇太「寝ぼけてないで起きてくださ~い」ユサユサ

 

くみん「あぁ…ふあぁ~おはよぉゆうたくぅん」

 

勇太「はいはい、おはようございます」

 

勇太「とりあえずそろそろ起きてください。もう四時ですよ」

 

勇太「先輩の家まで一時間ぐらい掛かるんですから…」 

 

くみん「うぅ~ん後五分~」

 

勇太「余韻ですか」

 

勇太「俺がマチュピチュに行くか行かないかの夢になんの余韻があるんですか…」

 

くみん「どんな内容でも余韻は大事なんだよぉ~」

 

勇太「そうなんですね…」 

 

-十分後-

 

くみん「ふう…勇太君膝ありがとう!」

 

勇太「いえいえ…」

 

くみん「でも何で勇太くんは私の見た夢の内容を知ってたの?」

 

勇太「それは先輩が寝ぼけて寝言を言ったからですよ」

 

くみん「そうだったんだぁ」

 

勇太「とりあえず、顔ぐらい洗ってきたらどうですか?はい、タオル」

 

くみん「そうだね!ありがとう!」 

 

くみん「ふぅさっぱりだよぉ」

 

勇太「準備出来ました?」

 

くみん「完璧だよぉ!」

 

勇太「じゃあ行きましょうか」

 

くみん「うん!」 

 

くみん「今度は自転車じゃないんだね」

 

勇太「まあ時間もありますしね」

 

勇太「六時ぐらいに着けばいいんですよね?」

 

くみん「うん!お母さんはそう言ってたよぉ」

 

勇太「なら全然間に合いますけど…自転車のがいいですか?」

 

くみん「ううん!勇太君とお話したいから歩きがいいよ!」

 

勇太「またそんな事言って…」

 

くみん「本気だよぉ!」

 

勇太「…」 

 

勇太「…」

 

くみん「…どうしたの?急に静かになって…」

 

勇太「…いや、何でもないです。少し考え事を」

 

くみん「そっかー」

 

くみん「なんか私の家に帰ってるのに緊張するよぉ」

 

勇太「なんでですか」

 

くみん「だって男の人を夕食に招待するなんて初めてだもん!緊張するよー」

 

勇太「俺はここ数日初めての事だらけですけどね」

 

勇太「誰かと添い寝した事も初めてですし」

 

勇太「誰かと二人乗りも初めてですし」

 

勇太「さっきした膝枕も初めてしましたよ」

 

くみん「うふふ♪勇太君の初めては私づくしなんだねぇ!」 

 

勇太「え、でもおかしくないですか?」

 

くみん「なにがぁ?」

 

勇太「だって俺って友達の弟って事になってるんですよね」

 

勇太「だとしたらまず一人で行ってる時点でまずくないですか?」

 

くみん「それなら心配には及ばないよ!」

 

勇太「え?なんでですか」

 

くみん「だって勇太君が友達の弟って事が嘘って事は言ってあるもん!」

 

勇太「あーそうなんですか…」 

 

勇太「嘘ついてた事はなにもいわないんですね…」

 

くみん「なんかなんとなくわかってたみたい!」

 

勇太(やっぱりか…)

 

くみん「お父さんは知らないみたいなんだけどね…」

 

勇太「え?なんかマズイ事でもあるんですか?」

 

くみん「ん~特に心配はいらないよ~多分!」

 

勇太(絶対なんかあるなこれ…) 

 

-くみん家到着-

 

くみん「ただいまぁ~」

 

くみん母「あら、おかえり~」

 

くみん父「おお、帰ってきたか!」

 

くみん父「そして、ようこそ勇太君!」

 

勇太「おじゃまします!」

 

くみん父「そんなに堅くならなくてもいいさ!」

 

勇太「はぁ…」 

 

くみん母「じゃあ勇太君も来てくれた事だし!ご飯にしましょ!くみん、手伝って!」

 

くみん「はぁ~い!」

 

-夕食終了-

 

くみん母「どうだったかしら?勇太君、お口にあったかしら?」

 

勇太「もちろんです!とっても美味しかったです!」

 

くみん母「あらそれはよかったわ~」

 

くみん父「そういえば勇太君」

 

勇太「はい?」

 

くみん父「君のお姉さんは来てないようだが…」

 

勇太「あぁ~それは…」

 

くみん「それは嘘だよ!お父さん!」 

 

くみん父「ん?嘘とはどういうことだ…」

 

くみん「勇太君にお姉ちゃんなんて居ないって事!」

 

くみん父「なん…だと…」

 

くみん父「ちょっと…夜風に当たってくる…」

 

スタスタ

 

勇太「ちょ…言って良かったんですか…?」

 

くみん「だってずっと嘘つき続けるのも大変でしょう?」

 

勇太「まあ…そうですけど…」 

 

くみん「もどって来ないね…」

 

勇太「やっぱり不味かったんじゃ…」

 

くみん母「ちょっとおつまみ用意したから勇太君持って行ってあげてくれる?」

 

勇太「え、俺ですか…」

 

くみん母「こういうのは男の子同士がいいでしょう!」

 

勇太「はぁ…そうですか…」 

 

くみん母「あの人動転してお酒だけ持って行ったから淋しいとも思うし…」

 

勇太「あ、はい」

 

くみん母「二階のベランダに居ると思うから!」

 

くみん「がんばってね~」

 

勇太「なにをですか…」 

 

勇太(二階のベランダって随分アバウトな説明だな…)

 

勇太(どこだ…)

 

掛札「くみんの部屋」

 

勇太(…)

 

勇太「いやいやいや、入るのはマズイだろう!」

 

くみん父「ん?その声は勇太君か」

 

勇太「あ、そちらにいたんですか」

 

勇太「これ、おかあさんが持って行ってあげてって…」

 

くみん父「誰が君のおかあさんかね!」

 

勇太「す!すいません!」

 

くみん父「いや、ただ言ってみたかっただけだ。気にしないでくれ」

 

勇太「は、はぁ…」

 

くみん父(また一つ夢が叶った…) 

 

くみん父「さっきはすまなかったね」

 

くみん父「少し動揺してしまってな…」

 

勇太「いや、僕の方こそ嘘をついててごめんなさい」

 

くみん父「嘘をついていたのは君じゃないだろ」

 

勇太「いや、僕も嘘をついてたようなものですし…」

 

くみん父「君は良い子だな…」

 

くみん父「言葉遣いも…箸の持ち方も…礼儀も…性格も…」

 

くみん父「完璧じゃないか!もっと酷い屑なら大反対してやったのに!」

 

勇太「え…?は…はあ…」 

 

勇太(そんなことチェックしてたのか…)

 

くみん父「…昔の話になるが…」

 

勇太(?)

 

くみん父「私たち夫婦はなかなか子どもに恵まれなくてね…」

 

くみん父「くみんが生まれる前に一度、流産も経験してるんだ…」

 

勇太「…」

 

くみん父「くみんが生まれた時はとっても喜んだよ…」 

 

くみん父「それであまりに可愛くてね…」

 

くみん父「今思うととっても過保護に育てていたよ…」

 

くみん父「幼稚園の時や小学校の時にもくみんは可愛いからそりゃあもててね…」

 

くみん父「いやぁ!あのときは大変だったよ!」

 

勇太(何したんだこの人…)

 

くみん父「まぁあの子は学校でも寝てばっかみたいだったようでそっち方面には全然興味がなかったようだが…」 

 

くみん父「でも最近、寝るばかりじゃ無くなった気がするんだよ…」

 

勇太(…あれで?)

 

くみん父「今までは休みの日は昼過ぎまで眠っているなんてしょっちゅうだったのに」

 

くみん父「最近では元気に部活に行っているみたいだし」

 

勇太(活動内容のないへんてこな部ですけどね)

 

くみん父「そして帰ってくれば楽しそうに話をするし…」

 

くみん父「君のお陰なのかな?」

 

勇太「そんなことは…」

 

くみん父「そんなに謙遜することもない」

 

くみん父「お互い相思相愛なのだからもっと堂々としてていいんだ…」

 

くみん父「昨日は一緒に寝たらしいし…」

 

勇太「え?」

 

くみん父「ん?」 

 

勇太「えっと…今…なんと?」

 

くみん父「一緒に寝たと、本来なら…なとこだが君なら…」

 

勇太(この人怖い)

 

勇太「えっとそこじゃなくてですね…」

 

勇太「その前ですね」

 

くみん父「君とくみんは相思相愛っと言ったが…?」

 

勇太「えっと多分おとうさんは勘違いされてますね…」

 

くみん父「ん?君とくみんは付き合っているんじゃないのか?」

 

勇太「違います、ただの部活の先輩後輩です」

 

くみん父「そうだったのか…」 

 

くみん父「じゃあなんでくみんは君に頼って君を家に招いたんだ?」

 

勇太(添い寝のことは言えない…)

 

勇太「さ…さぁ?」

 

くみん父「ふむ、ところで君はくみんの事をどう思っているんだ?」

 

勇太「いい人だと思っていますが…」

 

くみん父「そう言う事じゃない」

 

くみん父「好きなのか?恋愛感情で」

 

勇太「…」

 

勇太「あんまりこういう経験がないので…」

 

勇太「まだ、わかりません」

 

勇太「こういう事を言って良いのかわからないけど」

 

勇太「くみんさん以外にも気になっている女性が居ます…」

 

勇太「今は…どっちが正しい選択なんてわかりません…」

 

くみん父「…そうか…」 

 

くみん父「まぁ君もまだ若い!存分に悩むがといい!」

 

くみん父「しかし女は気が変わりやすいからな、あまりうかうかもしてられないぞ!」

 

くみん父「とりあえず、私は君ならいつでも大歓迎だから」

 

くみん父「また、遊びに来なさい」

 

勇太「はい、ありがとうございます」

 

くみん父「そろそろ戻ろうか、妻も心配してるかもしれないしな」

 

勇太「そうですね」 

 

くみん母「あら、もう大丈夫なの?」

 

くみん父「あぁ、私の勘違いだったからな」

 

くみん父「長らく引き留めてしまって悪いね。もう9時だし私が送っていこう」

 

くみん母「あなたはお酒のんだでしょ。だめよ」

 

くみん父「あぁ、そうか…」

 

勇太「いえいえ、僕は一人で帰れますから」

 

くみん母「あら、あなたはくみんを置いていく気なの?酷いわねぇ」

 

勇太「はっ!すいません忘れてました!」

 

くみん「酷いなぁ」

 

勇太(そういえばそんな約束が…)

 

勇太「じゃあ、お言葉に甘えて…」 

 

-車内-

 

くみん母「今日は悪かったわねぇ。あの人はどうもくみんの事になるとああなっちゃうの…」

 

勇太「いえいえ、良いおとうさんですね」

 

くみん母「そうかしら?」

 

くみん母「でもあなた達実際はどのあたりまで行ったのかしら?」

 

くみん母「さっきからくみんに聞いてるのに何もしてないって言い張るのよ~」

 

くみん「だって本当に何もしてないも~ん」

 

勇太「まあ確かに何もしてないですしね…」

 

勇太(多分この人も勘違いしてるな)

 

勇太(まあおとうさんから聞くだろう)

 

勇太「あ、ここで大丈夫です。ありがとうございました」

 

くみん母「あら、話聞きたかったのに~」

 

くみん母「まあまた今度にするわ~」

 

くみん母「おやすみなさい!勇太君、くみん!」

 

勇太「はい、おやすみなさい」 

 

くみん「ふぅ~大変だったぁ」

 

勇太「そんなに尋問にあったんですか?」

 

くみん「うん!全然信じてくれないんだよぉ」

 

勇太「それはお疲れ様でした…」

 

くみん「勇太君は大丈夫だったの?」

 

勇太「こっちはなんだかお父さんがずっと話していたので」

 

くみん「誰が君のお父さんだ!」

 

勇太「うおっなんですか急に」

 

くみん「うふふ~一度言ってみたかったんだよぉ」

 

勇太(親子だなぁ) 

 

勇太「ただいまぁっと」

 

くみん「おじゃましまぁす」

 

勇太「ふぅ…なんだかんだで結構遅くなりましたね」

 

くみん「結構勇太君とお父さん話し込んでたもんねぇ」

 

勇太「…すいません」

 

勇太「とりあえず、お風呂入れてきます」

 

くみん「はあい!」

 

六花「待て」

 

勇太「ぅおあ!何だぁ!」

 

六花「どこに行ってたの…ゆうたぁ…」ウルウル

 

勇太「え?何で泣いてるんだおまえ!?」

 

六花「それは…」グゥ~

 

勇太「…」

 

六花「…」

 

勇太「…腹…減ってたのか?」 

 

六花「今日は…プリーステスが帰ってこないから自分で作ろうとしたけど上手く行かなくて…」ウッ

 

六花「ゆうたに頼みに来たのに居なかった…」グズッ

 

勇太「ちなみに聞くが…」

 

六花「?」

 

勇太「何を作ろうとしたんだ?」

 

六花「血塗られた翼竜

 

勇太「ちゃんとした日本語で」チョップ

 

六花「あぅっ…チキンのトマト煮…」

 

勇太「なんでそれを選んだ…」 

 

六花「テレビみてて美味しそうだった…」

 

勇太「ハァ…まあ素人が手を出すもんじゃないんじゃないか?知らないけど」

 

くみん「私、それ作れるよぉ!」

 

六花「貴様は!くみん!それは真か!」

 

くみん「うんホントだよぉ」

 

勇太「先輩、いいですって。こいつにはパン食べさせますから」

 

くみん「それじゃあかわいそうだよぉ!」

 

くみん「すぐ作れるから勇太君はお風呂入ってきて!あと、台所借りるねぇ!」

 

くみん「六花ちゃん、材料はある?」

 

六花「多分、ここに一人分ぐらいなら…」

 

勇太「いいんですか…?結構大変だと思うんですけど…」

 

くみん「大丈夫!六花ちゃんにも手伝ってもらうし!」

 

六花「がんばる」 

 

 

-風呂-

 

勇太「ふぅ…」

 

勇太「先輩はホントに優しいな…」

 

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----

 

くみん父「まぁ君もまだ若い!存分に悩むがといい!」

 

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---------

-------------

 

勇太(そもそも悩んでるとか言ったけど)

 

勇太(本当に好きなのか?)

 

勇太(六花は危なっかしくてほっとけなくて…)

 

勇太(あんな邪気眼で電波なやつだけど…)

 

勇太(なんだか守ってやりたくなる) 

 

勇太(先輩は…)

 

勇太(いつも寝てばっかでぽわぽわした人だけど)

 

勇太(一緒にいると落ち着く…)

 

勇太(振り回される事もあるけど…)

 

勇太(それはそれで楽しいし…)

 

勇太(その前に二人はどうなんだろうか)

 

勇太(付き合うとか考えてるのか?)

 

勇太(二人の俺に対しての印象はマイナスではないだろう…)

 

勇太(つかこれでマイナスだったら誰も信用出来ない) 

 

勇太(まぁ、今すぐに答えを出す必要はないだろう…)

 

-

----

-------

 

勇太(うかうかしてられない…か)

 

勇太(そうだよな…先輩は卒業とかするんだし)

 

勇太(少し、のぼせそうだ)

 

勇太(もうあがろう) 

 

勇太「ふぅ~」

 

勇太「おぉ、良い匂いですね」

 

六花「美味い!くみんすごい!」

 

勇太「なんで片言なんだよ」

 

くみん「お口に合ったようでよかったよぉ」

 

くみん「私もお風呂借りるねぇ」

 

勇太「あぁ、はい、どうぞどうぞ」 

 

勇太「まったく…暢気に食べやがって…」

 

勇太「後で先輩にお礼言っておけよ?」

 

六花「わかっている」

 

勇太「…」

 

六花「パクパク」

 

勇太「…」

 

六花「ゆうた」

 

勇太「?」

 

六花「見られていると…食べづらい」

 

勇太「あぁ、ごめんごめん」

 

勇太「部屋にいるから、何かあったら呼べよ~」

 

六花「把握した」 

 

勇太「ふぅ」

 

勇太「今日も疲れたなぁ…」

 

勇太「六花はここでずっと待ってたのか?暖かいな」

 

くみん「お風呂ありがとぉ」

 

勇太「あぁ、あがりましたか」

 

くみん「うん♪気持ちよかったよぉ」

 

勇太「そりゃあ良かったです」

 

勇太「そういえば、明日どうします?」

 

くみん「う~んさすがにお世話になりすぎたから明日は帰る事にするよぉ」

 

勇太「そうですか…」 

 

六花「くみん、最上の供物、感謝する」

 

くみん「いえいえ~」

 

勇太「帰るのか」

 

六花「うん、そろそろプリーステスが帰ってくるから」

 

勇太「そうか、じゃあな」

 

六花「うん」

 

くみん「六花ちゃんおやすみ~」

 

六花「さらばだ!」 

 

勇太「さってと、洗い物とかやっとくか…」

 

くみん「それならさっき六花ちゃんがやってたよ?」

 

勇太「え!?」

 

勇太「だ…大丈夫なのか!?皿とか割れてないか!?」

 

くみん「さっき手伝ってもらったときは割と手際よかったから大丈夫だと思うよぉ」

 

勇太「皿洗いは出来るのか…?」

 

勇太「ホントによくわからないやつだな…」 

 

くみん「今日は疲れちゃったぁ」

 

勇太「そうですねぇ…」

 

勇太「あと今日は母さんとか居ないから布団用意出来ますけど…」

 

くみん「…」ジトー

 

勇太「聞くまでもないみたいですね」

 

くみん「うんうん!よろしい!」

 

勇太「まあもう諦めますけど…」 

 

くみん「あきらめるって…」

 

くみん「勇太君は私と寝るのいやなの…?」

 

勇太「いやっ!そう言う訳じゃなくてですね!」

 

勇太「なんていうか…その…」

 

勇太「先輩可愛いから落ち着かないっていうか…」

 

勇太「ああああ!何言ってるんだ!俺!」

 

勇太「わすれて!今の忘れてください!」

 

くみん「…///」

 

勇太「…先輩?」

 

くみん「いや、きょ、今日はなんか暑いね!!」

 

勇太「そ!そうですね!あはははは…」 

 

くみん「…」

 

勇太「…」

 

勇太「えっと…もう寝ましょうか!」

 

くみん「そ!そうだね!」

 

モゾモゾ

 

くみん「今日は色々本当にありがとうね…」

 

勇太「どうしたんですか?急に」

 

くみん「ほら私って結構マイペースでしょ?」

 

勇太(自覚はあるのか…)

 

くみん「それだから結構お友達とか出来ても怒られちゃうことが多いいんだ…」

 

勇太「…」

 

くみん「それでも勇太君は私のわがままになんだかんだいいながら付き合ってくれるでしょ…?」

 

勇太「そうですね…」

 

くみん「それがすっごく嬉しくてね…」 

 

勇太「俺は別に無理にそういうことに付き合ってる訳じゃないですよ…」

 

勇太「ただ、先輩と居ると落ち着くしなにより楽しいんです」

 

勇太「恥ずかしいときもありますけどね…」

 

くみん「勇太君はやさしいね…」

 

勇太「そんなことないですよ…」

 

くみん「ううん、十分やさしいよ…」

 

くみん「おやすみ、勇太君♪これからもよろしくね!」

 

勇太「はい、おやすみなさい…」 

 

勇太(明日は一人か…)

 

勇太(そういえば宿題やってないや)

 

勇太(たった二日間だったのにすごい濃かったな…)

 

勇太(もしかしてこれが青春?)

 

勇太(だとしたらすごい損してたな…俺…)

 

勇太(まぁ、中二病のおかげで先輩に会えて六花にも会えたようなものか)

 

勇太(だとしたら良かったのかなぁ)

 

勇太(余計な事考えて寝不足になっても駄目だな…)

 

勇太(寝ようかな…)

 

----------

-----

--

 

勇太(朝か…)

 

勇太(昨日寝るとか言っておきながら先輩の寝言が気になって寝れなかった…)

 

勇太(おぽちょにてぃってなんだ…)

 

勇太(あれ?そういえば先輩がいない…)

 

勇太(もう帰ったのか?早いなぁ)

 

勇太(とりあえず朝ご飯食べるか) 

 

ガラ

 

勇太「ん?」

 

くみん「あぁ~勇太君おはよぉ」

 

くみん「朝ご飯出来てるよぉ」

 

勇太「おはようございます」

 

勇太「毎度毎度ありがとうございます」

 

くみん「泊めてもらってるからそのお礼だよぉ!」

 

くみん「こんなことしか出来ないけどねぇ」

 

勇太「いやいや、十分ありがたいです」

 

くみん「とりあえず、どうぞ召し上がれ!」

 

勇太「はい、いただきます!」 

 

勇太「ごちそうさまでした!」

 

くみん「お粗末様でした!」

 

勇太「先輩はホントに料理上手いんですね」

 

勇太「昨日もなんだかちゃちゃっと作ってましたし」

 

くみん「う~ん、おかあさんのお手伝いを昔からやってたらいつの間にか出来るようになってなんだよぉ」

 

勇太「すごいですね…」

 

勇太「うちは大体樟葉が作ってくれるんですよね…」

 

くみん「おぉ~すごいねぇ!」

 

勇太「先輩のが全然上手いですよ」

 

くみん「そんな事言ったらかわいそうだよぉ」

 

くみん「でも、ありがとうね!」 

 

くみん「さて、私はそろそろ帰るねぇ!」

 

勇太「そうですか、送っていきますよ」

 

くみん「いいよぉ」

 

勇太「いや、いいんですよ。どうせ暇ですし」

 

くみん「そう?じゃあお願いしようかなぁ」

 

勇太「はい、行きましょうか」

 

勇太「荷物はこれだけですか?よいしょっと…」

 

くみん「荷物まで持ってもらう事無いよぉ!」

 

勇太「いいんですよ、男なんですから」

 

くみん「う~んでも…」

 

勇太「ほらほら、置いていきますよ」

 

くみん「あぁ、待ってよ!」 

 

丹生谷「ふぅ~なんだか気持ちの良い朝だから何となく散歩してみたけど…」

 

丹生谷「これは由々しき事態ね…」

 

くみん「ユウタク~ン」

 

勇太「ナンデスカ」

 

丹生谷「なんで朝帰りしてるのよあいつ…」

 

丹生谷「それに完璧に富樫君の家から出てきたわよね…」

 

丹生谷「付き合ってるのかな~」

 

丹生谷「ま、私には関係ないけどね~」

 

丹生谷(完全に出遅れたわ…) 

 

丹生谷(しかもめちゃめちゃ仲良さそうじゃない…)

 

丹生谷(まあ、しょうがないか…)

 

丹生谷(私は…まだ、大丈夫…)

 

丹生谷(問題はあの邪気眼女ね…)

 

丹生谷(富樫君はどうするつもりなのかしら)

 

丹生谷(まあ、まだ付き合ってるって確定した訳じゃないけど…)

 

丹生谷(これは荒れそうね)

 

丹生谷(部の解散とかだけはやめて欲しいわね…)

 

丹生谷(あそこじゃなきゃ今のところあの忌まわしい記憶を消す方法はないんだから…) 

 

勇太「じゃあ、先輩。また明日」

 

くみん「うん!ありがとうねぇ!」

 

勇太「はい、じゃあ」

 

くみん「ばいば~い」

ガチャ

勇太「ふぅ…さぁ、さっさと帰って宿題でも…」

 

丹生谷「ねぇ」

 

勇太「ぅおあ!」

 

丹生谷「キャッ急に大声あげないでよ!」

 

勇太「あぁ、ごめんごめん」

 

勇太「え、つか何でこんな所に!」

 

丹生谷「散歩してたらたまたま見つけたのよ」

 

丹生谷「富樫君の家から出てくるくみんをね」

 

勇太(たまたまって…)

 

丹生谷「なに?あんたら付き合ってるの?」 

 

勇太「いやいや、付き合ってはないよ」

 

丹生谷「ふ~ん富樫君は付き合ってもないのに女の子を朝帰りさせるような人なんだ」

 

勇太「それは向こうの親御さんに頼まれたから泊めただけであって…」

 

丹生谷「あら、もう親公認なのね」

 

勇太「そういう揚げ足とるようなこと言わないでくれよ…」

 

勇太「なんだか悪い事してるみたいじゃないか」

 

丹生谷「別にどうでもいいんだけどね」

 

勇太「いいのかよ!」

 

丹生谷「付き合ってるとしたら悲しむ誰かさんが居るのかなぁと思っただけよ」

 

勇太「…」

 

丹生谷「富樫君もわかってるんでしょう?」

 

勇太「…」

 

丹生谷「なにも言わないのね…」

 

丹生谷「まあいいわ、とりあえず何とかしなさいよ」

 

丹生谷「部が解散とか言われたら困るんだから」 

 

丹生谷「私は帰るわ」

 

丹生谷「まあ良く考えてね」

 

丹生谷「あんた中学時代ろくな過ごし方してないんだから困惑するのも仕方ないしね」

 

勇太「それはお前には言われたくないな」

 

丹生谷「のろい殺すわよ」

 

勇太「!」

 

丹生谷「と!に!か!く!ぎすぎすするのはやめろってこと!もう!本当に帰る!」

 

勇太「帰ってしまった…」

 

勇太(そんなことわかってるけど…)

 

勇太(どうしたらいいかなんてわかるわけ無い…) 

 

勇太(丹生谷はああいっていたけど)

 

勇太(こういうのは自分で動くべきなのか?)

 

勇太(変に動いたら余計意識させる気がするし…)

 

勇太(こういうときに相談できる親友がいれば…)

 

勇太(一色…)

 

------

--

-

 

一色「ジャジャジャジャーン」

 

-

--

-----

 

勇太「だめだ、頼りなさ過ぎる」

 

勇太(まあ、自分で解決するってのも大事な事か) 

 

勇太「とりあえず、宿題っと」

 

-一時間後-

 

勇太(終わってしまった…)

 

勇太(寝るか…)ボスッ

 

勇太(さっきまでここに先輩がいたんだなぁ)

 

勇太(夢みたいだな…)

 

勇太(…zzzzz) 

 

ガラ

 

勇太「zzz」

 

樟葉「あれ、寝てる」

 

樟葉「あの人はもう帰ったのかな」

 

夢葉「おにーちゃん!」

 

勇太「グッハァ!」

 

勇太「え!?なに!急に!」

 

樟葉「こら夢葉、いきなりダイブしちゃだめでしょ」

 

樟葉「ご飯だよ。お兄ちゃん起きて」

 

勇太「ん?何時の間に帰ってきたんだ…」

 

樟葉「一時間前ぐらいだよ」

 

樟葉「ご飯だから呼びに来たの」

 

勇太「あぁ、ありがと。今行くよ」 

 

勇太「旅行はどうだった」

 

勇太母「楽しかったわよ?」

 

勇太母「お土産はないからね」

 

勇太「別にいいよそれぐらい」

 

勇太母「それよりそれより!」

 

勇太「?」

 

勇太母「くみんちゃんとはどこまで行ったの!」

 

勇太「ブーッ」

 

樟葉「キャッ!お兄ちゃん汚い!」

 

勇太母「あら、なんかやましい事でもしたの?」

 

勇太「別に何もしてないよ!」 

 

勇太母「せっかく一日家を空けてあげたのに~」

 

勇太「知るか!」

 

樟葉「お兄ちゃんどんなことするつもりだったの…」

 

勇太「なにもするつもりないよ!」

 

勇太母「ふ~ん」ニヤニヤ

 

勇太「もうやめてくれ…」 

 

勇太「もう部屋に戻る…」

 

勇太母「もっと話聞きたかったのに~」

 

勇太「特に話す事もないよ!」

 

勇太母「え~ホントに?」

 

勇太母「坂道とか~自転車とか~二人乗りとか!」

 

勇太(あのおばちゃん達話したのか…)

 

勇太「知ってるなら聞かなくていいじゃん…」

 

勇太母「だって詳しくは知らないし~」

 

勇太「卵買いに行っただけだよ…」

 

勇太母「ふ~ん」ニヤニヤ

 

勇太「はぁ…」 

 

 

-勇太自室-

 

勇太「散々な目にあった…」

 

勇太「ほっといて欲しいのに…」グシャ

 

勇太「ん?なんかベッドに…紙?」

 

「明日、昼休みに部室で待ってる」

「          六花  」

 

勇太「…」

 

勇太(本当に覚悟しないと駄目か…) 

 

 

-次の日-

 

勇太(昼休みって言ったけど)

 

勇太(あいつそれまでどうするつもりなんだ…)

 

一色「おう!おはよう!」

 

勇太「ああ、おはよ」

 

一色「お前もこの前は大変だったなぁ!」

 

勇太「ああ、あれか。うん、まあな」

 

一色「ん?どうしたんだ?」

 

勇太「別に何でもないよ」

 

勇太(六花はまだ来てないか…)

 

七瀬先生「はーいみんな座って~」

 

勇太(あれ?あいつ来ないのか?) 

 

 

-昼休み-

 

勇太(結局あいつ休みなのか?)

 

勇太(まあ呼び出されたなら行った方がいいか)

 

丹生谷「ちょっと」

 

勇太「ん?」

 

丹生谷「あいつは?」

 

勇太「あいつって六花か?」

 

丹生谷「そう。何も聞いてないの?」

 

勇太「なんか昼休みに部室に呼び出されてね」

 

勇太「今から行くとこ」

 

丹生谷「ふ~ん」 

 

丹生谷「何の用事かはわかってるだろうけど」

 

丹生谷「ちゃんと伝えてあげなさいよ」

 

勇太「なんか素の丹生谷なのに優しいって変だな」

 

丹生谷「死にたいの?」

 

勇太「いやいや!そう言う意味じゃなくて!」

 

勇太「なんていうか、その」

 

丹生谷「?」

 

勇太「ありがとな」

 

丹生谷「はぁ?」 

 

勇太「昨日お前に言われてから悩んだんだけどさ」

 

勇太「全然わかんなくって」

 

勇太「だれに相談しようにもそんなやつ居ないし」

 

勇太「でも丹生谷にすごい励まされたからさ」

 

丹生谷「…いいから早く行きなさいよ」

 

勇太「うん、そうだな…」

 

丹生谷(なにやってるんだろう私…) 

 

-部室前-

 

勇太(このなかに六花居るのかな…)

 

勇太(覚悟決めるか!男だろう!)

 

ガラガラ

 

六花「…待ってた」

 

勇太「お前、学校サボって何やってるんだよ」

 

六花「今日はしょうがない」

 

勇太「まあ良いけど…」

 

勇太「つか、眼帯とか包帯はどうしたんだ?」

 

六花「あれは、今日はいらない」

 

勇太「ついに六花も卒業か」

 

六花「違う。」 

 

六花「勇太に、本当の私を見て欲しかったから」

 

勇太「…」

 

六花「聞いて欲しい事がある。ゆうた」

 

勇太「うん」

 

六花「私は中学のときからまともな友達は一人しかいなかった」

 

六花「なんで友達が出来ないこともわかってたけど」

 

六花「止めるわけにはいかなかった」

 

六花「そしたら入学式の日に私と同じ事をしてる人を見つけた」

 

六花「はじめは同類のこの人なら友達になってくれると思って話しかけた」

 

六花「そしたら少し違ったみたいだけど」

 

六花「ゆうたは優しかった」 

 

六花「いままでの人たちはみんな遠巻きに私の陰口を言ったりしてたけど」

 

六花「ゆうたはなんだかんだ良いながらも色々協力してくれた」

 

六花「そのお陰でゆうた以外にも友達が出来た」

 

六花「みんな少し変だけど」

 

六花「それでもいい友達だ」

 

六花「だから私はゆうたに感謝している」

 

六花「ありがとう」 

 

六花「部活を一緒に作ってくれてありがとう」

 

六花「家族の一員みたいに仲良くしてくれてありがとう」

 

六花「クラスで孤立しないようにしてくれてありがとう」

 

六花「私が変な事しても見守ってくれてありがとう」

 

六花「私と普通に話してくれてありがとう」

 

六花「…」

 

勇太「そうだな、でも別にお礼を言われる事じゃ…」

 

六花「違う!」

 

勇太「!?」 

 

六花「確かにありがとうって思ってる…」

 

六花「でも!今伝えたいのはそれじゃない!」

 

六花「す…好きなの!」

 

六花「優しくて!かっこよくて!」

 

六花「私と普通に話してくれるゆうた好きなの!」

 

六花「だから…私と…付き合って…ゆうた」

 

勇太「…」 

 

勇太「…」

 

六花「…ゆうたぁ」

 

勇太「…ごめん」

 

勇太「お前の気持ちはすごく嬉しい」

 

勇太「可愛いし、アホだけど」

 

勇太「でも…お前より…好きな人がいる…」

 

勇太「だから…お前の気持ちには答えられない…」 

 

六花「……わかった」グス

 

勇太「…」

 

六花「とりあえず…出てって…」グス

 

勇太「でも…」

 

六花「いいから…」

 

勇太「わかった…」

 

ガラガラ

 

勇太(これでいいんだよな…)

 

丹生谷「終わった?」

 

勇太「丹生谷…」

 

丹生谷「一緒に出てきてないって事は振ったのね」

 

勇太「…すまないけど…六花の所に」

 

丹生谷「わかってるわ、そのつもりで来たんだから」

 

勇太「ありがとう…」 

 

 

ガラガラ

 

六花「ビクッ」

 

丹生谷「安心しなさい、私よ」

 

六花「丹生谷…何でここに」

 

丹生谷「気にする事じゃないわ」

 

丹生谷「今日は眼帯も包帯もしてないのね」

 

六花「ぅん…」

 

丹生谷「…」

 

六花「…」

 

丹生谷「悲しい時は泣いて良いのよ」

 

六花「ジワァ」

 

六花「ウワアアアアアン」

 

-部室の外-

 

勇太「…」 

 

勇太(ここにいたってキツイだけだな…)

 

勇太(どこに行くか…)

 

勇太(とりあえず、教室向かうか…)

 

-部室-

 

六花「ウワアアアアアアン」

 

丹生谷「本当に好きだったのね…」

 

六花「だって…!初めて…!ちゃんと…エッグやさしく…!」

 

丹生谷「ちゃんと落ち着いてからしゃべりなさい…」

 

丹生谷「これは受け売りだけどね…」

 

丹生谷「最初は足枷みたいにまとわり付く物なのよ」

 

丹生谷「でも、それを無理矢理はずして忘れようとする事はないわ」

 

丹生谷「その足枷を引きずって引きずって」

 

丹生谷「どんどん削って行けば良いのよ」

 

丹生谷「だから急に態度を変えたりする必要は無いからね」

 

丹生谷「まあ、あんたがどう思ってるかは知らないけど…」 

 

六花「いままでどうりでいいの…?」

 

丹生谷「だからそう言ってるじゃない」

 

六花「迷惑じゃない…?」

 

丹生谷「富樫君がそんなこと言うと思う?」

 

六花「…」

 

丹生谷「…」

 

六花「なんで…」

 

丹生谷「?」

 

六花「なんで丹生谷も泣いてるの?」 

 

丹生谷「…泣いてなんか…」ポロ

 

六花「…」

 

丹生谷「あれ、おかしいな、あはは」ポロポロ

 

丹生谷「私は小鳥遊さんを慰めにきたのに…」ポロポロ

 

六花「もしかして丹生谷も…」

 

丹生谷「それは…言わないで?」ポロポロ

 

六花「…」

 

丹生谷「私は…まだ大丈夫だから…」ポロポロ 

 

丹生谷「このまま授業はでられないね…あはは」

 

六花「私は今日は休んでるから…」

 

丹生谷「たぶん富樫君がなんとかしてくれるから大丈夫…かな?」

 

六花「…ジワッ」

 

丹生谷「うわっ!思い出して泣かないでよ!」

 

丹生谷「落ち着くまでここで話してようか…」

 

六花「コクッ」グスグス 

 

勇太(さっきは教室帰ろうとか思ったけど…)

 

勇太(授業受けられるわけないか…)

 

勇太(ナナちゃんのとこ行って早退させてもらおう)

 

勇太(多分丹生谷も来ないだろうから…)

 

-教室-

 

一色「ん?勇太かえるのか?」

 

勇太「ああ、ちょっとね」

 

一色「ふ~ん丹生谷の荷物ももって?」

 

勇太「あいつに頼まれたからな」

 

一色「なんだ?委員会系?」

 

勇太「そう言う事にしといてくれ」

 

一色「なんか含みのある言い方だな」 

 

勇太「ある程度落ち着いたら話すよ」

 

一色「そうか」

 

勇太「じゃあな」

 

一色「う~い」

 

-部室-

 

ドサッ

タタタタタ

 

丹生谷「なんか外で物音したわね」

 

ガラガラ

 

丹生谷「ん?私の鞄?」

 

丹生谷「富樫君か…」

 

丹生谷(優しいなぁもう…) 

 

勇太(早退したはいいけど…)

 

勇太(どうしようかなぁ…)

 

勇太(公園で時間つぶすか…?)

 

勇太(そうするか…) 

 

勇太(ん?ここは先輩の家の近くか)

 

勇太(六花の事もちゃんと整理したんだから)

 

勇太(覚悟しなきゃ)

 

勇太(そうと決めたらやらなきゃな)

 

勇太(とりあえず公園はキャンセルだな)

 

勇太(家の前で待ってよう…) 

 

勇太(…)

 

勇太(いきなり来てしまったけど)

 

勇太(迷惑じゃないかな…)

 

勇太(そわそわする…)

 

ガチャ

 

くみん母「あら?勇太君?」

 

勇太「え!?あ!こ、こんにちわ!」 

 

くみん母「何してるの?くみんはまだ学校よ?」

 

勇太「えっと!その!なんていうか…」

 

くみん母「まあいいわ!あがってあがって!」

 

勇太「え?あ、はいお邪魔します…」 

 

くみん母「まだ学校の時間よね!家の前で何してたの?」

 

勇太「いや、えっと…くみんさんに用事があって…その」

 

くみん母「もしかして告白とか!」

 

勇太「え!い、いやいや!あはは!」

 

くみん母「あら、図星なのね」

 

くみん母「じゃあ私は自室にいようかしら…うふふ♪」

 

勇太「いや!あの!」

 

くみん母「がんばってね~」

 

勇太(行ってしまった…) 

 

勇太(今何時だ…)

 

勇太(三時過ぎか…)

 

勇太(先輩が部活寄ったら結構まだまだ時間あるじゃないか…)

 

勇太(あぁ…どうしよう…)

 

タダイマー

 

勇太(ん?まさかもう帰ってきたの…)

 

くみん「おかあさん用事ってなあに…」

 

くみん「あれ?勇太君?」

 

勇太「えっと…おじゃましてます。ははは…」

 

くみん「えっと、ようこそ?かな?」

 

くみん「おかあさんどこに居るかわかるかなぁ?メールで呼ばれたんだけど…」 

 

勇太「えっと…部屋に行くって行ってました」

 

くみん「ありがとぉ!ちょっと待っててね~」

 

勇太「はい」

 

勇太(先輩のおかあさんがなにか手を回したのか…)

 

勇太(ゆっくり考えようと思ったのに…) 

 

タンタンタン

 

勇太(帰ってきた…)

 

くみん「勇太君」

 

勇太「は、はい」

 

くみん「ちょっと私の部屋、行こうか」

 

勇太「え?あ、はい」

 

勇太(先輩の部屋か…扉はみたけど…)

 

勇太(つか緊張してきた…) 

 

 

-くみんの部屋-

 

勇太(可愛い部屋だな…)

 

勇太(あと、枕がいっぱい)

 

くみん「勇太君…」

 

勇太「はい?」

 

くみん「話って…なに?」

 

勇太「へ?」

 

くみん「おかあさんがね、勇太君が何か話あるみたいだから部屋にいって聞いてきなさいって…」

 

勇太(あのひとおおおおおおおおおお) 

 

勇太「…」

 

くみん「…」

 

勇太(これは予想外だった…)

 

勇太(どうしよう…ぜんぜん言葉が出てこない…)

 

勇太(もういい!どうにでもなれ!) 

 

勇太「いきなりで悪いんですけど…」

 

勇太「俺はくみん先輩のことが好きです!」

 

勇太「ここ数日ずっとくみん先輩の近くにいて気付きました」

 

勇太「くみん先輩が笑ってくれれば俺も嬉しいですし」

 

勇太「くみん先輩が落ち込んでれば俺も悲しいです」

 

勇太「一緒に昼寝すると落ち着きますし」

 

勇太「なにより寝顔見るとすごく安心します!」

 

勇太「だから!俺と付き合ってください!くみん先輩!」 

 

勇太「…」

 

くみん「…」

 

勇太(…だめか…?)

 

くみん「…勇太君…」

 

勇太「はい?」

 

チュッ

 

勇太「え?」 

 

くみん「私も勇太君の事好きだよ!」

 

勇太「い…いま…え…」

 

くみん「だから!私も好きだよぉ」

 

くみん「あんなに嬉しいこと言われて私は幸せだよ!」

 

くみん「勇太君は…幸せ?」

 

勇太「…!それは!もう!」

 

くみん「うふふ♪これからよろしくね!勇太君!」

 

勇太「はい!」

 

くみん「それと!」

 

勇太「はい?」

 

くみん「これからは付き合うんだから先輩も敬語も禁止だよぉ!」

 

勇太「は、はい!わかりました!」

 

くみん「早速だめだよぉ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

富樫勇太「眠い・・・」

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