アニメssリーディングパーク

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いろは「これで先輩はわたしの物ですね」【俺ガイルss/アニメss】

 

小町「ねぇ、ねぇ、お兄ちゃん!壁ドンって知ってる?」

 

八幡「壁ドン?あぁ、あれか。アパートとかで隣の部屋の奴がうるさい時にやるあれだろ?」

 

小町「違うよ!今、女子がして欲しいシチュエーション1位の方の壁ドンだよ!」

 

八幡「は?」

 

小町「こう、壁際に追いやられて通せんぼされて『俺だけを見ろよ』とか言われちゃうの!少女漫画みたいに!きゃ~」

 

八幡「小町?盛り上がってる所悪いけど全くお兄ちゃんわかんなかったんだけど……」

 

小町「ほら、こういうの!」つスマホ

 

八幡「え、女子ってこういうのがいいの?俺、女だったら絶対怖いんだけど……」

 

小町「この強引な感じがいいんだよ!特に普段草食系な人からやられたらキュンときちゃう!」

 

八幡「安心しろ、小町にそんなことした男は俺が頭にドンとしてやるから」

 

小町「お兄ちゃん、流石にキモい」

 

八幡「うっ……、ま、まぁあれだな。そういうのはイケメンにやられるからいいのであって俺なんかがやったらすぐに通報される」

 

小町「えぇー、そんなことないよ!だ か ら、お兄ちゃんも雪乃さんと結衣さんにやってみなよ!」

 

八幡「やるわけねぇだろ……」

 

 

次の日

 

パタパタ

 

八幡(この足音は由比ヶ浜か)

 

結衣「ヒッキー!なんで先に行っちゃうの?!」

 

八幡「いや、今日は部室に行かないし」

 

結衣「ぇ、サボり?ゆきのんに怒られるよ?」

 

八幡「違ぇよ、一色に生徒会の仕事手伝えって言われたんだよ」

 

結衣「……」

 

八幡「なんでもそこまでの仕事量じゃないらしいが副会長が休みらしくてな、でさっき連絡が来た」

 

結衣「……連絡?」

 

八幡「あぁ、ほら」つスマホ

 

 

『先輩!大変です!今日、副会長休みらしいんです!(+_+)

だから、生徒会の仕事手伝ってくれますよね?

責任取ってくださいって言いましたもんね~?

 

先輩のかわいい後輩 一色いろは★』

 

八幡「ということだ。雪ノ下には由比ヶ浜から言っといてくれ」

 

結衣「……ねぇ、ヒッキー。なんかあたしよりいろはちゃんとのメールの方が多くない?」

 

八幡「……は?」

 

結衣「あたしとのメールはすぐ切るのにいろはちゃんとはよくメールするんだ?」

 

八幡「いや、これはあいつが勝手に……」ジリ

 

八幡(というかなんで俺は彼女に浮気がバレたみたいな感じになってんの?)

 

結衣「いろはちゃんのことあいつ呼ばわり?ていうか最近ヒッキー、いろはちゃんと仲良くなりすぎじゃない?」

 

八幡「ぃ、いや、仲良くなんて断じてなっていない。ただ使いっぱしりをさせられてるだけだ」ジリジリ

 

結衣「へぇ、でもヒッキー断らないんだ?」

 

八幡「それはあれだ、俺が原因で生徒会長にさせたんだし。多少はな……」ジリ

 

八幡(後は壁、もう逃げられない……)

 

結衣「最近、ヒッキーいろはちゃんだけじゃなく他の娘とかにもデレデレしすぎじゃない?」

 

八幡「いや、そ、そんなことないぞ?」ズル

 

        ドン!

 

由比ヶ浜の細い腕が俺の行く手を阻まった。

 

そして、耳元で由比ヶ浜が囁いた。

 

結衣「ヒッキーはあたしだけ見ててよ」

 

八幡「ゆ、由比ヶ浜……?」

 

結衣「ぁ……ご、ごめん!ゆきのんにはあたしから言っとくね!じ、じゃあ生徒会のお仕事頑張って!」

 

パタパタ

 

八幡「こ、これが壁ドンか……」

 

ーーー……

 

結衣(あたしの馬鹿馬鹿!ヒッキーに絶対変な奴だって思われた。それにヒッキーの顔があんなに近くに……!う~顔が熱いよ~//)

 

 

生徒会室

 

ー……ぱい!先輩!」

 

八幡「おぉ、なんだ?仕事ならしてるぞ?」

 

いろは「さっきから呼んでるのに無視しないでくださいよー」

 

八幡「ちょっと考え事してたんだよ」

 

いろは「さっきからニヤついて何を考えてたんですかねー……?」

 

八幡「に、ニヤついてにゃんか……」

 

いろは「先輩がそんなに動揺するなんて……ホントに何かあったんですか?」

 

八幡「な、なんでもねぇって……」

 

いろは「先輩、嘘が下手すぎませんか。雪ノ下先輩となにかあったんですか?」

 

八幡「なんで雪ノ下が出てくんだよ。ねぇよ、むしろこれから先もずっと何もないまである」

 

いろは「へぇ、じゃあ結衣先輩と何かあったんですね?」

 

八幡「!? ゆ、由比ヶ浜ともなんもねぇよ……」

 

いろは「ふーん……結衣先輩となんかあったんですか?」

 

八幡「だ、だからなんもな……」

 

いろは「あったんですよね」

 

八幡「い、一色眼が怖いんだが……」

 

いろは「気のせいですよ、それともわたしが嫉妬してるとも言うんですか?ごめんなさい、自意識過剰で気持ち悪いです」

 

八幡「いや、そんなこと言っていないんだが……」

 

いろは「……でも」

 

八幡「?」

 

いろは「……わたし以外の人に先輩がデレデレしてるのは気に入りませんね」

 

八幡(一色がなんか怖い。仕事もあらかた終わったし帰ろう……)

 

八幡「よ、よし。俺の分の仕事は終わったし、俺帰るわ……」ガタッ

 

いろは「まだ、話は終わってません……よ!」グイッ

 

一色に思い切り引っ張られたために床に後頭部を強く打った。

 

八幡「痛て……おい、一色。……一色?」

 

気付けば一色は俺に馬乗りになっていた。

 

       ダンッ

 

一色の腕が俺の顔を掠めた。そして、熱の篭った声で俺に囁く。

 

いろは「先輩がわたし以外にドキドキさせられないように『しるし』付けておきますね」

 

 

こうして、俺の首に小さくて赤い『しるし』が付けられた。

 

ーーー………

 

いろは(~♪ これで、雪ノ下先輩も結衣先輩も先輩はわたしの物だって分かってくれるかな?)

 

八幡(あの後、一色は満足そうな顔で帰っていった。今日は色々あって疲れた、おとなしく帰ろう…)

 

陽乃「あれー?比企谷君じゃん。ひゃっはろー」

 

八幡(今、一番会いたくない人に会ってしまった……。やめて、もう八幡のHPは0よ!)

 

八幡「…………っス」

 

陽乃「あれま、比企谷君。いつもより疲れてるみたいだね」

 

八幡「お察しの通り今日は色々あって疲れたんで帰ってもいいですか?」

 

陽乃「そう言われると帰したくなくなるのが私なんだよねー」

 

八幡(クソッ、ホントにこの人にだけは会いたくなかった)

 

八幡「いや、今日はホントにアレなんで。勘弁してください」

 

陽乃「そこまで拒絶されるといくら私でも悲しくなっちゃうなー」ズイッ

 

八幡「! そ、それ以上近づかないでもらえますか?今日は軽く女性不信な日なんで」

 

陽乃「女の子と何かあったのかな?具体的にはガハマちゃんとか、いろはちゃんとか」

 

八幡「なんでそんな具体的なんですかね……」

 

陽乃「否定しないってことは当たりかな?んー君に何かしそうな人はその二人しか知らないし、雪乃ちゃんと何かあったなら、……されたなら、ここに居る訳ないし」

 

八幡「雪ノ下だったら何をされるんだよ……」

 

陽乃「じゃあ、比企谷君。私、正解したし正解者への景品ちょーだい♪」ズイッ

 

八幡「はぁ?いや、そんな約束してませんし。それに小遣い前なんで財布には20円しか入ってませんよ」

 

陽乃「お金なんかいらないよー」

 

八幡「じゃあ何を……」

 

        ダンッ

 

陽乃「欲しいのは……比企谷君自身かな?」

 

今日一日で女子に何回壁ドンをされればいいのだろうか。

 

八幡「ゆ、雪ノ下さん何を……」

 

陽乃「今日の君は反抗的な眼じゃなくて怯えた眼をしてて……そそられるんだよね」

 

流石に三回目ともなると冷静になれる。塞がれてないほうから脱出→猛ダッシュをすればこの場から逃げられる。

 

陽乃「あれ?比企谷君、もしかして逃げようとか考えてる?それ、無理♪」

 

そう言うと陽乃さんは股の間に足を入れてきた。これでは見動きが取れない。

 

陽乃「これで比企谷君の視界には私しか入らないよね?」

 

そう言って陽乃さんは蠱惑的な笑みを浮かべた。

 

せめてもの反抗として俺はそっぽを向いた。今、目を合わせたら何をされるかわかったもんじゃない。

 

陽乃「へぇ、それで抵抗してるつもり?……あれ、その首にあるのは?」

 

しまった、こっちは一色にキスマークをつけられた方だった。すぐに手で付けられた所を隠すが、もう遅い。

 

陽乃「『こんなもの』で満足しちゃうのは……いろはちゃんかな?子供だなぁ、『こんなもの』付けた所でなんの意味もないのに」

 

そう言って陽乃さんは俺の顎に手をやり強制的に前を向けさせた。

 

陽乃「そういえば、比企谷君って耳が弱いんだっけ?……えいっ」カプッ

 

八幡「!?」

 

陽乃さんは俺の耳を甘噛みしてきた。全神経が耳に集まる、耳が熱くなる、頭が真っ白になっていく……

 

何秒、何分の間されていたのだろう。陽乃さんの唇が俺の耳から離れる頃には俺は何も考えられなくなっていた。

 

陽乃「んー、これ以上は雪乃ちゃんに悪いかな?」

 

 

陽乃「でも次は比企谷君の全部を貰うからね♪」

 

 

陽乃さんが立ち去っても俺はしばらく動けずにいた。

 

ーーー………

 

陽乃(なんでも私のお下がりじゃ雪乃ちゃん可哀想だし今回はこれで我慢するけど、次は……♪)

 

八幡(今日は疲れた、本当に疲れた。こういう日は何も考えず小説でも読もう……)

 

八幡「しまった、今読んでる小説の続き部室に置いたまんまじゃねぇか……」

 

八幡(この時間なら二人共帰ってるよな?)

 

 

ーー部室

 

八幡(あれ?鍵が開いてる……)

 

ガラッ

 

雪乃「あら、今日は来ないと思っていたのだけれど」

 

 

八幡「ゆ、雪ノ下か……。なんでまだ残ってんだよ」

 

雪乃「今読んでるのがいい所なのよ、続きが気になる所で辞めたら気持ち悪いでしょう?」

 

八幡「あぁ、わかるなそれ」

 

雪乃「それであなたは?」

 

八幡「小説の続きを部室に置き忘れたの思い出して取りにきたんだよ」

 

雪乃「私ももう少しで読み終わるしあなたも少し読んで行ったら?紅茶入れるわよ?」

 

八幡「じゃあ……頼む」

 

雪乃「はい、どうぞ」コトッ

 

八幡「あぁ、すまねぇな」

 

雪乃「どういたしまして」

 

ペラッ

 

ペラッ

 

八幡(部室には本のめくる音だけ、この空気悪くないな。今日一日あったことが夢だったかのように落着く)

 

雪乃「そういえば……」

 

八幡「……ん?」スズッ

 

雪乃「由比ヶ浜さんが比企谷君に『壁ドン』をしてしまった。と顔を真っ赤にしながら言っていたのだけど。『壁ドン』とは何かしら?」

 

八幡 ブハッ

 

雪乃「ひ、比企谷君?」

 

八幡「ゴホッゴホッ す、すまん。か、壁ドン?し、知らねぇな」

 

雪乃「その反応は明らかに知っている人の反応なのだけれど……」

 

八幡「し、知らん!わ、悪いが急用を思い出した。帰る!」

 

雪乃「待ちなさい」

 

八幡(帰ろうとする俺の腕を雪ノ下が掴んできた)

 

雪乃「私だけ知らないだなんて不公平ではないかしら?」

 

八幡「世の中知らない方がいいことだって沢山あるだろ」

 

雪乃「そうだとしても私は知りたいのよ。それが私を苦しめるものだとしても」

 

八幡(そうだ、雪ノ下はこういう人間だった……)

 

八幡「……」

 

雪乃「……」

 

八幡「……はぁ」

 

雪乃「教える気になったかしら?」

 

八幡「……こういうのだよ」つスマホ

 

雪乃「これをあなたが由比ヶ浜さんにしたと言うのなら通報している所だったのだけれど、あなたが由比ヶ浜さんにされたというのなら何も言えないわね。……あなたが憐れで。」

 

八幡「……言うな、解ってるから」

 

雪乃「あなた仮にも男子なのでしょう?これを女子にされるって……」

 

八幡「だあぁ!辞めろ!いつもみたいにバッサリ言えよ。チマチマ心に刺さる暴言はやめてください、お願いします!」

 

 

雪乃「あなた暴言を浴びたいだなんてやっぱりマゾヒストなの?」

 

八幡「違…はぁ、もういい。由比ヶ浜と一色に雪ノ下さんになけなしの男とプライドを傷つけられ、そこにおまえにまで精神削られたら引き篭もりになりかねん」

 

雪乃「なぜそこで一色さんと姉さんが……。!? まさかあなた……」

 

八幡「やべっ……」

 

雪乃「あなたの首についてる不自然な虫刺されの後と歯型のついた耳はどうしたのかと聞こうと思っていたけれど。すべて合点が言ったわ」

 

八幡 「くっ……」

 

 

耳の歯型なんてよく気づいたな

これがヤンデレ力か…

 

 

八幡「察しの通りだ。一色にこれを付けられ、雪ノ下さんには耳を甘噛みされた。俺のなけなしの男のプライドもズタボロだ」

 

雪乃「……」

 

八幡「じゃあ……またな」

 

雪乃「……待ちなさい。比企谷君」

 

八幡「なんだ?」

 

 

雪乃「私に壁ドンをしなさい」

 

八幡「何言ってんだ、おまえ」

 

雪乃「あなたは女子三人に迫られてあなたのゴミみたいなプライドがカスのようなプライドになってしまったと言ったわね?」

 

八幡「いや、そんなことは一言も言ってない」

 

雪乃「ならそのクズのようなプライドを取り戻すには女子に迫ればいいのでしょう?なら私のような美少女に壁ドンできたとするならばそれは一生の記念になる。そうでしょう?」

 

八幡「おまえよくそんな穴だらけの理論でドヤ顔できるな……」

 

雪乃「ほら、早くしなさい」

 

八幡「俺の話を聞けよ」

 

雪乃「つべこべ言わずに早く」ズイッ

 

八幡「いや、なんで壁ドンしろと言いつつ俺が壁に追い込まれてんだよ」

 

そうして雪ノ下は一歩、また一歩と歩みより俺はその分後退した。

 

八幡「おい、そろそろ質の悪い冗談はよせ」

 

雪乃「あなたこそいい加減観念したらどう?……なんとも思っていない異性に私がこんなこと言うとでも?」

 

八幡「は?な、何を言って……」ガッ

 

後ろは壁、逃げようがない。今日で何回目のシチュエーションだろう。

 

雪乃「捕まえたわよ」

 

そう言うと雪ノ下は俺のネクタイを掴みターンをした。

 

八幡「うぉっ……」

 

俺と雪ノ下の位置が入れ変わる。だが、勢いが付きすぎだ。このままじゃ雪ノ下に頭突きすることになってしまう。

 

        ダンッ

 

雪乃「ふふっ、やれば出来るじゃない」

 

雪ノ下に当たらないようにと俺は壁に手を付いた。この状況を誰かに見られたら俺が雪ノ下に壁ドンをしているように見えるだろう。

 

八幡「おい、今のは大分危なかっただろ」

 

雪乃「あら、あなたなら私に傷を付けるなんて真似は絶対にしないと確信していたもの。計算の上よ」

 

俺と雪ノ下の距離はあまりにも近すぎる。これは精神衛生上よろしくない。

 

八幡「……はぁ、いい加減ネクタイを離せ」

 

雪乃「まだよ、よく出来た子には『ご褒美』をあげないと」

 

八幡「そんなの要らん。だから、離……」グイッ

 

雪ノ下にネクタイを引っ張られ俺と雪ノ下は……

 

     ーーチュッ

 

……口付けを交わした。

 

雪乃「んっ……」

八幡「ンッ!?」

 

雪乃「どうだったかしら?私の初めてのキス、最高の『ご褒美』でしょう?」

 

八幡「お、おおお前!な、なにを……」

 

 

ガラガラッ

 

平塚「おーい、雪ノ下いい加減に鍵を返し……し、失礼した!」

 

 

雪乃「そういえばもうとっくに鍵を返す時間だったわね、さ、早く出てちょうだい。鍵を返しにいけないわ」

 

八幡「お、おぉ…。いや、そうじゃなくて」

 

雪乃「じゃ、鍵を返しに行くから。……比企谷君、また明日」ガチャ

 

タッタッタッ

 

八幡「行っちまった……。あの雪ノ下が俺を?いや、そんな……」

 

ーーー………

 

雪乃(ついに比企谷君としてしまったわ……今まで馬鹿にしてたけどこういうのも悪くないわね//)

 

 

 

ーーーおまけ

 

 

 ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

材木座「八幡に出来上がったプロットを見てもらおうとしただけなのになぜ行く先々で八幡は女子に迫られている!うらやま……けしからん!」ドンッ!ドンッ!

 

 

 ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!

 

平塚「比企谷君と雪ノ下め、青春という言葉から一番遠い位置にいる二人だと思っていたのに!私に見せつけおって!結婚したい!結婚したーい!!」ダンッ!ダンッ!

 

 

やはりこんな壁ドンは間違っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

八幡「壁ドン?」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417018947/