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いろは「先輩って彼女いるんですか?」八幡「いるけど」 いろは「は?」【俺ガイルss/アニメss】

 

いろは「先輩……、今付き合ってる人って……いますか?」

 

八幡「いるけど」

 

いろは「は?」

 

いろは(え、ちょっと待って。なに、この人付き合ってる人とかいるの? さっきまでそんなそぶり見せませんでしたよね? 今の状況(部室)でそんなこと言っちゃってもいいんですか? っていうか、この人と付き合う人とかどこの物好きなんですかね……)

 

 

由比ヶ浜「…………」ソワソワ

 

いろは(居たよ……物好き居たよ。え、けどちょっと待ってくださいね。雪ノ下先輩も先輩のこと好き……だったような)

 

いろは「……」チラッ

 

雪ノ下「…………」ソワソワ

 

いろは(え、ちょっと待って。私、落ち着いて。うん、落ち着いて? うん、落ち着いた。いや、落ち着いてないから! 全然、落ち着いてないから! なんで二人とも同じ反応してるんですかね? なに、全然わかんないんだけど)

 

 

いろは「……ええと、あのーちなみにそれは誰なんですかー?」

 

八幡「それはだな――」

 

(扉の開く音)

 

平塚「私だ」

 

いろは(えええええええ!? いやっ、お前かよ! っていうか、先生と生徒付き合っちゃうんですか!? それ、言っちゃってもいいんですか!? いや、ダメでしょ!)

 

いろは「…………え、ちょっとよくわかんないんですけど」

 

八幡「正直、俺もよくわからん。……だが、それも人生だ」

 

いろは「は? 先輩、マジで何言ってんですか?」

 

いろは(じゃあさっきの結衣先輩と雪ノ下先輩のやりとりってなんだったの……)

 

いろは「……」チラッ

 

由比ヶ浜「」

雪ノ下「」

 

いろは(ダメだった―! これもう完全に意識手放してるよ! 雪ノ下先輩、紅茶が口からダダ漏れですよ! 結衣先輩も携帯床に落としてますよ! 露骨ですよ! もしかして、二人とももう既に自分と付き合ってるとか思っちゃってたやつですか。お互い、考えてること一緒とかどれだけ仲良いんですか……)

 

 

いろは「えと、あのー。それって、大丈夫なんですか……。先生と生徒とか……」

 

いろは(かくなるうえは、倫理問題に発展させれば……あるいは……)

 

平塚「それは心配ない。私は、今年度で現役を引退するからな」

 

八幡「奉仕部も今年度までということだ」

 

いろは(すごいあっさり! いや、なんでそんなにあっさりしちゃってんですか! 奉仕部終わっちゃうんですけど!)

 

いろは「……」チラッ

 

由比ヶ浜「あ、そう言えばあたしヒッキーのこと好きなんだー」

 

八幡「おう、そうか」

 

いろは(結衣先輩、今更すぎますって! しかもタイミングも全く無視じゃないですか! しかも先輩も何ですかその反応! 「洗濯物取り込んでおいたよ」の返し位すごい適当!)

 

雪ノ下「ダージリンアッサムニルギリウヴァディンブラヌワラエリヤキャンディールフナキーマンケニアジャワラミンジョルジリゼギャル」

 

いろは(雪ノ下先輩に至っては、さっきから呪文唱えてますけど……。怖いよう……いろは怖いよう……)

 

平塚「とりあえず、私は帰らせてもらうよ。……比企谷、またあとでな」

 

八幡「ああ」

 

いろは(なんかすごい通じ合っちゃってる! 晩婚夫婦みたいなんですけど! 歳の差! 年の差考えて!)

 

(平塚先生が颯爽と部屋を出ていく)

 

いろは(あー、やばい沈黙がすごい。いやたしかに聞いたの私ですけど。変化球過ぎて大暴投ですよ。キャッチャー拾えてませんよ)

 

いろは「あ、あのー。先輩、私そろそろ……」

 

八幡「ん? おう、それじゃあな」

 

いろは(もう、さわらぬ神に祟りなしってやつですよ……。この空気には耐えられない……)

 

由比ヶ浜「ヒッキー……さっきのどういうこと?」

 

いろは(ちょっと結衣先輩なにぶっこんでるんですか! やめてください! 修羅場は私が帰ってからしてください!)

 

八幡「あのまま受け取ってもらえればいい」

 

雪ノ下「そうよ、比企谷くん。私たち、付き合ってるというのに」

 

いろは(事実を捻じ曲げてきたよ! 雪ノ下先輩、無茶はやめてください!)

 

八幡「は? 何言ってんの? 付き合ってないんだけど」

 

いろは(正論で返しちゃったよ! 選択間違えちゃってますよ? うん、初めからいろいろ選択間違えちゃってますけど)

 

雪ノ下「ダージリンアッサムニルギリウヴァディンブラヌワラエリヤキャンディールフナキーマンケニアジャワラミンジョルジリゼギャル」

 

いろは(雪ノ下先輩……また、自分の世界へ……。うん、もうほっとこう)

 

いろは「っていうかーなんで平塚先生なんですか?」

 

いろは(そこ、すごい重要ですよね)

 

八幡「んー、まあ成り行きだな」

 

由比ヶ浜「成り行きなんて……そんなのダメだよ、ヒッキー」

 

いろは(おお、結衣先輩攻めますね……)

 

八幡「ああ、でもそれも最初だけだ。今、俺たちは本物なんだ」

 

由比ヶ浜「本物……」

 

雪ノ下「本物……」

 

いろは(いや、本物っていう言葉に説得されすぎですから! そんなに説得力ないですから!)

 

いろは「で、でもいつかそれも無くなっちゃったりしてー……とか」

 

八幡「そのときは、またリペアすればいい」

 

いろは(うわー……なんだかすっごい玉なんとかさんの顔がチラついてきてるんですけど。むしろ顔よりもろくろまわす手がちらついてるまであります)

 

八幡「話は済んだか? ……今日はもう先に帰らせてもらうぞ。先生も待ってるしな」

 

先輩はそう言って、部室を出ていった。

 

 

かくして、年度末に奉仕部は解体された。

そして、卒業後すぐに先輩は平塚先生と結婚した。

――雪ノ下先輩と結衣先輩のその後について、私の知るところはなかった。

 

―――――

―――

――

 

いろは「……すっごい嫌な夢を見た」

 

その日、一色いろはは軽率な態度をとる自分の性格について深く反省した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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