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平塚「ずっと好きだったんだがな….」【俺ガイルss/アニメss】

 

平塚「私が比企谷にこだわる理由?」

 

結衣「そうそう、なんか先生って私達と比べてもヒッキーだけ厳しいっていうか優しいっていうか」

 

雪乃「そうね、私達の勝負も比企谷君に軍配が上がっているようだし」

 

八幡「………」(俺はどちらかというと聞きたくない。なぜなら先生がまた無理難題を吹っかける可能性があるからだ)

 

平塚「それはだな…」

 

結衣「それは?」

 

平塚「高校の時好きだった男と比企谷が似ているからだ」

 

八幡「ぶふっー!!」

 

結衣「うわっ!どしたのヒッキー!」

 

八幡「……」(思わずお茶を吹き出してしまった)

 

雪乃「汚いわ。早く拭いてくれるかしら?」

 

八幡「すまん…」

 

結衣「へぇ~そんな理由だったんだ。何か普通」

 

八幡(え?普通なの?)

 

平塚「ちょっとタイプは違うんだが、そいつも何かと捻くれてるというか危なっかしいというか…傷を1人で背追い込む所があってだな」

 

結衣「先生そっちのヒッキーとは付き合ってたんですか!?」

 

八幡「そっちのヒッキーってなんだ」

 

雪乃「こっちが比企谷なのだからそっちは比企山にしましょう。呼び分けのために」

 

八幡「適当過ぎんだろ」

 

雪乃「仕方ないわね。なら貴方がダメ谷君でそっちが比企谷君にしましょう」

 

八幡「あれ?俺名前乗っ取られてません?俺の名前はLINEのアカウントか何かなの?」

 

雪乃「ならいいじゃない。LINEのアカウントが乗っ取られても貴方は全く困らないでしょう?」

 

結衣「比企山(仮名)さんとは付き合ってたんですか!?」

 

八幡「結局それでいくんだな」

 

平塚「付き合ってはなかったぞ。高校2年で同じクラスになってな。最初は歪みあったりしてケンカもしたんだが…いつの間にかそいつの背中ばかり見ていた」

 

平塚「ずっと好きだったんだが勇気が出なくて告白できずに卒業してしまってな。それっきりだ」

 

結衣「うわぁ~何かすごく切な~い」

 

雪乃「まともな恋愛エピソードもあったんですね。意外です」

 

平塚「雪ノ下に奉仕部部長としてトイレ掃除1週間をお願いしたいんだが?」

 

雪乃「失言でした。すみません気を付けます」

 

八幡「」(平塚先生は性格こそ面倒くさいが美人だ。高校の時もさぞかし美少女だったろう、そんな彼女に勘違い…いや、実際は勘違いではなかったが青春ラブコメに惑わされなかった比企山くんはすごいと思うよ。うん、尊敬するまである)

 

平塚「ちょっと待てよ…」

 

結衣「?」

 

平塚「今私は\ピー/歳で…大学卒業が\ピー/年前だから…」

 

平塚「え……高校時代が\ピー/年前?……やだもう……結婚したい…」

 

八幡(なんだか1人で時間の流れにブツブツ言ってる!今からでも遅くないから早く迎えに来てあげてもう1人の俺!)

 

八幡(なんだか1人で時間の流れにブツブツ言ってる!今からでも遅くないから早く迎えに来てあげてもう1人の俺!)

 

結衣「比企山さんに連絡取ってみたらいいじゃないですか!」

 

平塚「え?」

 

雪乃「連絡先などは知らないんですか?」

 

八幡「もういいだろ…人の過去なんかとやかく言うもんじゃねぇんだよ。おせっかいだ」(由比ヶ浜のことだから比企山を探そうとか言い出しかねん)

 

結衣「あ!わかった!ヒッキーヤキモチ妬いてるんだー!」

 

八幡「は?」

 

雪乃「男の嫉妬は醜いわよ。比企谷君に限り輪をかけて気持ちが悪いわ」

 

八幡「何故俺に限る」

 

平塚「比企谷の言う通りだ。連絡先も調べることはできるかもしれんが昔の話だからな」

 

結衣「でも…」

 

平塚「君達が悔いの残らんように学校生活を送ってくれれば教師として私はそれで充分だ」

 

雪乃「平塚先生がそう言うのなら」

 

八幡(あー助かった)

 

平塚「あ、そうだ!人の過去を詮索した罰として君達にトイレ掃除を依頼する。頑張りたまえ」

 

結衣「うえ~」

 

八幡「俺は関係ないんですが」

 

平塚「ではさらば」

 

結衣「何で私達がトイレ掃除なんか…」ゴシゴシ

 

八幡「お前が余計なこと聞くからだろーが」

 

雪乃「元々コレを言いに奉仕部に来たんでしょうけどね。どの道この道トイレ掃除は避けられなかったと思うわ」

 

結衣「平塚先生が言ったみたいにさ…私達も卒業して進学したら変わっちゃうのかな」

 

八幡「そりゃな…いつまでもこのままってことはねーだろ。別に悪いことでもねぇし小学中学と今までもそうだっただろ」

 

雪乃「さっき言われたじゃない。悔いを残さないようにと」

 

雪乃「社会人になっても奉仕部だった過去が消えるわけでもないのだし、私達の進路がそれぞれ違ってもその選択に悔いを残さなければそれでいい話なのだから」

 

八幡「だそうだ、納得したか?」

 

結衣「よくわかんないけど私達はずっと仲良くしてられるといいなって思う!」

 

雪乃「ふふっ、そうね」

 

八幡「だな」

 

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高校の時の私は奉仕部のような部活動を2人で行っていた。

 

比企山(仮名)「うっす」

 

静(18)「おっす」

 

比企山「う~…寒いな…」

 

静「雪降ってるしね」

 

比企山「こんな寒い日なんかに依頼しに来るヤツなんか居ないだろうし今日は帰ろうぜ。運動部も休みだし」

 

静「依頼来るかもしれないじゃん、それにアンタは寒かろうが温かろうがいつも帰りたがるし」

 

比企山「無駄なことはしない質でな」

 

静「ただ単に面倒くさいだけでしょ」

 

比企山「心外だな。俺は必要とあればクソ寒い朝でも開店前の店に2時間並ぶ男だ」

 

静「それって、この前買ったプレステ2の話でしょ。無駄じゃん」

 

比企山「何を無駄として何を有意義とするかは個人の価値観によるだろ」

 

静「なんでもいいけどそれ社会じゃ通用しないからね」

 

比企山「うわぁ…働きたくねぇ…」

 

いつも通りの風景だったがこんな話がしたいんじゃなかった。

 

静「今日ってさ…アレだよね。2月14日だよね」

 

我ながら話の変え方が下手だと思った。

 

比企山「あぁ、世間ではバレンタインだなんだとうるさいな」

 

静「あの…さ…

 

丸2年の付き合いだしチョコを渡すくらいなんでもないって前の日の晩は自分に言い聞かせたな。

 

比企山「無駄と言えばバレンタインも無駄を極めたような行事だよな」

 

静「え?」

 

比企山「考えてみろ。手作りチョコと呼ばれる物を」

 

比企山「買ったチョコを刻んで溶かして固める一連の行為が無駄だろ。味は劣化するし」

 

静「いや…でもそういうのは気持ちが…大事なんじゃないかなぁ…」

 

刻んで溶かして固めて何が悪いこのスカタンめ。思い出したら腹が立ってきた。

 

比企山「しかも悪質な女は大量生産したクッキーを配り散らした挙句ホワイトデーなるものに不釣り合いな見返りを要求するらしい」

 

静「バレンタインに何か怨みでもあるの?」

 

比企山「いや、べつに……」

 

静「そう」(その言い方はあるんだな)

 

静「お茶入れるけど何か飲む?」

 

比企山「コーヒーを」

 

お茶受けにさらっとチョコを出してしまえ!っと思ったが、作ったチョコはハート型で「○○くん好き」とか書いてあることを思い出してやめたんだったな。

 

静「どうぞ」

 

比企山「いつも自分でやれって言うのに珍しいな」

 

静「たまにはね、ていうかなんだかんだ言ってもいつも淹れてあげてるじゃん」

 

比企山「そうだっけ」

 

静「恩知らずめ」

 

静「依頼来ないね」

 

比企山「だから来ないっつったろ」

 

静「でも職務放棄できないし」

 

比企山「雪も止まねーし帰ろうぜ。積もると危険だろ。めんどくせーし」

 

静「そうだね。依頼も無いし今日は終わろっか」

 

比企山「ふぅ…」

 

静「あのさ…」

 

比企山「ん?」

 

静「早く終わるしどっか遊びに行かない?」

 

比企山「えー、ヤだよ」

 

比企山「今日とかどこ行ってもカップルだらけだし、めんどくせーし」

 

静「……」(せっかく勇気出して誘ったのにこの男は……)

 

せっかく人が誘ったってのにあの男は…。

 

静「めんどくさいって言い過ぎ。だから友達居ないんじゃん」

 

比企山「友達は居るぞ!誹謗中傷はやめろ!」

 

比企山「それにどこ行くつもりか知らねーけど雪積もって電車だのバスだの止まったら困るだろ。歩いて帰れるうちに帰ったほうがいい」

 

静「……じゃあ、そうする」

 

比企山「じゃ、おつかれー」

 

静「……」(ふんだ!ふんだ!あのバカ!スカタン!もう知らない!)

 

比企山「平塚」

 

静「わっ!ビックリした…」

 

静「アンタ帰り道こっちじゃないでしょ」

 

比企山「送ってってやるよ」

 

静「余計なお世話」

 

比企山「傘もささずに帰るお前が悪い」

 

チョコのことに気を取られ過ぎて傘持って来るの忘れたんだったな。

 

比企山「風邪ひくぞ。ちゃんと入れよ」

 

静「うん…」(なんか言い方が彼氏みたいでムカつく…)

 

比企山「お前が休むと依頼が俺1人に回ってきて困る。無理して学校来て感染されたら更に困る」

 

静「」(動機が不純)

 

そんなこと言いながら自分の肩がはみ出て雪で濡れてるのに気付いてるのか気付いてないのか。色々とわからんヤツだったな。

 

比企山「もうすぐ卒業だな」

 

静「後輩が居ないからウチの部は無くなるね」

 

比企山「しゃあねぇだろ、好き好んで人助けなんて流行らねーよ」

 

静「どんな仕事したいとか決まってんの?」

 

比企山「専業主夫

 

静「それまだ言ってんの?諦めて仕事しろ」

 

比企山「うるせぇな。お前はどうなんだよ」

 

静「私は…教師になりたい」

 

比企山「お前が?いやいや無理無理。お前すぐ手が出るタイプだろ」

 

静「ふん!!!」

 

比企山「ぐぉぇ…」

 

静「せっかく今日は拳は封印しようと思ってたのに」

 

比企山「ほらすぐ手が出るでしょこの子…」

 

静「うるさい!教師になるったらなる!」

 

今思えばこの時チョコを渡せばよかった。親しい人間にチョコを渡すだけの事にこんなに悩む高校生の私かわいい。

 

比企山「なるのはいいけど生徒殴ってクビになるなよ?お前が先生になる頃のPTAとか今の数倍パワーアップしてるだろ」

 

静「そんなに殴ったりしてないし」

 

比企山「俺はいつも殴られてるんですけど?」

 

静「アンタは別」

 

比企山「さいですか…」

 

静「もうすぐ着くからここまでいいや」

 

比企山「そうか、滑って転ぶなよ」

 

静「アンタもね」

 

比企山「おう」

 

静「ねぇ!」

 

比企山「なんだ?」

 

静「………」

 

静「やっぱなんでもない…」

 

比企山「なんだよ…」

 

比企山「じゃあな」

 

静「うん、気を付けて」

 

こればっかりは私の青春ラブコメが間違った瞬間だった気がする。

 

静「そのあと家に帰って自分で手作りチョコを貪ったんだ」

 

八幡「そっちの俺はロックですね…」(俺なら誘われた時点で勘違いしてた。そのまま告白しちゃうまである)

 

静「卒業式の日に言おうって決意したのに…」

 

八幡「決意したはいいけど卒業式の日も結局言えず終いだったんです。わかります」

 

静「焼酎おかわり!!」

 

八幡「先生飲み過ぎじゃないんですか」

 

静「うるさい!お前も飲め!」

 

八幡「いや、俺未成年だから…」(この人酒飲ませたらいかん人だな)

 

静「私の酒が飲めないってのか?良い度胸だ」

 

八幡「酒臭っ!ていうかあんまり酔われると困るんですけど」

 

静「だいじょーぶ!だいじょーぶ!迎えが来るから!」

 

八幡「はぁ、それでも飲み過ぎはいかんでしょ」

 

静「うるさいなぁ」

 

八幡「」(バレンタインデーにラーメン屋と居酒屋に教え子連れ回してる人を迎えに来るってどんなヤツだよ…そいつとラーメン屋行けよ。男ならついでに貰ってあげて!)

 

静「そろそろ出るか…」

 

八幡「千鳥足になってますよ。ベロンベロンじゃないですか」

 

静「あいつまだ来てないのかー」

 

八幡「本当に迎えなんか来るんですか?」(送ってくしかないか…)

 

???「おっ、居た居た」

 

八幡「?」

 

???「そのへべれけ女迎えに来たんだけど」

 

八幡「あ、お願いします」

 

???「よっこいしょっ、もしかして君が比企谷くん?」

 

八幡「はい」

 

???「こいつが嬉しそうに君の話してたよ」

 

八幡「その先生は依怙贔屓を容認してますからね」

 

???「ふっ、お互いこいつに殴られるもん同士苦労するな」

 

八幡「まったくです。やめるように言ってもらえませんか?」

 

???「無理だな。まぁなんだ、学校でもこのバカをよろしくな」

 

八幡「じゃあ俺はこのへんで…」

 

???「車で送るけど?」

 

八幡「家近いんで大丈夫です」

 

???「そうか、じゃあ気を付けてな」

 

八幡「はい」

 

八幡「」(良い人が居るんじゃないですか。10年早く生まれたかったって思ってたけど、やっぱ大人は嘘つきですね)

 

???「まったく、教え子連れ回して飲んじゃねーよ」

 

静「アンタが来れないって言うから…」

 

???「この前連絡してきて10年ぶりに会ってみたらホントに教師になってたとはな」

 

???「比企谷くんのことあんまり殴るなよ」

 

静「ばか…」

 

???「バカはお前だろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

平塚「私が比企谷にこだわる理由?」

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