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アスカ「いやぁ……ゆるして……私……私がわるいの……」 シンジ「アスカ….」 【エヴァss/アニメss】

 

葛城宅 

 

アスカ「ちょっと、バカシンジ」 

 

シンジ「なに?」 

 

アスカ「こんな高カロリーなものダイエット中の私が口にするわけないでしょ、下げて」 

 

シンジ「でも、もう作ったし……」 

 

アスカ「なに?文句でもあるわけ?」ギロッ 

 

シンジ「な、ないけど……」 

 

アスカ「早く作り直してね。部屋で待ってるから」 

 

シンジ「う、うん」 

 

ミサト「……」

 

シンジ「もう、アスカは我侭なんだから……」ブツブツ 

 

ミサト「しーんちゃん」 

 

シンジ「はい」 

 

ミサト「ちょっとアスカにあまいんじゃない?」 

 

シンジ「ミサトさんはちゃんと食べてくださいね」 

 

ミサト「食べるけど。それより、シンちゃんはこのままでいいの?」 

 

シンジ「なにがですか?」 

 

ミサト「アスカ、シンちゃんの優しさに付け込んでドンドン女王様になっていってるわよ?」 

 

シンジ「まぁ、確かに……」 

 

ミサト「ここらでガッツンと言わないと」 

 

シンジ「でも、いつも口喧嘩だと負けるし……」 

 

ミサト「そっかぁ」 

 

シンジ「……」

 

ミサト「じゃあ、腕力で」 

 

シンジ「それは流石に」 

 

ミサト「勿論、直接殴ったりしちゃダメ」 

 

シンジ「え?」 

 

ミサト「次、アスカが我侭言ってきたら、こう―――」 

 

ミサト「……」バンッ!! 

 

シンジ「ひっ」 

 

ミサト「無言でテーブルとかどっかを思い切り叩いてみたら?」 

 

シンジ「そんなことしてもアスカは怒ると思いますけど」 

 

ミサト「そこで「なんか文句あるのぉ?」とか言われたら、「別に」って言っておけば大丈夫よ」 

 

シンジ「そんなこと……」 

 

ミサト「まぁまぁ、大喧嘩になりそうになったら私がとめたげるし」 

 

シンジ「わ、わかりました」

 

シンジ「アスカー」 

 

アスカ「なに?できたの?」 

 

シンジ「やっぱり、これ食べてよ。もったいないし」 

 

アスカ「あんたバカぁ?ダイエット中だって何回言ったらわかるの?」 

 

シンジ「でも……」 

 

アスカ「でももテロもないの。早く作り直して」 

 

シンジ「アスカ……」 

 

アスカ「……なによ?」 

 

シンジ「……っ」バンッ!! 

 

アスカ「……!?」ビクッ 

 

アスカ「え……?」ドキドキ 

 

シンジ「アスカ、やっぱり食べてよ」 

 

アスカ「だから―――」 

 

シンジ「……」バンッ!!! 

 

アスカ「ひっ」ビクッ

 

シンジ「勿体ないだろ?」 

 

アスカ「し、しつこいわね……た、食べないって言ってるでしょ?」 

 

シンジ「なんでそんなこと言うんだよ」 

 

アスカ「ダイエット中なの」 

 

シンジ「ちゃんとカロリーのことは……考えてるよ」 

 

アスカ「嘘ね。そんなの気にしたことないでしょ、アンタ?」 

 

シンジ「作ってるのは僕だろ」 

 

アスカ「シェフならきちんと私の意見を聞きなさい」 

 

シンジ「僕はアスカのシェフじゃないよ」 

 

アスカ(なによ、こいつ。今日はやけに食い下がるわね……) 

 

シンジ「ねえ、アスカ。食べてよ」 

 

アスカ「嫌だっていってるで―――」 

 

シンジ「……」バンッ!!!! 

 

アスカ「……っ」ビクッ 

 

シンジ「……はぁ、分かった。作り直すよ」 

 

アスカ「そ、そう……」 

 

シンジ「……15分ぐらい待ってて」 

 

アスカ「低カロリーよ。低カロリー」 

 

シンジ「うん」 

 

アスカ「……」 

 

アスカ(びっくりした……) 

 

 

ミサト「ダメ?」 

 

シンジ「はい。もういいですよ。作りますから」 

 

ミサト「ちょーっとまったぁ!」 

 

シンジ「なんですか?」 

 

ミサト「豆腐だけ出してみましょう」 

 

シンジ「豆腐だけですか?流石にアスカ、怒るんじゃぁ」 

 

ミサト「いいからいいから。私がアスカの反応をみてあげるー」

 

シンジ「アスカー、できたよー」 

 

アスカ「あら、早いじゃない。感心感心♪」 

 

シンジ「どうぞ」スッ 

 

アスカ「なにこれ?」 

 

シンジ「絹ごし豆腐。しょうゆと生姜はお好みで」 

 

アスカ「ちょっと!!私に死ねっていってるの?!」 

 

シンジ「でも、低カロリーがいいって」 

 

アスカ「低カロリーすぎるでしょ!!そこまで必死にダイエットしてないの!!」 

 

シンジ「だけど……」 

 

アスカ「大体、手を抜きすぎ!!こんなの栄養も偏るし―――」 

 

シンジ「……」バンッ!!!!! 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

シンジ「食べないの?」 

 

アスカ「だ、だから、ちゃんとしたやつ作りなさいよ」 

 

ミサト「……」

 

シンジ「だったら、こっちを食べてよ」 

 

アスカ「だから、こっちは高カロリーでしょうが」 

 

シンジ「アスカ。我侭だね」 

 

アスカ「アンタが無能なの―――」 

 

シンジ「……」バンッ!!!!!! 

 

アスカ「……っ」ビクッ 

 

シンジ「そもそもダイエットなんてしなくてもいいと思うけど」 

 

アスカ「バカシンジには分からないの」 

 

シンジ「……」バンッ!!!!!! 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

アスカ「……ちょっと、太ったから体重を調整するためよ!!それが理由!!これでいいでしょ!?」 

 

シンジ「そうなんだ……」 

 

アスカ「な、なんでダイエットの理由をいちいち言わないといけないのよ……」 

 

ミサト「……」

 

シンジ「で、食べないの?」 

 

アスカ「……た、たべない」 

 

シンジ「そっか……なら仕方ないな……」 

 

アスカ(ほっ) 

 

シンジ「……」バンッ!!!!!!!! 

 

アスカ「ひぃっ」ビクッ!! 

 

シンジ「何がいいの?」 

 

アスカ「……もういいわよ!!そこまでいうなら食べる!!それでいい!?」 

 

シンジ「え?でも、いらないんじゃ……?」 

 

アスカ「明日!!明日からダイエットすることにしたの!!文句ある?!」 

 

シンジ「うん。ありがとう」ニコッ 

 

アスカ「……」モグモグ 

 

ミサト「……ふーん」 

 

ミサト「シンちゃーん。おびーるとおつまみー」 

 

シンジ「はーい」

 

アスカ「ご、ごちそうさま!!」 

 

シンジ「おかわりは?」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「アスカ?」 

 

アスカ「い、いらない……わ、よ……」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……」ゴクッ 

 

シンジ「わかった。じゃあ、残った分は明日食べて」 

 

アスカ「……うん」テテテッ 

 

シンジ「……」 

 

ミサト「おつかれー」 

 

シンジ「……手がいたい」 

 

ミサト「やりすぎな気もしたけど、まぁいい感じねぇ」 

 

シンジ「そうですね。アスカ、食べてくれたし」 

 

ミサト「でも、このまま慣れてもらっても困るわよねぇ……」

 

シンジ「なれるって?」 

 

ミサト「いや。普段温厚なシンちゃんが急にやったからアスカもびっくりしただけで、何回もすると慣れちゃうでしょ?」 

 

シンジ「確かに」 

 

ミサト「ここはアレね。これからは本当にたまーにしましょう」 

 

シンジ「でも、加減というかタイミングがよくわかりません」 

 

ミサト「基準かぁ……」 

 

シンジ「我侭を言ったときにしちゃうと、アスカの心よりも先に僕の手の骨が折れると思うし……」 

 

ミサト「じゃあ、こういうのはどう?」 

 

シンジ「なんですか?」 

 

ミサト「アスカが一定回数我侭を言ったら、バンっ!ってする」 

 

シンジ「その回数は?」 

 

ミサト「それはシンちゃんがその都度、決めたらいいんじゃない?一度、叩いたら次は五回までオッケーとか」 

 

シンジ「完全にランダムにするんですね」 

 

ミサト「そうそう。でも、1回とか2回はなるべく避けたほうがいいかもね。毎度10回前後ぐらいがいいかも」 

 

シンジ「なるほど」

 

 

アスカ「……」トコトコ 

 

シンジ「……アスカ、コーヒーいる?」 

 

アスカ「も、もうねるから、いらない」 

 

シンジ「そう」 

 

アスカ「それぐらいわかるでしょ?」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……なによ?」 

 

シンジ「ううん。おやすみ」 

 

アスカ「……はぁ……」トコトコ 

 

シンジ(これ、一回にカウントしていいのかなぁ……) 

 

シンジ「……」 

 

シンジ(よくわかんないし、カウントしとこう) 

 

シンジ(今回は無難に10回我侭を言ったらにしておこうかな)

 

 

翌朝 

 

シンジ「アスカー、朝だよ」 

 

アスカ「あとごふん……」 

 

シンジ「だめだよ。早く起きないと」ユサユサ 

 

アスカ「もう……昨日は良く眠れなかったんだから、寝かせて!!」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「あ……」 

 

シンジ「分かった。それじゃあ、10分後に起こしに来るから」 

 

アスカ「う、うん……」 

 

アスカ(な、なんだ、いつものバカシンジじゃない) 

 

アスカ(よかった……よかっ―――) 

 

アスカ「すぅ……すぅ……」

 

 

リビング 

 

ミサト「それじゃあ、先に出るから戸締りよろしくねー」 

 

シンジ「わかりました」 

 

アスカ「……」モグモグ 

 

シンジ「さ、洗い物しないと」 

 

アスカ(昨日は不機嫌だっただけみたいね) 

 

アスカ(全く、びっくりさせないでよ) 

 

シンジ「……」ジャブジャブ 

 

アスカ「ごちそうさま」 

 

シンジ「アスカ、お皿こっちにもってきて」 

 

アスカ「そ、そんなのアンタがやればいいでしょ?」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「うん。そうだね。アスカは登校の準備してきてよ」 

 

アスカ「え、ええ……」

 

 

通学路 

 

シンジ「昨日さ、頼まれごとがあったから綾波の家に行ったんだ。そしたらお茶を淹れてくれたんだ」 

 

アスカ「ふーん」 

 

シンジ「聞いてる?」 

 

アスカ「アンタの話なんてこれっぽっちも面白くないから、聞いてない」 

 

シンジ「そっか。ごめん」 

 

アスカ「あんた、ばかぁ?それぐらい話す前に気がつきなさいよ。聞かされる身になって」 

 

シンジ「ごめん」 

 

アスカ「じゃあ、ほら、カバンもって」 

 

シンジ「え?なんで?」 

 

アスカ「重いの。他に理由がある?」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……重いのよ」 

 

シンジ「うん。持つよ」 

 

アスカ(よし。いつものシンジね)

 

 

学校  

 

シンジ「おはよう、綾波」 

 

レイ「おはよう」 

 

シンジ「これ、今日のお弁当」 

 

レイ「ありがとう」 

 

アスカ「……ちょっと、バカシンジー?」 

 

シンジ「なに?」 

 

アスカ「ジュース買ってきて」 

 

レイ「……」 

 

シンジ「自分でいけばいいじゃないか」 

 

アスカ「私に意見するなんて10億年はやいのよ!!バカシンジのくせにぃ!!」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「ほら、お金は渡すから」 

 

シンジ「分かったよ」トボトボ 

 

アスカ(そうそう。シンジはこうでないと)

 

 

昼休み 

 

トウジ「せんせー、飯にしようや!!」 

 

シンジ「うん」 

 

レイ「……」トテトテ 

 

シンジ「綾波、一緒に食べない?」 

 

レイ「え?いいの?」 

 

ケンスケ「どうぞどうぞ」 

 

レイ「じゃあ、碇くんの隣でいい?」 

 

シンジ「座って」 

 

レイ「じゃあ、失礼します」 

 

トウジ「ええなぁ!せんせーは嫁がぎょーさんおって」 

 

シンジ「嫁って―――」 

 

アスカ「シンジー!!お茶がなくなったー、買ってきてー」 

 

シンジ「……もう」 

 

レイ「……」

 

 

放課後 

 

シンジ「綾波、本部までいこうか」 

 

レイ「ええ。行きましょう」 

 

アスカ「シンジー、今日シンクロテストでしょー?」 

 

シンジ「そうだけど?」 

 

アスカ「じゃあ、急ぐわよ」 

 

シンジ「あ、ちょっとまって綾波も一緒に」 

 

アスカ「バカね。欲しいCDがあるの。それを一緒に買いに行く約束でしょ」 

 

シンジ「そんな約束してないよ」 

 

アスカ「今、したじゃない」 

 

シンジ「もう……。綾波、ごめん!!先にいってて!!」 

 

レイ「わかったわ」 

 

レイ「……」

 

 

ネルフ本部 更衣室 

 

アスカ「ふんふふーん♪」 

 

レイ「……楽しそうね」 

 

アスカ「……え?なんか言った?」 

 

レイ「……碇くん。困ってたわ。貴方は少し強引だと思う」 

 

アスカ「いいのよ。バカシンジなんて私の奴隷みたいなものだし」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「あいつは私の惚れてるんでしょうね。ま、キモイけど惚れてるならそれを利用するまでよ」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「ま、惚れたほうの負けよね。この美少女のアスカ様に惚れるのは仕方ないんだけ―――」 

 

レイ「……」バンッ!!!!!! 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

レイ「……」 

 

アスカ「な、なによ……?も、文句でもあるわけ……?」

 

アスカ「なによ!?どうせなにも言えないんでしょ!!」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「ほら、なんとかいって―――」 

 

レイ「……」バンッ!!!! 

 

アスカ「……っ」ビクッ 

 

アスカ「は、はっ。物にしか当たれないの?あんた、バカ?口がついてるなら口で言い返せばいいでしょ?」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「物に当たるとか負け犬の遠吠えみたいでわらえ―――」 

 

レイ「……っ!!!」バンッ!!!!!!! 

 

アスカ「ひぃ」ビクッ 

 

レイ「先、行くから」トテトテ 

 

アスカ「ちょっと、まだ話は―――」 

 

レイ「……」バンッ!!!!! 

 

アスカ「……!?」 

 

レイ「先にいくからっていったわ」

 

 

廊下 

 

アスカ(な、なによ、アイツ。あんなに怒ることないじゃない……) 

 

アスカ(全部、ホントのことなんだし……) 

 

アスカ「全くもぉ」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「あ、シンジー」トコトコ 

 

シンジ「アスカ。どうしたの?」 

 

アスカ「ちょっと聞いてよ。さっき、更衣室で―――」 

 

レイ「……碇くん」 

 

アスカ「……!?」ビクッ 

 

シンジ「綾波。なに?」 

 

レイ「赤木博士が呼んでる。行きましょう」 

 

アスカ「私は?」 

 

レイ「知らないわ。知るわけないから」 

 

アスカ「……」

 

ミサト「はぁーい、おつかれさま。三人とも帰っていいわよー」 

 

シンジ「はい」 

 

レイ「……」トテトテ 

 

アスカ「あーやっとおわったぁー」トコトコ 

 

ミサト「シンちゃん、シンちゃん」 

 

シンジ「なんですか?」 

 

ミサト「アスカはどう?」 

 

シンジ「残り3回です」 

 

ミサト「あら、意外。もうちょっと我侭し放題かと思ったけど」 

 

シンジ「意識してみると少ないって感じるのかもしれません」 

 

ミサト「なるほどね。とりあえず容赦はしちゃだめよ?アスカ自身のためでもあるし」 

 

シンジ「はい」 

 

ミサト「それじゃあね」 

 

シンジ「失礼します」

 

 

更衣室 

 

レイ「……」ヌギヌギ 

 

アスカ「……」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「ちょっと、なんとか言いなさいよ……」 

 

レイ「……なんの話?」 

 

アスカ「アンタ、あのバカに惚れてんの?」 

 

レイ「意味が分からないわ」 

 

アスカ「だって、シンジをバカにして怒ったんでしょ?」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「でも、ざーんねん。シンジは私にぞっこんだから」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「アンタみたいな無愛想で何考えてるが分からない奴にシンジは靡いたりしないから」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「だからもう、シンジに近づかないで。アイツが変な勘違いするかもしれないし。わかった?」

 

レイ「……碇くんは貴方のことを特別に想っているの?」 

 

アスカ「ええ。そうよ」 

 

レイ「……貴方も?」 

 

アスカ「なんで私が。アイツの片思いよ」 

 

レイ「そう。―――だから、貴方は碇くんを良いように扱っているのね」 

 

アスカ「その通りよ」 

 

レイ「どうしてそんなことをする権利が貴方にあるの?」 

 

アスカ「私に惚れてるアイツが悪いの」 

 

レイ「でも、好きじゃないならそのまま突き放せばいいだけ」 

 

アスカ「寄ってくる男は利用するだけ利用するのよ」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「惚れたほうが悪いの―――」 

 

レイ「……」ガンッ!!!!!! 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

レイ「黙って」

 

アスカ「ちょっと、ロッカーを蹴るとか―――」 

 

レイ「……」バンッ!!! 

 

アスカ「ひぐっ」ビクッ 

 

レイ「黙ってて言ったわ」 

 

アスカ「……」 

 

レイ「……碇くんは別に貴方のことなんて好きじゃないとおもう」 

 

アスカ「なんですっ―――」 

 

レイ「……」バンッ!! 

 

アスカ「……」 

 

レイ「碇くんは優しいだけ。いつか貴方は痛い目にあう」 

 

アスカ「はっ。何言って」 

 

レイ「さよなら」トテトテ 

 

アスカ「ちょっと、逃げるの!?」 

 

レイ「……さよなら……って言ったわ」 

 

アスカ「……うん」

 

 

アスカ(くっそ!!なによ!!あの無口女!!あー!!もう!!ちょーむかつくぅ!!!) 

 

アスカ「……」イライラ 

 

シンジ「アスカー」 

 

アスカ「うるさいわね!!!」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「ちょっと黙ってなさいよ」 

 

シンジ「でも、ご飯……」 

 

アスカ「いらないっ!!ダイエットはじめるって昨日いったでしょ!!」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「どっかいって」 

 

シンジ「ちゃんとカロリーのこと考えて作ったから―――」 

 

アスカ「うるさいっていってるでしょ!!!」 

 

シンジ「……っ」バンッ!!!!!!!!!!! 

 

アスカ「ひゃっ」ビクッ

 

シンジ「……」 

 

アスカ「わ、私がそんなことでいちいちビビるとでも思ってるの……?」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「いい加減にしなさいよね!!言いたいことがあるなら口で!言葉で言いなさいよ!!物を叩くな!!」 

 

シンジ「じゃあ、食べてくれるの?」 

 

アスカ「た、たべない……っていってるでしょ……」 

 

シンジ「……アスカのために作ったのに?」 

 

アスカ「だから……ダイエットで……」 

 

シンジ「カロリーの計算はしたよ?」 

 

アスカ「……あ、アンタのことなんて信じられるわけ、ないでしょ……」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……と、とにかく、いらないからっ!!」テテテッ 

 

シンジ「アスカ……」 

 

シンジ「はぁ……」

 

 

ミサト「たっだいまー」 

 

シンジ「おかえりなさい」 

 

ミサト「アスカは?」 

 

シンジ「部屋にいます。ときどき、お腹すいたって聞こえてきますけど」 

 

ミサト「で、効果は?」 

 

シンジ「言うこと聞いてくれませんでした。もうビビらないとかなんとか」 

 

ミサト「マジ?ちっ、しくったわね」 

 

シンジ「やっぱり、今まで通り普通に……」 

 

ミサト「いいえ。まだよ」 

 

シンジ「ミサトさん……」 

 

ミサト「いい?シンジくん。今度は一言加えましょう」 

 

シンジ「一言?それは流石に……喧嘩に……」 

 

ミサト「だいじょーぶよー。私もみててあげるから!さ、アスカを呼んできて!!」 

 

シンジ「わ、わかりました」 

 

ミサト「むふふ……」

 

シンジ「アスカー」 

 

アスカ「な、なに……?」 

 

シンジ「ちょっと話があるんだけど」 

 

アスカ「わ、私はないけど……」 

 

シンジ「大事な話なんだ」 

 

アスカ「う、うるさいわね……私は―――」 

 

シンジ「……」バンッ!!!!! 

 

アスカ「ひぇ」ビクッ 

 

シンジ「話があるんだ」 

 

アスカ「……わ、わかったわよ。うるさいわね……」 

 

シンジ「ありがとう」ニコッ 

 

アスカ「……」

 

ミサト「……」 

 

アスカ「で、話ってなによ……?」 

 

シンジ「これからの献立のこと」 

 

アスカ「献立?」 

 

シンジ「毎回アスカのためだけに廃棄したくないから」 

 

アスカ「それで……?」 

 

シンジ「ダイエットしているのはわかったけど、どんな料理なら食べてくれるの?」 

 

アスカ「ちゃんとカロリーのことと栄養のことを考えてくれればいいわよ」 

 

シンジ「じゃあ、今日の料理もちゃんと食べてよ」 

 

アスカ「だ、だから……今日は食べたくないの……」 

 

シンジ「体調でも悪いの?」 

 

アスカ「なんでもいいでしょ!?食べたくないの!!」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「ペンペンにでも食べさせればいいでしょ!!こんなもの!!」 

 

シンジ「……」

 

シンジ「でも……」 

 

アスカ「私の言うことがきけないの!?」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「あ……」 

 

シンジ「できるだけ聞くよ。でも、こうも毎回だと」 

 

アスカ「うるさいわね!!アンタは私の奴隷でしょ!!!―――あ」 

 

シンジ「……アスカ。作る身にもなってよ」 

 

アスカ(ホッ) 

 

アスカ「そんなのアンタが好きでやってるんでしょ。私は頼んだ覚えなんてない―――」 

 

シンジ「……だまれよっ!!バンッ!!!!!! 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「で、アスカはどんな料理なら食べてくれるの?」ニコッ 

 

アスカ「……」

 

ミサト「……」 

 

シンジ「アスカ?どうしたの?」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「アスカ?質問に答えてよ」 

 

アスカ「……た、叩かない?」 

 

シンジ「うん。叩かないから」 

 

アスカ「……ホントに今日はそんなに食べたくなくて……」 

 

シンジ「なにかあったの?」 

 

アスカ「別に……」 

 

シンジ「言ってよ。アスカの力になるから」ニコッ 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

シンジ「どうかした?」 

 

アスカ「……ちょっと喧嘩して」 

 

シンジ「綾波と?」 

 

アスカ「……うん」

 

シンジ「それで気分が優れなかったのか」 

 

アスカ「そう……」 

 

シンジ「ふーん」 

 

アスカ「……」ビクッ 

 

シンジ「わかった。それじゃあ、今日はいいよ。もし気分がよくなかったらなすぐに言って」 

 

アスカ「わ、わかったわ……」 

 

シンジ「じゃあ、おやすみ」 

 

アスカ「お、おやすみ」トコトコ 

 

シンジ「……どうでしたか?」 

 

ミサト「うーん……」 

 

シンジ「ミサトさん?」 

 

ミサト「いいじゃない!!パーペキよ」 

 

シンジ「でも、ちょっと可哀相な気も……」 

 

ミサト「いいのいいの。最近のアスカは傍若無人だったし、いい薬よ」 

 

シンジ「だといいんですけど」

 

 

翌朝 

 

シンジ「アスカー」 

 

アスカ「な、なに?」 

 

シンジ「朝ごはんできてるよ」 

 

アスカ「うん……」 

 

シンジ「ほら、早く」 

 

アスカ「わ、わかってるわよ!!うるさいわね!!」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「あ、ちがう!!今のはシンジにいったんじゃないの!!!」 

 

シンジ「早くしてね」 

 

アスカ「5秒でいくっ!!」 

 

アスカ「えっと……!!」 

 

アスカ「パジャマのままでもいい!?」 

 

シンジ「……ちゃんと着替えなきゃ」 

 

アスカ「そ、そうよね!!私がどうかしてたわ!!」バタバタ

 

 

アスカ「……はぁ……はぁ……」 

 

ミサト「アスカ?酷い寝癖よ?」 

 

アスカ「あ、あとで直すわ。ご飯が先よ……」 

 

ミサト「ふーん」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「お待たせ、アスカ」 

 

アスカ「すこしも待ってないわ」 

 

シンジ「残さず食べてね」 

 

アスカ「も、もちろんよ」 

 

シンジ「よかった」ニコッ 

 

アスカ「はむっ……!!もぐもぐっ……!!」 

 

シンジ「アスカ?」 

 

アスカ「……っ?!」ビクッ 

 

シンジ「よく噛んで食べないと」 

 

アスカ「……っ」コクコク

 

 

通学路 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「ねえ、アスカ?」 

 

アスカ「な、なになに?!」 

 

シンジ「ネコがいるね」 

 

アスカ「ホントね」 

 

シンジ「可愛いね」 

 

アスカ「そう?」 

 

シンジ「……え?」 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

アスカ「す、すごい!!かわいい!!飼う!?ねえ、シンジ、あの猫飼ってみる!?」 

 

シンジ「ううん。飼いたいって思うほど可愛いとは思って無いから」 

 

アスカ「そ、そう……」 

 

シンジ「でも、アスカが飼いたいっていうなら」 

 

アスカ「わ、私も別に……」アセアセ

 

 

学校 

 

アスカ「はぁ……」 

 

ヒカリ「おっはよ。アスカ」 

 

アスカ「おはよう……」 

 

ヒカリ「元気ないね?」 

 

アスカ「ちょっとね……」 

 

ヒカリ「なにかあった?」 

 

アスカ「ううん……私が悪いの……」 

 

ヒカリ「アスカ……?どうしたの?」 

 

アスカ「なんでもない……」 

 

ヒカリ「もう……アスカっ」バンッ!! 

 

アスカ「ごめんなさい!!」ビクッ 

 

ヒカリ「……え?」 

 

アスカ「物は叩かないほうがいいわよ……?」 

 

ヒカリ「あ、そ、そうね。ごめん」

 

トウジ「なんや、せんせーの嫁2号がしょぼくれとるで」 

 

ケンスケ「なにかあったの?」 

 

シンジ「ちょっと怒ったら、元気なくなって」 

 

トウジ「喧嘩やのうて?」 

 

シンジ「うん」 

 

ケンスケ「確かに。ああいうタイプは打たれ弱いところもあるんだよねー」 

 

トウジ「ええ薬や、あっはっはっは」 

 

シンジ「……」 

 

レイ「……碇くん。おはよう」 

 

シンジ「おはよう、綾波」 

 

レイ「……弐号機の人は?」 

 

シンジ「え?ああ、ちょっと色々あって」 

 

レイ「そう」 

 

シンジ「心配?」 

 

レイ「いいえ。全然思ってないから」

 

 

学校 更衣室 

 

アスカ「はぁ……もうやってらんない」 

 

ヒカリ「アスカー、先にプールいってるよー」 

 

アスカ「わかったー」 

 

アスカ「はぁ……」 

 

レイ「……なにかあったの?」 

 

アスカ「ひっ?!」 

 

レイ「……なに?」 

 

アスカ「びっくりさせないでよ……」 

 

レイ「碇くん、心配してたわ」 

 

アスカ「え……?」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「と、当然でしょ。アイツは私に惚れてるんだから」 

 

レイ「……」

 

アスカ「でも、アイツが全部悪いんだからっ!!」 

 

レイ「碇くんが?」 

 

アスカ「そーよ!!ことあるごとに物を殴って、マジさいてー!!」 

 

レイ「……それは貴方が悪いんじゃないの?」 

 

アスカ「私は悪くないわよ!!言うことをきかない犬のほうがわるいんでしょ?!」 

 

レイ「犬……?」 

 

アスカ「そうよ!!犬よ!!全く、どんな躾をしたらああいうふうになるのか……!!」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「ホント、アイツは使えないわね!!あー!!もうなんか今になって腹がたってきたぁ!!」 

 

レイ「あの」 

 

アスカ「そもそもなんで私がアイツの顔色を伺わないといけないのよ!!ありえないじゃない!!」 

 

レイ「ねえ」 

 

アスカ「なによ?!」 

 

レイ「一応、聞いておくわ。―――犬って誰のこと?」 

 

アスカ「バカシンジに決まってるでしょ!!アイツ、以外に誰がいるっていうのよ!!」

 

レイ「……そう」 

 

アスカ「こうなったら、次の昼休みに―――」 

 

レイ「……」バンッ!!!!! 

 

アスカ「きゃん」ビクッ 

 

レイ「……」 

 

アスカ「あ、そろそろ……プールに行かないと……」トコトコ 

 

レイ「……」バンッ!!! 

 

アスカ「ひぃ」ビクッ 

 

レイ「……」 

 

アスカ「ち、ちこく……するわよ……?」 

 

レイ「どうせ見学だから」 

 

アスカ「私は……」 

 

レイ「……座って」 

 

アスカ「……あの……」 

 

レイ「二度も言わせないで」

 

レイ「……」 

 

アスカ「あの……ね……」 

 

レイ「犬って……どうして?」 

 

アスカ「え?」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「だ、だって……何でも言うこと聞くし……呼んだらすぐに来る―――」 

 

レイ「……」バンッ!!! 

 

アスカ「ご、ごめんなさいっ」ビクッ 

 

レイ「優しい碇くんに付け込んで、何を言っているの?」 

 

アスカ「だ、だって……」 

 

レイ「だって?」 

 

アスカ「わ、私のためならなんでもするって……」 

 

レイ「……碇くんが?」 

 

アスカ「ほ、ほんと……ほんとなの……」 

 

レイ「……」

 

アスカ「ホントにシンジがぁ……」 

 

レイ「シンジ……?」 

 

アスカ「碇くんが……言ったの……」 

 

レイ「貴方が都合のいいように解釈しているだけじゃないの?」 

 

アスカ「し、してない……わたしは……」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「ほんとにしてないから!!私は悪くな―――」 

 

レイ「……っ」バンッ!!!!!! 

 

アスカ「ひぅっ」ビクッ 

 

レイ「……」 

 

アスカ「ごめんなさい……もうやだぁ……やめて……」 

 

レイ「碇くんは犬じゃないわ」 

 

アスカ「は、はい……」 

 

レイ「……犬じゃない」 

 

アスカ「ごめんなさい……!!もう言わないから……!!叩かないでぇ……!!」

 

 

プールサイド 

 

レイ「……」トテトテ 

 

アスカ「……」トコトコ 

 

ヒカリ「アスカー、どうしたのー?」 

 

アスカ「ヒカリ……」 

 

ヒカリ「もう遅刻よ?」 

 

アスカ「うん……」 

 

ヒカリ「アスカ……?今朝から様子が変だけど」 

 

アスカ「だいじょうぶ。さ、およご」 

 

ヒカリ「う、うん」 

 

アスカ(もういや……なんで……) 

 

アスカ(シンジは言ったのに……!!私のためならなんでもするって……!!) 

 

アスカ(いったのに……)ウルウル 

 

レイ「……」ジーッ

 

 

昼休み 

 

トウジ「で、そこでな―――」 

 

レイ「碇くん、隣、いい?」 

 

シンジ「うん。いいよ」 

 

レイ「ありがとう」 

 

トウジ「ほんま、せんせはモテモテやな」 

 

ケンスケ「人のこといえないくせに」 

 

レイ「……碇くん」 

 

シンジ「なに?」 

 

レイ「……彼女に何でもするって言ったことある?」 

 

シンジ「彼女って……」 

 

 

アスカ「はぁ……」 

 

 

葛城宅 

 

アスカ「ただいま……」 

 

ペンペン「くぉー!!!」バタバタバタ 

 

アスカ(暴れてる……遊んでるのかな……) 

 

アスカ(疲れた。何か飲もう……) 

 

アスカ「確か……オレンジジュースが……あった」 

 

アスカ「んっ……」ゴクゴク 

 

バンッ!!!!! 

 

アスカ「ぶっ!?!」ビクッ 

 

アスカ「ごほっ!!えほっ!!ごほごほ!!!」 

 

アスカ「だ、だれ……?」ソーッ 

 

ペンペン「くおー……」フラフラ 

 

アスカ「はぁ……ペンペンか……」ヘナヘナ 

 

アスカ「うぅ……」ウルウル 

 

アスカ「……うぇぇん……」ポロポロ

 

シンジ「ただいまー。アスカー?帰ってるのー?」 

 

シンジ「アス―――」 

 

アスカ「ぐすっ……うぇぇ……えほっ……」ポロポロ 

 

シンジ「アスカ……?」 

 

アスカ「あ……シンジ……」ゴシゴシ 

 

シンジ「あの……」 

 

アスカ「い、いま、コップを洗おうと思ってたの……!!」 

 

シンジ「いや、僕がやるから」 

 

アスカ「いい」 

 

シンジ「だって、もうすぐ夕食の準備するし、そのときまとめて洗うから」 

 

アスカ「ここに置いてて……いいの?」 

 

シンジ「いいよ。いつもそうしてたじゃないか」 

 

アスカ「叩かない……?絶対……?」 

 

シンジ「叩かないよ」 

 

アスカ「じゃあ……お願い……」

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……」ソワソワ 

 

シンジ「どうしたの?」 

 

アスカ「……手伝うわよ」 

 

シンジ「いいよ。そんなことしなくて」 

 

アスカ「だって……」 

 

シンジ「アスカは残さず料理を食べてくれればいいから」 

 

アスカ「ホントに……?」 

 

シンジ「うん」 

 

アスカ「嘘じゃ……ないわよね?」 

 

シンジ「嘘じゃない」 

 

アスカ「……じゃあ、残さず食べる」 

 

シンジ「ありがとう」 

 

アスカ「……あ、あとで手伝わなかったこと、怒らないでよ……?」 

 

シンジ「怒らないよ」

 

シンジ「アスカー、できたよー」 

 

アスカ「……」テテテッ 

 

シンジ「はい」 

 

アスカ「い、いただきます」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……まだ、食べたらだめ……?」 

 

シンジ「違う違う。ドンドン食べて」 

 

アスカ「うん……」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「もぐ……もぐ……もぐ……」 

 

シンジ「……アスカ?」 

 

アスカ「……っ!?」ビクッ 

 

アスカ「ごほっ?!ごほ!!おぇ……!!」 

 

シンジ「アスカ!?大丈夫!?」 

 

アスカ「な、なに……?私、また、何かした……?」ブルブル

 

シンジ「アスカ……」 

 

アスカ「ごめんなさい……いい子になるから……叩かないで……」ガクガク 

 

シンジ「なんでもないから。驚かせてごめん」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「……」 

 

シンジ(綾波が言ってたこと本当だ……) 

 

 

レイ『碇くん。彼女の様子がおかしいわ』 

 

シンジ『僕も気になってたんだ』 

 

レイ『何をしているかしらないけど、やめたほうがいいと思う』 

 

シンジ『うん……』 

 

レイ『私にも原因があるから、あとで謝っておくわ』 

 

 

シンジ(アスカ……) 

 

アスカ「……」ビクッ 

 

シンジ(僕のせいだ……)

 

ミサト「たっだいまー」 

 

シンジ「ミサトさん」 

 

ミサト「どうかした?」 

 

シンジ「アスカのことで」 

 

ミサト「なに?まだ直んないの?」 

 

シンジ「逆です。効果的すぎてむしろ少しぐらい直してあげたいんです」 

 

ミサト「そんな数日で」 

 

シンジ「……ちょっと見てください」 

 

ミサト「なになに?」 

 

シンジ「アスカー」 

 

アスカ「……」テテテッ 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「な、なに……シンジ……?」 

 

シンジ「……」バンッ!! 

 

アスカ「やぁ!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!もうゆるして!!いい子になるからぁ!!!」

 

ミサト「な……?!」 

 

アスカ「うぅ……」ガクガク 

 

シンジ「ミサトさん……」 

 

ミサト「嘘でしょ……?マジ……?」 

 

シンジ「どうします?」 

 

ミサト「これはちょっち……いや、かなりヤバいわね」 

 

シンジ「エヴァに乗れないかもしれませんよ」 

 

ミサト「……アスカ?」 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

ミサト「あちゃー」 

 

シンジ「どうしますか?」 

 

ミサト「まぁ、甘やかせばいいんだろうけど、リバウンドしたらもっとやっかいなことになりかねないし……」 

 

シンジ「でも……!!」 

 

ミサト「しゃーない。ちょっと考えるから、それまでアスカの世話おねがいね」 

 

シンジ「わ、わかりました」

 

アスカ「ごめんなさい……ごめんなさい……」ブルブル 

 

シンジ「アスカ……」 

 

アスカ「いやぁ……ゆるして……私……私がわるいの……」 

 

シンジ「アスカ、何もしないから」 

 

アスカ「……ホントに?」 

 

シンジ「もう叩かない。誓うから」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「そうだ。デザートのアイスとかいる?」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「冷たくておいしいよ?」 

 

アスカ「……シンジは?」 

 

シンジ「僕も食べる」 

 

アスカ「……じゃあ、食べる」 

 

シンジ「……」 

 

シンジ(なんとかしなきゃ……なんとか……)

 

シンジ「……」 

 

アスカ「はむっ……」 

 

シンジ(甘やかせば確かに元に戻るかもしれないけど、それじゃあ後が怖すぎる) 

 

シンジ(かといってこのままになんて……」 

 

アスカ「はむっ」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……はぁ♪」 

 

シンジ「……」ドキッ 

 

シンジ(ダメだ!!元のアスカに戻ってもらわないと!!!) 

 

シンジ「ね、ねえ、アスカ?」 

 

アスカ「な、なに……?」ビクッ 

 

シンジ「何か欲しいものとかやりたいことある?なんでも言ってよ」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「アスカのためならなんでもするから」 

 

アスカ「シンジ……」

 

アスカ「ううん。いいから。そういうの……」 

 

シンジ「どうして……?」 

 

アスカ「だって……私が悪いから……」 

 

シンジ「アスカ……」 

 

アスカ「ごめんね……シンジ……。いい子にするから……」 

 

シンジ「……わかったよ」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「でも、何かあったら言ってね」 

 

アスカ「……うん」 

 

シンジ「……」 

 

シンジ(ミサトさんに任せるしかないのかなぁ……) 

 

アスカ「……アイス……」ボソッ 

 

シンジ「え?」 

 

アスカ「な、なんでもないっ!!」ビクッ 

 

シンジ「……」

 

 

翌朝 

 

シンジ「ん……」 

 

シンジ「はぁ……」 

 

シンジ(アスカ……どうしたら……) 

 

アスカ「シンジー」 

 

シンジ「どうした―――あ」 

 

アスカ「お、お皿だけでもな、ならべてみたんだけど……」モジモジ 

 

シンジ「そんなことしなくてもいいのに」 

 

アスカ「ひっ。ごめんなさい!!ごめんなさい!!」 

 

シンジ「え?」 

 

アスカ「い、いますぐ片付けるから……」 

 

シンジ(しまった!?) 

 

シンジ「アスカ!ありがとう!!すごく助かったよ!!」 

 

アスカ「ほ、ほんとに……?叩かない……?」オロオロ 

 

シンジ「そんなことしないよ。ありがとう、アスカ」

 

ミサト「バターっと」スッ 

 

アスカ「……」ビクッ 

 

シンジ「ミサトさん、どうなんですか?」 

 

ミサト「ちょっち厳しいかも」 

 

シンジ「そんな無責任な」 

 

ミサト「だってぇ。こんなことになるなんてぇ」 

 

シンジ「ミサトさんっ!!!」バンッ!!!! 

 

アスカ「きゃぁ!!」ビクッ 

 

シンジ「あ」 

 

アスカ「ごめんなさい……ごめんなさい……」ブルブル 

 

ミサト「とりあえずできるだけ甘やかしてみて。元には戻るかもしれないし」 

 

シンジ「甘やかすっていっても……」 

 

アスカ「うぅ……」ウルウル 

 

シンジ「はぁ……」

 

 

通学路 

 

シンジ「アスカ、鞄持つよ」 

 

アスカ「いい。私がシンジの持つ」 

 

シンジ「いいって。いつも僕が持ってたじゃないか」 

 

アスカ「ううん。シンジ、嫌だったんでしょ?」 

 

シンジ「嫌じゃないけど」 

 

アスカ「私が持つってば」バッ 

 

シンジ「あ……」 

 

アスカ「……これで叩かない?」 

 

シンジ「アスカ?」 

 

アスカ「……なに?」 

 

シンジ「もう僕は叩かないって。いつものアスカに戻ってよ」 

 

アスカ「怖いから……」 

 

シンジ「え……?」 

 

アスカ「いつも安心したときにシンジ、叩くから……怖いの……」

 

 

学校 

 

ヒカリ「アスカ、おっはよ」 

 

アスカ「ヒカリ……おはよう」 

 

ヒカリ「アスカ?どうしたの?」 

 

アスカ「え?」 

 

ヒカリ「なんか本当に変だよ?」 

 

アスカ「大丈夫。私は元気だから」 

 

シンジ「綾波」 

 

レイ「碇くん……どう?」 

 

シンジ「ダメだよ」 

 

レイ「そう……」 

 

シンジ「どうしたら……」 

 

レイ「碇くん……私に考えがあるわ」 

 

シンジ「え?どんな?」 

 

レイ「……碇くんじゃないとダメなんだけど、やってくれる?」

 

レイ「―――というわけ」 

 

シンジ「でも、それ……」 

 

レイ「彼女を取り戻すためにはやるしかないわ」 

 

シンジ「……上手くいく可能性は?」 

 

レイ「40%」 

 

シンジ「……」 

 

レイ「行って来るから」 

 

シンジ「綾波……!!」 

 

レイ(彼女は今、怒られることを極端に恐れている……) 

 

レイ(それは守ってくれる相手がいないから) 

 

レイ(今まで彼女は無意識に碇くんをそういう相手だと認識していた) 

 

レイ(でも、その碇くんにも見放され、周囲からも攻撃を受けて……彼女は堕ちた) 

 

レイ(なら……彼女を守ってくれる相手を作れば……あるいは……) 

 

レイ「ちょっといい?」 

 

アスカ「ひっ」ビクッ

 

 

更衣室 

 

アスカ「……な、なによ……やめてよ……」ブルブル 

 

レイ「……」 

 

アスカ「もうすぐ……授業が……」 

 

レイ「……」バンッ!!! 

 

アスカ「ひゃぁ!?」ビクッ 

 

レイ「……」 

 

アスカ「あぁぁ……やめて……ごめ……」ガクガク 

 

レイ「……」バンッ!!!! 

 

アスカ「あぁぁぁ……!!!!いやぁ!!いやぁ!!!!」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「やめて!!おねがい!!ここから出して!!!いやぁ!!!」ポロポロ 

 

レイ「……」バンッ!!!!! 

 

アスカ「きゃぁぁ!!!!ゆるして!!!もうシンジには近づかない!!でていく!!でていって一人で外でねるからぁ!!!」ポロポロ 

 

レイ「……」

 

アスカ「やだぁ……!!やぁ……!!」ブルブル 

 

レイ「……」 

 

アスカ「うぅ……もうやめてぇ……ここからだしてよぉ……おねがいだからぁ……」ポロポロ 

 

レイ「……」バンッ!!!!! 

 

アスカ「ぎゃぁぁ!!!!!いやぁぁ!!!ママァ!!!ママァ!!!!」 

 

レイ「私は……痛い目にあうっていったわ」 

 

アスカ「だして!!ここからだしてぇ!!!」ポロポロ 

 

レイ「……」 

 

アスカ「なんでもする……!!だから、ころさないで……!!ゆるして……ゆるして……」ポロポロ 

 

レイ「……泣かないで」 

 

アスカ「おねがいぃぃ……おねがいぃぃ……もうやめてぇ……」ポロポロ 

 

レイ「泣かないで……」バンッ!!!! 

 

アスカ「ひぐっ……」ビクッ 

 

レイ「……」 

 

アスカ「うっぅぅ……」ポロポロ

 

レイ「……誰に助けてほしいの?」 

 

アスカ「ママァ……」ポロポロ 

 

レイ「でも、貴方の母親はもういないわ」 

 

アスカ「ひっぐ……」ポロポロ 

 

レイ「他には?」 

 

アスカ「そ、それは……えっと……」ポロポロ 

 

レイ「誰?」 

 

アスカ「うっ……ぐすっ……」 

 

レイ「誰?」バンッ!!!!! 

 

アスカ「ひぃ?!―――し、しんじぃ!!!しんじぃ!!!」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「しんじぃがいい!!しんじぃがいいの!!!」ポロポロ 

 

レイ「そう……」 

 

アスカ「しんじぃ!!たすけてぇ!!しんじぃ!!!」ポロポロ 

 

レイ(やっぱり、貴方も……)

 

レイ「碇くん……」 

 

バンッ!!! 

 

アスカ「ひゃぁぁ!?!?!?!」 

 

シンジ「アスカ!!大丈夫!?」 

 

アスカ「しんじぃ!?」 

 

シンジ「ごめん。綾波が場所を教えてくれなかったから」 

 

アスカ「しんじぃ!?しんじぃぃ!!!」ギュゥゥ 

 

シンジ「アスカ……」 

 

アスカ「しんじぃ!!いい子になるからぁ!!私をみすてないでぇ!!」ポロポロ 

 

シンジ「……綾波」 

 

レイ「それじゃあ、碇くん。あとはまかせたわ」 

 

シンジ「そんな!?これからどうしたら……!?」 

 

レイ「大丈夫よ。碇くんならきっと」 

 

シンジ「そんな……」 

 

アスカ「ぐすっ……えぐっ……」ギュゥゥ

 

シンジ「……」 

 

アスカ「うぅ……」 

 

シンジ「落ち着いた?」 

 

アスカ「……少し」 

 

シンジ「えっと……」 

 

アスカ「……いつも、私を守ってくれてるのは……ママだった」 

 

シンジ「……」 

 

アスカ「……でも……いつの間にかシンジが私を守ってたのね……」 

 

シンジ「アスカ……」 

 

アスカ「シンジ……ごめんね……今まで……酷いこと……いっぱい……」 

 

シンジ「ううん。アスカに対して本気で怒ったことなんて……まぁ、あるにはあるけど……そんなにないよ」 

 

アスカ「シンジ……でも、私の我侭で怒ったんじゃ……」ギュゥゥ 

 

シンジ「我侭なアスカも僕は好きだから」 

 

アスカ「えっ」ビクッ

 

シンジ「だから、我侭言ってくれていいんだ」 

 

アスカ「……そ、そんなこといって……また、叩くんでしょ……?」 

 

シンジ「しないって」 

 

アスカ「ホントにホント?」 

 

シンジ「しない。まぁ、事故はあるかもしれないけど、アスカに対して故意にすることはないって」 

 

アスカ「……」 

 

シンジ「……信じられない?」 

 

アスカ「……っ」フルフル 

 

シンジ「アスカ……ありがとう……」ニコッ 

 

アスカ「ちゃ、ちゃんと守ってよ……バカ……シンジ……」 

 

シンジ「うん」 

 

アスカ「……」ギュッ 

 

シンジ「そろそろ教室に……」 

 

アスカ「もう少し……」 

 

シンジ(女子更衣室にあまり長居したくないんだけど……)

 

 

昼休み 

 

トウジ「せんせー!!ひるめ―――」 

 

アスカ「シンジ……あの……」モジモジ 

 

シンジ「うん。いこっか」 

 

アスカ「……うん」 

 

トウジ「な、なんや……」 

 

ケンスケ「大進展ってやつですか」 

 

ヒカリ「アスカ……おめでとう……」 

 

アスカ「あ、空き教室……で」 

 

シンジ「そうだね」 

 

アスカ「……♪」 

 

トウジ「嫁2号の勝ちやなぁ」 

 

ケンスケ「トウジ!!」 

 

トウジ「え……」 

 

レイ「……」

 

 

放課後 

 

レイ「碇くん。今日はテストだから」 

 

シンジ「え?ああ、そうだね」 

 

レイ「一緒に―――」 

 

アスカ「シ、シンジー?」 

 

シンジ「どうしたの?」 

 

アスカ「あの……新しいゲームが出たんだけど……一緒に行ってくれない……?」 

 

シンジ「えーと……」 

 

アスカ「無理ならいいんだけど……一人でいくから……」 

 

シンジ「わかった。いくよ」 

 

アスカ「シンジ……」 

 

シンジ「綾波、あとで」 

 

レイ「ええ」 

 

レイ「……」

 

 

ネルフ本部 更衣室 

 

アスカ「あれからシンジがすごく優しいのよね」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「ま、まぁ、今までも十分に優しかったんだけど……」 

 

レイ「……」 

 

アスカ「やっとそれに私も気がつけたっていうか……多分、そうなのよね」 

 

アスカ「シンジ……ずっと私のこと……見ててくれた……」 

 

レイ「……っ」 

 

アスカ「うれしい……」 

 

レイ「……」バンッ!!!!! 

 

アスカ「ひっ」ビクッ 

 

レイ「先、いくから」 

 

アスカ「あの……ごめ……」 

 

レイ「先、行くから」 

 

アスカ「ごめん……なさい……」

 

 

数時間後 休憩室 

 

レイ「……」トコトコ 

 

シンジ「綾波」 

 

レイ「碇くん?」 

 

シンジ「……」バンッ!!!! 

 

レイ「……?!」ビクッ 

 

シンジ「……アスカ、泣いてた」 

 

レイ「え……」 

 

シンジ「綾波に泣かされたって」 

 

レイ「ちが……」 

 

シンジ「……」バンッ!!!!! 

 

レイ「ひっ」ビクッ 

 

シンジ「アスカはこの音がトラウマになったの、綾波知ってるだろ?」 

 

レイ「え、ええ……」 

 

シンジ「……じゃあ、どうしてそんな酷いことができるのさ」

 

レイ「碇くん……あの……そんなつもりじゃ……」 

 

シンジ「……」バンッ!!!!!!! 

 

レイ「ひぃ」ビクッ 

 

シンジ「……」 

 

レイ「碇くん……やめて……私……あの……」 

 

シンジ「……だまれよっ!!!」バンッ!!!!!!! 

 

レイ「ひぐっ」ビクッ 

 

シンジ「綾波がアスカを泣かせたんだ」 

 

レイ「ちが……だって……あれは……」 

 

シンジ「……」 

 

レイ「いか、り……くん……」 

 

シンジ「……もうやめてよ。こういうこと」スタスタ 

 

レイ「あ……ぁ……」 

 

レイ「……」

 

 

更衣室 

 

アスカ「……」 

 

ガチャ 

 

レイ「……」 

 

アスカ「あ……」ビクッ 

 

レイ「……私、貴方を泣かせようなんて思ってなかったのに」 

 

アスカ「な、なによ……」 

 

レイ「貴方のせいで……碇くんに……」 

 

アスカ「やめて……」ガクガク 

 

バンッ!! 

 

アスカ「きゃ!?」 

 

レイ「ひっ」 

 

シンジ「……綾波」 

 

レイ「碇くん……」 

 

アスカ「シンジ……♪」

 

レイ「わ、わたしは……」 

 

シンジ「……」ガンッ!!!!! 

 

レイ「うっ」ビクッ 

 

レイ「ゆるして……碇くん……」 

 

シンジ「綾波の協力があったからなんとかアスカは立ち直れたけど、どうしてまた悪化させようとするの?」 

 

レイ「わたしは……」 

 

シンジ「……」バンッ!!!! 

 

レイ「……」ビクッ 

 

シンジ「アスカ、帰ろう」 

 

アスカ「プラグスーツ脱ぐから……えっと……5分だけ……待ってて……くれる?」 

 

シンジ「ゆっくりでいいよ」 

 

アスカ「う、うん」 

 

レイ「碇くん……」 

 

シンジ「さよなら」 

 

レイ「……!!」

 

 

翌日 学校 空き教室 

 

シンジ「……なに?」 

 

レイ「碇くん……なんて言ったらいいかわからないけど……その……」 

 

シンジ「……」 

 

レイ「私は……」 

 

アスカ「シンジー!!まだー?!」 

 

シンジ「今いくー。―――綾波、それじゃあ」 

 

レイ「ま、まって……」 

 

シンジ「……」 

 

レイ「こういうとき……本当にどうしたらいいから……わからないの……」オロオロ 

 

シンジ「謝ればいいと思うよ?」 

 

レイ「え?」 

 

シンジ「……」バンッ!!!! 

 

レイ「ひっ」ビクッ 

 

レイ「……ご、ごめんなさい……」

 

シンジ「……」 

 

レイ「ごめんなさい……私……そんなつもりじゃ……なくて……」 

 

シンジ「……」バンッ!!!! 

 

レイ「ひぁ」ビクッ 

 

シンジ「アスカに謝らないと」 

 

レイ「あ、そう、そうね……。あの……ごめんなさい……」ペコッ 

 

アスカ「ううん。気にしてないから……」 

 

レイ「……じゃあ、碇くん」 

 

シンジ「……」 

 

レイ「わたしと―――」 

 

シンジ「アスカと行くよ。ごめん」 

 

レイ「……」 

 

レイ「……」ポロポロ 

 

レイ「私……泣いてる……」 

 

レイ「―――もしもし、碇司令ですか?はい、綾波レイです」ポロポロ

 

 

ネルフ本部 司令室 

 

シンジ「碇シンジです」 

 

ゲンドウ「はいれ」 

 

シンジ「失礼しま―――」 

 

ゲンドウ「……何か言うことは?」 

 

シンジ「え?」 

 

ゲンドウ「……」 

 

シンジ「……特にないですけど」 

 

ゲンドウ「……ない?」 

 

シンジ「は、はい……」 

 

ゲンドウ「……」 

 

シンジ「あの……父さ―――」 

 

ゲンドウ「……」ガンッ!!!!! 

 

シンジ「……っ!?」ビクッ 

 

ゲンドウ「もう一度、聞く。何か言うことは?」

 

シンジ「え……えっと……」オロオロ 

 

ゲンドウ「……」 

 

シンジ「あ、あの……え……?」オロオロ 

 

ゲンドウ「もういい」 

 

シンジ「え……?」 

 

ゲンドウ「初号機パイロットは現時刻をもって更迭する」 

 

シンジ「なんでだよ!!どうしてだよ!!父さ―――」 

 

ゲンドウ「だまれっ!!!」バンッ!!!!! 

 

シンジ「ひっ」ビクッ 

 

ゲンドウ「……お前はいらん」 

 

冬月「おい、碇。その場の感情で―――」 

 

ゲンドウ「……」バンッ!!!!! 

 

冬月「……悪いな。身柄を拘束させてもらう」 

 

シンジ「そ、そんな……」

 

 

数日後 葛城宅 

 

シンジ「……いらない……僕はいらないんだ……」 

 

アスカ「シンジ……私もエヴァ降ろされた……シンジがいないとダメだったわ」ギュッ 

 

シンジ「アスカ……」 

 

アスカ「シンジがいれば……私は……」 

 

シンジ「アスカ……」 

 

アスカ「シンジ……」 

 

シンジ「……」バンッ!!! 

 

アスカ「ひぃ!?」ビクッ 

 

シンジ「アスカ……もう……僕にはアスカだけだ……」 

 

アスカ「シンジ……」ブルブル 

 

シンジ「アスカ……大好きだ……」バンッ!!!! 

 

アスカ「ひゃぁ?!」ビクッ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元スレ

シンジ「……だまれよっ!!」バンッ! アスカ「ひっ」ビクッ

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